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国際分業による自動車部品生産物流体制の設計とその運用方法について
2−A−2 2001年度日本オペレーションズ。リサーチ学会 春季研究発表会 国際分業による自動車部品生産物流体制の設計とその運用方法について 片 山 博 KATAYAMAHiroshi 01103860 早稲田大学 01500665 広島大学 平木秀作ⅢRAKIShusaku 且.はじめに 近年のASEANヰ国圏域における自動車需要の伸 1010101010 芸㌦た=芸りは;妄り丑=妄りは=妄り′上 びとこの圏域における比較的脆弱な自動車部品 産業の構造を背景として、世界の広域自動車製造 業は、域内の適切な国々で必要な部品を生産し、 それらを海上物流を介して相互に融通し合う、い わゆる部品相互補完体制を導入。運用しつつ、積 極的にこの市場への進出を図っている。しかし、 その活動は圏域内重複投資の回避など巨視的な 意味での理論的妥当性が弱く、また、この圏域の 国々の健全かつ効果的な産業育成という視点と は必ずしも整合していない。そこで本研究では、 このような相互補完システムの構築を国際分業 体制及び広域生産物流オペレーションの設計問 題と捉えてその方法論を提案し、求めたシステム の特性を解析することによって、部品相互補完体 制構築のための知見を得ることを目的とする。 2。国際分業体制の設計モデル(ステップ1) 2。且。前提条件 <考察対象自動車部品> <ASEANにおける国産化率規制> 10 8 8 8 冨吼十Z独)帆)‰q 1tI 川 川伊 計■岨瓶十∑Z仙帆)‰範十芸 10 (帰‥・,10)(5) ≧■4 十Z此)¢十も)‰q 8∑同 ∼芸 (た=t…,8) (6) (ズ‘∫+Z‘わ)(1十5坤)りゎG‘∫ ≧dク 510 芸芸(ズ‘∫+Z‘わ)(叫わ)りゎG‘′ b=1,…,8) (7) <中国における国産化率規制> lD ㌦9…9端9十ろ9掴9凱晶十折+ろ99)…99‰茜9 ≧4 伯 ︵ 5∑吊 l(】l010】0 瓢q十ち9)q十折9q十ち9)柁9q+妄評∼十ろ泄昂付)‰q∫ +Zf”)(1+∫‘舛)り”G‘9 ∬ ≧d9 510 妄言(∬i′+Z“9)(1+∫i”)り′9Gi′ (9) 1:ピストン 5:エンジン電装品 8:ステアリング <使用記号> 2:シリンダー 6:エンジン 芳∫ 部品iのJ国における生産コスト ち エンジン組立国クが調達するエンジンサブ部品のコスト 9:プレス部品 7:ミッソヨン 3:バルブ 10:電装品等 4:シャフト Z此 部品iのJ固からた国までの輸送コスト ただし、1−5は、エンジン部品であり、これらを組立てることに よりエンジンが生産される。 ∫脱 却品iをた国が∼国から輸入する際の関税率 巧丑 部品iのJ国からた国への輸送計画盈(決定変数) <考察対象国> 仇 た国における年間乗用車需要盈(1998年実績を用いる) 1:タイ 5:ベトナム 8:ラオス 2:インドネシア 3:マレーシア 6:ミャンマー 9:中国 7:カンボジア C‘∫J国における部品iの生産能力 d上 た国における国産化率(た=1,,9) C汀 部品fのJ国における技術係数 10:日本 2。3.得られた結果 4:フィリピン 2。2。総コスト最小化数理計画モデル 以下に提案する総コスト最小化モデルにより国 際分業体制を求める【1】。 10101010 助言芸ちd¢+∫〟た)範+妄言Z餓¢+∫〟よ)‰よG6′ 101010 +妄言芸(ズ〟+Z此)(1+∫此)竹たG〟 (1.1) 5 10 ㌔=妄言(ズ〟+Z㌦+∫卸)㌦G〟 (1.2) ∫.g. 蓋り丑=βと 蓋り比≦Cf′ 享・ニヰ・こ、 (f=6,ttり10;鬼=1,…,10)(2) (i=1,‥・,10;Jヨ1,…,10)(3) (∫=1,…,5;クコJ丘1,…,10) ただし、(左辺のか(右辺のり(4) 図1.自動車部品の国際生産物流ネットワーク −174− © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず. *注1.図中の番号は部品のコード →は部品の輸送先 *注2.図中のグラフの黒塗り部分は自国内調達量、灰色 部分は輸出量、白塗り部分は海外調達量 3.広域生産物流システムの運用方法(ステップ2) 3.1.運用モデル 」J左=dJムー瑞 ¢=6,…1qた=t…1q−=t…36q (15.1) dJム=dJムー堵タ(i司…如コ1,…抑=t…36q (15.2) 月′£=芝草(2・瑚+掌何…1q軋1岬 (16) 前章で求めた生産物流ネットワークにPULL型物 v㌫=〃&=0 (17) 流スキームを導入し、部品の流れを図2に示す。 <使用記号> 車需要量 ‡期末のJ国における部品fのた国向け出荷量 V‘丑 〃ム ‘期のJ国における部品fのた国向け港湾在庫量 ′期の=引こおける部品iの組立前在庫量 月Jよ ム㍍ J国とた国間の海上輸送リードタイム 叫定職瀾首における部鋸の掴からた国への海上輸送量で、 什エ㍍期首に到着する。 図2.シミュレーションにおける部品の流れ 3.2.運用特性の評価指標 なお、図3及び式(10ト(17)にシミュレーションの フローチャートとモデルの構造式を示す。 部品過不足率(PartsJust−in−quantilyRate:PJR) (dJ長一d三)/朽×100【%】 (18) 自動車需要充足率(DemandFulfillmentRate:DFR) r (19) 言残/dニ×100【%】 3.3.部品配送ルールの提案と特性解析結果 (1)提案部品配送ルール 輸送計画量残(20)式がすべての部品配送先国で等 しくなるようにl′ム鬼を決定する。 り丑一唱璃十」璃十〃㌫十貰叫浩両}・一∨ふ ‘ り丑 図3.シミュレーションのフローチャート r=360 (2)特性解析結果 (10) (た=1,…,10;r=1,‥リ360) dヱ=仇(1+g‘) (11.2) 〃ふ=且㍍l+l′㍍l (12.1) (i=1,…,10;J胃1,…,10;た岩1,…,10;ーニ1,‖.,360) 】0 月′左=」′Jl十V憲十∑叫㌃㌔;‘ インド 四 エンジン (13) 加重 ネシ7 マレ 32.3 147.7 0 115.3 182.2 56.1 70.4 表2.DFRの平均及び総需要量による加重平均 (12■2) (12.3) f=2〝 のとき 叫㌃エち=0 表1.pJRの平均及び総需要量による加重平均 (11.1) 仇=吼/r J=2〝−1のとき 叫i㌻⊥屯=〃ニた,〃エ上=O (20) インド 国 フィ ヒdソ 中国 日本 加重 平均 ネシ7 DFR 99.58 99.08 100 100 100 98.51 98.73 4.結論 結果より、提案した方法論のフィージビリティ及 び有効性が確かめられ、ASEAN一中国圏域におけ (J=1,…,10,た=1,…,10,た¢J;r=1,…,360) ( (14・1) 瑞=肋(彗〃(〟㍑芸(dエー研) (f=6,…,10;たbl,…,10;‘=1,…,360) る広域自動車生産のための国際分業体制及びそ の道用方法についての有用な知見が得られたと 考えられる。 参考文献 】0 月;コ∑り丑′r(札・5,7,1帆・1q=し36q 【1】Katayama, . 島=肋(彗〃(〟卸∑竹〆/ト芸檻)) reg10n一■,InternationalJournalofQperationsandProduction Management,Vol.19,No.5/6,Pp.582−601(1999)・ (f=l,…,5;クコ1,…,10,‡=1,…,360) −175− © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.