...

5 - サノフィ株式会社

by user

on
Category: Documents
15

views

Report

Comments

Transcript

5 - サノフィ株式会社
監修:埼玉医科大学 臨床腫瘍科
教授
佐々木 康綱
2006年6月改訂
目 次
■ はじめに
1
ドセタキセルとは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
2
外来がん化学療法の治療指針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・4
3
ドセタキセルの投与方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
4
ドセタキセル投与時のチェックポイント
5
ドセタキセルでよくみられる副作用と
その対策についての Q A ・・・・・・・・・・・・・・・14
&
6
その他の主な臓器障害についての解説 ・・・・・・・・31
・・・・・11
付 録
1. ドセタキセルによる副作用発現状況(再審査申請時の使用成績調査
結果)
2. タキソテール 添付文書情報(抜粋)
3. 薬剤調製方法
4. タキソテールとタキソールの外観比較
5. 固形がんに対する抗がん剤一覧
6. 体表面積換算表
7. RECIST*ガイドライン(抜粋)
8. G-CSF適正使用ガイドライン(抜粋)
9. FN**治療のアルゴリズム(抜粋)
10. CTCAE*** ver.3.0
(抜粋)
*RECIST:Response Evaluation Criteria in Solid Tumor
**FN:Febrile Neutropenia
***CTCAE:Common Terminology Criteria for Adverse Event
はじめに
がんの化学療法は、その副作用の危険性を考慮して患
者が入院した上で行う場合が多かった。しかしながら、近
年QOLや医療経済的観点からも、副作用を適切にコント
ロールできることを前提に外来治療を行うケースが増え
てきている。
また、
これまでその副作用の重篤さゆえに、入院での治
療を行わざる得なかった薬剤についても投与方法や副作
用のコントロール方法の工夫により外来治療が可能とな
ってきた。
しかしながら、使いやすいからといってエビデンスを無
視して、やみくもに外来で薬剤を使うべきではなく、エビ
デンスに基づいた上で外来で投与しやすい薬剤を選択す
ることが必要である。
ドセタキセルは、世界各国で発売され、いまではエビデ
ンスに基づいていくつかのがん腫にkey drugとして用
いられており、その特性から外来での化学療法に適した
薬剤である。
この小冊子は、
ドセタキセルを用いた外来がん化学療
法をより適切にかつ安全に行うため、副作用への具体的
な対処方法も含めて分かりやすく解説したものである。
1
ドセタキセルとは
ドセタキセル(docetaxel)は、
ヨーロッパイチイ( Taxas baccata )の針葉
抽出物から半合成されたタキサン系抗がん剤に属しています。タキサン系抗
がん剤は、
細胞が分裂するとき、
重要な役割を担っている微小管(microtubule)
という細胞内小器官に作用する薬剤です。微小管は線維状タンパク質でチュ
ーブリンという粒状のタンパク質が多数管状に重合することにより形成されて
います。細胞分裂時には、重合した微小管が細胞内での染色体の移動を行って
いることはよく知られています。細胞分裂が終われば、微小管は再び、脱重合し
粒状のチューブリンに戻ります。ビンクリスチン(vincristine)、
ビンデシン
(vindesine)などのビンカアルカロイド系の抗がん剤は微小管の重合を阻害
し、染色体が移動するのを阻害して、細胞を死に至らしめるのに対しタキサン
系抗がん剤の作用機序は、微小管の重合を促進し、脱重合を抑制することによ
り、細胞分裂の阻害を引き起こします。このため本剤の効果は微小管量が豊富
な分裂期(M期)を中心として発現します。またこの結果、細胞回転が抑制され
G2/M期の細胞が集積する傾向があります。
現在市販されている、
タキサン系抗がん剤にはパクリタキセル(商品名;タキ
ソール)とドセタキセル(商品名;タキソテール)の2種類があります。
ドセタキセルは、投与時間が1時間と比較的短く済み、外来がん化学療法に
向いている薬剤といえます。
【効能又は効果】
【用法及び用量】
効能又は効果
3
用法及び用量
2
乳癌
非小細胞肺癌
胃癌
頭頸部癌
通常、成人に1日1回、
ドセタキセルとして60mg/m(体表面積)
を1時間以上かけて3∼4週間間隔で点滴静注する。
なお、症状により適宜増減すること。ただし、1回最高用量は
2
70mg/m とする。
卵巣癌
食道癌
子宮体癌
通常、成人に1日1回、
ドセタキセルとして70mg/m(体表面積)
を1時間以上かけて3∼4週間間隔で点滴静注する。
なお、症状により適宜減ずること。
2
2
外来がん化学療法の治療指針
外来で化学療法を行うことは、入院して行う化学療法と本質的には何ら変わりの
ないものです。ただし、外来がん化学療法を行う患者さんへのメリットは、裏を
返すと、患者さんにとって不安や危険を伴うことが危惧されます。そのために、
外来化学療法を安全に行うためには患者さんへの十分な説明や配慮が重要です。
外来時の治療指針
外来治療のメリット
・ 患者の社会生活が維持されることによる精神的・経済的効果
・ 院内感染のリスクが低い
外来治療のデメリット
・ 患者の理解が少ない場合、副作用発現時のリスクが高い
外来治療の目的
・ 日常の生活をベースとした治療が可能
・ 経済的負担が入院時よりも軽減される
外来時の薬物療法開始前の留意点
・ 予想される副作用と発現時の対処法の説明
このような症状がみられたら、すぐに主治医・看護師・薬剤師へ連絡!
■発熱、感染症
■その他(浮腫、
しびれ、下痢、嘔吐、吐き気、口内炎)
・ 日常生活での留意点を十分に説明
食事、運動、眠れないとき、疲れたとき
・ ただし患者さんの病態によっては初回投与は入院の上行うことが望ましい
外来時の薬物療法施行時の留意点
・ 初回投与時の副作用の発現パターンを十分に検討すること
外来治療に適さない患者
・ 前治療が濃厚であった患者
・ 高齢者
・ 感染のリスクが高い患者
がんの病態進行に伴い感染リスクが高まる
・ 全身状態不良例(P.S.2以上)
4
3
ドセタキセルの投与方法
ドセタキセルの投与は以下のようなレジメンが推奨されており、
ドセタ
キセルの投与は3週に1回が標準的です。主な投与レジメンとしては、
1 単独投与……………………………… 全対象がん腫※
2 プラチナ系薬剤との併用…………… 非小細胞肺がん、
頭頸部がん、卵巣がん
3 アントラサイクリン系薬剤との併用… 乳がん
4 トラスツズマブとの併用……………… 乳がん
5 TS-1との併用………………………… 胃がん
6 放射線との併用……………………… 頭頸部がん
等があります。
(ただしこれらの一部は研究段階)
※乳がん、非小細胞肺がん、胃がん、頭頸部がん、卵巣がん、食道がん、子宮体がん
他剤との併用に関しては、各薬剤の添付文書をご参照の上ご使用下さい。
投与スケジュール例(前処置薬及び投与順序はあくまでも投与例です。)
1 単独投与…全対象がん腫1),2)
Day1
●ドセタキセル(DOC)60-70mg/m2
8 15 Day22
Day43
Day64
3週間ごと
■ 第1日目(day1、22、43、64………)
15分
デキサメタゾン
8mg
5-HT3受容体拮抗型制吐剤 1A
生理食塩液
50mL
点滴静注
1時間
ドセタキセル
生理食塩液
or
5%ブドウ糖液
点滴静注
60mg/m2
250mL
*点滴開始から約15分は、点滴速度を少し遅めにして、全身状態を観察する。
夕食後
デキサメタゾン 4mg経口(省略可)
■ 第2∼3日目
デキサメタゾン 4mg経口(省略可)
●患者さんに注意すべき副作用
感染症、脱毛、浮腫等
●1コースあたりの薬価:
91,493∼112,093円
●(体表面積を1.6m2として計算、
60mg/m2∼70mg/m2)
(薬価は2006年4月現在)
5
ドセタキセルの国内における承認用法・用量は以下の通りです。
乳癌、非小細胞肺癌、胃癌、頭頸部癌に対して
2
を1時間以上かけて3∼4週間間隔で点滴静注する。
「通常、成人に1日1回、
ドセタキセルとして60mg/m(体表面積)
なお、症状により適宜増減すること。ただし、
1回最高用量は70mg/m2とする。」
3
ドセタキセルの投与方法
2 プラチナ系薬剤との併用3)-5)…非小細胞肺がん、頭頸部がん、卵巣がん
Day1
Day22
Day43
Day64
●ドセタキセル(DOC)60-70mg/m2
3週間ごと
●カルボプラチン(CBDCA)AUC=5-6
■ 第1日目(day1、22、43、64………)
デキサメタゾン
8mg
5-HT3受容体拮抗型制吐剤 1A
生理食塩液
50mL
ドセタキセル
60-70mg/m2
生理食塩液
or
250mL
5%ブドウ糖液
15分
1時間
点滴静注
点滴静注
*点滴開始から約15分は、点滴速度を少し遅めにして、全身状態を観察する。
カルボプラチン AUC=5-6
生理食塩液
or
250mL
5%ブドウ糖液
1時間
夕食後
点滴静注
デキサメタゾン 4mg経口(省略可)
■ 第2∼3日目
デキサメタゾン 4mg経口(省略可)
●患者さんに注意すべき副作用
感染症、脱毛、悪心・嘔吐、腎障害等
●1コースあたりの薬価:
151,753∼218,779円
●(体表面積を1.6m2、
GFRを130mL/minとして計算、
CBDCAジェネリック+60mg/m2∼CBDCA先発品+70mg/m2)
(薬価は2006年4月現在)
* プラチナ製剤との併用では、骨髄抑制等の増強に加え、急性の悪心・嘔吐(投与日に発現)、
遅延性の悪心・嘔吐(2日目以降に発現)にも注意を払う必要があります。特にシスプラチンを
併用する場合の悪心・嘔吐に注意して下さい。現在、
これらの副作用コントロールにメトクロプラ
ミド
(30∼100mg/day)
とデキサメタゾン(8∼16mg/day)が有効とされています。さらにマイナー
トランキライザーのロラゼパムの併用も考慮して下さい。
卵巣癌、食道癌、子宮体癌に対して
2
を1時間以上かけて3∼4週間間隔で点滴静注する。
「通常、成人に1日1回、
ドセタキセルとして70mg/m(体表面積)
なお、症状により適宜減ずること。」
なお、他の製品については、各薬剤の添付文書をご参照の上、
ご使用下さい。
6
3 アントラサイクリン系薬剤との併用6),7)…乳がん
Day1
Day29
Day57
Day85
●ドキソルビシン(ADM)50mg/m2
あるいは
4週間ごと
●エピルビシン(EPI)60mg/m2
●ドセタキセル(DOC)60mg/m2
■ 第1日目(day1、29、57、85………)
15分
デキサメタゾン
8mg
5-HT3受容体拮抗型制吐剤 1A 生理食塩液
50mL
10
∼
15分
ドキソルビシン(ADM or EPI)
1時間
ドセタキセル
生理食塩液
or
5%ブドウ糖液
点滴静注
静注
60mg/m2
250mL
点滴静注
*点滴開始から約15分は、点滴速度を少し遅めにして、全身状態を観察する。
夕食後
デキサメタゾン 4mg経口投与(省略可)
■ 第2∼3日目 朝夕
デキサメタゾン 4mg経口投与(省略可)
●患者さんに注意すべき副作用
骨髄抑制、脱毛、口内炎、嘔気、心毒性、血管外漏出等
●1コースあたりの薬価:
112,213∼155,023円
●(体表面積を1.6m2として計算、ADM+60mg/m2∼EPI+60mg/m2)
(薬価は2006年4月現在)
* アントラサイクリンとの併用によりうっ血性心不全の出現頻度が増加することが、
タキサン系
抗がん剤との併用で報告されているため、注意を払う必要があります。また、不可逆性の心筋
症を引き起こすことも知られているため、高リスクの患者(縦隔・心臓部への放射線照射、高
血圧症、70歳以上、心疾患)にはドキソルビシン換算量で450mg/m2にて中止する必要があ
ります。リスクが低ければ、550mg/m2までは許容できるとされています。
7
ドセタキセルの国内における承認用法・用量は以下の通りです。
乳癌、非小細胞肺癌、胃癌、頭頸部癌に対して
2
を1時間以上かけて3∼4週間間隔で点滴静注する。
「通常、成人に1日1回、
ドセタキセルとして60mg/m(体表面積)
なお、症状により適宜増減すること。ただし、
1回最高用量は70mg/m2とする。」
3
ドセタキセルの投与方法
4 トラスツズマブとの併用8),9)…乳がん
4mg/kg
2mg/kg (以降 2mg/kgを1週ごとに投与)
●トラスツズマブ
Loading Doseとして
Day0
Day1
●ドセタキセル(DOC)60-70mg/m2
8
15 Day22
Day43
Day64
3週間ごと
Day0にトラスツズマブ4mg/kgを90分以上かけて点滴静注する(以後、
2mg/kgを1週間間隔でPDになるまで投与)。day1にドセタキセル60mg/m2
を60分かけて点滴静注する(以後、
3週間間隔で6コース以上投与)。
■ 2コース目以降
30分前にジクロフェナクナトリウム坐薬
1時間
30分
トラスツズマブ
添付の生理食塩液
15分
デキサメタゾン
8mg
5-HT3受容体拮抗型制吐剤 1A
生理食塩液
50mL
点滴静注
1時間
ドセタキセル
生理食塩液
or
5%ブドウ糖液
点滴静注
2mg/kg
250mL
点滴静注
60mg/m2
250mL
*点滴開始から約15分は、点滴速度を少し遅めにして、全身状態を観察する。
■ 第2∼3日目 朝夕
デキサメタゾン 4mg経口投与(省略可)
●患者さんに注意すべき副作用
感染症、過敏症、体重増加等
●1コースあたりの薬価:
360,487∼273,041円
●(体表面積を1.6m2、体重60kgとして計算、
1コース目∼2コース目以降)
(薬価は2006年4月現在)
心機能検査を定期的に行うこと。
*トラスツズマブの投与では、発熱が高頻度で出現します。骨髄抑制に伴う感染症による発熱
との区別が重要です。また、心臓に対して重篤な副作用も報告されていますので、心機能検
査等は慎重に行った上で投与を開始してください。特に、前治療としてアントラサイクリン系薬
剤を投与していたり、胸部への放射線照射後の患者さんは要注意です。まれに血栓症となる
場合もあるので、注意して下さい。
卵巣癌、食道癌、子宮体癌に対して
2
を1時間以上かけて3∼4週間間隔で点滴静注する。
「通常、成人に1日1回、
ドセタキセルとして70mg/m(体表面積)
なお、症状により適宜減ずること。」
なお、他の製品については、各薬剤の添付文書をご参照の上、
ご使用下さい。
8
5 TS-1との併用10),11)…胃がん
Day1
●ドセタキセル(DOC)40mg/m2
8
15 Day22
Day43
Day64
3∼4週間ごと
80mg/m2/day連日経口投与 分2
●TS-1
80mg/m2/day
1
14
22
35
43
56
■ 第1日目(day1、22、43、64………)
朝
経口投与
TS-1 40mg/m2
15分
デキサメタゾン
8mg
5-HT3受容体拮抗型制吐剤 1A
生理食塩液
50mL
点滴静注
1時間
ドセタキセル
生理食塩液
or
5%ブドウ糖液
点滴静注
40mg/m2
250mL
*点滴開始から約15分は、点滴速度を少し遅めにして、全身状態を観察する。
夕食後
デキサメタゾン 4mg(省略可)
経口投与
TS-1 40mg/m2
■ 第2∼3日目
デキサメタゾン 4mg経口(省略可)
●患者さんに注意すべき副作用
感染症、下痢、口内炎、発熱、過敏症等
●1コースあたりの薬価:
134,105.8円
●(体表面積を1.6m2として計算)
(薬価は2006年4月現在)
* 骨髄抑制の他に、消化器症状(食欲不振、悪心・嘔吐、口内炎、下痢等)がTS-1の主な副
作用です。下痢は、
ときに重篤化する場合があるので、早めの休薬が必要です。徴候を早く患
者さんから聞き取るようにして下さい。
9
ドセタキセルの国内における承認用法・用量は以下の通りです。
乳癌、非小細胞肺癌、胃癌、頭頸部癌に対して
2
を1時間以上かけて3∼4週間間隔で点滴静注する。
「通常、成人に1日1回、
ドセタキセルとして60mg/m(体表面積)
なお、症状により適宜増減すること。ただし、
1回最高用量は70mg/m2とする。」
3
ドセタキセルの投与方法
6 放射線との併用12)…頭頸部がん
■ 第1日目(day1、8、15、22、29、36)
法:day1,
8,
…36にドセタキセル10mg/m2を60分(250mL)
かけて点滴静脈内投与し、放射線照射前には終了する。
放射線療法(RT)
:day1より2Gy/dayを週5日間、
30回照射、
計60Gyを照射する。
化
学
Day1
療
Day8
Day15
Day22
Day29
Day36
ドセタキセル(DOC)
10mg/m2
●
注)
ドセタキセルのスキップ基準:
3
2コース目以降において、投与前の好中球数が1,000/mm 以下の場合は、
ドセタキセルの投与を
スキップする。また、Grade2以上の非血液毒性(悪心・嘔吐、脱毛を除く)が発現した場合も同様に
スキップする。尚、
2回連続してスキップした場合は、
ドセタキセルの投与を中止する。
注)放射線照射の中止基準:
Grade3以上の口内炎をはじめとした粘膜障害が認められた場合は、直ちに放射線照射を中止する。
Grade1まで回復を待って、可能と判断されれば注意して再開する。尚、
2週を超えて持続した場合は
放射線照射を中止する。
15分
デキサメタゾン
8mg
5-HT3受容体拮抗型制吐剤 1A
生理食塩液
50mL
点滴静注
1時間
ドセタキセル
生理食塩液
or
5%ブドウ糖液
点滴静注
10mg/m2
250mL
*点滴開始から約15分は、点滴速度を少し遅めにして、全身状態を観察する。
●患者さんに注意すべき副作用
骨髄抑制、口内炎、脱毛、肝機能障害等
* 放射線照射時に照射野内の粘膜炎および頚部皮膚炎は高頻度に認められます。多くは
局所処置および鎮痛剤で対応可能です。
卵巣癌、食道癌、子宮体癌に対して
2
を1時間以上かけて3∼4週間間隔で点滴静注する。
「通常、成人に1日1回、
ドセタキセルとして70mg/m(体表面積)
なお、症状により適宜減ずること。」
なお、他の製品については、各薬剤の添付文書をご参照の上、
ご使用下さい。
10
4
ドセタキセル投与時の
チェックポイント
1 投与前
投与の可否を最終確認するための検査や、患者さんへの説明を行って
下さい。
投与前検査
*
参 考
血
液
検
査
白血球数
4,000/mm3以上が望ましい。
好中球数
2,000/mm3未満であれば投与を延期してください。
血小板数
10,0000/mm3以上が望ましい。
ヘモグロビン
肝
機
能
検
査
腎
機
能
検
査
AST/ALT/ALP/
LDH
ビリルビン
8.0g/dL以上が望ましい。
施設正常値上限の2.5倍未満が望ましい(約100 IU/L)。
(それ以上の場合、肝への転移等を考慮の上、慎重に投与)
施設正常値上限の1.5倍未満が望ましい(約1.5mg/dL)。
クレアチニン
施設正常値上限の1.5倍未満が望ましい(約1.5mg/dL)。
クレアチニン・
クリアランス
60 mL/min以上が望ましい。
心電図検査
異常のないことが望ましい。
肺機能検査
P02
60Torr以上が望ましい。
*数値はあくまで目安であり、主治医により判断されることが望ましい
※ドセタキセル投与にあたって、特に留意すべき点
特に好中球数が2,000未満の場合は回復するまで投与を延期
肝機能が低下している場合、骨髄抑制が増強されるおそれがある。
慎重に投与する必要がある:投与量
調製時の留意点(添付溶解液含有のアルコールについて)
アルコール過敏の有無に対する問診の実施
アルコール過敏の患者には添付の溶解液ではなく、生理食塩液又は5%
ブドウ糖液にて溶解
11
4
ドセタキセル投与時の
チェックポイント
以下の症例でのドセタキセルの投与は避けてください。
好中球数が2000/mm3
好中球数が2,000/mm3以上に回復するまで、投与を延期する
未満
こと。
骨髄抑制が増悪し、重症感染症を併発するおそれがある。
骨髄抑制のある患者
頻回に血液検査等を行うこと。
感染症の発現に十分注意し、好中球の他に、CRP上昇、
発熱等の有無を確認すること。
間質性肺炎または
肺線維症のある患者
肝障害のある患者
症状を増悪させるおそれがある。
ドセタキセルの血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれる
おそれがある。
腎障害のある患者
腎障害を増悪させるおそれがある
浮腫のある患者
浮腫を増悪させるおそれがある。
妊娠する可能性のある
患者
妊娠する可能性のある患者に対しては、原則として投与しない。
やむを得ず投与する場合には、危険性を十分説明した上で、
投与中の避妊を徹底するよう指導する。
妊婦又は妊娠している可能性のある患者には投与しないこと。
妊婦、産婦、授乳婦等
●
への投与
●
脳転移のある患者
脳転移病巣に対しては、他の治療法を考慮すること。
授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。
2 投与時
1)アナフィラキシー予防のための、前処置は必ずしも必須ではありませ
んが、パクリタキセルと同様の処置を行う場合もあります。
下記に標準的な前処置方法を記載しています。
2)一般に総投与量が、
350∼400mg/m2を越えると浮腫の発現頻度が
上昇することが知られており、ステロイド剤の使用は体液貯留・浮腫
の出現時期を遅らせることが可能とされています。下記に標準的な
前処置方法を記載しています。
ドセタキセル投与における前処置例(必須ではない)
処方1
デキサメタゾン
8mg/body 静脈内投与:DOC 投与開始1時間前
4mg/body 経 口 投与 :DOC 投与後 12、24、36、48時間後
処方2
デキサメタゾン
4mg/body 経 口 投与 :DOC 投与開始 12、3時間前
4mg/body 経 口 投与 :DOC 投与後 12、24、36、48時間後
12
4
ドセタキセル投与時の
チェックポイント
3 副作用の発現しやすい時期および種類について
副作用の出やすい時期
副作用の種類
当日(点滴中)
アレルギー
当日∼数日
発疹、吐き気・嘔吐
数日∼数週間
感染症、白血球減少、脱毛、筋肉痛・関節痛、下痢、口内炎、
間質性肺炎(まれ)、味覚の変化
数週間∼数ヶ月
むくみ(浮腫)、
しびれ、疲労感(倦怠感)、爪の変化
4 減量の目安
臨床検査値、患者の状態を観察し、減量の必要性が認められた場合は減
量の目安に従って減量して下さい。減量は通常、一段階ずつ行い、
50
mg/m2以下は休薬として下さい。
初回投与量
1段階減量
2段階減量
70mg/m2
60mg/m2
50mg/m2
60mg/m2
50mg/m2
休薬
5 投与期間中の観察項目
ドセタキセルを含む化学療法開始後は、1週間に1回以上の臨床検査な
らびに臨床症状について問診を実施して下さい。異常が認められた場
合には、休薬、減量、治療薬投与など適切な処置を行って下さい。
次コース開始時には必ず臨床検査を実施するとともに、患者状態を十
分把握し、投与の可否の判断を行って下さい。
投与
開始前
投与日
1週
2-3週
次コース
投与開始前
ドセタキセル
患者背景
●
一 脈拍、血圧、
般 体重、体温等
所
心電図
見
●
P.S.
●
自他覚所見
●
●
●
●
●
臨床検査
●
●
●
●
●
胸部X線等
●
○
●:必須 ○:可能なかぎり実施
13
○
●
○
●
○
5
ドセタキセルでよくみられる副作用と
その対策についての Q & A
使用成績調査での副作用発現頻度については、34頁∼39頁を
ご参照ください。
Q
ドセタキセルでは、プレメディケ ーションは
必要ですか?
A
まれに、アナフィラキシー様反応・ショック、血圧低下、不整脈、
動悸等を生じる場合があります。問診の際に、過去のアレルギー
歴を詳細に聞くようにして下さい。また、1回目の投与では起こ
らず、
2回目以降の投与でも起こる場合もありますので、少なくと
も、投与開始から15分間は患者さんの側に医師あるいは看護師
が付いていてよく観察することが重要です。いざというときに備
えて、気管支拡張剤や昇圧剤を用意しておくとよいでしょう。
埼玉医大臨床腫瘍科では、ステロイドは当日、
8mgある
いは16mgをドセタキセル投与30分前に約50mLの生理
食塩液で約15分かけて投与します。その際5-HT3 受容体
拮抗型制吐剤を同時に投与します。
投与後のステロイドは行わなくてもかまいませんが、後
に触れるように、
2日目、
3日目の投与が浮腫の発現を抑制
するという報告もあります。
また、
ドセタキセルの溶解液には、エタノールが含まれ
ているため、アルコール不耐症の患者さんには注意が必
要です。問診で注意して聞くようにして下さい。
14
Q
ドセタキセルによる骨髄抑制は、 重篤なの
でしょうか?他 の 薬 剤と比 べ て特 徴 はある
のでしょうか?
A
ドセタキセルは高頻度でグレード4の白血球減少(好中
球減少)が発現しますが、本剤の特徴はグレード4の期間
が極めて短期間(1日間)であることです。投与後8∼11
日でNadirとなり、その後速やかに回復します。外来で十
分に管理可能な程度の副作用といえます。
ただし、以下のようなリスクファクターを持った患者さ
んに投与を行う場合には、慎重な検査と観察が必要です。
表 外来がん化学療法のリスクファクター
前治療で白血球減少が著しかった症例。
前治療での白血球減少は顕著ではなかったが、強い化学療法であった場合。
がんの広範な骨髄浸潤を来している症例。
前治療として複数の化学療法歴を有する症例。
全骨盤照射等の広範囲な放射線照射を行った症例。
P.S.2以上の症例。
75歳以上の症例。
15
5
ドセタキセルでよくみられる
副作用とその対策についての
Q& A
ドセタキセル投与と好中球減少
投与日
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21(投与後日後)
( /mm3 )
3500
3000
2500
2000
1500
1000
500
0
注:このグラフは下記のデータを基に
イメージ化したものです。
nadir
ドセタキセル投与と好中球減少
*
Nadir 時好中球数、Nadir までの期間、及び回復期間(中央値)
ドセタキセル 70mg/m2 投与時
2
ドセタキセル 60mg/m 投与時
3
*:好中球 2,000/mm 以上
Nadir時
好中球数
(/mm3)
Nadirまで
の期間
(日)
回復期間
(日)
400.0
8
6
527.5
9
8
(社内資料)
16
Q
好中球減少の際に注意すべきことはありま
す か?また、発 熱 はどの 程 度を目 安に緊 急
の処置を考えたらよいのでしょうか?また、GCSFの投与のタイミング等について教えて
下さい。
A
発熱は、腋窩温 37.5℃、口腔内温 38℃を目安に主治医
に連絡をするように指導して下さい。
また、白血球数は投与当日に確実に検査して下さい。当
日風邪等で白血球数が増えている場合(一万以上は要注意)
もありますので、CRP値もチェックした上で、感染や炎症
性の合併症に罹っていないかどうかも注意深く観察して
下さい。
G-CSF の 投与は、日本癌治療学会あるいはASCO
(米国癌治療学会)のガイドラインを参考にして、投与して
ください(付録8)。また、発熱時に抗菌剤の予防的な投与
は原則的には行いませんが、感染症が疑われる場合には、
広範囲経口抗菌剤を処方する場合があります。
17
5
ドセタキセルでよくみられる
副作用とその対策についての
Q& A
Q
入院での治療を考慮する場合はどのような
ときですか?
A
全身状態が良好かつ、背景として前述(P.15参照)の
リスクファクター のない患者さんでは、初回から、外来
での化学療法が可能です。リスクファクターがあった場
合には、入院での化学療法が安全に行えることが確認
できれば、外来での化学療法が可能です。いずれにせよ
患者さんとも十分に相談した上で、慎重に治療を行って
下さい。P.S.が3の場合には、化学療法自体の適応を検
討して下さい。
18
Q
ドセタキセ ル 投 与 後どのぐらい の 時 期 に、
悪心・嘔吐が発現するのでしょうか?その時
の対処方法も教えて下さい。
A
悪心は、投与後3∼4日間続く場合があります。嘔吐ま
で発現するケースはまれです。対処方法は、ステロイドと
5-HT3受容体拮抗型制吐剤を使います。アントラサイク
リン系抗がん剤やシスプラチンと比較すれば、悪心・嘔吐
の程度は軽度です。
19
5
ドセタキセルでよくみられる
副作用とその対策についての
Q& A
Q
ドセタキセル投与後に口内炎の発現はある
のでしょうか?
A
放射線治療との併用や、
5-FU系の薬剤と併用した場合、
口内炎が出現することがあります。抗がん剤の投与時に
氷片を口に含む方法(クライオテラピー)が効果的である
という報告もあります。
口内炎の予防には以下の点に注意して下さい。
①化学療法を受ける前に歯科検診を受ける
②歯茎を痛めないように、柔らかくかつ清潔な歯ブラ
シを使い、口内も常に清潔に保つ
③口 の 中がしみる程度でも、医師や 看護師に知ら
せる
④化学療法中の歯科受診は主治医に相談する
20
Q
悪心・嘔吐とともに、 食欲不振が現われる
ときがあります。 悪心・嘔吐とは違う原因で
現われる食欲不振もあるのでしょうか?また、
対処方法はあるのでしょうか?
A
食欲不振が現われることは余りありません。週単位で遷
延することはまれで、すぐに食べられるようになります。
悪心・嘔吐や食欲不振は、患者さんの心理的な影響も考
えられるため、化学療法をはじめる前に、悪心・嘔吐や食欲
不振になる仕組みや対処方法について、患者さんが理解
しやすいように説明するとともに、それらが起こりにくい
環境を作ってあげることも重要です。
具体的には
①窓を開けて空気の入れ換えを行う
②香りの強いものはベッドの周囲から離す
③背を低くして、背をさすってもらう
(イラスト)
④胃に枕をして腹這いになる
⑤横向きに寝て体を曲げる
⑥冷水でうがいをする
⑦リラックスをする(映画やテレビをみる)
等です。
食欲不振が長びく場合には、薬剤以外の原因について
も考慮して下さい。
21
5
ドセタキセルでよくみられる
副作用とその対策についての
Q& A
Q
ドセタキセ ル 投 与 後どのぐらい の 時 期 に、
下痢や 便秘が発現するのでしょうか?その
時の対処方法も教えて下さい。
A
下痢よりも便秘の方が頻繁に出現します。下痢が出た
としても、
5-FUやCPT-11に比べて、極めて軽度です。下
痢も便秘も早期に発現しても長引くことはありません。た
だし、タキサン系の抗がん剤では、腸管運動の抑制により
便秘が発現する場合があります。外来治療ではあまり考え
られませんが、お年寄りやP.S.の不良の患者さんでは注
意が必要になります。便秘には、酸化マグネシウム等の緩
下剤やメトクロプラミドを用います。それでも有効でない
場合には、刺激性下剤のアントラキノン系のセンノシドや
ジフェニール系のピコスルファートナトリウムを併用する
ときがあります。
また、下痢は薬剤が直接原因でおこるとは限りません
ので、下痢が発生した場合には、
①脱水の程度とバイタルサインを把握し、必要ならばた
だちに来院させ補液を開始
②下痢を起こしやすいような既往歴や現病歴を検討
③腸管感染の有無と主な病変部位がどこかに留意した
患者の診察等が必要です。
(次頁に続く)
22
いずれにしても、
①体液と電解質の補正
②下痢とそれに伴う症状(腹痛など)の軽減
③原因除去あるいは原因に則した治療
が重要です。
主な止痢剤
収斂薬
タンニン酸製剤:タンナルビン
ビスマス塩類:次硝酸ビスマス
吸着薬・殺菌薬:ケイ酸アルミニウム、塩化ベルベリン
乳酸菌製剤:ラクトミン製剤
腸管運動抑制薬
オピオイド系化合物:塩酸モルヒネ、
リン酸コデイン、ロペラミド
抗コリン薬:臭化ブチルスコポラミン
ソマトスタチン類似体:酢酸オクトレオチド
漢方薬:半夏瀉心湯、五苓散、啓脾湯
23
5
ドセタキセルでよくみられる
副作用とその対策についての
Q& A
Q
ドセタキセル 投与により、 全身倦怠感が現
われることがありますが、 対処方法はある
のでしょうか?
A
全身倦怠感は可逆性で、すみやかに回復します。化学療
法による倦怠感の原因はいまだに不明であり、患者さんに
よって愁訴の程度や症状もさまざまです。SSRI*等の抗う
つ剤による臨床試験も行われてはいるものの、その評価
は一定ではありません。運動療法が効果を示したという報
告もあるようです。神経伝達系への影響とは別に倦怠感は、
抗がん剤の治療を受けるという、精神的な疲労が原因と
も考えられるため、安静にして気を紛らわす工夫をするよ
うにして下さい。
いわゆる「だるい」時の過ごし方として、以下のような
ことを患者さんに薦めてください。
①十分な休息・睡眠をとる
②ゆっくりと体を動かすようにする
③音楽や読書、あるいは趣味などで気を紛らわす
④軽い運動をする
*SSRI:Selective Serotonin Reuptake Inhibitor(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)
24
Q
ドセタキセル投与により、 爪の変形などを含
む、皮膚に障害が現われるときがありますが、
適切な処置方法はあるのでしょうか?
A
ドセタキセルの通常の用法・用量では爪の異常が現わ
れることはまれです。しかしながら、主にWeekly投与にお
いて、爪の変形や脱落といった症状が発現する場合が報
告されています(“Weekly投与”については確立した方
法ではありません)。その場合には、鎮痛剤を使用すると
ともに、その部分を清潔に保つようにして下さい。
指先を冷やすことにより、
ドセタキセルの毒性が軽減さ
*
れたという報告 もあります。 *Scotte F., et al: J Clin Oncol 23, 4424-4429, 2005
25
ドセタキセルの国内における承認用法・用量は以下の通りです。
乳癌、非小細胞肺癌、胃癌、頭頸部癌に対して
2
を1時間以上かけて3∼4週間間隔で点滴静注する。
「通常、成人に1日1回、
ドセタキセルとして60mg/m(体表面積)
なお、症状により適宜増減すること。ただし、
1回最高用量は70mg/m2とする。」
5
ドセタキセルでよくみられる
副作用とその対策についての
Q& A
Q
ドセタキセルは体腔内へ の体液貯留が心配
されますが、危険性はないのでしょうか?また、
四肢の浮腫はよく現われるのでしょうか?
A
著しい胸水、腹水貯留例では、
ドセタキセル投与により、
体腔液の貯留が亢進される可能性があります。特に胸水
では、一過性に増加し、呼吸困難を来すことがあるので、
注意を要します。
また、頭頸部がんで、放射線療法を受けた症例等では、
顔面浮腫から呼吸不全を起こす場合もあります。上大静
脈症候群にも注意が必要です。
体腔液のチェックとともに、
ドセタキセルの総投与量が
2
350∼400mg/m に達したときに注意を払うようにして
下さい。
また、
がん性リンパ管症でも、
ドセタキセルの投与により、
肺の浮腫が増強される場合があり、急性の呼吸不全に陥
る場合があるので、注意が必要です。
投与前後のステロイドの投与は浮腫や体液貯留の発現
時期を遅らせる効果はあります。患者さんには、手足のむ
くみ等の症状の特徴を十分に説明した上で、異常があれ
ばすぐに連絡をするようにお話してください。 対処薬として、利尿薬のスピロノラクトンが有効との
報告もあります。
卵巣癌、食道癌、子宮体癌に対して
2
を1時間以上かけて3∼4週間間隔で点滴静注する。
「通常、成人に1日1回、
ドセタキセルとして70mg/m(体表面積)
なお、症状により適宜減ずること。」
なお、他の製品については、各薬剤の添付文書をご参照の上、
ご使用下さい。
26
Q
ドセタキセルによる脱毛は、
ドキソルビシンな
どと比べて、頻度や程度は重篤なのでしょうか?
また、投与終了後どれくらいの期間で回復す
るのでしょうか?
A
ドセタキセルでも、脱毛は高頻度で出現します。完全脱
毛となっても、投与終了後、約半年間で元にもどりますが、
看護師さんなどから十分に説明をしておくことが重要です。
患者さんと相談した上で、
かつら等の準備をしておくのも
よいでしょう。
27
5
ドセタキセルでよくみられる
副作用とその対策についての
Q& A
Q
ドセタキセル投与時に血管外に薬液を漏出し
てしまった場合の、対処方法について教えて
下さい。
A
漏出には、細心の注意を払って下さい。点滴中、周辺が
腫れたり、痛みがないかどうかを患者さんから知らせるよ
うに十分に説明をしておいてください。患者さんが寝てし
まって痛みが感じなかったというようなケースもあります。
不幸にして、漏出が起こった場合には、局所麻酔とヒド
ロコルチゾン(ソルコーテフ® )の混合注射や、冷シップ
を行うとよいでしょう。また、皮膚科の医師に経過を報告
し、受診させるようにして下さい。
局所皮下注射と局所外用処置
血管外漏出範囲
a
湿布
b
血管外
漏出範囲
局所麻酔
ステロイド
注射範囲
ステロイド局所注射
漏出範囲よりも大きく、かつ、中枢に
むかって範囲を広げて万遍なく何回も
皮下に注射する。
28
Q
ドセタキセル投与時に筋肉痛や関節痛が現われ
ることがありますが、対処方法を教えて下さい。
A
ドセタキセル投与後の筋肉痛や関節痛は、パクリタキセ
ルに比べるとはるかに低い発現頻度です。もし、起こって
しまったら、非ステロイドの消炎剤(坐薬等)を投与するか、
痛みが強い場合には中枢性の鎮痛薬(塩酸ブプレノルフィ
ン等)を処方して下さい。ほとんどの場合、数日で消退す
る一過性のものです。
Q
ドセタキセル投与時にしびれが現われること
がありますが、 対処方法を教えて下さい。
A
ドセタキセル投与後のしびれも頻度は低く、休薬後速や
かに消失します。ただし、用量依存的に発現頻度が増して
いきますので、注意して下さい。対処方法としては、休薬
以外確立したものはありません。
29
ドセタキセルの国内における承認用法・用量は以下の通りです。
乳癌、非小細胞肺癌、胃癌、頭頸部癌に対して
2
を1時間以上かけて3∼4週間間隔で点滴静注する。
「通常、成人に1日1回、
ドセタキセルとして60mg/m(体表面積)
なお、症状により適宜増減すること。ただし、
1回最高用量は70mg/m2とする。」
ドセタキセルでよくみられる
副作用とその対策についての
Q& A
Q
その他、ドセタキセル投与後の注意すべき
点があれば、 教えて下さい。
A
ドセタキセルの投与方法は、
3週あるいは4週に1回の
投与が一般的です。
“Weekly投与”では、
3週投与では
見られないような副作用が発現する場合が多いため、注
意が必要ですし、
この投与方法は確立された投与方法と
は言えません。
ドセタキセルは、CYP3A4で代謝される薬剤ですので、
エリスロマイシン等の同酵素で代謝される薬剤との併用
では、血中濃度が高くなり、毒性が高くなる場合があるの
で、注意して下さい。また、グレープフルーツジュースや
健康食品のセントジョーンズワート等にも同様の作用が
見られるため、投与前後の飲食の指導の際に、お話しし
ておいてください。
卵巣癌、食道癌、子宮体癌に対して
2
を1時間以上かけて3∼4週間間隔で点滴静注する。
「通常、成人に1日1回、
ドセタキセルとして70mg/m(体表面積)
なお、症状により適宜減ずること。」
なお、他の製品については、各薬剤の添付文書をご参照の上、
ご使用下さい。
30
6
その他の主な臓器障害についての解説
1 肝障害
ドセタキセルによる肝障害は軽度で、休薬により回復する場合がほとん
どです。まれにですが、急激に致死性の肝障害を引き起こす可能性もあ
ります。
2 肺障害
間質性肺炎をまれに引き起こす場合があります。特に“Weekly投与”で
は、その発現頻度が高くなるという報告があります。いずれにせよ、投与
前に胸部X線写真等で異常の有無を検索することは必須として下さい。
3 心毒性
ドセタキセル単独で心毒性が現われることはまれですが、アントラサイ
クリン系薬剤との併用や、最近では、
トラスツズマブとの併用で、心機能
が悪化する場合があることが報告されています。まれに、不可逆的な転
帰をたどることも考えられるため、心エコー等での検査でフォローして
下さい。
ドセタキセルの国内における承認用法・用量は以下の通りです。
乳癌、非小細胞肺癌、胃癌、頭頸部癌に対して
2
を1時間以上かけて3∼4週間間隔で点滴静注する。
「通常、成人に1日1回、
ドセタキセルとして60mg/m(体表面積)
なお、症状により適宜増減すること。ただし、
1回最高用量は70mg/m2とする。」
31
卵巣癌、食道癌、子宮体癌に対して
2
を1時間以上かけて3∼4週間間隔で点滴静注する。
「通常、成人に1日1回、
ドセタキセルとして70mg/m(体表面積)
なお、症状により適宜減ずること。」
なお、他の製品については、各薬剤の添付文書をご参照の上、
ご使用下さい。
付録
32
付録目次
1. ドセタキセルによる副作用発現状況
*
(再審査申請時 の使用成績調査結果)………………34
…………………40
2. タキソテール 添付文書情報(抜粋)
3. 薬剤調製方法 …………………………………………47
4. タキソテールとタキソールの外観比較 ……………49
5. 固形がんに対する抗がん剤一覧 ……………………51
6. 体表面積換算表 ………………………………………55
7. RECISTガイドライン(抜粋)…………………………57
8. G-CSF適正使用ガイドライン(抜粋) ………………59
9. FN治療のアルゴリズム(抜粋)………………………60
10. CTCAE Ⅴer.3.0
(抜粋) ……………………………61
*2002年12月25日
33
付録1
ドセタキセル 副作用・感染症の発現状況一覧表(1)
**
使用成績調査
の累計
′
96.10∼′
02.10
調査施設数注1)
622
中枢・末梢神経系障害
220( 6.71)
平衡障害
1( 0.03)
嗄声
7( 0.21)
肩こり
1( 0.03)
調査症例数
3281
痙攣
2( 0.06)
副作用等の発現症例数注2)
3093
眩暈
1( 0.03)
20280
構語障害
1( 0.03)
94.27%
意識喪失
1( 0.03)
副作用等の発現件数
副作用等の発現症例率
副作用等の種類
皮膚・皮膚付属器障害
皮膚落屑
昏迷
1896(57.79)
− 意識混濁
− 2( 0.06)
意識障害
4( 0.12)
下肢知覚異常
1( 0.03)
結節性紅斑
2( 0.06)
紅斑性発疹
1( 0.03)
口周囲感覚異常
紅斑
8( 0.24)
失見当識
1( 0.03)
湿疹
11( 0.34)
− 神経痛
1( 0.03)
蕁麻疹
5( 0.15)
振戦
1( 0.03)
膨疹
2( 0.06)
舌尖部しびれ感
水疱
3( 0.09)
しびれ(感)
そう痒感
多形滲出性紅斑
脱毛(症)
22( 0.67)
1( 0.03)
1859(56.66)
四肢しびれ(感)
1( 0.03)
歩行障害
1( 0.03)
5( 0.15)
顔面神経麻痺
爪変形
5( 0.15)
めまい
発疹
顔面皮疹
4( 0.12)
立ちくらみ
1( 0.03)
15( 0.46)
1( 0.03)
54( 1.65)
ふらつき
(感)
4( 0.12)
1( 0.03)
末梢神経障害
5( 0.15)
攣縮
2( 0.06)
皮疹
21( 0.64)
薬疹
3( 0.09)
皮膚炎
3( 0.09)
肌荒れ
1( 0.03)
手足のしびれ(感)
爪疾患
爪の変化
1( 0.03)
178( 5.43)
自律神経系障害
麻痺性イレウス
1( 0.03)
1( 0.03)
− 視覚障害
9( 0.27)
色素沈着
7( 0.21)
眼裂
− 角化(症)
1( 0.03)
結膜炎
皮膚剥離
5( 0.15)
眼球結膜充血
− 1( 0.03)
毛包炎(毛嚢炎)
1( 0.03)
眼やに
1( 0.03)
爪囲炎(爪郭炎)
1( 0.03)
アレルギー性結膜炎
1( 0.03)
爪変色
8( 0.24)
羞明
− 爪(甲)剥離症
3( 0.09)
視力異常
− 筋・骨格系障害
1( 0.03)
33( 1.01)
視力障害
関節痛
18( 0.55)
霧視(感)
1( 0.03)
筋(肉)痛
16( 0.49)
流涙
3( 0.09)
筋痙直
1( 0.03)
眼球乾燥
− 光視(症)
1( 0.03)
**:再審査申請時(2002年12月25日)
注 1)
:調査施設数は診療科別に集計した。
注 2)
:同一症例、同一副作用は 1 例として集計した。
34
ドセタキセル 副作用・感染症の発現状況一覧表(2)
聴覚・前庭障害
消化管障害(つづき)
2185(66.60)
1( 0.03)
軟便
耳鳴
8( 0.24)
口唇炎
1( 0.03)
難聴
4( 0.12)
口内炎
114( 3.47)
聴覚障害
− 4( 0.12)
口腔粘膜疼痛
1( 0.03)
41( 1.25)
口内異常感
1( 0.03)
味覚異常
40( 1.22)
口内疼痛
2( 0.06)
嗅覚障害
1( 0.03)
口内のあれ
2( 0.06)
その他の特殊感覚障害
精神障害
15( 0.46)
傾眠
1( 0.03)
眠気
1( 0.03)
肛門痛
1( 0.03)
激しい情緒不安
1( 0.03)
しゃっくり
33( 1.01)
幻覚
1( 0.03)
十二指腸潰瘍
3( 0.09)
大脳機能障害
1( 0.03)
出血性胃潰瘍
2( 0.06)
神経過敏(症)
− 胃重感
2( 0.06)
5( 0.15)
口内乾燥
痔核
− 1( 0.03)
いらいら感
2( 0.06)
胃もたれ感
痴呆
1( 0.03)
胸やけ
4( 0.12)
不安
2( 0.06)
食道炎
2( 0.06)
不穏
1( 0.03)
食欲不振
不眠(症)
5( 0.15)
舌炎
抑うつ状態
1( 0.03)
舌荒れ
6( 0.18)
腸管穿孔
1( 0.03)
浮遊感
消化管障害
− 1908(58.15)
7( 0.21)
2185(66.60)
吐血
2( 0.06)
アフタ性口内炎
1( 0.03)
腹痛
29( 0.88)
胃炎
5( 0.15)
胃不快感
10( 0.30)
胃粘膜糜爛
1( 0.03)
胃痛
14( 0.43)
糜爛性胃炎
1( 0.03)
下腹部痛
1( 0.03)
胃潰瘍
8( 0.24)
腹部灼熱感
1( 0.03)
− 腹部不快感
4( 0.12)
5( 0.15)
心窩部痛(心窩部の疼痛)
5( 0.15)
イレウス
8( 0.24)
便秘
嚥下障害
2( 0.06)
腹部膨満感
8( 0.24)
嚥下痛
1( 0.03)
下血
5( 0.15)
嘔気
7( 0.21)
血便
1( 0.03)
黒色便
3( 0.09)
胃腸出血
消化管出血
悪心・嘔吐
− 悪心
1592(48.52)
潜血反応陽性
嘔吐
1587(48.37)
便潜血陽性
52( 1.58)
− 1( 0.03)
口角炎
2( 0.06)
肛門周囲炎
口腔内潰瘍形成
1( 0.03)
歯痛
1( 0.03)
口腔内糜爛
1( 0.03)
舌苔
8( 0.24)
偽膜性大腸炎
1( 0.03)
下痢
35
13( 0.40)
耳痛
263( 8.02)
− ドセタキセル 副作用・感染症の発現状況一覧表(3)
消化管障害(つづき)
腸管麻痺
排便回数増加
歯肉痛
2185(66.60)
− 1( 0.03)
− 代謝・栄養障害(つづき)
低蛋白血症
412(12.56)
40( 1.22)
電解質異常
1( 0.03)
尿糖
6( 0.18)
アミラーゼ上昇
1( 0.03)
アルブミン
歯肉(齦)炎
2( 0.06)
低アルブミン血症
腸炎
6( 0.18)
高アンモニア血症
1( 0.03)
粘膜炎
4( 0.12)
酵素異常
1( 0.03)
1( 0.03)
内分泌障害
3( 0.09)
572(17.43)
耳下腺炎
1( 0.03)
口腔苔癬様変化
肝臓・胆管系障害
黄疸
1( 0.03)
薬物性肝炎
1( 0.03)
肝機能異常
15( 0.46)
肝不全
1( 0.03)
ADH分泌不適合症候群
心・血管障害(一般)
心電図異常
高血圧
− 33( 1.01)
2( 0.06)
22( 0.67)
− 10( 0.30)
GOT上昇
459(13.99)
血圧上昇
GPT上昇
472(14.39)
ショック症状
1( 0.03)
1( 0.03)
ショック
(状態)
3( 0.09)
28( 0.85)
ショック様症状
1( 0.03)
1( 0.03)
心不全
2( 0.06)
γ-GTP上昇
39( 1.19)
低血圧
8( 0.24)
代謝・栄養障害
412(12.56)
胆嚢炎
ビリルビン値上昇
ウロビリノーゲン陽性
Al
P上昇
AG比異常
LDH上昇
254( 7.74)
− 94( 2.86)
血圧低下
心筋・心内膜・心膜・弁膜障害
− − 7( 0.21)
狭心症
1( 0.03)
心筋梗塞
1( 0.03)
心膜滲出液
5( 0.15)
口渇
4( 0.12)
CPK
− 左室駆出率低下
1( 0.03)
1( 0.03)
心拍数・心リズム障害
15( 0.46)
CPK上昇
カリウム
− 上室性頻脈
1( 0.03)
高カリウム血症
39( 1.19)
徐脈
− 低カリウム血症
25( 0.76)
動悸
7( 0.21)
1( 0.03)
− 心室細動
高カルシウム血症
2( 0.06)
心房細動
1( 0.03)
低カルシウム血症
10( 0.30)
発作性心房細動
1( 0.03)
頻脈
4( 0.12)
不整脈
1( 0.03)
カルシウム
高血糖
ナトリウム
2( 0.06)
− 高ナトリウム血症
1( 0.03)
低ナトリウム血症
38( 1.16)
脱水(症)
クロール
4( 0.12)
− 低クロール血症
24( 0.73)
高クロール血症
3( 0.09)
総蛋白
− 36
ドセタキセル 副作用・感染症の発現状況一覧表(4)
血管(心臓外)障害
赤血球障害
1( 0.03)
貧血
血管炎
2( 0.06)
赤血球減少
静脈炎
18( 0.55)
静脈瘤
1( 0.03)
顔面発赤
7( 0.21)
網赤血球減少
全身発赤
4( 0.12)
白血球・網内系障害
発赤
動脈硬化(症)
血管痛
呼吸器系障害
30( 0.91)
ヘマトクリット値減少
ヘモグロビン減少
好塩基球
1( 0.03)
好中球減少
2( 0.06)
好酸球
121( 3.69)
好酸球増多(症)
咽頭炎
9( 0.27)
単球
咽頭異和感
2( 0.06)
単球増多(症)
咽頭痛
1536(46.81)
6( 0.18)
107( 3.26)
12( 0.37)
1525(46.48)
1( 0.03)
2678(81.62)
− 2423(73.85)
− 4( 0.12)
− 1( 0.03)
20( 0.61)
白血球減少(症)
2634(80.28)
咽頭不快感
3( 0.09)
白血球増多(症)
4( 0.12)
痰
3( 0.09)
好中球増多(症)
1( 0.03)
喀血
2( 0.06)
リンパ球
血痰
2( 0.06)
リンパ球減少
気管支痙攣
喘息発作
胸膜炎
胸水
喉頭炎
− 1( 0.03)
1( 0.03)
22( 0.67)
− 呼吸困難
22( 0.67)
呼吸不全
1( 0.03)
咳
10( 0.30)
異型リンパ球
血小板・出血凝血障害
血小板増加
血小板減少(症)
− 2( 0.06)
1( 0.03)
707(21.55)
2( 0.06)
703(21.43)
血栓性静脈炎
1( 0.03)
下肢静脈血栓
1( 0.03)
出血
− 出血傾向
2( 0.06)
出血症状
1( 0.03)
咳嗽
− 喘鳴
1( 0.03)
皮下出血斑
1( 0.03)
低酸素(症)
2( 0.06)
播種性血管内凝固症候群
8( 0.24)
肺線維症
1( 0.03)
肺水腫
1( 0.03)
鼻汁
2( 0.06)
鼻閉
鼻出血
1( 0.03)
12( 0.37)
気管支瘻
1( 0.03)
肺機能障害
1( 0.03)
咽頭浮腫
2( 0.06)
肺浸潤
間質性肺炎
成人呼吸窮迫症候群
37
64( 1.95)
アレルギー性血管炎
− 20( 0.61)
1( 0.03)
過呼吸
− 肺臓炎
3( 0.09)
ドセタキセル 副作用・感染症の発現状況一覧表(5)
泌尿器系障害
血中クレアチニン上昇
142( 4.33)
一般的全身障害
56( 1.71)
腫瘍浸出液
1817(55.38)
− 急性腎不全
1( 0.03)
腫瘍からの出血
クレアチニンクリアランス低下
8( 0.24)
アナフィラキシー・ショック
3( 0.09)
血尿
2( 0.06)
アナフィラキシー様反応
2( 0.06)
顕微鏡的血尿
− 出血性膀胱炎
2( 0.06)
腎機能異常
腎不全
尿量増加
14( 0.43)
− 1( 0.03)
− アナフィラキシー
2( 0.06)
アナフィラキシー反応
1( 0.03)
アレルギー反応
50( 1.52)
過敏症
3( 0.09)
悪寒
1( 0.03)
顔面浮腫
5( 0.15)
蛋白尿
18( 0.55)
尿異常
3( 0.09)
胸痛
5( 0.15)
排尿痛
2( 0.06)
胸内苦悶感
3( 0.09)
排尿障害
3( 0.09)
胸部異常感
1( 0.03)
BUN上昇
80( 2.44)
胸部絞扼感
1( 0.03)
6( 0.18)
胸部灼熱痛
1( 0.03)
− 胸部不快感
3( 0.09)
膀胱炎
乏尿
尿量減少
3( 0.09)
胸苦しさ
血中クレアチニン低下
1( 0.03)
頭痛
40( 1.22)
頭重(感)
16( 0.49)
排尿頻回
頻尿
− 2( 0.06)
2( 0.06)
全身浮腫
1( 0.03)
8( 0.24)
体重減少
2( 0.06)
陰門糜爛
1( 0.03)
体重増加
3( 0.09)
不正(子宮)出血
1( 0.03)
頭皮圧痛
1( 0.03)
子宮出血
1( 0.03)
全身痛
乳房痛
1( 0.03)
疼痛
9( 0.27)
陰門そう痒感
1( 0.03)
下肢痛
4( 0.12)
性器出血
2( 0.06)
四肢疼痛
1( 0.03)
卵管炎
1( 0.03)
大腿痛
2( 0.06)
1( 0.03)
ヒリヒリ感
2( 0.06)
1( 0.03)
背(部)痛
4( 0.12)
腰痛
9( 0.27)
頸部痛
2( 0.06)
女性生殖(器)障害
新生物(腫瘍)
白血病
− 冷汗
2( 0.06)
発熱
216( 6.58)
全身倦怠(感)
1629(49.65)
腹水
3( 0.09)
浮腫
201( 6.13)
ほてり
39( 1.19)
末梢性浮腫
4( 0.12)
下肢浮腫
2( 0.06)
手指腫脹感
2( 0.06)
38
ドセタキセル 副作用・感染症の発現状況一覧表(6)
一般的全身障害(つづき) 1817(55.38)
下肢脱力感
− 筋力低下
2( 0.06)
脱力(感)
2( 0.06)
多臓器不全
CRP上昇
2( 0.06)
48( 1.46)
手足症候群
3( 0.09)
腫脹
3( 0.09)
状態悪化
5( 0.15)
アレルギー
インフルエンザ様症候群
熱感
適用部位障害
− 3( 0.09)
− 10( 0.30)
注射部静脈炎
2( 0.06)
注射部腫脹
1( 0.03)
注射部反応
1( 0.03)
注射部硬結
1( 0.03)
注射部発赤
4( 0.12)
投与部位反応
抵抗機構障害
ヘルペスウイルス感染症
感染
1( 0.03)
268( 8.17)
1( 0.03)
200( 6.10)
感染悪化
1( 0.03)
気管支炎
5( 0.15)
下気道感染症
1( 0.03)
結核
1( 0.03)
上気道感染
6( 0.18)
肺真菌症
1( 0.03)
帯状疱疹
3( 0.09)
尿路感染
肺炎
39
1( 0.03)
筋力低下・脱力
5( 0.15)
32( 0.98)
気管支肺炎
1( 0.03)
敗血症
4( 0.12)
敗血症性ショック
2( 0.06)
カンジダ症
4( 0.12)
膿瘍
1( 0.03)
かぜ症候群
8( 0.24)
日本標準商品分類番号
87424
付録2
承認番号 20800AMY10113
1997年6月
1997年6月
1994年11月
2005年8月
貯 法:遮光して室温保存(【取扱い上の注意】の項参照) 薬価収載
使用期限:外箱及びラベルに表示
販売開始
毒薬、指定医薬品、処方せん医薬品:
国際誕生
注意−医師等の処方せんにより使用すること
効能追加
●薬価基準収載
注
水和物注射剤
【警 告】
本剤の用量規制因子(Dose Limiting Factor,DLF )は好中球減少
であり、本剤の使用により重篤な骨髄抑制(主に好中球減少)、重症
感染症等の重篤な副作用及び本剤との因果関係が否定できない死
亡例が認められている。したがって、本剤を含むがん化学療法は、緊
急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知
識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例に
ついてのみ実施すること。また、下記の患者には投与しないなど適応
患者の選択を慎重に行うこと。
(1)重篤な骨髄抑制のある患者
(2)感染症を合併している患者
(3)発熱を有し感染症の疑われる患者
治療の開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十
分説明し、同意を得てから投与すること。
本剤の使用にあたっては添付文書を熟読のこと。
【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
1.
重篤な骨髄抑制のある患者[重症感染症等を併発し、致命的とな
ることがある。]
2.
感染症を合併している患者[感染症が増悪し、致命的となることが
ある。]
3.
発熱を有し感染症の疑われる患者[感染症が増悪し、致命的とな
ることがある。]
4.
本剤又はポリソルベート80含有製剤 注)に対し重篤な過敏症の既
往歴のある患者[本剤はポリソルベート80を含有する。]
5.
妊婦又は妊娠している可能性のある患者[「6.
妊婦、産婦、授乳
婦等への投与」の項参照]
注)主なポリソルベート80含有製剤についてはインタビューフォームをご参照ください。
【組成・性状】
1.組成
タキソテール注バイアル※1
成 分
有効成分
ドセタキセル水和物
添加物
ポリソルベート80
(ドセタキセルとして)
1バイアル中の分量
2mL 0.5mL
85.35mg
21.34mg
(80mg)
(20mg)
適量 適量
40
※1
添付溶解液(13%エタノール溶液)
1バイアル中の分量
6mL 1.5mL
764.4mg 191.1mg
成 分
添加物
95%エタノール
※1:本剤は調製時の損失を考慮に入れ、過量充 されている。
2.
性状
pH
タキソテール注
バイアル
添付溶解液
※2
浸透圧比※3
(生理食塩液に対する比)
3.0∼4.0
約1
―
―
外観
黄色∼黄褐色澄明の
粘稠性の液
無色澄明の液
※2:本品の10w/w%水溶液について測定したとき
※3:添付溶解液で溶解後、生理食塩液250又は500mLに混和したとき
【効能又は効果】 【用法及び用量】
効能又は効果
用法及び用量
乳癌
非小細胞肺癌
胃癌
頭頸部癌
(体表面積)
を
通常、成人に1日1回、
ドセタキセルとして60mg/m2
1時間以上かけて3∼4週間間隔で点滴静注する。なお、症状により
適宜増減すること。ただし、
1回最高用量は70mg/m2とする。
通常、成人に1日1回、
ドセタキセルとして70mg/m2
(体表面積)
を
卵巣癌
食道癌
1時間以上かけて3∼4週間間隔で点滴静注する。なお、症状により
子宮体癌
適宜減ずること。
本剤の投与時には、原則として、添付溶解液全量に溶解して10mg/mLの濃度とした後、
必要量を注射筒で抜き取り、直ちに250又は500mLの生理食塩液又は5%ブドウ糖液に
混和し、
1時間以上かけて点滴静注する。
〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉
子宮体癌での本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立されていない。
〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉
(1)本剤の投与にあたっては、特に本剤の用量規制因子である好中球数の変動に十分
留意し、投与当日の好中球数が2,000/mm3未満であれば、投与を延期すること。
(2)
70mg/m2
(体表面積)の用量では、
60mg/m2投与時に比べ骨髄抑制が強くあら
われるので注意すること。
[「4.
副作用」の項 臨床検査値異常参照]
(注射液の調製法※4)
本剤は調製時の損失を考慮に入れ、表に示すように過量充 されているので、必ず下記
調製法①に従い注射液の調製を行うこと。ただし、添付溶解液にはエタノールが含まれて
いるので、
アルコールに過敏な患者に投与する場合は、調製法②の方法によること。
実充 量
バイアル
80mg製剤 20mg製剤
タキソテール注(ドセタキセルとして)
2.36mL(94.4mg)
0.61mL(24.4mg)
添付溶解液(95%エタノール)
41
7.33mL(933.8mg)
1.98mL(252.3mg)
調製法①
(1)
タキソテール注バイアルに、添付溶解液全量(80mgバイアル;約7mL、
20mgバイア
ル;約1.8mL)
を加えて澄明で均一になるまでゆっくりと泡立てないように転倒混和す
る
(約45秒間)。溶液が均一であることを確認後、
ある程度泡が消えるまで数分間放
置する。この溶液(プレミックス液)は1mL中に10mgのドセタキセルを含有する。
プレミックス液から必要量を注射筒で抜き取り、生理食塩液又は5%ブドウ糖液に混和する。
(2)
調製法②
(1)
タキソテール注の80mgバイアルには7mL、
20mgバイアルには1.8mLの生理食塩
液又は5%ブドウ糖液を加え、液が澄明で均一になるまで激しく振り混ぜる。ある程度
泡が消えるまでバイアルを倒立させて放置(約10分間)
し、溶液が均一であることを確
認する。均一でない場合は均一になるまで混和を繰り返す。この溶液(プレミックス液)
は1mL中に10mgのドセタキセルを含有する。
(2)
プレミックス液から必要量を注射筒で抜き取り、生理食塩液又は5%ブドウ糖液に混和する。
※4:詳しい調製法については、47、48頁の調製方法をご参照ください。
【使用上の注意】
1.
慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1)骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増悪し、重症感染症等を併発するおそれがある。]
(2)間質性肺炎又は肺線維症のある患者[症状を増悪させるおそれがある。]
(3)肝障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。
「10.
その他の注意」の項(2)及び【薬物動態】の項参照]
(4)腎障害のある患者[腎障害を増悪させるおそれがある。]
(5)浮腫のある患者[浮腫を増悪させるおそれがある。]
(6)妊娠する可能性のある患者[「2.
重要な基本的注意」の項(4)参照]
2.
重要な基本的注意
(1)重篤な骨髄抑制が高頻度に起こるので、下記の点に留意すること。
1)投与後は頻回に臨床検査(血液検査等)
を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が
認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
2)特に感染症の発現に十分注意し、好中球減少、CRP上昇、発熱等の有無を確認する。発
症又は増悪した場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
(2)
脳転移病巣に対する効果は確立されていないので、脳転移病巣に対しては他の治療法を
考慮すること。
(3)心・循環器系に対する観察を十分に行うこと。
(ときに心不全、血圧低下、不整脈、動悸等
があらわれることがある。)
(4)
動物実験(ラット)では、胚・胎児毒性(胚吸収・胎児死亡、発育遅延等)が認められ、催奇
形性を示唆する所見も認められているので、以下の点に留意すること。
1)投与開始にあたっては、妊娠していないことを確認すること。
2)妊娠する可能性のある患者に対しては投与しないことを原則とする。やむを得ず投与する場
合には、本剤が妊娠の維持、胎児の発育等に障害を与える可能性があることを十分に説明
し、避妊を徹底するよう指導すること。
3)本剤投与中に妊娠が確認された場合又は疑われた場合には直ちに投与を中止すること。
(5)
動物実験(マウス、
ラット、
イヌ)において精巣毒性が認められているので、生殖可能な年齢
の患者に投与する必要がある場合には性腺に対する影響を考慮すること。
3.
相互作用
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
他の抗悪性腫瘍剤
* 放射線照射
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
骨髄抑制等の副作用が増強する 共に骨髄抑制作用を有する。
ことがあるので、併用療法を行う場
合には、患者の状態を観察し、減量
するか又は投与間隔を延長すること。
放射線療法を併用している患者で
放射線肺臓炎があらわれることが
ある。併用療法を行う場合には、患
者の状態を観察し、肺陰影等が認
められた場合には、本剤の投与及
び放射線照射を中止するなど適切
な処置を行うこと。
機序不明
骨髄抑制等の副作用が増強する 共に骨髄抑制作用を有する。
ことがあるので、併用療法を行う場
合には、患者の状態を観察し、減量
するか又は投与間隔を延長すること。
アゾール系抗真菌剤
副作用が強くあらわれることが考え これらの薬剤がP450‐CYP3A4を阻害又は
ミコナゾール等
ドセタキセルとの競合により、
ドセタキセルの
られる。
エリスロマイシン、クラリスロマイ
代謝が阻害され、その結果としてドセタキセル
シン、シクロスポリン、ミダゾラム
の血中濃度が上昇することが考えられる。
4.
副作用
副作用発現状況の概要(承認時及び効能追加時)
単独投与による臨床試験において、治療関連死の疑われた症例が全投与症例1,029例中
14例(1.4%)に認められた。これらはいずれも、本剤の投与によって白血球減少、好中球減
少を認め、
うち感染症が誘発され肺炎又は敗血症が死因となったものが8例、敗血症ショック
と肝不全により死亡したものが1例、感染症と糖尿病の増悪により死亡したものが1例、感染
症後にDICから多臓器不全に移行し死亡したものが1例、腎不全によるもの、DICの疑いが
あり多臓器不全によるもの又は間質性肺炎が疑われたものが各1例であった。
副作用 副作用は、前・後期第Ⅱ相臨床試験における安全性評価症例947例で検討され
た。なお、副作用の内容及び頻度について、
60mg/m2と70mg/m2の用量による大きな差
異は認められなかった。
42
主たる副作用発現率
評価基準
固形がん判定基準※5
用量
60mg/m2※7
70mg/m2※8
副作用
全体
脱毛
77.5%
食欲不振
全身A怠感
悪心
嘔吐
発熱
下痢
Grade
3-4
16.7%
(585)
(126)
59.9%
10.9%
(452)
(82)
53.8%
8.7%
71.8%
Grade
3-4
23.6%
(79)
(26)
(77)
−
50.9%
9.1%
72.0%
18.3%
全体
(56)
(10)
(59)
53.6%
10.0%
81.7%
(406)
(66)
(59)
(11)
47.8%
6.9%
48.2%
9.1%
(52)
(53)
(361)
(10)
0.9%
45.5%
0.0%
(347)
(7)
(50)
(0)
22.8%
2.9%
20.9%
0.0%
46.0%
NCI-CTC※6
70mg/m2※9
Grade
全体
3-4
93.9%
※1
0
(67)
51.2%
(42)
25.6%
(15)
11.0%
(9)
4.9%
(4)
3.7%
(21)
(3)
28.0%
0.0%
(23)
(0)
48.8%
7.3%
(22)
(0)
(40)
(172)
(23)
(6)
※5:「固形がん化学療法効果増強の判定基準」の「副作用の記載様式」による
※6:「National Cancer Institute Common Toxicity Criteria(NCI‐CTC)version 2」による
※7:755例 ※8:卵巣癌110例 ※9:82例(食道癌49例+子宮体癌33例) ※10:NCI‐CTCではGrade3‐4の評価基準がない
臨床検査値異常 前・後期第Ⅱ相臨床試験において、次の様な臨床検査値異常が
60mg/m2投与時に比べ骨髄抑制がさらに強くあら
認められた。
70mg/m2の用量では、
われ、好中球減少、ヘモグロビン減少等の発現率が高かった。
主たる臨床検査値異常発現率
検査項目 60mg/m2 全体
97.2%(733/754)
白血球減少
2,000/mm3未満
65.3%(492/754)
1,000/mm3未満
14.7%(111/754)
全体
95.2%(711/747)
好中球減少
1,000/mm3未満
84.6%(632/747)
500/mm3未満
60.6%(453/747)
全体
50.9%(384/754)
ヘモグロビン
減少
8.0g/dL未満
7.7%(58/754)
全体
11.7%(88/753)
血小板減少
3
50×10 /μL未満
3.2%(24/753)
全体
20.1%(151/752)
AST(GOT)
上昇
501U以上
0.4%(3/752)
全体
20.2%(152/753)
ALT(GPT)
上昇
501U以上
0.3%(2/753)
全体
4.1%(31/754)
BUN上昇
61mg/dL以上
0.7%(5/754)
70mg/m2
97.9%(188/192)
81.8%(157/192)
27.1%(52/192)
98.4%(187/190)
90.0%(171/190)
73.7%(140/190)
78.1%(150/192)
16.7%(32/192)
13.0%(25/192)
1.6%(3/192)
31.8%(61/192)
0.0%(0/192)
26.6%(51/192)
0.0%(0/192)
10.4%(20/192)
0.5%(1/192)
好中球数の推移(中央値)
60mg/m2
好中球数の
Nadir※11
527.5/mm3
70mg/m2
412.0/mm3
用量
Nadirまでの期間
Nadirから2,000/mm3以上に
回復するまでの期間
9日
8日※12
8日
6日※13
※11:コース内最低値
※12:全1544コース中587コース
(38.0%)
でG‐CSFを使用
※13:全439コース中281コース
(64.0%)
でG‐CSFを使用
43
(1)重大な副作用
1)骨髄抑制(頻度上記)…汎血球減少、白血球減少、好中球減少(発熱性好中球
減少を含む)、ヘモグロビン減少、血小板減少等があらわれるので、血液検査を十
分に行い、異常が認められた場合には、投与間隔の延長、減量、休薬等の適切な
処置を行うこと。また、本剤の投与にあたってはG‐CSF製剤の適切な使用に関して
も考慮すること。
2)ショック症状(0.1%)
・アナフィラキシー様反応(0.3%)…呼吸困難、気管支痙攣、
血圧低下、胸部圧迫感、発疹等のショック症状・アナフィラキシー様反応があらわれ
ることがあるので、十分に観察を行い、関連する徴候が認められた場合には、投与を
中止するなど適切な処置を行うこと。
3)黄疸、肝不全、肝機能障害(頻度不明注))…黄疸、
肝不全、
AST(GOT)
・ALT(GPT)
・
Al‐Pの著しい上昇等の重篤な肝障害があらわれることがあるので、肝機能検査の値
に注意して観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切
な処置を行うこと。
4)急性腎不全(頻度不明注))…急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあ
るので、腎機能検査の値に注意して観察を十分に行い、異常が認められた場合に
は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
*5)間質性肺炎(0.2%)、肺線維症(頻度不明注))…間質性肺炎、肺線維症があらわ
れることがある。
[「10.その他の注意」の項(4)参照]
また、放射線療法を併用して
いる患者で同様の臨床症状(放射線肺臓炎)があらわれることがある。
[「3.相互
作用」の項参照] 観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止する
など適切な処置を行うこと。
6)心不全(0.2%)…心不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が
認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
7)播種性血管内凝固症候群(DIC)
(0.1%)…播種性血管内凝固症候群(DIC)が
あらわれることがあるので、血小板数、血清FDP値、血漿フィブリノーゲン濃度等の
血液検査を適宜行うこと。症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を
行うこと。
8)腸管穿孔(0.1%)、胃腸出血(0.4%)、虚血性大腸炎(頻度不明注))、大腸炎(0.1%)…
腸管穿孔、胃腸出血、虚血性大腸炎、大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、吐
血、下血、下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行
うこと。
9)イレウス(頻度不明注))…イレウスがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、
異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
10)急性呼吸促迫症候群(頻度不明注))…急性呼吸促迫症候群があらわれることがあ
るので、呼吸障害等がみられた場合には観察を十分に行い、投与を中止するなど適
切な処置を行うこと。
11)急性膵炎(頻度不明注))…急性膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、
血清アミラーゼ値等に異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を
行うこと。
12)皮膚粘膜眼症候群(Stevens‐Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症
候群)、多形紅斑(頻度不明注))…皮膚粘膜眼症候群(Stevens‐Johnson症候群)、
中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、多形紅斑等の水疱性・滲出性皮疹があらわれ
ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止する
など適切な処置を行うこと。
13)心タンポナーデ、肺水腫(頻度不明注))、浮腫・体液貯留(0.7%)…心タンポナー
デ、肺水腫、緊急ドレナージを要する胸水、腹水等の重篤な浮腫・体液貯留が報告
されている。
[「10.
その他の注意」の項(1)参照]
14)心筋梗塞、静脈血栓塞栓症(頻度不明注))…心筋梗塞、静脈血栓塞栓症が報告
されている。
15)感染症(1.4%)…敗血症、肺炎等の感染症が報告されている。
16)抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
(頻度不明注))…抗利尿ホルモン
不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、低浸透圧血症を伴う低
ナトリウム血症、尿中ナトリウム排泄の持続、意識障害等の症状があらわれた場合
には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
17)
その他、重篤な口内炎等の粘膜炎、血管炎、末A神経障害、四肢の脱力感等の末
A性運動障害、Radiation Recall現象が報告されている。
注)自発報告において認められている副作用のため頻度不明。
44
(2)その他の副作用
以下のような副作用が認められた場合には、減量・休薬・中止など適切な処置を行うこと。
消化器
過敏症
* 皮膚
精神・
神経系
神経・
筋症状
肝臓
腎臓
循環器
呼吸器
その他
50%以上 5∼50%未満 5%未満 頻度不明注)
食欲 悪心・嘔吐、下痢、腹痛、腹部膨満感、 胃・十二指腸潰瘍、
不振 口内炎、便潜血 便秘、舌炎、口内乾燥等 食道炎、
しゃっくり
アレルギー、発赤 C痒感、潮紅等
脱毛 皮疹
色素沈着、爪疾患(爪 皮膚剥離、
手足症
剥離、変形、変色、爪 候群、皮膚エリテ
下出血、爪下血腫、マトーデス
爪下膿瘍等)等
頭痛、意識喪失、見当 傾 眠 、視 覚 障 害
しびれ感
識障害、めまい、昏迷、
( 閃 光、光のちら
難聴、耳鳴、味覚異常、つき、暗点)
羞明、視力異常、不眠等
筋肉痛、関節痛、筋力低下、
脱力感、背部痛、痙攣等
総ビリルビン上昇
AST(GOT)
・
ALT(GPT)
・
γ‐GTP・Al‐P・
LDH上昇
蛋白尿、K・Na・ クレアチニン上昇、尿糖、
Cl・Caの異常、 血尿、乏尿、頻尿等
BUN上昇
血圧低下、血圧上昇、
不整脈、動悸、頻脈等
呼吸困難、咽頭炎、咳嗽等 血痰
全身
発熱、浮腫、総蛋白・ 静脈炎、疼痛、胸痛、涙道閉塞、脱水
A怠感 アルブミン・A/G比・ 全身痛、熱 感、腰 痛、
鼻出血、ほてり、流涙等
CK(CPK)異常
承認時及び効能追加時安全性解析対象例947例。
注)自発報告において認められている副作用のため頻度不明。
5.
高齢者への投与
副作用の発現に注意し、投与間隔及び投与量に留意すること。副作用があらわれた場合には、
休薬、投与間隔の延長等の適切な処置を行うこと。
[一般に高齢者では生理機能が低下している。]
6.
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(1)妊婦又は妊娠している可能性のある患者には投与しないこと。
[動物実験(ラット)で胚・胎児
致死作用、胎児及び出生児の発育・発達遅延、催奇形性を示唆する所見が認められている。]
(2)授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。
[動物実験(ラット)で乳汁中
への移行が報告されている。]
7.
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
[使
用経験がない。]
8.
過量投与
本剤の過量投与時の解毒剤は知られていない。過量投与時に予期される主な合併
症は、骨髄抑制、末A 性神経毒性及び粘膜炎である。過量投与が行われた場合に
は、患者を特別な設備下で管理し、バイタルサイン等を十分に監視すること。
9.
適用上の注意
(1)調製時
1)
溶解液に溶解後は速やかに輸液(生理食塩液又は5%ブドウ糖液)に混和すること。
輸液と混和した後は速やかに使用すること。
2)
他剤との混注を行わないこと。
3)本剤が皮膚に付着した場合には、直ちに石鹸及び多量の流水で洗い流すこと。ま
た、粘膜に付着した場合には、直ちに多量の流水で洗い流すこと。
(2)
投与時
1)
必ず点滴静脈内投与とし、皮下、筋肉内には投与しないこと。
2)
静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に硬結・壊死をおこすこと
があるので薬液が血管外に漏れないように投与すること。
45
10.
その他の注意
(1)外国における浮腫の発現とプレメディケーション:
率
本剤の1回投与量を通常100 mg/m2としている欧米においては、浮腫の発現 及び重篤度が高く、
これをおさ えるため、
コルチコステロイド経口剤による前投与(プ
レメディケーション)が行われて いる。前投与としては、
デキサメタゾン(16mg/日、 8
mg1日2回)等のコルチコステ ロイドを、本剤の投与前日から3日間、単独経口投
2
与することが望ましいとされている。 本剤100mg/m を3週間間隔で点滴静脈内
投与したところ、上記プレメディケーションを受けた患者では累積投与量(中央値)
い患者では489.7mg/m2以上投与したときに 浮
として818.9mg/m2以上、受けな 腫の発現率が高くなるとの報告 がある。なお、本剤の投与を中止すると、浮腫は徐々
に軽快する。浮腫は下肢から 発現し、
3kg以上の体重増加を伴う全身性のも のに
なる場合がある。急性の乏尿 や低血圧を伴わないが、
まれに脱水症を伴う。
(2)外国での肝機能異常患者への投与:
外国において、本剤100mg/m2を3週間間隔で点滴静脈内投与したところ、血中
アルカリホスファターゼ高値(正常域上限の2.5倍以上)
を伴うトランスアミナーゼ
高値(正常域上限の1.5倍以上)患者、又は血中ビリルビン高値(正常域上限以上)
患者に本剤を投与した場合、重篤な副作用の発現や副作用の増強・増悪が認め
られている。報告された副作用は、Grade4の好中球減少、発熱性好中球減少、感
染症、重篤な血小板減少、重篤な口内炎、並びに皮膚剥離を伴う皮膚症状等であ
り、治療関連死の危険性が増加すると警告されている。
(3)変異原性試験のうち、
チャイニーズハムスターの卵巣由来培養細胞(CHO‐K1)
を
用いる染色体異常試験及びマウスを用いる小核試験において、
いずれも陽性の結
果が報告されている。
(4)国内での非小細胞肺癌に対する35mg/m2の週1回投与法(1日1回35mg/m2、
1
、
8、
15日目投与、
4週毎に繰り返し)による第Ⅱ相臨床試験において、間質性肺炎
が48例中6例に認められた。
(承認外用法・用量)
【承認条件】
乳癌に対する本剤の臨床的有用性を確認するため、市販後調査として、本剤単独投与
又は本剤と他の適当な類似薬との併用療法及び他の適当な併用療法とで比較臨床
試験を行ない、
その結果を報告すること。また、非小細胞肺癌に対する本剤の臨床的有
用性を確認するため、市販後調査として、本剤と他の適当な類似薬との併用療法及び
他の適当な併用療法とで比較臨床試験を行ない、
その結果を報告すること。
【包 装】
タキソテール注:80mg(2mL)×1バイアル(添付溶解液付)
20mg(0.5mL)
×1バイアル
( 添付溶解液付 )
*2006年5月改訂
46
付録3
70mg/m2 です。
本剤はドセタキセル 水和物注射剤で、最高用量は
調 製 法 ①
タキソテール注
添付溶解液を用いる場合
添付溶解液
1
添付溶解液にはエタノールが含まれておりますので
投与前には必ず問診を実施し、
アルコール過敏の有無を確認してください。
*解説にはタキソテール注 80mg 製剤(ラベル未貼付)を
使用しています。
タキソテール注バイアル及び
添付溶解液を用意します。
2
注射筒で、溶解液を全量抜き取り、主薬のバイアルに注入します。
*添付溶解液は必ず全量をご使用ください。
均一に
混和した
状態
3
4
直ちにタキソテール注バイアルを澄明で均一になるまで、
ゆっくりと泡立てない
数分間放置した後、液が均一に
ように転倒混和してください(約45秒間)。 混和していることを確認してください。
*強く振り混ぜると泡立ちますのでご注意ください。
*左図の注入法
が泡立ち防止に有効です
5
6
必要量を注射筒で抜き取ってください。
(溶液1mL中に10mgのドセタキセルを
含有します。)
輸液には250又は500mLの生理食塩液又は
5%ブドウ糖液を用い、混和調製してください。
調製後は速やかに使用してください。
9. 適用上 の 注意 ( 使用上の注意より抜粋 )
(1)調製時
1)溶解液に溶解後は速やかに輸
液(生理食塩液又は5%ブドウ
糖液)に混和すること。
輸 液と混 和した後は速やかに
使用すること。
2)他剤との混注を行わないこと。
3)本剤が皮膚に付着した場合には、
直ちに石 鹸 及 び多 量 の 流 水で洗
い流すこと。
また、粘膜に付着した場合には、直
ちに多量の流水で洗い流すこと。
(2)投与時
1 )必 ず 点 滴 静 脈 内 投 与とし、
皮 下 、筋 肉 内には投 与しない
こと。
2)静脈内投与に際し、薬液が血管
外に漏れると、注射部位に硬結・
壊死をおこすことがあるので薬
※このページに掲載されてい 47
調 製 法 ②
タキソテール注
添付溶解液を用いない場合
1
(生理食塩液又は5%ブドウ糖液を用いて溶解)
アルコールに過敏な患者さんに投与する場合には、
下記の方法により調製を行ってください。
タキソテール注
*解説にはタキソテール注 80mg 製剤(ラベル未貼付)を
使用しています。
80mg製剤
主 剤
2
(ドセタキセルとして)
添付溶解液
(95%エタノール)
バイアルを用意します。
20mg製剤
94.4mg/
2.36mL
24.4mg/
0.61mL
933.8mg/
7.33mL
252.3mg/
1.98mL
3
主薬の溶解に際しては、生理食塩液又は5%ブドウ糖液を
用います。なお、本剤は調製時の損失を考慮にいれ、上記
のような過量充 がなされていますので、溶解にあたっては、
その点にご留意ください。
バイアルを激しく振盪し、
*80mg製剤には7mL、20 mg製剤には1.8 mLの生理食塩液又は
十分に混和してください。
5%ブドウ糖液をご使用ください。
均一に
混和した
状態
10分後
振盪直後
4
振盪後は、バイアル内に多量の泡が発生し、混和状態を確認できないため、バイアルを倒立させ、約10分間放置してく
ださい。なお、バイアルの転倒を防止する目的で、外箱底面の中央に、バイアルを差し込むミシン目を設けておりますので
ご利用ください。
*左図の注入法
が泡立ち防止に有効です
5
6
泡を含まない澄明な部分より、必要量を注射筒で
輸液には250又は500mLの生理食塩液又は
抜き取ってください。
5%ブドウ糖液を用い、混和調製してください。
(溶液1mL中に10mgのドセタキセルを含有します。)
調製後は速やかに使用してください。
薬剤調製時の注意点
液が血管外に漏れないように投与
すること。
本剤は強い細胞毒性を有するので、調製
を行われる方は、ケミカルハザードから身
を守るために、眼鏡、マスク、手袋等の着用
をお奨め致します。なお、本剤が皮膚や粘
膜に付着した場合には、ただちに石鹸や多
量の流水で洗い流してください。
るタキソテール注の外箱は、現在のものと異なる箇所があります。外箱の詳細については49ページをご参照ください。
48
付録4
49
50
付録5
主な抗がん剤一覧(1)
一般名
ア
化ル cyclophosphamide
剤キ ifosfamide
ル
cisplatin
プ
製ラ carboplatin
剤チ nedaplatin
ナ
剤 形
悪脱
心 嘔 吐毛
エンドキサン
塩野義
T/I
●●●
塩野義
I
●●●
ブリプラチン/ランダ
BM/日本化薬
I
●●●
パラプラチン
BM
I
●●●
アクプラ
塩野義
I
●●●
oxaliplatin
エルプラット
ヤクルト
I
methotrexate
メソトレキセート
ワイス-武田
I/T
●●●
isovorin
アイソボリン
ワイス-武田
I
●
leucovorin
ロイコボリン/ユーゼル ワイス/大鵬
dox
i
f
l
u
r
i
d
i
ne
T
●
キロサイド
日本新薬
I
●●
ジェムザール
リリー
I
●●
5-FU
協和発酵
I/T/DS
●●●
ユーエフティ
大鵬
C/G
●●
フルツロン
中外
C
●●
大鵬
C
●●
tegafur・gimeracil・oteracil ティーエスワン
capecitabine
ゼローダ
中外
T
●●●
doxorubicin
アドリアシン
協和発酵
I
●●●
ファルモルビシン
ファイザー-協和発酵
I
●●●
カルセド
大日本住友
I
●●●
マイトマイシン
協和発酵
I/T
●●●
オンコビン
日本化薬
I
●●●
フィルデシン
塩野義
I
●●●
ナベルビン
協和発酵
I
●●
タキソール
BM
I
●●●
タキソテール
サノフィ・アベンティス
I
●●●
I/C
●●●
抗抗
生が epirubicin
物ん amrubicin
質性
mitomycinC
vincristine
カビ
ロン
イカ vindesine
ドア
ル vinorelbine
タ
キ paclitaxel
サ docetaxel
ン
etoposide
ペプシド=BM/ラステッド=日本化薬
irinotecan
トポテシン/カンプト
第一/ヤクルト
I
●●●
nogitecan
ハイカムチン
日本化薬
I
●●●
略号の説明
会社名 BM:ブリストル
剤 形 C:カプセル、DS:ドライシロップ、G:末あるいは顆粒、I:注射、T:錠剤
副作用 IP:間質性肺炎(interstitial pneumonia)
適 応 肺がん S:小細胞肺がん N:非小細胞肺がん CMF:CMF療法として許可
大腸がん C:結腸がん その他
51
骨
髄
抑
制
イホマイド
cy
t
a
r
ab
i
ne
代
謝 gemc
i
t
ab
i
ne
拮
抗 f
l
uo
rou
r
ac
i
l
剤
t
ega
f
u
r
・uracil
そ
の
他
会社名
製品名
・
分
類
名
●:特に注意すべき副作用
●:注意すべき副作用
●:軽度の副作用
●:厚生労働省の認可済効能・効果
▲:他の抗がん剤との併用の場合で認可されているもの
副 作 用
口
内
炎
下
痢
便
秘
適 応(主な固形がん)
そ
の
他
頭
食
頸肺乳道胃
部がががが
がんんんん
ん
出血性膀胱炎 ● ▲ ●
出血性膀胱炎
●
大肝膵腎
腸ががが
がんんん
ん
膀
胱
が
ん
●●
腎障害等
●●
腎障害等
●●
精
巣
腫
瘍
卵
巣
が
ん
●
●●
●
子
宮
頚
が
ん
悪
子
宮骨性白
血
体肉リ
が腫ン
パ病
ん
腫
▲●●●
▲ C ▲▲
S
腎障害等
前
立
腺
が
ん
● 胚細胞腫
●
●
●●●●●
●
●●●
●
●●●
そ
の
他
腎孟、尿管
● 注3)
神経障害等
肝障害等
● CMF ▲ 注4)
●
● 絨毛性疾患
▲ 注6)
▲ ▲ 注4)
●●
▲ 注5)
胆汁うっ血等
▲▲
発熱・IP
N
▲▲▲▲
●●
白質脳症
●●●●●●●●
●●
白質脳症
●●●
●●
白質脳症
●
●●
● N 注1)
手足症候群
●●
心毒性
●
肺・腎障害
●
●
●
胆のう・胆管がん
●●●●
●
●
●
●
胆のう・胆管がん他
●
●
●●●●
●
●●
● 腎孟・尿管腫瘍
●
アレルギー等
N ●
●
●
乳がん
●
●
S
●
●●
●
●
● N ●●●
●●
●
● 小児がん
N ●
浮腫等
●
●●
●
●●●
静脈炎、IP等
アレルギー等
●●
●●
● 神経障害等
● 神経障害等
●● ●
●●●●
▲ 注2)
心毒性
IP等
● 胆のう・胆管がん
● 子宮
●
●
●
●
● 注7)
●●
● 胚細胞腫瘍他
有棘細胞がん
S
注1)非小細胞肺がんに対してはCDDPとの併用のみ認可
注2)手術不能または再発乳がんのみでの認可
注3)FOL FOX4法にて認可
注4)5-FUとの併用のみで認可
注5)UFTとの併用のみで認可
注6)尿路上皮がんにM-VAC療法として許可
注7)
カプセルのみ
(2005年10月現在)
52
付録5
主な抗がん剤一覧(2)
分
類
名
一般名
trastuzumab
分
子
標
的
治
療
薬
剤
形
I
中外
rituximab
リツキサン
全薬/中外
imatinib
グリベック
ノバルティス
C
gefitinib
イレッサ
アストラゼネカ
T
黄体ホルモン
アロマターゼ
阻害剤
LH-RH
アナログ
エストロゲン
I
tamoxifen
ノルバデックス
アストラゼネカ
T
toremifene
フェアストン
日本化薬
T
medoroxyprogesterone
ヒスロンH
ファイザー/協和発酵
T
fadrozole
アフェマ
ノバルティス
T
anastrozole
アリミデックス
アストラゼネカ
T
exemestan
アロマシン
ファイザー
T
goserelin
ゾラデックス
アストラゼネカ
T
leuprorelin
リュープリン
武田
I
fosfestrol
ホンバン
杏林
I/T
flutamide
オダイン
日本化薬
T
estramustine
エストラサイト
日本新薬
C
略号の説明
剤 形 C:カプセル、I:注射、T:錠剤
副作用 IP:間質性肺炎(interstitial pneumonia)
GIST:Gastro intestinal stromal tumor 消化管質腫瘍
53
会社名
ハーセプチン
抗エストロゲン
ホ
ル
モ
ン
療
法
剤
製品名
副 作 用
適 応
発熱、悪寒、倦怠感、注射部位障害、心不全
HER-2過剰発現が確認
された転移性乳がん
発熱、悪寒、骨髄抑制、注射部位障害、腫瘍崩壊症候群
CD20陽性のB細胞依存性
非ホジキンリンパ腫
骨髄抑制、嘔気、下痢、表在性浮腫
発疹、下痢、
かゆみ、皮膚乾燥、肝障害、IP
悪心・嘔吐、顔面紅潮、高Ca血症、骨髄抑制、無月経、
性器出血、視覚障害、肝障害
悪心・嘔吐、食欲不振、肝障害、発疹、
かゆみ
ムーンフェイス、体重増加、血栓症、過敏症状、視覚障害、耐糖能異常、
肝障害、浮腫
慢性骨髄性白血病
Kit(CD117)陽性GIST
手術不能または
再発非小細胞肺がん
乳がん
閉経後乳がん
乳がん
悪心・嘔吐、食欲不振、肝障害、発疹、
かゆみ
閉経後乳がん
ほてり、頭痛、嘔気、脱毛、性器出血、食欲不振、関節痛
閉経後乳がん
ほてり、嘔気、
めまい、倦怠感、頭痛、脱毛、性器出血、食欲不振
閉経後乳がん
骨疼痛、顔面紅潮、乳房腫脹・圧痛、性欲減退、
排尿困難、肝障害、発汗、発熱、浮腫
骨疼痛、顔面紅潮、肝障害、熱感、睾丸萎縮、歩行困難、尿閉、頻尿
閉経前乳がん 前立腺がん
閉経前乳がん 前立腺がん
女性化、浮腫、肝障害、熱感、顔面紅潮、睾丸萎縮、歩行困難、尿閉、頻尿
前立腺がん
骨痛、肝障害、女性化乳房、悪心・嘔吐、食欲不振等
前立腺がん
女性化、浮腫、貧血、骨髄抑制、肝障害、循環器障害、食欲不振
前立腺がん
(2005年10月現在)
54
付録6 体表面積換算表(成人)
体 重
30
32
34
36
38
40
42
44
46
単位m2
48
50
52
54
56
58
60
62
140 1.10 1.13 1.16 1.19 1.21 1.24 1.27 1.29 1.32 1.34 1.36 1.39 1.41 1.43 1.45 1.47 1.49
141 1.10 1.13 1.16 1.19 1.22 1.25 1.27 1.30 1.32 1.35 1.37 1.39 1.42 1.44 1.46 1.48 1.50
142 1.11 1.14 1.17 1.20 1.23 1.25 1.28 1.30 1.33 1.35 1.38 1.40 1.42 1.44 1.47 1.49 1.51
143 1.11 1.14 1.17 1.20 1.23 1.26 1.28 1.31 1.34 1.36 1.38 1.41 1.43 1.45 1.47 1.50 1.52
144 1.12 1.15 1.18 1.21 1.24 1.26 1.29 1.32 1.34 1.37 1.39 1.41 1.44 1.46 1.48 1.50 1.52
145 1.12 1.16 1.19 1.22 1.24 1.27 1.30 1.32 1.35 1.37 1.40 1.42 1.44 1.47 1.49 1.51 1.53
146 1.13 1.16 1.19 1.22 1.25 1.28 1.30 1.33 1.36 1.38 1.40 1.43 1.45 1.47 1.50 1.52 1.54
147 1.14 1.17 1.20 1.23 1.26 1.28 1.31 1.34 1.36 1.39 1.41 1.44 1.46 1.48 1.50 1.53 1.55
148 1.14 1.17 1.20 1.23 1.26 1.29 1.32 1.34 1.37 1.39 1.42 1.44 1.47 1.49 1.51 1.53 1.55
149 1.15 1.18 1.21 1.24 1.27 1.30 1.32 1.35 1.38 1.40 1.43 1.45 1.47 1.50 1.52 1.54 1.56
150 1.15 1.19 1.22 1.25 1.27 1.30 1.33 1.36 1.38 1.41 1.43 1.46 1.48 1.50 1.53 1.55 1.57
151 1.16 1.19 1.22 1.25 1.28 1.31 1.34 1.36 1.39 1.41 1.44 1.46 1.49 1.51 1.53 1.56 1.58
152 1.16 1.20 1.23 1.26 1.29 1.32 1.34 1.37 1.40 1.42 1.45 1.47 1.49 1.52 1.54 1.56 1.58
153 1.17 1.20 1.23 1.26 1.29 1.32 1.35 1.38 1.40 1.43 1.45 1.48 1.50 1.52 1.55 1.57 1.59
154 1.18 1.21 1.24 1.27 1.30 1.33 1.36 1.38 1.41 1.43 1.46 1.48 1.51 1.53 1.56 1.58 1.60
155 1.18 1.21 1.25 1.28 1.31 1.33 1.36 1.39 1.42 1.44 1.47 1.49 1.52 1.54 1.56 1.59 1.61
156 1.19 1.22 1.25 1.28 1.31 1.34 1.37 1.40 1.42 1.45 1.47 1.50 1.52 1.55 1.57 1.59 1.61
157 1.19 1.22 1.26 1.29 1.32 1.35 1.37 1.40 1.43 1.46 1.48 1.51 1.53 1.55 1.58 1.60 1.62
158 1.20 1.23 1.26 1.29 1.32 1.35 1.38 1.41 1.44 1.46 1.49 1.51 1.54 1.56 1.58 1.61 1.63
159 1.20 1.24 1.27 1.30 1.33 1.36 1.39 1.42 1.44 1.47 1.49 1.52 1.54 1.57 1.59 1.61 1.64
160 1.21 1.24 1.27 1.31 1.34 1.37 1.39 1.42 1.45 1.48 1.50 1.53 1.55 1.58 1.60 1.62 1.64
身 161 1.21 1.25 1.28 1.31 1.34 1.37 1.40 1.43 1.46 1.48 1.51 1.53 1.56 1.58 1.61 1.63 1.65
162 1.22 1.25 1.29 1.32 1.35 1.38 1.41 1.43 1.46 1.49 1.51 1.54 1.57 1.59 1.61 1.64 1.66
長 163 1.22 1.26 1.29 1.32 1.35 1.38 1.41 1.44 1.47 1.50 1.52 1.55 1.57 1.60 1.62 1.64 1.67
164 1.23 1.26 1.30 1.33 1.36 1.39 1.42 1.45 1.48 1.50 1.53 1.55 1.58 1.60 1.63 1.65 1.67
165 1.24 1.27 1.30 1.33 1.37 1.40 1.43 1.45 1.48 1.51 1.53 1.56 1.59 1.61 1.63 1.66 1.68
166 1.24 1.28 1.31 1.34 1.37 1.40 1.43 1.46 1.49 1.52 1.54 1.57 1.59 1.62 1.64 1.67 1.69
167 1.25 1.28 1.31 1.35 1.38 1.41 1.44 1.47 1.49 1.52 1.55 1.57 1.60 1.62 1.65 1.67 1.70
168 1.25 1.29 1.32 1.35 1.38 1.41 1.44 1.47 1.50 1.53 1.56 1.58 1.61 1.63 1.66 1.68 1.70
169 1.26 1.29 1.33 1.36 1.39 1.42 1.45 1.48 1.51 1.54 1.56 1.59 1.61 1.64 1.66 1.69 1.71
170 1.26 1.30 1.33 1.36 1.40 1.43 1.46 1.49 1.51 1.54 1.57 1.59 1.62 1.65 1.67 1.69 1.72
171 1.27 1.30 1.34 1.37 1.40 1.43 1.46 1.49 1.52 1.55 1.58 1.60 1.63 1.65 1.68 1.70 1.73
172 1.27 1.31 1.34 1.38 1.41 1.44 1.47 1.50 1.53 1.55 1.58 1.61 1.63 1.66 1.68 1.71 1.73
173 1.28 1.31 1.35 1.38 1.41 1.44 1.48 1.50 1.53 1.56 1.59 1.62 1.64 1.67 1.69 1.72 1.74
174 1.28 1.32 1.35 1.39 1.42 1.45 1.48 1.51 1.54 1.57 1.60 1.62 1.65 1.67 1.70 1.72 1.75
175 1.29 1.33 1.36 1.39 1.43 1.46 1.49 1.52 1.55 1.57 1.60 1.63 1.66 1.68 1.71 1.73 1.76
176 1.29 1.33 1.37 1.40 1.43 1.46 1.49 1.52 1.55 1.58 1.61 1.64 1.66 1.69 1.71 1.74 1.76
177 1.30 1.34 1.37 1.40 1.44 1.47 1.50 1.53 1.56 1.59 1.62 1.64 1.67 1.69 1.72 1.75 1.77
178 1.31 1.34 1.38 1.41 1.44 1.48 1.51 1.54 1.57 1.59 1.62 1.65 1.68 1.70 1.73 1.75 1.78
179 1.31 1.35 1.38 1.42 1.45 1.48 1.51 1.54 1.57 1.60 1.63 1.66 1.68 1.71 1.73 1.76 1.78
180 1.32 1.35 1.39 1.42 1.45 1.49 1.52 1.55 1.58 1.61 1.63 1.66 1.69 1.72 1.74 1.77 1.79
181 1.32 1.36 1.39 1.43 1.46 1.49 1.52 1.55 1.58 1.61 1.64 1.67 1.70 1.72 1.75 1.77 1.80
182 1.33 1.36 1.40 1.43 1.47 1.50 1.53 1.56 1.59 1.62 1.65 1.68 1.70 1.73 1.76 1.78 1.81
183 1.33 1.37 1.40 1.44 1.47 1.50 1.54 1.57 1.60 1.63 1.65 1.68 1.71 1.74 1.76 1.79 1.81
184 1.34 1.37 1.41 1.44 1.48 1.51 1.54 1.57 1.60 1.63 1.66 1.69 1.72 1.74 1.77 1.80 1.82
185 1.34 1.38 1.42 1.45 1.48 1.52 1.55 1.58 1.61 1.64 1.67 1.70 1.72 1.75 1.78 1.80 1.83
55
S=M0.425xH0.725x71.84,
あるいはlog S=log Mx0.425+log Hx0.725+1.8564
;M=体重(kg)
;H=身長(cm)]
[S=体表面積(m2)
DuBoisおよびDuBiosの公式,
Arch Intern Med 17:863,
1916より算出
体 重
64
66
68
70
72
74
76
78
80
単位m2
82
84
86
88
90
92
94
96
140 1.51 1.53 1.55 1.57 1.59 1.61 1.63 1.65 1.66 1.68 1.70 1.72 1.73 1.75 1.77 1.78 1.80
141 1.52 1.54 1.56 1.58 1.60 1.62 1.64 1.65 1.67 1.69 1.71 1.72 1.74 1.76 1.77 1.79 1.81
142 1.53 1.55 1.57 1.59 1.61 1.63 1.64 1.66 1.68 1.70 1.72 1.73 1.75 1.77 1.78 1.80 1.82
143 1.54 1.56 1.58 1.60 1.62 1.63 1.65 1.67 1.69 1.71 1.73 1.74 1.76 1.78 1.79 1.81 1.83
144 1.54 1.56 1.58 1.60 1.62 1.64 1.66 1.68 1.70 1.72 1.73 1.75 1.77 1.79 1.80 1.82 1.84
145 1.55 1.57 1.59 1.61 1.63 1.65 1.67 1.69 1.71 1.72 1.74 1.76 1.78 1.79 1.81 1.83 1.84
146 1.56 1.58 1.60 1.62 1.64 1.66 1.68 1.70 1.72 1.73 1.75 1.77 1.79 1.80 1.82 1.84 1.85
147 1.57 1.59 1.61 1.63 1.65 1.67 1.69 1.71 1.72 1.74 1.76 1.78 1.80 1.81 1.83 1.85 1.86
148 1.58 1.60 1.62 1.64 1.66 1.68 1.69 1.71 1.73 1.75 1.77 1.79 1.80 1.82 1.84 1.86 1.87
149 1.58 1.60 1.62 1.64 1.66 1.68 1.70 1.72 1.74 1.76 1.78 1.80 1.81 1.83 1.85 1.86 1.88
150 1.59 1.61 1.63 1.65 1.67 1.69 1.71 1.73 1.75 1.77 1.79 1.80 1.82 1.84 1.86 1.87 1.89
151 1.60 1.62 1.64 1.66 1.68 1.70 1.72 1.74 1.76 1.78 1.79 1.81 1.83 1.85 1.87 1.88 1.90
152 1.61 1.63 1.65 1.67 1.69 1.71 1.73 1.75 1.77 1.78 1.80 1.82 1.84 1.86 1.87 1.89 1.91
153 1.61 1.64 1.66 1.68 1.70 1.72 1.74 1.76 1.77 1.79 1.81 1.83 1.85 1.87 1.88 1.90 1.92
154 1.62 1.64 1.66 1.68 1.70 1.72 1.74 1.76 1.78 1.80 1.82 1.84 1.86 1.87 1.89 1.91 1.93
155 1.63 1.65 1.67 1.69 1.71 1.73 1.75 1.77 1.79 1.81 1.83 1.85 1.87 1.88 1.90 1.92 1.94
156 1.64 1.66 1.68 1.70 1.72 1.74 1.76 1.78 1.80 1.82 1.84 1.86 1.87 1.89 1.91 1.93 1.94
157 1.64 1.67 1.69 1.71 1.73 1.75 1.77 1.79 1.81 1.83 1.85 1.86 1.88 1.90 1.92 1.94 1.95
158 1.65 1.67 1.70 1.72 1.74 1.76 1.78 1.80 1.82 1.84 1.85 1.87 1.89 1.91 1.93 1.95 1.96
159 1.66 1.68 1.70 1.72 1.74 1.77 1.79 1.81 1.82 1.84 1.86 1.88 1.90 1.92 1.94 1.95 1.97
160 1.67 1.69 1.71 1.73 1.75 1.77 1.79 1.81 1.83 1.85 1.87 1.89 1.91 1.93 1.95 1.96 1.98
身 161 1.67 1.70 1.72 1.74 1.76 1.78 1.80 1.82 1.84 1.86 1.88 1.90 1.92 1.94 1.95 1.97 1.99
162 1.68 1.70 1.73 1.75 1.77 1.79 1.81 1.83 1.85 1.87 1.89 1.91 1.93 1.94 1.96 1.98 2.00
長 163 1.69 1.71 1.73 1.76 1.78 1.80 1.82 1.84 1.86 1.88 1.90 1.92 1.93 1.95 1.97 1.99 2.01
164 1.70 1.72 1.74 1.76 1.78 1.81 1.83 1.85 1.87 1.89 1.91 1.92 1.94 1.96 1.98 2.00 2.02
165 1.70 1.73 1.75 1.77 1.79 1.81 1.83 1.85 1.87 1.89 1.91 1.93 1.95 1.97 1.99 2.01 2.03
166 1.71 1.73 1.76 1.78 1.80 1.82 1.84 1.86 1.88 1.90 1.92 1.94 1.96 1.98 2.00 2.02 2.03
167 1.72 1.74 1.76 1.79 1.81 1.83 1.85 1.87 1.89 1.91 1.93 1.95 1.97 1.99 2.01 2.02 2.04
168 1.73 1.75 1.77 1.79 1.82 1.84 1.86 1.88 1.90 1.92 1.94 1.96 1.98 2.00 2.02 2.03 2.05
169 1.73 1.76 1.78 1.80 1.82 1.85 1.87 1.89 1.91 1.93 1.95 1.97 1.99 2.01 2.02 2.04 2.06
170 1.74 1.77 1.79 1.81 1.83 1.85 1.87 1.89 1.92 1.94 1.96 1.98 1.99 2.01 2.03 2.05 2.07
171 1.75 1.77 1.80 1.82 1.84 1.86 1.88 1.90 1.92 1.94 1.96 1.98 2.00 2.02 2.04 2.06 2.08
172 1.76 1.78 1.80 1.83 1.85 1.87 1.89 1.91 1.93 1.95 1.97 1.99 2.01 2.03 2.05 2.07 2.09
173 1.76 1.79 1.81 1.83 1.85 1.88 1.90 1.92 1.94 1.96 1.98 2.00 2.02 2.04 2.06 2.08 2.10
174 1.77 1.80 1.82 1.84 1.86 1.88 1.91 1.93 1.95 1.97 1.99 2.01 2.03 2.05 2.07 2.09 2.10
175 1.78 1.80 1.83 1.85 1.87 1.89 1.91 1.94 1.96 1.98 2.00 2.02 2.04 2.06 2.08 2.09 2.11
176 1.79 1.81 1.83 1.86 1.88 1.90 1.92 1.94 1.96 1.98 2.01 2.03 2.05 2.06 2.08 2.10 2.12
177 1.79 1.82 1.84 1.86 1.89 1.91 1.93 1.95 1.97 1.99 2.01 2.03 2.05 2.07 2.09 2.11 2.13
178 1.80 1.82 1.85 1.87 1.89 1.92 1.94 1.96 1.98 2.00 2.02 2.04 2.06 2.08 2.10 2.12 2.14
179 1.81 1.83 1.86 1.88 1.90 1.92 1.95 1.97 1.99 2.01 2.03 2.05 2.07 2.09 2.11 2.13 2.15
180 1.82 1.84 1.86 1.89 1.91 1.93 1.95 1.98 2.00 2.02 2.04 2.06 2.08 2.10 2.12 2.14 2.16
181 1.82 1.85 1.87 1.89 1.92 1.94 1.96 1.98 2.00 2.03 2.05 2.07 2.09 2.11 2.13 2.15 2.17
182 1.83 1.85 1.88 1.90 1.92 1.95 1.97 1.99 2.01 2.03 2.05 2.08 2.10 2.12 2.14 2.16 2.17
183 1.84 1.86 1.89 1.91 1.93 1.95 1.98 2.00 2.02 2.04 2.06 2.08 2.10 2.12 2.14 2.16 2.18
184 1.84 1.87 1.89 1.92 1.94 1.96 1.98 2.01 2.03 2.05 2.07 2.09 2.11 2.13 2.15 2.17 2.19
185 1.85 1.88 1.90 1.92 1.95 1.97 1.99 2.01 2.04 2.06 2.08 2.10 2.12 2.14 2.16 2.18 2.20
56
付録7
RECISTガイドライン(抜粋)
固形がんの治療効果判定のためのガイドライン
RECIST:Response Evaluation Criteria in Solid Tumor
1)
RECIST
とWHO判定基準
2)
との比較
RECIST
標的病変と非標的病変に分類
WHO
標的病変
(target lesion)
CT、X線などの客観的画像診断
で計測可能な病変で、1臓器に
つき最大5ヶ所、合計10病変まで
を選択し、ベースラインとする。
評
価
病
変
非標的病変
(non-target
lesion)
標的病変以外のすべての病変
(フォローアップ期間を通じて非標
的病変の測定は必要ではない
が、おのおのの病変の有無は記
録する)。骨病変、髄膜病変、胸・
腹・心嚢水、炎症性乳房病変、
リ
ンパ管炎(皮膚・肺)、画像で確認
できない胸腹部腫瘍、嚢胞性病
変などが該当する。
測
定
方
向
2方向
1方向
理論的には、1方向測定(腫瘍の最大径)の方が2 (腫瘍の長径とそれに垂直に
方向の積よりも腫瘍細胞数とよく比例するとされる 交わる最大径の積)
こと、
および測定が簡便であることから、1方向測定
が採用された。
評価する病変に関しての、臓
器別や全体の数に制限はな
い。測定できる病変か否かを
ベースラインで明らかにして
おく。
測定可能病変と測定不能か
つ評価可能病変等の定義と
総合評価に関して、おのおの
の試験で取り決めておく。
完全奏効(CR:Complete Response)
すべての標的病変の消失。
4週間持続で確認。
あらゆる病変の消失。
4週間持続で確認。
部分奏効(PR:Partial Response)
30%以上の縮小。
4週間持続で確認。
評
価
基
準
50%以上の縮小。
4週間持続で確認。
進 行(PD:Progressive Disease)
20%以上増大。
新病変の出現。
25%以上の増大。
新病変の出現。
安 定(SD:Stable Disease)
PRおよびPD基準に満たないもの。
非標的病変
CR、non-CR/non-PD、PDで評価する。
同左
測定不能、評価可能病変とし
て、
あきらかな消失はCR、
あき
らかな増 大はP Dと判 定する
が、試験毎にその基準を明ら
かにする必要がある。
1)固形がんの治療効果判定のための新ガイドライン(RECISTガイドライン)−日本語訳JCOG版−
2)Miller AB, et al., Cancer , 47(1): 207-14. 1981
57
RECIST総合効果測定
総合効果
標的病変
非標的病変
新病変
CR
CR
CR
なし
CR
Non-CR/non-PD
PR
PD以外
PR
SD
PD
なし
SD
PD以外
なし
PD
問わない
問わない
問わない
PD
問わない
問わない
問わない
あり
58
付録8
G-CSF 適正ガイドライン
(日本癌治療学会臨床試験委員会編、
2001より引用、抜粋)
1 予防投与
一次的予防投与
化学療法により、高率に発熱性好中球減少症を来すことが予測さ
れるようなスケジュール以外は、G-CSFを一次的予防投与として治
療計画に入れるべきではない。
例)小細胞肺癌のCAE療法、非ホジキンリンパ腫のVAPEC-B療法等
CAE:CPM+ADM+ETP、VAPEC-B:VCR+ADM+PDL+ETP+CPM+BLM
二次的予防投与(化学療法2コース目以降)
1コース目に発熱性好中球減少が起こった場合で、
2コース目(以降)
の抗悪性腫瘍薬の減量が適切でないと判断される場合(抗悪性腫瘍
薬の量を維持する必要がある場合)はG-CSFの投与を考慮しても
よい。
2 無熱患者における治療的投与
無熱で好中球減少を来している場合にG-CSFの投与は推奨され
ていない。
※1 ASCOのガイドラインでは、無熱での好中球減少症に通常使うべきで
はないとされている。
※2 例えば、好中球100/μL以下になるような高度の好中球減少の場合は
発熱を来す確率は非常に高く、また重篤な感染症となるリスクも 高いことからG-CSFの投与は妥当かもしれない。
※3 日本の保険制度では、化学療法による好中球減少で好中球1,000/
μL未満で発熱(38℃以上)又は好中球500/μL未満となった時点から
適応としている。
3 有熱患者における治療的投与
発熱があり、好中球減少を来している場合は抗菌薬との併用の有
効性が明確に証明されていないが、感染症の悪化の可能性が高い症
例については、G-CSFの使用が推奨される。
※G-CSFを抗生物質(抗菌薬)とともに用いることは効果が明確に証明さ
れていない。しかし、肺炎、低血圧、多臓器不全(敗血症症候群)、あるい
は真菌感染症の悪化の可能性が高い症例については、
使用が勧められる。
4 化学療法の用量増加のための使用
臨床研究以外では、化学療法の用量を増加させるためのG-CSFの
使用する正当な理由はなく、推奨されない。
化学療法と放射線治療併用時の投与
G-CSFの投与は化学療法と放射線療法が同時に治療されている
患者では血小板数の低下に注意を要する。
59
付録9
FN*治療のアルゴリズム(抜粋)
初期管理
b
低リスク 発熱性
a
好中球減少症 経口抗菌薬
単独療法
併用療法
シプロフロキサシン
または
レボフロキサシン
±
アモキシシリン
/クラブラン酸
カルバペネム
またはセフェピム
または
セフタジジム2)
カルバペネム
またはセフェピム
または
セフタジジム2)
+
アミノグリコシド
高リスク1)
3∼5日後に再評価
1)MRSAによる感染の根拠があれば、
グリコペプチド薬を治療レジメンに加える。
2)世界の多くの地域で、
セフタジジム耐性のグラム陽性菌および陰性菌が増加している。
a Febrile Neutropenia定義
1. 発熱
2. 好中球減少
1回の腋窩温≧37.5℃
または1回の口内温≧38℃
好中球数1,000/μL未満で500/μL
未満に減少すると予測される場合
b 発熱時の低リスクを判定するためのスコア
特 徴
病状(下記から1つ選ぶ)
症状なし
軽度の症状
中等度の症状
低血圧なし
慢性閉塞性肺疾患なし
固形腫瘍/真菌感染症の既往なし
脱水症状なし
発熱時の来院
年齢60歳未満(16歳以下には適応しない)
計(低リスク)
Score
5
5
3
5
4
4
3
3
2
21以上
「日本における好中球減少に伴う発熱に対する抗菌薬使用のためのエビデンスに基づいた
勧告」は、
2002年に発表されたIDSAのガイドラインを取り入れ、発熱患者を低リスクと高リスク
に分けた治療方針を推奨している。
上記は発熱時の低リスクを判定するためのスコアである。合計21以上を低リスクとする。
*Febrile Neutropenia:発熱性好中球減少症
60
付録10 CTCAE ver.3.0(改変)
(1)
毒性
アレルギー/免疫
アレルギー反応/
過敏症
(薬剤熱を含む)
血管炎
血液/骨髄
ヘモグロビン
白血球
好中球/顆粒球
血小板
不整脈
伝導異常/
房室ブロック
上室性不整脈
および洞性
心室性不整脈
不整脈―その他
1
2
Grade
<LLN−10.0g/dL
3
<LLN−3,000/mm
3
<LLN−1,500/mm
3
<LLN−75,000/mm
<10.0−8.0g/dL
3
<3,000−2,000/mm
3
<1,500−1,000/mm
3
<75,000−50,000/mm
症状がなく,
虚血を伴わ 症状がないが,
検査にて
ない動脈の狭小化
虚血が示唆される;安定
狭心症
左室収縮機能不全 症状はなく,
安静時の駆 症状はなく,
安静時の
出率(EF)が<60−50 EF:<50−40%;
%;
SF:<24−15%
左室短縮率(SF)<30
−24%
低血圧
心筋炎
心膜炎
凝固
フィブリノーゲン
部分トロンボ
プラスチン時間
61
<8.0−6.5g/dL
3
<2,000−1,000/mm
3
<1,000−500/mm
3
<50,000−25,000/mm
症 状はなく治 療を要さ 内科的治療を要するが 内服薬ではコントロール
ない
緊急性はない
不 良または装 置( 例:
ペースメーカー)による
コントロールが可能
症 状はなく治 療を要さ 内科的治療を要するが 内服薬ではコントロール
ない
緊急性はない
不 良または装 置( 例:
ペースメーカー)による
コントロールが可能
症 状はなく治 療を要さ 内科的治療を要するが 内服薬ではコントロール
ない
緊急性はない
不 良または装 置( 例:
除細動器)によるコント
ロールが可能
軽症
中等症
重症
心臓全般
心臓虚血/
心筋梗塞
高血圧
3
4
一過性の潮紅あるいは 皮 疹;潮 紅;蕁 麻 疹; 症状のある気管支痙攣; アナフィラキシー
皮疹
呼吸困難
非経口治療を要する;
<38℃の薬剤熱
≧38℃の薬剤熱
アレルギーによる血管
性浮腫;血圧低下
軽症
虚 血 性 変 化 又は切 断
症状があり非ステロイド ステロイドを要する
治療を要さない
術を要する
薬による治療を要する
<6.5g/dL
3
<1,000/mm
3
<500/mm
3
<25,000/mm
生命を脅かす(例:うっ
血性心不全,
血圧低下,
失神,
ショックを伴う不整
脈)
生命を脅かす(例:うっ
血性心不全,
血圧低下,
失神,
ショックを伴う不整
脈)
生命を脅かす(例:うっ
血性心不全,
血圧低下,
失神,
ショックを伴う不整
脈)
生命を脅かす;活動不
能/動作不能
症状があり,
検査結果が
虚血を示す;不安定狭
心症;治療を要する
症状があり,
治療に反応
するうっ血性心不全;
EF:<40−20%;
SF:<15%
急性心筋梗塞
<0.5−<0.25×LLN
>2×ULN
<0.25×LLN
−
治 療に反 応しないうっ
血性心不全またはコント
ロールが不良;EF<20%;
心室補助装置,
心室縮
小手術,
または心臓移植
などの処置を要する
症 状はなく一 過 性( < 再発性,
または持続性(≧ 2種類以上の薬物治療 生命を脅かす
24時間)の>20mmHg 24時間),
または症状を または以前よりも強い治 (例:高血圧クリーゼ)
(拡張期圧)の上昇
伴う>20mmHg(拡張 療を要する
以前正常であった場合 期圧)の上昇
は>150/100への上昇; 以前正常であった場合
治療を要さない
は>150/100への上昇;
単剤の薬物治療を要す
ることもある
治 療を要さない 血 圧 短時間(<24時間)の 持続的(≧24時間),
治 ショック
低下
の輸液等の治療を要す 療を要するが,
持続的な (例:酸血症;臓器機能
る;生理機能に影響なし 生理機能障害なく回復 障害)
−
−
治療に反応するうっ血 重症又は治療に反応し
性心不全
ないうっ血性心不全
症状がないが,
ECGまた 症状のある心膜炎(例: 生理機能に影響する心 生命脅かす;緊急処置
は理学所見( 摩擦音 ) 胸痛)
膜炎(例:収縮心膜炎) を要する
が心膜炎を示す
<1.0−0.75×LLN
>1−1.5×ULN
<0.75−0.5×LLN
>1.5−2.0×ULN
毒性
1
プロトロンビン時間比 >1−1.5×ULN
凝固―その他
軽症
2
>1.5−2.0×ULN
中等症
Grade
>2×ULN
重症
3
4
−
生命を脅かす;
活動不能/動作不能
全身症状
疲労
ベースラインに比して軽 中等度の疲労,
日常生活 活動不能/動作不能
または日常 高度の疲労,
(無力,
嗜眠,
倦怠感) 度の疲労の増強
生活の一部に困難を生じる に支障あり
発熱
38.0−39.0℃
>40.0℃
>39.0−40.0℃
>40.0℃
(ANC<1.0×109/Lと定義さ (100.4−102.2 )
(>104.0 )
(102.3−104.0 )
(>104.0 )
れる好中球減少がない場合)
≦24時間持続
>24時間持続
体重増加
<10−>5%
≧20%
<20−>10%
−
体重減少
<10−>5%;処置を要 <20−>10%;栄養補 ≧20%;経管栄養ある
−
さない
いはTPNを要する
給を要する
不眠
時に睡眠障害があるが 睡眠障害による機能障 頻繁な睡眠障害により 活動不能/動作不能
機能障害はない
害があるが、日常 生 活 日常生活に支障あり
には支障がない
皮膚科/皮膚
脱毛
薄くなる、あるい斑状の 完全な脱毛
−
−
脱毛
掻痒症/掻痒
軽度又は限局性の掻痒 激しい又は広範囲の掻 激しい又は広範囲の掻
−
痒であり日常生活に支
痒
障あり
皮疹/落屑
自覚症状を伴わない斑 掻痒や随伴症状を伴う, 高度または全身性の紅 全身性の剥 脱 性 / 潰
状/丘疹状の皮疹又は 斑状/丘疹状の皮疹ま 皮 症や斑 状 / 丘 疹 状 瘍性/水疱性皮膚炎
紅斑
/小水疱上の皮疹;
たは紅斑;
体表面積(BSA)の< BSAの≧50%を占める
50%を占める限局性の 落屑
落屑その他の病変
蕁麻疹
治療を要さない
−
< 2 4 時 間の治 療を要 ≧ 2 4 時 間の治 療を要
(蕁麻疹,
みみず
する
する
腫れ,
膨疹)
消化器系
食欲不振
食習慣の変化を伴わな 顕 著な体 重 減 少や 栄 顕著な体重減少または 生命を脅かす
い食欲低下
(例:カ
養失調を伴わない摂食 栄養失調を伴う
量の変化;経口栄養剤 ロリーや水分の経口摂
取が不十分 )
;静脈内
による補充を要する
輸液/経管栄養/
TPNを要する
便秘
不定期または間欠的な 緩下剤または浣腸の定 日常生活に支障を来す 生命を脅かす
症状;
(例:腸閉塞,
中毒性巨
期的使用を要する持続 症状;
便 軟 化 剤 / 緩 下 剤 / 的症状
摘 便を要 する頑 固 な 大結腸症)
食事の工夫/浣腸を不
便秘
定期に使用
脱水
経口水分補給を要する; <24時間の静脈内輸 ≧24時間の静脈内輸 生命を脅かす
粘膜の乾燥;
液を要する
(例:循環動態の虚脱)
液を要する
皮膚の張り
(turgor)の
減弱
下痢
<4回/日の排便回数 4−6 回 /日の排 便 回 ≧7回/日の排便回数 生命を脅かす
の増 加;人 工 肛 門から 数増加;<24時間の静 増加;便失禁;≧24時 (例:循環動態の虚脱)
の排泄量が軽度に増加 脈 内 輸 液を要する;人 間の静脈内輸液を要す
工肛門からの排泄量が る;人工肛門からの排泄
中等度増加;日常生活 量が高度に増加;日常
に支障がない
生活に支障あり
悪心
摂食習慣に影響のない 顕著な体重減少,
脱水 カロリーや水分の経口 生命を脅かす
食欲低下
または栄養失調を伴わ 摂取が不十分;
ない経口摂取量の減少; ≧24時間の静脈内輸
<24時間の静脈内輸 液/経管栄養/TPNを
液を要する
要する
62
付録10 CTCAE ver.3.0(改変)
(2)
毒性
粘膜炎/口内炎
嘔吐
Grade
2
3
4
上気道/上部消化管; 上気道/上部消化管; 生 命を脅かす 症 状 が
十分な栄養 ある
症状があるが,
食べやす 症状があり,
く加工した食事を摂取し や水分の経口摂取がで
嚥下することはできる; きない;
呼吸器症状があり機能 呼吸器障害があり日常
障害があるが日常生活 生活に支障がある
に支障はない
下部消化管;
下部消化管;
下部消化管;
内 科 的 治 便失禁やその他の症状
わずかに不快感がある 症 状があり,
療を要するが,
日常生活 により日常生活に支障
が治療を要さない
がある
に支障なし
生命を脅かす
24時間あたり≧6回
24時間あたり2―5回
24時間あたり1回
<24時間の静脈内輸 ≧24時間の静脈内輸
液またはTPNを要する
液を要する
1
上気道/上部消化管;
わずかな症状で摂食に
影響なし;
わずかな呼吸器症状が
あるが機能障害はない
出血
出血―その他
軽度で輸血を要さない
肝胆膵
肝胆膵―その他
軽症
−
中等症
輸血を要する
大がかりな緊急処置が必要
なコントロール不能の出血
重症
生命を脅かす
活動不能/動作不能
感染
Grade3―4の好中
−
球減少を伴う感染
(臨床的又は微生
物学的に確認)
9
(ANC<1.0×10 /L)
代謝/臨床検査値
pH<LLN,
≧7.3
アシドーシス
(代謝性又は呼吸性)
>LLN−3g/dL
低アルブミン血症
アルカリホスファターゼ >ULN−2.5×ULN
pH<ULN,
≦7.5
アルカローシス
(代謝性又は呼吸性)
>ULN−2.5×ULN
ALT, SGPT
>ULN−1.5×ULN
アミラーゼ
>ULN−2.5×ULN
AST, SGOT
>ULN−1.5×ULN
ビリルビン
*
>ULN−11.5mg/dL
高カルシウム血症
*
<LLN−8.0mg/dL
低カルシウム血症
>ULN−1.5×ULN
クレアチニン
>ULN−160mg/dL
高血糖
>ULN−8.9mmol/L
pH<7.3
pH<7.3で生命を脅かす
≧2−3g/dL
>2.5−5.0×ULN
−
<2g/dL
>5.0−20.0×ULN
pH>7.5
−
>20.0×ULN
pH>7.5で生命を脅かす
>2.5−5.0×ULN
>1.5−2.0×ULN
>2.5−5.0×ULN
>1.5−3.0×ULN
>11.5−12.5mg/dL
<8.0−7.0mg/dL
>1.5−3.0×ULN
>160−250mg/dL
>8.9−13.9mmol/L
>5.0−20.0×ULN
>2.0−5.0×ULN
>5.0−20.0×ULN
>3.0−10.0×ULN
>12.5−13.5mg/dL
<7.0−6.0mg/dL
>3.0−6.0×ULN
>250−500mg/dL
>13.9−27.8mmol/L
<LLN−55mg/dL
<LLN−3.0mmol/L
>ULN−5.5mmol/L
<LLN−3.0mmol/L
>ULN−150mmol/L
<LLN−130mmol/L
<55−40mg/dL
<3.0−2.2mmol/L
>5.5−6.0mmol/L
−
>150−155mmol/L
−
<40−30mg/dL
<2.2−1.7mmol/L
>6.0−7.0mmol/L
<3.0−2.5mmol/L
>155−160mmol/L
<130−120mmol/L
>20.0×ULN
>5.0×ULN
>20.0×ULN
>10.0×ULN
>13.5mg/dL
<6.0mg/dL
>6.0×ULN
>500mg/dL
>27.8mmol/L
又はアシドーシス
<30mg/dL
<1.7mmol/L
>7.0mmol/L
<2.5mmol/L
>160mmol/L
<120mmol/L
低血糖
高カリウム血症
低カリウム血症
高ナトリウム血症
低ナトリウム血症
筋骨格系
関節炎
限局性,
局所的処置を 抗 生 物 質の静 脈 内 投 生命を脅かす敗血症
与/抗真菌剤/抗ウイ (例:敗血症性ショック,
要する
ルス剤による治療を要す 血圧低下,
アシドーシス,
る;IVRによる処置/外 壊死)
科的処置を要する
−
紅斑,
関節腫脹を 活動不能/動作不能
紅斑,
関節腫脹を 炎症,
炎症,
紅斑,
関節腫脹を 炎症,
伴う高度の疼痛
伴う軽度の疼痛ただし 伴う中等度の疼痛
機能障害があるが日常 日常生活に支障あり
機能障害なし
生活には支障なし
神経学
神経障害―脳神経 症状がなく診察/検査 あり
によってのみ確認される 日常生活には支障なし
*カルシウム値はいずれもアルブミンで補正した値を用いる。
63
あり
日常生活に支障あり
生命を脅かす
活動不能/動作不能
Grade
1
2
3
4
診察/検査 症 状を伴う脱力により 脱力により日常生活に 生命を脅かす;活動不
神経障害―運動性 症状がなく,
日常 支障あり;歩行時にバラ 能/動作不能
によってのみ脱力が確 機能障害はあるが,
ンスの確保または補助 (例:麻痺)
生活に支障はない
認される
を要する
(例:杖または歩行器)
神経障害―感覚性 症状がない;深部腱反 知覚変化または知覚異 日常 生 活 に 支 障 があ 活動不能/動作不能
射消失または知覚異常 常(疼きを含む)による る知覚変化または知覚
日常 異常
(疼きを含む)があるが機 機能障害はあるが,
生活には支障がない
能障害はない
傾眠または鎮静により 感覚鈍麻または混迷; 昏睡
−
傾眠/意識レベルの
機能低下をきたすが,
日 覚醒困難;日常生活に
低下
常生活には支障がない 支障あり
日常 日常生活に支障あり
活動不能/動作不能
頭位変換または眼振の 機能障害はあるが,
めまい
時のみ;機能障害がない 生活に支障がない
(回転性を含む)
眼球/視覚
日常生活に 失明(0.1以下)
症状があるが、機能には 症 状 が あり、機 能 障 症状があり、
眼球/視覚
害はあるが、日常 生 活 支障あり
支障がない
―その他
には支障がない
疼痛
機能障害のない軽度の 中等度の疼痛;疼痛ま 高度の疼痛;疼痛また 活動不能/動作不能
疼痛
疼痛
たは鎮痛薬使用による は鎮痛薬使用により日
機能障害はあるが,
日常 常 生 活に重 大な支 障
生活には支障がない
あり
肺
一酸化炭素拡散能 予測値の<90−75% 予測値の<75−50% 予測値の<50−25% 予測値の<25%
(DLco)
麻 薬 性 薬 症 状があり,
睡 眠や日
症状があり,
非麻薬性薬 症 状があり,
−
咳
剤を要する
常 生 活に顕 著な支 障
剤のみを要する
がある
ただ 日常生活動作に伴う呼 安静時呼吸困難;挿管
ただし 労作時呼吸困難,
呼吸困難(息切れ) 労作時呼吸困難,
ま 吸困難あり
休息をとらずに階段を1 し階段を1階分上る,
/人工呼吸器を要する
たは 市 街 地 の1区 画
階分上ることができる
(0.1km)
を歩く際に休
息を要する
労 作 時の酸 素 飽 和 度 安 静 時の酸 素 飽 和 度 生命を脅かす;挿管また
−
低酸素血症
の低下(例:パルスオキ の低下;持続的酸素投 は人工呼吸器を要する
シメーターで<88%)
; 与を要する
間欠的な酸素投与を要
する
日常生活に支 症状があり,
日常生活に支 生命を脅かす;人工呼
症 状がなく,
画 像 所 見 症状あり,
肺臓炎/肺浸潤
障がない
障あり;酸素吸入を要する 吸を要する
のみ
線維化が 画像所見上,
線維化が 画像所見上,
画像上わずかな所見あ 画像所見上,
線維化が
肺線維症
り
(または斑状病変や両 総肺容積の25−<50 総肺容積の50−<75 総 肺 容 積の≧ 7 5 %を
側肺底部の変化),
ただ %を占めると推定される %を占めると推定される 占めると推定される;
し画像所見上線維化が 斑状病変または両側肺 濃いまたは広範囲の侵 蜂巣肺
潤/硬化
総肺容積の<25%を占 底部の変化
めると推定される
腎/泌尿生殖器
−
長期的な人工透析を要 長期的な人工透析また
−
腎不全
さない
は腎移植を要する
中等症
重症
生命を脅かすまたは活
腎/泌尿器生殖器 軽症
動不能/動作不能
―その他
血管
あり
−
−
−
静脈炎
炎症反応または静脈炎 高度の潰瘍化あるいは
−
注射部位の反応/ 疼痛;掻痒;紅斑
を伴う疼痛や腫張
壊死;外科的処置を要
血管外漏出(本来
する
は皮膚科に分類)
毒性
注)
この副作用判定基準はJCOGがNCI-CTCを日本語訳したものであるが,
その内容(項目)が膨大なため,
主な副作用を抜粋した。
詳細については出典を参照すること。
CTCAE ver.3.0日本語訳JCOG/JSCO版 2004, 10, 27
64
参考資料
参考箇所
参考文献
●全体
佐々木康綱 編
抗がん剤安全使用ハンドブック 医薬ジャーナル社
田村和夫 著
癌治療ハンドブック 第2版 文光堂
古河洋、松山賢治 監修
外来がん化学療法 Q & A じほう
臨床腫瘍学 第3版 癌と化学療法社
坂田優 監修
肺がん診療と化学療法 ヴァンメディカル
吉田清一 監修
がん化学療法の有害事象反応対策ハンドブック
●3章(投与スケジュール)
①単独投与
1)田口 鐵男 他: 癌と化学療法, 21(15), 2625-32, 1994
2)Muro K, et al: Ann Oncol 15, 955-9, 2004
②TXT + CBDCA
3)鈴木隆二郎 他: 日本呼吸器学会誌 40, 144, 2002
4)吉村成央 他: 肺癌 44, 551, 2004
5)Hatae M, et al: Proc Am Soc Clin Oncol 21, 2527, 2002
③TXT + ADM or EPI
6)Aihara T et al: Oncology 64(2)
: 124-30, 2003
7)阿南敬生 他: 第11回日本乳癌学会, 242, 2003
④TXT + HER
8)Sato N et al: Breast Cancer 13, 166-71, 2006
9)Toi M et al: Ann Oncol 13(Suppl5): 51, 2002
⑤TXT + TS-1
10)Yoshida K, et al: Anticancer Research 24, 1843-1852, 2004
11)Hyodo I, et al: 41st Am Soc Clin Oncol(ASCO), Abs. #4064, 2005
⑥TXT + Radiation
12)Fujii M, et al: Int J Clin Oncol 9, 107-112, 2004
●4章
65
ドセタキセル 第Ⅱ相臨床試験 治験実施計画書(社内資料)
乳癌、非小細胞肺癌、胃癌、卵巣癌、頭頸部癌、食道癌
●付録1
タキソテール副作用・感染症の発現状況一覧表(社内資料)
●付録2
タキソテール 添付文書(2006年5月改訂 第14版)
参考箇所
参考文献
●付録5
各種薬剤 添付文書(最新版)
http://www.info.pmda.go.jp/psearch/html/menu_tenpu
_base.html より入手
●付録5,6
国立がんセンター内科 レジデント編
がん診療レジデントマニュアル 第3版 医学書院
●付録7
固形がんの治療効果判定のための新ガイドライン
(REC
I
STガイドライン)-日本語訳JCOG版−
J Natl Cancer Inst 92(3); 205, 2000
●付録7
Miller AB., et al.
Reporting Results of Cancer Treatment
Cancer 47; 207-14, 1981
●付録8
日本癌治療学会臨床試験委員会編:
Int J Clin Oncol 6(supple):2001
●付録8
ASCO Growth Factor Expert Panel :
J Clin Oncol 20, 3558-85, 2000
●付録9
Tamura K.:
Clin Infec Dis 39(Supple1), 559, 2004
●付録10
有害事象共通用語規準 ver.3.0 日本語訳
JCOG/JSCO版 -2004年10月27日-
66
JP.DOC.06.01.01
(TXT123B)
Fly UP