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2015~16 年版:九州・沖縄におけるインバウンドの動向と

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2015~16 年版:九州・沖縄におけるインバウンドの動向と
2016 年 8 月 10 日
日本銀行福岡支店
Bank of Japan Fukuoka Branch
金融経済トピックス
2015~16 年版:九州・沖縄におけるインバウンド1の動向と消費額の推計
当資料は当店ホームページに掲載しています
<内容に関するお問い合わせ先>
1
http://www3.boj.or.jp/fukuoka/
日本銀行福岡支店営業課 Tel:092-725-5513
海外から国内に入ってくる訪日外国人旅行を指す。
(はじめに)
○ 当店では、2015 年 7 月に公表した金融経済トピックス「九州・沖縄におけるイ
ンバウンドの動向と消費額の推計」において、主として 2014 年までのインバウ
ンドの動向等について整理した。
○ 本稿で 2015 年以降の動向についてフォローしたところ、①2015 年は入国者増
および消費単価上昇により旅行消費額が前年比倍増したほか、②2016 年入り後
に熊本地震や中国の関税強化等が生じた下でも、旅行消費額は伸びを継続(消
費単価は中国の関税強化等により下落したが、クルーズ船による入国者の増加
継続が寄与)している、との結果となった。
○ なお、本稿では、前回トピックス同様、やや大胆な仮定を置いて推計を行って
おり、引き続き様々なご意見をいただいて手法等の改善に努める所存である。
1.2015 年中のインバウンドの動向と消費額の推計
(1)当地を訪れる訪日外国人旅行者数1の推計結果<図表1、2>
○ 2015 年中の訪日外国人旅行者数の動向をみると、九州・沖縄を訪れた訪日外国
人数は前年比+73%の増加となる 401 万人となり、2014 年同様、全国(前年比
+47%)を大きく上回る伸びとなった。
○ この結果、訪日外国人旅行者数の全国シェアは 2 割を超えた(2013 年 15.4%→
2014 年 17.3%→2015 年 20.3%)。また、5 年前の 2010 年対比では 3.6 倍と、
全国(2.3 倍)を大きく上回る。
(2)入国ルート別(空港・海港別)の特徴
○ 入国外国人数(一時上陸者を含む)2を入国ルート別にみると、①クルーズ船等
による海港ルート(一時上陸者を含む、前年比+91.6%)、②国際定期便やチ
ャーター便による空港ルート(同+58.4%)、の双方が引き続き大きく増加<
図表3>。
○ 特に海港ルートは、2015 年中のクルーズ船の博多港寄港回数3(259 回)が過去
最高の昨年(115 回)を大幅に更新し、当地の入国外国人数(一時上陸者を含
む)に占める海港ルートの比率は 34.8%まで上昇(全国は 8.0%)
。このうち、
一時上陸者の比率は全国 5.3%に対して、当地 24.8%<図表3、4、5>。
1
2
3
定義については【参考 1】参照。推計方法については【参考 2】参照。
定義については【参考 1】参照。
外航(海外船籍)・内航(国内船籍)の合計寄港回数。
1
(3)国籍別・地域別の特徴
○ 訪日外国人旅行者数を、国籍・地域別(構成比)にみると、国籍を特定できな
い「一時上陸者」分を「中国」と仮定した場合4、クルーズ船客の大幅増加もあ
って中国の伸びが顕著(2014 年 19.2%→2015 年 35.4%)であり、韓国(2014
年 39.8%→2015 年 35.5%)に迫っている。韓国・台湾・中国・香港の合計は
94.2%(前年 91.5%)と全国(71.9%、前年 66.5%)を大きく上回っている
<図表6>。
(4)県別にみた外国人宿泊者数の動向
○
外国人宿泊者数(延べ数)5の動向をみると、県別でみても沖縄県と福岡県が
大幅に増加しているほか、その他の県も徐々に増加しており、全宿泊者に占め
る外国人比率は各県において高まっている<図表7、8>。
(5)インバウンド消費額の推計6と当地経済への影響
①推計結果7
○ 上記の訪日外国人旅行者数をベースに、観光庁の推計にならって、
「訪日外国人
旅行消費額」(以下、インバウンド消費額)を推計したところ、2015 年中の消
費額は 4,882 億円と前年(2,385 億円)比 2.0 倍となった。これは、2014 年に
続き全国の伸び率(前年比+72%)を大きく上回り、全国に占める当地のシェ
アも高まった(2014 年 11.8%→2015 年 14.0%)<図表9、10>。
○ この間、一人当たり旅行消費額をみると、九州・沖縄(12.2 万円<当店推計値
>)は引き続き全国(17.6 万円)より低く、その差は縮まっていない(前年比
は、当地+18.4%、全国+16.5%)<図表 11>。この差は、当地における平均
宿泊日数の短さによるもの<図表 12>。
―― なお、福岡市から公表8されている博多港に寄港したクルーズ船客の一人
当たり平均消費額(2012 年 3.7 万円→2015 年 10.7 万円)を一時上陸者の
消費額として同様の推計を行った場合でも、2012 年→2015 年の 3 年間の消
費額伸び率は 4.7 倍(2012 年 1,016 億円→2015 年 4,725 億円)と、上記推
計結果(同 3 年間の伸び率 4.6 倍)と大きく変わらない。
4
当店ヒアリングでは、一時上陸の殆どを占めるクルーズ船客につき「殆どが中国からの来客」
(小売)とする声が多い。
5
定義については【参考 1】参照。
6
推計方法については【参考 3】参照。
7
当該推計値の基礎統計となる訪日外国人消費動向調査の一人当たり旅行消費額は、一時上陸
者が対象に含まれていないが、一時上陸者も一人当たり消費額は同一と仮定して推計。
8
福岡市「平成 27 年博多港寄港クルーズ船乗客実態調査(概要)」。
2
②当地経済への影響
○ 経済センサスをもとに一定の仮定9をおいて試算すると、2015 年のインバウンド
消費額は当地の個人消費関連業種の総売上高の 2.3%を占め、昨年(1.1%)の
2 倍以上となっており、個人消費関連業種の業況を左右しうる位置付けになり
つつある<図表 13>。
── なお、インバウンド消費額の主要内訳である「飲食費」
、
「宿泊料金」
、
「買
物代」について、統計上の制約を踏まえて一定の仮定をおいて 2015 年の消
費額を推計し、それぞれ関連業種売上に占める構成比を割り出すと、それ
ぞれにおいて前年の約 2 倍となっている<図表 13>。
2.2016 年入り後のインバウンドの動向と消費額の推計
(1)入国者数の動向
○ 2016 年入り後の入国外国人数(一時上陸者を含む)の動向をみると、4 月の熊
本地震以降は増勢が大幅に鈍化しているが、前年比伸び率は全国を上回って推
移。このうち、一時上陸者はクルーズ船の寄港増加を主因に増加を続けている。
一方、一時上陸者以外は 5 月に大幅に減少したあと、6 月には若干回復<図表
14>。
――
熊本地震によって、熊本県や大分県では観光資源や宿泊施設が被災した
ほか、国際定期便が一時運航停止となった<図表 15>。また、沖縄を除く
その他の県についても、新幹線や高速道路等の一時的な寸断や風評被害等
により宿泊客が減少した<図表 16>。一方、福岡市等における買い物を主
目的とするクルーズ船客には地震の影響は窺われない。
(2)消費額の動向
○ 2016 年入り後のインバウンド消費額について、2015 年と同様の手法を用いて四
半期ベースで試算10すると、1~3 月は 1,372 億円(前年同期比+64.9%)、4~6
月は 1,497 億円(同+25.5%)と、熊本地震後の 4 月以降も、増勢鈍化しつつ
も高い伸びを続けている<図表 17>。この伸びを支えているのは、買い物など
を目的とする一時上陸者の大幅増加。一方、観光などを目的とした一時上陸以
外の客は数が減少しているほか(上記(1))、一人当たり消費額も全国と同様
に頭打ち感がみられる<図表 18>。
9
図表 13 の(注)を参照。
一時上陸者数については、本稿公表時点で 6 月の計数が公表されていないため、5 月の一時
上陸者数を横ばいと仮定して試算した(博多港寄港のクルーズ船の総定員数は 4 月 6.9 万人、
5 月 9.0 万人、6 月 8.5 万人)。
10
3
――
一人当たり消費額を国籍別(全国ベース)でみると、本年入り後は中国
人客の一人当たり消費額の減少が目立っている<図表 19>ほか、当店のヒ
アリングにおいても、中国の関税強化(4 月)の影響などから、中国人客
の消費額の減少を指摘する声が聞かれている<図表 20>。図表 18 の推計
は一時上陸者以外を対象とした図表 19 の統計をベースとしており、一人
当たり消費額の減少が買い物を主目的とする一時上陸者により強く顕れ
ているとすれば、本年入り後のインバウンド消費額は今回の推計結果より
も低い可能性もある。
――
なお、本年入り後のインバウンド消費額の動向を全国と直接比較するこ
とは難しいが、①入国外国人数(一時上陸者を含む)<図表 14>、②一人
当たり消費額<図表 18>、の前年比がいずれも全国を上回っていることか
ら、熊本地震が発生したにもかかわらず、インバウンド消費額の前年比は
全国を上回っているものと推察される。
3.終わりに
○
熊本地震により観光の周遊ルートが寸断され、九州全域で国内外の観光客が減
少している。足もと、「九州ふっこう割」などの政策効果もみられるが、今後
は、被災地の存在を前提とした周遊ルート(被災地の復興過程を見せるルート
や被災地以外を結ぶ多様なルート)を構築し、インバウンドを含めた観光客を
早期に呼び戻すことが喫緊の課題である。
○
また、当地においてはクルーズ船客のウェイトが高まっており、それを含めた
インバウンド消費は当地の個人消費関連業種の業況を左右しうる存在になり
つつある。8 月 2 日に政府が発表した経済対策では、大型クルーズ船誘致強化
の方針が掲げられており、そのトップランナーとして当地が果たす役割はます
ます大きくなってくる。今後は、顧客属性に応じた受け入れ態勢の整備やニー
ズの変化への対応等が重要になってくると思われる。
○
加えて、インバウンドの来客数や消費額に大きな影響を与えうる為替相場の動
向についても注視が必要である。
以
4
上
(図表1)訪日外国人旅行者数
(九州・沖縄)
500
(万人)
401万人
(同+73%)
うち一時上陸者
400
300
2010 年比
3.6 倍
(+288 万人)
232万人
(同+45%)
200
84万人
133万人
159万人
(同+20%)
(前年比
▲25%)
(同+59%)
13.0%
13.5%
15.9%
15.4%
17.3%
20.3%
10
11
12
13
14
15
112万人
100
全国比
0
(年)
(注)
「出入国管理統計」をもとに当店で試算。
(資料)法務省「出入国管理統計」
(図表2)訪日外国人旅行者数
(全 国)
2,500
(万人)
1,974万人
うち一時上陸者
(同+47%)
2,000
1,341万人
1,500
1,000
1,036万人
861万人
622万人 836万人
(同+29%)
(同+24%)
(前年比 (同+34%)
▲28%)
500
0
10
11
12
13
(資料)日本政府観光局(JNTO)、法務省「出入国管理統計」
5
14
15
(年)
2010 年比
2.3 倍
(+1,113 万人)
(図表3)入国ルート別人数
(九州・沖縄)
450
(全
(万人)
2,500
一時上陸
一時上陸 海港(一時上陸者含む)の比率
(14年→15年)
海港
30.6%→34.8%
空港
2015年前年比
海港(一時上陸者含む):+91.6%
空港:+58.4%
400
350
300
国)
(万人)
海港
250
200
2,000
空港
1,500
海港(一時上陸者含む)の比率
(14年→15年)
6.2%→8.0%
1,000
150
100
500
50
0
0
10
11
12
13
14
15 (年)
10
11
12
13
14
15 (年)
(注)
「出入国管理統計」の入国外国人数に一時上陸者数を加算して当店が算出。
(資料)法務省「出入国管理統計」
(図表4)九州へのクルーズ船寄港回数
700
(図表5)一時上陸者数の推移
(万人)
(回)
120
その他
鹿児島港
長崎港
博多港
600
500
100
九州
80
沖縄
60
全国(除く九州・沖縄)
2015年一時上陸者前年比
九州・沖縄:4.3倍
全国:4.2倍
(全国構成比:94.8%)
400
300
40
200
259
100
0
84
10
55
11
112
12
38
13
20
115
0
14
15 (年)
(注)グラフ内の数字は博多港への寄港回数を示す。
(資料)九州クルーズ振興協議会
6
10
11
12
13
(資料)法務省「出入国管理統計」
14
15 (年)
(図表6)訪日外国人旅行者数の国籍・地域別構成比
(2014 年、2015 年)
<九州・沖縄>
(2014 年)
(2015 年)
中国+一時上陸
=19.2%
中国+一時上陸
=35.4%
一時上陸
10.3%
その他
8.4%
一時上陸
25.8%
韓国
35.5%
韓国
39.8%
台湾
23.6%
その他
5.8%
香港
8.9%
台湾
15.3%
中国
8.9%
<全
国>
(2014 年)
その他
21.9%
タイ
4.9%
(2015 年)
韓国
20.5%
米国
6.6%
中国
18.0%
台湾
21.1%
香港
8.0%
中国
9.6%
韓国
20.3%
その他
18.8%
米国
5.2%
タイ
4.0%
中国
25.3%
台湾
18.6%
香港
6.9%
香港
7.7%
(注)九州・沖縄は、法務省「出入国管理統計」をもとに当店推計。
(資料)日本政府観光局(JNTO)、法務省「出入国管理統計」
7
(図表7)外国人延べ宿泊者数の推移
(万人泊)
県別の伸び率(前年比、%)
400
350
300
福岡県
佐賀県
長崎県
熊本県
大分県
宮崎県
250
福岡県
200
鹿児島県
150
2014 年
2015 年
福岡県
+50.8
+73.9
佐賀県
+63.7
+110.2
長崎県
+15.9
+77.1
熊本県
+12.8
+50.3
大分県
▲2.3
+93.3
宮崎県
+17.5
+25.4
鹿児島県
+23.8
+56.3
沖縄県
+60.5
+54.3
沖縄県
沖縄県
100
50
0
10
11
12
13
15 (年)
14
(資料)観光庁「宿泊旅行統計調査」
(図表8)全宿泊者数に占める外国人比率
20.0
(%)
14年
18.0
15年
16.0
14.0
12.4
12.0
10.0
8.1
8.0
6.0
4.0
2.0
九州・
沖縄
沖縄県
8
鹿児島県
(資料)観光庁「宿泊旅行統計調査」
宮崎県
大分県
熊本県
長崎県
佐賀県
福岡県
0.0
(図表9)訪日外国人旅行消費額
(九州・沖縄)
(億円)
6,000
4,882億円
(同+105%<2.0倍>)
5,000
4,000
2,385億円
3,000
(同+76%)
770億円
2,000
938億円
1,000
(前年比
▲18%)
全国比
8.1%
0
9.5%
10
11
1,353億円
1,057億円
(同+28%)
(同+37%)
9.7%
9.6%
11.8%
14.0%
12
13
14
15
(年)
(注)九州・沖縄は、観光庁「訪日外国人消費動向調査」、法務省「出入国管理統計」をもと
に当店で推計。
(資料)観光庁「訪日外国人消費動向調査」、法務省「出入国管理統計」
(図表 10)訪日外国人旅行消費額
(全
(兆円)
国)
4.0
3兆4,771億円
(同+72%)
3.5
3.0
2兆278億円
2.5
(同+43%)
1兆4,167億円
2.0
1.5
8,135億円
1兆1,490億円
1.0
(前年比
▲29%)
1兆846億円
(同+31%)
(同+33%)
0.5
0.0
10
11
12
13
14
15
(年)
(資料)観光庁「訪日外国人消費動向調査」、日本政府観光局(JNTO)、法務省「出入国管理
統計」
9
(図表 11)外国人一人当たり旅行消費額
(万円)
18
九州・沖縄
16
2015 年
(前年比)
九州・沖縄:+18.4%
全国:+16.5%
17.6
全国
14
12
12.2
10
8
6
10
11
12
13
14
15
(年)
(注)九州・沖縄は、観光庁「訪日外国人消費動向調査」をもとに当店で推計。
(資料)観光庁「訪日外国人消費動向調査」、法務省「出入国管理統計」
(図表 12)訪日外国人の宿泊日数(主な宿泊地別)
平均宿泊数(泊)<注 2>
【観光・レジャー目的】
3日間
以内
2015 年
3.6
3.7
福岡空港
4.1
4.1
博多港
2.2
2.3
那覇空港
3.7
3.8
6.1
5.9
九州・沖縄
3日間
以内
2014
2014 年
7日間以上1年未満
4~6日間
全国
2015
4~6日間
2015
7日間以上1年未満
7日間以上
1年未満
4~6日間
3日間以内
九州
全 国
3日間以内
2014
4~6日間
3日間
以内
4~6日間
7日間以上1年未満
沖縄
2015
7日間以上1年未満
3日間
以内
2014
0%
7日間以上
1年未満
4~6日間
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
(注 1)本図表には一時上陸者は含まれていない。
(注 2)九州・沖縄は、福岡空港と博多港、那覇空港の入国者の平均宿泊日数を回答数で加重平均。
(資料)観光庁「訪日外国人消費動向調査」
10
(図表 13)インバウンド消費額が個人消費関連業種の売上に与える影響
① 当地の個人消費関連業種の総売上高へ与える影響
230,000
(億円)
インバウンド消費額
220,000
210,000
2013年の経済センサスにおける当地個人消費関連業種の売上高(国内客)
1,353 2,385 4,882 インバウンド売上比率
0.6%
インバウンド売上比率
1.1%
インバウンド売上比率
2.3%
200,000
190,000
180,000
170,000
2倍以上
160,000
150,000
2013
2014
2015
(年)
(注)個人消費関連業種の売上高は、最新の経済センサス「2014 年経済センサス基礎調査」
(14 年 7
月時点調査)に基づいて、13 年中の売上高を使用。また、訪日外国人消費動向調査の支出項目
(宿泊料金、飲食費、買い物代、娯楽・サービス費、交通費等)に対応させるため、各種小売
業および「宿泊業、飲食サービス業」、「生活関連サービス業、娯楽業」、「鉄道業」、「道路旅客
運送業」、
「水運業」
、
「航空運輸業」を合算して算出。ただし、
「鉄道業」
、
「道路旅客運送業」
、
「水
運業」、「航空運輸業」の売上高については、事業所単位の把握ができないため、企業等に関す
る集計値を使用。これ以外の項目については事業所ベースの売上高を使用している。なお、14
年、15 年については、センサスの計数が存在しないため 13 年中の計数を横置きしたうえで、訪
日外国人旅行消費額の年間増加額を加算して算出。
②参考:費目別の消費額が関連業種の売上高に与える影響
(単位:億円、%)
飲食費
訪日外国人旅行消費額
当地関連業種の売上高
訪日外国人のシェア
宿泊料金
買物代
2014年 2015年 2014年 2015年 2014年 2015年
465
952
600
1,229
1,081
2,212
13,125
13,612
5,830
6,459 141,531 142,663
3.5
7.0
10.3
19.0
0.8
1.6
(注1) 訪日外国人消費動向調査では、15 年以降は県別の支出項目が公表されていないため、15 年計
数は九州・沖縄における 14 年の項目別構成比を横ばいと仮定して、訪日外国人消費額を按分
し推計。
(注2) 当地関連業種の売上高については、経済センサスの最新計数が 13 年中であるため、14 年、15
年についても 13 年の計数を固定(横ばいと仮定)し、訪日外国人旅行消費額の年間増加額を
加算して算出のうえ訪日外国人のシェアを推計。
(資料)観光庁「訪日外国人消費動向調査」、経済産業省「2014 年経済センサス基礎調査」
11
(図表 14)入国外国人数の推移
(①九州・沖縄)
60
(万人)
(%)
一時上陸者数(左目盛)
外国人入国者数(左目盛)
50
120
100
前年比(一時上陸を含む)<右目盛>
前年比(一時上陸を除く)<右目盛>
40
80
60
30
20
24.1
34.6
40
18.4
10
20
0
0
▲ 7.1
▲ 20
▲ 10
15/1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
16/1
2
3
4
5
6
(月)
(注)一時上陸者数の 2016 年 6 月は未公表。
(資料)法務省「出入国管理統計」
(②全
300
国)
(万人)
(%)
一時上陸者数(左目盛)
120
外国人入国者数(左目盛)
250
100
前年比(一時上陸を含む)<右目盛>
前年比(一時上陸を除く)<右目盛>
200
80
150
60
100
40
17.3
15.1
50
19.6
20
7.6
0
15/1
2
3
4
5
6
7
8
9
(注)一時上陸者数の 2016 年 6 月は未公表。
(資料)法務省「出入国管理統計」
12
10
11
12
16/1
2
3
4
5
0
6
(月)
(図表 15)熊本地震による国際定期便運航の一時停止状況
運休
内
容
渡航地
航空会社
ソウル
アシアナ航空
△
4/22~26 日、5/9~27 日の間、減便(1 日 3 往復⇒2 往復)
ソウル
アシアナ航空
×
~10/29 日まで全便運休
香港
香港航空
×
~10/29 日まで全便運休
台湾
中華航空
△
~6/2 日まで全便運休。6/3 日より運行再開。
大分空港
ソウル
ティーウェイ航空
△
4/21~6/1 日まで全便運休。6/2 日運行再開。
佐賀空港
ソウル
ティーウェイ航空
△
~5/31 日まで全便運休。6/3 日より運行再開。
福岡空港
熊本空港
状況
(注)図表内「△」は地震の影響がみられたが、復旧しているもの、「×」は現在も影響が残っているものを示す。
(資料)各航空会社ホームページより
(図表 16)外国人延べ宿泊者数の推移
(前年比、県別寄与度)
120
(%、%P)
100
80
60
40
8.9
20
▲ 1.5
0
福岡県
佐賀県
長崎県
熊本県
大分県
宮崎県
鹿児島県
沖縄県
九州・沖縄(前年比)
▲ 20
▲ 40
▲ 60
15/1
2
3
4
5
6
7
8
9
(資料)観光庁「宿泊旅行統計調査」
13
10
11
12
16/1
2
3
4
5 (月)
(億円)
(図表 17)インバウンド消費額の推移<九州・沖縄>
2,000
1,800
一時上陸分
1,600
通常分
1,400
1,497億円
1,372億円 (+25.5%)
(+64.9%)
1,630億円
1,243億円
1,193億円
1,200
1,000
832億円
800
600
400
200
0
15/1‐3月
4‐6月
7‐9月
10‐12月
16/1‐3月
4‐6月
(注1) 観光庁「訪日外国人消費動向調査」、法務省「出入国管理統計」をもとに当店で推計。
(注2) 一時上陸者数については、本稿公表時点で 6 月の計数が公表されていないため、
5 月の一時上陸者数と横這いと仮定して試算した(博多港寄港のクルーズ船の総
定員数は 4 月 6.9 万人、5 月 9.0 万人、6 月 8.5 万人)。
(注 3)グラフ上の括弧内計数は、前年同期比を示す。
(資料)観光庁「訪日外国人消費動向調査」、法務省「出入国管理統計」
20
(万円)
(図表 18)外国人一人当たり旅行消費額
九州・沖縄
18
全国
16
▲5.4%
▲9.9%
14
12
▲1.5%
10
▲6.8%
8
15/1‐3月
4‐6月
7‐9月
10‐12月
16/1‐3月
(注 1)九州・沖縄は、観光庁「訪日外国人消費動向調査」をもとに当店で推計。
(注 2)グラフ上の計数は、前年同期比を示す。
(資料)観光庁「訪日外国人消費動向調査」
14
4‐6月
(図表 19)国籍別にみた外国人一人当たり旅行消費額
(全
(万円)
国)
35
中国
韓国
台湾
香港
30
米国
▲11.8%
25
▲22.9%
20
+3.4%
15
+4.9%
▲7.8%
▲13.0%
▲2.5%
10
5
▲6.2%
▲14.4%
▲6.3%
0
15/1‐3月
4‐6月
7‐9月
10‐12月
16/1‐3月
4‐6月
(注)グラフ上の計数は、前年同期比を示す。
(資料)観光庁「訪日外国人消費動向調査」
(図表 20)外国人旅行消費単価に関する当地小売業からの声
業
種
聞かれている声
本年入り後、インバウンド客の買上単価が低下している。免税売上を商品別にみ
ると、腕時計や宝飾・貴金属といった高額品の販売額が減少している一方で、化
百貨店
粧品やベビー用品など相対的に単価が低い商品の販売が増加しており、
“爆買い”
からの変化を感じている。
インバウンドの客単価をみると、中国における関税強化(4月)や、このところ
の為替円高を背景に中国人の買上単価が低下しており、とりわけクルーズ船で当
商業施設
地を訪れる団体客において顕著となっている。もっとも、これまでの買上単価が
あまりにも上がり過ぎであったと感じており、過度に悲観してはいない。
中国での関税強化や為替円高により中国人客の“爆買い”がこのところ落ち着い
ている。一方で、このところ中国を中心とした訪日旅行者が団体客から個人客へ
商業施設
移りつつあることなどを背景に“こだわり消費” の傾向が窺える。
(注)当店でのヒアリング情報をもとに作成。
以
15
上
【参考1】本稿で使用するインバウンドの定義
▽定 義
訪日外国人旅行者数
入国外国人数
外国人宿泊者数
(延べ数)
・法務省「出入国管理統計」を用いて、外国人正規入国者か
ら日本を主たる居住国とする永住者等の外国人を除き、これ
に一時上陸者を加えた数<【参考 2】②+③>
・法務省「出入国管理統計」集計による外国人正規入国者の
1頁
総数(一時上陸者は含まない)<【参考 2】①+②>
脚注 2 ・本文中では、これに一時上陸者を加えたものを「入国外国
人数(一時上陸者を含む)」と記述<【参考 2】①+②+③>
2頁
・観光庁「宿泊旅行統計調査」における全宿泊者数のうち、
脚注 5 日本国内に住所を有しない宿泊者の延べ人数
1頁
脚注 1
【参考2】九州・沖縄における訪日外国人旅行者数の推計方法<前回トピックスと同様>
JNTO「訪日外客数」(全国)の定義に極力ならう形で、以下の推計方法により算出。計数は法務省「出入
国管理統計」を用いている。
訪日外国人旅行者(②+③)
一時上陸者
永住者
等
(①)
永住者等を除く入国外国人
(②)
(寄港地上陸・
通過上陸・
船舶観光上陸)
(③)
入国外国人(①+②)
九州・沖縄における
訪日外国人旅行者数
=
九州・沖縄の
入国外国人数
×
永住者等を除く
入国外国人の比率
(全国・全国籍)
+
九州・沖縄の
一時上陸者数
入国外国人に占める永住者 1 等の比率については、港別に計数を取得することができないため、全国・全国
籍の在留資格別入国外国人数の比率を用いている。
一時上陸者数 2(通常の入国手続きの代わりに、より簡便な寄港地上陸・通過上陸・船舶観光上陸に係る手
続きによって訪日した外国人数)については、港別の「特例上陸許可人数」から九州・沖縄分を集計。
1
永住者等とは、出入国管理統計における入国外国人の在留資格に基づき、
「永住者、特別永住者、日本人の配偶者等、永住者
の配偶者等、定住者、一時庇護」の合計とした。
2
通過上陸、寄港地上陸、船舶観光上陸のいずれかの簡易な手続きで上陸を認める制度に基づき入国を認められた外国人旅行
者。2012 年 6 月より、「寄港地上陸許可」制度(一部のクルーズ船を対象とし、かつ 72 時間以内の上陸に限定)として運用が
開始され、15 年 1 月からは、「船舶観光上陸許可」制度として対象船舶の拡大および上陸期間の長期化(最大 30 日間まで上陸
可能)を図る形でより利用しやすい制度に改正されている。
16
【参考3】九州・沖縄における訪日外国人旅行消費額の推計方法<前回トピックスと同様>
観光庁が算出している全国の訪日外国人旅行消費額の算出方法に極力ならう形で、以下の推計方法により
算出。九州・沖縄それぞれに訪れた外国人旅行者数は、参考 2 で示した方法により推計。平均旅行消費額(注)
は観光庁「訪日外国人消費動向調査」を用いている。
(注)パッケージツアー参加費の国内収入分を含むベース(詳細は観光庁公表資料参照)
。
九州・沖縄における
訪日外国人旅行消費額
九州を訪れた
外国人旅行者数
=
×
沖縄を訪れた
外国人旅行者数
+
福岡空港または博多港から入国した
外国人の平均旅行消費額
×
那覇空港から入国した
外国人の平均旅行消費額
上記のうち、
「福岡空港または博多港から入国した外国人の平均旅行消費額」については、以下の通り入国
ルート(空港・海港)別にそれぞれ福岡空港、博多港の入国者の平均旅行消費額を用いている。
福岡空港から入国した
外国人の平均旅行消費額
博多港から入国した
×
+ 外国人の平均旅行消費額 ×
九州のいずれかの空港から
入国した外国人数
九州のいずれかの海港から
入国した外国人数
÷
九州全体の
入国外国人
以
17
上
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