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癌家族歴陽性大腸癌の臨床的特徴
日消外会誌 25(5)i1243∼ 1247,1992年 癌家族歴陽性大腸癌 の臨床的特徴 福島県立医科大学外科学第 2 講 座 渡辺 文 明 吉田 典 行 野 水 整 土 屋 敦雄 安 藤 善郎 阿 部 力 哉 教室における大腸癌手術症frl1224例 の うち,大 腸癌家族歴陽性例 は14例,6.7%,他 癌家族歴陽性例 は3 5 例, 3 5 % で , 癌 家族歴陰性7 1 1 は 1 7 4 4 2 1 1 , 7 7 . 7 %あでった。診断時年齢は大腸癌家族歴陽性群が平均 5 3 . 6 歳と他の 2 群 に比べ若年性であ り, 発 生部位 について も結腸の割合が かった 高 。異時性多発癌 を 含む重複癌 の頻度 は大腸癌家族歴陽性群で7 1 % と 他 の 2 群 よ り高 い傾 向にあった。 これ らの結果か ら大腸癌家族歴陽性例は, 家 族性大腸癌 と類 の 似 臨床的特徴を持 っているよ うに思 われた。 5 年 生存率 も大腸癌家族歴陽性群で7 0 . 5 % と良好であ り, 家 族歴 は の 癌 早期発見, 早 期治療 のための有用なマ ーカーの一つである。 Key words: family history, hereditary non polyposiscolorectal cancer 緒 言 大腸癌 の発癌 には,環 境要 因 とともに遺伝的要 因 の 関与 が 考 え られ る1)。 特 に癌 が 家族 内 に集積 してみ ら れ る場合 には,遺 伝的 な関与が大 きい と思わ れ る。著 者 らは遺 伝 的要 因 の 一 端 を 家族 歴 とい う面 か ら と ら え,癌 家族歴陽性大腸 癌 の臨床的特徴 を検 討 した 。 研 究対 象 お よび方法 は 対象 当教室 で1971∼1987年の 間 に大腸癌 手術 を施 行 した症例224例で,入院時 にお ける癌家族歴 を調査 し た。第 1度 近親者 (親,子 ,同 胞),お よび第 2度 近親 者 (祖父,祖 母,お じ,お ば,お ぃ,め い,、 、とこ) に大腸癌 が認 め られた ものを大腸癌 家族歴陽性大 陽癌 とし,大 腸癌 以外 の癌 が認 め られた もの を他 癌家族歴 陽性大腸癌 ,そ れ以外 を癌 家族歴陰性大腸 痛 とし, こ れ ら 3群 の診断時 の年齢,発 生部位 ,進 行程度分,組 織 型 り,ポ リー プ併存,重 複癌 の頻度,生 存率,お よび家 族背景 を検討 した。統計学的検 討 は ぇ2検定 を行 った。 予後調査 は1989年12月31日現在 とし,累 積法 にて生 存 率 を算 出 した. 成 績 診 断 時 の患 者 の年 齢 は 大腸癌 家族 歴 陽 性 群 で 平 均 53.6歳,他 癌家族歴陽性群 で平均 63.6歳,癌 家族歴陰 性群 で平 均61.2歳であ り,大 腸癌家族歴 陽性群 は他 2 群 よ り有 意 に (p<0.05)若 年 の傾 向 がみ られた,特 に 大腸癌 家族歴陽性群 では,49歳 以下 の 占め る割 合 が他 の 2群 に比 べ て大 きか った (ng。 1).性差 につ いては, 大腸癌 家族歴陽性群 ,他 癌 家族歴陽性群 ,癌 家族歴陰 性群 で 男女比 は それぞれ1.0,1,1,1.3で あ った。 発生部位別 にみ る と,大 腸癌 家族歴陽性群 は結腸癌 の 占め る制 合 が6.0%と 他 の 2群 よ り大 きいが,統計学 的有意差 を認めず ,結 腸 での好発部位 もみ られ なか っ た (F七.2). 組織学的進行 程度 をみ る と,stage Iの占め る割合 は 大腸癌 家族 歴 陽 性群 で53.3%,他 癌 家族 歴 陽 性 群 で 29.4%,癌 家族歴陰性群 で23.1%と 大腸癌家族歴 陽性 群 では 2群 に比 べ て 有 意 に (p<0.01)高 率 で あ った (Fig。3). Fig. l Age distribution Of Onttt Of c010rectal cancer 大腸癌 家族歴陽性群 は14例 (15病変 で 1例 は異時性 多発癌)で 全体 の6,7%,他 癌 家族 歴 陽 性群 は35例, 抑° 】斜 けhほ 甲 鯨鑑11&紺 15.6%で あ り,癌 家族歴陰性群 は174例,77.7%で あ っ '蜘 卿P者 滋館 亨 ti. <1992年 2月 12日受理>別 刷請求先 :渡 辺 文 明 〒96012 福 島市光が丘 1 福 島県立医科大学第 2外 科 n ‐1 4 n=35 mqn agc 53.6 man eg. 63.6 癌家族歴陽性大腸痛 の臨床的特徴 54(1244) Fig. 2 Location of colorectal cancer 日消 外 会誌 2 5 巻 Fig.5 5号 Frequency M′with ith polvDS polyps g6!p1:Fltr6 wlh a fdily of [email protected] n=15 n=14 Cry gttu辞 :Paた。`Wi` こFamⅢ ヽ■【 n=35 n=35 n=174 Fig. 6 Frequency of the sroupr:tsrins *ith ! toilr doublc ener hatq V74 (+) n=14 Fig. 3 Histological stage of colorectal cancer I I E V n=35 n=15 唖たn ` w i ヽ3 f a m l y S I s t e r y 仰 Paや n=35 flp3:Fttnb Pnhol tuel n=159 Fig. 7 5-year survival rate of the three groups o/o Fig. 4 Pathological findings of colorectal cancer 即u"群鮒甜 翻 Ⅲ n=15 (n=15) rp?:Sttr6 6. tuily dffidqtuln n=33 (n i 35) 861P3ipnt飾 崎wihmt ttcerF4m‖ 〕 n=160 (n=174) 組織型 は 3群 とも大部 分を腺癌 が 占め,着 年発症 に 頻度 が高 い といわ れ る粘液癌 ,印 環細胞癌 につ いてみ て も,い ず れ に も特徴 はみ られ な い (Fig。4), ポ リー プ併存 の頻度 につい てみ る と,大 腸癌家族歴 陽性群 では50.0%で 他 の 2群 よ り高率であ るが,そ の うち 1例 のみが 家族性大腸 ポ リポ ー シスで,他 の 6例 陽性 の 2群 で頻度 が高 い傾 向 に あ った (Fig。6). は家族 性大腸 ポ リポ ー シス とは区別 され るものであ っ み る と,大 腸癌家族歴陽性群 で70.5%,他 癌 家族歴湯 た (Fig.5), 性群 で59.1%,癌 家族歴陰性群 で500%と 大腸癌家族 重複癌 の頻度 は大腸癌 家族歴陽性群 で7.1%,他 癌家 族歴陽性群で8.6%,癌 家族歴陰性群 で2.3%と 癌 家族 Kaplan Meier法 に よる 5年 累積生存 率 を比較 して 歴陽性群 が最 も予後 良好 であ った (F七.7). これ ら大腸癌 家族 歴 陽性 大 腸癌 症 例 の 家族 背 景 を 1992年 5月 55(1245) Table 1 Occurenceof the colorectal cancer in family n=14 I 3 0 y . f. c o l o n c a 2 33y.f. colonca 3 38y.l.coloncr. 4 {6y.t.rectalcr 5 47y.l.rectrlca. colonca. uterineca. 6 5 2 y . l l. c o l o n c r . 7 5 3 y . l l. c o l o n c a . 8 5 5 y . l l. r e c t ! l c a . 9 60y.f.rect!lca. l0 62t.f.rectrlcr ll 65t.F.colonca. 12 6?t.f.rectrlca. 13 69r.f.!ectrlcr. 14 ? 4 y . l l. c o l o n c r . storach(2) ralynx(l) colon(l) rectut(3) storrch(l) ()number Table lに 示 した.第 1度 近親者 に大腸癌 家族 歴 を認 めた症例 は14例中12例であ った。 また父親 には 胃癌 2 例,大 腸癌 3例 ,母 親 には 胃癌 1例 ,大 腸癌 2例 ,子 宮体癌 1例 ,同 胞 には大腸癌 14例が認 め られた。 考 察 大 腸癌 を遺伝 的 な面 か らみ る と Table 2の よ うに 分類 され る。遺伝 的要 因 の強 い ものは,ポ リポ ーシス Table 2 Hereditary colorectal cancer i欧)1メ posis Sindromc l)Adcnonlatous poけ pい`COH 2)Pcut2-JCghcrs syndromc 3)JuvcnilC Pol)posis coll 2 Hcrcditaり Nonpolyposis Colorcctal Canccr(HNPCo l)SirC SPCdiC famHねi ctllorcctJ canccr(町 nch syndrOmc l) 2)CancCr famtty syndromc(Lynch syndromc II) 3)Hercditaりsolitaり adcnoma of thc colon を伴 うもの と,伴 あ な い もの とがあ る。 ポ リポ ー シス 症候群 には,大 腸腺腫症 ,Peutz‐Jeghers症 候群,若 年 性 ポ リポ ー シスが あ り,特 に大腸腺腫症 においては癌 化率 が高率 で あ る。.一 方,こ れ らポ リポ ー シスの癌化 す る polypOtic typeと ″ ま異 な り, solitary cancerが家 系 内 に 集 積 す る大 腸 癌 は, 家 族 性 大 腸 癌 と呼 ば れ 。 る。 . ま た L y n c h は 家族性大腸癌 に対 し, h e r e d i t a r y nonpolyposis c010rectal cancer(HNPCC)とヽヽう名 称 を用 いつ,hereditary site‐ specinc colon cancerで あ る Lynch syndrome Iと,cancer family syndrome' で あ る Lynch syndrome IIに 分 けて い る。HNPCCの “ 'の nonpolyposiぎ は 意味 ,家 族 性大腸腺腫症 にみ られ る典型的 な カ ーペ ッ ト状 の ポ リポ ー シスではない とい うこ とで,ポ リー プの併存 を否定す る意 味で は ない。 家族性大腸癌 においては,ポ リー プは前癌病変 として 重要 で あ り。,併 存 ポ リー プの頻 度 は14∼19%と 報 告 されて い るい 11)。 現在 HNPCCは Table 3の よ うに定 Table 3 Criteria for HNPCC 紺樹 冊 撚 淵甘 紺縛紺 総 読輸晩叫げ 乳 & 穏亀 :辞 口 n∝ 、 お 50y∽ 、 前 d ha■ :櫨 樹1鮮 崩艦ご yOungcr 3代 番 ・ Cbttnous or mctachrtl■ ous mu“ iPにctllorcctal caBccrs 9Sン d)ANociaion wib cx田 " 10ECtal mattBnanclcs (Fam■あ,p6けPoSヽω“bc cxcludra) 義 されてい る。す なわ ち第 1度 近親者 に発端者 を含め る 3人 以上 の大腸癌 を認 め る ものか,第 1度 近親者 に 発端者 を含め 2人 以上大腸 癌 を認め,な おかつ50歳未 満 の発症,右 側性,大 陽多発癌,他 臓器重複癌 の うち いず れかを認め るもので あ る。 そ して家族性大腸癌 と 遺 伝 性 非 ポ リポ ー シス大 腸癌 は 現 在 で は 同義 と して 扱 って よい。 一 般 の大腸癌 と,家 族性大腸癌 ,家 族歴 陽性大腸癌 を ベ ン図で表 す と Fig.6の よ うになる。 家族 性大腸痛 の臨床的特徴 は,若 年性 の発症 で,近 位側結腸 に好発 し,ま た 重複癌 の頻度 が 高 い とされ て 癌家族歴陽性大腸癌の臨床的特徴 56(1246) 日消外会議 25巻 5号 Fig. 8 Criteria for colorectal cancer る。. 一 方, o n c o g e n e に つ いてみ る と, 大 腸癌 におい colorectal cancer m y c 遺 伝子, あ るい 皮細胞 において増殖 に関与す る c ‐ て, そ の活性化 が悪性化 に先行す る r a s 遺伝子, 大腸 上 は細胞 分化維 持 に 関与 す る c ‐ f o s 遺伝 子 な どの研 究 も colorectal cancerwith familyhistory かな り進 んで きて い るが, これ らに及 ぼす環境要 因, す なわ ち家族 とい う食生活 を含む環境 の類似 が, 癌 の 家族集積 を きたす要 因 の一 つ で あ る こ とも否定 で きな い. 大 腸 癌 家族 陽 性 大 腸 癌 , あ るい は 家族 性 大 腸 癌 にお け る biologicalな 面 か らの研 究 に 今 後 期 待 が もた れ るが , 現 在 の と こ ろ決 定 的 な マ ー カ ー は な い 。L i n c h は 家 族 歴 こそ が 最 も有 用 な マ ー カ ー で あ る と力説 して い る. そ してや は り臨 床 的 に は , 早 期 発 見 , 早 期 治療 , お り'0∼り,遺 伝学 的 には常染 色体優性遺伝 に よるもの と推察 されて い る1分 . 大腸癌 家族歴陽性大腸癌 は,家 族性大腸癌 そ の もの で は な く,あ る程 度 の異質性 を含 んではい る。 それ は 近親者 に偶 然 に遺伝性関与 な しに発生す る大腸 癌 も含 まれてい るためであ る。 今回,家 族歴 は遺伝要 因 の一 面 を表 現す る もの と考 え検討 した 。診断時年齢 の比 較 では他 の 2群 に比 べ 若年性で, と くに40歳までの患者 の 占め る割合 が大 きか った。発生部位 につ いては,家 族 性大 腸癌 23tど 近 位 側 結 腸 の 優 位 性 は 現 れ な か った が,結 腸 の 占め る割合 が 3群 中最 も高 か った。 また, 重複癌 の頻 度 が7.1%と 癌家族 歴陰 性群 に比 べ 高 率 で あ ったが,他癌家族歴陽性群 で も8.6%と 高率 で あ った のは,高 齢で あ る こ とと,癌 多発家系 にみ られた大腸 癌 な どが含 まれてい る こ とに よる と思わ れ る。以 上 の よ うに,大 腸癌家族歴陽性大腸癌 で も,家 族性大腸癌 に 類 似 した 臨 床 的 特 徴 が 認 め られ た .進 行 程 度 は stage Iが 多 いが,そ の理 由は,家 族歴 を契機 とした早 期受診,早 期発見 に よる ところが大 きい。 したが って 治癒切除率 も高 く,生 存 率 の 向上 に寄与 してい る と考 え られ る。 この こ とは,大 腸癌 のほか に,乳 癌 で も報 10。大腸癌家族歴陽性大腸癌 で は 告 されている1。 ,ポ ー リ プの 併存 が 高 率 で あ った。 この ポ リー プ は ポ リ ポ ー シス とは全 く異質 な もので あ るが,や は りその発 癌 にポ リー プが深 く関与 してい る もの と思われ る。家 す なわ ち予後 の 向上 に 家族 歴 が 重 要 な役 割 を果 た す こ とは強 調 す べ き こ とで あ る。 家 族 歴 陽 性 例 で は , 家 系 構 成 員 に 対 す る積 極 的 な ス ク リー エ ン グ が 必 要 で あ り, 大 腸 内視 鏡 検 査 を行 う必要 が あ る と思 わ れ る。 文 献 1)Lynch HT,Lynch PM: The cancer family syndrome A prattatic basis for syndrome identiflcation Dis Colon Rectuln 22: 106-110, 1979 2)大 腸癌 研 究 会編 :大 腸癌 取 扱 い 規 約 (改訂 第 4 版)。金原出版,東 京,1985 3)宇 都官譲 二 :家 族性消化管 ポ リポ ーシスに関す る 研究。日 医師会誌 781131-142,1977 4)宇 都宮譲 二,岩間毅夫,松村寿郎 ほか i非 ポ リポ ー シ ス 家 族 性 大 腸 癌 ( N o np‐ olyposis Familial L a r g e B o w e l C a n c e研r究 ) .の外 科 4 3 : 881--889, 1981 5)野 水 整 ,渡辺岩雄,遠藤辰 一 郎 :家 族性大腸癌 の 1家 系 お よび本邦報告例 の統 計的観察。日 消外会 占 14: 1499--1503, 1981 言 6)野 水 整 ,渡 辺岩雄 :痛 の家族 内集積 に関す る考 察.痛 の臨 32i485-492,1986 7)Lynch HT,Kimberlingヽ V,Albano WA et ali Hereditary nonpolyposis colorectal 8)Love RR: Adenomas are precursor lesions for malignant growth in non‐polyposis hereditary carcinoma of the colon and recturn. Surg 族歴 にお け る特徴 としては,著 者 らの検討 した症例 で Gyneco1 0bstet 162:8-12, 1986 は,同 胞 におけ る大腸 癌 の集積 が著 明 で あ った こ とで 9)Love RR, Morrissery JF, Colo■ あ る。特 に症例 4と 5に よ く現れて い る. さて,大 腸癌 家族歴陽性大腸癌 や ,家 族性大腸癌 に おいては,臨 床 的特徴 の解析 に,発 癌 にお け る ヒ ッ ト 理 論 の 導 入 な どで 遺 伝 的 要 因 の 関 与 は 明 らか で あ cancer (Lynch syndromes l and II). Cancer 56: 934--938, 1985 oscopy in asymptomatic individuals、 vith a faHlily history of colorectal cancer. Arch lnt Med 144: 209--211, 1984 10)Mecklin JP,Jarvien JH: Clinical features of 1992年 5月 57(1247) colorectal carcinomja in the cancer famlly syn‐ drome.Dis Colon Rectum 29:160-164, 1986 11)Mecklin JP, Sipponen P, JarViner JH: His‐ topatology Of c01orectal carcinomas and adeomas in the cancer falnily syndrome Dis Colon Rectuln 29:849--853, 1986 12)野 水 整 ,鈴木員一 ,関川浩司 ほか :癌 と遺伝 一癌 多 発 家 系 に お け る遺 伝 学 的 考 察― .福 島 医 誌 36i 215--222, 1986 13)Aibano WA,Recarbaren JA,Lynch AT et al: National history of hereditary cancer of the breast and colon.Cancer 50 i 360--363, 1982 14)野 水 整 ,土屋敦雄,阿部力哉 :癌 家族歴陽性乳癌 の臨床的検討.乳 癌 の臨 2:435-439,1987 15)野 水 整 ,土屋敦雄,渡辺文 明 ほか :胃 癌 の家族 内 集積 の著明な家族性大腸 ポ リポ ーシスの 1家 系. 日臨外医会誌 50:2433-2436,1989 16)野 水 整 ,渡辺岩雄,六角玄一 ほか i Cancer Fam‐ ily Syndromeの1家 系.癌 の臨 32:186-189, 1986 Clinical Feature of Colorectal Cancer with a Family History Funiaki Watanabe,TadashiNomizu,YoshiroAndo,Tsuneyuki Yoshida,Atsuo Tsuchiyaand Rikiya Abe SecondDepartmentof Surgery,FukushimaMedicalCollege Ot 224 patientswith colorectalcancerwho underwentsurgicaltreatmentin the SecondDepartmentof Surgery,FukushimaMedicalCollege,14(6.7%) hada family historyof colorectalcancerGroup1),35(15.6%) hada family history of other cancer(group 2), and 174Q7.7%)had no family history of cancer(group3). At the time of diagnosisin group 1, the patients were significantly youngerthan thosein the other groups.Tumors of group 1 patientstendedto belocatedmainlyin thecolon.The frequencyof doublecancerwas7.1%in thegroupI whichwas significantlyhigherthan in group3. Accordingto theseresults,the group 1 patientsseemedto havealmostthe sameclinical featureas the patientswith "familial colorectalcancer".A family history is usefulfor the early detectionof colorectalcancerand seemsto be oneof the valuableaids for obtaininga goodprognosis. Reprint requests: FumiakiWatanabe SecondDepartmentof Surgery,FukushimaMedicalCollege 1 Hikarigaoka,Fukushima,960-12 JAPAN