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有限会社 びわこ食品

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有限会社 びわこ食品
どんなことを
で
携
ヤーコン、
連
農商工
コリンキー、自然薯。
の漬物
創業以来、大手漬物メーカーの製造を担ってきた兼田漬物
では、景気の低迷・商品の値下がりに伴い、新たな自社製
品開発を志向してきた。完成品まで自社ブランドで製造す
る「びわこ食品」を立ち上げ、農商工連携のもと大中の農
家と連携。珍しいヤーコン(南米産の根菜)、コリンキー
食用のカボチャ)、自然薯の漬物新商品開発に挑戦している。
きっかけ
代
時
新
。
戦
挑
に
商工:滋賀県高島市/有限会社びわこ食品
農 : 滋賀県近江八幡市/蒲 生 敏 昭 ・ 高 畑 盛 一
ある兼田伸次氏の先代の頃から、京都の漬物メー
カーの一次加工を中心に担ってきた。製造の中心は
浅漬けで、4月からは中かぶ(葉付き)、9月から
は聖護院かぶらの漬物製造が忙しくなる。
ここではほとんどの作業が手作業である。一部、
兼田氏より打診があった際に「やってみないとわか
こ食品・兼田漬物では苗を農家に渡すだけでなく、
らんね」と快く引き受けてくれた。「これらの野菜
製造過程で出た皮なども、生産用の肥料に使っても
は良い形の状態で出すのが難しいそうで、試行錯誤
らうようにしている。兼田氏は食料新聞の記者との
してくださっています。やる気をもってやっていた
会話の中で、ヤーコンなど新野菜の存在については
だけるので本当に嬉しく思っています。」
(兼田氏)
聞いていたものの、実際に製造するとなれば農家の
新商品開発について。これまでは同一製品の産地
協力が必要であった。農商工連携で取り組む契約農
増やしがメインだったが、今回増えた新製品は従来
家は近江八幡市大中町の農業者2名。兼田漬物とは
の主力商品と製造時期が重ならないところにもポイ
先代からの長いつきあいがある蒲生氏と高畑氏がこ
ントがある。11月に採れるヤーコンと自然薯は2〜
れら新野菜の生産者となった。農業者の側ももちろ
6月に製造を行い、コリンキーは6〜8月の製造だ。
ん親子二代のつきあいである。新しい作物について
これらが終わる9月頃から、主力製品である聖護院
かぶらの製造に入るので、製造のスケジュールとし
連携
相互図
兼田漬物の創業は昭和40年。現在の代表取締役で
一般的に漬物業界は、農家との契約栽培だ。びわ
農商工等連携体
てもちょうどよいわけだ。今後は保存方法も考えな
がらやっていく(ヤーコンはもみがらに入れると甘
有限会社びわこ食品
農業者
■所在地 滋賀県高島市武曽横山960
■代表者 兼田伸次氏
■出資金 500万円
■組合員数 4名
■認定日 平成21年10月26日
■業 種 野菜卸売業
蒲生敏昭
■所在地 滋賀県近江八幡市大中町37
■従業員数 3名
高畑盛一
■所在地 滋賀県近江八幡市大中町44
■従業員数 3名
連 携
■認定日 平成21年10月26日
■業 種 野菜作農業
ヤーコン・コリンキー・自然薯の試
験栽培、農業者への苗の提供、商品
デザイン作成、企画プロデュース、
販路開拓、漬物の加工委託元
機械でする作業もあるが(季節ごとに社長自らが組
み立ている)、カットされた野菜の選別や、最終の
袋つめは、人の目や手で行われ、一つひとつ丁寧に
パッケージングされていく。「うちは昔から家仕事
くなる等)ことで、製造時期の微調整も行っていく
ヤーコン、コリンキー、
自然薯等健康野菜の栽培
兼田漬物では京都の大手漬物メーカーの製品を一
次加工してきたが、主力製品であった千枚漬や赤か
ぶの受注量や価格の変化に伴い、取引先からの完成
品の納品の要望に応えるべく、昭和63年に「有限会
株式会社
兼田漬物
カカシ食研
株式会社
健康野菜を使
用した漬物の
加工委託先
漬物の漬け汁の
共同開発先
農産物
栽培・供給
農業者
・辻 正隆氏
・茶谷健司氏
ン」「コリンキー」「自然
に注目した。古くから付き合いのある農業者2名に、
薯」といった、従来の漬物に
これらの生産を打診。商工中金からの制度紹介が後
は使わない野菜に注目した
押しとなり、農商工連携事業認定に申請し、試作品
の駅での販路も拡大していく予定だ。
結果は
加価値をつけ
有限会社びわこ食品・代表取締役の兼田伸次氏
有限会社びわこ食品
兼田漬物 創業。京都の漬物メー
カーの一次加工を担う。
昭和63年
有限会社びわこ食品 創業。
平成21年
ヤーコン、コリンキー、自然薯等の
漬物新商品の試作に取り組む。
行い、ネーミングやパッケージデザインといった改
良も予定している。また、「今後は工場も改良して
いきたい」と話す兼田氏からは、優しい心遣いを垣
間見た。「うちでは従業員の定年制がなく、80歳
の現役従業員もいます。家庭仕事の延長線なので、
農商工連携の認定を受ける。
家族のような存在ですね。『カラダが続かないとき
珍しいヤーコンやコ
リンキーの漬物開発。
製造時期も他製品と
かぶらない。
新製品に合うネーミン
グ・パッケージのデザ
イン。ネット販売等へ
の展開。
景気の低迷に対応し
た、自社ブランドの製
品開発志向。
栄養分析も含めた味
の改良のほか、従業
員が働きやすい環境
づくりへ。
活用
素材
ヤーコンは、根がサツマイモのように肥大する
南米アンデス山脈地方原産のキク科の多年草木。
本事業で採用した品種「サラダ乙女」は、生で
食べると、甘くしゃきしゃきしたナシの実に近
い食感を持つ。コリンキーは、生食用に改良さ
れた西洋カボチャの一種。ソフトボール大の実
は鮮やかな黄色で、皮ごと生でも食べられるフ
レッシュ野菜。ヤマノイモ(自然薯)は日本原
産の野生種で山菜の王者と呼ばれ古来より親し
まれる。イモはすりおろすと粘りが強く、濃密
である。
が働きやすい環境づくりをしたい
ですね。」
(兼田氏)
農業者の
▲ 高畑盛一氏
農業者の
蒲生敏昭氏 ▲
自社製品に付
▲
兼田漬物では、秋から冬にかけてが勝負の時期だ。
はいつでも言ってや』と言っているんです。従業員
次展開
兼田氏は、
販路
開拓
(兼田氏)
昭和40年
平成21年10月
契約農家との信頼関係に基づく、新た
な商品生産へのチャレンジ。
時代性
ま し た 」
新しさ
本事例の
ポイント
独自性
し続けてい
事業の
流れ
づくりに取り組むようになった。
拡大していくのが従来
しい野菜を探
にも買っていただけると嬉しいです。」(兼田氏)
分析を行い、調味液や味つけなど製品自体の改良を
るべく「ヤーコン」「コリンキー」「自然薯」と
いった、従来の漬物には使われていない新たな野菜
品に代わる新
キーは色もキレイです。若い方など、新しい購買層
農商工連携認定事業の支援策のもと、今後は栄養
価値をつけるべく「ヤーコ
社では従来の製
ヤーコンはサクサクしておいしいですし、コリン
・高畑重之氏
社びわこ食品」を立ち上げた。そこで、自社製品ブ
なのですが、新会
れるかどうか不安はありました。作ってみたら、
の農商工連携は販路開拓。インターネット販売や道
締役の兼田伸次氏。
「漬物業は契約農家さんを
「もちろん、考えた当初は味はどうか、市場で売
ゆず味噌漬など、広がりも出てきている。まず最初
の延長線でやっているのです。」と語るのは代表取
ランドで完成品まで作り付加
ことができる。
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