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熊野都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針 計

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熊野都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針 計
熊野都市計画
都市計画区域の整備、開発及び保全の方針
計
三
画 書
重
県
=目 次=
はじめに
第1章
東紀州圏域における都市計画の目標
1
1
圏域・都市計画区域の現状と計画
1
2
圏域・都市計画区域において都市計画が担うべき中心課題
4
3
都市計画の理念と目標
5
4
圏域・都市計画区域の将来都市構造図
7
5
東紀州圏域における今後の課題
13
第2章
1
土地利用規制の基本方針
第3章
区域区分の要否
主要な都市計画の決定方針
15
15
15
1
土地利用に関する主要な都市計画の決定方針
15
2
都市施設の整備に関する主要な都市計画の決定方針
17
3
市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定方針
19
4
自然的環境の整備又は保全に関する都市計画の決定方針
20
5
地域の特性に応じて定めるべき事項
21
土地利用構想図
23
はじめに
「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」(都市計画区域マスタープラン)
は、都市計画法第 6 条の 2 の規定に基づき、都道府県が当該都市計画区域全体を対
象として、広域的見地から、区域区分をはじめとした都市計画の基本的方針を定め
るものです。
そのため、都道府県は、当該都市計画区域の人口、産業等の現状及び将来の見通
しを踏まえ、住民にわかりやすい形であらかじめ長期的な視点に立った都市の将来
像やその実現に向けての大きな道筋を明らかにし、市町が策定する「市町村の都市
計画に関する基本的な方針」(市町マスタープラン)と連携して、地域の特性を生
かした都市計画の実現をめざします。
三重県では、都市計画区域マスタープランの改定に先立ち、「三重県都市マスタ
ープラン改定基本方針」
(以下「改定基本方針」という。)を策定し、三重県の県土
全体として総合的、一体的観点から概ね共通する都市づくりの方向を示しています。
また、改定基本方針において、これまでのまちづくりにより形成された都市構造
に配慮しつつ実態の都市活動に見合う範囲で、より広域の見地から都市や地域の構
造を捉え、都市構造やインフラに大きな影響がある都市機能を調整する場として圏
域を設定し、県が都市計画法に基づき、広域調整を行うこととしております。
そのため、第1章では、圏域全体としての広域的な観点から展望した概ね 20 年
後の将来都市像や都市づくりの目標を示します。
第2章以降は、第1章の圏域全体の都市計画の目標を実現するために、当該都市
計画区域における概ね 10 年間の具体的な都市計画の方針を定めることとし、基準
年を平成 22 年、目標年次を平成 32 年とします。
熊野都市計画区域
第1章 東紀州圏域における都市計画の目標
1 圏域・都市計画区域の現状と計画
(1)圏域・都市計画区域の現状
【構成市町】
・尾鷲市、熊野市、紀北町、御浜町、紀宝町の2市3町
【構成都市計画区域】
・尾鷲都市計画区域(尾鷲市の一部)
・熊野都市計画区域(熊野市の一部)
・紀伊長島都市計画区域(紀北町の一部)
・御浜都市計画区域(御浜町の一部)
ア
【東紀州圏域位置図】
地勢、人口、産業
本圏域は、県南端に位置し、熊
大紀町
大台町
野灘と紀伊山地に東西を挟まれ、
北部は奈良県や大台町と大紀町に、
紀北町
南部は和歌山県新宮市に接してい
ます。豊かな自然環境に恵まれて
いる一方、地形条件が厳しいため、
尾鷲市
都市的土地利用は、熊野灘沿岸に
限定されています。
熊野市
圏域全体の人口及び世帯数の減
少率と高齢化率は、県内で最大と
御浜町
なっており、今後も減少傾向が継
続すると予測されています。
紀宝町
また、製造品出荷額や商品販売
人 口 千( 人
額については、圏域全体で減少傾 【圏域内市町別人口の推移と予測】
向が継続しています。
本圏域では、熊野灘や紀伊山地
30
25
)
の山林を背景とし、尾鷲ヒノキや
熊野スギで知られる林業や沿岸・
20
沖合漁業、養殖等の水産業が主要
15
産業となっていますが、担い手の
10
育成等の課題があります。
また、農業については、農業産
5
出額、経営耕地面積、就業人口、
0
農家数ともに減少傾向にあり、担
平成7年
い手の育成も課題となっています
が、柑橘栽培が盛んな地域特性を
1
平成 12 年
平成 17 年
平成 22 年
尾鷲市
熊野市
御浜町
紀宝町
平成 27 年
平成 32 年
紀北町
熊野都市計画区域
生かし、新ブランド開発等の取組 【圏域内市町別製造品出荷額の推移】
製 造 品 出 荷 額 億( 円
も行われています。
なお、社会経済情勢が絶えず変
化する中、本圏域においては、今
後も人口減少及び高齢化の進行が
)
予想されています。
イ
700
600
500
400
市街化動向(新築等)
300
圏域内の新築(住居系・商業系・
200
工業系)の大半が住宅系であり、
100
地形条件が厳しいことから、立地
平成 12 年
平成 7 年
は熊野灘に面する各市街地や国道
尾鷲市
御浜町
42 号沿道に限定されていますが、
平成 17 年 平成 19 年
熊野市
紀宝町
紀北町
圏域南部では、国道 42 号の後背地
への立地も見られます。
ウ
道路・交通
骨格である国道 42 号に国道 260 号や国道 309 号、国道 311 号、国道 422 号、
国道 425 号等が結びついた幹線道路網が形成されている中、近畿自動車道紀勢
線や熊野尾鷲道路の整備が進められています。
これにより、災害発生時のリダンダンシー(代替性)の強化だけでなく、圏
域の一体性を高めることにつながるほか、中南勢圏域や伊勢志摩圏域等との広
域連携の強化につながることも期待されています。
公共交通については、JR紀勢本線の利用者数が 10 年間で 20%以上減少し
ていることや平成 17 年から平成 19 年にかけて廃止されたバス路線が2路線あ
るなど、本格的な高齢社会に対応した、公共交通のサービス水準の確保が懸念
されています。
また、通勤・通学時は、自動車利用の増加傾向と公共交通利用の減少傾向が
顕著になっています。
エ
自然環境、災害等
吉野熊野国立公園の豊かな自然環境と「世界遺産・熊野古道」を擁する全国
的に著名な観光地であり、「世界遺産・熊野古道」を主体とした三重県南部地
域一帯を対象とする「伊勢熊野みち」が日本風景街道に登録され、更なる観光
振興に向けた取組が行われています。
しかし、東海地震、東南海・南海地震の被害想定においては、津波の発生が
危惧されるなど、都市機能や人口が集積する沿岸部を中心に、大きな被害の発
生が想定されています。
また、地球温暖化に伴う気候変動等の影響もあり、風水害や土砂災害の発生
が懸念されています。
2
熊野都市計画区域
(2)圏域・都市計画区域の計画
本圏域は、豊かな自然環境や歴史・文化の核となる「世界遺産・熊野古道」
の保存と活用のための多様な取組を進めることとしています。
また、地域が一体となって産業振興、観光振興等を総合的に推進するため、
第一次産業資源の高付加価値化による商品開発や販路開拓を支援するととも
に、地域資源を生かした企業誘致や観光・交流産業の創出についても重要な取
組となっています。
このような中、圏域内外との交流を促進する近畿自動車道紀勢線や熊野尾鷲
道路といった交通基盤、三木浦漁港等の水産基盤の整備が進められるほか、安
全で安心できる生活環境を確保するための広域防災拠点の整備、河川整備、大
型防潮扉の動力化、救急・へき地医療体制が整備されることとなっています。
なお、市町においては広域交流・地域振興に向け、さまざまな取組が進めら
れています。
3
熊野都市計画区域
2
圏域・都市計画区域において都市計画が担うべき中心課題
本圏域においては、いわば都市の縮退の様相を示しており、圏域内での取
組もさることながら、広域交流を生かした地域活性化、自然環境や歴史・文
化資産の保全を両立させる取組が必要です。
また、近畿自動車道紀勢線及び熊野尾鷲道路の供用後の効果を見通し、そ
れらを圏域として取り込むための拠点・施設整備が必要です。
このため、幹線道路網の整備については、都市機能を集約する観点を持ち
つつ、本格的な高齢社会における重要な移動手段である公共交通ネットワー
クとの連携を図るための交通結節点及び周辺の整備が必要です。
また、既存の市街地においては、生活利便性を向上させ、定住に結びつけ
るための既存ストックの有効活用を促進するほか、特に中心市街地について
は、広域交流を取り込んだ商業集積の促進により、圏域全体の活性化に結び
つけることが必要です。
市街地の周辺は、優良農地の保全を図りつつ、地域のコミュニティ支援を
目的とする適切な土地利用規制及び誘導を図ることが必要です。
一方、本圏域にある豊かな自然環境や「世界遺産・熊野古道」、個性ある
歴史・文化資産については、後世にいたるまで保全を図ることを前提にしつ
つ、観光への利活用を図り、広域交流を促進することが必要です。
更に、沿岸部を中心に地震災害による大規模な被害が想定されていること
や風水害の発生が懸念されていることから、災害に強いまちづくりに向けた
都市基盤整備等を進めることが必要です。
4
熊野都市計画区域
3
都市計画の理念と目標
『新しさと懐かしさがふれあい、
美しい風景の中にとけあうまち』
自然・文化活用ゾーンの重要な役割を果たす圏域として、高速道路
の供用を契機とした広域交流の拡大及び地域振興の展開を進める一
方、「吉野熊野国立公園」
「世界遺産・熊野古道」等の自然交流地区・
拠点、歴史・文化拠点の保全・利活用をそれぞれ達成し、持続的に発
展し続けることを将来目標に掲げます。
(1)持続可能な地域づくり
-都市機能の集約化と相互扶助による生活利便性を確保した圏域づくり-
自然環境との共生や地球温暖化対策としての環境負荷の低減、都市の縮退傾
向、本格的な高齢社会に対応した都市づくりに向け、都市機能を維持するため
の拠点(広域拠点や地域拠点等)の形成と公共交通による円滑な都市活動の支
援を促進し、圏域内の各都市における相互扶助による圏域づくりを進めます。
特に中心市街地は、集約型都市構造の要として、交通結節点及び周辺等にお
いて、公共交通の利用促進とともに、これまで集積させてきた既存ストックを
活用し、更なる都市機能の集約を図ります。
なお、都市構造に大きな影響を及ぼす大規模集客施設については、中心市街
地以外への新たな立地を抑制するなど、集約型都市構造の構築に向けた立地の
適正化を図ります。
(2)地域活力の維持・向上
-多様な自然環境や歴史・文化拠点を活用した広域交流と
地域振興による圏域づくり-
新たに整備される近畿自動車道紀勢線及び熊野尾鷲道路の効果を適切に受
け止めるための幹線道路網を整備するとともに、それらを市街地まで適切に誘
導することで広域交流を促進します。
更に、多様な自然環境や歴史・文化拠点を活用した観光振興に結びつけるこ
とで活力ある圏域づくりを進めます。
5
熊野都市計画区域
(3)安全で快適な生活環境の創造
-災害に強く、人にやさしい圏域づくり-
防災・減災に向けて必要な都市基盤整備や体制づくりを促進し、災害に強い
都市づくりを進めるとともに、災害時の防災・医療の拠点と各地域の連携につ
いても強化し、安全・安心な生活を可能とする生活環境づくりを進めます。
本格的な高齢社会に対応するため、高齢者や障がい者、子ども等の全ての
人々が安全で安心して生活できる生活環境を形成するため、ユニバーサルデザ
インを考慮しながら施設の整備・維持を図ります。
(4)美しく魅力と個性にあふれる地域づくり
-魅力と個性を生み出す地域づくりによる多様性のある圏域づくり-
吉野熊野国立公園をはじめとする自然環境と「世界遺産・熊野古道」に代表
される歴史・文化資産等、多様な地域資源を生かした、地域独自の取組を支援
することで、個性ある地域づくりを進めるとともに、それらを連携させること
で、さまざまな魅力があふれる圏域づくりを進めます。
(5)県民が主役の地域づくり
都市づくりの主役は県民であることから、県民の参画と協働による取組を推
進するため、県民が参画しやすい環境づくりを進めます。
このため、都市計画や都市づくりに関する知識の普及や積極的な情報提供を
行うとともに、県民意見の反映機会の増加を図ります。
6
熊野都市計画区域
4
圏域・都市計画区域の将来都市構造図
(1)拠点的市街地の形成
ア
持続可能な地域づくり
-都市機能の集約化と相互扶助による生活利便性を確保した圏域づくり-
(ア)広域拠点
広域拠点は、集約型都市構造の要となる中心市街地であり、交通結節点
周辺に市町を越えた広域から、公共交通等の利用によって多くの人やモノ
を集め、商業・業務、文化等の広域交流や都心居住を促進する多様な都市
機能を集約させる区域として位置づけます。
広域拠点は、今後も新たな大規模集客施設の立地を許容するほか、大規
模集客施設以外の商業・業務、文化等の各都市機能の集約を図ることで、
定住化を促進・支援します。
(イ)地域拠点
地域拠点は、生活圏内の居住者が徒歩または公共交通等により、到達可
能な主要駅・役場・支所等を核に日常サービスを受けられる都市機能の集
約を図る区域を対象に位置づけます。
地域拠点は、地域の利便性を高める都市機能の集約を図るとともに、広
域拠点及び地域拠点相互の連携を強化し、集約型都市構造を支えます。
イ
地域活力の維持・向上
-多様な自然環境や歴史・文化拠点を活用した広域交流と
地域振興による圏域づくり-
(ア)交流拠点
地域の個性を生かし、広域交流を行う観光施設等については、交流拠点
として位置づけ、交流による地域活力の維持向上を図る区域として、アク
セスの向上や相互連携を促し更なる交流を促進します。
ウ
安全で快適な生活環境の創造
-災害に強く、人にやさしい圏域づくり-
(ア)広域的な防災拠点
広域的な防災機能を備えた施設や災害時に拠点となる医療機関等を広
域的な防災拠点として位置づけ、地域との連携強化により、圏域の防災機
能の向上を図ります。
エ
美しく魅力と個性にあふれる地域づくり
-魅力と個性を生み出す地域づくりによる多様性のある圏域づくり-
(ア)自然交流地区・自然交流拠点
自然公園区域については自然交流地区、県営公園等の広域的な公園や自
然公園区域内等にある自然環境を生かした交流活動施設等を自然交流拠
点としてそれぞれ位置づけ、アクセスの向上を促すなど、魅力あふれる圏
域の形成を図ります。
7
熊野都市計画区域
(イ)歴史・文化拠点
歴史・文化拠点については、個性ある歴史・文化、景観を生かした魅力あ
る地域づくりを行う区域や施設を位置づけ、地域づくりの支援やアクセスの
向上を促進し、個性豊かな圏域の形成を図ります。
◆
将来圏域構成(拠点)
拠点名
広域拠点
地域拠点
市町名
尾鷲市
熊野市
熊野市
紀北町
御浜町
紀宝町
都市計画区域
尾鷲
熊野
-
-
紀伊長島
御浜
-
尾鷲
尾鷲市
-
熊野市
交流拠点
熊野市/御浜町
紀北町
熊野
-
熊野/御浜
紀伊長島
-
広域的な
防災拠点
自然交流地区
御浜町
御浜
紀宝町
-
尾鷲市
尾鷲
熊野市
御浜町
尾鷲市/熊野市/御浜町/
紀宝町
尾鷲市
熊野
御浜
尾鷲/熊野/御浜/都市
計画区域外
-
熊野
自然交流拠点
熊野市
-
紀北町
歴史・文化拠点
尾鷲市/熊野市/紀北町/
御浜町/紀宝町
紀伊長島/都市
計画区域外
尾鷲/熊野/紀伊長島/
御浜/都市計画区域外
8
拠点名称
尾鷲市役所(JR尾鷲駅)周辺
熊野市役所(JR熊野市駅)周辺
紀和総合支所周辺
紀北町役場(JR相賀駅)周辺
紀伊長島支所(JR紀伊長島駅)周辺
御浜町役場(JR阿田和駅)周辺
紀宝町役場(JR鵜殿駅)周辺
尾鷲港(イタダキ市)
熊野古道センター・夢古道おわせ
みえ尾鷲海洋深層水アクアステーシ
ョン・おわせ深層水しお学舎
山崎運動公園
道の駅「熊野きのくに」
里創人 熊野倶楽部
道の駅「紀伊長島マンボウ」
長島港(きいながしま港市)
道の駅「海山」
七里御浜海岸、道の駅「パーク七里御
浜」、コースタル・コミュニティ・ゾ
ーン
道の駅「紀宝町ウミガメ公園」
東紀州(紀北)広域防災拠点
尾鷲総合病院
尾鷲港
東紀州(紀南)広域防災拠点
紀南病院
吉野熊野国立公園
三木里海水浴場
新鹿海水浴場
鬼ヶ城・大泊海水浴場
丸山千枚田
湯ノ口温泉・入鹿温泉瀞流荘
熊野灘臨海公園(3地区)
世界遺産・熊野古道
熊野都市計画区域
(2)連携軸(プロジェクトの連携、交通体系の連携等)の形成
連携軸は、圏域内の各拠点や圏域と他圏域、県外との相互連携を支援するも
のとし、以下に示す各要素を位置づけます。
◆
将来圏域構成(連携軸)
連携軸名
広域連携軸
位置づけ
◆
主に、広域拠点、地域拠点等
高速道路等の高規格幹線道
路・圏域外を連絡する国道、
鉄道及び主要航路
圏域内の国道及び主要な県
の圏域内の拠点間の連携や産業
道等
誘導を担う幹線道路
(幹線バス交通を含む)
◆
拠点間連携軸(鉄道)
主に、圏域間や県外との連携
を担う幹線道路、鉄道及び航路
◆
拠点間連携軸(道路交通)
対象
主に、広域拠点、地域拠点等
の圏域内の拠点間の連携や産業
鉄道
誘導を担う鉄道
◆
防災連携軸
災害時に広域的な防災拠点や
関係拠点を結び、物資輸送等を
緊急輸送道路
担う幹線道路
歴史連携軸
◆
地域の歴史や文化を連携する
歴史的な街道
9
主要な歴史的街道
熊野都市計画区域
◆
東紀州圏域構造図
【持続可能な地域づくり】
・都市機能の集約化と相互扶助による生活利便性を確保した圏域づくり
【地域活力の維持・向上】
・多様な自然環境や歴史・文化拠点を活用した広域交流と
地域振興による圏域づくり
【安全で快適な生活環境の創造】
・災害に強く、人にやさしい圏域づくり
【美しく魅力と個性にあふれる地域づくり】
・魅力と個性を生み出す地域づくりによる
多様性のある圏域づくり
※広域連携軸及び拠点間連携軸は、本計画策定時
の道路及び計画・構想を示したものです。
10
熊野都市計画区域
(3)拠点的市街地整備の方針
ア
広域拠点における土地利用の方針
広域拠点は、商業・業務、文化、居住機能等の多様な都市機能を集約させる
ことで中心市街地の活性化を図るため、必要な都市計画制度を適用しつつ、市
街地整備を進めます。
また、尾鷲市都市マスタープランに位置づけられた中心商業業務市街地及び
熊野市都市マスタープランに位置づけられた商業地及び沿道複合地について、
商業地域や近隣商業地域の都市計画決定を行ったうえで、その中心となる鉄道
駅等から約1㎞の範囲において、新たな大規模集客施設の立地を許容します。
上記以外の商業地域や近隣商業地域及び準工業地域は、大規模集客施設の立
地を抑制するため、市町のまちづくり方針に基づき特別用途地区の併用指定等
を行います。
イ
地域拠点における土地利用方針
地域拠点として位置づけた区域は、地域コミュニティの中心にふさわしい空
間の形成を図るため、用途地域の指定や地域住民の日常生活の利便性向上を目
的とする地区計画の適用等について検討します。
都市計画区域外にある地域拠点については、日常生活の利便性向上を図るた
め、都市計画法以外の法制度と連携して土地利用コントロールを図ります。
ウ
交流拠点における土地利用の方針
交流拠点として位置づけた観光施設等については、交流による地域活力の維
持向上に資するためのアクセスの向上や相互連携を促進します。
また、交流拠点周辺は、地区計画や景観地区の適用、都市計画法以外の法制
度との連携等により、当該施設にそぐわない土地利用の抑制や周辺の景観との
調和を図ります。
エ
広域的な防災拠点における土地利用の方針
広域的な防災拠点として位置づけた各施設については、施設の維持・活用を
図るため、周辺地域の市街地整備やアクセス道路沿道の公共施設等の耐震化を
進めるなど、拠点周辺地域の防災性向上を図ります。
オ
自然交流地区・自然交流拠点における土地利用の方針
自然交流地区や自然交流拠点として位置づけた区域については、地域の豊か
な自然環境を生かした交流を促進するため、風致地区の適用等や都市計画法以
外の法制度との連携等により、区域の保全を図ります。
カ
歴史・文化拠点における土地利用の方針
歴史・文化拠点として位置づけた区域については、個性ある歴史・文化、景
観を生かした魅力ある地域づくりを行うため、当該区域の周辺を含めて景観地
区等の地域地区や地区計画等の適用を図るほか、都市計画法以外の法制度との
連携により区域の保全を図ります。
11
熊野都市計画区域
(4)集約型都市構造の構築を支援する都市施設整備等の方針
集約型都市構造の構築に資する拠点的市街地整備にあたっては、都市機能に
応じた拠点の形成とともに、相互に連携させることが重要であり、圏域構造を
見据えながら、それらを支援する公共交通を含めた総合的な交通体系の構築が
必要です。
道路については、近畿自動車道紀勢線及び熊野尾鷲道路の供用を契機に、広
域連携を圏域として確実に受け止めるため、交流拠点や自然交流地区・拠点、
歴史・文化拠点と市街地とを連携する周遊ネットワークの形成を進めるととも
に、既存ストックを有効に活用しながら、交通需要や都市機能を連携させ、安
全性や沿道環境を考慮し、道路の役割に応じた道路ネットワークの構築を進め
ます。
また、「三重県都市計画道路の見直しガイドライン」に基づき、県と市町の
協働によって、長期未着手になっている都市計画道路に係わる必要性の検証や
見直し等を進めます。
公共交通については、本格的な高齢社会への対応や環境負荷の低減において
重要性が高まっており、鉄道駅やバス停等の交通結節点及び周辺整備等を進め、
歩行者や自転車等の交通との結節を強化するなど、公共交通の利便性を高め、
利用促進を図ります。
多くの人が集まる拠点については、ユニバーサルデザインを考慮しながら、
多様で良好なアクセスを可能とする交通体系の形成を促進するとともに、周辺
地域では歩行者や自転車等の安全性を高め、休憩施設やたまり空間を備えた快
適な歩行系ネットワークの形成を図ります。
また、地域の歴史・文化、景観等を生かしながら、沿道のまちづくりととも
に、良好な沿道景観の保全・創出を図ります。
市街地への都市機能の集約を支援するため、都市施設の計画的・効率的な整
備を図ります。
12
熊野都市計画区域
5
東紀州圏域における今後の課題
(1)一体の都市の形成に向けた当面の取組
本圏域では、尾鷲市と紀北町及び熊野市と御浜町、紀宝町をそれぞれ中心と
する生活圏が構築されていますが、今後、近畿自動車道紀勢線及び熊野尾鷲道
路の供用による広域連携の強化や都市活動の変化を見極めたうえで、一体の都
市の範囲を検証します。
従って、当面は、隣接・近接都市計画区域とのつながりを意識しながら、都
市計画区域ごとに、広域拠点を中心とした各拠点への都市機能の集約を進め、
集約型都市構造の構築に取り組むとともに、都市としての縮退傾向を見せてい
ることを考慮し、地域コミュニティの維持についても取り組みます。
一方、基幹産業である観光については、近畿自動車道紀勢線及び熊野尾鷲道
路の供用に伴う広域連携の強化や熊野古道の世界遺産、日本風景街道への登録
に伴う地域活動の高揚を、都市の縮退を抑制する機会としてとらえ、その実現
に向けた都市基盤の充実に取り組みます。
更に、広域連携が強化されることに伴い、特産品である材木、みかん等の農
林水産物の流通面において、中部圏や関西圏との結びつきが強まることが見込
まれるため、これらを生かした取組を圏域で一体的で促進します。
今後は、尾鷲と熊野の相互連携を更に強化し、相乗効果を生み出す取組を行
うとともに、幹線道路の整備等にあたっては、沿道に都市機能を無秩序に拡散
させないことを念頭に置いた土地利用コントロールについてあわせて取り組
みます。
また、今後、都市計画区域外の一定の範囲において、市街化動向が見られる
場合は、都市計画区域への編入や準都市計画区域の指定等、適切な対応を図り
ます。
13
熊野都市計画区域
(2)都市計画区域と都市計画区域外との関連性
ア
紀北町(相賀地区)の都市計画区域外の区域
現段階において、市街化圧力の高まりは見られませんが、隣接して近畿自動
車道紀勢線海山インターチェンジ(仮称)の整備が予定されており、自然公園
法、森林法、農業振興地域の整備に関する法律等の対象外となっている区域が
あります。(いわゆる無指定地域)
このため、近畿自動車道紀勢線の整備進捗にあわせ、必要な調査を実施した
うえで、適切な土地利用規制の方法について検討します。
イ
紀宝町(鵜殿地区)の都市計画区域外の区域
現段階において、市街化圧力の高まりは見られませんが、紀宝バイパスや近
畿自動車道紀勢線の整備が計画されているとともに、自然公園法、森林法、農
業振興地域の整備に関する法律等の対象外となっている区域があります。
このため、紀宝バイパスや近畿自動車道紀勢線の整備状況を勘案し、必要な
調査を実施したうえで、適切な土地利用規制の方法について検討します。
14
熊野都市計画区域
第2章 土地利用規制の基本方針
1 区域区分の要否
本区域では、区域区分を適用しません。
本区域では、過去 10 年にわたって人口、世帯数が減少傾向にあり、今後も減
少傾向が継続することが見込まれます。
今後も急激な市街地の拡大や保全すべき自然環境等の阻害が見込まれないこ
とから、区域区分を適用せず、用途地域や特定用途制限地域の指定等による土地
利用規制・誘導を進め、無秩序な市街化を抑制します。
第3章 主要な都市計画の決定方針
1 土地利用に関する主要な都市計画の決定方針
(1)主要用途の配置方針
ア
住宅地
広域拠点では、良好な居住環境の形成や定住の促進、支援を図ります。
主要地方道七色峡線の後背地は、住宅地として位置づけ、土地利用の純化
を促進します。
良好な居住環境を備えた既存の住宅地では、定住人口を維持し、地域コミ
ュニティの維持、増進を図るとともに、徒歩や公共交通の利便性向上に向け
た支援を促進します。
低層・高密な住宅地では、良好な居住環境を形成するため、建物の建て替
え等にあわせて道路や公園等の都市施設の整備を進めます。
また、既存の集落地では、良好な居住環境を形成するため、道路や公園等
の都市施設の整備を進めます。
イ
商業・業務地
広域拠点では、広域交流や中心市街地の活性化、都心居住を支援する商業・
業務、文化等の都市機能の集約を図るため、商業地域または近隣商業地域の
用途地域の指定を進め、新たな大規模集客施設の立地を許容します。
15
熊野都市計画区域
(2)土地利用の方針
ア
土地の高度利用に関する方針
広域拠点では、商業・業務、文化等の都市機能の集約や定住を促進するた
め、土地の高度利用を図ります。
イ
用途転換、用途純化又は用途の複合化に関する方針
住商が混在する中心市街地等の区域では、居住環境の改善と商業施設との
調和を図るため、用途地域の指定による都市的土地利用及び用途の純化を促
進します。
国道 42 号沿道では、住宅や商業・業務等による複合的な土地利用の誘導を
促進します。
ウ
居住環境の改善又は維持に関する方針
主要地方道七色峡線の後背地は、狭隘な道路の沿道に低層・高密な住宅が
立地しており、良好な居住環境を形成するため、道路や公園等の都市施設の
整備を進めます。
また、地震による建物の被害を軽減するため、住宅等の耐震化を促進しま
す。
エ
都市内の緑地又は都市の風致の維持に関する方針
華城山や要害山に広がる緑地の保全を図るため、風致地区の指定を検討し
ます。
オ
優良な農地との健全な調和に関する方針
一団の優良農地については、引き続き保全を図ります。
カ
災害防止の観点から必要な市街化の抑制に関する方針
土砂災害の危険性の高い地域では、市街化を抑制するほか、水源涵養機能
を持つ山林の保全を図り、災害の防止に努めます。
また、産田川沿いの水源涵養機能を持つ山林や農地について、適切な保全
を図ります。
キ
自然環境形成の観点から必要な保全に関する方針
市街地周辺の樹林地や景観の保全を図ります。
「世界遺産・熊野古道」は、樹林地を含めて一体的に保全を図ります。
ク
計画的な都市的土地利用の実現に関する方針
熊野尾鷲道路の各インターチェンジ周辺では、今後の土地利用の動向を見
据えつつ、地域活力の増進に向けた土地利用の規制・誘導を計画的に進めま
す。
16
熊野都市計画区域
2
都市施設の整備に関する主要な都市計画の決定方針
(1)交通施設の都市計画の決定方針
ア
交通体系の整備方針
本区域では、骨格である国道 42 号に国道 311 号、主要地方道七色峡線等の
幹線道路が結びつくよう配置されている中、中南勢圏域や和歌山県を連携す
る近畿自動車道紀勢線及び熊野尾鷲道路の整備を促進し、広域交流並びに災
害発生時の代替路線の形成を図ります。
今後、これらの幹線道路は、将来都市構造における拠点を結ぶ連携軸とし
て、災害に強い道路整備を進めるとともに交通処理、空間形成、景観形成等
の諸機能の維持・増進を図ります。
また、環境や人にやさしく、誰もが円滑に移動できる公共交通網の形成を
図るため、JR紀勢本線熊野市駅を総合交通体系の要として位置づけ、自動
車交通、バス交通、自転車・徒歩との適切な連携を促進し、交通結節機能の
充実を図ることで総合交通体系の構築をめざします。
イ
主要な施設の配置方針
(ア)道路
a
高規格幹線道路等
熊野尾鷲道路の整備を促進し、広域交通体系の確立を図るほか、異常気
象時や災害発生時における代替性の確保を図ります。
また、近畿自動車道紀勢線については、計画策定にむけた調査を進めま
す。
b
幹線道路
本区域の骨格を形成し、隣接・近接する尾鷲都市計画区域、御浜都市計
画区域、紀伊長島都市計画区域や市街地及び集落との相互連携に資する国
道 42 号等については、幹線道路の機能を維持しつつ、機能強化に向け、必
要な整備を促進します。
圏域において拠点間連携軸として位置づけ、国道 42 号に結節しながら区
域内の広域拠点、交流拠点や自然交流地区・拠点、歴史・文化拠点等を相
互に連携する主要地方道七色峡線等の幹線道路については、必要な整備を
推進するとともに機能の維持を図ります。
圏域において防災連携軸に位置づけた幹線道路は、緊急輸送道路として
防災機能の維持や強化を図ります。
17
熊野都市計画区域
(イ)鉄道
圏域において広域連携軸として位置づけたJR紀勢本線については、本
格的な高齢社会に対応し、地球環境にやさしい交通機関として維持するた
め、交通結節点及び周辺の整備によって利便性を向上させ、利用促進を図
ります。
(ウ)その他
バス交通については、鉄道との一体的な利用を促進するための交通結節
点及び周辺の整備に加え、パーク・アンド・バスライド等、利用促進に資
する新たなシステムの導入について検討します。
市街地の郊外に所在する集落地等と市街地との連携については、高齢者
等の移動円滑化の支援やノーマライゼーションの推進のため、デマンドシ
ステム(バス、タクシー)、ボランティア輸送等の導入について検討します。
ウ
主要な施設の整備目標
概ね 10 年以内に整備(着手を含む)を予定する主要な施設は、以下に示す
とおりです。
■主要な施設の整備目標(道路)
種別
都市計画道路名
1・4・1 東紀州自動車道
道路
路線名
国道 42 号(熊野尾鷲道路)
-
国道 311 号(須野バイパス)
-
国道 311 号(遊木~新鹿)
-
国道 311 号(大泊)
-
主要地方道七色峡線
3・6・8 新鹿インター線
一般県道新鹿佐渡線
(2)下水道及び河川の都市計画の決定方針
ア
下水道及び河川の整備方針
本区域では、生活環境の改善や、河川等の水質保全を図るため、地域の状
況に応じた適切な生活排水処理を促進します。
区域内の河川については、自然環境や良好な水辺環境の維持等に配慮しつ
つ、産田川等の河川改修を進めます。
イ
主要な施設の配置方針
(ア)河川
産田川、志原川について、河川整備計画を策定し、自然環境や良好な水
辺環境の維持等に配慮しつつ整備を推進します。
18
熊野都市計画区域
ウ
主要な施設の整備目標
概ね 10 年以内に整備(着手を含む)を予定する主要な施設は、以下に示す
とおりです。
■主要な施設の整備目標(河川)
種別
河川
3
二級河川
事業箇所
産田川
志原川
市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定方針
(1)主要な市街地開発事業の決定方針
本区域が有する、土地の高度利用や居住環境の改善等の課題の解消を図る
ため、都市的土地利用の集積及び用途の純化を促進します。
JR熊野市駅と国道 42 号を結ぶ(都)熊野市駅前線沿道については、本区
域の玄関口となる区域であり、まち並み景観の形成、魅力的な商業店舗の集
積等、本区域の玄関口としてふさわしいまち並みの創出に向けて引き続き取
り組みます。
4
自然的環境の整備又は保全に関する都市計画の決定方針
(1)基本方針
吉野熊野国立公園に指定され、風光明媚な自然環境が保全されている海岸
線は、広域交流に資する重要な地域資源であることから、適切に保全を図り
ます。
市街地の郊外に所在する田園や山林等の豊かな自然環境については、保全
を前提としつつ、レクリエーションや防災への利活用、並びに公園の適切な
配置を促進します。
また、地球温暖化対策の観点から、都市施設の配置や土地利用を進めるう
えで、CO2 の吸収源となる緑地の保全と創出に努めます。
19
熊野都市計画区域
(2)主要な緑地の配置方針
ア
環境保全系統
自然公園区域(吉野熊野国立公園)に指定されている熊野灘に面した海岸
線については、将来にわたって風光明媚な自然地として位置づけ、自然公園
区域の指定を維持することで、適切な土地利用・自然環境の保全を図ります。
華城山や要害山等の市街地の緑地については、中心市街地の背景、まちな
かに潤いをもたらす緑として位置づけ、風致地区の指定に向けた検討を進め
ます。
生産林や山間部に点在する農村集落は、本圏域の特色を表現する魅力的な
景観を形成しており、今後も適切に保全します。
水源涵養機能や国土保全機能を持ち、地域漁業の維持にも寄与している環
境林については、今後も適切に保全します。
イ
レクリエーション系統
圏域における交流拠点として位置づけた山崎運動公園については、スポー
ツ・レクリエーション機能の充実を図ります。
新鹿海水浴場等の熊野灘沿岸の海岸線については、レクリエーション空間
として位置づけ、現在の良好な自然環境の保全・活用を図ります。
ウ
防災系統
災害時における避難場所として、市庁舎や小中学校等の公共施設を位置づ
け、必要な整備を促進します。
災害応急対策を備えた防災公園の整備を促進します。
また、海岸部においては高潮、侵食対策を図ります。
エ
景観構成系統
本区域における景勝地である七里御浜海岸については、魅力的な自然を引
き立たせるため、周辺での開発の抑制や屋外広告物規制等を図ります。
山間部の農村集落・森林等については、市街地や観光施設の背景となる魅
力的な自然的景観であるため、都市計画法以外の法制度によって保全を図り
ます。
(3)実現のための具体の都市計画制度の方針
「世界遺産・熊野古道」及び周辺については、熊野参詣道伊勢路景観保護
条例等の適切な運用により歴史的景観の保全を図ることに加え、眺望景観や
背景となる山間部の農村集落については、開発許可制度や都市計画法以外の
法制度によって保全を図ります。
20
熊野都市計画区域
5
地域の特性に応じて定めるべき事項
(1)その他の拠点的施設・区域の整備、開発及び保全の方針
ア
都市防災に関する方針
本区域では、豊かな自然環境や歴史・文化資源に恵まれている反面、地形
的制約が厳しく、風水害や土砂災害、地震災害が想定されることから、総合
的な防災対策を進めます。
また、本区域は、東海地震に関わる地震防災対策強化地域及び東南海・南
海地震に関わる地震防災対策推進地域の指定を受けていることから、三重地
震対策アクションプログラムの展開により、災害に強い都市基盤の整備を図
ります。
緊急輸送道路沿道の公共施設等の耐震化を進めるとともに、圏域で広域的
な防災拠点として位置づけた東紀州(紀南)広域防災拠点、紀南病院へのア
クセスの向上を図ります。
なお、東紀州(紀南)広域防災拠点については、交流拠点として位置づけ
た「里創人 熊野倶楽部」からの景観に配慮します。
市街地では、必要なオープンスペースや安全な避難路等の都市基盤につい
て、計画的な整備を図ります。
海岸部では、侵食や高潮防止対策として、防潮堤防等や海岸保全施設の整
備を進めます。
市街地や集落では、消防水利施設の整備や浸水被害防止のためのポンプ施
設等の防災施設の配置を促進します。
イ
自然環境・広域交流に関する方針
「世界遺産・熊野古道」は、交流の場としての整備を進め、地域の活性化
を図ります。
自然交流地区、自然交流拠点、交流拠点では、アクセスの向上を進めると
ともに、周辺部も含め、広域的な交流の場としてふさわしい景観の維持・形
成に努めます。
昔ながらの景観が残る区域では、地域住民との協働によるまち並み景観の
保全や雰囲気に合った景観形成を促進します。
鬼ヶ城等の既存観光資源は、周辺の景観整備や施設の更新を促進します。
自然環境が保全されている海岸部では、自然公園法等の適切な運用により
土地利用規制を行い、将来にわたり、適切に自然環境の保全を図ります。
ウ
歴史・文化・景観の保全及び利活用に関する方針
「世界遺産・熊野古道」の街道沿いについては、周辺の自然環境と一体と
なった歴史景観の保全を図ります。
市街地内において、まち並み形成を図るなど、歴史街道としての整備を促
進します。
21
熊野都市計画区域
(2)今後、区域として取り組むべき事項
本区域では、「世界遺産・熊野古道」等の豊かな地域資源を生かした広域
交流を促進することにより、地域の活性化を図ることとしています。
今後は、来訪者に対して、本区域の自然環境や歴史・文化資産の素晴らし
さをPRしつつ、リピーターを増加させるとともに、各拠点を連携する周遊
ネットワークや中心市街地等の整備を促進します。
更に、来訪者に対するもてなしの心を育てるなど、ソフト面の取り組みも
重要です。
22
熊野都市計画区域
■土地利用構想図
N
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