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食生活の変化とアレルギーについて

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食生活の変化とアレルギーについて
2003年1月
提出
食生活の変化とアレルギーについて
指導教員
学
部
学籍番号
ク ラ ス
氏
名
草薙 信照
経営情報学部
99−5130
O−34
垣内 絵美
−目
次−
はじめに-----------------------------------------------------------------------------------------------------1
第1章
アレルギーの現状
1-1
アレルギーについて--------------------------------------------------------------------------------1
1-2
代表的なアレルギー疾患の特徴-----------------------------------------------------------------2
1-3
肩こり・偏頭痛と食物アレルギーの関連性---------------------------------------------------4
1-4
行動異常と注意欠加症-----------------------------------------------------------------------------4
1-5
果物アレルギー-------------------------------------------------------------------------------------------5
第2章
2-1
食生活について
アレルギー急増の理由----------------------------------------------------------------------------------6
2-2 食の欧米化-------------------------------------------------------------------------------------------------6
2-3
農薬漬けの食品-------------------------------------------------------------------------------------------7
2-4
遺伝子組み換え食品の実態----------------------------------------------------------------------------8
第3章
食物と上手く付き合うために
3-1 アレルギーチェック-------------------------------------------------------------------------------------9
3-2
体の防衛反応とアレルギーの関係-----------------------------------------------------------------11
3-3
アレルギーを発症しやすい条件--------------------------------------------------------------------12
3-4
まとめ-----------------------------------------------------------------------------------------------------13
考察---------------------------------------------------------------------------------------------------------------14
食生活の変化とアレルギーについて
はじめに
アレルギー疾患と呼ばれるものには、様々なものがある。
アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそく、花粉症、アレルギー性鼻炎・結膜炎、じんましん、
薬疹、アレルギー性白内障や、その他にも神経症状をきたすようなものと多種多様である。
こうしたアレルギー疾患は昔からあったものと、最近、急速に増えてきたものと違いがあ
るのだが、戦後、急激な増加傾向にあるという。しかし、30年ほど前でも非常に少ないも
のだったという。松延正之医師は、「知らないと怖い食物アレルギー」(河出書房新社)の中で、
『アトピー性皮膚炎にしても花粉症にしても、こうしたアレルギー疾患はひじょうに少なか
ったように記憶しています。花粉症という言葉そのものがありませんでした。医学的には”
春期カタル”と言っていました。カタルというのはラテン語で、「流れる」という意味です。
鼻水がでる、涙が流れる
春になると、そういう症状がでる人がいるので、春期カタ
ルと言われていました。しかし、そういう人は極めて稀な存在でした。アトピー性皮膚炎も
昔からありましたが極めて少なく人口に対して1パーセント未満だったと思います。スギ花
粉症の人が春期カタルといわれて大変珍しかったのと同じ様に、アトピー性皮膚炎も少なく
て新聞などで問題になり始めたのは、ここ20年くらいのことでしょう。』と述べている。
厚生省大臣官房統計情報に発表された資料では、現在、日本人の3人に1人が何らかのア
レルギー様症状を訴えているといわれている。日本人の人口は約1億2千万人であるから、
およそ4千万人も存在する事になるのである。また、これは10代、20代はおろか50代、
60代も含め、全年齢層の30∼40%に認められており、アレルギーは「文明のガン」と
も言われ、もはや、国民病とも言えるのである。
戦後、アレルギーが急増した理由として、食生活の変化が大きな原因の一つであるといわ
れている。しかし、他にも難しい問題はあり、便利な生活と引き換えにしてきた、大気や水、
土壌の汚染、さらには屋内、口にする食材、人の体内の汚染や遺伝子組み換え食品と刻一刻
と悪化の一途をたどる環境汚染の問題などが挙げられる。そして今日、日常のごく普通の食
べ物に過敏に反応してしまう『食物アレルギー』が、特に子供たちの間で急増しているとい
う事なので、食生活の変化とアレルギーの関連性について研究したい。
1
食生活の変化とアレルギーについて
第1章
1-1
アレルギーの現状
アレルギーについて
アレルギー反応は免疫反応の事で、免疫とは異物が体内に入ってきた時に排除する反応の
事で生体を維持する役割を持っている。異物排除反応が、生体に異常をきたす場合をアレル
ギーと呼び、アレルギーとは、生体を守るための反応である。
アレルギーが持続すると、体の重要な組織や臓器、例えば、肝臓、腎臓、心臓、脳細胞、
血液、血管などに障害が起こる可能性が出てくる。つまり、アレルギーは皮膚や眼、鼻など、
自分自身にすぐわかる部位を使った警告だという事ができる。一般的なアレルギーには、ア
トピー性皮膚炎、スギ花粉症、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、じんましんなどが挙げ
られるが、それらの症状には様々なものがある。アレルギーは死をもたらす、恐ろしい症状を
起こすのである。それが、劇症型アレルギー(アナフィラキシーショック)と呼ばれ、誰で
も突然発症する可能性のある症状なのである。『アナフィラキシーとは、フランスの生理学者
シャルル・リシェーによって提唱されたものです。抵抗力をつけるために注射したある物質
を再び注射すると、激しいショック症状を引き起こしてしまう場合があることから、抵抗(フ
ィラキシー)の反対(アナ)という意味で名づけられました。これは、原因となる物質(食
べ物、化学物質、ダニ、ホコリなど)と接触することによって突然、起こる全身の反応で、
アレルギーの暴走とも言う事ができます。
』と「知らないと怖い食物アレルギー」の中で紹介
されています。つまり、もともとアレルギー体質の人に加え、それまでアレルギー疾患をほ
とんど経験したことのない人にでも起こる可能性があるのである。
アナフィラキシーショックの症状としては、じんましん、顔面蒼白、全身の紅斑・紅潮、全
身の浮腫(むくみ)
、吐き気、嘔吐、下痢・腹痛、血便、せき、喘鳴(ゼイゼイ)、喉頭の浮腫、
呼吸困難、胸痛、どうき、不整脈、めまい、頭痛、血圧低下、意識混濁・意識消失、けいれん・・・
などの一部、あるいは全部が起こるという。こうした症状は、原因物質と接触して、早い場
合は、数分、多くは30分から2時間ほどで始まり数時間で収束していく「即時型」と5∼
6時間以上たってから始まり、数日間続く「遅延型(または遅発型)」の二つのタイプに分類
される。重症になる多くの場合は即時型で、病院に着く前に致死的な状況に陥ってしまう事
も少なくないという。
この様に、アレルギー疾患はとても恐ろしいものであると同時に、いつでも誰にでも発症
する恐れがあるのである。発症しないために、また、発症してしまった時にどのように対処
すればよいか正しい知識を身につける事が重要であると考える。
1-2
代表的なアレルギー疾患の特徴
現在、アレルギー疾患と呼ばれる症状には様々なもの存在するが、中でも代表的なものの
特徴を、ここでは取り上げている。
①アトピー性皮膚炎
2
食生活の変化とアレルギーについて
アトピー性皮膚炎は主に、乳児期(多くは三か月前後)に発症し、それ以前のものは、乳児
湿疹と呼ばれる良性の皮膚炎である場合が多い。年齢が小さい頃のアトピー性皮膚炎は、顔
面、頭部、頸部などに限られており、やがて全身に広がっていく。乳幼児期はジクジクした
湿疹が顔や頭にでき、耳の付け根が切れる事もある。学童期になると肌は乾燥し、腰、背中、
ひじやじざの裏側がコケのように盛り上がることもあり、成人になって発症する場合は、皮
膚や顔が紅潮したり、顔や首をはじめ全身がゴワゴワに乾燥し、かゆみも増していく。夏や
冬に悪化するケースも多いのである。この様に、経過が長くかゆみが強いのがアトピー性皮
膚炎の特徴であり、少なくとも1∼3か月の長期にわたり、同じ場所に湿疹がでないとアト
ピー性皮膚炎ではないのである。かつて、アトピー性皮膚炎は幼児期だけのもので成長する
にしたがって自然に治癒していくものだと考えられていた。
②気管支ぜんそく
ぜんそく発作を起こしている人の気管支は平滑筋がけいれんし、健康な時の太さの2分の
1∼3分の1くらいで、気道粘膜の浮腫(むくみ)と気管支分泌腺からの粘液分泌の増加が加
わり、気道が狭くなる。気管支の横断面を見ると、正常時は空気が通りやすくなっているが、
発作が起きると粘膜にむくみが生じ、平滑筋の収縮が加わる。さらに分泌物により、たんが
詰まり呼吸が苦しくなるのである。気管支ぜんそくの原因や素因として、ホコリ、カビ、花
粉をはじめ、大気汚染、気象、気温、運動、疲労、感染症、心因(ストレス)、食べ物など、
さまざまな影響が考えられる。最近は、アレルギーの素因がまったくないのに突然、気管支
ぜんそくが発症してしまう大人や子どもが多くなってきていという。また、大気汚染などで
気管支粘膜などが傷つけられ、神経末端が露出しているため、ちょっとした刺激でせき発作
や息苦しくなるなどの、自律神経が過敏な状態となる症状が出るという問題がある。
③アレルギー性鼻炎・結膜炎(花粉症)
ある特定の季節になると、花粉は吸入性のアレルゲンとして、鼻症状、眼症状、耳症状と
いった、体の露出部だけでなく、胃腸症状や神経症状といった内臓器官症状も呈することが
ある。季節性アレルギーの代表としては、スギ花粉症があげられるが、通年性の場合は、ダ
ニやカビが主な原因となる。季節性のものは、通年性の鼻炎や結膜炎に比べて抗原にさらさ
れる期間が一年のうち一定時期に限られるため、一般的に発症年齢は遅くなる傾向がある。
しかし、最近、小児のスギ花粉症も増加傾向にあるという。
④じんましん
じんましんは、即時型アレルギーの代表例としてあげられるが、皮膚の下に血管からしみ
でた液がたまって起こる現象でアレルギー反応以外でも起こる。じんましんは、それまで何
の変化もなかった皮膚に突然、強いかゆみをともなった発疹が出現するもので、ほかの疾患
と違い、円形や地図状を呈する皮膚のふくらみ(むくみ)が、短時間のうちに体のあちこちに
出現し、消えていくのが特徴で、原因は食物アレルギーである事もあるが、直接的な刺激や
3
食生活の変化とアレルギーについて
寒冷などでも出現する事もある。
また、消化器粘膜のじんましんでは、下痢や腹痛となってあらわれることもある。気管支
や気道にじんましんがでると、呼吸困難に陥る事もあり、短時間のうちに体中にじんましん
がでると、たくさんの毛細血管から体液がしみだすために血圧が急に低下したり、酸素が送
られなくなるとチアノーゼを起こしたり、意識が消失したりする事もあるのである。最近で
は、食品に含まれる色素や防腐剤などの添加物によって、じんましんの出現する症例も報告
されている。
1-3
肩こり・偏頭痛と食物アレルギーの関連性
昭和30年代、日本では、うまみ調味料と呼ばれるグルタミン酸ナトリウムの商品が大ヒ
ットした。直接なめてみると、苦みがあって、舌がしびれるような感じがし、料理に使うと
味が引き立つという事で大人気商品となったのである。グルタミン酸とは、『コンブやカツオ
ブシなどからとるダシの主成分で、日本や韓国、中国、東南アジアなど海に面している地域
では、昔から愛用されてきました。言ってみれば、民族の歴史がつくりだした味であり、そ
うした地域の人たちはグルタミン酸がないと満足しないといっていいでしょう。そのため、
手間ひまかけてコンブやカツオブシなどからダシをとるよりも簡単に使えるグルタミン酸ナ
トリウムが重宝され、特に中華料理店では大量に使われるようになった。
』と「知らないと怖
い食物アレルギー」の中で紹介されており、主な症状は、頭痛、胸のむかつき、首や腕が痛
くなったり、しびれたりする、といったもので、激しい場合は、けいれんやひきつけを起こ
す事もある。
グルタミン酸が胎児の脳細胞を破壊するといった、動物実験の報告もある。かつて、グル
タミン酸は頭をよくすると言われていたが、安易にとりすぎるのは危険であると考える。
この様に化学調味料によって起こった症状は、「神経系アレルギー」で、頭痛や偏頭痛は、
神経系アレルギーの一般的な症状であり、慢性的な頭痛は食物アレルギーが原因ではないか
と考えられるという。また、異常に肩がこる、温度に敏感である(冷え性、暑がり)などと
いった場合も、食物アレルギーが関係している可能性が非常に高いという。
1-4
行動異常と注意欠加症
神経系アレルギーの症状として「行動異常」があげられる。行動異常とは、アレルギー
性緊張弛緩症候群(ATFS)といい、じっとしていられない、落ち着きがない、休むことの
ないいたずら、乱暴な行動、衝動的な行動、怒りっぽい、イライラする、興奮しやすい、多
弁、音や温度・光・においなどに過敏になったり、知覚・味覚・嗅覚が極端に鋭くなったり
するのが「緊張症状」と呼ばれ、一方、だるい、疲れやすい、無気力、いつも眠い、不活発、
不精、鈍い動作、難聴などが「弛緩症状」と呼ばれるといった特徴がある。
長年、子どもの精神状態と食べ物や食生活との関連について研究している福山女子短期大
4
食生活の変化とアレルギーについて
学の鈴木雅子教授も『食品などに含まれる食品添加物、農薬、化学物質が子供の脳に障害を
与えていると』警鐘を鳴らしているのである。(
『その食事ではキレる子になる』より引用)。
アメリカ上院の「栄養と人間ニーズ特別委員会」は、健康に生きるためには何をどのよう
に食べればいいのかをまとめたレポート「アメリカの食事目標」を作成し、その中には『現
在、あまりにも多い添加物などのケミカル(化学物質)
、脳の栄養バランスを崩すような加工
食品の急増、また食品の過度な加工によるビタミン、ミネラルの不足、こういったさまざま
な現代社会に特有な食品環境は、子供の頭脳の働きと、心の働きを崩すことが明らかとなっ
た。現代の社会は、間違った食事によって、子供たちの心までむしばんでいる』というよう
な指摘があった。つまり、子供の正常な脳の働きを崩す原因は、食品添加物や農薬、その他
の化学物質であるというのである。
また、落ち着きがなくイライラするなどの注意欠如症と呼ばれる子供が増えている。先生
の話を最後まで聞けない、すぐに立ち上がってキョロキョロする、集団での行動ができない、
よく教室を抜け出す、怒りっぽい、などの特徴がある。注意欠如症は、成長期にあらわれる
注意集中困難、衝動行動、多動(落ち着きがなく、いつもイライラしていて、動きまわる)
などの3つの特徴があり、アメリカではこうした子供が小学生で10%もいるという統計が
ある。もちろん日本でも増加傾向である。これらは、さまざまな化学物質が脳の働きを妨げ
る事が原因の一つであると考えられており、抗原物質や化学物質などが脳に作用し神経系ア
レルギーを起こし、その結果、
「異常行動」につながると考える事ができる。
1-5
果物アレルギー
果物には糖分や、ビタミンなどが豊富に含まれており健康にはいい食品だと思われがちだ
が、その果物がアレルギーを起こす事もある。
松延医師によると『リンゴやパイナップル、キウイフルーツ、スイカ、メロン、イチゴ、
オレンジなどを食べた時に、口の中に違和感を覚える等の経験をした事がある人も多いので
はないでしょうか。口がしびれるとか、のどがかゆいなどの症状の他にもっとひどくなると、
唇が腫れる、口の周りが荒れる、まぶたが腫れる、せきがでて苦しくなるというぜんそく様
の発作がでてきます。果物を食べた時に、なんとなく舌がかゆい、唇がかゆいとか、のどが
むずむずするなどというのは、食物アレルギーとしてはまだ軽い症状ですが、口腔アレルギ
ー症候群の可能性も考慮するべきです。
』というように果物を食べて口に違和感があるのは食
物アレルギーの一種なのである。(『知らないと怖い食物アレルギー』より引用)。
また、果物アレルギー(口腔アレルギー症候群)は花粉症との関連も問題になっており、、
ドライアイや乾燥肌といった現代病もアレルギーと関係しているという報告もある。その他
に、冬場によく悩まされる乾燥肌も挙げられる。このように一口にアレルギーといっても様々
なものがあり、アレルギー体質の人は年々増え続けているのである。アレルギー体質である
という事は、食事や生活習慣などを見直すが重要であり、そのまま放っておくと、ある日突
然、アナフィラキシーに襲われ命に危険が及ぶような事態にもなりかねないのである。
5
食生活の変化とアレルギーについて
第2章
2-1
食生活との関係
アレルギー急増の理由
アレルギーを専門に診ている医師によると、『ありとあらゆる過敏性を獲得してしまって
いる「エブリシングアラジー」と呼ばれる症状を持つ人が徐々に増えている』と指摘がある。
農薬や除草剤、新建材を始めとする部屋の中の化学物質などに過敏に反応する人が増えてお
り、こうした傾向は日本だけでなく、先進国の全般に広がっている。
第 2 次世界大戦後、日本の社会は大きく変化し、特にアレルギーとも関係の深い食習慣や
食文化は、様変わりしたといえる。先進国の中で、社会機構や経済機構、食生活のスタイル
をこれだけ変えてしまった国は日本だけである。戦後、日本人の食生活のスタイルが大きく
変わってきた事がこれほどまで日本人がアレルギーを起こすようになった要素の一つだとい
えるのである。松延医師によると『戦後の日本人の食生活は、アメリカの影響を強く受けて、
牛乳や乳製品、卵、肉類など動物性タンパク質を多くとる欧米型の食生活に激変しました。
また、サラダ油、ドレッシングなどの植物性油脂の消費量が激増しています。牛乳や卵をた
くさん食べる食習慣が定着した昭和30年代以降に生まれた人たちは、食生活の欧米化に対
して何の違和感もなく育ち、今の子供たちが生まれ、その子供たちに圧倒的にアレルギー体
質が増えているのが大きな問題でもあります。』と述べられており、戦後の日本の食生活の変
化がアレルギー疾患の急増と深い関わりがあると考えられるのである。
2-2
食の欧米化
日本では長い歴史の中で伝統の食文化を築いてきたのである。それは長い時間をかけ少し
ずつ変化してきたが、戦後の食生活の欧米化はほんの一瞬であった。
昭和20年代までは、『牛乳や卵、大豆油は、それほど食べられていませんでした。牛乳と
卵と大豆は三大アレルゲンと言われますが、豆腐や納豆などの大豆製品はともかく、牛乳や
卵は、病気になったり体調が悪い時に、栄養をつける目的で食べるくらいで日常の食卓には
めったにのぼりませんでした。
』という。しかし、その後の急速な食の欧米化で、卵・卵製品、
鶏肉、牛肉、牛乳・乳製品、それから大豆油もよく使われるようになり、肉の摂取量や、め
ん類、パン類、菓子類を通して小麦の摂取量も増えた。更に、清涼飲料水やインスタント食
品、ジュース、スナック菓子などで糖分や着色料などの食品添加物も大量に使われるように
なり、農薬や抗生物質といった化学物質も、養殖魚や家畜の飼料などを経て知らない間に摂
取しているのである。インスタント食品やレトルト食品にも化学物質はたくさん含まれてお
り、外食産業が盛んになりファーストフードやファミリーレストランで添加物のたくさん使
われている加工食品を食べる機会も増えたのである。食物アレルギーの場合、食品添加物は
避けて通れない問題である。また、学校給食では、子供たちがみんな同じ物を食べるように
なり、三大アレルギゲンの摂取機会がいっそう増え、家族そろって食卓を囲む習慣も崩れつ
つある現代では、手作りの家庭料理も減ってきており、こうした食生活の急速な変化が現代
6
食生活の変化とアレルギーについて
人のアレルギーの大きな理由だとされているのである。
2-3
農薬漬けの食品
日本の化学農薬の生産量は1975年前後をピークに、年々下降傾向にある。輸出量も減り
1984年をピークに二年大幅ダウンを続けた。これは一つにはその危険性が指摘され消費者が
無農薬、低農薬の農作物を要求するようになり、農家もそれに同調して農薬を減らすところが増
えてきたからである。また、害虫が薬剤抵抗性を持ってしまい農薬が効かなくなってしまった事
もあげられる。
2000年8月に無登録の農薬を売っていた山形県と東京都の業者が農薬取締法違反など
の疑いで逮捕されたのをきっかけに、その後農林水産省が全国的に調べたところ、29都府
県で約80の業者が無登録の農薬を販売されており、そのうち27都県の農家で使用が確認
された。リンゴ、なし、モモ、サクランボ、イチゴなど給食や家庭で日常食べている果物や
野菜に使われていた。問題の農薬は「ダイホルタン」と「プリクトラン」と呼ばれるもので、
「安全が食べたい」(アエラ編集部)によると『ダイホルタンは殺菌剤で、発がん性が指摘さ
れ1989年に農薬としての登録を抹消された。プリクトランは殺虫剤で、奇形を引き起こ
す危険があるとして87年に登録を抹消されている。
』とあり、これらの農薬は食品添加物よ
り危険なのである。問題となった2つの農薬は安くて効果があるため登録を抹消されても使
われており、戦後農薬を使えば見た目のよい野菜や果物ができるという事から大量の農薬が
使われてきており、今回の様に消費者の目にふれる事はほとんどなく、考えられないほどの
量が使われてきたと言っても過言ではなく、それらは私達の体内に蓄積されているのである。
また、農薬だけでなく様々な食品添加物の問題もある。食品添加物は、食品衛生法によ
って、「食品の製造の過程において又は食品の加工もしくは保存の目的で、食品に添加、混和、
浸潤その他の方法によって使用する物を言う」と定義されているが、添加物の基準は国によっ
てばらばらであり、認可されている添加物が違うのである。日本では約 1,600 種を使うことがで
きるが、米国は約 4,000 種、EUは 2,000 種なのである。また、食品添加物には、表示で上でも
あいまいな部分があり昨年4月からJAS法でも、容器で包装された加工食品は、使用した添加
物を全て表示しなければならなくなった。しかし製造・加工の際添加するものではなく、原料の
段階で添加してきたものや、残っていてもごく微量の場合は表示が免除され、酸味料、イースト
フードなど14種は、それぞれの物質名を書かなくていい「一括表示」が認められているのであ
る。このような農薬を使った野菜や、食品添加物の入った加工食品を食べると、身体が不調に陥
るといった、食品による化学物質過敏症が増えており、農薬や添加物が混じっていると食物アレ
ルギーの症状が激しくなるのである。消費者ができる自衛策は添加物の表示が少ない食品を選ぶ
事しかないといえる。
7
食生活の変化とアレルギーについて
2-4
遺伝子組み換え食品の実態
1996年9月、食の歴史を変える大異変が起きた。アメリカやカナダの企業が開発した遺伝
子組み換え作物について、それが食品として安全であるとの判断を厚生省が下したのである。こ
れにより、今後日本市場に、遺伝子組み換え食品が海外から入ってくる事になり、いやおうなく
それを口にしなければならなくなった。現在私たちが食べている穀物、野菜、果物などの多くは、
地球上に発生したそのものの姿ではなく、交配という品種改良により人が食べやすいように変え
られてきたのだが、これらの作物は自然界で起こりえる範囲で作られてきた。しかし、遺伝子組
み換え作物は、自然の力だけでは絶対に生み出されないのである。トウモロコシやダイズなどの
細胞に、意図的に細菌の遺伝子を入れ込む事によって作られた人口作物なのである。
遺伝子組み換え作物は果たして安全なのか。
「不安なバイオ食品」の中で渡辺雄二氏はこう述べ
ている。『組み換え作物は本当に安全といえるのだろうか。答えは否である。なぜなら安全性を確
認するための試験が行われていないからである。組み換え作物は、従来の作物とはまったく違っ
た新しい作物である。したがって、徹底した、安全性の確認がなされるべきである。まず細胞中
にできる毒素の安全性を徹底的に調べる必要がある。動物を使って、急性毒性、慢性毒性、発が
ん性、催奇形性、アレルギー性を十分に試験すべきなのである。』という様に、安全性が不確かな
組み換え作物による影響は計り知れないのである。人工生物は化学物質と違い自己増殖するとい
う特徴があり、それらは次々に増え続けやがては従来の生態系を破壊してしまう可能性があり、
オゾン層破壊や地球温暖化、酸性雨などの原因である化学物質よりも膨大なものになると考えら
れている。
安全性を十分に確認しなかったために、遺伝子組み換え食品が 1,500 人以上の被害者と 38 人
の死者を出した事件がすでにアメリカで発生しているのである。1989年秋、アメリカで原因
不明の筋肉の痛みや呼吸困難、咳、皮膚の発疹などの症状を訴える患者がたくさん現れた。調べ
によると、白血球の一つである好酸球が異常に増加し、それにともない様々な症状が出ていると
いう事が分かった。原因は健康食品のトリプトファンである事が分かり、これは日本の昭和電工
が遺伝子組み換えによって改造した細菌にトリプトファンを作らせ、それを抽出・精製して、健
康食品としてアメリカで販売していた物であった。その他にも、1998年イギリスのロウェッ
ト研究所のパズタイは、同研究所で開発段階であった害虫耐性ジャガイモをラットに食べさせ続
けたところ、免疫力の明白な低下が見られたとの研究結果を発表したという事実がある。
この様に遺伝子組み換え食品は、絶対的に安全といえるものではないのである。また、遺伝子
組み換え作物は、まったく新しいたんぱく質をつくりだす可能性が考えられ、それがアレルギー
のもととなる事もあると考えられるので注意しなければならないといえるのである。
8
食生活の変化とアレルギーについて
第3章
3-1
食物と上手く付き合うために
アレルギーチェック
偏頭痛や肩こり、腰痛、疲れやすい、体がだるいなどといった、不定愁訴と呼ばれる慢性
的な体の不調は検査をしてもどこにも異常は見つからない事が多く、痛み止めの薬を飲むと
症状がある程度やわらぐといった特徴があり、普段何気なく感じている体の不調はアレルギ
ーとの関連性があると考える事ができるのである。
そこで、次のアレルギー要注意度チェックで多種多様であるアレルギー症状について考え
る。
参考文献『知らないと怖い食物アレルギー』より
『アレルギー要注意度チェック』 (設間上の□内にνを入れて数を数えてください。)
□
顔色が悪く、目の下にクマがある
□
腹痛、または偏頭痛によくなる
□
□
□
□
□
□
曇りの日でも眩しがる
涙が少なく、よく目が痛くなる(ドライアイといわれた)
よく目や鼻をこす
風邪をひきやすく、長引く
肌が乾燥しやすく、体がかゆくなる
ヒゲを剃ったあとカミソリまけしやすい
□
涙が多く、目ヤニがでやすい
□
□
□
□
□
□
□
□
□
アクの強い野菜などを触ると、手が荒れる
排気ガス、香水などの強い臭いで具合が悪くなる
口角炎、口内炎、扁桃炎が起きやすい
ときどき原因不明の鼻血がでる
イライラしたり、落ち込んだり、気分の変化が激しい
間食が多くて食事時間も不規則で外食も多い
□
□
□
□
□
□
□
好き嫌いが激しく、偏食がち
□
□
□
□
食品表示や産地にあまりこだわらない
就寝時や朝方にセキ込むことがよくある
乗り物に酔いやすい
□
□
□
汗がでやすい(とくに頭や手のひら、足の裏)
虫に刺されると跡が長く残る
石けんや台所洗剤、庭いじりなどで手が
荒れる
ピアスやネックレスなどでかぶれやすい
クシャミ、鼻水、鼻づまりが多い
唾液が多い、または少ない
極端に太っている、または極端に痩せている
下痢または便秘になりやすい
果物で唇が腫れたり、口の中がかゆく
なったり、のどがイガイガする
コーヒー、ココア、紅茶、日本茶など
毎日毎日たくさん飲む
カーペットにふとんを敷いて寝ている
立ちくらみ、またはめまいがする
冷え性、または暑がりである
◆結果◆
思い当たる数
要注意度
0∼
5個
25%
6∼10個
50%
11∼15個
75%
16個以上
80%以上
アドバイス
環境・ストレスで発症の可能性もあります。
食生活に注意し予防に努めてください。
アレルギー疾患が潜在している可能性も考えられます。
詳しい検査をお勧めします。
アレルギー疾患の可能性が濃厚です。
専門医の検査を受け、発症を防いでください。
家族そろっての食生活の改善と環境の整備、また
専門医の診療が急務です。
9
食生活の変化とアレルギーについて
これまで述べてきた様にアレルギーは、いつでも誰にでも発症する恐れがあり、いくつか
の症状が同時に起こる事もよくあるので前述したチェックで0個だった人も、16個以上だ
った人も以下のチェックを同じに活用すると自分にアレルギーの発症の可能性があるのかな
いのかといった参考になると考えられる。
〔食物アレルギーの可能性〕
◎ 特定の食品(ソバ、エビ、カニ、卵、牛乳、青魚、果物など)を食べると・・・
□ 体に赤いポツポツや蚊にくわれたような跡がでる
□ 赤いポツポツは数時間以内に消えることが多い
□ 半日以上たって湿疹やかゆみが出現することもある
□ 唇や口の中が腫れたりのどがイガイガする
□ 吐き気、嘔吐、下痢、腹痛がある
□ 頭痛、倦怠感がある
□ 息がゼイゼイしたり、顔が赤くなったり腫れたりする
〔アトピー性皮膚炎の可能性〕
□
□
□
□
□
汗をかくとかゆくなる
顔の皮膚が真っ赤になり、厚ぼったい感じがする
首にシワが多く、黒ずんだ感じがする
唇が荒れたり、口角炎になることが多い
乳頭がかぶれやすい
□
□
□
□
□
肌がカサカサしたり、掻くと跡が白く盛り上がる
顔や首、関節のくびれなどに湿疹ができやすい
耳切れ(上も下も)がある
まぶたがガサガサしたり、結膜炎になることが多い
(乳幼児の場合)ひどいおむつかぶれが反復する
□
鼻水はサラサラして、透明で水っぽい
□
急に目がかゆくなり、涙目になって反復する
〔花粉症の可能性〕
◎
特定の季節になると・・・
□
急にくしゃみ、鼻水、鼻づまりが起きて、
なかなか止まらない
急に息苦しくなって気がつくと口で
呼吸をしている
白目と裏まぶたが充血する
□
□
□
□
裏まぶたに白っぽいブツブツができて、
ゴロゴロした感じがする
不定愁訴(体が熱っぽくだるい、頭が痛い、食欲がなくなるなど)を訴える
〔アレルギー性鼻炎の可能性〕
◎
一年を通して、掃除の最中やネコなどのペットに触れたときに・・・
□
急にくしゃみ、鼻水、鼻づまりが起きて、
なかなか止まらない
急に目がかゆくなり、涙目になって反復する
□
□
鼻水はサラサラして、透明で水っぽい
□
急に息苦しくなって、気がつくと口で呼吸を
している
〔アレルギー性結膜炎の可能性〕
◎
一年を通して、掃除の最中やネコなどのペットに触れたときに・・・
□
□
急に目がかゆくなり、涙目になって反復する
□ 白目と裏まぶたが充血する
裏まぶたに白っぽいブツブツができて、ゴロゴロした感じがする
10
食生活の変化とアレルギーについて
〔気管支ぜんそくの可能性〕
□
□
掃除のときや布団の上げ下げのときに、息苦しくなる
排気ガスやタバコの煙などで息苦しくなる
□
□
ネコなどのペットに触るとせき込む
息をするとゼーゼーまたはヒューヒューと
呼吸音がする
〔日光過敏症の可能性〕
◎
それほど日差しが強くない日でも・・・
□出歩くと赤く腫れたり、肌が荒れたりする
□
日に当たっていた部分にブツブツや水疱がでることがある
〔化学物質過敏症(シックハウス症候群)の可能性〕
□
新築の家に住みだしてすぐ頭痛、湿疹、倦怠感がでた
□
□
殺虫剤、防虫剤、除草剤、農薬などの臭いに敏感になる
家具売り場などで、セキがでたり、臭いが
鼻について息苦しくなったりする
〔接触皮膚炎の可能性〕
□
□
□
金属製のアクセサリーやピアスなどが触れていると
その部分がかゆくなったり赤くなったりする
ウール、シルク、化学繊維の服に痒くなったり、
赤くなったりする
石けんや台所洗剤、庭いじりで手が荒れる
□
□
時計の革バンドやカバンの革把手が触れていると
その部分がかゆくなったり赤くなったりする
蛾や虫に触れたらかぶれた
□
ゴム手袋で手が荒れる
以上のチェックからアレルギーは、いくつかの症状が複合している事が分かる。これらの
チェックに該当する事があればアレルギーを発症する恐れがあるという事であり、食生活や
生活習慣を見直す必要性があると考える事ができるのである。また、第1章で述べた通りア
レルギーは、生体を守るための反応であり、その反応を受け入れる事でもっと大きな病気を
未然に防げると考えられるのである。
3-2 体の防衛反応とアレルギーの関係
私たちの身の回りには、ウィルスや細菌などの病原菌があふれており、その中で病気に
かかる事がないのは、人間の体には外界の異物から身を守るシステムがあるからである。
体内に侵入してきた物質を、異物か、そうでないかを識別し、異物であれば効率よく破壊・
排除する「抗原抗体反応」というものがある。体内に侵入した異物を認識すると、生体は
その異物に対して「抗体」をつくり、この「抗体」が病原体の力を弱め、病気にならない
ように体を守る仕組みがあり、体に抗体をつくらせるものを「抗原」と呼び、両者の反応
11
食生活の変化とアレルギーについて
が「抗原抗体反応」である。そして、体に有益な抗原抗体反応が「免疫」と呼ばれるもの
である。具体的には、そのウィルスに対して抗体をつくり、抗体のできた状態を「感作状
態」という。この「感作状態」になった後に再びウィルスが入ってきても、免疫反応が起
きウィルスを排除するのである。ところが、この反応も生体に有利に働かない場合が「ア
ナフィラキシー」という過敏反応である。「知らないと怖い食物アレルギー」の中で、『抗
原抗体反応のうち、とくに過敏な反応を起こす現象でペニシリン注射の際のショック症状
のようなものです。このアナフィラキシーは、アレルギー反応の典型方とも考えられてい
ます。このように、抗原抗体反応が生体に不利に働くものが「アレルギー」と呼ばれてい
る。
』と述べられている。
また近年、現代人の免疫力の低下があげられ、生体の情報の伝達が滞ったり、不十分だ
ったり、抗体が必要なところまで誘導されなかったりするために免疫機能が十分に発揮さ
れないのである。免疫力の低さの一つには、年齢的な事が関係するのだが、もう一つは現
代人の免疫機能が、全般的におかしくなっている事があげられるのである。それは、情報
を伝えるために必要なビタミンやミネラル不足や、摂取バランスが悪くなっている事や、
ビタミンやミネラルが不足すると情報分析の力が弱まり、その結果、抗体が正常につくら
れなくなるのである。5年、10年と免疫機能がうまく働かない期間が続くと知らず知ら
ずのうちに、鼻炎になったり、ぜんそくになったり、膠原病になったり、ガンになったり
するのである。食生活と免疫能力は深い関りがあり正常な免疫能力を高めるためにはバラ
ンスのよい食事を心がける事が重要だと考える。
3-3
アレルギーを発症しやすい条件
食物アレルギーとは、ある種の特定の食べ物を食べた時に異常な過敏反応が生じて、その
結果、”病的な状態”になる現象の事をいい、食べ物に含まれるアレルギーのもととしては、
まずタンパク質があげられる。食べ物に含まれるタンパク質がイタズラする場合が、純粋な
アレルギー反応といえ、食べ物に含まれるタンパク質によって「抗原抗体反応」が起こるの
である。たんぱく質は、20種類のアミノ酸と呼ばれる物質から構成され、食べ物から取り入れ
られたたんぱく質は、体の中でいったんアミノ酸に分解されたあと、体の各組織をつくるために
再利用される。アミノ酸の種類と結合の仕方によって様々なたんぱく質が合成され、それぞれ異
なる機能を果たしているのである。タンパク質の中でも人間から見て異種性のあるタンパク質、
これを異種タンパクといい、系統発生的に人間から、より遠いタンパク質はかなり高い確率
でアレルギー症状を起こすといわれている。次に、消化されにくい食べ物が挙げられ、消化
する酵素がなかったり、不足しているため細かく分解できず、体が異物として認識してしま
うために起こるアレルギーである。タンパク質はたくさんのアミノ酸がくっついてできてい
るため、色々な種類のアミノ酸がある規則性をもって類似構造、または同一構造を何度も何
度も示すようなタンパク質はアレルギーを起こしやすいと言われているのである。つまり、
同じ物を繰り返し食べたり、接触頻度が高いとアレルギーをおこしやすいという事になるの
12
食生活の変化とアレルギーについて
である。例えば、紅茶をよく飲むイギリス人には、紅茶のアレルギーが多い事や、ジャガイ
モをたくさん食べる国である、ドイツなどではジャガイモのアレルギーが多い事が証明され
ている。過剰に摂りすぎると、その食べ物でアレルギーを起こしてしまう可能性が大きくな
るのである。
また、「知らないと怖い食物アレルギー」で、野菜アレルギーについて、『食べ物にもとも
と含まれているさまざまな物質によって起こる反応がありますが、野菜のアレルギーは一般
的にアクの強いものが多いといえます。ナス、トマト、タケノコ、ホウレンソウには、ヒス
タミンやアセチルコリンが含まれています。ヒスタミンは免疫系に該当し、アセチルコリン
は神経系の中の伝達物質に該当しているものです。こうした化学物質が含まれている野菜を
食べる事によって、抗原抗体反応が起きているようにみえる症状がでることもあります。こ
れを、仮性アレルゲンと言っています。このような仮性アレルゲンとして知られるものには、
ヒスタミン、アセチルコリン、セロトニン、ノイリン、トリメチールアミンオキサイドなど
が、ありますが、欧米などの研究では100種類を優に超えているそうです。
』と述べられて
いる。これらは、体調のいい時にたくさん食べても症状がでないことが多く、逆に、体調の
悪い時は思いもかけない強い反応がでることもあり、昔から、食べ合わせとか旬のものと、
よく言われるが、何かに偏って食べない事と、できるだけ旬のもので新鮮なものをとる事が
重要だといえるのである。また、”親戚関係”にある食べ物にも注意が必要なのである。
食物アレルギーの症状は実に多様で、判断しにくいのが難点とされ、血液や皮膚検査で陽
性のものを食べても何の症状もあらわれないことがあったり、逆に検査では陰性でも、ある
食べ物には明らかに症状が出現する事があり、また抗原は一つとは限らず、抗原を特定する
事は困難なのである。このように、アレルギーを発症しやすい条件を回避し発症しないよう
にする事が重要であり、食べ合わせなど食に関する知識や意識を高める必要性があると考え
る。
3-4
まとめ
アレルギーには、遺伝的な体質もあるが、妊娠中に母親が何を食べていたか、生まれてか
ら離乳食にどんなものを食べていたかによってもアレルギー体質がつくられてしまうのであ
る。実際には、こうした要素の方が大きく、アレルギー体質をもっていたとしても、食べ物
をはじめ生活の仕方によって、その後が大きく違ってくるのである。
「知らないと怖い食物アレルギー」では、食物抗原として代表的な卵を例にあげ紹介され
ている。
『母親が妊娠中に毎日どれだけ卵を食べていたか、また、母乳授乳中にどれだけ食べ
ていたかという事が参考になります。たくさん食べていたとしたら、その子供に卵アレルギ
ーが起こる可能性は高いのです。これまで保健所や病院、産院では、ごく最近まで栄養指導
として卵を食べなさいとか、牛乳は一日二本は飲みなさいと言ってきました。そうすると、
妊娠する前は卵や牛乳をそれほど食べたり飲んだりしていないのに急にそれらばかりをとる
ようになります。このように、同じ食材に偏って食事をしている母親の子供ほどアレルギー
13
食生活の変化とアレルギーについて
体質になる可能性が高いのです。
』というのである。
また、カルシウムを手軽に効率よく摂るためには、牛乳を毎日飲むとよいとよく言われている。
「生活習慣病を防ぐ
知的素食のすすめ」の中で前田昭二氏は『たしかに、コップ一杯、200
CCの牛乳には200グラムものカルシウムが含まれていますし、牛乳のカルシウムは、他の食
品にくらべて吸収率が高いことが昔から知られています。そのうえ、たんぱく質やビタミンなど
の栄養素が豊富に含まれているので1日に少なくとも300CCは飲んだほうがよいと指導する
医師もいるようです。しかし、人によっては不健康を招く食品になるおそれがあります。という
のも、日本人には、牛乳の中の乳糖を分解する酵素が不足している人(乳糖不耐症)が多く、そ
れらの人が牛乳を飲むと、お腹がゴロゴロして、ひどいときは下痢や腹痛を起こします。残念な
ことに、日本人の成人の七割がこの乳糖不耐症だといわれています。
』と述べている。しかし、牛
乳のたんぱく質にアレルギー反応を起こす人も増えているのである。牛乳はカロリーが高く、飽
和脂肪酸も多く、コレステロールをたくさん含んでいるというデメリットもあり、牛乳好きな人
でも牛乳の飲みすぎは避け、バラエティに富んだ食事でカルシウムの供給をはかる事が必要なの
である。
更に、好き嫌いが激しく偏食傾向の強い人は、もともとアレルギー体質である確率が高い
といえるのである。その他にもアレルギーには食べ物だけではなく、生活環境も大切であり、
花粉やダニ、ホコリ、カビなどに囲まれた生活を長く続けていれば、そうしたものに過敏な
体質になってしまう恐れがある。清潔そうに見えてもホコリがいっぱいで、繊維のクズ、フ
ケ、カビ、細菌、ダニやそのフン・死骸、ペットの毛などが、たくさんあふれている。その
どれもがアレルギーの原因となるものばかりなのである。このように、日常生活で気をつけ
る事は、食事と環境であり、そして更にストレスだといえるのである。気分転換をはかった
りストレス解消を心がける必要があるのであると考える。また、アレルギー疾患の克服の第
一歩はアレルギーと正しく向き合う事から始まる。そのためには、アレルギーについて正し
い知識を得る事が重要なのである。
考察
これまで述べてきた様に、アレルギーはこれまで症状がまったくなくても、ある日突然な
る事があり、たいした事がないからと放っておくと急にアナフィラキシーショックと呼ばれ
る死をもたらすような症状を起こす事があるのである。
食物アレルギーの治療は、基本的に食事療法であり高血圧や糖尿病などの生活習慣病と同
様、時間がかかるものである。また、根気よく取り組まないと症状はなかなか改善に向かわ
ないのである。
元来、食品は公共性をもっていると考えられており、今日までの30年間は、添加物や農
薬などの化学物質がたくさん使用されてきたのだが、その結果の一つがアレルギーとしてで
ていると考える事ができるのである。今の社会は自分が口に入れるものは、自分自身が責任
をもたなければならないのが現状だといえ、これからは消費者の意識を変える必要性がある
14
食生活の変化とアレルギーについて
のである。また、食べるものが体だけの問題ではなく、精神活動まで影響を及ぼしていると
いう事実を受け止め、食物アレルギーを見直し、広い意味で食事や食という問題を考える事
が重要だと考える。また、食を深く考えると、食材は地球環境そのものに大きな影響を受け
るのである。添加物や農薬、化学物質を使わない食材だから良い物であるというのではなく、
野菜などが実るために必要不可欠である土壌や水、空気など地球環境が汚染されつつある今、
地球の環境問題も見直していかなければならないのである。食の安全を守る事は、今後の生
活のあり方全体を考えなければならないのである。
あとがき
卒業論文に、このテーマを選んだ理由は『食』という分野に興味があり、将来母親になった時
に役立つ知識としてアレルギーに関心があったからである。2002年は、食品会社の相次ぐ不
祥事により食に関する不信感が強まった年でもあった。実際調べてみると、食品に関する問題は
様々で驚くような事ばかりだった。食べるという事は生きていく上で必要不可欠な事であり、こ
うした食に関する問題を知り、正確な知識や理解を深めていく事が重要だと改めて実感する事が
できた。
参考文献
知らないと怖い食物アレルギー
/
松延正行著
(河出書房新社) 2000 年 6 月 1 日
その食事ではキレる子になる
/
鈴木雅子著
(河出書房新社) 1998 年 7 月 1 日
安全が食べたい
/
アエラ編集部(朝日新聞社)2002 年 11 月 30 日
改訂新版
検証
不安なバイオ食品
遺伝子組み換え食品
生活習慣病を防ぐ
/
渡辺雄二(技術と人間)1997 年 11 月 30 日
/
藤原
知的素食のすすめ
邦達(家の光協会)2000 年 7 月 15 日
/
前田
http://telecon21.nikkeidb.or.jp
昭二(ごま書房)1998 年 2 月 5 日
日経テレコン21
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~oyanokai/
食物アレルギーの子どもを持つ親の会
http://www.enjoy.ne.jp/~shigehar/explanation.html
http://www.imcc-med.com/index.htm
はら小児科アレルギー科
石川松任市医師会
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