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誰もが住みよい地域づくりに向けて
誰もが住みよい地域づくりに向けて (男女共同参画の視点の活用) 今まで区の運営は男性中心で行われてきました。男性役員が、子供のこと、高齢者のこと、 女性のこと・・・を考えての運営でした。しかし、これからは女性も地域に参画し女性自身 が意見をだすことで、さらに地域の力をパワーアップしていくことが必要です。 “誰もが住みよい地域づくり”が男女共同参画社会の目標です。 アンケートにご記入いただいた中から、地域で活用できる男女共同参画の視点をまとめま した。地域での取り組みに活用いただければ幸いです。 甲賀市 市民環境部 人権推進課 〒528-8502 滋賀県甲賀市水口町水口6053番地 TEL:(0748)65-0695 FAX:(0748)63-4582 メール:koka10207000@city.koka.lg.jp 2013 年 3 月発行 アンケートの結果、市内の区(自治会)の中で、区長・副区長・会計に女性がいる区は9区で、そ の内、2区は女性が参画するための取り組みをされています。その2区がしていること、それが“雰 囲気をつくる”です。また、どのようにすれば女性が参画できるかの質問では、139区の内、62 区で“雰囲気をつくる”に回答しており、回答の中で1位です。 出来そうで出来ない“雰囲気をつくる”を信楽町西区では、どのように取り組んでおられるのでし ょうか。女性区長にお話を伺いしました。 雰囲気づくり 10年ほど前、初めて会計になったとき、当時の区 長(男性)が「西区が先頭を切って男女共同参画に取 り組んでいこう」と区の中で言ってくださいました。 地域住民が高齢化してきたこと、 女性だけの世帯の増加や女性の世 帯主が増えてきたことなど女性の 参画があった方が、区運営が うまく出来る状態でした。 女性も家の代表として役員決定の場や意思決定の 場に参画しています。区役員を選出する総会の出席者 は男女半々です。私が区長になった時は、女性たちが 女性の区長を選ぼうとする雰囲気があったようです。 ・やっぱり男性に受け入れる姿勢を示してもらえると 女性は参画しやすい。 ・意思決定の場に女性が数人いることで意見を受け入 れてもらえる感じになります。 平成23年、西区では大雨により川 が氾濫し、床下浸水という災害を経験 しました。 区長として、行政への連絡などは行 いましたが、災害時には、力仕事や交 通整理いろいろな事を一度に行わなけ ればなりません。区長一人で対応でき るものではありません。区長が誰であ ろうと区内での協力体制が出来ている ことが一番大切だと思います。 ① 男性は若いときから組長などを経験し、地域に参画 する機会があります。30歳代40歳代の女性が地 域で活躍できる場所が必要だと思います。子供会や PTA、ボランティア何でもよいと思います。 ② 男性より女性の方が地域の事を知っているという ことも多いのではないでしょうか。このような女性 の力を地域に活かさないのは地域にとっても損だ と思います。 【お話をお聞きして…】 「雰囲気づくりと言ってもこれをすれば…というものではありません」と前置きしお話くだ さいました。やはり、雰囲気づくりは、積み重ねが大切だと感じました。計画停電の際には、民生委員(女性)と一 緒に計画停電の時間案内と「もし、停電しても冷蔵庫の中を腐らせない方法」などを載せたチラシを配布、区文化 祭では災害時の協力体制について展示を行うなど、高齢者が多いことに気配りし区長の仕事を進めておられました。 女性が参画できる雰囲気をつくるには、女性が活躍できる場をつくることも方法の1つ です。アンケートでは、女性が活躍できる場として、“区行事を実行員会で行い女性が参画する機 会としている区”と“女性部を区の運営に女性が参画する機会としている区”がありました。 区行事で女性の参画をめざす! アンケートでは、区行事の企画運営を実行委員会で実施している区が多くありました。区行事で、 納涼祭(夏祭り)を記入いただいた79区の内、企画運営を区役員で行う 25 区と実行委員会で行う 44区を比較した場合、実行委員会の方が、企画運営に女性が参画できるという結果になりました。 その他、文化祭も同じ結果となりました。しかし、運動会(体育祭)は、どちらの場合も男性が多 い結果となりました。下記のグラフは各行事を企画運営する際の構成員の性別を区役員と実行委員 会で比較しました。納涼祭(夏祭り)と文化祭の企画運営を区役員で行うと男性が多い方に偏りま すが、企画運営を実行委員会で行うと中心が高くなり男女がバランス良く参画できています。 (区の割合) 文化祭 納涼祭(夏祭り) 運動会(体育祭) 50% 40% 30% 20% 10% 0% 男性 多 女性 多 男性 多 女性 多 区役員 男性 多 女性 多 実行委員会 女性部を区運営に参画する機会に! 平成23年度までは、文化・広報部と女性部が別々に活動して いましたが、どちらの部も活動が少なかったので、平成24年 度から文化・広報・女性部として活動することになりました。 男性3名女性4名が部員です。 Q1.文化・広報・女性部はどのような活動をされていますか? A.自治振興会で行う文化祭に企画段階から区代表として出席、区行事での実行委員(特に敬老 会や新春のつどいでは部の行事として中心になって活動)、役員会・総会での議事録作成 等 Q2.活動に変化はありましたか? A.二つの部を一緒にすることで活動しやすくなりました。行事の内容を変えなくても、案内を 手渡ししたり参加者を送迎したり、男性と女性がそれぞれの得意分野を活かして活動することに より、行事への参加者が増え、今まで以上に行事を大きく開催できました。部の活動が区民に見 えてきました。 アンケート結果では、42区で女性部(女性部)が“ある”と回答しました。女性部の活動内容は、 公民館などの掃除や行事の手伝いなど区には欠かせないものではありましたが、今回は女性部を女性 が区の運営に参画する機会とされている水口町菅谷区を紹介しました。 「女性に参画してほしいけど、なかなか進まない」このような場合、最初の一歩を規約な どで決めてみる方法があり、アンケートでも区役員に女性枠を設けている区がありました。 今回はアンケートに記入いただいた中から、平成24年度に区の組織を変更され、役員に女性枠を設け られた甲賀町小佐治区にお話を伺いました。 組に一人ずつ区再編検討委員を選出し、平成23年度に半年かけて検 討をされました。そして、平成24年度から新しく協議員を区役員と してスタートされました。 Q1.今年度から協議員制に変更になりましたが、どのように変更になったのですか? A.今までは、組長が区役員として活動していましたが、2組若しくは3組で1班とし、班選出の 協議員6名と区全体から選出の協議員6名、計12名を役員として活動しています。区選出の協議 員の内、2名を女性枠としています。 Q2.協議員制に変更した理由は? A.区民の高齢化により、組によっては組長のなり手がなくなってきました。組長の負担を減らし、 高齢の方にも順番に組長になってもらえるように協議員制を採用しました。現在、主な組長の仕事 は書類の配布や行事の際、組内を取りまとめることです。 Q3.女性に役員となっていただいてどうですか? A.区には4つの部があります。女性の役員には総務部と健康福祉部で副部長をしていただき、今 まで民生委員が中心で行っていた年10回の“いきいきサロン”の内1回を女性の役員を中心に運 営してもらいました。また、法事の際の供養やお見舞い返しの簡素化など生活改善に関することで 意見をだしていただき、区として取り組むことになりました。 ◆ 区長より一言 ◆ 前々から「高齢化により組長のなり手がない。何とかしないと」と声が出ていましたが、その声 を、平成23年度の区長が区再編検討委員会を立ち上げ、実行に移してくれました。長い間、続い てきた制度を変えるのは大変でした。やはり定着するまでは難しく、これから運営を続けていくの も大変だと感じています。今年度も意見を聞き、軌道に乗せたいと思っています。 【お話をお聞きして…】初めて区役員に女性枠を設ける際、女性1人では入りにくいから2人、部長はいきなり負 担が大きいので副部長と、次に続く女性のために配慮をされておられました。配慮って大切だと感じました。 地域で女性が参画できない理由やどのようにすれば参画できるかをアンケートでお聞きすると、「女 性は家事に忙しい」「家庭への負担が大きい」など家庭が影響して いると思われる意見がありました。家事・育児・介護など、家庭内で 協力して行うことが出来れば地域で活躍する女性が増えるかもしれま せん。アンケートでは、男性向けの料理教室などを行う地域がありま した。また、男性が参加しやすいようにバーベキュー、釣りから料理 までを一つの取り組みにする、味噌汁などの簡単な料理を取り入れて 行うなど素晴らしい案もありました。地域の行事の参考にしてください。