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CO2 炭層固定化技術開発について

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CO2 炭層固定化技術開発について
第14回石炭利用技術会議
【 講
演
Ⅱ
】
CO 2 炭 層 固 定 化 技 術 開 発 に つ い て
藤岡
昌司
(財 )石 炭 エネルギーセンター
資 源 部 環 境 グループ
1 . はじめに
平 成 1 5 年 度 から北 海 道 夕 張 市 南 部 の保 安 林 内 において 現 場 実 験 を開 始 した
CO 2 炭 層 固 定 化 技 術 開 発 は 、地 球 温 暖 化 問 題 の解 決 に向 け て CO 2 の 大 気 中 濃 度 を抑
制 す る た め 、火 力 発 電 所 等 の発 生 源 か ら回 収 し た CO 2 を 未 開 発 の石 炭 層 に圧 入 し
て安 定 的 に 固 定 化 す る と と も に 、 炭 層 中 で CO 2 と置 換 し た未 利 用 の メ タ ン ガ ス を
ク リ ー ン エ ネ ル ギ ー と し て回 収 す る技 術 を開 発 し 、 そ の 全 体 シ ス テ ム の実 用 化 ・
事 業 化 を検 討 するものである。
本 文 に お い て 、CO 2 炭 層 固 定 化 に 関 連 す る炭 層 で の ガ ス 貯 留・移 動 メ カ ニ ズ ム と
夕 張 で実 施 中 のプロジェクト概 要 を記 述 する。
2 . 石 炭 の構 造 と貯 留 ・流 体 移 動 メカニズム
1)構造
図 1 . 石 炭 の構 造 とガス貯 留 メカニズム
石 炭 は天 然 に破 砕 さ れ た ク リ ー ト と呼 ば れ る短 間 隔 の 亀 裂 シ ス テ ム を持 っ て お
り 、 こ の亀 裂 シ ス テ ム は石 炭 の炭 化 度 、局 所 的 な構 造 特 性 、 そ の他 の変 数 に対 応
し て石 炭 内 に形 成 さ れ て い る 。支 配 的 な( よ り連 続 的 な ) ク リ ー ト は一 般 に フ ェ
ー ス ・ ク リ ー ト と呼 ば れ 、 フ ェ ー ス ・ ク リ ー ト に略 垂 直 な方 向 の ク リ ー ト を バ ッ
ト ・ ク リ ー ト と呼 ん で い る 。石 炭 内 の ク リ ー ト間 隔 は 0.4cm か ら 2cm 以 上 と ば ら
つ い て い る 。 さ ら に 、 石 炭 は非 常 に細 か な“ ミ ク ロ空 隙 ” 構 造 ( 孔 隙 径 が一 般 的
に 5∼ 10 オングストロームの範 囲 )を有 し て い る 。従 っ て 、石 炭 は亀 裂 シ ス テ ム と ミ ク ロ
第14回石炭利用技術会議
空 隙 構 造 か ら な る 2 重 孔 隙 シ ス テ ム と し て特 徴 付 け ら れ て い る 。図 1 に石 炭 の 構
造 を示 している。
2 ) 貯 留 メカニズム
ガ ス は石 炭 層 内 に 2 つ の方 法 で存 在 す る 。石 炭 の ク リ ー ト等 の亀 裂 シ ス テ ム 内
に存 在 す る 自 由 ガ ス と 、石 炭 の ミ ク ロ空 隙 ( マ ト リ ッ ク ス) の表 面 上 に吸 着 層 と
し て存 在 す る ガ ス が あ る 。図 1 に マ ト リ ッ ク ス で の吸 着 ガ ス と ク リ ー ト内 の自 由
ガ ス を示 し て い る 。石 炭 の ク リ ー ト ・ シ ス テ ム の総 孔 隙 は小 さ い( 5% 以 下 ) く 、
石 炭 内 の原 位 置 ガ ス の 大 部 分 ( 90% 以 上 ) は 石 炭 マ ト リ ッ ク ス内 に 吸 着 さ れ て い
る 。大 部 分 の石 炭 層 に 関 し て 、石 炭 に包 蔵 さ れ る ガ ス量 は 、石 炭 の ラ ン ク 、灰 分 、
水 分 そ し て 石 炭 層 の圧 力 に主 に関 係 す る 。石 炭 層 の吸 着 能 力 は圧 力 の関 数 と し て
非 線 形 的 に 変 化 す る 。 こ の関 係 は ラ ン グ ミ ュ ア吸 着 等 温 式 を使 っ て 最 も良 く示 さ
れ 、吸 着 等 温 は試 験 デ ー タ
からラングミュア・パラメ
石炭
ガス砂岩
ガ ス 孔 隙 = 30%
ガ ス 孔 隙 = 20%
Bscf
ー タ ー を決 定 す る こ と に よ
っ て定 量 化 さ れ る 。図 2 に
圧 力 の関 数 と し て従 来 型 ガ
ス層 と石 炭 層 の ガ ス包 蔵 量
を示 し て い る 。図 2 に 示 さ
ガ ス 孔 隙 = 10%
れ る よ う に 、 ガ ス砂 岩 に含
ま れ る ガ ス 量 は圧 力 に 比 例
圧
力
し て 、物 理 的 に増 減 す る が 、
石 炭 含 有 ガ ス は吸 着 要 素 が
図2.石炭とガス砂岩のガス貯留能力比較
加 味 さ れ る の で 、低 圧 状 態
で は最 も ガ ス を包 蔵 で き る 。
ま た 、CO 2 固 定 化 ケ ー ス で の安 全 面 を考 え る と 、何 ら か の理 由 で高 い貯 留 圧 力 が 低
下 し ガ ス漏 洩 が生 じ る 場 合 に 、放 出 ( 漏 洩 ) す る ガ ス量 割 合 は ガ ス を吸 着 し て い
る石 炭 の方 が従 来 のガス砂 岩 層 より大 幅 に少 なく、安 全 であると言 える。
3 )ガス移 動 メカニズム
石 炭 層 に存 在 す る多 く の ガ ス は破 砕 さ れ て い な い石 炭 マ ト リ ッ ク ス の内 部 表 面 に
物 理 的 に吸 着 さ れ て い る 。石 炭 か ら の ガ ス生 産 は3 段 階 の プ ロ セ ス に よ っ て発 生
す る:1)亀 裂( ク リ ー ト)か ら の ガ ス流 れ 、2)ク リ ー ト表 面 か ら の ガ ス脱 離 、3)
石 炭 マ ト リ ッ ク ス を通 じ た ク リ ー ト へ の ガ ス 拡 散 。 こ の プ ロ セ ス は 図 3 に示 さ れ
る。
Darcy Flow(ダルシー流 れ)
CBM 孔 井 の単 一 相 孔 井 試 験 や CBM 孔 井 で の生 産 に関
す る実 験 に よ り 、石 炭 の ク リ ー ト ・ シ ス テ ム 内 の流 れ は ダ ル シ ー の 法 則 で表 さ れ
る 。一 般 的 に 、 ダ ル シ ー の法 則 は 比 例 定 数 ( 例 え ば 、浸 透 率 ) を使 っ て 、貯 留 層
第14回石炭利用技術会議
内 の流 量 と貯 留 層 全 体 の圧 力 降 下 とを関 連 付 ける。
Desorption
(脱 離 )
脱 離 は メ タ ン分 子 が石 炭 マ ト リ ッ ク ス の ミ ク ロ孔 隙 か ら 脱 着 し 、自 由 ガ ス と し て
存 在 す る ク リ ー ト ・ シ ス テ ム へ入 る プ ロ セ ス で あ る 。脱 離 等 温 線 は 石 炭 マ ト リ ッ
ク ス内 の吸 着 ガ ス濃 度 と石 炭 ク リ ー ト ・ シ ス テ ム内 の自 由 ガ ス圧 力 と の関 係 を 定
義 するものであり、図 2 に示 される。
Diffusion(拡 散 )
拡 散 は石 炭 マト リ ッ ク ス 内 の高 濃 度 地 区 から低 濃 度 地 区 への
ラ ン ダ ム な 分 子 運 動 を 経 由 す る ガ ス流 れ の発 生 プ ロ セ ス で あ る 。 メ タ ン は濃 度 勾
配 に対 応 し て マ ト リ ッ ク ス要 素 か ら ク リ ー ト ・ シ ス テ ム へ の拡 散 に よ る流 れ と し
て表 される。
従クリート
主クリート
孔井方向
天然の亀裂から
の流体生成
クリート表面
からのガス脱離
石炭マトリックス
を通じた分子拡散
図 3 . 石 炭 からのガス生 産 プロセス
4)
吸着特性
気 相 吸 着 に お い て吸 着 量 は圧 力 、温 度 に依 存 し 、吸 着 に は van der Wals 力 な ど
種 々 の相 互 作 用 が関 与 す る が 、一 般 に 、分 子 量 が大 き く 、沸 点 が高 く 、臨 界 温 度
が高 い物 質 ほど吸 着 しやすい。
表1
二 酸 化 炭 素 とメタンの物 性 値
物性値
二酸化炭素
メタン
分 子 量 [g/mol]
44
16
沸 点 [K]
194
111
臨 界 温 度 [K]
304
191
最 少 分 子 サイズ[nm]
0.33
0.40
イオン化 ポテンシャル [eV]
13.8
12.8
分 極 率 [cm 3 ]
41.0
26.0
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分 子 量 が大 き い場 合 に は分 極 率 が 大 き く な り 、相 互 作 用 エ ネ ル ギ ー も大 き く な る 。
ま た 、沸 点 や臨 界 温 度 が高 い場 合 に は沸 点 に お け る飽 和 蒸 気 圧 が高 く な り 、吸 着
ポ テ ン シ ャ ル が大 き く な る 。表 1 に示 す物 性 値 か ら二 酸 化 炭 素 が メ タ ン よ り も 石
炭 に吸 着 し や す い と言 え る 。 ま た 、石 炭 と吸 着 質 ( ガ ス ) 間 で の吸 着 相 互 作 用 に
関 し て は 、 分 散 力 が支 配 的 で あ り 、 メ タ ン よ り も イ オ ン 化 ポ テ ン シ ャ ル や分 極 率
が大 き い二 酸 化 炭 素 が 大 き な分 散 エ ネ ル ギ ー を持 っ て い る 。 し た が っ て 、吸 着 材
と吸 着 質 の 相 互 作 用 に お い て も二 酸 化 炭 素 が メ タ ン よ り 石 炭 に吸 着 し や す い こ と
を示 唆 し て い る 。 さ ら に 、二 酸 化 炭 素 の分 子 サ イ ズ は メ タ ン よ り も 小 さ く 、 き わ
め て微 細 な 細 孔 ( ウ ル ト ラ ミ ク ロ 孔 ) を持 つ 石 炭 に お い て メ タ ン が 侵 入 で き な い
よ う な微 細 な細 孔 に も 二 酸 化 炭 素 は侵 入 可 能 ( 分 子 ふ る い効 果 と よ ば れ て い る )
[cm3(S T P )/g
-co a l]
表面過剰量
であり、二 酸 化 炭 素 がメタンよりも吸 着 しやすいことがわかる。
図 4 は夕 張 で
40
30℃ C O 2
40℃ C O 2
30
60℃ C O 2
80℃ C O 2
20
30℃ C H 4
40℃ C H 4
10
80℃ CH 4
0
0
2
4
6
圧 力 [M P a ]
8
採取 したコアサ
ン プ ル に関 す る
メ タ ン と CO 2 の
吸 着 等 温 線 を示
し て い る 。 CO 2
はメタンの約 2
倍 の吸 着 量 を有
している。
図 4 . 夕 張 炭 で の CH 4 と CO 2 の 吸 着 等 温 線 ( 京 都 大 学
田門教授より)
3 . CO 2 炭 層 固 定 化 技 術 開 発 事 業 の概 要
本 技 術 開 発 は、基 礎 研
表 2. CO 2 炭 層 固 定 化 技 術 開 発 の 実 施 体
究と現場予備実験に分
CO 2 と CH 4の置換メカニズムの解明
北海道大学
け、それぞれの研 究 テーマ
CO 2 の挙動に関するシミュレーション開発
秋田大学
に よ り 担 当 する 大 学 お よ び
基礎研究
研 究 機 関 の協 力 を得 て進
められている。また、それら
を統 括 する形 で経 済 性 検
予備実験
基 礎 研 究 の多 くは平 成 14
年 度 と 15 年 度 において主
RITE
炭層の CO 2 固定ポテンシャルの検討
早稲田大学
CO 2回収技術の効率向上検討
討 を進 めており、その実 施
体 制 は表 2のとおりである。
炭層への CO 2 最適固定化条件の検討
(CO 2 の吸着特性に関する実験)
炭層への CO 2 最適固定化条件の検討
(石炭の膨潤・収縮に関する実験)
経済性検討
モニタリング技術の開発
京都大学
関西電力、
三菱重工業
KANSO テクノス
京都自然史研究所
CO 2 圧入予備実験
JCOAL
経済性、社会受容性等の検討
KANSO テクノス
要 な調 査 を完 了 している。
本 文 では、平 成 16 年 度 から本 格 化 した現 場 予 備 実 験 を中 心 に、その概 要 を述 べる。
第14回石炭利用技術会議
1)
サイト選 定
表 3 . サイト選 定 評 価 基 準
評 価 基 準
地山 状 況
地山 状 態の 炭 層が 賦 存しており、採 掘 跡地 と十分 な距離 が あること。
炭層 深 度
石炭 未 採の 可 能性 が 高い500m 以 深が 対 象となる。
炭層 厚 さ
基 礎 研 究 に 必 要 な サ ン プ ル 量 を 確 保 し、最 低 1m の 炭 層 厚 さが 必 要 で あ る。
キャップロック
キ ャ ッ プ ロ ッ ク と な る 炭 層 上 部 岩 盤 の 厚 さは 、250m 以 上 あ る こ とが 望 ま し
い。
探査 状 況
地質 調 査ボーリングが 多 い程 望 ましい。
地上 利 用状 況
機器 の 設置 場 所を確 保 できるスペースがあ ること。
現 場 予 備 実 験 の サ イ ト 選 定 に お い て 、表 3 に 示 さ れ る評 価 基 準 を作 成 し た 。 そ の
上 で 、我 が 国 の石 炭 に 関 す る地 質 情 報 、坑 内 炭 鉱 操 業 時 期 の ガ ス関 連 情 報 そ し て
国 内 CBM 資 源 調 査 資 料 に基 づ い て 地 域 の絞 り 込 み を行 い 、最 終 的 に 北 海 道 石 狩 炭
田 内 に あ る 夕 張 市 南 部 地 域 に サ イ ト( 図 5 参 照 ) を選 定 し た 。選 定 地 域 は保 安 林
内 に位 置 し、以 下 の特 徴 を有 している:
・
坑 内 炭 鉱 開 発 を目 的 と し た ボ ー リ ン グ 探 査 が 実 施 さ れ て お り 、 地 質 デ ー
タが豊 富 である。
・
垂 直 方 向 では肥 厚 な泥 岩
が地 表 近 くを覆 い十 分 な
キャップロックを構 成 し、
夕張市
水平方向 では 3 つの大 き
な断 層 により地 質的 に隔
離 された状 態 であり、ガ
ス漏 洩 の危 険 性 が極 めて
予備実験場所
低 い。
・
坑 内 炭 鉱 操 業 時 の資 料 に
よると、ガス包 蔵量 が多
0
2.5
5km
図5.実験場所位置図
図 5.実 験 場 所 位 置 図
2)
く、ガス抜 きの効 率 が高
い。
現 場 予 備 実 験 の内 容
[ 平 成 15 年 度 実 績 ]
・
圧 入 井 ( IW-1) ボーリング; 最 終 深 度 932m
・
コアサンプリング; 深 度 667m 以 深 。石 炭 及 び岩 石 。
第14回石炭利用技術会議
・
石 炭 コア原 位 置 ガス包 蔵 量 測 定
・
孔 井 の物 理 検 層;電 気 検 層 、密 度 検 層 、中 性 子 検 層 、自 然 カ ン マ線 検 層 、
孔 径 検 層 、温 度 検 層 、セメントボンド検 層
・
孔 井 試 験 ; 浸 透 率 、初 期 貯 留 層 圧 力 、クリート開 口 圧 力 の推 定
[平 成 16 年 度 実 績 ]
・
生 産 井 ( PW-1) ボーリング; 傾 斜 掘 削
・
IW-1 孔 井 での初 期 生 産
・
IW-1 孔 井 での CO 2 圧 入 、圧 入 後 の生 産 ; Huff-Puff 試 験
・
圧 入 井( IW-1)と生 産 井( PW-1)の 2 本 孔 井 に よ る CO 2 圧 入 と生 産 実 験 ;
図 6 の模 式 図 で実 験 概 要 を示 す。
・
環 境 モニタリング
ガス放出
生 産 井
気液分離器
(PW−1)
PCポンプ
圧 入 井
(IW−1)
蒸 発
器
排水タンク
昇圧ポンプ
CH4
H 2O
CO2
(本層)
炭層
CH4
H 2O
CO2
CO2
CH4
図 6.
CH4
CH 4
H2O
CH4 (下層) H 2O
CH4
2 本 孔 井 に よ る 圧 入 ・生 産
[平 成 17 年 度 (現 場 予 備 実 験 最 終 年 度 )計 画 ]
・
圧 入 井 での CO 2 連 続 圧 入 と生 産 井 での連 続 生 産 試 験
・
生 産 井 での CO 2 ブレークスルーの確 認
・
シミュレーションとのマッチング
3)
IW-1 孔 井 の概 要
IW-1 孔 で は深 度 660m ま で ノ ン コ ア で掘 削 し 、そ の後 、最 終 深 度 で あ る 932m ま
で コ ア リ ン グ を実 施 し た 。ケ ー シ ン グ プ ロ グ ラ ム は 、深 度 0∼ 58.2m 間 に 9-5/8 イ
ンチ、深 度 0∼ 664m 間 に 7 インチ、深 度 607∼ 931m 間 に 4-1/2 インチのケ ー シ ン グ を設 置
し た 。掘 削 さ れ た孔 井 内 の ケ ー シ ン グ パ イ プ と地 層 間 の ア ニ ュ ラ ス 部 に注 水 し た
セ メ ン ト ミ ル の硬 化 ・ 結 合 状 況 を 把 握 す る た め に 、 セ メ ン ト ボ ン ド 検 層 を実 施 し
た 。 ケ ー シ ン グ仕 上 げ さ れ た孔 井 と炭 層 部 の 導 通 を得 る た め に 、炭 層 部 区 間 ( 石
炭 下 層 ) にパーフォレーション( 深 度 890∼ 895m) を実 施 した。
4)
地質構造
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IW-1 孔 で の地 質 は 、上 位 よ り幌 内 層 、夕 張 層 、幌 加 別 層 か ら な る 。各 層 の分 布 は
表 4 のとおりで
表4 地層分布
地層名
幌内層
あ る 。暗 灰 色 ∼
分布深度
(区間長)
岩
相
0.00∼678.00m
(678.00m)
暗灰色∼暗褐灰色泥岩
濃緑灰色中粒砂岩∼粗粒砂岩(海緑石濃集帯)
暗褐灰色泥岩を
主体 とし、基底
部 で は濃 緑 灰 色
夕張層
678.00∼916.20m 暗褐灰色泥岩、暗褐灰色シルト岩
(238.20m)
青灰色極細粒砂岩∼極粗粒砂岩
石炭、炭質頁岩、黒色頁岩
(主要炭層)
上層
本層
下層
742.00∼743.75m 見掛厚(1.01/1.75)、真厚(0.87/1.52)
851.20∼853.70m 見掛厚(2.50/2.50、真厚(2.35/2.35)
890.08∼896.30m 見掛厚(5.32+/6.22)、真厚(4.83+/5.64)
中粒砂岩∼粗粒
砂岩(海緑石濃
集帯) からなる
幌加別層
幌内層が深度
678m ま で 賦 存
しており、浸透
916.20∼932.60m 灰色泥岩
(16.40m)
率 が極 め て 低 い
キャップロック
の働 き を し て い る 。石 炭 を挟 在 する夕 張 層 内 の主 な炭 層 は上 位 より上層 : 深 度
742.00∼ 743.75m、 本 層:深 度 851.20∼ 853.70m、下 層:深 度 890.08∼ 896.30m
で あ る 。本 地 域 で は一 般 的 に夕 張 層 の上 位 に 若 鍋 層 が整 合 的 に分 布 し 、 そ の上 位
を幌 内 層 が 不 整 合 に被 覆 す る が 、 本 調 査 で は 若 鍋 層 は確 認 さ れ な か っ た 。幌 加 別
層 は深 度 916.20∼ 932.60m 区 間 に分 布 し 、灰 色 泥 岩 か ら な り 、 ボ ト ム ロ ッ ク と
し て ガ ス の 拡 散 を抑 制 す る こ と が 期 待 で き る 。塊 状 で堆 積 構 造 を示 さ な い が 、 一
部 にラミナが認 められる。
5)
原 位 置 ガス包 蔵 量 測 定
原 位 置 ガ ス 包 蔵 量 は 、 回 収 し た コ ア サ ン プ ル を可 能 な限 り速 や か に 脱 離 キ ャ ニ
ス タ ー に封 印 し て キ ャ
下層①ガス包蔵量
12000
ニ ス タ ー内 で開 放 さ れ
10000
る ガ ス量( 測 定 ガ ス量 )、
ガス脱離量(ml)
8000
コ ア が掘 削 さ れ て か ら
キャニスター
挿入時
6000
4000
y = 536.76x - 4042.2
キ ャ ニ ス タ ー に封 印 ま
y = 863.76x - 7180.2
2000
でに損失するガス量
損失時間
0
-2000
-4000
0
5
10
15
20
25
推定損失ガス量
-6000
30
35
40
( 損 失 ガ ス 量 )、そ し て
測 定 ガ ス量 に変 化 が見
ら れ な い状 態 で試 料 を
-8000
図 7.
√t(MIN.)
粉 砕 し て吸 着 し て い る
損 失 ガス推 定 例
ガ ス を遊 離 さ せ測 定 す
る ガ ス量( 残 留 ガ ス量 )
の三 つ か ら 成 っ て い る 。損 失 ガ ス 量 は 、測 定 開 始 時 間 か ら キ ャ ニ ス タ ー封 印 ま で
の経 過 時 間 t の√ t を横 軸 に し 、縦 軸 に脱 着 ガ ス量 を プ ロ ッ ト し 、初 期 プ ロ ッ ト
第14回石炭利用技術会議
か ら求 ま る 近 似 直 線 を 外 挿 す る こ と に よ り推 定 す る方 法 を採 用 し た 。図 7 に √ t
法 による損 失 ガス量 の推 定 例 を示 す。
一 般 に ガ ス 包 蔵 量 と石 炭 の有 機 質 含 有 割 合 と の間 に は強 い相 関 が見 ら れ る の で 、
サ ン プ ル毎 の ガ ス包 蔵 推 定 値 と灰 分・水 分 割 合 と の相 関 関 係 を調 べ る 。そ の結 果 、
図 8 に示 す 通
Measured & Lost Gas
Content, ml/g
Gas Content vs. Organic Content
り 、2 つ の サ
30
ン プ ル を除 い
25
20
て 99 % 以 上
15
10
の強 い相 関 が
y = -0.9563x + 24.13
R2 = 0.9967
5
0
0
5
見 られた。2
10
15
20
Dry & Free Moisture content (%)
つのサンプル
が他 の サ ン プ
図 8. ガス包 蔵 量 と有 機 質 割 合 の関 係
ル の回 帰 直 線
に載 ら な い 理
由 は 、今 の と こ ろ不 明 で あ る が 、 2 つ の サ ン プ ル は下 層 の内 、最 上 部 に位 置 す る
サ ン プ ル で あ り 、高 い 灰 分 に係 ら ず 、 ガ ス包 蔵 量 が多 い の は 、 メ タ ン が自 由 ガ ス
と し て灰 分 中 の孔 隙 内 に包 蔵 さ れ て い た こ と が考 え ら れ る 。図 8 の 回 帰 直 線 か ら 、
無 水・無 灰 ベ ー ス で の ガ ス包 蔵 量 が 24.13m 3 /t で あ る こ と が計 算 で き る 。一 方 で 、
下 層 サ ン プ ル に対 す る CH 4 と CO 2 の吸 着 平 衡 試 験 の 結 果 、表 5 に示 さ れ る よ う
表 5 . 吸 着 平 衡 試 験 の結 果
ガス成分
CO2
CH4
ラングミュア定数(1/bar)
0.1029
0.056
ラングミュア体積(ml.g)
44.053
28.011
(無水・無灰ベース、京都大学
田門教授より)
な ラ ン グ ミ ュ ア体 積
と ラ ン グ ミ ュ ア定 数
が推 定 さ れ た 。 ガ ス
成 分 は 、98% の CH 4
と 2% の CO 2 と想 定
で き る の で 、吸 着 平
衡 試 験 の結 果 を拡 張 ラ ン グ ミ ュ ア 式 に代 入 し て 、無 水 ・ 無 灰 ベ ー ス で の貯 留 能 力
は 24.35m 3 /t と計 算 で き る 。 こ の 貯 留 能 力 と 図 8 で求 め た ガ ス包 蔵 量 は同 じ と 考
え ら れ 、石 炭 の マ ト リ ッ ク ス は ガ ス飽 和 の状 態 で あ る と 推 定 さ れ る 。 ま た 、工 業
分 析 結 果 か ら IW-1 井 で の下 層 の 平 均 灰 分 ・ 水 分 は 8.37% で あ る の で 、原 位 置 で
のガス包 蔵 量 は 22.23m 3 /t と推 定 できる。
6)
孔井試験結果
炭 層 貯 留 層 の 特 性 と CO 2 の注 入 性 / 生 産 性 の推 定 に 資 す る た め に 測 定 炭 層 区 間
に対 し て 、 ① ス テ ッ プ レ ー ト ・注 水 ・ フ ォ ー ル オ フ試 験 を実 施 し た 。 ま た 、炭 層
の破 砕 開 口 圧 力 を確 認 するため、② マイクロフラック試 験 を実 施 した。
① ス テ ッ プ レ ー ト ・注 水 ・ フ ォ ー ル オ フ試 験 :
孔 内 パ ッ カ ー お よ び孔 内 シ ャ ッ
ト イ ン ツ ー ル を併 用 し 、低 流 量 高 圧 型 ポ ン プ を使 用 し た 。注 水 量 は 、0.5L/min、
1.0L/min、2.0L/min の順 で パ ー フ ォ レ ー シ ョ ン区 間 ( 890∼ 895m) へ注 水 し 、 そ
第14回石炭利用技術会議
の後 フ ォ ー ル オ フ を 約 37 時 間 観 測 し 、試 験 を終 了 し た 。取 得 さ れ た圧 力 デ ー タ を
解 析 し た結 果 、圧 力 デ ー タ に は ラ ジ ア ル コ ン ポ ジ ッ ト モ デ ル が最 も 良 く一 致 し 、
そ の他 の孔 井 試 験 モ デ ル で は全 て の圧 力 挙 動 に完 全 に一 致 し な か っ た 。水 透 過 率
は内 側 領 域 で 0.93mD、外 側 領 域 で 1.66mD と評 価 さ れ た 。貯 留 層 へ の掘 削 流 体 や
セメ ン ト浸 入 の可 能 性 が示 唆 される孔 井 近 傍 のダ メ ージ ( スキンファク タ ー:
0.24 ) が 僅 か に 認 め ら れ た が 、 ほ ぼ 無 視 で き る 値 で あ る 。 ま た 、 貯 留 層 圧 力 は
10,214kPa と評 価 された。
② マ イ ク ロ フ ラ ッ ク試 験 :
ス テ ッ プ レ ー ト ・注 水 ・ フ ォ ー ル オ フ 試 験 終 了 後 、
引 き続 き同 様 の測 定 シ ス テ ム を使 用 し て マ イ ク ロ フ ラ ッ ク試 験 を実 施 し た 。注 水
量 は 2.0L/min、4.0L/min、6.0L/min、8.0L/min の順 で 注 水 し 、そ の後 フ ォ ー ル オ
フ を約 25 時 間 観 測 し 、試 験 を終 了 し た 。取 得 さ れ た圧 力 デ ー タ を 解 析 し た結 果 、
目 的 炭 層 区 間 に お け る 破 砕 開 口 圧 力 は 15,800kPa、閉 口 圧 力 は 10,900kPa と評 価
された。
7)
①
圧 入 井 : 初 期 生 産 結 果 、ハフパフ後 の生 産 結 果
圧 入 井 ( IW-1) での初 期 生 産 結 果
Pressure sensor
PG
gas discharge
IW-1 孔 井 で の 生 産
PC Pump drive head
Gas meter
Temperature sensor
CH4
TW
P2
to Water line
PR O Vision
← φ 500→
2"
系 統 概 要 を 図 9 に示
FG
Flow sensor
P1,P2,P3,P4,T1
す 。水 は PC ポ ン プ に
よ り孔 内 か ら チ ュ ー
Separater(0.19MPa)
Flow sensor
FW
Temperature sensor
TEK surface cable
TG
to Gas line
P1
PC control
2"
ビ ン グ を通 っ て孔 外
の セ パ レ ー タ へ運 ば
9-5/8"CSG(ID:226.6mm)
12-1/4"bit
れ 、流 量 測 定 後 に貯
7/16"-7conductor
armored cable
7"CSG(ID:161.8mm)
Collar Protector
liner hunger:610m
8-1/2"bit
660m
留 タンクへ入 る。ガ
スは、ケーシングと
Gas(CH4)
4-1/2"CSG(ID:103.9mm)
M ore-T(880m)
890m
895m
Full hole Cementing
Groundwater
PC Pump(KUDU)
100TP1200FL
OD:86mm
Pump
Water Level Sensor at
911m
Torque A nchor
OD:92.2mm
Pump
〔水 深 :895m→ ON、906mOFF〕
923.5m
チ ュ ー ビ ン グ間 の空
間 であるアニュラス
部 を通 し て 孔 外 へ流
Gas Separator
OD:82.6mm
930.8m
TD: 932.6mM D
れ 、流 量 ・ 成 分 等 を
計 測 し た後 、放 出 塔
図 9 . IW-1 で の 生 産 系 統 概 要
か ら大 気 中 へ放 出 さ
れる。
②
初期生産実績
水 と ガ ス の 初 期 産 出 量 の範 囲 は そ れ ぞ れ 0.32∼ 0.41m 3 /d と 17∼ 35m 3 /d で あ っ た 。
こ の産 出 量 は シ ミ ュ レ -シ ョ ン予 測 値 に比 較 し 1/10 程 度 の低 い も の で あ っ た 。 こ
の低 産 出 量 の原 因 は 、 石 炭 粉 が ガ ン バ ー孔 周 辺 に付 着 し 水 の産 出 を 妨 げ て い る 生
産 障 害 ( ス キ ン フ ァ ク タ ー が高 く な る) な ど が考 え ら れ る 。更 に 、 浸 透 率 の低 下
も同 時 に想 起 され、石 炭 粉 等 がクリートを塞 いでいることも考 えられる。
第14回石炭利用技術会議
③
ハフパフ後 の生 産 挙 動
一 つ の孔 井 を使 っ て 、 圧 入 及 び圧 入 後 の生 産 を行 う試 験 を ハ フ パ フ ( HUFF-PUFF)
試 験 と呼 ぶ が 、IW-1 孔 井 に お い て は 、初 期 生 産 量 を計 測 し た後 、 CO 2 の圧 入 に よ
る ガ ス産 出 量 の変 化 を 調 べ る た め 、少 量 の CO 2 を下 層 へ 圧 入 し た 。 圧 入 後 の産 出
量 の推 移 と ガ ス成 分 推 移 を図 10 に示 し て い る 。CO 2 圧 入 前 と比 較 す る と水 産 出 量
が 10% 前 後 、 ガ ス産 出 量 は約 3 倍 増 加 し て い る 。水 産 出 量 の増 加 は圧 入 し た CO 2
に よ り 、推 察 さ れ る ガ ン パ ー孔 閉 塞 な ど の生 産 障 害 、 ま た は 、 ク リ ー ト閉 塞 な ど
の浸 透 率 悪 化 が改 善 さ れ た た め と 考 え ら れ る 。 し か し 、 ガ ス量 の大 幅 な増 加 は 、
水 量 の増 加 割 合 を大 き く凌 駕 し て お り 、CO 2 圧 入 に よ る生 産 障 害 の改 善 等 の理 由 以
上 に、CO 2 吸 着 によるメタンの増 進 効 果 が明 確 に現 れていると考 える。
8)
①
CO 2 連 続 圧 入 と PW-1 孔 井 での生 産 実 績
PW-1 孔 井 概 要
生 産 井( PW-1)は深 度 420m を キ ッ ク オ フ と し て 30m 掘 削 長 毎 に 2 度 傾 斜 さ せ る指
向 性 ボ ー リ ン グ で掘 削 し た 。最 終 深 度 は 907m で 、試 験 対 象 と し て い る下 層 の 深 度
は 877m で あ っ た 。PW-1 孔 井 は 、IW-1 で 貫 通 し た下 層 位 置 と は 約 66m 離 れた地 点
で下 層 を貫 通 し
CO2圧入後の産出状況推移
た 。下 層 に お け
140
500
400
シミュレーショ
350
ン予 測 に基 づ い
300
80
250
ガス総量(m3)
CO2量(m3)
CH4量(m3)
CO2濃度%
CH4濃度%
総水量(L)
60
40
20
200
150
100
50
0
日付
図 10.CO 2 圧 入 後 の 生 産・成 分 推 移
9月5日
9月4日
9月3日
9月2日
9月1日
8月31日
8月30日
8月29日
8月28日
8月27日
8月26日
8月25日
8月24日
8月23日
8月22日
8月21日
8月20日
8月19日
8月18日
8月17日
8月16日
8月15日
8月14日
8月13日
0
水産出量(L/day)
100
ガス量(m3/day)
/ガス濃度(%)
る両 孔 井 距 離 は
450
120
て 、圧 入 し た CO 2
が平 成 17 年 度
中 に PW-1 孔 井
においてブレー
ク ス ル ー す る距
離 とした。下層
の上 位 炭 層 で あ
る本 層 ま で は フ
ルホールセメン
チ ン グ を施 工 し 、孔 井 と は遮 蔽 し て い る 。下 層 部 分 は拡 孔 し て 4-1/2 インチの ケ ー シ
ング及 びストレーナを挿 入 した。
②
IW-1 孔 井 における連 続 CO 2 圧 入
平 成 16 年 11 月 9 日 よ り IW-1 孔 井 に お い て CO 2 の連 続 圧 入 を開 始 し 、11 月 24 日
に降 雪 の た め終 了 し た 。圧 入 し た CO 2 は総 量 で約 34t で あ っ た 。CO 2 は市 販 の 液 体
CO 2 を タ ン ク ロ ー リ に て サ イ ト ま で運 搬 し 、一 旦 貯 蔵 タ ン ク に移 し た後 、気 化 装 置
で気 化 さ せ 孔 井 内 に圧 入 し た 。孔 底 に お け る 圧 入 圧 力 が 炭 層 の ク リ ー ト開 口 圧 力
( 15.8MPa) 以 下 になるように気 化 装 置 での吐 出 圧 を調 整 している。
第14回石炭利用技術会議
300
1000
ガス総量(m3)
250
総水量(L)
600
200
150
400
100
PW-1 孔 井 で の
生産推移
図 11 に PW-1 孔 井 で
800
Water (L/d)
350
GAS (m3/d)
③
PW-1孔井生産実績
の産 出 量 の 推 移 を示
している。初期生産
時 期 で は ガ ス産 出 量
が徐 々 に減 少 し て い
200
50
CO2注入
0
10/1
10/8
10/15
10/22
10/29
DATE
11/5
図 11.PW-1 生 産 推 移
11/12
11/19
0
る 。CO 2 圧 入 後 に お い
て、ガス産出量が
徐 々 に増 加 す る傾 向
を示 している。
4.課題
第 2 孔 井 で あ る PW-1 孔 井 で は CO 2 圧 入 と並 行 し て 開 始 し た生 産 を継 続 中 で あ る
( 11 月 25 日 現 在 ) が 、PW-1 孔 井 で の ガ ス 生 産 量 は徐 々 に増 加 す る傾 向 を示 し て
お り 、CO 2 圧 入 に よ る 増 産 効 果 が 十 分 見 込 ま れ て い る 。今 後 、産 出 量 に基 づ く シ ミ
ュ レ ー シ ョ ン の ヒ ス ト リ ・ マ ッ チ ン グ を通 じ て 、試 験 結 果 の解 析 を 進 め て行 く 。
本 技 術 開 発 に お い て 、CO 2 の固 定 を確 認 す る 為 の地 中 で の CO 2 挙 動 の モ ニ タ リ ン グ
は大 き な課 題 で あ る が 、商 業 化 実 現 に は CO 2 注 入 性 や生 産 性 の大 幅 な増 加 を達 成
す る必 要 が あ り 、 そ の た め の孔 井 仕 上 げ技 術 の開 発 が重 要 と な る 。 夕 張 で実 施 中
の技 術 開 発 プ ロ ジ ェ ク ト は 、我 が 国 で最 初 の CBM 開 発 試 験 で あ り 、且 つ 、最 初 の
CO 2 炭 層 固 定 化 試 験 で も あ り 、圧 入 の み な ら ず生 産 を抑 制 す る要 因 を検 討 し て い か
なければならない。
謝辞
夕 張 で の技 術 開 発 プ ロ ジ ェ ク ト の 補 助 事 業 者 で あ る㈱ 環 境 総 合 テ ク ノ ス に は 、 デ
ータの提 供 をはじめ、多 大 なるご協 力 を賜 り、厚 く御 礼 を申 し上 げます。
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