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JNTO(ジェイ・エヌ・ティー・オー)の 平成 15年度及び 16年度の事業

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JNTO(ジェイ・エヌ・ティー・オー)の 平成 15年度及び 16年度の事業
JNTO
ANNUAL
REPORT
JNTO(ジェイ ・ エヌ ・ ティー ・ オー)の
平成 15 年度及び 16 年度の事業
平成 16 年 7 月
独立行政法人国際観光振興機構(JNTO)
http://www. jnto.go. jp
は
じ
め
に
本書は、 「平成 15 年度の JNTOの実施事業と事業効果及び平成 16 年度の事業重点計画」
について紹介するものです。
独立行政法人国際観光振興機構(JNTO : ジェイ ・ エヌ ・ ティー ・ オー)は、 特殊法人国際
観光振興会の事業を引継ぎ、 平成 15 年 10 月 1 日、 新たな組織としてスタートを切りました。
独立行政法人への移行に際し、 JNTOは以下のようなダイナミックな改革を実施しました。
弾力的な組織運営及び人事運用ができる組織に変え、 民間企業からの出向者受け入れや
海外事務所雇用職員の本部登用など、 外部人材の積極的な活用を図りました。 また、 市場の
動きやニーズに対応して、 より効率的 ・ 効果的な業務運営ができるように組織改革を行いました。
具体的には、 シカゴ事務所の閉所、 フランクフルト及びサンフランシスコ事務所の縮小、 海
外事務所の人員配置の変更、 京都ツーリスト ・ インフォメーション ・ センターの閉所、 全国の外
国人案内所を年中無休で支援する「i」サポートセンターの設置などです。
独立行政法人制度には、 明確な目標設定と結果の評価を行う仕組みが導入されています。
そこで、 JNTOでは、 国土交通大臣が設定した中期目標(平成 20 年 3 月までの目標)を達成す
るため、 中期計画を策定しました。 その進捗状況の評価は、 国土交通省の独立行政法人評価
委員会及び、 総務省の政策評価 ・ 独立行政法人評価委員会により定期的に受けることとなっ
ています。
組織の効率化や事業の業績の面では、 (独立行政法人化後の半年間における)初年度の目
標をほぼ達成しました。 特に外国人旅行者の来訪促進事業については 15 年度の目標を大幅
に上回る成果を上げています。
JNTOは、 顧客(JNTOの支援団体 ・ 企業)満足度重視を基本に据え、 NTO(政府観光局)ブ
ランドの価値を最大限に活用し、 国土交通省グループの一員として官民パートナーシップのオ
ーガナイザー役を力強く果たしていきます。 これにより、 事業パートナーの皆様と一丸となって
外国人訪日旅行の新しい流れを創り出すことに精一杯努め、 2010 年までの訪日外国人旅行者
数 1,000 万人達成に全力で貢献します。
事業パートナーの皆様には、 本書と併せて別冊「JNTOをご活用ください」もご高覧いただき、
JNTOの組織と役割へのご理解を賜って、JNTOを有効活用していただけるようお願い申し上げます。
平成 16 年 7 月
独立行政法人 国際観光振興機構(JNTO)
目
次
1. 世界の旅行市場の概況とインバウンド・ツーリズムをとりまく状況 ‥‥‥‥‥‥‥‥ 1
2. 平成15年度実施事業と事業効果
(1)外国人旅行者訪日促進事業
1)海外メディアを通じてのパブリシティ活動 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 4
2)インターネットでの情報発信・提供 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 6
3)潜在訪日旅行者に対する情報提供・コンサルティング ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 8
4)訪日ツアーの開発・造成・販売支援 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 8
5)世界の主要旅行見本市等への出展・セミナー開催 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 11
6)他国の政府観光局との連携等 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 12
(2)国際コンベンション等の誘致・開催支援事業 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 13
(3)外国人旅行者の受入体制の整備支援事業 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 17
(4)調査・統計事業 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 19
(5)海外観光宣伝ツールの制作・配布事業 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 20
(6)ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)への協力・貢献 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 21
3. 平成16年度組織運営と事業展開の重点事項 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 22
参考資料
(1)組織図 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 38
(2)中期目標・中期計画 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 39
(3)平成16年度計画予算見積り ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 40
1.
世界の旅行市場の概況と
インバウンド ・ ツーリズムをとりまく状況
世界観光機関(WTO)によると、 2002 年の国際観光旅行者総数は 7 億 264 万人(対前年比
2.7%増)です。 外国人旅行者の受入数の地域別構成では、 ヨーロッパが 4 億人で約 57%を占
め、 米州が 1 億 2,000 万人を下回って約 16%、 日本を含むアジア ・ 太平洋は 1 億 3,000 万人
で 18%を超えるシェアとなっています。 受入観光客数が初めて米州を上回ったアジア ・ 太平洋
地域は、 国際旅行の到着地としての地位を着実に高めており、 今後の成長が期待できる地域
だと言えます。 なかでも北東アジアは最大の伸び率を示し、 対前年比 12%増の 7,300 万人超
を記録しました。 他方、 米州は唯一 2 年連続して減少しました。
2003 年において、 SARS(新型肺炎)とイラク戦争の影響は世界的に 4 月と 5 月に集中的に現
れました。 旅行の安全に対する懸念から、 予約のキャンセル、 需要の減退、 安全警備等への
経費負担増など、 世界の観光 ・ 旅行関連産業は大打撃を受けました。 その後、 急速な回復
の動きが顕著となったものの、 年内に完全回復するには至りませんでした。 2003 年の国際観光
旅行者総数は、 前年に比べて 1%程度の微減(約 6 億 9,400 万人)になると予測されています。
訪日外国人旅行者数も例外ではなく、 5 月に前年同月比マイナス34%、 4 月にマイナス23%
と大幅に減少するなど、 6 月まで 3 ヵ月連続で二桁の減少を記録しました。 しかし、 8 月以降は、
SARSの終息、 外国旅行を抑制していた反動、 より安全な代替旅行地等としての日本選択の強
まりといった短期的プラス要因に加え、 海外の旅行市場を取りまく経済状況の緩やかな好転や、
近年の日本旅行人気の高まりにも支えられ、 訪日外国人旅行者数は急速に回復し始めました。
この結果、 2003 年の暦年では微減となったものの、 対前年度比(4 - 3 月)では 0.5%の微増と
なりました。 特に 8 月以降は、2003 年 4 月から韓国、台湾、米国、中国、香港で開始されたビジッ
ト ・ ジャパン ・ キャンペーン(VJC)の効果が徐々に現れ始めていることがうかがわれます。
JNTOは、 VJC事業との連携に加え、 特に中国、 韓国を中心としたアジア及び米国市場での
PR、 訪日ツアー開発支援等の多岐に亘る事業を強力に推進しました。 その結果、 SARSなどの
マイナス要因の影響を最小限に抑えて訪日外国人旅行者数の早期回復に貢献しました。
2004 年については、 WTOでは、 全体的に 2003 年より改善すると予想しており、 地域別でも
全ての地域でプラス成長になると見込んでいます。
VJCでは、 5 大重点市場に加えて平成 16 年度からイギリス、 ドイツ、 フランスをキャンペーン
対象国に追加し、 市場特性を踏まえた戦略的かつ重点的な誘致活動を拡充強化していくことと
なっています。 その結果、訪日外国人旅行者数が増加していくものと期待されます。 JNTOでは、
訪日旅行の新しい流れをつくるパイロット事業を仕掛け、 訪日外国人旅行者の着実な増加に向
け積極的に取り組むことにより、 VJCへの最大限の貢献をしてまいります。
1
表 1 国際観光客到着数
2001 年
対前年比(%)
2002 年
2003 年
対前年比(%)
対前年比(%)
着
���� 地
ヨーロッパ
390.8
-0.5%
399.8
2.3%
401.5
0.4%
アジア ・ 太平洋
121.1
5.1%
131.3
8.4%
119.1
-9.3%
米 州
120.2
-6.1%
114.9
112.4
112.4
-2.1%
アフリカ
28.3
3.2%
29.1
2.8%
30.5
4.9%
中 東
23.6
-1.3%
27.6
16.7%
30.4
10.3%
世界計
684.1
-0.5%
702.6
2.7%
694.0
-1.2%
注 : 単位は百万人
(出典 : 世界観光機関(WTO))
表 2 2003 年国籍別訪日外国人旅行者数(上半期 ・ 下半期別)
2002 年
年計
構成比
2003 年
上半期
2003 年
下半期
伸率
2003 年
年計
構成比
伸率
総数
5,238,963
100.0%
2,297,377
-10.5%
2,914,348
9.1%
5,211,725
100.0%
-0.5%
アジア
3,417,774
65.2%
1,505,263
-8.3%
2,006,250
13.0%
3,511,513
67.4%
2.7%
韓国
1,271,835
24.3%
658,025
9.2%
801,308
19.8%
1,459,333
28.0%
14.7%
台湾
877,709
16.8%
290,998
-31.1%
494,381
8.6%
785,379
15.1%
-10.5%
中国
452,420
8.6%
199,265
-9.4%
249,517
7.3%
448,782
8.6%
-0.8%
香港
290,624
5.5%
112,830
-22.8%
147,384
2.0%
260,214
5.0%
-10.5%
フィリピン
129,914
2.5%
64,320
3.9%
73,264
7.8%
137,584
2.6%
5.9%
タイ
72,696
1.4%
35,297
-5.0%
44,725
25.8%
80,022
1.5%
10.1%
シンガポール
76,688
1.5%
28,317
-20.7%
48,579
18.6%
76,896
1.5%
0.3%
マレーシア
64,346
1.2%
27,657
-11.4%
37,712
13.8%
65,369
1.3%
1.6%
インドネシア
55,668
1.1%
26,818
9.4%
37,819
21.4%
64,637
1.2%
16.1%
インド
45,394
0.9%
22,853
1.8%
24,667
7.5%
47,520
0.9%
4.7%
欧州
671,495
12.8%
301,925
-12.0%
346,570
5.6%
648,495
12.4%
-3.4%
英国
219,271
4.2%
97,092
-17.1%
103,451
1.3%
200,543
3.8%
-8.5%
ドイツ
93,936
1.8%
44,102
-8.3%
49,469
8.0%
93,571
1.8%
-0.4%
フランス
87,034
1.7%
40,306
-8.0%
44,873
3.9%
85,179
1.6%
-2.1%
ロシア
37,963
0.7%
19,364
12.9%
25,148
20.9%
44,512
0.9%
17.3%
イタリア
36,396
0.7%
15,227
-16.5%
20,599
13.4%
35,826
0.7%
-1.6%
オランダ
24,050
0.5%
11,383
0.0%
13,744
8.5%
25,127
0.5%
4.5%
アフリカ
19,353
0.4%
8,824
-11.7%
10,191
8.9%
19,015
0.4%
-1.7%
北米
893,971
17.1%
373,991
-17.9%
424,367
-3.2%
798,358
15.3%
-10.7%
米国
731,900
14.0%
309,186
-16.5%
346,635
-4.1%
655,821
12.6%
-10.4%
カナダ
131,542
2.5%
57,921
-11.5%
68,144
3.1%
126,065
2.4%
-4.2%
南米
33,627
0.6%
11,511
-39.3%
14,476
-1.3%
25,987
0.5%
-22.7%
200,789
3.8%
95,245
-0.5%
111,749
6.3%
206,994
4.0%
3.1%
164,896
3.1%
78,388
0.1%
93,746
8.3%
172,134
3.3%
4.4%
32,762
0.6%
15,185
-4.3%
16,404
-2.9%
31,589
0.6%
-3.6%
オセアニア
オーストラリア
ニュージーランド
注 : 訪日旅行者(総数)が 2 万人以上の国 ・ 地域 出典 : JNTO
2
伸率
表 3 訪日外国人旅行者数の推移 (訪日外国人旅行者統計)
1983 年
1993 年
構成比
2003 年
構成比
構成比
総数
1,968,461
100.0%
3,410,447
100.0%
5,211,725
100.0%
観光客
1,211,274
61.5%
1,924,835
56.4%
3,055,340
58.6%
商用客
390,201
19.8%
935,277
27.4%
1,281,258
24.6%
その他客
159,000
8.1%
451,663
13.2%
732,616
14.1%
一時上陸客
207,986
10.6%
98,672
2.9%
142,511
2.7%
注 : 本統計は 、法務省入国管理資料をもとに JNTOが算出し 、月次及び年次で発表している訪日外国人旅行者数(訪日外国人旅行者統計)です。 法務省の入国
外国人数から永住者など長期にわたり日本に在住する外国人を除き 、航空機の乗換などで一時的(72 時間以内)に日本に上陸する一時上陸客を加えた数値
です。 また観光客数とは 、短期滞在査証(90 日以内の滞在)で入国した訪日外国人から商用などを目的とする旅行者を除き算出しています。
3
2.
平成 15 年度実施事業と事業効果
(1)外国人旅行者訪日促進事業
1)海外メディアを
通じてのパブリシ
ティ活動
海外の有力なメディア(新聞、 雑誌、 テレビ等)を通じた日本の観光情報の
紹介は、 旅行目的地としての日本の魅力を海外の潜在訪日旅行者や旅行会
社に対してアピールする上で極めて効果的です。
JNTOでは、 これらの有力なメディアによる訪日取材に対して、 取材対象選
定等のアドバイス、 取材先の手配、 取材経費の一部負担など多様な協力を
行いました。
【主な事業内容】
海外観光宣伝事務所 13 ヵ所(*) (豪亜 5 ヵ所(*)、 欧州 3 ヵ所、 米州 5 ヵ所(*))を活用して、 次の事業を実
施しました。
(*)平成 15 年 7 月末にシカゴ事務所を閉所しました。 また平成 16 年 8 月に上海事務所開設を予定しており、 これにより事
務所数は全 13 ヵ所(豪亜 6 ヵ所、 欧州 3 ヵ所、 米州 4 ヵ所)となります。
メディア広報
新聞、 雑誌、 テレビ、 ラジオなどの報道関係者等の訪日取材に協力するとともに、 有力なメディアを日
本に招請しました。
メディア対策
日本の観光情報等に関するプレスリリースの発行、 個別の問い合わせへの対応などでメディアに協力し
ました。
【事業実績】
米国「ニューヨークポスト」、 英国「ザ ・ タイムズ」、 香港「TVB」をはじめ 127 件(327 人)の海外の新聞、 雑誌、
テレビ、 ラジオ等の報道関係者を招請して日本観光の魅力を取材してもらった結果、 主要国において 162 件
の広報成果を挙げることができました。
事 業
メディア広報
指
標
139 件
127 件
訪日取材人数
279 人
327 人
訪日取材記事等発表件数*
187 件
162 件
28.2 億円
42.7 億円
147 件
124 件
プレスリリース件数
コンタクト数
*前年度招聘分の事業結果を含みます。
4
平成 15 年度実績
訪日取材協力件数
訪日取材記事等広告換算額*
メディア対策
平成 14 年度実績
14,295 件
20,495 件
(VJC関連メディア広報事業は除く。)
取材風景
取材記事
招請 ・ 取材協力による日本紹介報道の一例(平成 15 年度)
国 ・ 地域名
媒体名(種類)
発行部数
又は視聴者数
記事概要
韓 国
Morning Calm(航空会社機内誌)
30 万部
水と森のシンフォニーと題し、 世界自然遺
産の屋久島を紹介。
中 国
旅遊天地(月刊誌)
16 万部
現代中国を代表する著名作家である莫言
氏が広島を訪れ、 そこで見つけた彼岸花
の美しさ、 広島の魅力を語る。
中国(香港)
「永安旅遊 KIREI KIREI」(テレビ)
102 万人
日本の国技 ・ 相撲の魅力を紹介し、 併せ
て東京の観光魅力を紹介。
オーストラリア
Channel 9 “Burke's Backyard”(テレビ) 200 万人
豪州で絶大なる人気を誇るタレント ・ プレ
ゼンターが、 90 分にわたり、 日本の庭園、
現代日本の魅力を紹介。
カナダ
Toronto Star(日刊紙)
カナダ最大の日刊紙旅行欄編集長が、 東
京、 京都、 大阪の観光魅力をレポート。
米 国
National Geographic Magazine(月刊誌) 850 万部
武士道、 サムライ文化について 36 頁にわ
たり深く多角的に紹介。 川中島合戦戦国
絵巻、 大阪城収蔵品等の写真は圧巻。
米 国
New York Post(日刊紙)
53 万部
六本木ヒルズをはじめとする東京の最新状
況を紹介するほか、 日本は高くないという
記述あり。
英 国
National Geographic Channel
“Chasing Time”(テレビ)
(視聴可能世帯数)
1億 1,000 万
東京の観光地を舞台にカップルが 12 時間
の制限時間の間に携帯電話などで指示の
ある設問に次々挑戦していく。
ドイツ
Suddeutsche Zeitung(日刊紙)
46 万部
東京の歴史、 人々の様子、 雑踏からかけ
離れた静粛な家並みの路地と対照的なビ
ジネス都市としての東京の顔を紹介。
フランス
Elle Decoration(月刊誌)
20 万部
現代建築として注目を集める直島のベネッ
セアイランド、 建築家安藤忠雄氏を紹介。
67 万部
5
2003 年 6 月 10 日付 米国ニューヨークポスト紙掲載 訪日観光紹介記事
「ハロートーキョー、 未来の都市へようこそ」
記者名 : Mr. David Landsel
訪日時期 : 平成 15 年 5 月 6 日~ 13 日
取材地 : 東京六本木、 汐留地区、 長野県軽井沢等
JNTO協力内容 : 取材手配、 JRイーストレールパス提供
(抄訳)
世界には、 偶然にセレブに出会う場所がある。 東京はセレブに会う機会が最も多い都市の一
つである。 日本の経済は低調にもかかわらず、 都市が新しく生まれ変わっている。 そして、 す
ばらしいホテルや、レストラン、ブティックが並び、セレブの購買意欲を十分に満たしてくれるのだ。
毎週セレブが来るとは言わないが、 彼らは必ずやってくる。
今、 東京は魅力的な都市となり、 訪問する絶好の時期となった。
六本木ヒルズは何階にも渡って、 ショッピングアーケードやレストランが並び、 54 階建てのビ
ルの最上階に展望フロア、 そしてこの秋にも森美術館がオープンする。
また、 今までビジネスの中心であった丸の内だが、 週末も魅力的な街になるようにブティック
やレストランが仲通に並び始めた。 その象徴となるのが丸の内ビルである。
代官山は日本らしくはないが、 一番粋な場所となっている。 ここは東京なので、 代官山だけが
いつまでも新しい場所として注目を集めているわけがない。 3 分ほど代官山から歩いたところに
ある中目黒も魅力あるカフェなどが並んでいる。
新宿のパークハイアット東京ほど、 東京の夜を楽しめるところはない。 夜景のすばらしい 52 階
のレストラン等はセレブ達に会える絶好の場所である。
日本は安い。日本の治安は悪くない。朝の 4 時まで地図を片手に歩いても大丈夫である。
JNTOでは、 日本最大規模の多言語ウェブサイトを運営しています。 このサイ
トは、 日本観光のゲートウェイサイトとして、 日本の観光情報、 訪日旅行に必
要な情報を全世界に向け発信しています。
この JNTOウェブサイトは、 各種旅行ガイドブックはもとより Google、 Yahoo
などの検索エンジンからも、 日本観光の魅力を紹介するポータルサイトとして
利用価値が高いと評価されています。 平成 16 年 3 月末現在で世界中の 1,000 以上のウェブサ
イトからリンク(*)されています。
また、 ニューヨーク、 ロンドン、 バンコック、 シドニーの各海外観光宣伝事務所では、 事務所
担当地域のマーケットを対象とした情報を英語で提供しています。
2)インターネット
での情報発信 ・
提供
(*)Googleのカウントによる。
6
【主な事業内容】
訪日旅行に関する基本情報をはじめ、 交通 ・ 宿泊情報、 47 都道府県をカバーする地域別観光情報とサン
プル旅程、 地図、 食事など総合的な日本の観光情報を英語、 中国語(簡体字、 繁体字)、 韓国語、 フランス語、
ドイツ語の 6 言語で提供しています。
ウェブサイトのリニューアル
情報の利用しやすさとアクセス頻度の向上を図るため、 本部サイト
の英語コンテンツを、 写真を多用したデザインに変更するとともに、 メ
ニューを中心にウェブサイトの操作性を改善しました。
また、 「Japan Now」 「Hot Topics」 「News」などのコーナーを設け、
各種イベントや季節情報の提供などを随時行いました。 さらに、 VJC
事業として作成された小泉首相の訪日促進ビデオへのリンクや愛知
万博 2005 関連のアンケート調査なども行いました。
ウェブサイト英語版トップページ
発地情報の充実
北米、 英国在住の潜在旅行者層の情報ニーズに応えるため、
ニューヨーク及びロンドン観光宣伝事務所が独自に運営するウェブサ
イトにおいて、 当該エリア発日本着の旅行商品や現地の旅行代理店
等の紹介を積極的に行いました。 さらに、タイ、シンガポール、マレー
シア、 インドネシア、 オーストラリア向けのページを新たに構築し、 各
市場国向けの情報提供を開始しました。
北米向けウェブサイトトップページ
ウェブアンケートの実施
JNTOウェブサイト利用者のニーズを把握するとともに、 今後の情報提供サービス改善の基礎データとす
るため、 ウェブサイト上でのアンケート調査を開始しました。
SARS関連情報の積極的発信
厚生労働省等の発表に基づき、 最新の SARS情報を各国語に翻訳し、 JNTOウェブサイトで情報の提供・
更新をすることにより、 日本が安全な旅行先である旨の広報を積極的に行いました。
【事業実績】
平成 15 年度の JNTOウェブサイトへのアクセス件数は、 対前年度比 7.1%増の年間 2,097 万ページビュー
と過去最高を記録しました。
アクセス件数 (*)
平成 13 年度(1)
平成 14 年度(2)
平成 15 年度(2)
17,235,612
-
19,588,501
(+13.6%)
20,975,051
(+7.1%)
(1)Japan Travel Updates(JTU) : 平成 12 年度末から平成 14 年 4 月 10 日まで稼動
(2)JNTO ウェブサイト : 平成 14 年 4 月 10 日から現在まで稼動のウェブサイト
(*)アクセス件数はページビュー換算
7
3)潜在訪日旅行
者に対する情報
提 供 ・ コンサル
ティング
JNTOの海外観光宣伝事務所では、 当該国の一般個人の潜在訪日旅行者
に対して、 日本の観光地の詳細情報の提供及び日本旅行の計画等のコンサ
ルティングを行っています。
平成 15 年度は、 訪日旅行を予定検討している一般個人 13 万人に対して、
情報提供 ・ コンサルティングを実施しました。
4) 訪 日 ツア ー の
開発 ・ 造成 ・ 販
売支援
海外の主要市場における訪日ツアー開発 ・ 造成 ・ 販売支援のために、 海
外観光宣伝事務所を活用して下記の事業を実施しています。
【主な事業内容】
旅行会社へのコンサルティング活動
訪日ツアー商品を取り扱う現地の有力な旅行業者に対して、 セールス活動を行うと
ともに、 コンサルティングを実施しました。
旅行商談会の開催
韓国と台湾において、 日本の地方自治体や観光施設と、 現地の旅行会社等との商談会を開催しました。
また、 日本においてもインバウンド商談会を開催するとともに、 日本観光の魅力を視察するスタディツアー
を実施し、 ツアー造成の支援を行いました。
海外旅行会社関係者訪日招請視察
主要市場の有力ツアーオペレーター (*)の企画担当者を日本に招請し、 人気の高い日本の観光地を視
察してもらうことにより、 日本観光の新しい魅力を取り入れたパッケージツアーの新規開発を図りました。 平
成 15 年度は 24 件の招請視察を行いました。
また、 趣味、 生涯学習、 文化体験、 国際観光交流など特定の興味や関心を目的とする旅行(スペシャル・
インタレスト ・ ツアー : SIT)の開発 ・ 造成を目指し、 SITを扱う旅行会社関係者の招請視察を実施しました。
(*) ツアーオペレーターは、 自らツアー商品を開発 ・ 造成し、 顧客に直接販売するとともに、 卸売りも行う旅行会社です。
それに対して、 リテーラーは、 他社から商品を仕入れて一般消費者に販売する旅行会社です。
【事業実績 ・ 成果】
海外主要市場の旅行会社に対し訪日旅行商品の企画 ・ 開発を働きかけ、 具体的な訪日ツアーの開発を
支援しました。 平成 15 年度には、 旅行会社へのコンサルティング(7 万 1,355 件)、 旅行商談会(20 件、 1,003
人)、 旅行会社関係者訪日招請視察(24 件、 355 人)等を行い、 その成果として、 間接支援(*)1,344 種類 ・
53,776 本、 直接支援(*)150 種類 ・ 2,080 本、 合計 1,494 種類 ・ 55,856 本の訪日ツアーが造成されました。
(*) 間接支援とは、 情報 ・ 資料提供、 コンサルティング、 ツアーパンフレットの掲示協力等、 特別の費用負担を伴わない支援
です。 直接支援とは、 訪日視察旅行や商談のアレンジや、 ツアーパンフレットへの JNTOの広報掲載、 共同広告の実施、
ダイレクトメールの送付支援などの積極的な関与による支援です。
8
平成 15 年度のツアー開発 ・ 造成 ・ 販売支援の具体例
①オーストラリアと韓国での訪日修学旅行開発事業
JNTOは、 NTOとしての公平な立場と信用を活用し、 現地旅行会社と日豪両国の教育機関
との橋渡し役を担うとともに、 同促進事業によって訪日修学旅行の需要を喚起しています。
平成 14 年度より、 オーストラリア発の訪日修学旅行促進事業に取り組んでおり、 訪日修学
旅行を希望する教育者や学校の開拓を行っています。 訪日修学旅行のモデルコースを撮影
したビデオやパンフレット、 CD-ROMを PRツールとして活用したり、 日本語教育機関や現地
旅行会社を対象に訪日修学旅行の魅力を紹介するセミナーを定期的に実施しています。
平成 15 年度にはニュー ・ サウス ・ ウエールズ州、 クイーンズランド州で実施したアンケート
結果を基に、 10 校の日本語クラスのオーストラリア人教師 10 人を日本へ招請し、 実際の訪日
修学旅行を体験してもらいました。 また、125 人の教育関係者を対象にセミナーも実施しました。
これらの活動により、 平成 15 年度には修学旅行で 3,820 人が日本を訪れました。
韓国では、 訪日修学旅行商品を扱う旅行会社に対して、 視察事業への招請や各種印刷物
等の情報提供を行い、 ツアー造成を積極的に働きかけています。 九州地区修学旅行関係者
招請事業(平成 15 年 2 月実施)に参加した旅行会社を、 ソウルで 6 月に開催した「韓国アウト
バウンド商談会(*)」に招待しました。 そのほか、 定期的に情報提供するなど、 地道なフォロー
アップを重ねました。
以上の結果、 これらの旅行会社によって、 平成 15 年度は修学旅行 ・ 学生団体旅行商品
が計 46 種造成され、 4,386 人が九州を訪れました。
(*) 韓国国際観光展(KOTFA)に併せて JNTOが開催した商談会のことです。
②英国格安 FIT(個人自由旅行者)向けツアー開発事業
英国市場における「日本は高い」というイメージの打破を
目指して、東京、京都を目的地とする低廉な FIT向けツアー
の開発に取り組みました。
JNTOでは、 ツアーオペレ -ター及び航空会社に対し
て、 企画段階から積極的に働きかけた結果、 JALPAK
International、 JTBの 2 社によって、 それぞれ最低販売価
格が£549(4 泊 6 日/邦貨換算 : 約 10 万 4 千円)、 £671(5 泊 7 日/邦貨換算 : 約 13 万円)
というこれまでにない低価格帯の訪日商品が実現しました。
両商品の販売促進策としては、 有力日刊紙及びインターネットの有力旅行予約サイトでの
共同広告の掲載、 ツアー参加者への実用的な「東京一人歩きガイドブック」の提供、 有力トラ
ベルショーへの共同出展など包括的な広報宣伝支援、 販売支援を実施しました。 ロンドン事
務所ウェブサイトやニュースレターによる広報も行いました。
9
その結果、 両商品は、 訪日旅行の閑散期に当たる下半期において上記 2 社の送客に貢献
し、 平成 16 年の上半期も継続して販売されています。
今後は英系ツアーオペレーターや欧州航空会社(経由便も含む)との連携、 より広範囲な
ネットワークでの販売経路の開拓等にも取り組む予定です。
③映画「Lost in Translation」を題材にしたツアーで日本を PR
「Lost in Translation」は、 現在の東京と京都を舞台に米国人の男
女が交流を深めていくという映画です。巨匠フランシス ・ コッポラの娘、
ソフィア ・ コッポラが監督し、 アカデミー賞オリジナル脚本賞をはじめ
多数の賞を受賞して話題を呼びました。 JNTOでは、 平成 16 年 3 月
から、 この映画を題材にしたツアーによるプロモーションを企画 ・ 実
施しました。
現代日本を舞台にしたこの映画の米国での知名度を活用し、 現地の日系旅行会社に対し
て低廉な FIT向けのツアー造成を企画 ・ 提案した結果、 7 社によって、 映画の舞台となった
東京や京都を盛り込んだツアー商品が造成されました。
JNTOでは、 NTOの公共性を活かして映画の名称等の使用許可を取得し、 北米サイト上で
の PR及び現地有力新聞 2 紙への広告掲載、全米のメディア等 3,000 ヵ所に向けての電子メー
ルでのプレスリリース配信など、 ツアーの完成告知と商品紹介を行いました。
④高級寝台特急ツアー造成に協力
平成 16 年 2 月、 高級寝台特急「カシオペア」の乗車(札幌→東京)を組み込んだツアーが
JNTOの協力により香港で初めて実施されました。
これは、 香港で人気の中国大陸鉄道利用の旅をヒントに造られた、 「北海道東京尊戸鐡道
温泉美食 6 天」(尊戸=尊敬するお客様)と題する 5 泊 6 日ツアーです。
JNTOが平成 15 年 3 月に香港の大手旅行社と JR東日本との仲介を行ってツアー造成を働
きかけたことに加え、 11 月に実施された「北海道観光ビジネス ・ フォーラム」 (JNTOが香港の
旅行会社の招請に協力)において両者が商談したことが、 本ツアーの造成に結びつきました。
料金は大人約 25 万円、 子供約 18 万円。 平均的な 5 泊 6 日の訪日ツアーのほぼ倍の価格
ですが、 北海道と東京で盛り沢山のグルメと観光が楽しめる内容となっています。 ツアーは 2
月から 4 月末までに 3 本が行われ、 58 人が参加しました。 今後も継続してツアーの催行が予
定されています。
10
⑤プレストリップを契機に旅行会社と共同で広告を掲載
和歌山県観光連盟主催の香港プレストリップに参加した記者の記事が
現地新聞に掲載されるのに合わせ、 同一紙面上に旅行会社 3 社と共同
で、 和歌山へのツアー商品の広告を平成 16 年 3 月から 4 月にかけて計
3 回掲載しました。
香港から和歌山を訪問するツアーの実績は、 平成 15 年春までほとん
どありませんでした。 しかし、 和歌山へのツアーが同年夏より販売され、
JNTOが撮影協力した 9 月のテレビ旅行番組で和歌山が紹介されたのを
きっかけに、 人気が出てきました。
昨年のツアー送客数は、 7 月から 12 月の 6 ヶ月間で 2,765 人でしたが、 この広告掲載後、
約 1 ヶ月半の間に合計で 11 種類 83 本のツアーが催行され、 2,532 人が参加しました。
記事に加え同一紙面上で具体的なツアー商品を紹介したことが消費者の興味を引き、 商品
購入の大きな動機付けとなりました。
5)世界の主要旅
行 見本市等へ
の出展 ・ セミナー
開催
毎年、 世界各地で開催される主要な旅行見本市等に、 JNTO単独または
観光業界・地方自治体と共同で出展参加し、日本の観光プロモーションを行っ
ています。
JNTOの海外観光宣伝事務所の担当地域においては、 有力旅行会社関係
者を対象に訪日旅行促進セミナーを開催し、 旅行商品の企画開発に必要な
情報提供を行っています。
【主な事業内容】
旅行流通関係者向けマーケティング事業
・ 旅行見本市等への出展参加
地方自治体、 旅行業関係団体等と共同で英国、 ドイツ、 台湾、 中国、 タイなどを中心とした海外の旅
行見本市等に出展参加し、 観光旅行目的地としての日本を PRしました。 特に英国、 ドイツ、 台湾など
においては旅行見本市に併せて商談会を開催するなど、 出展の機会をとらえて具体的成果につながる
事業を実施しました。
・ 訪日旅行促進セミナー開催
海外の主要都市において有力旅行会社関係者を対象に、 地方自治体や航空会社などとともに訪日旅
行促進セミナーを開催し、 新しい訪日旅行商品等最新の日本旅行情報を提供して、 訪日旅行商品の販
売促進に努めました。
【事業実績】
WTM(ロンドン)、 ITB(ベルリン)等欧州で開催される有力な旅行見本市への出展(18 件)や主要旅行市場
でのセミナー開催(52 件)を通じて、 旅行の企画 ・ 販売に携わる者など約 47 万人を対象に、 日本観光の魅
力を PRし、 最新の旅行情報を伝達しました。
11
「ジャパン ・ トラベル ・ スペシャリスト(JTS)」プログラム
JNTOの在米事務所は、平成 12 年度に全米の旅行エージェントを対象にしたプログラムによってジャパン・
トラベル ・ スペシャリスト(JTS)1,800 人を認定しており、 日本旅行についてのコンサルティング能力の向上と
訪日旅行商品の販売促進を目的とした情報提供や招請事業など、 様々な事業に取り組んでいます。
平成 15 年度は、 一般旅行業者に対しては JTS情報を JNTOの北米ウェブサイト(*)等で提供し、 JTSに対
しては電子メール等でニュースレターを送付することで、 定期的に日本の最新観光情報や旅行商品などの
情報を発信しました。 VJCで事業を実施する際には、 ニュースレター等を通じて告知し参加を呼びかけたほ
か、 VJCと連携してセミナーも開催しました。
平成 15 年度実績 : JTS向けニュースレター発行(平成 15 年 4 月~平成 16 年 3 月、 13 回)
JTSを含むリテーラー対象(118 人)にロサンゼルス及びニューヨークでセミナー開催(平成 15 年 6 月)
(*) JNTOニューヨーク事務所が運営する北米向けのホームページです。 年間約 16 万件のアクセスがあります。 本部の
英語サイトからもアクセスができます。 http://www.japantravelinfo.com
事 業
旅行見本市への出展
教育セミナー
指 標
平成 14 年度実績
出展件数
平成 15 年度実績
17 件
18 件
約 35 万人
約 47 万人
開催件数
59 件
52 件
参加者数
3,834 人
2,410 人
JNTOブース来訪者総数
(VJC関連出展事業を含みます。)
世界の主要旅行見本市等への出展 ・ セミナー開催具体例
ベルリン国際旅行見本市(ITB Berlin 2004)出展
ドイツでは、 平成 16 年 3 月の第 38 回ベルリン国際旅行見本市(ITB
Berlin 2004)に日本ブースを出展しました。 日本ブースには、 地方自治
体及び観光関連企業等計 10 社 ・ 団体が参加し、 観光地としての日本
を PRしました。
日本ブースへは、 ドイツ、 スイス、 オーストリアを中心に約 1,900 人の
旅行業界関係者が来場し、 各事業パートナーとの間で活発な商談が繰
日本ブース
り広げられました。 JNTOインフォメーション ・ カウンターでは、 ITBへ向
けて JNTOが造成を支援した FITツアーを紹介するとともに、 観光業界
関係者へのプレゼンテーションや、 一般消費者への訪日旅行情報提供
及び宣伝パンフレットの配布を通じて、 デスティネーションとしての日本の PRに努めました。
今回の出展では、 優良観光関係機関として JNTOフランクフルト分室が第 2 位に、 また、 ベストサービスを
受けられる休暇先として日本が同じく第 2 位に選出され、 表彰されました。
6)他国の政府観
光局との連携等
12
JNTOでは、 国土交通省が諸外国の政府と連携して実施する国際観光協
議に協力しています。 特に日本から見たインバウンド旅行振興の分野では中
核的な役割を果たしています。 既に多くの国と定期協議が開催されています
が、 平成 15 年度については以下のような協議が実施されました。
1)第 2 回日米観光交流促進協議会ワーキンググループ会議
平成 15 年 4 月 24 日~ 25 日/箱根
(主にビジット ・ ジャパン ・ キャンペーンについて協議されました。)
2)第 3 回日米観光交流促進協議会ワーキンググループ会議
平成 15 年 10 月 6 日~ 7 日/横浜
(ビジット ・ ジャパン ・ キャンペーンの米国委員会の活用方法等について協議されました。)
3)第 5 回日豪観光交流促進協議
平成 15 年 11 月/オーストラリア(アリススプリングス)
(JNTOと豪側航空会社との共同プロモーション等の検討を進めること等が協議されました。)
4)第 18 回日韓観光振興協議会
平成 15 年 11 月/韓国(江原道)
(平成 17 年の日韓国交正常化 40 周年記念事業や日中韓の共同誘客施策等について意見交換が行われ
ました。 JNTOは、 これを受けて翌 12 月に JNTO本部において KNTOと観光宣伝協議を開催しました。)
なお、 平成 15 年度は開催されませんでしたが、 中国、 ニュージーランド、 スペイン、 カナダ、 ドイツ、 ロ
シア等の諸国とも定期的に観光協議が開催されています。
JNTOでは、 これらの国際観光協議の結果を踏まえて、 JNTOの海外観光宣伝事務所を通じ、 協議相手国
の政府観光局と共同宣伝事業(旅行見本市への共同出展参加、 外国旅行会社やメディアの共同招請等)や
市場情報の収集分析等を行っています。
また、 JNTOは政府間の国際観光協議だけではなく、 2 国間の経済連携協定に基づく観光協力についても
協力しています。 平成 14 年に締結された日本 ・ シンガポール新時代経済連携協定での合意に基づいて平成
15 年 11 月に東京で「第 1 回日本 ・ シンガポール観光合同委員会」が開催されましたが、 その場において、 16
年度は JNTOとシンガポール政府観光局の米国向け共同プロモーション事業の実施を検討する、 ということが
決定されました。
(2)国際コンベンション等の誘致 ・ 開催支援事業
国際会議観光都市等との連携の下、 欧米の国際会議市場において各種国際会議の日本開
催誘致支援事業を精力的に実施しました。 国際会議観光都市及びコンベンション ・ ビューロー
を対象とした人材育成セミナー等も開催しました。 また JNTOは特定公益増進法人の指定を受け
ており、 一定の要件を満たしている国際会議等について、 その開催に必要な寄附金の受け入
れと交付金の交付を行う事業を実施しました。
【主な事業内容】
海外 3 事務所を中心とした誘致活動の強化
ニューヨーク、 ロンドン、 ソウルの各事務所に専任の現地職員(コンベンション ・ ディレクター)を配置し、
コンベンション及びインセンティブツアー (企業などの報奨旅行)の誘致を強力に推進しました。
平成15 年度からは、特に豪亜地域を中心にインセンティブツアー(*)の誘致を目指した活動を強化しました。
(*) インセンティブツアーは、 企業が自社製品の販売促進を目的として販売店や販売担当従業員に対して動機付けを行
うために企画される企業報奨旅行です。
13
国際会議及びインセンティブツアー開催地としての日本の認知度向上事業
・ 見本市への出展参加
JNTO単独または国際会議観光都市や観光関連企業と共同で、 スイス、 イタリア、 米国、 韓国、 タイ、 オー
ストラリアで開催されたコンベンション見本市 ・ トレードショーに出展し、 各地域の会議主催者や旅行業者
等を対象に、 国際コンベンション及びインセンティブツアー開催地としての日本を PRしました。
・ 海外におけるセミナーの開催
インセンティブツアー主催者等を対象に、 韓国においてセミナーを開催し、 インセンティブツアー開催地
としての日本を PRしました。
国際会議及びインセンティブツアー誘致事業
JNTOが有する約 3,000 件の国際コンベンション関係データベースを基に、 国内外の有望な会議主催者
等に対して日本での国際会議開催を働きかけました。 また、インセンティブツアーの日本誘致を、韓国、香港、
シンガポール、 タイ、 米国等の企業関係者に働きかけました。
国際会議キーパーソン招請事業
事業実施年月
招請者数
現在までの誘致成功会議数
誘致成功率
平成 13 年 11 月
24
6
25.0%
平成 14 年 11 月
22
6
27.3%
平成 16 年 3 月
17
―
―
平成 15 年 12 月
インセンティブツアー
キーパーソン招請事業
札幌での「お茶会」体験
平成 16 年 3 月
国際会議キーパーソン招請事業
幕張メッセでの商談会
・ 国際会議キーパーソン招請事業(Meet Japan) 将来日本で開催される可能性のある国際会議について、 会議開催地の決定権を持つ海外のキーパーソ
ンを日本に招待し、 日本側関係者との打ち合わせや、 会議開催の候補となる都市 ・ 施設等の視察を行っ
てもらうことにより、 日本開催の実現を目指す事業です。 会議開催地として日本を候補に挙げており、 かつ
会議を誘致する意思のある日本側カウンターパートを持つキーパーソンを対象にして、 招請を実施していま
す。 なお、 本招請事業のスケジュールと合致しないなどの特殊な事情のあるキーパーソンについては、 個
別に招請を実施しています。
・ インセンティブツアー ・ キーパーソン招請事業(Japan Incentive Showcase)
本事業は、 インセンティブツアーの実施決定権を持つキーパーソンや、 ツアーを企画する旅行会社の責
任者及び担当者を日本に招待し、 日本側関係者との打ち合わせや、 ツアー実施の候補となる都市 ・ 施設
等の視察を行ってもらうことにより、 日本開催の実現を目指す事業です。
平成 15 年度は、 VJC事業と連携して韓国、 中国、 香港、 台湾、 タイ、 シンガポールから、 それぞれキー
パーソンを招請しました。
14
インセンティブツアー ・ キーパーソン招請事業
事業実施年月
招請者数
現在までの誘致成功ツアー数
誘致成功率
平成 15 年 3 月
22
11
50.0%
平成 15 年 12 月
47
―
―
国内支援事業
人材育成セミナー、 国際会議マニュアルの作成、 コンサルティング等により、 国内の会議関係者に対し
て国際会議の開催を支援しました。
交付金事業
日本での国際会議等の開催に際して課税優遇措置のある寄附金を受け入れ、 主催者に対して交付金を
交付する事業を実施しました。
寄附金募集 ・ 交付金交付制度を活用した事例
平成 15 年 6 月世界ガス会議より
【事業実績】
事 業
指 標
14 年度実績
出展件数
見本市 ・ トレードショーへの
出展参加
15 年度実績
4件
8件
情報提供数
892 件
847 件
商談設定数
33 件
313 件
海外での誘致活動
セールス件数
2,783 件
3,536 件
国内での誘致活動
セールス件数
2,452 件
2,726 件
開催件数
7件
6件
参加者数
351 人
299 人
9件
2件
873 人
95 人
寄附金受入額
866,657 千円
1,239,992 千円
交付金交付額
846,296 千円
1,207,543 千円
海外でのセミナー開催
国内支援事業
交付金事業
セミナー開催件数(*)
セミナー参加者数
(*)平成 15 年度からは、 都市限定の奨励セミナーを廃し、 人材育成セミナーのみ実施しています。
15
【事業成果】
・ JNTOの誘致支援活動により日本開催が決定した中 ・ 大型国際
コンベンション(*) は、 平成 14 年度に 51 件、 平成 15 年度に 53
件でした。 平成 14 年には、 日本国内で 2,683 件の国際コンベ
ンションが開催されました。 このうち、 外国人の参加者数が 50 人
以上の中 ・ 大型国際コンベンションは 280 件でした。 (平成 15
年の開催件数は平成 16 年 8 月に集計 ・ 発表されます。)
平成 15 年 7 月、 コンベンション初任者研修 グループディスカッション
・ 平成 15 年度は、 韓国、 香港、 タイ、 シンガポール、 米国等から
24 件、 15,548 人のインセンティブツアー誘致に成功しました。
(*) JNTOでは、 参加者総数が 20 人以上で、 かつ参加国が日本を含む 2 カ国以上を占めた国際会議、 または参加者総数が
20 名以上で、 かつ外国人参加者数が 10 名以上を占めた国内会議、 及びこれらの条件のいずれかを満たしているセミナー、
シンポジウム等を「国際コンベンション」としています。
【国際会議及びインセンティブツアーの誘致成功具体例】
誘致に成功した参加者 1,000 人以上の国際会議
①国際先天代謝異常学会 :
2006 年 1,000 人(於 .千葉)
②国際胚移植学会年会
:
2007 年 1,000 人(於 .京都)
③世界内視鏡外科学会
:
2008 年 2,500 人(於 .横浜)
④国際血栓止血会議
:
2011 年 5,000 人(於 .京都)
誘致に成功した 1,000 人以上のインセンティブツアー
⑤韓国アムウェイ(韓国)
:
2004 年 8,000 人(於 .宮崎)
①国際先天代謝異常学会
日本の会議主催者を対象に 1999 年に実施した「会議開催意向調査」で、 当学会には日本開催の要望
があるとの情報を得て、 誘致活動を開始しました。 開催候補地の「ちばコンベンション ・ ビューロー」と連携
した活動によって誘致に成功したものです。 本件が決定した 2003 年 9 月のオーストラリア ・ ブリスベン会議
では、 会場に設営された日本ブースで配布するため、 訪日観光案内パンフレット等を提供しました。
②国際胚移植学会年会
話題の「クローン」をテーマとする会議です。 2000 年に JNTOロンドン事務所から得た情報を基に、 日本
の国内主催者に対して粘り強い誘致活動を続けた結果、 国内主催者の誘致意志が固まりました。 開催候
補地の「京都コンベンション ・ ビューロー」の協力を得て、 開催地の決定を左右するキーパーソンを 2003 年
3 月に個別招請し、 誘致に成功しました。
③世界内視鏡外科学会
2001 年に会議情報を入手した後、 日本の主催者及び学会事務局に対し誘致活動を進めてきました。
2003 年の立候補表明時点では具体的な候補地は未定でしたが、 とりあえず横浜を仮候補地として「横浜コ
ンベンション ・ ビューロー」提供の資料を日本の主催者に提出することとなりました。 主催者がその資料を高
く評価した結果、 横浜が正式な候補地となり、 2004 年 2 月のメキシコ ・ カンクン会議で誘致が決定しました。
同会議の会場に設営された日本ブースで配布するため、 訪日観光案内パンフレット等を提供しました。
16
④国際血栓止血会議
日本で開催する可能性があるとの情報を得た 1999 年から、 日本の主催者及び学会事務局に対して積極
的に誘致活動を進めてきました。 当初から開催地決定への影響力が強いキーパーソンを招請しようと試み
たものの、 最終的には日程が合わず、 断念せざるを得ませんでした。 しかし、 日本の主催者による各国の
投票権者への熱心な要請活動が功を奏し、 2003 年 7 月のバーミンガム会議で誘致が決定したものです。
⑤韓国アムウェイ
JNTOソウル事務所は同社を定期的に訪問して情報を提供してきました。 一方、 同事務所は日本の国際
会議観光都市の参加を得て、 韓国の企業や旅行代理店の決定権者を対象に、 ソウルで「2003 年インセン
ティブ ・ セミナー」を実施しました。 セミナーに参加した韓国アムウェイ社と「宮崎コンベンション ・ ビューロー」
担当者との商談の結果、宮崎市が有力開催候補地となりました。 以降、宮崎の関係者(県/コンベンション・
ビューロー/施設)とともに積極的に活動を展開し、 誘致に成功しました。
(3)外国人旅行者の受入体制の整備支援事業
訪日外国人旅行者のニーズや旅行形態は多様化しています。 JNTOでは、 これらのニーズ
に的確に対応し、 日本国内を安全、 快適に観光できるよう、 平成 15 年度には以下のような
受入体制の整備支援事業を行いました。
【主な事業内容】
ツーリスト ・ インフォメーション ・ センター(TIC)の運営
東京、 京都において、 訪日外国人旅行者に対して、 カウンターにおける旅行案内、 観光パンフレット ・
地図の提供、 電話による問い合わせ対応を行うツーリスト ・ インフォメーション ・ センター(TIC)を運営する
とともに、 全国の「i」案内所への観光情報に関する支援を実施
しました。 なお、 京都 TICについては、 TICを設置する意義 ・
役割、 JNTOの人的 ・ 資金的資源の効率的な配分といった観点
から、 事業の再検討をしました。 その結果、 地元の受け入れ体
制が充実してきていることを踏まえ、 京都府 ・ 京都市に案内業
務を移管することとし、 平成 16 年 3 月 31 日をもって閉所しました。
閉鎖に伴って発生した人的・資金的資源については、 全国の「i」
案内所を支援するために新たに設置した 「i」サポートセンターの
運営に活用することとしました。
「i」案内所網の整備
外国人客が日本国内を一人歩きする際、 必要な情報を容易に入手できるように、 地方公共団体や地方観
光協会等が設置している観光案内所のうち、 外国人対応が可能な案内所を「i」案内所に指定しました。 外国
人客は、 TICとの連携を図って機能を向上させた「i」案内所を利用することで、 日本国内の旅行がしやすく
なり、 日本人との交流の機会も増え、 日本についての理解もより深まっていきます。
平成 15 年度は、 山口市と盛岡市の 2 ヶ所の案内所を指定しました。 また、 「i」
案内所の機能強化を目的とした研修会を開催し、 全国の 「i」案内所の職員を対象
として、 「案内のノウハウ」や「案内に役立つ韓国語と中国語」の講習を実施しました。
(参考) 「i」は、 informationの略で、 案内所を意味する略語。 「i」案内所では「?」の共通マーク
を使用しています。
17
受入体制整備の支援
地方自治体、 民間事業者を対象として外国人旅行者との交流
促進を目的としたセミナーを、 国土交通省地方運輸局とともに全
国 8 ヶ所で開催し、 合計で 552 人が参加しました。 セミナーでは、
JNTO作成の外国人旅行者受入研修用ビデオを放映し、 「外国
人のお客様におもてなしの心を」と題した外部講師による講演を
行いました。
個人旅行者の利便性の向上
日本各地を一人歩きする訪日外国人旅行者の利便性向上の
ため、 各地の観光情報やテーマ別情報を掲載した「プラクティカ
ル ・ トラベル ・ ガイド」 (全国 54 地域、 テーマ別 13 種)や、 日本
語を解さない外国人旅行者と外国語を理解しない日本人が、 指
で文章をさし示すことによってコミュニケーションを行えるようにした
「会話筆談集」英語版、 韓国語版、 中国語版(繁体字)をそれぞ
れ作成し、 TICや全国の「i」案内所で配布しました。
「プラクティカル ・ トラベル ・ ガイド」は、 JNTOのウェブサイトに PDF形式で掲載され、 多くの方に利用い
ただいています。
http://www.JNTO.go.jp/eng/RTG/PTG/index.html
通訳案内業試験の実施
JNTOは、 通訳案内業試験の事務代行機関として、 試験を実施しました。
【事業実績】
事 業
TIC の運営
指 標
情報提供件数
案内所整備数(合計)
平成 14 年度
平成 15 年度実績
東京 31,644 件
東京 31,191 件
京都 72,408 件
京都 65,004 件
(平成 16 年 1 月 31 日を
もって案内業務終了)
115 ヵ所
116 ヵ所
「i」案内所の指定
外国人旅行者対応件数
*2003 年 1 月~ 12 月
645,136 件
平均 5,812 件
(111 ヵ所より回答)
595,961 件
平均 5,843 件
(102 ヵ所より回答)
受入体制整備の支援
研修会開催 ・ 協力件数
16 件
16 件
個人旅行者の利便性向上
印刷物作成部数
18 種
18.3 万部
21 種
14.9 万部
出願者数
6,482 名
7,122 名
合格者数
316 名
331 名
通訳案内業試験
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(4)調査 ・ 統計事業
JNTOでは、 訪日外国人旅行者の実態を把握するための「訪日外国人旅行者調査」を実施し
ました。 また、 主要訪日旅行市場の動向に関する各種情報を収集しました。 これらは、 市場特
性を踏まえた的確かつ戦略的な各種誘致活動、 国内の受入体制の整備等を効果的 ・ 効率的
に行うための参考データとなります。
また、 日本の国際観光統計、 各国 ・ 地域別のマーケット情報、 セールスやプロモーションの
ノウハウ、 世界の観光 ・ 旅行産業の最新動向を紹介する調査資料等を発行しました。 各種報
告書や調査資料については、 読者アンケートにより意見や要望を広く聴取して内容等の改善に
努めました。
【主な事業】
市場調査
①訪日外国人旅行者調査(訪問地調査)
国内の主要 6 国際空港において、 訪日旅行を終え帰国する直前の外国人を対象に、 聞きとり調査を行
いました。 調査項目は、 日本の訪問地、 滞在期間、 訪日目的 ・ 動機、 訪日回数、 属性等です。 前年度
に実施した調査結果を集計 ・ 分析した報告書(「訪日外国人旅行者調査 2002-2003」)も発行しました。
各種資料等の刊行
①日本の国際観光統計
法務省資料に基づき、 月別、 年別、 国籍別、 目的別の訪日外国人旅行者の統計を毎月作成するとともに、
月別情報や日本人海外旅行者の訪問国別の年間統計を収録した「日本の国際観光統計 2002 年」を刊行し
ました。 統計資料の最新情報を JNTOウェブサイトに搭載しているほか、 マーケティング資料への活用や報
道機関等への公表も行いました。
②マーケティング ・ マニュアル
インバウンド業に携わる実務者等のハンドブックとして活用してもらえるように、 訪日外国人送り出し国とし
て有望な世界 12 ヶ国 ・ 地域の旅行市場に関する最新情報、 誘致活動のノウハウを収集 ・ 分析して「マー
ケティング ・ マニュアル2003 年版」を刊行しました。
③ JNTO国際観光白書
世界と日本の国際観光交流の最新動向をはじめ、 インバウンド促進に向けた国や地方の取り組み、
JNTOの活動状況等を「JNTO国際観光白書 2003 年版」として取りまとめ、 刊行しました。
これらの調査統計資料は、 財団法人国際観光サービスセンターで頒布しています。
詳細は同センターのウェブサイト http://www.itcj.or.jpをご覧いただくか、 TEL(03)
3233-3301 までお問い合わせください。
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(5)海外観光宣伝ツールの制作 ・ 配布事業
訪日旅行者の誘致促進を図るため、 一般消費者 、旅行会社 、ジャーナリスト等への配布もしく
は貸出用として、 以下の各種の宣伝ツールを制作し、 JNTOの各海外宣伝事務所、 ツーリスト ・
インフォメーション・センター等を通じて配布しました。
【主な事業内容】
宣伝印刷物の作成
日本を宣伝紹介する各種のパンフレット、 地図、 ポスター等を合計 18 種類、 452,000 部作成しました。
そのうち、 全面改訂及び新たに作成した印刷物は以下のとおりです。
・ 増加する個人旅行者用及びツアー開発支援用として、
東京及び近郊の推薦旅行コースを紹介した新版
「東京一人歩きガイドブック」を作成。
・ 現地のニーズに基づいて新たに全面改訂版の
「 日 本 案 内」 を 韓 国 語、 フランス語、 スペイン語、
イタリア語、 中国語 ・ 簡体字の 5 言語で作成。
ビデオの制作 ・ 複製
(社)海外広報協会制作の政府広報用英語版ビデオ「Access Japan」を複製し、 日本の広報用に海外宣
伝事務所に送付しました。 また、 二次使用可能な日本観光映像素材集(フッテージ集)及び過去に JNTO
が制作し、 人気の高い作品を複製 ・ 補充しました。
スライド、 CDロムの制作・複製
海外事務所の要望に基づき、東京の新しい観光名所等の新規撮影を実施すると共に、人気の高いカラー
スライド、 CDロムの複製 ・ 補充をしました。
観光宣伝資料の海外受託配布
地方公共団体等からの委託を受け、 当該団体作成外国語宣伝資料を JNTO海外宣伝事務所に送付し、
配布しました。
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(6)ビジット ・ ジャパン ・ キャンペーン(VJC)への協力 ・ 貢献
国土交通省では、 平成 15 年度から VJC事業を開始しました。 小泉首相が「ようこそ!ジャパ
ン」と訴える訪日促進ビデオを米国と韓国のテレビでコマーシャル放映しましたが、 これは、 訪
日観光プロモーションの歴史に残るものです。 年間訪日外国人旅行者数 1,000 万人を 2010(平
成 22)年までに達成するという目標を掲げ、 国を挙げてのインバウンド ・ ツーリズム振興への機
運が高まっています。
VJCでは、 訪日外国人旅行者数トップ5 の韓国、 台湾、 米国、 中国、 香港の 5 大重点市場
を対象に(平成 16 年度からは欧州(英国、 フランス、 ドイツ)を追加)、 海外メディア等を通じた
広報 ・ 宣伝や、 海外の旅行業者に対する日本向け旅行商品の開発のための事業などを実施し
ています。
JNTOでは、 理事長が VJC実施本部副本部長に就任し、 実施本部事務局へ職員 2人を出向さ
せているほか、 上記の市場ごとに設置された市場部会に職員を派遣しています。 これまで外国
人旅行者誘致事業を実施してきた経験を踏まえ、 市場分析、 事業計画の提案、 個々の事業実
施に関する提言など、 各市場部会の運営に積極的に貢献しています。
JNTOの海外観光宣伝事務所は、 世界の主要訪日旅行マーケット国 12 カ所(*)で、 常時情報
収集、 セールス、 メディアコンタクト、 プロモーション事業の企画実施を行っており、 VJCの推進
に重要な役割を果たしています。
(*)平成 16 年 8 月より上海事務所が加わり 13 ヶ所となります。
JNTOの海外観光宣伝事務所では、 旅行見本市やイベント等での VJCポスターの掲示や VJC
ロゴバッヂの配布などに加え、 現地ツアー ・ オペレーターによる訪日ツアーパンフレット等への
VJCロゴマーク使用も積極的に勧めるなど VJC事業の認知度向上に大きく貢献しています。
平成 15 年度は、 NTOという中立的な立場を生かし、 旅行見本市への VJCブースの出展、 旅
行会社の招請事業などを実施しました。 地方運輸局で実施された VJC地方連携事業において
も、 招請事業に伴う旅行会社の選定や、 旅行会社に対するヒアリング調査などに協力しました。
また、 JNTOの海外観光宣伝事務所は、 VJC事業終了後のフォローアップにも努め、 事業を成
果につなげるために貢献しています。
また、 JNTOの海外事務所は、 VJC重点市場において、 在外公館や日系の旅行会社など、
官民合同で立ち上げられた VJC現地推進会の事務局を務め、 その運営に協力しています。
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3.
平成 16 年度組織運営と事業展開の重点事項
事業パートナーへの対応
(1)顧客本位の事業運営の推進
①新賛助団体及び会員へのサービス充実
新しい仕組みに対する賛助団体 ・ 会員の一層のご理解を得て、 サービス内容を充実させることによ
り、 「合理的納得感」を提供できるよう努めます。 自主事業財源確保のために、 業界あるいは地域ごと
に新規事業開発と関連した賛助団体 ・ 会員の参加を幅広く呼びかけます。
②顧客ニーズの把握と活用
サービス提供実績データベースを活用して貢献実績を定期的に報告するとともに、 賛助団体 ・ 会
員との日常的コンタクトを通じ、 顧客ニーズの把握や迅速な苦情処理に努めます。
③成果を具体的に把握できる新規事業開発モデルの提案と実施支援
NTO(政府観光局)ブランド、 海外事務所網とそのノウハウなど JNTOの強みを活用し、 訪日個人旅
行者層をターゲットとした旅行商品の開発事業を中心に包括的なモデル ・ プロジェクトを企画 ・ 提案
するとともに、 その実施を支援します。
④訪日外国人旅行者調査の実施とカスタマイズ化した調査データの提供
訪日外国人旅行者の属性 ・ 旅行動向などに関する「訪日外国人旅行者調査」は、 この分野でのわ
が国唯一の調査資料として、 インバウンド ・ ツーリズムを振興する地方公共団体や民間企業の皆様に
ご利用いただいています。
引き続き、 (財)国際観光サービスセンター(ITCJ)と連携して事業パートナーとなる地方公共団体や
企業の皆様のニーズに対応した本調査を実施し、 分析資料やデータを提供します。
(2)ITを活用した組織 ・ 事業運営の効率化とナレッジ ・ マネジメントの推進
平成 15 年度に整備した JNTO内部用の情報共有環境(=インフォネット)を活用して組織 ・ 事業管理
の効率化及び事業パートナーの皆様へのサービスの高度化を推進するとともに、 「JNTOウェブサイト」に
よる情報発信サービスの強化に努めます。
①観光資源データベースの構築と市場関連情報の蓄積、 共有
インバウンド ・ プロモーションを企画 ・ 実施するためには、 国内の観光資源(素材)に関する認知 ・
評価情報(対象国 ・ 対象セグメントごとの好感度等)が欠かせません。 それを JNTOの事業パートナー、
支援団体等の皆様(自治体、賛助団体、会員、観光通訳ガイド、善意通訳等)から入手してデータベー
ス化します。 この観光資源データベース及び海外観光市場関連の情報は、 JNTOの基本的な経営情
報として蓄積され、 海外事務所とも共有して、 主要な旅行市場での情報発信や効果的な事業の開発
等に活用します。
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【具体的事業案】
JNTOの事業パートナーである賛助団体や観光通訳ガイド、 善意通訳等から、 外国人旅行者のニー
ズが高いと考えられる観光資源情報を収集し、 インフォネット(=「情報共有環境)を利用して、 海外事務
所から情報発信します。
②「JNTOウェブサイト」を活用した情報発信強化
1)「JNTOウェブサイト」における利用者の登録、 認証機能の構築
現行の JNTOウェブサイトでは、 海外の利用者に対して一方向の情報発信を行っていますが、
利用者の登録 ・ 認証を行って、 利用者限定の双方向情報提供サービスを開始します。
【具体的事業案】 賛助団体 ・ 会員、 善意通訳者、 国際会議観光都市などを想定した利用者限定サービスの開始に
合わせて、 ウェブサイトの整備を行います。
2)「JNTOウェブサイト」の情報コンテンツの更新体制の整備
「JNTOウェブサイト」へのアクセス数を増大させるために、 賛助団体等との連携により顧客から観
光情報を直接収集するシステムを構築 ・ 整備し、 情報コンテンツの定期的な更新を行います。
【具体的事業案】 賛助団体 ・ 会員向けに週刊で発行している電子メール版ニュースレター「ニュースフラッシュ」など
を通じて、 賛助団体等へ観光情報の提供を呼びかけ、 JNTOウェブサイトのコンテンツやリンクを更新
してサイトを充実させます。
3)画像ライブラリーのウェブ化による業務の効率化
「JNTOウェブサイト」の中に貸出用画像ライブラリーを設置し、 内外のメディア、 旅行会社等によ
る日本の観光関連画像の利用を促進します。 併せて、 画像イメージ貸出業務の効率化とサービス
向上を図ります。
【具体的事業案】 内外のお客様に利用希望の多い観光写真画像(日本を代表する風景画像など)を貸出用画像として
整備します。 その上で、 JNTOウェブサイト上に低 ・ 中解像度(72dpi及び 350dpi)の画像として公開し、
利用者が直接ダウンロードできるようにします。
③ JNTOウェブサイトの改善と機能の検討
1)ウェブサイトの改善
利用者の利便の向上につながる改善を行い、 アクセス数の増大に努めます。
【具体的事業案】 ⅰ) FIT旅行者の利便性向上のため、 ウェブサイト上で提供している地図情報はニーズの高い主要観
光地周辺に限定します。 その上で、 旅行者自身が印刷、 携帯して利用できる形の観光地図とし
て再整備します。
ⅱ) アクセス数の伸びが顕著な韓国語、 中国語(繁体字)ページの情報更新をより頻繁に行い、 併せ
てコンテンツを充実します。
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2)次期観光情報システムの検討
「観光情報システム(JNTOウェブサイト)」について、 次期システムの構築に向けた本格的な検討
を行い、 基本的な対応方針を決定し、 整備を進めます。
【具体的事業案】 次期観光情報システムのあり方(情報コンテンツの種類や維持管理の方法等のシステム整備)につ
いて詳細な検討を行い、 主要旅行市場のニーズに即したコンテンツと機能を備えた効率的なシステム
を構築します。
(3)国際協力の推進
2 国間協議 ・ 多国間協議結果の新規事業への積極的な取り込み
日韓国交正常化 40 周年記念事業、 日中韓共同プロモーション事業等を中心に、 国際間の連携に
よる事業を推進します。
訪日ツアー開発事業
(1)ツアー開発(造成)プログラムに沿った事業展開
新規訪日ツアーの開発 ・ 造成 ・ 販売支援という一連の事業プログラムに立脚し、 個別の支援事業を
単発的ではなく相互に連携したものとします。 これによって、 海外のツアーオペレーターなどによる訪日
ツアー商品造成を促進させるとともに、 具体的な送客に結びつけます。
【具体的事業案】
① FITツアーパッケージの開発(造成)
北米、 ヨーロッパ、 豪州などの海外旅行成熟市場及び一部のアジア地域(香港、 シンガポール等)
においては新規の FITツアーパッケージの開発(造成)に向けた事業を展開し、 既存 FITツアーパッ
ケージの掘り起こしも行います。
②中国向けゴールデンルートツアーの開発(造成)
中国市場(北京 ・ 上海)向けに、 品質に重点をおいたゴールデンルートツアーの開発(造成)事業
を展開します。 また、 亜熱帯の広東省では北海道ツアーの開発を重点的に行うなど、 中国の各地域
の特性にも配慮した事業を展開します。
③その他
ツアーの企画 ・ 開発支援のほか、 市場によっては既存ツアー等の掘り起こしや販売支援事業を展開
します。 沖縄ハネムーン事業(韓国)、SITツアーの掘り起こし事業(米国等)、訪日修学旅行(韓国、オー
ストラリア等)、 スキー旅行促進事業(韓国、 米国、 オーストラリア)、 ゴルフツアー促進事業(韓国)、 愛
知万博向けツアーの開発(造成)事業、 ストップオーバー客の拡大事業(北米、 豪州)等を実施します。
(2)ビジット ・ ジャパン ・ キャンペーン(VJC)事業との連携
国土交通省が実施する VJC事業に対して、 JNTOの海外事務所ネットワークの活用などにより、 最
大限の貢献をします。 また、 旅行目的地としての「日本」の認知度向上など VJCの効果を背景として、
JNTOが開発(造成)支援する訪日ツアー商品の販売増を図ります。
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メディア広報事業
優良メディアの把握 ・ 活用の取り組み
メディア招請事業については、 これまで取材結果のみを評価してきました。 しかし、 今後は訪日取材時
の状況等も併せて評価し、 優良メディアとそれ以外のメディアを選別して、 取材協力要請時の対応を的確
に行います。 また、 要請対応に留まらず積極的に働きかけを行うことによって効果的なメディア活用に結び
つけていきます。 さらに、 メディア招請と旅行商品等の共同広告とをリンクさせることにより、 具体的な送客
増を図ります。
国際会議等の誘致事業
(1)コンベンション ・ マーケティング機能の強化
国際会議主催団体・組織、 地方自治体・コンベンションビューロー、 会議運営専門会社(プロフェッショ
ナル ・ コングレス ・ オーガナイザー)、 旅行会社 ・ 航空会社等の関連団体との連携を密にし、 会議開催 ・
誘致に関わる情報収集とその分析 ・ 対策等の機能強化を図ります。 また、 JNTOの海外事務所における
情報収集活動を強化し、 JNTO本部において情報集約を図ることにより、 機動的な誘致活動を実施します。
【具体的事業案】
①国際会議開催意向調査の実施及び既存のデータベースの効果的な活用
② JNTOウェブサイト上のコンベンション関連情報の充実
③誘致担当者によるコンベンションビューローへの定期的な情報収集活動の実施
④海外各地の会議主催者、 会議運営専門会社、 航空会社、 旅行社等に対して、 国際会議観光都市
等のコンベンションに関する最新情報(英語版)を JNTO海外事務所経由で配信
(2)協賛団体(国際会議観光都市 ・ 各都市ビューロー)等への支援活動の強化
協賛いただいている国際会議観光都市 ・ コンベンションビューローに対し、 日常的なコンサルティング
活動を行ってそれぞれのニーズを把握した上で、 情報 ・ ノウハウの提供を行うなどの支援活動を充実さ
せます。 また、 「日本コングレス ・ コンベンション ・ ビューロー」(JCCB)との連携を深め、 相互交流を図り
ます。
(3)インセンティブツアー(企業報奨旅行)の誘致促進
成長著しいマーケットである韓国、 香港、 中国、 タイ、 シンガポール等アジア諸国からの誘致促進の
ために、 インセンティブツアー主催者やインセンティブツアーの企画 ・ 催行に携わる企業のキーパーソン
を招請するほか、 企業、 旅行会社、 経済団体(商工会議所等)への働きかけを現地で行い、 旅行目的
地としての日本を効果的にアピールします。
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訪日外国人旅行者受入対策事業
中国 ・ 韓国からの旅行客の受け入れ体制の整備
訪日外国人旅行者の受入対策として実施する各事業で、 需要が高まっている中国語 ・ 韓国語対応へ
の取り組みを強化します。
平成 16 年度より全国の「i」案内所を支援するために設置する「i」サポートセンターでは、 英語だけでなく、
中国語、 韓国語によるサポートも行います。
また、 従来より英語版、 韓国語版、 中国語繁体字版を作成している訪日外国人旅行者のための会話筆
談集に、 簡体字版を追加します。 また、 受入対策マニュアルの内容に中国語簡体字及び交通機関編を
加えて、 それが活用できる場面を広げていきます。
<海外訪日市場での活動>
アジア市場-韓国(担当 : ソウル観光宣伝事務所)
(1)訪日ツアーの開発 ・ 造成 ・ 販売支援に関する取り組み
2003 年の訪日韓国人旅行者は史上最大の 143 万人に上りました。 日本の訪問地域も全国に広がり、
旅行者の年齢層、 職業、 旅行目的も多岐にわたっています。 ほぼ飽和状態に見える訪日韓国人旅行
者をさらに増やすためには、 旅行目的に関するターゲット ・ セグメントを明確にし、 ターゲットごとに効果
的なプロモーションを実施する必要があります。JNTOソウル事務所では、平成 16 年度と 17 年度のターゲッ
ト ・ セグメントを①修学旅行 ・ 青少年旅行、 ②ゴルフツアー、 ③スキーツアー、 ④沖縄ハネムーンツアー、
⑤ SITツアーの 5 種類に定めて、 ツアー開発 ・ 造成 ・ 販売支援に取り組みます。
①訪日修学旅行 ・ 青少年旅行促進事業
訪日修学旅行促進を図るため、 教育関係者を対象としたセミナーの実施、 旅行会社との共同広告、
招請事業等を行います。 2004 年 3 月から訪日修学旅行生に対するビザが免除されたことから 、今後の
市場の動きを把握するため、 修学旅行市場実態調査を定期的に実施します。
②訪日ゴルフツアー促進事業
ゴルフブームの真っ只中にある韓国ですが、 海外ゴルフツアーは中国や東南アジアとの熾烈な競
争を強いられています。 訪日ゴルフツアーの継続的実施と参加者確保のため、旅行会社との共同広告、
旅行会社の招請事業、 ツアー参加者に対する景品提供を行います。
③訪日スキーツアー促進事業
韓国のスキー人口は急速に増加しつつあります。 雪質が良く設備の整った日本のスキー場は韓国
マーケットに対して大きくアピールする可能性を持っています。 旅行会社招請やメディア招請等の事業
を実施するほか、 韓国マーケットで「スキー目的地日本」を定着させるため大々的な PRを展開します。
④沖縄ハネムーン事業
韓国人には、 ハネムーン目的地としての日本の知名度は低く、 海外ハネムーンの主流は東南アジ
アのビーチリゾートになっています。 しかし、 沖縄は、 美しいさんご礁の海と高級リゾートホテルがあり、
韓国人ハネムーナーを惹きつける魅力に溢れていますので、 旅行会社の招請やメディア活用のイメー
ジ戦略などを通じて沖縄へのハネムーン客の増加を図ります。
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⑤ SITツアー造成支援事業
韓国でも、 釣りや登山、 スキューバダイビングなどの SITツアーに対するニーズが高まってきています。
共同広告、 ツアーパンフレット作成、 参加者向け記念品提供等によって SITツアーの新規造成を支援
するなど、 市場の動きにフレキシブルに対応して訪日客の底上げを図ります。
(2)旅行目的地としての認知度の向上に関する取り組み
韓国は世界有数の IT先進国であり、 韓国人旅行者が旅行情報を入手する際もインターネットを通じて
行います。 そこで、 JNTOウェブサイト上の韓国語コンテンツを一層充実させて訪日意欲を喚起するととも
に、 日本各地のデスティネーション情報やツアー情報等を提供することによって、 ツアーの開発 ・ 販売を
側面支援していきます。
(3)インセンティブツアー誘致に関する取り組み
データベースの充実、 企業やエージェントに対するセールス活動の強化、 インセンティブツアー目的
地としての日本の PR、 国際会議観光都市との協力による「売れる」インセンティブツアー商品の開発な
ど、 コンベンション・ディレクターを中心に積極的なマーケティング戦略を構築します。 また、 多国籍企業、
大手保険会社、 ネットワークマーケティング企業など大型インセンティブ旅行を実施する可能性のある韓
国企業に対して日本への誘致活動を行います。
アジア市場-中国(広東省を除く)(担当 : 北京観光宣伝事務所)
(1)高品質ツアーの開発 ・ 支援
「安かろう、 悪かろう」ツアーの横行により日本の評判自体が悪化している状態を改善するため、 高品
質ツアー開発を促進します。 質を高めることにより価格が上って、 販売しづらい面も出てきますが、 共同
広告、 視察旅行、 チラシ作成などの積極的な支援により、 消費者に付加価値の高さを PRします。 また、
広告では一般紙に加え、 高額商品を購入できる高所得者層が読者となっている雑誌 ・ 会員誌を活用し、
販売効率を高めます。
【具体的事業案】
夏休み(7 ~ 8 月)、 国慶節(10 月初旬)、 春節(1 月下旬~ 2 月上旬)の 3 期に分け、 ①高品質ツアー
開発、 ②マスコミ視察旅行、 ③共同広告を一連の流れとして実施します。
(2)修学旅行誘致
一人っ子政策をとっている中国では子供に対する投資を惜しまない親が多く、 勉強に役立つことなら
ば将来への投資となると考えて、 高額商品である日本への修学旅行にも子供を行かせています。 現在
のところ、 まだ英語圏への修学旅行が中心ですが、 旅行会社と共同で校長先生等の日本への視察旅行
や学校での説明会などを実施することにより、 日本への修学旅行の誘致を図ります。
【具体的事業案】
修学旅行実施時期である夏休み前(5 月頃)と冬休み前(9 月頃)に高校の校長先生を日本への視察旅
行に招請します。
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(3)インセンティブツアー誘致
インセンティブツアーを実施している在中国企業はまだ少数ですが、 これらの企業に対し、 視察旅行、
直接訪問による説明等のアプローチにより働きかけ、 日本へのインセンティブツアーを誘致します。 イン
センティブツアーの場合、 一般のツアーよりも高額商品になる可能性が高いため、 日本ツアーの高品質
化にもつながります。
【具体的事業案】
①各社のニーズの把握、 ②自治体との協議、 ③ツアーコースの提案、 ④ツアー催行、 という一連の
流れで実施します。 時期については会社により事情が異なるため、 一斉実施ではなく個別対応とします。
(注)平成 16 年 8 月から、 上海市、 江蘇省、 浙江省、 安徽省、 福建省等の中国南西部の省、 市及び自治区の各市場は、
新設の上海観光宣伝事務所が担当します。
アジア市場-中国広東省(担当 : 香港観光宣伝事務所)
(1)広東省における北海道ツアーの開発及び販売支援
広東省は中国の訪日旅行の 7 割を占める地域ですが、 現在、 EU諸国が日本の強力な競合デスティ
ネーションとなっているため、 「東京-大阪ゴールデンルート」以外にも多彩な日本の魅力をアピールして
いく必要があります。 そこで次は、 広東省でも関心が高まりつつある北海道を重点プロモーション地域に
設定し、 ツアー開発 ・ 造成 ・ 販売支援を実施します。
【具体的事業案】
主要旅行エージェントの招請、 プレストリップ、 TV旅行番組の製作等を戦略的に組み合わせ、 広東
省における北海道の知名度向上及び送客数の増加を図ります。
アジア市場-香港(担当 : 香港観光宣伝事務所)
(1)定番 FITツアーの開発及び販売支援
日本が魅力あるデスティネーションであり続けるためには、 FITツアー化が進んでいる香港市場におい
て、 東京、 大阪、 北海道に続く訪問先を開拓する必要があります。 香港事務所では、 東北 ・ 栃木を
FITツアー開発の重点地域とし、 同地域へのツアーの造成に加え、 より実際的な販売促進支援を実施し
て、 東北 ・ 栃木ツアーの定番化を図ります。
【具体的事業案】
主要旅行エージェントの招請、 (販売促進のための)カウンターセールススタッフの研修トリップ、 プレ
ストリップ、 共同広告、 TV旅行番組の製作等を戦略的に組み合わせ、 FITツアー目的地としての東北 ・
栃木の知名度向上及び送客数の増加を図ります。
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(2)インセンティブツアー誘致への取り組み
平成 15 年度下期に実施したインセンティブツアー市場調査に基づき、 日本へのインセンティブツアー
の催行が有望視される企業を抽出し、 積極的なセールスコールを実施します。 併せて、 企業担当者を対
象に開催するインセンティブツアーセミナーで、 各都市の魅力を具体的なインセンティブツアー商品として
紹介し、 誘致成功に結びつけます。
また、 コンベンション誘致部が主催するインセンティブツアー ・ キーパーソン招請事業等を活用して日
本視察の機会を提供し、 香港及び広東省からインセンティブツアーの誘致を図ります。
【具体的事業案】
インセンティブ旅行を取り扱う旅行会社及び有望なインセンティブツアー実施企業(生命保険、 金融、
ネットワークマーケティング、健康食品、日系家電メーカー、日系自動車メーカー等)に対するセールスコー
ル、 インセンティブ旅行を取り扱う旅行会社と共同で実施する企業向けセールスコールのほか、 旅行エー
ジェント ・ 企業の招請、 商談機会の提供を通じ、 日本向けインセンティブ旅行の増大を図ります。
(3)JNTOウェブサイト繁体字コンテンツの充実
JNTOウェブサイト繁体字コンテンツにおいては、 より幅広い層の香港人が興味 ・ 関心を抱くような日
本の最新観光施設情報や季節情報を効果的に提供します。 また、 (1)で造成する定番 FITツアー対象
地域の PR及びツアー紹介を実施し、 ツアーの定番化を図るとともに、 繁体字コンテンツに対するアクセ
ス数の増加を図ります。
【具体的事業案】
訪日意欲を喚起するためにジャーナリストを活用して季節情報や新しい観光の魅力等の紹介コンテン
ツを作成するほか、 FITツアー開発重点 4 地域を含むデスティネーション情報及びツアー情報の提供を
行ってツアー開発 ・ 販売支援事業を側面から支援します。
アジア市場-タイ、 シンガポール(担当 : バンコック観光宣伝事務所)
(1)ツアー開発及び販売促進支援
タイでは富裕層を、 シンガポールではファミリー層を主なターゲットとします。 需要拡大のためツアーオ
ペレーターに対して新たな旅行目的地やテーマを取り入れたツアーの開発を働きかけ、 販売促進の支援
を行います。 特にシンガポール市場での需要拡大にはリピーターを増やすことが重要なので、 個人旅行
客を対象とした FITパッケージ商品の開発 ・ 販売促進支援にも取り組みます。
【具体的事業案】
名古屋で開催された旅フェア2004 の商談会 ・ 視察旅行に参加した旅行会社を主な対象として、 愛知
万博あるいは中部地方を旅程に取り入れた新規ツアーを開発するように働きかけます。 シンガポールで
は、 主に航空会社系の旅行会社(Creative Tours、 First Choiceグループ、 Trade Winds)に対して新た
な行先地などを提案し、 FITパッケージ商品の多様化も働きかけます。
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(2)インセンティブツアーの日本誘致
大規模送客が期待できる保険会社、 製造業、 (日本を旅行目的地とする可能性の高い)日系企業を
主なターゲットとします。 インセンティブツアー取扱旅行会社と連携し、 インセンティブツアーの日本誘致
を働きかけて、 その実現を目指します。
【具体的事業案】
旅行会社等を通じてインセンティブツアー実施の可能性がある企業の情報を入手し、 その企業に旅行
目的地としての日本の魅力を訴えて訪日旅行を働きかけます。 ジャパン ・ インセンティブショーケースな
どの商談会 ・ 視察旅行に企業担当者や旅行会社を招請し、 インセンティブツアーデスティネーションとし
ての日本の魅力を紹介します。 IT&CMAなどの専門見本市商談会にも出展し、 バイヤーに目的地として
の日本の魅力を訴え、 訪日の実現を目指します。
(3)メディア広報事業の拡充
富裕層、 ファミリー層を主なターゲットに、 マスメディアを通じて日本観光の魅力を紹介し、 訪日旅行
者の増加につなげます。 これにより潜在的訪日旅行者層も拡大させていきます。
【具体的事業内容】
例えば特定の日本車のオーナーを対象とする「Borneo Motors」といった雑誌のように、 読者が富裕層
に限られる媒体に日本の観光記事を書いてもらうことによって、 訪日旅行者増につなげていきます。 また、
視聴率の高いテレビの海外旅行番組で日本観光の魅力を取り上げてもらうため、 取材班の日本招請を
働きかけます。 これにより直接的な効果だけでなく、 潜在的訪日旅行者層の拡大も目指します。
オセアニア市場(担当 : シドニー観光宣伝事務所)
(1)魅力ある訪日商品の品揃え作戦
主にオーストラリア市場を対象として、 ①個人旅行、 ②修学旅行、 ③スキー/スノーボード ・ ツアー、
④愛知万博を契機としたツアーの 4 点に重点を絞り、 旅行会社、 航空会社と共同で新しい商品を開発し、
訪日商品の品揃えを増やします 。その上で、 商品の販売を支援していくことによって新たな需要を喚起し、
訪日観光客の一層の拡大を図ります。
【具体的事業案】
16 年度には、 個人旅行の拡大、 修学旅行の促進、 スキー/スノーボード ・ ツアーの促進、 2005 年
に開催される愛知万博を契機としたツアーの造成を旅行会社、 航空会社などとともに図り、 その販売促
進を支援することにより、 訪日観光客の飛躍的な拡大を図ります。
併せて、モニターツアーを実施し、参加者による評価などに基づいてツアー内容の質的向上も図ります。
なお、 17 年度にはスキー見本市で商品紹介をするなどして、 引き続き、 個人旅行、 修学旅行、 スキー
ツアーの新たな商品開発に努めます。
30
(2)日本のイメージアップ作戦
旅行目的地としての日本の認知度を高めるとともに、 物価高などのマイナスイメージを払拭するための
広報に努めます。
【具体的事業案】
愛知万博やスキーツアーなどの新たな目的地の認知度を高めるため、 メディア広報事業によって旅行
目的地としての日本の露出拡大に努めます。
・ 格安のスケルトンツアー開発に努め、 ウェブサイト等で広告宣伝を行うことにより、 物価が高いという日
本のマイナスイメージの払拭に努めます。
・ ウェブサイトの充実に努めます。
・ 効率の良いイベントに合わせて、 ITを活用した観光案内業務を行います。
(3)商品販売ルートの強化作戦
店頭で訪日商品を取り扱っている販売担当者の日本についての知識を補強します。 併せて、 販売強
化月間などを設定してホールセラーとリテーラーとの関係を強化し、 販売担当者の訪日商品販売に対す
る意欲を高揚させます。
【具体的事業案】
販売担当者に対して教育セミナーを実施するほか、 新たな訪日商品の販売に合わせてリテーラーの
ファムトリップを実施するとともに、 販売促進月間を設けて共同広告を行うなど、 リテーラーの販売意欲の
高揚を図ります。
(4)コンベンション ・ インセンティブツアーの誘致拡大作戦
15 年度のインセンティブ見本市(AIME)で商談を実施した企業等や、 訪日インセンティブツアー実施
の可能性の大きい日系企業を中心にセールス活動を展開します。
また、 16 年度においても各地方のコンベンションビューロー等とともに AIMEに出展参加し、 積極的な
セールス活動を展開します。
【具体的事業案】
AIMEなどでの商談会後のセールスに力を注ぐとともに、 インセンティブ ・ ハウスや 15 年度に行った市
場調査に基づく有力企業に対し、 インセンティブツアー誘致用ツールを積極的に活用して情報提供の強
化を図ります。
31
欧州市場-英国(担当 : ロンドン観光宣伝事務所)
(1)メディア広報事業の拡充
旅行目的地としての日本の認知度が非常に低い英国においては、 日本の実態を伝えて有力な旅行先
だと認識してもらうことが極めて重要です。 そこで、 VJC事業と連携しつつ有望なメディアの発掘に取り組
むとともに、 ツアー開発事業と連動させて具体的な送客につなげることを目指します。
【具体的事業案】
一般紙に日本観光特集と関連ツアー広告とを同時掲載するほか、 日本を題材とした映画との連携も行
います。 さらに平成 17 年度は、 日 ・ EU市民交流年の情報及び愛知万博の開催情報を発信します。
(2)ツアー商品の流通経路の拡大に対する取り組み
日本行きの旅行商品が英国の全国旅行会社等で手軽に購入できるように、 英国内に幅広いリテール
網を持つ英系ツアーオペレーターと連携するほか、 リテール ・ エージェントに対する訪日旅行販売支援
にも取り組み、 訪日ツアー商品の流通経路拡大を目指します。
【具体的事業案】
エージェント社員教育への協力、 販売員へのインセンティブツアー、 各種媒体による商品宣伝、 宣伝
印刷物作成補助等の支援策を戦略的に組み合わせた上で、 英系大手エージェントを対象として日本向
け旅行商品の流通経路を飛躍的に拡大させます。
(3)多様性のある日本向け旅行商品の市場への投入
日本旅行商品の品揃えの充実を目指し、 ターゲット層を明確にした新商品の開発 ・ 販売支援に取り
組みます。 また、 有望な潜在旅行者層にアピールする、 テーマ性を持った新商品の開発 ・ 販売支援に
も取り組みます。
【具体的事業案】
・ JAL国際線就航 50 周年や JR新幹線開業 40 周年等の機会をとらえたツアー商品の開発 ・ 販売支援
・ 富裕層に焦点を当てた商品の開発 ・ 販売支援
・ 愛知万博の開催を視野に入れた商品開発の検討
・ ストップオーバー客を対象とした商品開発の検討
32
欧州市場-フランス(担当 : パリ観光宣伝事務所)
(1)大衆訪日ツアーの開発 ・ 造成 ・ 支援事業
フランスでは親日フランス人向けの限定された高額 ・ 高級ツアーが中心という現状に刺激を与えるため、
都市部の中間所得層や若年層を新たなターゲットとして、 「相撲」 「宿坊 ・ 和食(長寿)」 「アニメ」など日本
がオンリーワンまたは世界一である分野の魅力を強調した FIT、 及びそれを改良した大衆価格のツアー
の開発 ・ 販売を支援します。
【具体的事業案】
訪日ツアーを造成する旅行会社を増やすとともに、 そうした旅行会社との関係を強化するため、 新しく
作成したフランス語ガイド等を積極的に配布し、 マーケティング ・ データ等の整備 ・ 充実を図ります。 フラ
ンス人向け独り歩きガイドの作成、 フランス人向けオプショナルツアーの拡充等により、 大衆価格ツアーの
開発を促進します。 販売力のある大手取扱店への働きかけと広告支援を官民連携で強化し、 訪日ツアー
の販売網を増強します。 販売員の教育に重点を置き、 セミナーの開催、 インセンティブツアーの催行、 イ
ンターネットを活用した教育サイトの立上げ等により、 窓口販売における訪日顧客獲得率の向上を図ります。
(2)ITを活用した効果的で高度な観光宣伝の推進
現行のフランス語版サイト(JNTO本部サイト)の内容充実とともに、 一般消費者向けとトレード ・ メディア
関係者向けの情報提供機能を高度化し、 フランス語版ページへのアクセス増加を図ります。
【具体的事業案】
現状、 先進国の中でフランスのインターネット普及率は低いものの、 今後の急速な拡大に備え、 現在
の英語版レベルの情報内容へと拡充し、 コンタクト機能の追加による双方向化等でフランス語版サイトの
質的向上を図ります。
(3)旅行目的地としての日本の認知度の向上
VJC事業と連携を図り、 計画的、 組織的、 体系的な訪日観光キャンペーンを展開することにより、 観
光目的地としての日本の認知度向上を図ります。
【具体的事業案】
関西経済連合会の観光プロモーションを受託し、 一定の成果を上げつつある実績を活かして、 現実
の商品造成が期待できる一連の事業を中心に取り組みます。 ツアー開発をにらんで、 大型広告 ・ 有望
メディアによる話題性のある招請事業、 (トレード ・ メディア関係者を重視した)国際観光見本市、 フラン
ス人向け新商品を持ち込んでのテーマ性のある訪日セミナー、 ワークショップ等を実施します。
33
欧州市場-ドイツ(担当 : フランクフルト分室)
(1)訪日 FITツアーの開発、 造成事業
訪日市場の主要部分を占める 30 ~ 50 代のニーズに対応して、 訪日ツアーの定番となるようなツアー
を開発、 造成します。
【具体的事業案】
①訪日商品の雛型となるようなツアーを造成するため、 訪日ツアー造成に意欲のあるツアーオペレーター
に働きかけ、 ツアーの企画 ・ 開発のコンサルティング、 共同広告、 エージェント視察ツアー、 販売促
進などで一貫した支援を行います。
②完成したツアー商品は、 ベルリン国際旅行見本市(ITBベルリン)において、 旅行業界及び一般消費
者への PRを行い、 商品の市場への浸透を図ります。
(2)SITツアーの開発への取り組み
新たなマーケットになることが期待される若年層をターゲットに、 旅行会社や出版社等と連携して、 特
別なテーマを取り込んだ新しいタイプの訪日ツアーの企画 ・ 開発に取り組みます。
【具体的事業案】
① アニメツアー
20 代から 30 代を中心に日本のアニメに関心を持つ人が増えている点に着目し、 アニメツアーの企画、
造成を働きかけます。
② 相撲観戦ツアー
大相撲の番組がスポーツ専門テレビ局で放送されており、 相撲への関心が高まっていますので、 相
撲の記事を掲載する雑誌社と連携して、 相撲観戦ツアーの企画、 造成を働きかけます。
(3)旅行目的地としての日本の広報
ドイツでは日本は物作りの国だというイメージが強いのですが、 旅行目的地としても魅力のある国だと
いうイメージの醸成に取り組んでいきます。 そのために、 ドイツでも急速に普及しているインターネットを
活用したプレスリリースやメールマガジンを用いて、 マスコミ、 旅行業界、 日本旅行に関心のある一般消
費者に対し、 不足している日本の観光情報を発信します。 また、 国際旅行見本市として世界的に定評
のある ITBベルリンは一般消費者及びドイツの主要な旅行業関係者、 マスコミ関係者などが多く集まって
きますので、 観光宣伝の場としての利用価値が高く、 この場を活用した旅行目的地「日本」の大々的な宣
伝活動を行います。
(4)在外公館と連携した一般消費者に対する観光宣伝
【具体的事業案】
① デュッセルドルフ「日本デー」における広報宣伝活動
ドイツで最も日本人在住者の多いデュッセルドルフで開催される日本デーには、 約 100 万人のドイツ
市民が来場します。 この場を活用して、 在デュッセルドルフ日本国総領事館と連携し、 旅行目的地と
しての日本の認知度向上を図ります。
② ミュンヘン「日本祭り」における広報宣伝活動
ドイツ南部における最大の都市ミュンヘンで開催される日本祭りにおいて、 在ミュンヘン日本国総領事
館と連携し、 旅行目的地としての日本の認知度向上を図ります。
34
北米市場-東海岸、 中西部の一部(担当 : ニューヨーク観光宣伝事務所)
(1)訪日旅行の商品構成を多様化するためのツアー造成
①従来の訪日ツアー商品と比較し、 体験できる内容やオプショナルツアーの種類を充実させた個人旅行
者(FIT)向けパッケージ ・ ツアーの造成
②ストップオーバー ・ ツアー(主にアジア系米国人の里帰り時の日本立寄り)の造成
③日本文化により深く接するプログラムを希望するグループと連携して企画した、 新たなプログラムを組み
込んだ SITの造成
④学生等を対象とするアドベンチャーやエコツーリズムの要素を強調したツアーの造成
(2)広報の強化
優良メディアの訪日取材の支援、 ニュース ・ リリースの発行を積極的に行い、 日本紹介記事の増加を
図ります。 また、 米国内で話題となり得る日本関係イベント(*)とタイアップして、 訪日旅行の魅力や予備
知識を伝える記事広告のほか、 航空会社や旅行会社等と共同で懸賞付広告を新たに実施します。
(*)ワシントン桜祭り、 メッツ松井デビュー、 太平洋序曲ブロードウェイ公演、 ゴジラ誕生 50 年記念映画等。
(3)ジャパン ・ トラベル ・ スペシャリスト(JTS)(*)事業
平成 15 年度に引き続き、 関係するホテルや航空会社等に対する訪日ツアーの販売支援を一層進め
るため、 ニュースレターによって日本の最新観光情報や旅行商品情報を発信するなど、 JTSを対象とした
事業に取り組みます。 また、 JTSを再募集し、 拡大を図ります。
(*) JTS事業については、 12 ページをご参照下さい。
(4)国際会議、 欧米発インセンティブツアー開催地としての日本の広報宣伝の強化 16 年度も国際会議のキーパーソンの招請や専門見本市(IT&ME)出展等を行います。 加えて、 米国
発のインセンティブツアーの増加を図るため、 VJCが展開され、 かつ米国の景気回復に伴い企業業績が
回復しつつあるタイミングをとらえ、 アジア方面へのインセンティブツアーを行った実績のあるインセンティ
ブ ・ ハウス等に対象を絞って、 積極的なセールス活動を実施します。
北米市場-米国南西部、 ハワイ州(担当 : ロス ・ アンジェルス観光宣伝事務所)
(1)愛知万博向けツアー開発事業 2005 年の愛知万博開催に当たって、 万博会場を含む中部地方を中心とした新規ツアーの造成を図る
ため、 当地への関係者のセールス ・ ミッション派遣、 当地の旅行会社に対する共同広告等の支援などを
通じて訪日ツアー商品開発を働きかけます。
35
北米市場-米国北西部(担当 : サンフランシスコ分室)
(1)SITツアーの目的地としての日本売り込み強化
当地からの訪日旅行者はテーマを持って旅行する傾向が強いことから、 SITを専門に取り扱うツアーオ
ペレーターとの連携を密にします。 新規 SITの造成及び既存 SITの集客増への支援に取り組み、 当地の
マーケットの特性を生かした訪日ツアー商品の造成 ・ 販売促進を働きかけます。
【具体的事業内容】
SITツアーの目玉であるプログラムを充実させるため、 日本のランド ・ オペレーターとの連携を図るとと
もに、 日本側受入れ機関(地方公共団体)との折衝を仲介します。 さらに、 オペレーターの日本視察及
び販促強化用の材料作成に対する補助等の支援策を実施し、 当地発 SIT旅行商品「デスティネーション:
日本」の売り込みを行います。
(2)クルージング ・ ツアー造成支援事業
クルージング ・ ツアーは米国人の観光旅行形態として今最も脚光を浴びており、 四方を海で囲まれた
日本にも誘致できる可能性が強いものです。 そこで、 当室所管内にあるクルージング ・ ツアー専門のオ
ペレーターと折衝・連携を図り、 日本国内の港湾やその周辺観光地を組み合わせたクルージング・ツアー
商品の開発を働きかけます。
【具体的事業内容】
モデルコースの策定やツアーオペレーターの日本視察など、 ツアー造成のための支援を積極的に行
います。 さらに、 商品化のためのツアー紹介パンフレット作成への補助、 販促強化となる広報 ・ 宣伝活
動への補助などの支援策を行います。
36
北米市場-カナダ(担当 : トロント観光宣伝事務所)
「百聞は一見にしかず(“Seeing is Believing”)」プロジェクトの展開
(1)消費者に対して「日本に行ってみよう」という動機付けを行うための、 「観光日本」の認知度
向上に向けたメディア広報事業の拡充(「百聞は一見にしかず」マスコミ版)
日本の観光紹介記事の、 カナダの新聞への掲載促進により、 観光日本のイメージ浸透を図るとともに、
そうした記事に合わせ、 JNTOが支援するツアーの紹介なども行って販売支援に活用するようにします。
(2)カナダ旅行業界に対する日本知識習得教育によるツアー造成 ・ 販売支援(「百聞は一見に
しかず」エージェント版)
ファムトリップの実施やセミナーの開催による日本側サプライヤーとのコンタクト機会の提供を通じて、
旅行業界に日本観光に関する知識を習得してもらい、 ツアー造成 ・ 販売支援を行います。
(3)低廉 FITツアーの開発 ・ 販売支援(「百聞は一見にしかず」消費者版)
低廉な訪日ツアーの開発 ・ 販売支援を通じて消費者に実際に日本を体験してもらい、 「日本は高い」
というイメージを払拭し、 手軽に行ける観光地日本を PRします。
(4)地方観光都市の魅力の紹介及びこれらの地域へのツアー造成の働きかけ(「百聞は一見
にしかず」応用版)
東京や京都以外にも日本各地の魅力を紹介してツアー造成を働きかけます。 JNTOトロント事務所によ
るこれまでの働きかけの結果、 当地では現在、 高山 ・ 白川郷が注目を集めていますが、 2004 年も 2003
年に引き続いて、 この高山 ・ 白川郷を中心とした中部地区へのツアー催行を推進します。
37
参考資料(1) 独立行政法人 国際観光振興機構 組織図
<国内>
平成 16 年 7 月現在
・機構の運営の総括
・人事、労務に関する事項
・中期計画・年度計画の策定
・事業の総合管理に関する事項
・業績評価に関する事項
・海外観光宣伝事務所の管理に関する事項
・財務・会計に関する事項
・調達・契約に関する事項
管理部
総務グループ
管理グループ
経理部
予算・管理会計グループ
調達・財務会計グループ
事業開発部
理事長
・顧客(賛助金・コンベンション協賛金等拠出団体・機関)管理
・新規事業の開発に関する事項
・情報システム、ウェブサイトの管理・運営
・観光情報の収集・発信
・誘致宣伝資料の作成に関する事項 ・国際観光に関する調査及び研究に関する事項
IR・事業企画グループ
調査・情報室
情報システムグループ
宣伝ツール制作グループ
調査・統計グループ
理事
海外市場開拓部
・市場別外国人旅行者誘致事業の計画の策定
・海外で展開する宣伝事業(コンベンションを除く)の実施に関する事項
・訪日ツアーの開発・造成・販売支援事業の計画・実施
・海外観光宣伝事務所実施事業の支援
アジアグループ
5名
欧米豪グループ
・誘致事業の国内での受入れに関する事項
・国内の外国人旅行者受入体制整備支援に関する事項
・通訳案内業試験の実施に関する事項
・訪日外国人旅行者に対する全国観光情報の提供
・地方における外国人観光客の窓口となる「i」案内所に対する各種支援
国内サービス部
監事
国内支援グループ
2名
受入対策支援グループ
ツーリスト・インフォメーション・センター(TIC)
「i」サポートセンター
コンベンション誘致部
・国際コンベンション誘致の事業計画の策定に関する事項
・海外及び国内でのコンベンション誘致事業の実施に関する事項
・国内での開催支援(寄附金募集・交付金事業を含む)に関する事項
・海外事務所の誘致活動の支援
誘致グループ
開催支援・交付金グループ
一般職員計
運営費交付金算定
対象職員数 59 名
運営費交付金算定
対象外職員数 8 名
運営費交付金算定
対象職員数
運営費交付金算定
対象外職員数
<海外>
海外宣伝事務所
(11 事務所・2 分室)
ソウル
北京
香港
上海
(平成 16 年 8 月開設予定) バンコック
シドニー ロンドン
パリ
フランクフルト(分室)
ニューヨーク
ロスアンジェルス
サンフランシスコ(分室)
トロント
海外事務所員計
3名
3名
3名
2名
1名
2名
3名
3名
1名
5名
3名
1名
2名
32 名
役員数 運営費交付金算定対象職員数 運営費交付金算定対象外職員数 海外観光宣伝事務所における常勤現地事務員数 合計 38
1名
1名
1名
3名
7 名
91 名
11 名
36 名
145 名
(注)国内(本部)においては固定的な課
単位の組織に制約される課制を採
らず、機動的な人材運用を可能と
するグループ制を採用します。各
グループの名称は必要に応じて随
時変更する場合があります。
●賛助金拠出者である事業パートナー(地方公共団体 ・ 観光関連事業者等)との連携強化
④その他重要事項
●自己収入の増加
③財務の内容の改善
●海外旅行会社への支援により、 開発 ・ 造成された訪日ツアーの設定本数等
について 50%程度増加
●効率的 ・ 効果的な国際コンベンション等誘致活動の実施
●旅行目的地としての 「日本」 の認知度の向上
②業務の質の向上 (成果主義に立った事業展開)
●一般管理費について削減
●適切な事業評価により、 常に効果的な事業へ資源を重点的に配分
●職員の意識改革及び業務への取り組み意欲の向上
●本部組織及び海外観光宣伝事務所の業務実施体制の整備
①業務運営の効率化 ・ 効果的な業務運営の促進
中期目標
3. 中期目標及び中期計画の主な内容
4 年 6 ヵ月間(平成 15 年 10 月 1 日から平成 20 年 3 月 31 日まで)
2. 中期目標の期間
●事業パートナーへの 「負担と受益」 についての説明責任を果たすことにより、連携を強化。
●運営費交付金対象業務経費について、 効率化を推進し、 特殊法人時の最終年度(平成
14 年度)比で 5%程度に相当する額を削減。
●賛助金拠出の増加を図るとともに、 地方自治体、 民間事業者等からの受託事業、 募集
事業、 講演、 研修等を積極的に開拓 ・ 展開し、 自己収入を増加。
●メディアへの広報宣伝活動等を通じた訪日旅行に関する記事掲載 ・ 番組放映等を実施。
●訪日視察旅行のアレンジ等、 海外旅行会社に対する直接支援により開発 ・ 造成された
訪日ツアーの設定本数等を 50%程度増加。
●会議開催の決定権者の招請事業の実施等直接的に機構が誘致に関与した結果、 誘致
に成功した国際会議等(インセンティブ旅行(企業報奨旅行)を含む。)を 35 件、 50%程
度増加。
●旧本部組織を抜本的に改め、 また、 課制をとらず、 機動的な人材運用が可能なマネー
ジャー制を導入。 海外観光宣伝事務所の配置等の見直しを実施。
●少数の人員で最大限の成果を挙げるため、 厳正な人事考課に基づき適材適所を徹底。
有能な外部人材の登用 ・ 活用。 優秀な海外採用職員の抜擢 ・ 登用。
●業績評価制度を導入し、 適切な事業評価により、 常に効果的な事業への資源の重点的
な配分。 国内 2 ヵ所のツーリスト ・ インフォーメーション ・ センターの見直し等。
●一般管理費について、 中期目標期間の最後の事業年度において、 特殊法人時の最終
年度(平成 14 年度)比で 13%程度に相当する額を削減。
中期計画
国の予算執行制度に制約されることなく、 自立的かつ機動的に事業執行。 業績評価、 マーケティング等民間企業の事業手法や経営戦略立案能力の導入による
事業の効率化。
ビジット ・ ジャパン ・ キャンペーンにおいて、 豊富な経験 ・ ノウハウを活かし、 戦略的かつ効果的な訪日外国人旅行者の増大のための取り組みに貢献。
1. 独立行政法人国際観光振興機構の独法化のメリット
独立行政法人国際観光振興機構の中期目標 ・ 中期計画について
参考資料(2) 中期目標 ・ 中期計画
39
参考資料(3) 平成 16 年度計画予算見積り
平成 16 年度計画予算見積り
収 入
区 分
運営費交付金
支 出
見込額 (千円 )
区 分
2,242,685 業務経費
見込額 (千円 )
890,935
賛助金 ・ コンベンション協賛金収入
357,300
海外観光宣伝事業経費
713,670
事業収入
331,621
コンベンション誘致事業経費
121,151
寄附金収入
997,000
受入対策事業経費
44,304
事業外収入
7,770
調査研究事業経費
11,810
受託経費
390,631
交付金事業経費
997,136
人件費
一般管理費
合 計
40
3,936,376 合 計
1,370,605
312,048
3,961,355
<著作権に関連するお願い>
本書の記載内容を転載または引用する場合には、 出典を明記するとともに、 お手数ですが、 転載または引用し
た刊行物(ウェブサイトページを含む。)を JNTO管理部宛てお送りください。
また、 本書の内容については JNTO管理部に、 JNTOとのパートナーシップ等については事業開発部にお問い
合わせください。
独立行政法人国際観光振興機構
<本部>
管理部
経理部
事業開発部
海外市場開拓部
国内サービス部
コンベンション誘致部
ツーリスト ・ インフォメーション ・ センター(TIC)
<海外観光宣伝事務所>
ソウル
電話 : (03)3216-1901
電話 : (03)3216-1904
電話 : (03)3216-1905
電話 : (03)3216-1902
電話 : (03)3216-1903
電話 : (03)3216-2905
FAX : (03)3214-7680
FAX : (03)3214-7680
FAX : (03)3216-6026
FAX : (03)3216-1846
FAX : (03)3216-1846
FAX : (03)3216-1978
電話 : (03)3201-3331
FAX : (03)3201-3347
国番号 : 82
電話 : 02-732-7530
FAX : 02-725-5334
10th fl., Press Center Bldg., 1-25 Taepyeongno, Jung-gu, Seoul, Republic of Korea
北京
国番号 : 86
電話 : 010-6513-9023
FAX : 010-6513-9221
中国北京市朝陽区建国門外大街甲 26 号 長富宮弁公楼 610 室 100022
上海
(平成 16 年 8 月開設予定)
香港
国番号 : 852
電話 : 2968-5688
FAX : 2968-1722
Suite 3704-05, 37/ F., Dorset House, Taikoo Place, Quarry Bay, Hong Kong
バンコック
国番号 : 66
電話 : 02-233-5108
FAX : 02-236-8356
19th fl., Ramaland Bldg., No.952 Rama 4 Road, Bangrak District Bangkok 10500, Thailand
シドニー
国番号 : 61
電話 : 02-9251-3024
FAX : 02-9251-3031
Level 18, Australia Square Tower, 264 George Street, Sydney N.S.W. Australia
ロンドン
国番号 : 44
電話 : 020-7734-9638
FAX : 020-7734-4290
Heathcoat House, 20 Savile Row, London, W1S 3PR, U.K.
(ロンドン分室)
国番号 : 49
電話 : 069-20353
FAX : 069-284281
Kaiserstrasse 11, 60311 Frankfurt am Main, Germany
フランクフルト
パリ
国番号 : 33
電話 : 01-42-96-20-29
4, rue de Ventadour, 75001 Paris, France
ニューヨーク
国番号 : 1
電話 : 212-757-5640
FAX : 212-307-6754
One Rockefeller Plaza, Suite 1250, New York, NY10020, U.S.A.
ロスアンジェルス
国番号 : 1
電話 : 213-623-1952
FAX : 213-623-6301
515 South Figueroa Street, Suite 1470, Los Angeles, CA 90071, U.S.A.
(ロスアンジェルス分室)
国番号 : 1
電話 : 415-292-5686
FAX : 415-292-7849
1 Daniel Burnham Court, Suite 250C, San Francisco, CA 94109-5455, U.S.A.
サンフランシスコ
トロント
FAX : 01-40-20-92-79
国番号 : 1
電話 : 416-366-7140
FAX : 416-366-4530
165 University Avenue, Toronto, Ontario, M5H 3B8, Canada
JNTO(ジェイ ・ エヌ ・ ティー ・ オー)の平成 15 年度及び 16 年度の事業
発行日 : 平成 16 年 7 月
発 行 : 独立行政法人 国際観光振興機構(JNTO)管理部
〒100-0006 東京都千代田区有楽町 2-10-1 東京交通会館 10 階
TEL(03)3216-1901 FAX(03)3214-7680
URL:http://www.jnto.go.jp/info
JNTOは日本の政府観光局(NTO)として、 外国人旅行者の訪日促進のための
諸事業を、 国の実施している「ビジット ・ ジャパン ・ キャンペーン」と一体となっ
て展開し、 同キャンペーンに最大限の貢献をしています。
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