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JR四国 環境保全への取り組み 2016
JR四国 環境保全への取り組み 2016 JR四国 環境保全への取り組み 2016 ごあいさつ 1.環境マネジメント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 (1) エコロジー推進委員会 ・・・・・・・・・・・・・・ 1 (2) 環境専門部会 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2.事業活動に伴う環境負荷 ・・・・・・・・・・・・・ 2 3.環境保全への取り組み ・・・・・・・・・・・・・・・ 3 (1) 車両に関する省エネ等への取り組み ・・ 3 ○会社概要 社 名 四国旅客鉄道株式会社 設 立 1987年4月1日 資 本 金 35億円 社 員 数 2,507人 事業内容 旅客鉄道事業、旅行業 その他関連事業 ○旅客鉄道事業 (2) 鉄道の利用促進の取り組み ・・・・・・・・・ 7 (3) 地域と連携した利用促進の取り組み ・・ 9 (4) 沿線の環境保全 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 (5) 化学物質の管理体制 ・・・・・・・・・・・・・ 10 営業キロ 855.2km 駅 数 259駅 車 両 数 機関車2両、電車172両 気動車256両、貨車5両 旅客列車本数 1,006本/日 (2016年4月1日現在) (6) その他省エネ省資源への取り組み ・・・ 10 <編集にあたって> 作成目的 JR四国の環境に対する取り組みの紹介 作成指針 環境省の「環境報告ガイドライン(2012年版)」を参考にしています。 対象期間 2015年4月1日~2016年3月31日 対象期間以降の取り組みを一部含んでいます。 対象範囲 JR四国単体(グループ会社の取り組みを一部含んでいます) 表 紙 省エネ・環境に配慮した8600系特急電車 ごあいさつ 日頃よりJR四国をご利用いただき、誠にありがとうございます。 鉄道は、自動車や航空機等の他の交通機関と比べて、エネルギー効率が高く環境負荷の少ない輸送機関 と言われています。しかしながら、鉄道がその特性を発揮するためには、多くのお客様にご利用いただき、鉄 道の環境優位性を最大限に活かし続けることが重要です。当社は、営業活動としての利用促進はもちろん、 地域と連携した鉄道の利用促進、駅周辺における駐車場整備、駅や列車の利便性・快適性の向上等、モー ダルシフトの促進に積極的に取り組んでまいります。また、ご利用のお客様が減少傾向にある区間や時間帯に ついては、サービスレベルを極力維持しつつ列車の短編成化を図る等、エネルギー効率の高い輸送体系の 構築にも取り組んでまいります。 あわせて、事業の運営における環境負荷の低減も重要です。当社の環境負荷の大部分を占める車両につ いて、軽量化や回生ブレーキの搭載等、エネルギー効率の高い車両の導入を積極的に進めるほか、お客様 にご理解をいただきながら、列車や駅、事務所における冷暖房設定温度の見直しや昼間時間帯における不 要な室内灯の消灯等、あらゆる場所での省エネに取り組んでまいります。 国を挙げて環境保全に取り組む中で、「省エネルギー化」や「温室効果ガスの削減」の推進は、私たち鉄道 事業者にとって、これまで以上に重要な課題です。当社は、「四国家」の一員として安全・安定輸送を第一に よりよいサービスの提供に努め、お客さまに「安心して」「喜んで」「末永く」ご利用いただける企業グループを目 指すとともに、企業としての社会的責任を果たすため、環境に配慮した省エネルギー化・低炭素化に積極的 に取り組んでまいります。 本報告をご一読いただき、当社の果たすべき役割ならびに環境保全への取り組みについてご理解いただけ れば、幸いに存じます。 2016年 10月 代表取締役社長 半井 真司 1.環境マネジメント (1) エコロジー推進委員会 近年の地球環境に対する問題意識の高まりを受け、より環境にやさしい企業を目指すことが当社の社会的責任で あるという認識のもと、2004年4月に社長を委員長とした「エコロジー推進委員会」を設置しました。下記のとおり基 本理念と行動指針を制定し、環境問題に対して全社的に取り組んでいます。 委 員 長 社長 副委員長 総合企画本部長、鉄道事業本部長 委 員 監査室長、広報室長、総務部長、財務部長、安全推進室長 お客様サービス推進室長、営業部長、運輸部長、工務部長、事業開発部長 【基本理念】 JR四国グループは、環境保全に積極的な姿勢で取り組み、持続的発展が可能な社会の 実現に貢献します。 【行動指針】 私たちは、常に環境保全を意識して行動し、地域社会への貢献に努めます。 1. エネルギー消費の削減を図り、環境に配慮した技術開発や創意工夫に努めます。 2. 廃棄物の削減とリサイクルの推進を図り、資源の適正かつ有効な活用に努めます。 3. 環境に優しい鉄道を安心して快適にご利用いただくため、安全安定輸送を第一に、 よりよいサービスの提供を目指します。 (2) 環境専門部会 エコロジー推進委員会には、専門部会として環境管理専門部会と環境技術専門部会を設置しています。 主な検討項目は以下のとおりです。 部 会 委 員 主な検討項目 環境管理専門部会 主 査 総合企画本部長 事務局 総合企画本部 ・環境に関する目標、計画の策定 ・事務所における省資源化の推進 ・駅及び列車のゴミ削減及びリサイクル推進 ・社内啓蒙、社員教育、職場活動等の推進 ・環境ボランティア活動、広報活動、環境報告書等 ・利用促進施策に対する評価、とりまとめ 環境技術専門部会 主 ・エネルギー消費量削減、省エネ技術の開発 ・車両運用の効率化 ・環境汚染物質の適正な管理及び削減の推進 ・事業廃棄物の削減及び再資源化 ・省資源製品の使用拡大 ・沿線地域の環境保全(騒音、振動の低減等) 査 事務局 運輸部長 工務部長 運輸部運転課 工務部保線課 エコロジー推進委員会 委員会事務局(総合企画本部) 環境管理専門部会 環境技術専門部会 1 2.事業活動に伴う環境負荷 インプット(資源投入量) エネルギー 水 資 源 総エネルギー投入量 : 337千m3 39千kℓ(原油換算) 電 力 : 82,650千kWh ガス(都市・プロパン) : 55千m3 燃 料 : 18千kℓ(原油換算) OA用紙 11,427千枚 JR四国の事業活動 旅客鉄道事業 車両走行キロ 輸 送 人 員 旅 行 業 : 57,064千キロ : 46,117千人 関連事業 アウトプット(環境負荷発生量) CO2排出量 95千t-CO2(うち列車排出分77千t-CO2) (注)電力及び燃料の使用に伴うCO2排出量は、 「日本経団連低炭素社会実行計画」における基準を用いて算出。 一般廃棄物 オフィ ス 駅・列車 切 符 産業廃棄物 : 62t : 642t : 14t 車両廃棄物: 161t 建設廃棄物: 66,861t 2 3.環境保全への取り組み (1) 車両に関する省エネ等への取り組み ○2015年度までのJR四国の環境保全への主な取り組み 2015年度までの当社の環境保全への主な取り組みは、以下の通りです。 年 月 内 容 1990.11 予讃線 伊予北条~伊予市間電化開業、7000系電車導入 1992. 7 予讃線 観音寺~新居浜間、今治~伊予北条間電化開業 1992. 9 8000系特急電車導入 1993. 3 予讃線 新居浜~今治間電化開業(高松~伊予市間全区間電化) 1996. 4 6000系電車導入 1998. 4 運輸業界での「地球温暖化防止ボランタリープラン」の策定 1998. 4 JR四国自主行動計画(ボランタリープラン)の目標設定 2003.10 5000系電車(新型マリンライナー)導入 2004. 4 「エコロジー推進委員会」を社内に設置 2006. 5 1500型気動車導入 2007. 1 自主行動計画(ボランタリープラン)の目標改定 2007.11 「JR四国環境保全への取り組み」を初めて作成・公表 自主行動計画(ボランタリープラン)の目標3項目をすべて達成 2010. 3 1500型気動車を牟岐線・阿南~海部間で運転開始 2011. 3 1500型気動車を鳴門線で運転開始 2014. 6 8600系特急電車導入 2015.12 JR四国低炭素社会実行計画の目標設定 2016. 6 7200系電車(121系リニューアル車両)導入 ○省エネ車両の導入 当社では、ステンレス製車体および直接墳射式エンジンを搭載した気動車車両と、回生ブレーキ(*1)およびVV VF(可変電圧可変周波数)インバータ制御システム(*2)を搭載した電車車両を、省エネ車両と定義しています。 2015年度末において、1000型、1200型、1500型、2000系、185系、キハ54形式の合計207両の気 動車車両に、ステンレス製車体および直接墳射式エンジンを搭載しています。 また、2015年度末において、5000系、6000系、7000系、7200系、8000系、8600系の合計124両の 電車車両に、回生ブレーキおよびVVVFインバータ制御システムを搭載しています。 (*1)回生ブレーキとは、ブレーキをかけたとき にモーターが発電機となり、ブレーキに使用さ れたエネルギーを電流に変換して架線に流し 返すシステムです。同じ架線を使う他の電車 が電気を再利用することで、ブレーキに用い たエネルギーを有効に利用できます。 (*2)VVVFインバータ制御システムとは、架 線から取り込んだ電流を走行エネルギーに変 換する際のロスをなくし、電圧及び周波数を 可変制御することにより、車両の速度を効率 よくコントロールするシステムです。 3 VVVFインバータ制御車両(5000系電車) 軽量化車両(N2000系特急気動車) 当社発足以来、順次新型車両への転換を進めた結果、省エネ車両導入率は、2015年度末に77.3%となり ました。今後も省エネ車両への転換を図ることで、省エネ車両導入率の向上に取り組みます。 省エネ車両 従来車両 65.0% 450 74.1% 省エネ車両導入率 74.8% 75.2% 400 152 車両数(両) 350 108 105 103 80.0% 76.1% 100 75.8% 102 77.3% 97 60.0% 50.0% 300 250 311 200 23.4% 150 40.0% 282 309 311 313 319 319 331 30.0% 20.0% 100 50 70.0% 導入率(%) 500 10.0% 95 0 0.0% 1990 2005 2010 2011 2012 2013 2014 2015 (年度) 車両数(電車・気動車)と省エネ車両導入率の推移 4 ○運転用エネルギーの削減 当社では、エネルギー効率の高い新型車両の導入等に積極的に取り組んできました。 運転用エネルギー消費量については、2015年度はうるう年であったことに加えて、台風等の影響で運休が多く 発生した前年度の反動により車両走行キロが増加したことから、1213百万MJ(前年度比100.9%)でした。 【JR四国 低炭素社会実行計画】 1600 1495 1400 1200 運転用エネルギー消費量 1436 1304 1218 14.7% 1000 1239 2010年度比改善率 20.0% 15.0% 1233 1203 1213 10.0% 10.1% 5.0% 0.0% 800 0.0% 600 -6.6% -4.9% -5.4% -7.8% 400 -7.0% -5.0% 200 -10.0% 0 -15.0% 1990 2005 2010 2011 2012 2013 運転用エネルギー消費量の推移 2014 改善率(%) 運転用エネルギー消費量(百万MJ) 2020年度の運転用エネルギー消費量総量を2010年度比8%削減する。 2015 (年度) 注) 電力量及び燃料の使用量を「日本経団連低炭素社会実行計画」における基準を用いて、 エネルギー消費量(MJ)に換算しています。 また、当社のような地方鉄道の場合、運行本数というサービスレベルを極力維持しつつ、列車編成の効率化を 図ることが重要であるため、車両走行キロおよび列車走行キロあたりのエネルギー消費量も指標のひとつと考え ています。2015年度の車両走行キロ当たりのエネルギー消費量は、1990年度比で19.2%、列車走行キロ当 たりのエネルギー消費量は、1990年度比で25.3%削減しました。 0.0% 0.0% 車両走行キロあたり 列車走行キロあたり -5.0% -13.4% -10.0% -15.0% -15.3% -20.0% -17.7% -17.9% -17.8% -18.8% -19.2% -24.8% -24.5% -24.4% -25.2% -25.3% 2011 2012 2013 2014 2015 -20.2% -20.7% -25.0% -30.0% 1990 2005 2010 走行キロあたりエネルギー消費量削減率(1990年度基準) 5 ○1500型気動車の導入 1500型気動車は、環境にやさしくバリアフリーに配慮し た車両で、2006年度から2013年度までに34両を導入 し、高徳線、徳島線、牟岐線、鳴門線で運行しています。 従来の一般形気動車と比較し、機関出力を上昇しつつ、 燃焼効率の改善により窒素酸化物や粒子状物質等の排 出を削減しています。また冷房装置には、当社の気動車 車両ではじめて代替フロンガスを使用しています。 1500型気動車 ○8600系特急電車の導入 8600系特急電車は、2014年6月に予讃線(高松~ 松山)で運行を開始した車両で、現在14両を導入してい ます。お客様に選択していただける魅力ある車両を目指し、 最新技術の導入による信頼性・耐久性・保守性の向上を 図っており、回生ブレーキの搭載や、照明や表示器にLED (発光ダイオード)を使用するなど、省エネ・環境にも配慮 した車両です。 8600系特急電車 ○7200系電車(121系リニューアル車両)の導入 四国に投入された国鉄最後の電車である121系電車 は、新製から約30年が経過したため、2015年度よりリニ ューアル工事を実施し、車号を7200系と改めました。 リニューアル工事では、床下主要機器(VVVF装置、コ ンプレッサ、蓄電池等)の取り替えのほか、炭素繊維強化 プラスチック(CFRP)を採用した台車に更新し、軽量化を 図っています。今後、残りの編成を順次リニューアルして いく予定です。 7200系電車 ○アイドリングストップ等による排出ガス(燃料消費量)削減 当社では、2009年より気動車列車のアイドリングストップ(機関停止)を実施しています。単車運転、ワンマン列 車およびキハ40・47形式の列車を除く気動車(直接噴射式エンジン搭載車両)を対象に、行き違いや折り返し 等のため長い停車時間のある列車で実施しています。今後も天候や車内の状況等を勘案しながら随時実施して いきます。また、普通列車(一部を除く)では、冷暖房による車内の温度を保持するため、お客さまによる押しボタ ンでのドア開閉扱い(半自動扱い)を2013年より通年で実施しています。 ○ダイヤ改正による排出ガス(燃料消費量)削減 当社ではダイヤ改正にあわせて車両運用の見直しを行っており、2015年度は気動車特急列車の電車化や、 列車編成の見直しを行いました。今後も、お客様のご利用状況を踏まえつつ、エネルギー効率の高い輸送体系 の構築に取り組み、排出ガスや燃料消費量の削減に取り組みます。 6 (2) 鉄道の利用促進の取り組み ○環境負荷の少ない鉄道 1人を1km運ぶのに排出するCO2の量を、自家用乗用車と鉄道で比較すると、鉄道は自家用乗用車の約1/6 です。このように一度に多くの人を運べ、環境負荷の少ない交通機関である鉄道をご利用して頂くことで、社会全体 のCO2削減につながると考えられます。 22 鉄道 53 バス 99 航空 133 自家用乗用車 0 50 100 150 g-CO2/人キロ(2014年度) 出典:国土交通省ホームページをもとに作成 ○モーダルシフトの促進 鉄道が環境負荷の少ない輸送機関であるためには、多くのお客様にご利用いただき、鉄道の環境優位性を最 大限に活かし続けることが重要です。当社では、営業活動としての利用促進はもちろん、地域と連携した鉄道の利 用促進、駅周辺における駐車場整備、駅や列車の利便性・快適性の向上等、モーダルシフトを促進することで、 交通機関全体でのCO2削減に取り組んでいます。 通勤・通学における鉄道の利用促進 速達性・快適性に優れた特急列車を通勤・通学にご利用いただけるように、特急列車用定期券「快てーき」 や「快てーき回数券」を発売しています。また、ダイヤ改正の際に、普通列車の新設や特急列車の停車駅見直 し等を実施し、通勤・通学における利便性向上を図り、鉄道の利用促進に取り組んでいます。 「車deトレイン」及び「パーク&ライド」の拡充 環境にやさしい交通機関である鉄道を更にご利用頂くため、 駅に車を駐車して列車に乗り換えて頂く「車deトレイン」及び 「パーク&ライド」のサービスを実施しています。2016年4月 時点で、47駅に3,069台分の駐車場を整備しています。 車deトレイン駐車場 (阿波池田駅) サービス名称 内 容 駅数および台数 車deトレイン 駅の専用駐車場無料サービス 44駅 1,014台 パーク&ライド 時間貸し駐車場のサービス 2駅 855台 24時間駐車場無料サービス 1駅 1,200台 松山駅前パーク&ライド 合 計 47駅 3,069台 車deトレイン及びパーク&ライド駐車場設置状況(2016年4月1日現在) 7 ○啓発活動の取り組み 環境活動のPRとして、鉄道をテーマにしたイベント等において当社の取り組み状況等を出展し、環境に関する鉄 道の優位性をアピールするための取り組みを行っています。 鉄道の日ふれあい祭り(高松運転所) 鉄道の日ふれあい祭り(高知運転所) ○環境保全に関するキャンペーンへの参加 当社では、国や自治体等が推進する環境保全のキャンペーンに積極的に参加しています。 国土交通省と鉄道事業者が協力して実施している「鉄道でエコキャンペーン」は、鉄道が環境にやさしい交通機関 であることを広く知っていただくことにより、地球温暖化防止の観点から鉄道の利用促進を図ること等を目的としてい ます。また、国や自治体等が開催する公共交通利用促進キャンペーン等の取り組みにも参加しています。 駅でのキャンペーンポスター掲示(高松駅) 8 (3) 地域と連携した利用促進の取り組み ○「サイクルトレイン」の運行等 地元自治体と連携して、サイクルトレインの運 行等を実施しています。 2016年度は、予讃線今治~松山間におい て「サイクルトレインしまなみ号」を運行しました。 また、予讃線松山~宇和島間の一部の特急 列車において、自転車を輪行袋に入れずにそ のまま車内に持ち込める「サイクルルーム」を設 置しました。 「サイクルトレインしまなみ号」の運行 ○「エコツアー」の実施 徳島県吉野川市の美郷地区は、ゲンジボタ ルの生息地として国の天然記念物に指定され ています。 毎年多くの方が観賞に訪れますが、マイカー の渋滞や照明の強い光によるホタルへの影響 が懸念されました。そこで、ホタルとその生活環 境を守るため、地元自治体と連携して、マイカ ーから列車とシャトルバスのご利用に変えてい ただく「美郷ほたるまつり・エコツアー」を実施し 「美郷ほたるまつり・エコツアー」の実施 ています。 (4) 沿線の環境保全 ○騒音・振動の低減 沿線の騒音・振動の低減を図るため、車両の軽量化を進めるとともに、車輪踏面形状の管理を行う車輪フラット 検出装置を導入し、検出結果に基づき車輪旋盤による車輪削正を行っています。また地上設備では、レールに継 目のないロングレールへの交換やレール表面の削正を計画的に実施し、騒音・振動の低減に努めています。 車輪削正 ロングレール交換 9 (5) 化学物質の管理体制 化学物質の取り扱いに関しては、排出量の削減と厳重な管理体制の整備に取り組んでいます。 ○PCB(ポリ塩化ビフェニル) PCBは絶縁性、不燃性等の優れた特性を有し、トランスやコンデンサ等の電気機器をはじめ幅広い用途に使用 されていましたが、その毒性が社会問題化し、1972年に製造が中止されました。 当社においても、地上設備の変圧器やコンデンサ、灯具用安定器等の絶縁体としてPCBを含有する機器を使用 してきましたが、老朽取替時にPCBを含有しない機器に順次取り替えています。また取り替えたPCB含有機器は、 法令等に基づき厳重かつ適正に保管し、計画的に処理を進めています。 ○PRTR(化学物質排出移動量届出制度)法関連物質 PRTR制度とは、化学物質の排出量や廃棄物に含まれて事業所外へ運び出される量(移動量)を、毎年集計し て公表する制度です。当社では、車両の塗装作業等で使用する化学物質のうち、PRTR法の対象となる物質につ いて、同法の規定に基づき排出量および移動量を届け出ています。 ○ダイオキシン ダイオキシンの発生源である焼却炉は、2000年度末までに全て撤去し、現在は使用していません。 ○フロン 車両及び事務所の空調機器の冷媒として、特定フロン及び指 定フロンを使用してきましたが、車両については順次計画的に、 事務所に関しては設備更新時に代替フロンに取り替えています。 また、2015年4月に改正された法令に基づき、冷房や冷凍 冷蔵機器の点検、フロン類の漏えい量の管理を行っています。 ○有機溶剤 有機溶剤の削減のため、ステンレス車両を導入することで車 両の無塗装化を行っています。 代替フロンを使用した冷房機器 (1500型気動車) (6) その他省エネ省資源への取り組み ① 水資源 ○節水型トイレ自動洗浄システム トイレ内の滞在時間の長さに応じて大用・小用を判断し、必要な水を流し分けることで、無駄な洗浄水をカットし ています。当社では特に水使用量の多い9駅に、合計52台を設置しています。 ○下水道処理水(中水)の利用 当社で最もお客様の多い高松駅や本社ビルでは、水をリサイクルして特定の用途に用いる中水の利用システム を導入し、トイレの洗浄水や樹木への散水等に活用しています。 10 ② 電力、エネルギー ○電力使用量の削減 冷暖房の温度を夏は冷房28℃、冬は暖房19℃に設定するとともに、国が推進する「クールビズ」や「ウォーム ビズ」に積極的に取り組んでいます。ノーネクタイ等の軽装の実施や、エレベーター稼働時間の見直し、本社の空 調設備の改良、冷暖房設置稼働の見直しを行うほか、昼間時間帯において電車の室内灯を消灯するなど、電 力使用量の削減を図っています。 ○省エネ型機器及び高効率な設備の導入 省エネ型の変圧器や冷暖房装置等を導入し、エネルギーの効率化を図っています。2014年度には、国の「エ コレールラインプロジェクト事業」の補助制度を活用し、伊予西条駅の給湯・空調装置を省エネ型のものに取り替 えました。また、信号機および照明の灯具をLEDに順次取り替えているほか、照明制御装置を併用して不要な 照明を消灯する等の省電力化に努めています。 ホーム天井照明のLED化(高松駅) 省エネ型の給湯装置(伊予西条駅) ③ 紙資源 ○事務用紙の削減 社内ネットワークの確立、電子決済の活用、両面印刷等により、事務用紙の削減を図っています。 ○分別回収ゴミ箱の設置 駅、列車、事務所等でゴミを分別し、リサイクルを推進しています。 ○グリーン購入の拡大 再生紙利用のコピー用紙、カートリッジ等、環境対応型商品を優先的に購入しています。 ④ 太陽光発電事業への参入 2013年10月より再生可能エネルギー固定価格買取制度 による売電を開始し、現在、宇多津駅構内をはじめ四国内の 3ヶ所で太陽光発電事業を実施しています。 太陽光発電設備の規模としては、宇多津駅構内(太陽光 発電パネル1,176枚、最大出力294kW)等四国内3ヶ所 で、最大出力570kWの設備を設置し、再生可能エネルギー を利用した事業に取り組んでいます。 太陽光発電所(宇多津駅) 11 ⑤ グループ会社における取り組み ○(株)JR四国ホテルズ 大規模な再開発が行われたサンポート高松地区では、海 水の温度差を利用した地域熱供給システムが導入されてい ます。「JRホテルクレメント高松」においても、このシステムを 活用し空調機器への熱供給を行っています。 また、2012年度には客室照明の全室LED化が完了し、現 在、ロビー照明等のLED化を進めています。 ロビー天井照明の一部LED化 (JRホテルクレメント高松) ○(株)JR四国ホテルズ・JR徳島駅ビル開発(株) ホテルクレメント徳島及び徳島駅クレメントプラザ(ショッピン グセンター)エリアでは、2012年度に空調、給湯及び加湿の 熱源に使用しているガス焚炉筒煙管ボイラー、蒸気焚吸収 式冷凍機、空冷ヒートポンプチラーを最新式の高効率機器に 取り替え、CO2削減と省エネルギー化を図りました。 高効率多缶式貫流ボイラー ○その他グループ企業の取り組み ・ジェイアール四国バス(株) ・・・・・・・・・ デジタルタコグラフ、エコタイヤ、低公害車等の導入 ・四国キヨスク(株)・・・・・・・・・・・・・・・・・ 店舗照明や電照看板のLED化 ・(株)ウィリーウィンキー ・・・・・・・・・・・・・ 店舗照明のLED化、調理用廃油、サンドイッチ用パンの耳のリサイクル等 ・(株)ステーションクリエイト東四国 ・・・・ 店舗照明のLED化 ・(株)ステーションクリエイト愛媛 ・・・・・・ 天ぷら油のリサイクル ・(株)ステーションクリエイト高知 ・・・・・・ 店舗照明のLED化、調理用廃油のリサイクル ・(株)ジェイアール四国企画 ・・・・・・・・・ 電照看板のLED化 ・四国電設工業(株) ・・・・・・・・・・・・・・・ 屋上を活用した太陽光発電事業 お問合せ先: 四国旅客鉄道株式会社 総合企画本部 TEL: 087-825-1615 FAX: 087-825-1619 HP: http://www.jr-shikoku.co.jp 12