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22 発達障害とからだ④ -不器用さについてー

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22 発達障害とからだ④ -不器用さについてー
NO.22
H21.3.6
香川県立善通寺養護学校
《発達性協調運動障害》とは、簡単にいえば
「運動面での不器用さが著しいもの」のことをいいます。
*『粗大運動』においては、次のようなケースがあります。
・簡単な体操の模倣ができない。
・三輪車や自転車がこげない。
・スキップができない。
・ボールを遠くへ投げられない。
・歩くときに右手と右足が同時に出てしまう。
*『微細運動』においては、次のようなケースがあります。
今回は
ここだよ!
・ハサミがうまく使えない。
・簡単な線画をえどることができない。
・お菓子の袋をうまく開けられない。
・円を描いても円が閉じない。
・シャボン玉や風船を膨らませられない。
*『協調運動』においては、次のようなケースがあります。
・ちょっとした段差や溝をまたぎこせない。
・お手玉をゆっくり投げてもキャッチできない。
・ボールをけることができない。
・ほうきを使ったり、雑きんを絞ったりするのが苦手。
・水の入ったコップを運ぶとこぼしてしまう。
・山道や階段、あぜ道が苦手。
・ジャングルジムやアスレチックで遊べない。
このような、運動面での著しい不器用さがあると、次のような様々な弊害が起こってきます。
・子どものころは特に、運動ができることが「カッコいい!」「異性にもてる」ことなどにつながりがちです。スポーツ
が得意な子どもはヒーローになり、自尊感情を高めることができます。反対に『粗大運動』が苦手な子どもは、
子どもの間で評価される機会を失い、悪くすると「どんくさいやつ」といった負の評価まで負わねばなりません。
・『微細運動』が苦手な子どもは、字を書いたり、事物を操作したりすることが苦手なので、学習場面で失敗する
ことが多くなりがちです。服を着たり、食事をしたり、といった日常生活動作もスムースにいかなくなります。
・『協調運動』が苦手だと、いろいろな所、交通環境の厳しい所や自然の中に出かけていくことができず、生活経験
を広げたり、自分なりの冒険や試行錯誤体験をしたりすることができにくくなります。
しかし「発達性協調運動障害のような著しい不器用さ」
だけではなく、一般の人にはそれほど気付かれない
・姿勢筋緊張の低さ
・呼吸コントロールの未熟さ
・様々な感覚の過敏、または鈍さ
・全身性の平衡反応の未成熟
・「様々な原始反射の抑制」と
「分離した多様な動きの獲得」の未成熟
・中間位でのコントロールの未熟さ
・運動の持続性のなさ
・心肺機能の弱さ
・運動企画力の未熟さ
・目と動きの協調性の未熟さ
・ことばと動作の協調性の未熟さ
など、細かく見ていくと、発達障害のほとんどの子どもに、
≪様々な感覚運動機能の問題≫があることが分かります。
そして、この様々な感覚運動機能の問題が、各々の
発達障害の特徴や問題点を大きくすることにつながります。
・たとえば、以下のような因果関係があげられます。
・長い間じっと座っていることができずウロウロする。
・動きがギクシャクして、なめらかさがなくなる。
・触覚が過敏になったり鈍感になったりする。
・感情が昂ったときに、気持ちを抑えることが難しくなる。
・固有感覚(-*)を通した身体意識の形成が十分にできず、
「私」という概念の形成が曖昧になり、
「他者に対する認識」「他者との関係性」「自分と環境との関係性」
のすべてにつまずきが起こってきやすくなる。
この他にも、感覚運動発達の問題が、発達障害の特徴を形成したり、
特徴を強化したりしているケースはたくさんあります。
これまで、発達障害の特徴に合わせた支援について説明してきましたが、特徴そのものを改善する支援として、
この感覚運動機能の問題を改善するアプローチを取り入れていくことで、発達障害の子どもの支援がより効果的に
できるのではないかと考えています。 感覚運動機能の発達の仕組みや、その問題を改善する取り組みの方法に
ついては、「自立活動だより」バックナンバーNo.3~No.7を学校ホームページでご覧ください。
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