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e-NEXI 2011年07月号をダウンロード
e-NEXI
2011 年 7 月号
➠特集
2010 年度の保険事故の特色・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
独立行政法人日本貿易保険 債権業務部
➠カントリーレビュー
OECD カントリーリスク専門家会合における国カテゴリー変更国の概要(ウルグアイ・蘭領アンティル)・・・・・6
➠NEXI ニュース
大阪商工会議所との業務協力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
発行元
発行・編集 独立行政法人日本貿易保険(NEXI)
総務部総務・広報グループ
e-NEXI (2011 年 7 月号)
2010 年度の保険事故の特色
独立行政法人日本貿易保険
債権業務部
1.
はじめに
日頃、お客様におかれましては、貿易保険へのご理解、ご協力をいただいており、誠にありがとうござい
ます。「保険事故の特色」の掲載は今回で3度目となります。
2008年度は、世界経済の落ち込みを受け、信用危険事故の発生件数、金額とも増大しました。翌
2009年度は、2008年度に発生した事故の保険金を支払った年でした。2010年度について、どのような特
色があるか、事故データ 1をもとにご紹介いたします。
2.
2010 年度の保険事故発生と保険金支払いの実績
(1) 信用危険/非常危険別
(単位:百万円)
区分
危険区分
2010 年度
前年比
30,280
36,151
46,734
129%
件数
425
709
283
40%
金額
30,104
12,031
11,094
92%
件数
647
234
140
60%
金額合計
60,384
48,182
57,828
120%
件数合計
1,072
943
423
45%
金額
301
7,176
4,603
64%
件数
29
64
64
100%
金額
16,858
3,268
3,972
122%
件数
259
129
38
29%
金額合計
17,159
10,445
8,574
82%
件数合計
288
193
102
53%
非常危険事故
信用危険事故
保険金支払
2009 年度
金額
信用危険事故
事故発生
2008 年度
非常危険事故
上記テーブルのとおり、2010 年度の事故発生全体を前年度と比較すると、世界経済の回復に伴い件
数は半減したものの、特定のバイヤー向け信用危険の大型事故により、金額ベースでは 2 割増となりまし
た。信用危険事故については、件数では 6 割減であった一方、金額ベースは 3 割増でした。他方、非常
危険事故の発生については、件数は信用危険事故と同様大きく減少し、金額ベースでも 1 割弱の減少
となりました。
保険金支払いは、全体では金額、件数共に減少しました。信用危険事故による保険金支払いは、
1
2011 年 5 月末時点のデータに基づく
1
1
e-NEXI (2011 年 7 月号)
前年度比で件数に変化はなかったものの、金額では 4 割減でした。非常危険事故による保険金支払い
については、件数は7割減であった一方、金額ベースでは 2 割増でした。
非常危険事故の推移
信用危険事故の推移
事故発生
保険金支払
事故発生
50,000
45,000
30,000
40,000
35,000
25,000
30,000
20,000
百万円
百万円
保険金支払
35,000
25,000
20,000
15,000
15,000
10,000
10,000
5,000
5,000
0
0
2008年
2009年
2008年
2010年
2009年
2010年
(2) 地域別
2010 年度の実績
(単位:百万円)
事故発生金額
地域
アジア
信用危険
保険金支払金額
非常危険
信用危険
非常危険
41,258
4,166
1,068
11
ヨーロッパ
1,520
687
1,292
0
北・中米
1,082
2,844
2,242
2,851
南米
2,352
2,514
0
1,084
82
883
0
26
439
0
0
0
46,734
11,094
4,603
3,972
アフリカ
オセアニア
合計
①事故発生状況
地域別の事故発生金額ならびに保険金支払金額は上記テーブルの通りです。2010 年度も引き続き、
信用危険事故の大半は主にアジア(中近東を含む)で発生しています。
非常危険事故は、昨年度同様、アジア(中近東を含む)、北・中米及び南米で多く発生しました。事
故発生事由についてみると、アジア(中近東を含む)では「国連等経済制裁」、南米では「為替取引の制
限」、中米地域では「外貨送金遅延」と、地域の特徴があります。
信用危険事故については、昨年度と比較して、件数は大幅に減少したものの、特定のバイヤー向け
事故により、保険事故金額が昨年度を上回るものとなりました。特に、アジア(中近東を含む)での事故
発生金額が前年度比 44%増と大幅に増えました。
2
2
e-NEXI (2011 年 7 月号)
事故発生金額 非常危険
5,000
4,166
百万円
4,000
2,844
3,000
2,514
2,000
883
687
1,000
0
0
アジア
ヨーロッパ 北・中米
南米
アフリカ
オセアニア
事故発生金額 信用危険
百万円
50,000
41,258
40,000
30,000
20,000
10,000
1,520
1,082
2,352
82
439
0
アジア
ヨーロッパ 北・中米
南米 アフリカ
オセアニア
②保険金支払い状況
非常危険事故による保険金支払いでは、2009 年度に中米地域において「外貨送金遅延」を事故事
由とした保険金支払いを実施した案件について、2010 年度も引き続き、保険金を支払いました。非常
危険事故の発生した地域とは異なり、保険金支払い国は、2010 年度も昨年度と同様に北・中米、南
米に集中しています。
世界経済の回復を受けて、今年度は信用危険事故による保険金支払いが 2009 年度比で大幅減と
なりました。地域別で見ると、アジアでの保険金支払金額が大きく減る一方、北・中米で増えています。
3
3
e-NEXI (2011 年 7 月号)
3.
2010 年度信用危険事故の事故発生金額の分析
(1) 保険種別
保険種
包括区分
貿易一般
金額(百万円)
構成比
件数
構成比
企業総合
5,931
12.7%
211
74.6%
一般企業
11,768
25.2%
17
6.0%
組合
27,587
59.0%
14
4.9%
個別
1,393
3.0%
30
10.6%
限度額設定型
-
0
0.0%
0
0.0%
輸出手形
-
51
0.1%
9
3.2%
再保険(受再)
-
0
0.0%
0
0.0%
中小企業
-
4
0.0%
2
0.7%
貿易代金貸付
-
0
0.0%
0
0.0%
海外投資
-
0
0.0%
0
0.0%
海外事業資金貸付
-
0
0.0%
0
0.0%
46,734
100.0%
283
100.0%
合計
保険種毎の信用危険事故発生金額は、2009 年度までの傾向に比べ、組合包括保険での事故発
生金額が大きく増えました。
(2) バイヤー格付別
危険区分
バイヤ格付ー引受時
信用危険
金額(百万円)
構成比
バイヤー数
構成比
GA
8,250
17.7%
1
2.4%
GE
2,360
5.1%
2
4.9%
EE
27,063
57.9%
1
2.4%
EA
4,636
9.9%
4
9.8%
EF
3,216
6.9%
31
75.6%
PU
1,165
2.5%
1
2.4%
SA
43
0.1%
1
2.4%
46,734
100.0%
41
100%
合計
バイヤー格付別では、EF 格に事故が集中しています。ただし、金額ベースでは、EE 格が事故発生金
額の約 6 割を占めております。
※バイヤー格付けの内容はこちらのHPを御覧ください
http://www.nexi.go.jp/product/confidence/
4
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e-NEXI (2011 年 7 月号)
(3) 填補範囲別
危険区分
てん補範囲
信用危険
金額(百万円)
構成比
件数
構成比
船積前
31,236
66.8%
9
3.2%
船積後
15,447
33.1%
265
93.6%
その他
51
0.1%
9
3.2%
46,734
100.0%
283
100.0%
合計
填補範囲別では、金額ベースで「船積前」の事故が「船積後」を超えています。「船積後」の保険事故
は、2009 年度と比較して、件数、金額共に大幅に減少しております(約 6 割減)。
(4) 信用危険事故のまとめ(事故発生の特徴)
2009 年度の上期(2009 年 4∼9 月)をピークに、信用危険事故の発生件数は減少・鈍化傾向にあり、
2010 年度下期は 100 件前後まで減っております。事故多発に対応するお客様各社のリスク管理強化、
損失防止・軽減への積極的な対応の成果によるものと考えられます。他方、金額ベースでは、2010 年上
期まで減少傾向にあったものの、下期にはアジア(中近東を含む)において信用危険事故が数件発生し
たことから前年同期比 50%増の 300 億円を超えております。
4.
おわりに
2010 年度の保険事故は、発生件数では 2009 年度から大幅に減ったものの、金額ベースでは増加し、
特に、大型案件の信用危険事故が目立ちました。
お客様におかれましては、引き続き損失防止・軽減へのご協力を願いします。万が一、保険事故が発
生しましたら、下記までご連絡ください。
保険事故等に関連して、保険の内容や保険金請求等の各種手続き等について、ご質問・ご不明な
点等がございましたら、ご遠慮なく NEXI の下記窓口までお問い合わせください。
お問い合わせ先: 日本貿易保険(NEXI)債権業務部 査定回収グループ
TEL:0120-673-094(フリーダイヤル)
5
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e-NEXI (2011 年 7 月号)
《カントリーレビュー》
OECD カントリーリスク専門家会合における国カテゴリー変更国の概要
(ウルグアイ・蘭領アンティル)
<Point of view>
・第 59 回会合において、中南米 26 ヵ国・地域について議論。
・経済状況に改善が見られたウルグアイの国カテゴリーが引き上げられた。
・蘭領アンティルについては自治領と自治体に分割されたため、OECD としてのレーティングは一時停止。
●
国カテゴリーが引き上げられた国
ウルグアイ E → D
2010 年 3 月に就任したムヒカ大統領のもとで、堅実な外交を展開している。近隣の大国であるブ
ラジル、アルゼンチンとの関係を特に重視し、メルコスール(南米南部共同市場)、OAS(米州機構)、リ
オ・グループ等の地域機構を通じた外交活動にも積極的である。民主主義が確立しており、海外から
の投資を誘致するため、開かれた事業環境が維持されている。汚職の度合いも中南米諸国の中では
最も低い部類に入り、178 ヵ国中第 24 位となっている(2010 年、Transparency International)。貧富
の差は近年拡大傾向にあるが、中間層が多く、他の南米諸国と比較すると、公平な所得分配が行わ
れている。このため近隣諸国よりセキュリティリスクは低い。
一次産品(肉類、米、皮革品、羊毛)の輸出を中心とした経済であるが、2009 年の低成長
(2.6%)をいち早く脱し、2010 年には 8.3%(推定)と高い実質経済成長率を記録した。2011 年にはブラ
ジル、アルゼンチンを始めとする世界経済の減速を受け、5.6%程度まで鈍化する見込みであるが、その
後も安定した持続的な成長が予測されている。特に農業分野における海外直接投資(FDI)が生産
性の向上に貢献している。また、雇用の増加と実質賃金の上昇に支えられた、堅調な民間消費の伸
びが成長の牽引役になると考えられている。
同国の対外債務残高/GDP 比率は近年大幅な減少傾向にある(2009 年:42.0% → 2011 年
27.8%[予測])。外貨準備高も 82 億ドル(輸入カバー月数で 8 カ月)程度あり、当面の外貨資金繰り
に問題は見られない。ただし、公的債務/GDP 比率は依然として高い水準(2010 年:55.6%[推定])
にあり、財政の圧迫要因となっている。特に公的債務の 3 分の 2 はドル建てであり、世界の金融情勢や
為替レートの変動の影響を受けやすい。政府は 2011 年∼2014 年のプライマリーバランスの黒字幅を
GDP 比 2.0%∼2.2%に維持し、2015 年時点の公的債務/GDP 比率を 40%程度まで下げることを目
標としているが、原油の輸入価格の上昇など楽観できない要素もある。
なお、2010 年 7 月以降、格付会社は同国の外貨建て長期債の格付けを相次いで引き上げている。
S&P とフィッチは、1 ノッチ引き上げて BB、12 月には Moody’s が 2 ノッチ引き上げて Ba1 の格付けを付
与している。
6
6
e-NEXI (2011 年 7 月号)
●OECD としてのレーティングを一時停止した地域
蘭領アンティル (当面 F を継続)
ベネズエラ沖合にあるキュラソー島,ボネール島と 800 ㎞北方に離れた3つの島(シント・マールテン島、
シント・ユースタティウス島、サバ島)からなるオランダ海外領土の蘭領アンティルは、2010 年 10 月 10 日
に解体された。キュラソー島とシント・マールテン島(観光産業が盛ん)は単独のオランダ自治領となり、
残る 3 島は特別な自治体としての地位を与えられ、オランダ本土に編入された。
これは、経済的格差などの問題により、1990 年代から数回行われた各島の住民投票に結果を踏ま
え、最終的にオランダ国会で法案が採択されたもの。
新たな経済データが明らかではないため、当分の間、OECD としての国カテゴリーは設定されないこと
となった(NEXIでは、当面、国カテはFのままとし、今後の議論を踏まえて対応していく)。
7
7
e-NEXI (2011 年 7 月号)
大阪商工会議所との協力
独立行政法人日本貿易保険
大阪支店
日本貿易保険(NEXI)は大阪商工会議所との間で貿易保険の活用を通じた中小企業の皆様の貿
易投資の促進及び中小企業の皆様の経営基盤の強化に向けた連携及び協力を行うための業務協力
に関する覚書を 4 月 27 日に締結しました。
この業務協力に基づく第一弾として、日本産輸出品への風評被害対策説明会を 4 月 28 日に大阪
商工会議所と日本貿易保険の共催で開催しました。大阪商工会議所の加盟企業を中心に約560 名
の参加者となり、関心を集める説明会となりました。さらに、5 月 17 日には、近畿商工会議所連合会常
任理事会の会議所事業検討ワーキンググループにおいて貿易保険制度の説明を行う機会を得て、各地
の商工会議所の皆様に貿易保険制度をご理解いただくためのひとつの機会となりました。
(参考:近畿商工会議所連合会は、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、福井、和歌山の71商工会
議所で構成される連合会)
今後、大阪商工会議所との連携をさらに深めて上記提携の目的実現に向けた活動を進めていく予
定です。
日本産輸出品への風評被害対策説明会の模様(写真提供:NEXI)
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