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[試読版]新しいアナリティクスの教科書 データと経営を結び付けるWeb

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[試読版]新しいアナリティクスの教科書 データと経営を結び付けるWeb
試読版 PDF
このたびは『新しいアナリティクスの教科書 データと経営を結び付けるWeb 解析の進化したステージ[アナリ
ティクス アソシエーション公式テキスト]』試読版 PDFをダウンロードしていただき、まことにありがとうございます。
この試読版では、まえがきと目次のほか、第 1 章、第 3 章、第 5 章の一部をお読みいただけます。
全文を読んでみたい方へ
新しいアナリティクスの教科書
データと経営を結び付けるWeb 解析の進化したステージ
[アナリティクス アソシエーション公式テキスト]
著者:アナリティクス アソシエーション
定価:本体2,000円+税
発売日:2015年6月19日(金)
ページ数:224ページ
ご購入はこちらから:
http://book.impress.co.jp/books/1113101066
著 者
アナリティクス アソシエーション
Analytics Assosiation in Japan(a2i)
国内最大級のアナリティクス担当者の協議会。
2008年12月から「アクセス解析イニシアチブ」として
活動を開始し、2009年 4月に正式に発足。2014
年6月より「アナリティクス アソシエーション」に改称。
2015年6月現在、約5,500 人の会員を抱える。
アナリティクスに取り組む人々がビジネスの現場でキー
マンとして活躍できるよう、スキルアップの支援、経験
や事例の共有、
交流のサポートなどを実施。成長やキャ
リアアップの場作りとして、セミナーや相談会といった
各種イベントの開催、メールマガジンの発行、人材の
交流支援などを行っている。
主なスタッフ
代表:大内範行
副代表:衣袋宏美
副代表:大前創希
副代表:中嶋淳
副代表:安川洋
プログラム委員:いちしま泰樹
http://a2i.jp/
はじめに
「なぜ、データ分析に取り組んでいるのに成果が出せないのか?」
本書は、そんな悩みに答えるために、私たちアナリティクス アソシ
エーションが7 年間の活動から得たエッセンスをまとめた書籍です。
Web サイトのアクセス解析に携わる方を中心に、データ分析によるビ
ジネスの改善に取り組む方々を対象としています。
第 1 章では私たちが取り組む「アナリティクス」を概観し、第 2 章〜第
4 章では「アクセス解析はしているが、どこから改善すればいいのかわ
からない」「サイト外も含めてお客様とのコミュニケーションを改善し
たい」「DMP やマーケティング自動化チャレンジしたい」と考えている
方に向けて、事例も交えて、わかりやすく解説していきます。
そして、第 5 章ではアナリティクスを生かして成長する組織のあり方
について、日本の企業組織の現状に合わせた形で考察します。
アナリティクスの活動は、挑戦と失敗、そしてその先にある成功体験
の積み重ねです。どれほどツールが進化しようと、根本は、データから
見えるユーザー行動の洞察と経験価値の向上に集約されるでしょう。
本書は、これまでアナリティクス アソシエーションでご講演いただ
いた講師の方々、また、足を運んでくださった多くの方々のお力により
形になりました。あらためて深く感謝を申し上げます。
2015 年6月
アナリティクス アソシエーション 代表 大内範行
003
CONTENTS
目次
このPDFに収録していない内容は色が薄くなっています。
著者プロフィール 002
はじめに 003
序章
データの有効活用がビジネスの勝敗を分ける 007
サッカー W杯優勝チームに見る「データが持つ力」の重要性 008
第1章
「アクセス解析」から「アナリティクス」への進化 013
企業の成長を左右する「アナリティクス」の時代が始まる 014
4つのステージで理解するトレンドの変化と企業の取り組み 020
アナリティクスに求められるのはどのような人材か? 026
事例:アナリティクスが成否を分けたあるSNSの改善施策 032
ビジネスにインパクトを与えるアナリティクスの4カ条 036
多くの企業はアナリティクスの「少年期」にいる 042
第2章
ユーザー心理を捉えたサイト改善の始め方 「小さな改善」からすべてが始まる 045
046
事例:スマートフォンサイトの問題を改善したプロジェクト 050
最小単位「行動ユニット」ごとにユーザー心理を捉える 056
ユーザー心理に応える形でサイトを改善する 066
目標とKPIはユーザー行動に合わせて考える 072
効果的な改善のためのセグメント分け 079
事例:旅館サイトが行ったセグメント別の改善 084
サイト改善の確実性を高めるA/Bテストの導入
090
改善を繰り返してビジネスの成長につなげるには? 095
第3章
カスタマージャーニーによるユーザーの深い理解 097
ユーザー行動の見方を変える「カスタマージャーニー」
098
カスタマージャーニーの地図で改善の準備をする 104
カスタマージャーニーを見るユーザー単位のアクセス解析 108
事例:B2B営業のカスタマージャーニーからの改善 112
サイト外のユーザー行動データを計測する手法 120
複雑な「クロスデバイス」のユーザー行動を追う取り組み 126
モバイルアプリから始まるオムニチャネルのデータ分析 130
カスタマージャーニーは改善までの早さを意識する 137
第4章
データ統合が実現するマーケティング自動化 「マーケティング自動化」が目指す新しいコミュニケーション 139
140
事例:レコメンデーションによるメールマーケティングの自動化 144
マーケティング自動化の中心になるDMP 150
多重化する施策の効果をつかむアトリビューション分析 154
事例:アトリビューション分析による広告とテレビCMの見直し 158
準備と実施の2段階で進めるアトリビューション分析 164
進化するアトリビューション分析とカスタマージャーニー 172
機械学習によるアナリティクスの効率化 176
大規模データプロジェクトの成功と失敗を分けるもの 180
第5章
アナリティクスを生かす組織の作り方 183
アナリティクスチームのミッションと支援体制 184
成果を出せるアナリティクスチームの編成と位置付け 190
アナリティクスを発展させるチームの運用ノウハウ 198
アナリティクスの外注と伴走形のコンサルタント 202
アナリティクスを推進する企業文化を作る 206
おわりに アナリティクスチームの進化のステップ 212
参考資料 参考にした講演・セミナー
217
索引 221
本書に登場する架空の社名や団体名による事例は、アナリティクス アソシエーションのセミナーやイベントにご登壇いただいた講師の
方々の事例から、共通するエッセンスを抜き出して再構成したものです。実在する個別の人物や企業、団体とは関係ありません。
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4つのステージで理解する
トレンドの変化と企業の取り組み
アナリティクスの進化を4段階で捉える
アナリティクス アソシエーションができる前からこれまでに、アナリ
ティクスとデータを取り巻く環境は大きく変化してきました。2008 年ご
ろにはほとんどの企業でアクセス解析が職務として認知されていません
でしたが、次第にデータの重要性が認識されてきて、今では多くの企業
がアナリティクスの取り組みを始めています。皆さんの所属する企業で
は、どのように取り組んでいるでしょうか?
本書では、
アナリティクスにおける進化の段階を「幼年期」
「少年期」
「青
年期」そして「成人期」という4つのステージで定義します。そして、Web
業界やデータ分析の世界のトレンドと、各企業での取り組みの状況を、
これらのステージで捉えていきます。本書では、2015 年現在のアナリティ
クスのトレンドは「青年期」にあると捉えていますが、皆さんの会社では
まだ「幼年期」や「少年期」で、これから追いつく必要があるかもしれませ
ん。自社はどこに当てはまるだろうかと考えながら、見ていってください。
幼年期:
「ヒット数」の増減が話題だった時代
第 1 ステージの「幼年期」は、
「ログ解析」と呼ばれていた段階です( 1990
∼ 2005 年ごろ)
。サイトのアクセス状況を全体としてつかんでレポート
する活動が主で、職務としては認知されていません。サイト運用業務の
合間に、サーバーを管理するエンジニアやサイト担当者が、サーバーに
020
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[アナリティクスの4つのステージ]
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貢
献
度
成人期
アナリティクスが
企業の文化に
青年期
少年期
幼年期
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全社的な改善の
取り組みに
データをもとに
サイトを改善
ページビューの
増減を観測
1990
2005
2012
2015 ∼
年
蓄積されたログデータをまとめていました。
注目される指標はページビュー数やヒット数といった純粋に量的な指
標で、数字の増減を共有することはあっても、データをもとに改善を行
うという発想はまだありません。データが取れることを無邪気に喜んで
いた時期だったとも言えます。現在でもページビューしか見ていない状
態であれば、その企業はまだ「幼年期」だと言えます。
少年期:データからユーザー行動を捉えた改善が始まる
第2 ステージの「少年期」
(2005年∼ 2012年ごろ)は、「アクセス解析」
という呼称が定着した段階です。
「SiteCatalyst」や「Urchin」「Webtrends」
といった高機能なアクセス解析ソフトウェアが、企業で活用され始めた
のもこのころです。
2005 年に Google が有料のログ解析ソフトウェア「Urchin」を買収したこ
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とは、特に大きな出来事でした。Googleはその後、Urchin を手軽に使え
て高機能、かつ無料のアクセス解析サービス「Google アナリティクス」と
してリリースします。
Google アナリティクスの登場により、サイト担当者だけでなく、マー
ケティング部門の担当者なども手軽にデータを利用できるようになりま
した。アクセス解析の利用のされ方も変っていき、ページビュー数より
もセッション数やユーザー数など、ユーザー行動に関係するデータが注
目されるようになりす。
「少年期」の企業では、会議の場でアクセス解析レポートを共有し、改
善の提案や議論も行われます。注目される指標は、商品の購入や資料請
求といった、サイトの持つ目標にどれだけのユーザーが到達したかを計
る「コンバージョン率」(※ 5)や、サイトを訪問して 1 ページだけ見て離脱
する訪問者の割合を見る「直帰率」などとなります。
これらの指標を改善するための取り組みを始める企業も徐々に登場し、
アナリティクスのための常設のチームはまだなくても、改善を適切に進
めるためにプロジェクトチームが作られるようになります。
アナリティクスによる改善の成功体験を得た企業は、さらに高度なデー
タ分析と改善に意識が向かいます。ユーザーを属性ごとに分類する「セグ
メント」(※6)も取り入れ、
サイトの訪問者を「新規ユーザー」
「リピーター」
といったセグメントで分析・改善する手法が盛んになり、多くの成果が
生まれていきます。
※ 5 「商品の購入」や「資料請求」など、サイトに設定された目標を「コンバージョン」と呼び、訪問数やユーザー数のう
ちコンバージョンに至った割合を「コンバージョン率」と呼ぶ。
※ 6 ある基準によってユーザーをいくつかの集団として分割し、より実像に近い姿を知ろうとする手法。例えば、新規ユー
ザーとリピーターでは行動パターンが異なるため、ひとまとめにせず別のセグメントとしてそれぞれ分析することで、より
実際の行動に近い情報が得られる。
022
1
青年期:扱うデータの範囲がサイト外にも広がる
第 3 ステージの「青年期」
(2012年ごろ∼現在)は、企業全体にデータ
活用の機運が高まり、アナリティクスのための専任担当者や、常設の独
立したチームが構成され始める時期です。
サイトのアクセスデータだけでなく、社内の各部門が持つデータを統
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合し、より広い範囲のユーザー行動を分析することで、全社的な改善に
つなげようとする取り組みも始まります。
青年期の企業では、ネット以外の部門や経営陣も巻き込む形で、広範
囲なアナリティクスが展開されていきます。アナリティクスに関わるチー
ムの関係者は大規模になり、改善施策を推進する中心となって、サイト
だけに限らず、マーケティングやサポートなど、幅広い領域の改善をリー
ドしてビジネスの発展に貢献します。
一方、関係部門が増えることで、改善目的の共有や施策の評価など、
社内コミュニケーションの問題が目立つようになります。
データ分析そのものは担当者・担当部署内でほとんど完結できる作業
ですが、他部門が管理するデータを入手したり、サイト外を含め改善を
行ったりするためには、事業部門やそれを支援する技術、渉外などの間
接部門、さらに経営者など、社内だけでもさまざまな関係者との折衝や
情報共有が必要になります。日本企業に多い縦割りの組織の中で、多く
の部門とコミュニケーションを取っていくのは容易ではありません。往々
にして、この点がアナリティクス推進の壁ともなります。
よって、
「青年期」の企業におけるアナリティクスチームには、データ
分析とはまったく異なる役割やスキルが求められます。社内の他部門と
の関係や、チームの位置付けを考えていく必要もあるでしょう。
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成人期:経営陣がリードし、企業の文化として根付いていく
今後到達するべき第4ステージの「成人期」では、アナリティクスが企
業の文化そのものになり、その企業の優位性を生み出す根幹になってい
きます。
「成人期」の企業では経営陣のリードのもと、社内にあるデータが統合
され、新規企画や実行中の施策の評価、改善の検討など、あらゆる場面
で利用されます。データからユーザーの姿を見て次の動きを決めるとい
うアナリティクスの姿勢が、企業文化として根付いているのです。デー
タを扱う基盤のシステムも強化され、技術的に高度な分析やマーケティ
ング施策も取り入れられるようになります。
アナリティクスチームは社内のマーケティングをデータ分析の面から
支える存在となりますが、ほかの部門でもデータ分析は取り入れられ、
データに基づいた会話が行われます。
企業全体がデータを通じてユーザーに向き合い、常に「ユーザー中心」
が実践される状態は、現状でよく見られる社内コミュニケーションの問
題の先にある、理想型と言える組織のあり方でもあります。
青年期、成人期の組織のあり方については、第 5 章でも詳しく解説し
ていきます。
組織と個人の双方の成長が求められる
私たちアナリティクス アソシエーションは、企業のアナリティクスが
まず「少年期」に入っていけるようにサポートし、さらに「青年期」
「成人期」
への成長に向けて、後押ししていく役割を担おうと取り組んでいます。
そのためには、組織が変化し、成長していくこともさることながら、
個人のスキルアップや意識の変化も求められます。アナリティクス担当
者は、
「幼年期」ではアクセスログ集計、
「少年期」ではサイトの改善を担っ
024
ていたものが、
「青年期」では企業のビジネス全体の改善に携わることに
なっていきます。ネット部門だけでなく全社の組織と関係することにな
り、コミュニケーションの負担も大きくなります。
そのような中で、アナリティクスに携わる私たちはどのように変化に
対応するべきかを、次に見ていきましょう。
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[ アナリティクスのステージごとの進化]
幼年期
少年期
青年期
成人期
トレンドの時期
1990 ∼ 2005年ごろ
2005年∼
2012年ごろ
2012年ごろ∼現在
現在∼将来
データ分析の
位置付け
サイトの
運営状態の確認
サイト改善のための
現状の分析
サイト外のデータを
統合し、広範囲の
ビジネスを改善
社内のデータを統合し
全社で利用
注目する
主な指標
ページビュー数
訪問数、滞在時間
サイト外を含めた
ユーザー行動
ユーザーに関する
あらゆる指標
担当する
チームの形態
サイト担当者が兼務
プロジェクト形式
独立したチーム
経営陣が支援する
独立したチーム
事業部門、
マーケティ
ング部門
経営陣が主導し
全社に影響
影響する
範囲
POINT
担当者とその周辺
ネット関連の部門内
アナリティクスの進化は「幼年期」「少年期」「青年期」
「成人期」の4つのステージで捉えられる
アナリティクスの進化に対応するため、担当者個人の
成長も必要になる
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ユーザー行動の見方を変える
「カスタマージャーニー」
連続した「流れ」としてユーザー行動や心理の変化を追う
第 2 章では、サイトのユーザー行動のデータからユーザー心理を追求
する形で分析していきました。これは実店舗で例えるなら「とにかく今お
店に来てくれたお客様と、もっとも適切なコミュニケーションをしよう」
という考え方です。
しかし、実際のユーザー行動はサイトを訪問する前から始まっていて、
離脱後にも続いています。再び実店舗で例えると、来店前から来店中、
そして退店後までを見通したうえで、お客様との一連のコミュニケーショ
ンを最適化していこうとするのが本章での取り組みです。このようなサ
イト内に限定しない、一連のユーザー行動のことを「カスタマージャー
ニー」と呼びます。
カスタマージャーニーの定義を簡単に言えば、「ユーザーとの接点を一
連の旅のようにして可視化したもの」
となります。当たり前のことですが、
ユーザー行動や心理の動きは、サイトにアクセスする前から、サイトを
離脱したあとまで連続しています。また、サイト内でユーザー行動が完
結しないビジネスでは、サイト内のアクセスデータだけを見てよしとす
るのでなく、サイト外まで含めたユーザー行動を見たいと考えるのが自
然でしょう。
これは要するに「もっともっとお客様を理解しよう」という取り組みで
す。ユーザーは、必ずしも1回のサイトへの訪問で契約や購入の決定=
コンバージョンに至るわけではありません。何度かサイトを再訪問して
情報を収集したり、時間をかけて情報の比較や検討をしたりして、最終
098
的にコンバージョンに至ります。しかし、ときには家電量販店のサイト
でデジタルカメラを検索したユーザーがノートパソコンを購入したり、
旅行サイトで海外の情報を調べていたユーザーが最終的に京都のホテル
を予約したりすることも、珍しくはありません。
人は決していつも一貫性を持って行動しているわけではなく、わずか
な間に接触したほかの情報から気持ちを変えていくことがよくあります。
人の気持ちが揺れ動くならば、それに合わせて効果的な施策を展開しよ
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うというのが、カスタマージャーニーを踏まえた改善の考え方です。
同様の考えとして、広告の世界では古くから「AIDMA の法則」(※ 1)など
がありました。
「カスタマージャーニー」という言葉も、2007 年ごろから
登場しているようです。
技術の進化により連続したデータが取得可能に
アナリティクスの世界では、最近になって活発に「カスタマージャー
ニー」が言われるようになっています。その背景には、広告配信サービ
スやアクセス解析サービスが進化し、ユーザー行動を連続したデータの
流れとして追えるようになったことがあります。Cookie やピクセルデー
タ(※2)、リダイレクト(※ 3)といった技術の組み合わせで1 人のユーザーの
連続した動きを追い、高い処理能力で、大量で複雑なデータを分析でき
るようになりました。
とはいえ、現状ではユーザー行動を完全に連続したデータとして取得
できるわけではなく、想定されるユーザー行動のデータのところどころ
※ 1 顧客が商品を認知してから購入に至るまでに「Attention」(注意)
、「Interest」(関心)
、「Desire」(欲求)
、
「Memory」(記憶)
、「Action」(行動・購入)の5 段階があると定義し、各単語の頭文字を取ったもの。
※ 2 Web ページやメールに小さな画像ファイルを挿入し、画像ファイルへのアクセスを計測することで、ユーザー行動を
取得する手法。
※ 3 あるURLから別のURLに転送すること。Web ページが切り替わるときや、メールマガジンからWeb ページへリンクす
るときなどに、実質的にコンテンツがないURLにいったんアクセスさせてデータを取得し、コンテンツがあるURLに
転送することで、ユーザー行動のデータを取得することが可能になる。
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に穴が空いてしまう場合もあります。例えば、サイト外のユーザー行動
をデータとして取得するのは難度が高く、特別なツールの導入が必要に
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なったり、そもそも技術的に不可能で、推計に頼る場合があったりもし
ます。
それでも、徐々に見える部分が広がってきた複雑なユーザー行動を、
できるだけ広範囲で取得し、分析して、改善に役立てることを考えてい
きましょう。
4 つのポイントでユーザー心理の変化を捉える
カスタマージャーニーを見るための、もっとも簡単なフレームワーク
を紹介します。以下の図のような「集客→接客→顧客化→追客」という 4
つのポイントからなるものです。
このフレームワークは、オンラインショップのコンサルタントとして
著名な坂本悟史氏の考え方をもとに、コンバージョンをわかりやすくす
るために「顧客化」のポイントを加えたものです。坂本氏の考え方はユー
ザー心理を的確に捉えていて、オンラインショップに限らず、サイトや
アプリのユーザー行動にまで幅広く適用できます。
[カスタマージャーニーを捉える4つのポイントとユーザー心理の変化]
集客
接客
顧客化
追客
認知
検討
購入・決定
リピート
ディスプレイ広告で
商品を認知し、
興味を持つ
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メーカーサイトや
比較サイトで情報収集し、
購入意欲を高める
オンラインショップで
購入する
商品を気に入り
再度購入。または
関連商品を購入する
「集客」は商品やサービスの認知を獲得して、ユーザーを集めるポイン
トです。施策としてはディスプレイ広告や検索連動型広告などの各種広
告、検索エンジンでのからの流入を促すSEOなどが、このポイントに相
当します。
「接客」はサイト上のコンテンツやアプリ上のサービス、実店舗におけ
る利用体験や相談、見積もりなど、ユーザーとコミュニケーションし、
商品の購入やサービスの契約に向けて比較・検討などをしてもらうポイ
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ントです。カスタマージャーニーを詳細に見るときは、接客の過程を検
討の進み具合で細分化してユーザー行動を追っていくこともあります。
「顧客化」はコンバージョンであり、ユーザー行動のゴールとなるポイ
ントです。B2B ビジネスや保険などであれば、集客、接客の段階では「見
込み顧客」であったユーザーが、契約の成立により「顧客」となった瞬間
を指します。オンラインショップでは購入完了ページ、会員制サイトで
は会員登録完了ページが、顧客化のポイントに相当します。
ビジネスで想定されるユーザー行動の多くは、集客から接客を経て顧
客化までのポイントでいったん完結します。本章ではカスタマージャー
ニーを「地図」にする方法を解説しますが、そのときには、「集客→接客
→顧客化」までのポイントを見て地図にしていくことになります。
最後の「追客」は、すでに顧客や会員になったユーザーに向け、再度の
購入や追加の購入、新しいサービスの利用などを促して、リピーターや
ロイヤル顧客(※4)を増やしていくポイントです。メールマガジンやリマー
ケティング広告(※5)などが相当します。
※ 4 企業やブランド、または商品やサービスへのロイヤリティ(忠誠度)が高い顧客のこと。 継続的な購入が期待でき、
売り上げへの貢献度も高い。
※ 5 サイトを訪問したユーザーの行動を追跡し、収集したデータに基づいて表示する広告。「リターゲティング広告」とも。
通常の広告よりも高いクリック率やコンバージョン率が期待できる。
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サイト内外のユーザー行動を紐付ける鍵を押さえておく
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カスタマージャーニーを見るアナリティクスの基本は、「集客→接客
→顧客化→追客」の4つのポイントに沿ってユーザー行動を捉えることで
す。4 つのポイントに、それぞれユーザー心理が大きく変わる節目となる
行動があります。具体的にはサイトの閲覧開始、メールマガジンの登録、
アプリのダウンロード、見積もり依頼や電話、実店舗の訪問などです。
的確なアナリティクスのためには、一連のユーザー行動のデータが揃っ
ていることが重要です。それにはサイトのアクセスデータ以外のユーザー
行動データも取得する必要があり、さらに、物理的に切り離されたサイ
トとサイト外のユーザー行動をつなげて見ていくために、両者を紐付け
るためのデータが必要です。一例としては、
サイトでは会員 ID でユーザー
行動を追い、実店舗ではポイントが貯まるモバイルアプリと会員 ID を紐
付けて購買行動を取得する、というように、鍵になるデータでサイト内
外のデータを紐付けていきます。
このような取り組みは、決して簡単なものではありません。特に、サ
イト外のユーザー行動データの取得には限界もあります。しかし、ここ
では完璧さを求めないことも大事です。取得するためにベストを尽くす
としても、入手可能な範囲のデータを使って、できない部分は推測する、
というように割り切って考えましょう。
ビジネスに明るいアナリティクス担当者が求められる
本章では、第2章で解説したサイトの改善の経験を十分に積んでいる
ことを前提に、より複雑なアナリティクスに取り組んでいきます。その
ため、取り組みを開始するには「アナリティクスの 4 つのステージ」の「少
年期」にある企業が適当で、達成することで「青年期」に近付いていくも
のと位置付けられます。
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第 2 章で行ったサイトの改善は、サイト担当者を中心としたチームで
行うことができました。しかし、本章で行うカスタマージャーニーを利
用した改善では、サイト外を含むユーザー行動を見て、的確に分析する
ために、改善の対象となるビジネスそのものに明るい人材が必要です。
他部門との積極的な連携も必要で、組織内でのコミュニケーション能力
が求められます。場合によっては、アナリティクスに取り組むチームの
再編成を検討する必要もあるでしょう。
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本章の取り組みを始めるにあたり、小規模な改善の経験を積んだアナ
リティクスのプロジェクトチームから、常設のアナリティクスチームに
組織を変えることも考えられます。そのときには、企業内での位置付け
もよく考えた方がいいでしょう。組織の編成や企業内での位置付けなど
については第 5 章で詳しく考察するので、そちらも参照してください。
POINT
カスタマージャーニーは、ユーザー行動や心理の動きを
連続した流れとして描き出す
「集客→接客→顧客化→追客」の4つのポイントで
ユーザー行動を捉え、心理の変化を分析していく
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解
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カスタマージャーニーの地図で
改善の準備をする
図にすることでユーザー行動を可視化する
カスタマージャーニーは頭の中で考えるだけでなく、「地図」として可
視化してみることで全体像がわかりやすくなり、アナリティクスチーム
内での情報共有もしやすくなります。ここでは、カスタマージャーニー
の地図の描き方と、使い方を解説します。
カスタマージャーニーの地図は、改善に向けた分析を始める段階で、
ユーザー行動を整理して一連の流れとして理解するために使います。そ
して、地図を見ながら、どこを改善するとインパクトの大きな改善がで
きるかを考えていきます。
描き方に厳密なルールはありません。
「地図を描く」というと、プレゼ
ンテーションで使えるような見栄えのするものを作ろうとしてしまいが
ちです。
「カスタマージャーニー」と画像検索すると詳細に描き込まれた
地図が見つかりますが、実際の現場でそれほど詳しく地図を描き込んで
いるケースはまれです。そもそも、カスタマージャーニーの地図の詳し
さや美しさと、その後の改善の成果の大きさは比例しません。アナリティ
クスチーム内で情報が共有できれば十分です。
「フロー×セグメント」でユーザー行動を描き出す
カスタマージャーニーの地図に必要な最小限の情報は、「集客→接客→
顧客化」のポイントに沿って一直線に描かれたユーザー行動のフロー(流
れ)です。
「追客」は一般に、途中で離脱したユーザーや「顧客化」まで到
104
達したユーザーを再度「集客」に引き戻すものとして扱います。
そして、新規ユーザーとリピーター、または重要なターゲットとなる
セグメントごとに地図を描き、
行動の違いを比較できるようにします。
「フ
ロー×セグメント」でユーザ行動を描き出すのが、重要なポイントです。
ユーザー行動は、アクセス解析のデータやユーザーテストの結果をも
とに、ビジネスにおける集客、接客、顧客化のポイント(ランディングペー
ジやコンバージョンのページのほか、ネット以外の広告や実店舗でのサー
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ザ
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の
深
い
理
解
ビスなど)との接点を意識して描きます。店舗内の行動など、ユーザー
行動のデータが取得できない部分も出てきますが、そのようなところは
やむを得ません。インタビューや店舗の視察などで情報を集め、不明な
ところは推測で補いつつ描いていきます。
行動の書き方は「製品を認知」
「検討開始」といった簡潔な表現でも、
「問
題を解決する方法を求めて検索し、サイトを訪問」
「興味を持ち、導入事
例などを読む」といった具体的な描写を含むものでもかまいせんが、セ
グメントの特徴が出る部分や改善にあたって重視したい部分は、詳細に
書いておくといいでしょう。
地図は 1 人で描くのもいいですが、チームで集まって描ければベスト
です。時間をかけすぎないように1、2時間程度と決めて、大判の紙やホ
ワイトボードを使って描いていきます。ユーザーと接したときの具体的
なエピソードや改善のアイディアなどがあれば、地図の該当する部分に
書き込んだり、付箋紙などに書いて貼っていったりしても OK です。複数
人で行ってエピソードやアイディアをふくらませていけば、改善案のブ
レインストーミングもできてしまいます。
実際にカスタマージャーニーの地図を描いてみる
実際にカスタマージャーニーの地図を描いてみましょう。ここでは、
スポーツなどで使われるアクションカメラのメーカーが、購入者や興味
を持っているユーザーのためのファンサイトを運用していると仮定しま
105
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理
解
す。このサイトの改善にあたり、潜在顧客(製品の未購入者)と購入者の
カスタマージャーニーを描いてみます。
3
潜在顧客は、購入者がWeb上で公開した動画を見て興味を持ち、撮影
機材を調べてファンサイトを認知します。ファンサイト内でさらに情報
を集めながら、購入の意向を固めて量販店やオンラインショップで製品
を購入する、という流れです。
一方で購入者は、操作方法や活用のコツを調べてファンサイトを認知
します。ファンサイトのサポートコンテンツなどを利用して製品を使い
こなし、やがては自分の作品をファンサイトに登録し、ほかのユーザー
と交流していきます。購入者のユーザー行動においては、ファンサイト
に作品を登録することをコンバージョンと見なしています。
以下の地図は、頭の中で考えていたカスタマージャーニーを A4 サイズ
の紙に書き出しながら、30分ほどで描いたものです。途中にキーになる
施策や、ユーザー心理の動きのメモも書き込んでいます。
[アクションカメラのファンサイトにおけるカスタマージャーニーの地図の例]
106
地図を見て改善案と検証方法を話し合う
地図が描けたら、それをもとにチームで話し合いましょう。重要なテー
マは2 つあり、1 つは改善案を考えることです。
「集客→接客→顧客化」の
ポイントごとにユーザーとの接点となるものは何か? 現在十分なコン
テンツやサービスはあるか? 足りないとしたらどうするか?といった
3
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ャ
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に
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る
ユ
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ザ
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の
深
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解
ことを話し合います。
例えば、前のページで描いた地図を見ていけば、潜在顧客が購入を検
討しているとき、
「接客」のポイントで継続的にアプローチするためにリ
マーケティング広告を使うといいのでないか、といった案が考えられま
す。作例動画などのコンテンツで購入意欲を高められるだろう、という
案もあるでしょう。
もう 1 つのテーマは、改善案を検証する有効な方法を考えることです。
潜在顧客が「購入」してくれることがコンバージョンであっても、店舗で
の購入は計測できません。その手前のユーザー行動にあたる「本格検討」
であれば、カメラそのものだけでなくアクセサリーまで詳細にチェック
する行動や、ページの滞在時間の長さから計測できるかもしれません。
このように、地図は簡単なものでも、そこからカスタマージャーニー
の全体像が見え、ユーザー心理の動きがわかれば、十分に改善案を考え
る材料になります。大切なのは地図を描くことでなく、改善案と検証方
法が決まることです。時間とエネルギーはこの作業に集中させましょう。
POINT
カスタマージャーニーの全体像を把握し、
改善案を考えるために地図を描く
地図が描けたら、それを見ながら
改善案とその検証方法を検討する
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の
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り
方
アナリティクスチームのミッションと
支援体制
5
難しい「ユーザー中心」に企業全体で取り組むために
第 2 章∼第 4章では、プロジェクトチームとして、または常設の部署と
してのアナリティクスチームが存在しているものとして話を進め、チー
ムそのものの編成や運用については触れてきませんでした。
しかし、アナリティクスチームをどのように編成し、社内でどのよう
に位置付けるかという問題は極めて重要で、アナリティクスの成否、そ
して企業全体へアナリティクスの文化を浸透できるかどうかに大きく影
響します。本章では、アナリティクスを推進するためのアナリティクス
チームそのものと、企業全体の組織の作り方、あり方についてお話しし
ていきます。
企業全体の組織については、どうしても経営や人事の視点から語るこ
とになるため、本章で取り上げる課題や解決案は、アナリティクス担当
者に与えられる権限の外にあるものも含みます。そのような内容も、自
分が人事権を持ったときや、経営陣に提案するときの参考として、読ん
でいただければと思います。
アナリティクスチームは企業の中で、ユーザーと向き合う重要な役目
を担います。このチームが機能するためには、企業の組織全体が「ユーザー
中心」を強く意識して動く必要があります。
「ユーザー中心」とは、従来型の縦割り組織の壁を越えて、ユーザーの
経験価値の向上を第一に、事業を展開していくことです。縦割りの組織
では各部門の目標や課題も異なり、
「ユーザー中心」の動きを取ることは
難しいでしょう。しかし、経営陣も現場も皆ユーザーの行動データと向
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の
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り
方
き合い、複数の部門が有機的に融合し、課題解決に向けて邁進すること
が大切です……と、抽象的な理想論だけを書いてみても、現実味があり
ません。従来型の縦割り組織にも利点はあり、それを確認することなく
変えてしまうのも、早計に過ぎて現実的ではありません。
現在の企業組織は、アナリティクスの推進に必ずしも最適化されてい
るわけではないでしょう。しかし、アナリティクスのためだけを考えて
大きく組織を変えてしまうのも無理があります。それでは、いったいど
5
のような組織が最適で、現状とユーザー中心の理想的な組織とのギャッ
プは、どのようにして埋めていけばいいのでしょうか?
これが正解だという単純な答えはありません。企業の体質やキーマン
のタイプによって、最適な方法は変わってきます。以降では、現在さま
ざまな企業で行われている試みや、アナリティクス アソシエーションで
の調査結果や議論を参照しながら、現時点での最適解を考察したいと思
います。
[「ユーザー中心」の理想と従来型の縦割り組織の現実とのギャップ ]
広告・宣伝
理想
アナリティクス
チーム
ユーザー
商品開発
販売
システム
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現実
アナリティクス
チーム
ユーザー
商品開発
販売
売り上げ増加、
コスト削減、
etc.
システム
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の
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り
方
アナリティクスチームが成功できる環境を整える
まずは、アナリティクスチームが 何をミッションとし、後ろ楯として
どのような支援を得るべきか、大枠を整理しましょう。
5
これまでの章でもアナリティクスチームのあり方についてはたびたび
述べてきましたが、あらためて整理すると、適切に機能し成果を出せる
アナリティクスチームには、次の3つの要素が必要です。これらは、担
当者個人の力で揃えるのは難しいもので、経営陣の理解や、チームの粘
り強い取り組みが必要になります。
1. ビジネスへの貢献をミッションとする こと
2. 経営陣が支援する体制になっていること
3. 事業運用の業務と分離独立していること
ビジネスに貢献するチームだと明確に位置付ける
1 つ目、もっとも重要な要素は、アナリティクスチームのミッションと
して「収益への貢献」などビジネスの成果に結び付くものを設定すること
です。データの分析をすればいいコストセンターではなく、データを使っ
てビジネスの改善に取り組むチームであることを明確にして、評価もビ
ジネスの成果と関連する形で行います。
営業部門や事業部門とは性格が異なるため、完全に収益の金額と連動
した評価にするのは難しいでしょう。しかし、例えば半期ごとに定性的
な評価と、関連部署の業績に連動した定量的な査定をするなどして、ビ
ジネスへの貢献度を指標とした評価を行います。
アナリティクスがうまく機能している企業は、ビジネスの成果に向け
てアナリティクスチームを含む全社が一体となって取り組んでいます。
しかし、そうではない組織の場合、アナリティクスチームのミッション
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り
方
や仕事の評価基準があいまいであったり、データの管理や分析でミッショ
ンが完結してしまったりしています。
データを分析してレポートした段階や、改善案を発表した段階でミッ
ション完了とみなされ、実質的に誰もその内容を役立てることがなけれ
ば、ビジネスへのインパクトを期待できる状態ではありません。
数字として見えるビジネスの改善に貢献することがアナリティクス
チームのミッションであると、明確に定義する必要があります。アナリ
5
ティクスに成功している企業と、失敗している企業の違いの根本は、必
ずこの点にあります。
経営陣からの力強い支援が不可欠
2つ目の要素は、経営陣の支援です。社長や取締役などの経営幹部がア
ナリティクスチームにコミットし、活動を支える体制になっていること
が重要です。
アナリティクスはユーザーに寄り添う活動であり、開発、宣伝、サポー
トなど、顧客と直接関係する部門は、すべてが関係者となります。アナ
リティクスを推進し、改善を達成するためには社内にいる多くのステー
クスホルダーを巻き込むことが必要になり、しばしば、組織の壁が改善
施策の推進を阻むことになります。
組織の壁をどのように乗り越えるか? という状況で、上からの働き
かけが得られることは、実に頼もしいバックアップとなります。経営陣
がアナリティクスチームに共感し、支援することでアナリティクスチー
ムは動きやすくなり、また経営陣が率先して支援する態度を日常的に示
すことで、アナリティクスの意識の浸透を助けることにもなります。
もしも、経営陣にアナリティクスチームの活動や重要性を認識しても
らえていない状況ならば、その活動と貢献度をわかりやすく表現し、社
内で啓蒙活動を積み重ねていくことが大切です。
小さな成功でいいので、他部門と協力して改善を実現したプロジェク
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方
トを、まとめて社内成功事例として伝えていきましょう。一緒に活動し
た部門から評価をもらい、上層部に伝えてもらうように働きかけること
も有効です。
マスメディアでは連日のようにデータの重要性が叫ばれており、「わが
社のデータ分析による改善事例」の報告は、
経営陣も望んでいるものです。
5
皆さんは、とてもいい時代にアナリティクスに携わっています。この機
会を最大限に活用する意識を持ちましょう。
「便利屋」にならないよう独立性を保つ
成果を出すために必要な3つ目の要素は、チームの独立性です。特に、
既存サービスの運用チームとアナリティクスチームは、それぞれ独立し
ていることが必須です。
アナリティクスの担当者を置きながら成果を出せない企業の典型的な
パターンに、その担当者が運用業務との兼務になっているケースがあり
ます。改善の実施と達成についてアナリティクス アソシエーションで調
査した結果でも、アナリティクス専門のチームを作って動いた企業では 6
割が「改善を達成できた」と回答している一方、独立したチームを持たず
に、ほかの担当者が兼務して改善に取り組んだケースでは、「改善を達成
できた」の率が4割にまで下がっています。
アナリティクスチームが明確に独立性を保つことができていないと、
いつのまにか他部門の便利屋になってしまうケースがほとんどです。デー
タの重要性が高まれば高まるほど、現場からはデータの提供を求める「レ
ポート要求」が高まります。そうなると、立ち位置があいまいで社内の
発言力も弱いアナリティクスチームは、レポート作成の担当チームになっ
てしまうのです。
独立性が高いレベルで保たれていれば、たとえ小さなチームでも、ア
ナリティクスの取り組みを運用チームの業務とは独立した特別なミッ
ションと位置付け、余計な干渉は排除しながら改善を進められます。成
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り
方
り行きで分析レポートの作成業務に追われるような形だけのアナリティ
クスチームにしないよう、企業としてもアナリティクスチームに配慮す
る必要があります。
高い独立性を持ち、ビジネスに貢献するアナリティクスチームを作る
ために、経営に携わる読者の方に伝えたいことがあります。アナリティ
クスチームのメンバーには、事業部門のスター社員を引き抜いてでも力
のある人材を任命するべきです。
5
それくらい高い意識を持ってアナリティクスチームの地位と独立性を
保たなければ、とうてい成果は得られず、競合他社に大きく遅れをとっ
てしまうでしょう。
POINT
アナリティクスチームは
ビジネスへの貢献をミッションとする
アナリティクスチームが成果を出すには、
運用チームからの独立性と経営陣が支援する体制が必要
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り
方
成果を出せるアナリティクスチームの
編成と位置付け
5
最小構成のアナリティクスチームは3人
ここからは、アナリティクスチームの具体的な姿を、より詳細に考察
していきます。まずは、チームにどのような人材が必要か、最小限のメ
ンバー構成として考えていきましょう。
第 1 章では「アナリティクス担当者に求められるスキルと資質」として、
1 人ですべてを満たすのは難しいほどの条件を挙げました。小さなプロ
ジェクトチームから成長してメンバーを増員するときには、互いが異な
る得意分野を持ったメンバーを集めることで求められる条件を満たし、
総合力的に高いパフォーマンスを発揮できるようメンバー構成を考えた
いものです。
アナリティクスに必要なのはデータアナリストだと単純に考えて、統
計やリサーチなど、データ分析に詳しい人材だけを集めてチームを編成
してしまうケースは少なくありません。しかし、実際に成果を出すため
のアナリティクスの業務は、データ分析、経営、エンジニアリングと、
多角的な要素があり、アナリストだけでは不十分です。
アナリティクスチームを編成するときは、「チームリーダー」「アナリ
スト」
「エンジニア」が各1人、
計3人が最小構成になると考えてください。
3 人の役割分担は、次のページの図のように表せます。
このうち、もっとも重要な、アナリティクスの成否の鍵を握る人物は
アナリストではなく、チームリーダーであるビジネス戦略担当です。ミッ
ションであるビジネスへの貢献に対して責任を持ち、改善施策を立案・
推進していきます。
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り
方
チームリーダーは必ず社内の人材から指名します。条件としては、デー
タ分析のスキルよりも、アナリティクスにより改善したいビジネスに詳
しく、実務の経験があることを重視します。加えて、社内の人脈が広く、
経営陣からの信頼もあるコミュニケーション能力の高い人物であれば、
社内コミュニケーションの壁を越えやすくなり、非常に有利です。
小さな組織の場合、この役割はマーケティング部門のリーダーが兼務
するのが現実的です。規模が大きくなってアナリティクスチームを十分
5
な人数で構成できるようになったら、独立したリーダーを置くことを考
えます。
ある不動産会社では、営業部門でトップの成績を上げた人物をアナリ
ティクスチームのリーダーに据えて成功しています。豊富な営業経験か
ら顧客を動かす勘所がわかっているため、精度の高い改善施策を立てる
ことができます。また、他部門、特に営業のスタッフを動かす話の進め
方も手慣れていて、改善にあたっての連携もスムーズにできました。
アナリストは、チームリーダーの戦略をもとにデータ分析を遂行する
担当です。セグメント分け、データの分析、ユーザーテストの実施、そ
れらの結果に基づく改善施策の提案など、具体的な分析から改善のサイ
[ 3人で構成する最小限のアナリティクスチーム ]
ビジネス戦略担当
チームリーダー
データ分析担当
技術とデータ整理担当
アナリスト
エンジニア
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り
方
クルを主導していきます。
データ分析のスキルももちろん重要ですが、どのようにデータを見せ
れば相手に動いてもらえるのか、チームリーダーのもとで他部門の現場
担当者とコミュニケーションを取っていくことも役割に含まれます。デー
タ分析に特化した人材であればいいわけではなく、ビジネスやコミュニ
5
ケーションのスキルも身に付けていくことが求められます。
エンジニアは、データ取得のためのソフトウェアを準備したり、複数
のデータを統合したり、現在あるデータをほかのデータベースに移転し
たりと、データの取得や整理に関する作業を行います。大量の複雑なデー
タを統合して分析するためには専門のエンジニアが必要で、JavaScript な
どの Web プログラミングの技術や、各種アプリ・サービスと連携してデー
タのやりとりをするプログラムを開発する技術が求められます。データ
取得のテストや、データに不具合があったときの問題判別や修正も、エ
ンジニアの役割となります。
この 3 人は、コミュニケーションを取りながらチームとして仕事を進
め、設定した期間の中で、目標の達成に向けて改善施策を推進していき
ます。
チームをさらに増員していくときにも、この 3 人の構成を常に念頭に
置きます。例えば、自社サイトの会員の行動データと店舗の顧客データ
を統合し、ユーザーを深く分析したい場合には、複数のアナリストとエ
ンジニアがいた方がいいでしょう。また、会社の組織が大きく、調整業
務が重くなることが予想されるならば、リーダーをサポートする役割の
人員を置くことが考えられます。
同時に並行して複数の改善プロジェクトを走らせるのであれば、3 人で
構成するチームがアナリティクスチーム内に複数できる形にするのが基
本型となります。だたし、個人の力量やプロジェクトの規模によっては、
1 人のチームリーダーのもと、3 ∼ 4人のアナリストがそれぞれ別の課題
をこなし、エンジニアは1人で全部のデータを管理する、というように 3
つの役割の人数の配分を変更してもいいでしょう。
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り
方
社内の位置付けによりアナリティクスチームの動きが変わる
チームの中に続いて、チームの周囲の環境を考えます。アナリティク
スチームを社内のどこに位置付けるか? これも重要な課題で、チーム
そのものの動きや他部門との連携のしやすさに影響します。
アナリティクス アソシエーションの調査結果などから、社内でのアナ
5
リティクスチームの位置付けには、次の4つの典型的なパターンがある
ことが見えてきました。
1. マーケティング部門内
2. 事業部門内
3. 企業トップ直下の経営企画部内
4. 情報システム部門内
各パターンには一長一短があり、必ずしもどれがベストとは言い切れ
ません。特に重視したい目標や、組織の特性から考えて、自社に適した
形を模索していくのがいいでしょう。各パターンの利点と難点を見てい
きます。
マーケティング部門内はどれだけ権限を持てるかが鍵
1つ目のパターンはマーケティング部門の中です。アナリティクス ア
ソシエーションが行ったアンケート調査でも最多で、ユーザーと向き合
いビジネスに貢献するというミッションを考えると、マーケティング部
門はもっとも合っていると考えられます。
米国でもこのパターンが最多ですが、日本では事情が違います。米国
では CMO(Chief Marketing Officer)という強い権限を持ったマーケティン
グ責任者のもと、マーケティング部門が経営戦略の中核となって、複数
193
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り
方
の事業部門を見ています。一方、日本ではCMO を置いている企業はごく
わずかで、権限が複数の部署に分散している場合が多く、他部門への影
響力も米国ほど強くはありません。
例えば、日本では「マーケティング部」のほかに「広報宣伝部」「販売促
進部」「インターネット事業部」
「サポート部」が別々に存在する企業も
5
珍しくありませんが、これらは米国企業の感覚でいえば、すべて「マーケ
ティング部」に入るべきものです。
このような組織ではマーケティングの責任範囲・プロセス・貢献度が
分断され、全体像が見えにくくなっています。アナリティクスチームと
しても、組織の壁を越えていくことは困難になります。
一般的な日本企業のマーケティング部門が抱える問題は、ほかにもあ
ります。1 つは業務内容で、本来やるべきユーザーのデータの分析を十分
に行わず、実際の業務が広告宣伝の運用管理に終始しているマーケティ
ング部門が見受けられます。そのような組織ではマーケティング部門が
ユーザーを見ていないため、アナリティクスチームだけが「ユーザー中心」
を謳っても、うまくいきません。
また人材面でも課題があります。日本企業では頻繁に人事異動があり
ジェネラリストが多くなる傾向があるため、十分なスキルと経験を持っ
た人材が育ちにくいのが実情です。ネットでのマーケティングに必須な
IT のスキルも、日本の多くの企業のマーケティング部門には不足してい
ます。そのため、ツールの導入設定などで情報システム部や外部の代理
店などに依存しなければならず、優先順位や予算の取り扱いなどが壁と
なり、思うように進まないことになってしまいます。
アナリティクスチームをマーケティング部門内に置く場合には、マー
ケティング部門が強い権限を持ち、ユーザーのデータを俯瞰して見られ
る立場にいることが重要です。例えば、ブランドの調査結果、サポート
の顧客満足度、顧客ごと会員ごとの売り上げデータ、サイトのユーザー
行動データなどを、いつでも集められる権限を持ったポジションでなけ
ればなりません。本来マーケティング部門は、これらのデータから得ら
れる指標をもとに、ビジネスへの貢献度が評価されるべき部門なのです。
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り
方
部門全体で、データの利用、ユーザー中心の取り組みを意識していく必
要があります。
事業部門内では独立性の確保に注意が必要
2つ目の事業部門内にアナリティクスチームを置くパターンは、企業の
5
事業が 1 種類ならば、もっとも効果的に機能できます。事業部門はもと
もとユーザーを見てビジネスをしている部門であり、ミッションやユー
ザーに関する情報の共有もしやすいので、それらの変化にすばやく対応
した改善が可能になるでしょう。
難点としては、チームの独立性を確保しにくいことがあります。トッ
プの事業部長がアナリティクスの重要性を認識していないと、特に独立
性が侵されやすくなり、単純なレポート提出や効果検証など、下請け的
な業務に終始してしまうことになりがちです。
複数の事業部がある企業で、事業部ごとにアナリティクスチームを置
くパターンもあります。その場合は、独立性の確保が課題となるのに加
えて、アナリティクスチームが複数に分かれていることで、データ統合
が進まなかったり、スキルやナレッジが分散して無駄が生じたりしがち
なことにも注意が必要です。同種の仕事をする小さなチームが複数ある
ことで、優秀なアナリストやエンジニアの人件費の維持や、人材の育成
に取り組むことが難しくなり、データ分析やマーケティングの進化に対
応しきれなくなるおそれがあります。
経営企画部内のアナリティクスチームは孤立に注意
3つ目の、企業トップ直下の経営企画部内にアナリティクスチームを位
置付け、独立的かつ横断的に動けるようにするパターンも、比較的多く
の企業で取られています。
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り
方
経営企画部でアナリティクスを推進する背景には、アナリティクスを
「実験的な新しい試み」と位置付けている面があります。新しい試みなの
で外部から人材を登用し、既存の組織やキャリアパスと衝突しないよう
配慮されることも多くなります。
このパターンは、アナリティクスチームの独立性の高さがメリットで
5
す。事業部門の下請けになることを避ける意味でも、いい形です。
一方で、経営企画部とそのほかの部門との距離があるため、コミュニ
ケーションを取るのが難しいことが問題となります。経営企画部に新し
い試みを推進するチームを置く形式は、アナリティクス以外でもよく行
われますが、実験的な試みが本当に実験のままで終わってしまう、とい
う結末が多いのもまた事実です。
経営企画部にアナリティクスチームを設置する場合は、リーダーに営
業部門や事業部門の優れた人材を配置しましょう。実績や社内人脈が豊
富なリーダーによって他部門と密なコミュニケーションが取れるように
することで、難点を補い、有効に機能できるようになります。
情報システム部門内のアナリティクスチームは困難が多い
4 つ目は、情報システム部門の中にアナリティクスチームを設置するパ
ターンです。データ分析ツールの選別や導入にあたっては情報システム
部門の力が必須なので、情報システム部門の力が強い企業では、その中
にアナリティクスチームを設置、となることが多くなります。
経緯としてはわかりやすいのですが、このパターンのチームの運用に
はかなりの難しさがあります。それは、一般的な情報システム部門の役
割や体質が、アナリティクスの目的と相反するためです、
アナリティクスはビジネスへの貢献をミッションとして、ユーザーや
マーケットに向き合って仕事をしていきます。マーケットの変化に迅速
に対応するため、スピードを重視し、できるだけ有効な技術やツールの
導入にトライしていこうと考えます。
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対して、情報システム部門は社内システムの運用や管理が主目的で、
コスト削減や安定稼働がミッションです。極力ミスを減らすために十分
な要件の検討や入念な設計をしていこうと考えると、新しい技術やツー
ルを導入することの優先度は下がります。こうした体質の違いは大きい
ため、アナリティクスチームが情報システム部門の体質に引っ張られて
しまうと、改善のスピードも鈍ることになりかねません。
もちろん、情報システム部門内のアナリティクスチームが成功してい
5
る事例もあります。データの収集にあたって技術面で障害がなくなるこ
とは、大きなメリットでもあるでしょう。情報システム部門内のアナリ
ティクスチームが成功を収めるには、スピードを重視する独自の文化を
築いていく覚悟が必要となります。
[アナリティクスチームの位置付けによる利点、難点]
利点
難点
難点の解決策
マーケティング
部門
部門内でミッションを
共有して取り組みやすい
部門の権限が弱いと動きにくい
/部門がユーザーと向き合って
いない場合はミッションを共有
できない
マーケティング部門の権限を
強化する/「ユーザー中心」を
意識付ける
事業部門
ユーザー中心のミッション
やユーザー情報を共有
しやすい
独立性を確保しにくく、事業部
の下請けに/複数の事業部
ごとにアナリティクスチームを
置く場合は非効率
事業部長の理解を得てチーム
の独立性を保つ/同機能の
チームを複数置くことは避ける
経営企画部
チームの独立性を
保ちやすい
他部門とのつながりが弱く、
コミュニケーションを取りにくい
社内コミュニケーションに長けた
人材をリーダーに配置する
情報システム
部門
データの取得や加工が
やりやすい
情報システム部門の体質が、
スピードが要求されるアナリティ
クスのブレーキとなる場合がある
アナリティクスに適した
チーム独自の文化を築く
POINT
アナリティクスチームの最小構成は3人。
ビジネス戦略担当のチームリーダーが鍵となる
社内での位置付けは、組織の特性を考えて
選択することが重要
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