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白馬村観光地経営計画策定委員会 第4回策定委員会 議事要旨 1.

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白馬村観光地経営計画策定委員会 第4回策定委員会 議事要旨 1.
白馬村観光地経営計画策定委員会
第4回策定委員会 議事要旨
1.開催日時
平成 27 年 8 月 25 日(火) 13:30~16:30
2.開催場所
白馬村役場 201・202 会議室
3.議題
(1)白馬村観光地経営計画の構成(素案)について
-計画課題について
-コンセプトについて
-戦略の体系について
(2)今後の進め方について
4.議事経過
(篠崎課長挨拶)
(下村委員長挨拶)
(資料確認・説明(JTBF 堀木)
)
●下村委員長:
資料 2 にある計画課題は、大きく 2 章で白馬の観光の現状を整理し、それを取り巻く観
光の動向を論じた最終的なアウトプットとして出てきている。大きくは 3 つのグループ位
に分かれるでしょう、というご説明でした。これに関して、質問、意見交換を進めたい。
●十代田委員:
コンセプト、目標像に「世界水準」という言葉がある。これはある程度外国人の方が来
ていることで、国際リゾートのようなものをイメージしているのではないかと思うが、そ
ういった現状が計画課題で触れられていない気がする。外国人のリゾートスタイルが日本
人といかに違っていて、それが白馬ではどういうことが問題であってという切り口も必要
ではないか。あるいはアジアのお客さんはどういうタイプで、オーストラリアのお客さん
はこういうタイプでという話が整理されているといい。
それと関係して、資料 3「長野県の指針で世界水準とは」の中で、3 番目の「世界の観光
市場の中で認知されている」と書いてあるが、認知されているという事だけではなく、世
界の観光市場、国際リゾートを知っていないといけない。例えば、ゲレンデやゴンドラを
比較すると、本当に世界水準なのだろうか。あるいは前回「リゾートアクティビティユニ
ット」という話があったが、現在のアクティビティの提供で本当に世界水準といえるのか、
そういうことを考えてみてもいいのでは。
1
それと同時に、これから世界のマーケットがどうなっていくのか、10 年先を考える上で
は重要。10 年後は難しいかもしれないが、ヨーロッパ、アジアからインバウンドのお客さ
んをどのくらい呼ぶかという事も含めてそういう視点もあった方がいい。
●下村委員長:
世界水準を謳いつつ、課題から戦略までのところでその色彩が少し弱い。事務局でその
辺りに関して回答をいただき、できればケビンさんに国際水準のあたりでご意見をいただ
ければ。
●事務局(JTBF)
:
外国人の方々がどんな楽しみ方をしていて、これからのリゾートを考える上でどういう
計画課題につながっていくのかというような整理は必要だが今回の資料で欠けていた。
一方、それらとあわせて環境への配慮などの面でも先進的な地域であることも世界水準
の一つの要件ではないか。
例えば EV やエコカーのような移動手段、
自然エネルギーの導入、
宿泊施設のエコ認証制度などを意識している。
ご指摘のとおり今の表現では世界水準と直接的に結びつくところが見えにくいので、世
界水準を目指すことと計画がどうつながっているのかを見えるように内容、表現を検討し
たい。
●下村委員長:
国際性を標榜しようとするときに、課題としてどんなものを感じておられるか、ご意見
いただければ。
●ケビン・モラード委員:
世界水準というのは非常にファジーな言葉だが、ユニバーサルでアクセスできるという
事かなと思っている。国籍ではなく、身体が不自由な方や子供、高齢者、外国人がみんな
簡単にアクセスできること。白馬の現状は、日本のスキー村として看板の表示が不足して
いる。また、建物の外側からはその中に何が入っているか分からないということが多く、
入りづらいこともあると思う。それから、支払いでクレジットカードがどこでも使える、
バスに乗りやすいなど、世界中どこの人でも生活しやすい、分かりやすい情報があれば、
一番いいと思う。
日本人の日帰り客は増えていて、宿泊は減っているということだが、今までの白馬村の
マーケティングは日本人に関してはこれだけのデータしかない。マーケットに対するリサ
ーチをして、ゼロからもう一回考え直さないといけないと思う。
インバウンドに関して言うと、例えば「雪の質の良さ」はスキーの歴史がある国にはす
ごく重要な要素になると思うが、雪のない国のお客さんにとっては逆に怖いイメージにつ
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ながるということもある。日本語の資料を英語や中国語に(そのまま)翻訳するのではな
く、マーケットリサーチをして、なぜ白馬に来ているのかも踏まえた上でマーケットに対
する資料を作るべきだと思う。
●下村委員長:
国際化という事もさることながら、ユニバーサルだという事。先ほど環境配慮の話も出
たが、誰にでもわかりやすく使いやすくあるということと、そういう人たちは非常に多様
であるので、そういうものをしっかりマーケティングして把握するという様なことも重要
だと。やはり、国際水準にしようとすると、そのあたりの努力もしないといけない。
●尾川委員:
私自身の世界水準とは、セレブの、お金持ちの高級リゾートというイメージを持ってい
た。その辺りの言語の意味の解説をお願いしたい。
●下村委員長:
事務局で想定しているのは、
「観光地の形態として持続的にやっていける」
、
「コンセプト
がはっきりしている」、「コンセプトに基づいた価値がちゃんと提供されている」等であっ
て、
「贅沢」というイメージではない。ユニバーサルでできるだけ幅広い層ということにも
つながるかもしれないが、言葉が分かりにくいようであれば、また検討が必要だ。
●事務局(JTBF)
:
委員長のおっしゃるようにイメージとしては必ずしも高級という事ではない。前回のワ
ーキンググループのあるセッションでも議論されたが、白馬で大切なのは「いろんな人に
それぞれ居心地のよさを提供できること」ではないか。その中にはより高級なものがあっ
てもいいのかもしれないが、そうすることによって世界中のいろんな方々に楽しんでいた
だけるということが、世界水準ではないかと考えている。今回の資料で書き込めていない
ので、追加していきたい。
●下村委員:
白馬村には他の地域が欲しくても手に入らない、オリンピッククラスのスキー施設があ
る。一方でそれだけに拘らず幅広い魅力を活用するということと、そうしたスキーを核と
する魅力をさらに磨くことと、両面が重要ということだと思う。
それに関連して、課題の 9 番で「オリンピック開催経験を活かす」とあるが、オリンピ
ック経験の活かし方、活用の仕方についてもご意見をいただきたい。
●大谷委員:
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白馬にはスキー場を背景にして冬のスポーツに対する使命みたいなものがあると思って
いる。そういうものが活かされればすごくいい計画になっていくのではないか。オリンピ
ック開催経験を活かして世界水準の観光地を目指したときの課題ということだが、開催経
験は非常に苦しいもので、大変な努力、努力、努力の連続だった。
今となればその経験から得たプラスの要素はたくさんあった。当時のスキーコースの質
は確かに国際水準を充分に維持していたし、そのスキーコースの質をもっと高めるために
どうするかを考えるのは比較的簡単なことだったと思う。
マイナスだったのは、スキーヤーの人たちが、そのスキー場にどういった期待を持って
来ているのかを想像ができなかったこと。経験を活かしたことよりも、活かせなかったこ
との方が多かった。例えばアルペンでいうと、(オリンピックでは)八方のコースを使った
が、雪の質も正解だったし、難易度が高くて立派な競技ができた。しかし、後利用ではあ
まりいいところではなく活用されていない。経験がいい方向へ作用するのか悪い方向へ作
用するのか、村民の人たちが考えなければいけないところ。
そういう意味で、経験を活かしてというと、マイナスの部分を消していく、つまりオリ
ンピックで使ったコースを一般の方々にも経験してもらって楽しめるようなコースにして
活用する様なことが足りていないと思う。一方、後利用だけ考えたら、オリンピックに使
ったコースではない別の既存のコースを使った方が認知度や告知には効果的だったかもし
れないし、どちらがいい悪いではない。
クロスカントリー競技場だとかジャンプ競技場だとか、オリンピック限定で考えればそ
れぞれはそれなりに活用できているが、特にクロスカントリー競技場はその後、競技施設
としてはグレードがあがっている。当時の公認コースはすでに世界水準としては古いのだ
が、新しい公認コースとして充分国際的に通用するレイアウトが維持できている。維持す
るには経費が非常にかかっているが、競技を開催しない時にどのように活かしていくかを
考えると可能性が広がる。ジャンプ競技場も同じことが言える。
●下村委員長:
この段階で具体的にするのは難しいが、ぜひその辺りのノウハウ、アイディアを盛り込
んでみたい。あと、費用対効果の問題がどうしても出てくると思うので、それとも絡めて
オリンピック競技場であったという事はうまく打ち出していきたい。
経営戦略でもあまりはっきり書かれていないが、例えば戦略 2 の魅力を育てるというと
ころ、冬季のアクティビティのあたりが該当するところ。もう少しそういう点もはっきり
出した方が、国際水準のものを抱えているということを出しやすいのかと思う。
●松本委員:
資料にも白馬の駅前からの白馬三山の写真とインスブルックの写真がある。シャモニー
の街に行くとモンブランが見え、スイスのツェルマットだとマッターホルンが村からみえ
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る。そんなことを思うと、この白馬連峰の山も世界に通用するようなイメージはあるので
はないか。八方のあたりから思い切って天狗山荘あたりにロープウェイかけるという大き
な夢もあったそうだが、もしそんなことが可能であれば、さすが白馬村は世界水準だなと
なる。外国の山岳リゾート地帯は老若男女ロープウェイなりゴンドラ、リフト等で一気に
上まで行けて、さらにそこからトレッキングでのんびりと下りる人、さらに上へ氷河を歩
くというコースもある。白馬村も塩の道から始まって、散歩できるような大きなトレッキ
ングのコースがいくつかあってもいいのではないか。最近八方の皆さんが 100 キロロード
のトレイルランをしているが、ああいう道も今後は活用して、それぞれのロードに難易度
があって、それにあったコースを歩けるような形になれば理想。
白馬はこれだけの景観がある中で、落ち着いてコーヒー一杯を飲むような雰囲気ではな
い。これから少しずつ電線を地中化するなどして景観は直していくことは不可能ではない
と思うが、その辺りの村づくりが、なんとなく熟していないと感じている。オリンピック
も開催され、それなりに白馬というネーミングは知られていると思う。あとはこのプロジ
ェクトの中でいかにいい形で村を作っていくかというのが一番の課題ではないか。
●下村委員長:
外からの来訪者の目を意識しながらまちづくりを進めていく、観光を手段としてまちづ
くりを進めていくことは、この観光地経営戦略のかなり重要な根幹で、コンセプトにもそ
ういう設定をしている。景観を整えていくことはこれからの重要な課題だということは間
違いない。裏磐梯はトレイルを設定し、それを施策の中心にしながら観光の戦略としてい
るので、白馬も山岳から農地のエリアまでいくつかトレイルを設定し、そこからの眺めを
整えていくことも可能かと思う。
●尾川委員:
今後の観光客の動向について、上に持っていくのか水平のままなのか下降線をたどるの
かという想定がこの資料にはなされていない。実際にインバウンドで外国人の方がたくさ
ん来られていること、日本人が減るのか増えるのか、ある程度予測するべき。
資料 2 の 2 ページに、利用の平準化とか分散化ということで書かれているが、今ある施
設に対して業種転向、廃業など、そういう計画、視点もひとつ作っておかないと。今後も
伸びていくのであれば、今ある宿泊施設がこのまま継続して、スタイルを変えるなどして
いけば持ち直すかとは思うが、そうでなければ転業、廃業するなど、押さえておかないと。
この計画が出た段階で自分自身の宿、レストランをどうするか、資料になるものを見せて
ほしいと思うのだが、あるのか。
●事務局(JTBF)
:
今後の見通しの数値については、観光庁の国内延旅行者数の簡単な想定が出ているが、
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国全体で見たら減っていくトレンド。外国人の伸びはそれを上回るかというと、それは各
国の経済状況も含め、一つの仮置きの数字にしかならない。一方で、各事業者さんがどう
いう見通しのもとに今後も事業に取り組んでいくかというところは、おっしゃる通り選択
肢としては色々あり得るということを可能性として例示しておく必要はあると思う。
ただ、こういう数字があるからこう判断するというのは、あくまでも各事業者さん。こ
れは村全体の計画なので、個の提案にどこまで踏み込んでいくのかは難しいところ。
●下村委員長:
確実な数値データをしっかり把握するような仕組み、個別の事業者にも判断を促せるよ
うなある程度状況把握できる仕組みを作ることが重要かと考えている。資料に、経営指標
と目標数値の設定とあるが、計画の中で共有できる目標値が出せるデータが揃わない。デ
ータを整えながら目標値を設定していくことを最初の計画として提案できるといいと事務
局と相談している。確実な判断をするデータが十分整わないので、それを把握できる状況
を作ることが第一段階ではないかという位置づけをしている。
●高梨委員:
八方地区では、冬に限ってスキーヤーが 2035 年までにどのように推移するのか推計して
いる。いくつかのケースが考えられるが、そちらの数字を提供してもよい。国内の人口の
推計は決まっているので、それが何年ごとにどういうピラミッドになるかを考え、各世代
でスキーの参加率というデータと、それがどのように変化していくのかを組み合わせれば
大体国内のスキーヤーの想像がつく。インバウンドでは、現在どこからどのくらい来てい
るかというデータはある程度あるので、これからその国がどれくらいスキーをするのかと
いう推計をやっている。
結論から言うと、一番うまくいった場合でも今の人数をキープするのが関の山で、明る
いデータではないと見ている。ただ、スキー場によっては、八方はインバウンドの比率が
多いので若干増やすことはできるかもしれない。現在 43 万人が八方に来ているが、何もし
ないと 30 万人台まで落ちるだろうと予測しており、頑張って現状キープ、かなり頑張ると
50 万人というのは可能性としてなくはない。しかし、白馬バレー全体でみると、必ずしも
すべてのスキー場にインバウンドの方が行っているわけではないので、エリア全体でみる
と頑張って今の 1600 万人をなんとかキープするというのがギリギリという数字。
夏は推計の仕方が難しいので、国内は白馬にどれくらい来るかという率みたいな掛け率
がだせれば算出できるのではと思うが、少なくとも日本人はどんどん減っていくというの
が明白だ。
●下村委員長:
ある程度地域を限定したり、業態、活動種別を限定したりするといろんな数字が出てく
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るが、町全体、季節や活動が様々で、今後の伸びがどのように期待できるのか、ある程度
仮定の中での問題になる。今後目標値の設定期間を設けて、どういう目標値を設定してい
くかを議論すべきだが、策定委員会の場ですべての了解を取るのは難しいだろう。従って
村民の方に了解をいただけるような目標値を数値として設定していくのはどうだろうと考
えている。
●尾川委員:
やはりそういう具体的なものが見えてこないと、話が進まないと思う。今回示す 10 年間
のビジョンは、明るい未来を創造できるような、これだったら何とかいけるのではないか
というようなものを作っていくべき。動いていただく組織に対して、いかにデータを示す
か、いかに明るいものを見せるかということを、ひとつひとつ点じていけるようなもので
あって欲しい。
●杉山委員:
長野県の軽井沢がサミットにかなり力を入れて誘致しようと運動をしたが、残念ながら
伊勢志摩が選ばれた。私が思うのは、例えば「サミットを誘致できる白馬村」など、そう
いうキャッチフレーズ、思いがあればいいのではないか。サミットができるということは
文化も、環境も、観光もすべて満たされているということになる。軽井沢と比較するわけ
ではないが、軽井沢にあって白馬にないものは何か、白馬にあるけど軽井沢にないものは
何か、サミットを誘致できる様な目標の設定の仕方も面白いと思う。
●佐藤委員:
この資料の体系、戦略などを「文字」で見て、読む皆さんはここの委員会が何をやろう
としているのかを理解するのが非常に難しいのではないかと思う。パブリックコメントに
かけるといっても、一般の人たちはこれを読んで理解できず、任せます、となってしまう。
従来型の縦割りではないが、行政が突出するようなまちづくりになってしまうのでは。
なので、何をやりたいのか、そして市民、住民、業者の人は、努力目標として、あなた
の分野でこういう事が期待されているのでお願いできるかということを可視化するべき。
まちづくり、人づくり、地域づくりに役立っていくということに共感してもらえたら、で
きる範囲で自分のやれることを推測してもらえるような、イメージのようなものを出して
いかないと。過去のパブリックコメントが皆そうだが、一つも住民の意見が入っておらず、
誰もみない計画書になってしまう。
資料 4-2 の戦略 1 と 2 で役割分担が書かれているが、ここは大幅に変えてもらいたい。
住民の責任分担があまりにも低すぎる。事業者と行政に任せっぱなしでは今までの観光と
一緒で、これでは一つも前に進まない。主体は住民、市民とすべきだ。
昔、長野県で議論した時にハードランディングさせるのか、ソフトランディングさせる
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のか、宿でも、索道事業者の皆さんでも腹を括って議論してくれとお願いした。どのみち
人口も減るし需要も減る。ますます業として成り立つか分からない、あるいは新しい業態
にしないといけないかもしれない。そういう時代には腹をくくらなければ前には進めない。
そういう意味では、最初の計画の課題の所に、日本全体の中での白馬の位置づけ、日本全
体でスキーヤーはどういう状況にいるか、そのうち白馬は極端に悪いのか、そして実際に
日帰りの人たちはいくらお金を落としてくれて、泊まりの人は 1 泊いくらお金を落として
くれて、それをどうしたいのかというところまで、詰めた情報があるといい。
●下村委員長:
この計画を出すのはこの委員会、あるいはワーキンググループの中だけの理解ではない
ので、村民の方々とも共有して目標像を作ってくところが一番肝心なこと。そのために、
先ほどの言葉、あるいは数字、画像を上手に使うなどしてより分かりやすく理解していた
だく努力が必要だというご指摘だったので、事務局に検討いただきたい。特にコンセプト
のあたりだろうか。あとはご指摘の通り、体系の担い手のところではもうちょっと住民の
方にお願いすることが増えてこないと。そういうスタンスで計画ができていくということ
を伝える意味でも、それは必要だろう。
●下村委員長:
目標像と基本方針、目標値の設定、戦略のところは大きくは 9 つの戦略と 20 の施策、43
のプロジェクトで構成されているという構造だが、このあたりについて意見や質問があれ
ば。
●岸委員:
10 月に計画の案を提示する段階で村民の皆さんの心をつかむポイントが何か必要だ。数
字を並べられても、ではどうするのかと言いたくなるようでは今までと変わらない。
おそらく大きな事業主の方々は答えを持っていて、方向性も決まっていて、既にそちら
に向かっているはず。今「どうしよう?」と言っている企業さんはないと思う。しかし他
の小さな事業主さんにはそこが見えていない。小さな個人事業主さんがこの提言を聞いて、
今の白馬村の現状、もしくはご自身の事業の現状から、まずは何をしないといけないか、
何が欠けているか、どんな第一歩が踏み出せるのかという方向性が定められないといけな
い。
小さな個人経営者の方にも何かそのようなヒントが得られるような提言をお願いしたい。
●下村委員長:
村民の方々が今後どうするか、あるいは目標をどう設定するか、できるだけ分かるよう
な形で作りたい。おそらく、国際化や通年化、長期滞在化は、今までの議論から確実に出
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てきているし、ステージプランを提示しながら目標をはっきりすること、プロセスを分か
りやすく見せられるようにしたい。
●佐藤委員:
どれを先にやるのかのという優先順位の判断基準を、観光客にとって、というよりも村
民の日常生活にとってプラスなのかという点に置くと、村民の皆さんにもよく理解できる。
そういう風に村民の目線でみると看板はそんなにプライオリティが高くない。私が白馬
でスキーをやらなくなった理由はトイレの匂いだった。これを解決すると村民の生活の質
も上がる。ぜひ、観光地のトイレをきれいにしましょう、全部洋式にしましょう、毎日お
掃除しましょう。これでうまく成功しているのが日本一の道の駅と言われる「雷電くるみ
の里」
。社長さんがトイレを従業員に毎日清掃させたら、車がたくさん停まるようになって、
その人たちが買い物をするようになって、売上があがっていった、という成功事例がある。
住民の福祉をあげることが観光という手段を使って実現できるという実感を持つと、手を
付けやすくなるのではないか。
●岸委員:
最近、高速道路や駅のトイレがとてもきれい。今までだと汚くて入るのが嫌だった。そ
ういう直接的な提言も重要だ。
白馬村内でコンビニ合戦が始まり、パタゴニア、好日山荘、ノースフェイス等が相次い
で進出したという現状がある。村民は、こんなところに来て儲かるのかと思うわけだが、
当然これらの企業さんは何のデータもなく進出しているわけではない。イメージ戦略かも
しれないが、何かしっかりとあったうえで出店されていると思う。その辺りも白馬村の村
内の事業主さん方は知らないのでは。どこかに白馬の大きな可能性があると思うので、そ
ういうことも提言していただければ。
●ケビン・モラード委員:
ワーキンググループは 6 回終わってこういう計画を作っているが、この委員会と直接対
面する計画はあるか。
●篠崎課長:
ワーキングの皆様と委員会の対面という考え方はとっていない。
●ケビン・モラード委員:
資料を見ると、ほとんど 30 代で将来のある人たちだと思う。彼らから直接意見を聞くこ
とは可能か。
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●下村委員長:
確かに、世代間でそれぞれ考えていることを言い合う機会はあった方がいいかもしない。
人数が多いので、パブリックコメントの段階で、こちらの何人かとワーキングメンバーと
で議論するというのはありうるかもしれない。
●尾川委員:
パブリックコメントの前にワーキンググループの方々の気持ちと策定委員の気持ちがひ
とつの方向にまとまっていくのが分かった方がいい。9 月のワーキンググループの時に策定
委員がオブザーバーになり意見を交わす場所を作ってもらう等、パブリックコメントを出
す前にある程度の意識を共有しておきたい。彼らの思いを受け止めた上でパブリックコメ
ントにかけるのが良い。
●下村委員長:
9 月の段階だとまだ早いような気がしなくはない。いい方向に共有できるようにもってい
くというのもこの委員会の役割だと思うので、タイミングについては観光課で検討いただ
きたい。
●松島委員:
観光協会という立場でいうと、一つの協会でも地区の中で観光に対する考えが分かれて
きているし、年代による違いも出てきている。あと 5 年したらどうしようかという世代も
多々ある。地元で一つの方向に考えることは非常に難しく、若い人はだんだん離れている
のが現実。若い人に白馬の観光がこんなに魅力があるということが伝わるような委員会報
告というようなものを作ることができれば、地元としてもがんばるという話ができる。
●下村委員長:
計画を出すことで明るく将来を描ける、それを皆で共有できるというのが計画の一番重
要な目標だ。
●北村委員:
次の段階になるのかもしれないが、色々な懸案事項や方向性を出してきて、やはり財政
的な裏付け、シミュレーションが欠落していると無駄になってしまう。当然、投資的な原
資もいるだろうし、運営をしていく中で、長期的に儲けを生み出してそれをまた再投資す
るということもあるだろう。例えば、電線の地下化といっても、見積りで 20 億かかると言
われた時に、誰がそこでまでして進めるかということも想定しておかないと。何年か経っ
たらお蔵入りしている提言書ということになりかねないので、予算、人員のシミュレーシ
ョンをある程度押さえておかないと。
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●篠崎課長:
ひとつひとつの事業が何をどこまでやるかという事業設計ができていない段階の中で金
額を想定するのは非常に難しいと思う。例えば電線の地中化ひとつ例にとっても、どこか
らどこまででどういう工法でやるのかによって億単位のベースが全く異なるため、安易に
これくらいかかるという数字を示すことはかえって混乱を招く部分もある。
ただ、これから進めるにはやはりお金の問題と質の問題は極めて重要だと思うので、少
なくとも財源を確保するような仕組みの方法論についてはある程度掘り下げることができ
たらありがたい。
もう一つは前回のワーキングでも話題になったが、目的税に相当するような税の問題。
入湯税はやめて宿泊税を新たにとってはどうかという財源の求め方についての議論があっ
たが、それも賛否両論があった。こんなところも重要な部分ではあるので、財源について、
自分達の地域で生み出す仕組みについて、委員の皆様はどう考えているのかを聞かせてい
ただきたい。計画の中にもそういう検討を進めるところはやった方がいい。
●下村委員長:
テーマには入っていないが、戦略の中にはいくつかお金の流れの話も入れようとはして
いる。確かにこのプランの中で最初からすべて出してしまうというのはなかなか難しい。
ステージ別のプランを設定するなかで、どうやって議論をしていくか、あるいはどうやっ
て事業と結びつけていくのか、誰が役割を担うのか、今のところはふわっと提示している
ので、しっかりと議論をして印をつけていくという作業をするのかと思う。
お金の問題をどこまでどう出せるか事務局と議論をして、一度途中でお示しするという
作業をさせていただければと思う。
●尾川委員:
関連してなぜパタゴニアが白馬に来たのかは重要。村の中だけで財政的な問題を確保し
ていこうというのはなかなか大変だと思う。いかに外から持ってくるか、国や県、企業さ
んを含めて外から持ってくるという方向性がどうしても必要。観光課ではその辺りの情報
を得ているか。
●篠崎課長:
長野県知事が非常に関心を持っていて、なぜ白馬に出店したのか 5 店舗の店長から直接
話しを聞いた。あまり具体的な踏み込みはなかったが、ただ一つ言えるのは白馬の持って
いるポテンシャルの高さについてものすごく評価されているということと、今までの都会
で店を構えるというスタイルから、アウトドアのフィールドでお店を構えることの価値観
は企業にとって非常に重要であるということだった。フィールドのポテンシャルの高さが
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白馬への出店につながったと、皆さん共通に言っていた。
●尾川委員:
そういうことであれば、山の案内組合の方や山小屋経営の方に失礼に当たるかもしれな
いが、パタゴニアさんに合うフィールドづくりという考え方もできる。パタゴニアさんの
ようなメーカーが来てくれるということはすごく重要でありがたい。その流れに乗ればい
いという考え方も一つある。
これは余談になるが、図書館や書店も充実して欲しい。戦略的に誘致するということも
必要かと思う。誘致してと観光課に言えばやってくれるのかというのが大きな課題。マン
パワーが足りないという気もしているが、そういう意味の体制づくり、組織づくりをして
いかないといけない。絶対にやりきるという体制を作りたい。
●下村委員長:
その辺りは、人材育成の計画の中で入れていきたい。基本的に、観光を手段としたまち
づくりの計画なので、土地のポテンシャルや住民が考えていることを充分に反映させ、豊
かな生活を体験できた時に、外から人が来るというような計画にできればいい。もちろん
企業がどうして白馬に進出したのかという観点は重要なので、それはぜひ入れていただき
たい。
●松沢委員:
白馬の村民は自分が動かず行政頼りという感覚がある気がする。最初に補助金ありきと
いうのは長続きしない。少し壁にぶつかると諦めてしまう。だから、下からの声があがっ
てきてそれからお金の話にもっていかないと。自分たち自らが白馬村をよくしようという
ような意識に。どうまとめるかはこれからの若い人たちの提案した中から全部というのは
無理だから、先ほどお話があったように絞り込んでポイントで。
●岸委員:
塩尻の文化カルチャーセンターに行くと、高校生が良く勉強しているし、その傍らでは
おじいちゃんが囲碁を打っている。子どもたちが遊べるような場所もあるということで、
地域の方がよく使っている。
白馬にもそのような施設があって、そこに白馬や日本の資料スペースみたいなものがあ
れば、観光客の方にとっても、特に雨天の時にはそこに行けば書物が読めるし、村民の方
にとって、または地域の方々にとっても、すべてにプラスになるのではないか。村の方で
この委員会を設定していただいたのは大きな一歩だと思っているが、村の人たちに提言を
する時に、白馬村の行政としてこの一歩をする、というのをいただきたい。よく、村は何
もやらないと言われる。もちろん村民が力を合わせず村に頼ってばかりではいけないとい
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うのはあるが、村がそんなことを考え出したというような、何か一つが欲しいと思う。
●下村委員長:
役割分担のところでは確実に出せるようにご検討いただきたい。
●塩島委員:
白馬村は、
「株式会社白馬村」だと思う。いろんな業種があって、基幹産業である観光で
一番の税金を上げていく方法、それには他の業種に携わっている方々からどれだけ観光が
大事か、私たちがどうやっていくかを周知していく、これが一番のポイント。私たちの肉
声で少しずつ皆さんに伝えて、一歩ずつやっていかないと、
「株式会社白馬村」はつぶれて
いくしかない。他の村につぶされていくしかないなというのが実感。
世界水準というのは、たまたま海外の方が先に来てしまった。すべてが後手になってい
るのが現状で、これから遅れているところをやっていかなければいけない。それから、冬
の長い滞在の方をターゲットにするのか。例えば1泊の方だったら英語対応もあまり要ら
ないし日本らしさがもっと出た方がいいのではないかと思う。1 週間の滞在の中で、誰をタ
ーゲットにするのか、夏はどうするのか、見据えていった方がいい。
●松沢委員:
白馬が他の観光地と比べて何で勝負するかということになると、やはり山岳は大きな役
割を果たすと思う。先ほどパタゴニアがなぜ来たのかという話が出たが、ひとつはポテン
シャルが高い、ブランド力が高いということがある。それは山岳が一番の根底にあると思
うので、本物とは何かを考えて、それを他に比べて活かして、もっと磨いていく。白馬に
とって何が大事かをもう一度見直し、力を入れていくことが必要ではないか。具体的にい
えば、ゴンドラやリフトで山の上まで行き、下りを歩いて帰るコースを作る、中に入って
楽しめるようなものを磨いていくという努力など。
●太田委員:
この内容ひとつひとつ見れば当然のことだと思うが、これを実行していくのに個人の活
動、組織活動が非常に重要になってくる。観光局の存在があり、自分達が参加して一定の
成果を上げ、参加意識が生まれ、そこから活性化に結びついてくるということが、組織の
存在のあり方だと思う。反面、観光局でも社員数が減りお宿さんの軒数が減り、全体の予
算を圧縮しなければいけない状況が起こっている。だから、組織の立ち位置を確認する、
ある一定の整合性を持って存在しているのか、競合し合っているところはないのか。目先
の問題かもしれないが、改革に臨むにあたってどう参加していけばいいのか、その場所を
求めている人も大勢いると思うし、同じような組織が競合していたり、特に特定のエリア
の囲い込み的な意識に特化しすぎていたり。そういったことをもう少し行政側でリードを
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してオール白馬の意識をどう認識づけていくかが非常に重要な問題ではないか。
●下村委員長:
やはり一番重要なのは村民の皆さんが共有できてかつ自分が何をどう参加すればいいの
かがわかるような示し方をしていくということ。非常に難しい課題かとは思うが、色々な
アイディアなど豊かにご意見をいただいたので、その後どのように編集をしていくかを再
度、検討したい。
今日は、この計画が持つべき役割、その点に踏み込んで、そのためには何が必要かとい
うようなご議論をいただいた。これは第一段階で、計画は継続していくもの。そういうプ
ロセスを含めてご提示をするという形にしたい。10 月で最初の区切りとして整理ができれ
ばと考えている。その間に委員会の皆さまに一度お見せし、またワーキンググループのメ
ンバーとどのようにコミュニケーションをとるのかというタイミングも含めてご検討いた
だいて進めたい。
●尾川委員:
今回まで話し合われたことを各組織に持って帰っていただき、次回の会に、社員や会員
の方々から今後 10 年間の計画に対してこういう思いを持っているという意見をもらえれば、
方向性がしっかり決まってくるし、自分たちも参加しているという意識になってくると思
う。しかし、なかなか話がてんこ盛りで、自分の組織、仲間に伝えることは非常に難しい
ことだと思う。例えば、観光課の方や JTBF の方が(各組織へ)行ってもらい、こんな感じ
になっているという事を聞いて、次の 10 月の時に出してもらえたら、ぐっとまとまってく
ると思う。非常に大変だと思うが、いかがだろうか。
●下村委員長:
それはまたご検討をいただく事にしたい。出し方によっては混乱する可能性があり、ま
たパブリックコメントというのはそこから意見をいただき更に修正するものなので、まず
は今年度の流れを踏まえて進め方についてご検討をいただければ。
●高梨委員:
アウトプットの姿だが、どういう形になるのか。観光地経営計画ということなので、こ
ういう計画を立てて、先ほど財源の話や収支の話が出たが、アウトプットとしては 4-2 の
表にあるようなそれぞれの項目について考え方を分かりやすくまとめたものがアウトプッ
トになるのか。
一つ確認したいのは、地区のマスタープランとどういう関係になるのかということ。白
馬村では地域ごとにマスタープランを作っていて、八方地区ではスキー場とその周辺地域
を今後どのようにやるべきかという議論をしており、今はたたき台を住民の方に提示して
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いる段階だ。その中で将来の予測を前提として、リフトはこれくらいの数が必要で、宿泊
容量はこれくらい必要ではないかと示している。収支計算をし、キャッシュフローがこう
だから回収が何年かかるというのを出したうえで方向性をまとめている。それとは次元が
違う話なのかとは思っているが、財務的な必要性の話や、キャッチフレーズという話があ
ったので、分かりやすい方向性をいくつかの分野に絞ってつくっていくのか。それが今回
の成果物なのか。
●事務局(JTBF)
:
お配りした資料をより丁寧に詰めたものがアウトプットになっていくイメージ。八方地
区等で進められているようなマスタープランとは形が違うと考えている。各事業やその他
観光関連事業者、多様な担い手がいる中でそれぞれがどう動いていくかは役割分担という
形で落としこむ。一方で財務面や財源というところまでの落とし込みはなかなか難しい。
財源等については先ほど課長からもご発言のあったとおり、それぞれのプロジェクト毎に
次のステージで詰めていくという理解をしている。
●篠崎課長:
行政側の考え方とすれば、八方地区でのマスタープランのお話があることは伺っている。
しかし両者のすり合わせをしながらこの計画内容を作っているというより、個別に動いて
いるのが現状かと思う。ただ、白馬をよくするための事業という意味では、八方のマスタ
ープランにも重なっている要素がたくさんあるのではないか。景観の問題にしても、そう
いったところをどう整合性をとっていくのかが重要な部分かと思うし、八方の計画内容も
聞きながら、一緒になってできるところはやるし、それが地域の中でやっていただくこと
でこの経営計画の一つのプロジェクトを遂行できるなら、それはそれとしていいのではな
いかと事務局では考えている。従って、ひとつずつの事業に対してどう整合性をとってプ
ロジェクトを作っていくか、来年以降の動きの方がむしろ重要ではないか。
●下村委員長:
今日の段階では 100%のものを示せていないので、できるだけ早めに提示してご意見をい
ただきたい。
かなり実りのある意見交換会であったと思う。計画そのものはここから期間の中で動い
ていくものなので、引き続きご協力をお願したい。
(文責:事務局)
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