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コチラ

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コチラ
12世紀大学の誕生
現代社会と教養
平成25年4月20日
ボローニャ、パリ、オクスフォード、ケンブリジ
などに
学生組合、教師組合の形で
教える者と学ぶ者が寝食を共にする場
college(館)で universitas(組合)
於:ヨコハマ・ライブラリー・カフェ
村上 陽一郎
新たな学問体系の誕生
スコラ学
キリスト教信仰+アリストテレス主義
Thomas Aquinas (1225-74)
神の合理性の追究
大学の本質
哲学 philo+sophia 愛+智
(今の「哲学」ではない)
知識人としての基礎資格として
artes liberales を先ず学ぶ (学科ではない)
「教養教育」の初め
Liberal Arts とは
trivium
logica
gramatica
rhetorica
astronomia
quadrivium geometrica
arithmetica
musica
三科と四科
三科
「ことば」 についての技・業
聖書を読み解き かつ 理解する
四科
「自然」についての技・業
神の第二の書物である自然を
読み解き かつ 理解する
1
Liberal Artsの特徴
1.宗教的知識人としての基礎資格
2.専門性の欠如 philosopher(愛知者)
3.聖職者 医師 法曹は
専門的職業とは見なされなかった
vocation 神の呼びかけ
profession 神の呼びかけへの約束
賢慮prudentiaとは
ギリシャ語では phronesis
アリストテレス
法学 = jurisprudence 法賢慮
イギリスには 憲法はない
法的な賢慮による判例の積み重ね
宗教からの解放(聖俗革命)
E.Kant(1724-1804)
Was ist Aufklaerung? 1784
啓蒙とは自己責任に関する未熟状態から脱すること
自己の悟性にのみ依拠する勇気を持たず、代理人の
指導に自らを委ねること=未熟状態
近代の初め
ヴィーコ(Giambattista Vico 1668-1744)
デカルトのcriticaを批判
「真らしいものを取り上げ損なう」
学生は 先ずトピカ そしてクリティカ
豊かなトピカ(topics=共通の話題)
常識(common sense)と賢慮
『学問の方法』 岩波文庫
近代人と啓蒙
M. Mendelssohn (1729 – 86)
Ueber das Frage ; was heisst Aufklaeren?
「文化」 において成熟すること
文化 手工芸や職人の技術も
勤勉や躾の良さ なども
教養 そうした点で自己を造り上げること
近代的教養の理念
1.近代人としての主体性の確立を
可能にするもの・・・・カント
2.近代社会に生きるための素養
・・・・メンデルスゾーン
宗教における未熟状態こそ、最も有害なものである
教養 Bildung
Bildungsroman教養小説?
2
ヨーロッパの近現代
19世紀大学の改革と 近代的大学の誕生
ベルリン大学 専門的学識の殿堂
Wissenschaftsideologie
そのための基礎的教養は 中等教育へ
Gymnasium, Lyceeなど
大学予備門 日本の旧制高校
アメリカのリベラル・アーツ教育
1930年代 Great Books 方式
Chicagoを中心に広がる
人間性の普遍性を前提とする
したがって
ギリシャ以降歴史を貫いて古典とされる
書物に親しむことを通じて人間性を涵養
日本では 1
戦前は 旧制中学・高校が大学予備門であり
知的エリートとしての成熟を目指した
(大学は学部・学科制度の上に専門教育)
戦後は アメリカの制度を取り入れたが
学部・学科制度を温存したために
教養教育は不徹底
中等教育も半端
アメリカでは
アイヴィ・リーグでは 学部においては
専門性は問わず 市民的・人間的成熟を
19世紀後半になると Morrill Act によって
農業学校 工業学校 農工学校が誕生し
やがて州立大学に転化する
高度の学術は大学院で Johns Hopkins U.
1876
教養という言葉
漢語では 教え育てること (『後漢書』)
日本でも 木下尚江『良人の告白』
「君の子供として教養してくれ」
大槻文彦『言海』(明治24年)及びそれを踏襲
する『大言海』(昭和5年)には
エントリーがない
漱石門人たち(小宮豊隆、阿部次郎、和辻哲郎、
ら)の主張が「教養主義」の出発点?
戦後の日本
大部分の大学は「教養部」
実態がない 予算がない 権威がない
組織的な方法論がない
適当に自分の専門の入り口を講義
→改組の上消滅
全学的? ここでも 「基礎専門」
3
教養学部制度
東京大学 埼玉大学 放送大学
東海大学 同志社女子大学 ICU
学部であれば 定員は付く
では 学部・学科として 何を教えるか
東大の場合 新興学問領域に特化
新時代の教養大学
新設
早稲田大学国際教養学部
秋田県立国際教養大学 など
教養を中心とした大学(liberal arts college)
専門的学問は 大学院で
教養学部大学とは
大学院の意味
広く 様々な 可能性に触れる
しかし 浅く万遍なく ではない
later specialization
可能な選択肢の探索
1.専門的学問を究める
成熟した人間としての資格
democracismを避ける
衆愚では困る
しかし 同時に
technocracism も避けなければならない
国家主権者(成熟した市民)としての最小限
の素養
2.実務的な専門家を育てる
MBA
Law School
Medical School
院内大学院と ダブル・メジャー
現代に生きるための素養
主権者としての科学・技術リテラシー
理工系の研究者には 社会リテラシー
社会との関係を考える科目を(倫理学
社会学 などなど)
ELSI(Ethical, Legal & Social Issues)
コミュニケーション能力
そして 規矩
4
現代の知識人
多面的にものを考える
自分の立場を常に「相対化」できる
どういう相手にも 自分の考えを伝えられる
どういうときも 相手の考えを理解できる
絶対否定や絶対肯定に走らない
カウンターバランスがとれる
自分の評価基準(規矩)はきちんと持つ
教養と品性
他者に対しては 寛容であり 柔軟である
自らに対しては 常に自ら定めた規矩を
崩さない
規矩とは
知識人とは
どのような相手とも 自分の考えを伝え
相手の考えを理解するだけの力を備えている
学者・研究者
≠
知識人
学者・研究者は同僚を相手にしか
語れない
規矩とは
動物では 欲望の統御を 自然 が行う
満腹のときは 獲物を襲わない
人間では 欲望の統御は 自分自身が行う
食べる必要がなくても 殺す
欲望の統御機構を自らのなかに打ち立てる
5
MEMO
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