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生ごみ減量・資源化グループ会議報告書(案)(PDF:398KB)

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生ごみ減量・資源化グループ会議報告書(案)(PDF:398KB)
第7期
札幌市廃棄物減量等推進審議会
生ごみ減量・資源化グループ会議
報告書(案)
部会長
石井
一英
委
草野
竹史
桑原
昭子
佐藤
和子
物井
榮美子
渡辺
裕香里
員
平成 24 年 11 月 28 日
札幌市廃棄物減量等推進審議会
生ごみ減量・資源化グループ会議資料
1 生ごみの発生・排出抑制の推進について
「新ごみルール」以降、組成調査から推計する生ごみの賦存量は、
「新ごみルール」
以前の約 11.7 万トン(平成 20 年度)から約 11.0 万トン(平成 23 年度)と減少傾向
にある。その内訳を見ると、
「調理くず」
「食べ残し」は総量同様に減少傾向にあるが、
「未開封品」の賦存量は1万5千トン程度で横ばいの状態となっている。
今後、「未開封品」の減量に向けては、「計画的な食材の購入」「賞味期限切れを起
こさない食材の保管・管理」などの普及啓発が重要と考えられる。
また、「調理くず」「食べ残し」についても、「できる限り無駄な生ごみが出ないよ
う心掛ける」
「水切りなどで少しでも減量させる」
「堆肥として活用する」などといっ
た生活スタイルを、より浸透させるための取組が必要と考えられる。
(1)
「新ごみルール」実施前後の生ごみ賦存量等の推移
平成 20 年度
区分
賦存量
(2)
1人1日当たり
賦存量
1人1日当たり
調理くず
70,282t
101.2g
66,579t
94.9g
食べ残し
23,782t
34.2g
18,874t
26.9g
未開封品
13,819t
19.9g
15,421t
22.0g
食品以外
9,181t
13.2g
9,125t
13.0g
117,063t
168.5g
109,999t
156.8g
合計
※
平成 23 年度
「平成 20 年度及び平成 23 年度札幌市家庭系一般廃棄物組成調査業務」より推計
他政令市等の生ごみ減量・資源化施策の取組状況について
他政令市等で行われている特徴的な生ごみ減量・資源化施策としては、
「生ごみ堆
肥拠点回収のポイント制度」「地域循環型の生ごみ堆肥化モデル事業」といった行
動実践者に対し、インセンティブが働く排出抑制・資源化促進施策となっている。
【他都市の取組事例】
◎生ごみ堆肥拠点回収のポイント制度(仙台市、新潟市、広島市)
⇒
家庭できた一次堆肥を拠点回収に持ち込むと、野菜や商品券と交換でき
る。
◎地域循環型の生ごみ堆肥化モデル事業(新潟市、名古屋市、北九州市)
⇒
生ごみ減量・資源化に取り組む地域団体等に対し、助成金や生ごみ堆肥
化機材の無償提供などの支援を行う。
-1-
札幌市廃棄物減量等推進審議会
生ごみ減量・資源化グループ会議資料
(3)
生ごみの発生・排出抑制の推進に向けた取組について
◎「買い物」
「食材の保管・管理」
「調理」
「食べ残しをしない食生活」のどの段
階でも食品ロスを出さない暮らし方を身につけることが重要
◎特に、
「未開封品」の減量に向けては、
「余計なものは買わない」
「不要なもの
は持ち帰らない」といった①入口の対策及び「賞味期限に対する正しい認識」
「上
手な冷蔵庫管理術」といった②食材の適正な保管・管理が重要
◎さらに、「調理くずをなるべく出さない調理方法」「水切り」といった③生ご
みをより減らす工夫や①~③を推進するための④効果的な普及啓発が重要
対象生ごみ
未開封品
調理くず・
食べ残し
①
対策
発生抑制
排出抑制
①入口の対策
②食材の適正な保管・管理
④効果的な
普及啓発
③生ごみをより減らす工夫
入口の対策
「余計なものは買わない」
「不要なものは持ち帰らない」といった、そもそもの
発生抑制対策に取り組むことが重要と考えられる。
【消費者に求められる実践行動】
◎余計な物を買わないよう、事前に献立を考えて買い物に行く。
◎生活実態(世帯人数等)に見合った分量の食材の購入
◎葉物野菜の不要な部分(外側の葉)をスーパー等に置いてくる。
◎買い物時に白色トレイ等の不要な容器を置いてくる。
【事業者に求められる実践行動】
◎葉物野菜の不要な部分(外側の葉)の回収箱等の設置
◎食材のセット販売(4人家族分等)
⇒ 安価で販売できれば、消費者の購買意欲・環境配慮行動の促進に繋がる。
【行政に求められる実践行動】
◎栄養バランスや環境にやさしいメニューのレシピの紹介
◎「ごみが減る=エコ」だけでは取組に繋がらないので、
「無駄なものを買わ
ないことで家計が助かる」など複合的なPR
-2-
札幌市廃棄物減量等推進審議会
生ごみ減量・資源化グループ会議資料
②
食材の適正な保管・管理
熟年の主婦は長年の経験で食べられる期限を判断するが、若者は食べられる期
限を賞味期限で判断し、まだ食べられるのに廃棄してしまう傾向が強い。また、
消費期限と賞味期限を混同し、賞味期限は「これを過ぎると食べられない期限」
と勘違いしている方が多いと考えられる。食材を適正に保管・管理するためには、
賞味期限に対する正しい知識や無駄な食材を出さない上手な冷蔵庫の管理術など
が必要と考えられる。
【取組(案)】
◎賞味期限に対する正しい知識についての教育・PR
《留意事項》
・販売する側も責任があるので、危機管理の観点から厳格な賞味期限を設定
・行政の立場としては、「賞味期限を過ぎても絶対大丈夫」とは言いづらい。
◎適正な食材の管理方法に関する普及啓発
③
生ごみをより減らす工夫
生ごみを出さないよう調理する工夫や、どうしても発生してしまう生ごみにつ
いても、「水切りなどで少しでも減量させる」「堆肥として活用する」など、でき
る限り生ごみを出さない工夫を推進していく必要がある。
【取組(案)】
◎エコクッキングのレシピや効果的な生ごみ減量アイデアなどの募集・PR
◎エコクッキングのレシピと合わせて、
「買い物の仕方」
「冷蔵庫の整理の仕方」
「節電・節水に留意した調理の仕方」など総合的なPR
◎家庭における水切りや生ごみ堆肥化(詳細は、
「2
家庭における自主的な
生ごみ資源化の推進について」参照。)の促進
④
効果的な普及啓発
詳細は、「3 効果的な普及啓発の手法について」参照
⑤
その他
賞味期限切れ製品の返品・廃棄、形の悪い農産物は廃棄されるなど、現在の日
本の食品衛生・流通システムが過剰な食品ロスを引き起こしているとの問題提起
がなされた。
-3-
札幌市廃棄物減量等推進審議会
生ごみ減量・資源化グループ会議資料
2 家庭における自主的な生ごみ資源化の推進について
家庭で自主的に取り組める生ごみの資源化として、生ごみ堆肥化が挙げられるが、
取組を継続・拡大していくためには、集合住宅居住者など家庭でできた堆肥を自身で
使い切ることが困難な家庭における堆肥の利用先の確保等が課題となっている。今後
の家庭における生ごみ堆肥化の取組の推進方策について検討が必要である。
また、生ごみは、
「堆肥」
「飼料」
「エネルギー」になる資源であるという認識を市民
に理解してもらうような普及啓発を行う必要がある。
(1)
生ごみ堆肥化機材購入助成
①
②
生ごみ堆肥化機材購入助成による直接的な減量効果(平成 23 年度)
生ごみ堆肥化機材
試算した直接的な減量効果
電動生ごみ処理機
219 トン
ダンボール堆肥化セット
296 トン
密閉式容器
126 トン
コンポスター
69 トン
合計
710 トン
今後の取組
上記①のとおり、生ごみ堆肥化機材購入助成による平成 23 年度の直接的な減量
効果は 710 トンと試算されたが、市民の自主的な取組を促進するための普及啓発
の一環として、生ごみ堆肥化機材購入助成を継続する意義はあると考えられる。
【課題】
◎生ごみ堆肥化機材購入助成のより良いシステムの検討
◎生ごみ堆肥化の取組拡大及び継続的な利用をどのように働きかけていくか。
(2)
インセンティブを働かせた生ごみ堆肥の回収
集合住宅居住者など、堆肥の使い道のない世帯であっても、生ごみ堆肥化に取り
組むことができるよう、生ごみ堆肥を回収拠点へ持ち込んだ方にインセンティブを
与える取組が効果的と考えられる。
【取組(案)】
◎家庭でできた生ごみ堆肥を回収拠点へ持ち込んだ方に対し、新鮮野菜や商品
券との交換などのインセンティブを付与するシステムの構築
【課題】
◎民間事業者等からの協力が得られるか。
◎回収された生ごみがどのように資源化されるかなどの成果の見える化
-4-
札幌市廃棄物減量等推進審議会
生ごみ減量・資源化グループ会議資料
(3)
地域活動の支援
地域特性や住居形態など、それぞれの実情に合わせた市民の自主的な生ごみ減
量・リサイクル活動を後押しする取組が必要である。また、地域の活動が活性化さ
れることで、地域住民の交流が深まり、地域の活動の中に居場所を見つけられる人
も増えるなど、活力のある地域づくりの一環に繋がるものと考えられる。
【取組(案)】
◎町内会等地域単位で生ごみ堆肥を回収し、還元できる取組の拡大
◎行政が先に支援するメニューを用意するのではなく、地域の実情に合わせた
取組に対し活動資金を助成するシステムの構築
【課題】
◎事業効果が測定可能な支援システムとすべき。
ex)処理した生ごみ量を報告してもらうなど
(4)
自家処理以外の取組
今後、生ごみを大幅に減量するためには自主的な資源化だけでは限界がある。
現在、南区の一部の大規模集合住宅で実施している生ごみ分別収集・資源化の実
証実験は、民間資源化施設の余力を活用した生ごみ資源化事業であるが、今後も可
能な範囲で事業を拡大し、最大の資源化効果が得られるよう努めていく必要がある
と考えられる。
【取組(案)】
◎生ごみ資源化システム実証実験の発展的継続
【課題】
◎生ごみの分別は、モチベーション(環境に良い)だけでは、なかなか協力率
は上がらない。
《対策》
・無料収集等経済的なインセンティブの付与
・生ごみ分別指導の徹底化
・回収された生ごみがどのように資源化されるかなどの成果の見える化
-5-
札幌市廃棄物減量等推進審議会
生ごみ減量・資源化グループ会議資料
3 効果的な普及啓発の手法について
普及啓発の考え方として、
“広く市民に伝える”ということは重要であるが、一方
で、伝えたい情報が確実に伝わるようテーマを絞ったPRや、
“ある情報が伝われば取
組を実践する可能性の高い対象”や“特に改善を期待する対象”などにターゲットを
絞ったPRを行うことで、より高い普及啓発効果が期待できるものと考えられる。
(1)
対象者やテーマを絞ったピンポイントなPR
普及啓発の対象を絞るとき、年代、性別、職業などの属性で絞りがちだが、
「賞味
期限が気になっているけれども、実態がよくわからない人」など、もう一歩踏み出
そうとしている対象を探していくことが効果的であると考えられる。
また、一度の普及啓発の機会に伝えられる情報は限られることから、情報過多と
ならないよう、伝えたい情報を厳選し、ピンポイントな情報提供を行うことで、よ
り高い啓発効果が得られるものと考えられる。
【普及啓発の手法(案)】
◎対象となるテーマと「関わりのある人」「興味を持っていそうな人」に資源
を集中したPR
ex)料理教室や市の食育講座などの受講者に対する賞味期限の教育・PR
◎情報過多とならないよう、テーマを厳選したパンフレットの作成・配布
(2)
既存の情報発信ツールの有効活用
全く新しいものを作るのではなく、食育等の市の関連部門との連携や料理番組・
料理雑誌・フリーペーパー等のメディア媒体など、既存の情報発信ツールを有効活
用していくという視点が重要である。
【普及啓発の手法(案)】
◎ターゲット層を対象とした雑誌・フリーペーパーの活用
◎料理番組とのタイアップや著名人を活用したPR
◎スーパー等の食品販売店と連携した普及啓発
◎市の食育部門など関連機関と連携した普及啓発
-6-
札幌市廃棄物減量等推進審議会
生ごみ減量・資源化グループ会議資料
(3)事業者との連携
毎日のように食材を購入するスーパーやコンビニ等の店頭で普及啓発を行えば、
店舗に訪れるたびにごみ分別等の情報を確認でき、また手軽に情報を入手できるな
ど、効率的であると考えられる。
そのため、店頭での普及啓発の取組を推進していくためには、事業者との連携を
強めていく必要がある。
【普及啓発の手法(案)】
◎スーパーやコンビニでのポスター掲示
◎「レジ袋削減に向けた取組みに関する協定」のような事業者サポーター制度
の構築
【課題】
◎多くの事業者からの協力・連携が得られるかどうか。
(4)行動実践者のモチベーションを高めるPR
町内会等が工夫して行った取組の成功事例や「市民の協力によりごみは減量し、
経費が削減できた」などの情報提供があれば、ごみ減量行動実践者のモチベーショ
ンの向上に繋がるものと考えられる。
【普及啓発の手法(案)】
◎「町内会等の地域が工夫して行った取組の成功事例」や「ごみ減量に伴う経
費削減効果」のPR
-7-
札幌市廃棄物減量等推進審議会
生ごみ減量・資源化グループ会議資料
4 “わかりやすい”“取り組みやすい”指標について
市の計画で掲げる目標の達成は、更なるごみ減量行動実践のモチベーションにもな
る。市民にとって“わかりやすい”
“取り組みやすい”生ごみ減量・資源化に関する指
標の項目としてどういったものが考えられるか。
(1)
現計画のごみ量管理目標について
「スリムシティさっぽろ計画」では、
「廃棄ごみ量」
「リサイクル率」
「焼却ごみ量」
「埋立処分量」の4つのごみ量管理目標を設定している。
(2)
他都市の基本計画の目標・指標について
各政令市が基本計画に掲げている減量目標は、第2回グループ会議資料「4
他
政令市基本計画の数値目標及び参考指標」に示すとおり、神戸市の「手つかずの食
品の排出量」のような量的指標の他、福岡市の「3Rの実践度」などのように行動・
意識の実践率を指標とした項目をサブ指標として位置づけている。
(3)
“わかりやすい”“取り組みやすい”指標について
生ごみの減量・資源化を促進するための指標として、次に掲げる項目が考えられ
る。
【指標(案)】
◎組成調査から推計した未開封品の排出量
◎生ごみ堆肥で生産した野菜を扱っている店舗数
【課題】
◎成果指標はサブ的な指標になることから、
「達成した」
「達成しなかった」か
ら良い悪いではなく、継続的なモニタリングを行うことが重要
【取組提案】
◎市民のごみ減量・リサイクル行動のモチベーションに繋がるような標語の募
集・公表
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