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(維持・修理等)概要(PDF:1.5MB)

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(維持・修理等)概要(PDF:1.5MB)
動的防衛力の構築(維持・修理費等)に係る事業について
警戒監視活動その他の活動を実施する上で必要な艦艇・航空機・車両等の可動率を維持・向上す
る上で必要な維持・修理等及び次期輸送機の性能確認のための経費
(合計326億円)
(1)艦艇・航空機・車両等の維持・修理費
要望額 26,739百万円
周辺海空域において警戒監視活動を行うとともに、大規模震災その他の事態に即応して部隊が迅速に活動を
行うため、艦艇・航空機・車両などの装備品等を常に使える状態にしておく必要がある。このため、各種整備
(部隊における部品の交換、事業者に外注して行うオーバーホールなど)に必要な部品費・役務費を確保し、装
備品等の可動率の維持・向上を図る。
陸自部隊における故障整備
航空機機体定期修理(IRAN)
海自艦艇の整備
(2)次期輸送機の性能確認試験
空自部隊における航空機整備
空自部隊における航空機整備
要望額
航空機機体定期修理(IRAN)
5,834百万円
次期輸送機(C-2)は、防衛省技術研究本部において、平成13年度から25年度ま
での予定で開発している輸送機であり、空自の現有輸送機(C-1)の後継として導入
予定。本事業は、C-2の性能確認のための経費であり、開発が遅れる場合、C-1
の減勢に配備が間に合わず、輸送能力に制約が生じるおそれあり。
次期輸送機(C-2)
1
装備品の維持・修理費と装備品の可動率について
装備品等の修理費を十分に確保できない場合、その装備が、必要なときに使える状態になっていないという
状況が生じかねない。
〈例1〉航空機整備用部品費 23年度予算(歳出:約5.4億円)
航空機整備用部品費が10%削減されると仮定した場合
CH-47が東日本大震災発生後2ヶ月間で延べ877機が活動したが、
部品費が10パーセント削減されると、整備用部品が購入できなくなるため、
可動率が下がり、約713機に制約されることとなる。
△164機となり、人員・物資空輸等に大きな影響を及ぼすおそれ
輸送ヘリコプター(CH-47JA)
〈例2〉施設機械修理費 23年度予算(歳出:約7.9億円)
施設機械用部品費が10%削減されると仮定した場合
部隊が保有する油圧ショベルの約1/6が可動できない状態となり、
大規模災害時に、使用できる台数が減少。東日本大震災では、
93台を使用したが、この使用台数が制約されることとなる。
△15台程度になるおそれ
災害時に瓦礫の除去を行う油圧ショベル
(1)艦艇・航空機・車両等の維持・修理費
要望額 約267億円
本事業を構成する以下の維持・修理費は、①故障を未然に防止するための経費(部品費、定
期検査費、オーバーホール経費等)、②故障が発生した場合に、速やかに使用できる状態に回
復するための経費(修理費等)、から構成されている。
(イ) 航空機の維持・修理費
・ 航空機維持部品費(空自:戦闘機、早期警戒機等)
要望額
約 41億円
・ 航空機部品費(海自:哨戒機、救難機等)
要望額
約 15億円
陸自部隊における故障整備
(ロ) 艦艇の維持・修理費
航空機機体定期修理(IRAN)
・ 艦艇の中間修理費(海自:護衛艦等)
要望額
約 31億円
・ 艦艇部品費(海自:護衛艦等)
要望額
約 24億円
海自艦艇の整備
(ハ) 車両、その他の機器等の維持・修理費
等
等
空自部隊における航空機整備
・ 装輪車両の修理費(陸自:装輪車両)
要望額
約 28億円
・ 車両の整備費(空自:トラック、人員輸送車等)
要望額
約
・ 通信機器の修理費(陸自:基地通信・野外通信機器)
要望額
約 10億円
・ 施設機械の修理費(陸自:ドーザ、油圧ショベル等)
要望額
約
6億円
次期輸送機(C-2)
9億円
等
3
(1) 主要経費① 航空機維持部品費(航空自衛隊)
要望額 4,119百万円
戦闘機等の航空機は、24時間態勢で行う我が国周辺の海空域での警戒監視活動や対領空侵犯措置等に
必要不可欠なものである。当該事業は、空自が保有する航空機及びエンジンにおいて、基地整備のみならず、
製造修理会社が定期的に実施する部隊の整備能力を超える検査、修理(部品交換等)及び安全対策等の改
修の際に官給する部品に必要な経費であり、飛行安全を確保し、対領空侵犯措置等の任務を遂行する上で
必要不可欠なものである。
航空機維持部品費
基地整備、機体定期修理(IRAN)及びエンジン・オーバーホールに
おいて、各種航空機の修理等に使用する所要の維持部品を取得し、
航空機の可動率を維持。
航空機及びエンジンの品質を適正
に維持することにより、飛行安全を
確保し、対領空侵犯処置等の任務
を確実に実施することが可能となる。
機体定期修理(IRAN)
航空機機体において、部隊で検
戦闘機による対領空侵犯措置
査及び修理が出来ない箇所を
外注により定期的に検査及び
修理し、適正な品質を維持。
エンジン・オーバーホール
エンジンにおいて、部隊で一定
時間使用後、あるいは故障等
が発生した場合、外注により分
解検査、修理及び調整等を実
施し、適正な品質を維持。
※IRAN:Inspection and Repair As Necessary
E-2Cによる警戒監視活動
4
(1) 主要経費② 艦艇の中間修理費(海上自衛隊)
要望額 3,131百万円
護衛艦等の艦艇は、わが国周辺海域の安全確保や国際協力活動の実施のために必要不可欠な装備であ
る。中間修理費は、毎会計年度実施する年次修理の合間に生じた故障を回復するための経費であり、これが
確保されなければ、年次修理の合間に生じた故障を抱えたまま各種事態に対応せざるを得なくなる。艦艇は、
レーダ、通信機器、情報処理装置等の精密機器、乗員の生活を支える造水装置、照明装置といった多数の機
器から構成されており、各種任務を確実に実施するためには、これらの機器を問題なく機能させるための中
間修理費が必要不可欠である。
例:「たかなみ」型護衛艦
【情報処理装置】
【情報処理装置】
【電波探知妨害装置】
【電波探知妨害装置】
【通信機器】
【通信機器】
【レーダ】
【レーダ】
【主機(ガスタービン機関】
【主機(ガスタービン機関】
(4台装備)
(4台装備)
【航海機器】
【航海機器】
中間修理費が確保されることによって、
動的防衛力の構築のために必要な以下の
各種任務の確実な実施が可能となる。
南西方面をはじめとするわが国
周辺海域の情報収集・警戒監視
弾道ミサイル対処
国際平和協力活動
【造水装置、冷凍・冷暖房装置、
【造水装置、冷凍・冷暖房装置、
照明等の生活関連機器類】
照明等の生活関連機器類】
【海水管・弁、艦内外のぎ装品】
【海水管・弁、艦内外のぎ装品】
修理のイメージ
修理のイメージ
【ソーナ(えい航式含む】
【ソーナ(えい航式含む】
5
(1) 主要経費③ 装輪車両の修理費(陸上自衛隊)
要望額 2,828百万円
装輪車両は、災害派遣や国際平和協力活動等の際の部隊行動に必要不可欠なものである。当該事業は、
装輪車両の①故障を未然に防止(予防整備)し、かつ、②故障が発生した場合には、速やかに使用できる状
態に回復(故障整備)するために、必要な部品及び諸材料を取得する経費であり、災害対処派遣や国際平和
協力活動等の際の部隊の機能の確保に必要不可欠なものである。
装輪車両の修理
①予防整備
故障を未然に防止
陸自部隊における故障整備
地上試験用供試機 01号機
必要な部品、諸材料の例
・
・
・
・
オイルフィルタ
エアクリーナ
ブレーキホース
ホイールシリンダ
等
装輪車両の可動率を維持し、災害派
遣や国際平和協力活動等の際の部隊
の機能を確保することが可能となる。
災害派遣
地上試験用供試機 02号機
②故障整備
故障が発生した場合には、速や
かに使用できる状態に回復
必要な部品、諸材料の例
・
・
・
・
エンジン
トランスミッション
アクセル
ブレーキ装置
等
国際平和協力活動
6
艦艇・航空機・車両等の維持・修理費に係る効率化・合理化策の例
①
P-3C 哨戒機の機体定期修理の間隔を
40ヶ月から48ヶ月へ延伸
【平成15年度 ~】
△約16.1億円の節減効果
②
T-4 練習機の機体定期修理(IRAN)の間隔を
36ヶ月から54ヶ月へ延伸
【平成18年度 ~】
△約15.5億円の節減効果
③
UH-60JA 多用途ヘリ用エンジンのオーバー
ホール間隔を1,600時間から2,100時間へ延伸
【平成23年度 ~】
△約2.5億円の節減効果
④
艦艇のガスタービン機関のオーバーホール間隔を
延伸(計10種、8千時間 から1万時間へ延伸等)
【平成10年度 ~ 等】
△約38.5億円の節減効果
⑤
大型トラック等の車両の定期交換部品(ブレーキ
ホース)の交換間隔を2年から4年へ延伸
【平成12年度 ~】
△約1.6億円の節減効果
(注) 24年度予算に係る要求・要望の内容を前提に、効率化・合理化策を実施した場合と実施しなかった場合を比較して算出。
7
PBLの導入
1 PBL(Performance Based Logistics)とは
○PBLは米英において2000年頃から取り組まれている装備品等の維持・整備業務を民間委託する手法の一つであり、維持・整備業
務の作業量に応じて対価を支払うのではなく、可動率や安全性といった装備品等のパフォーマンスの達成に対して対価を支払う契約方
式であり、その導入により可動率や信頼性の維持向上及びコストの抑制など、一定の効果が期待できる。
○米英では、主に固定翼及び回転翼航空機を中心にPBLの導入が進められており、PBL契約全体のうち、米国においては70%弱
(GAO PBL Report Sep 2008)、英国においては、55%弱(UK MoD Press Re-leases Oct 2010)を占める。
2 防衛省PBL導入ガイドラインの策定(平成23年7月策定)
○PBLは、我が国において従来にない維持整備に係る手法であることから、防衛省及び民間企業においても共通した認識を持つ必要
があり、そのためのガイドラインを本年7月に策定。
○防衛省PBL導入ガイドラインは、PBLの定義や検討のアプローチなどについて整理し、今後、防衛省・自衛隊においてPBL導入過
程の可視化、検討を行うに当たり解決すべき論点等の整理など、必要な事項を示したもの。
3 パイロットモデルの導入等
○平成23年度中期防衛力整備計画において「新たな契約方式(PBL)の導入を図る」こととされており、平成24年度からPBLパイロッ
ト・モデルの導入(陸上自衛隊特別輸送ヘリコプターEC-225LP)に向けて概算要求中
○海外で製造された完成輸入機に対する部品供給、修理(機体・部品)等のリードタイム保証や在庫保証について、その効果及び実効
性を検証する。
○PBLの本格的導入に向け、更に検討を深化させる必要
○PBLは、従来の方式とは大幅に異なることから、今後、妥当なコスト低減幅を決定する予定価格算定方法、目標の達成状況に応じて
支払うインセンティブのルール設定及び成果未達成時のペナルティ条件設定方法等について、更に検討を深化させる。
8
(2) 次期輸送機の性能確認試験
要望額 5,834百万円
次期輸送機(C-2)は、防衛省技術研究本部において、平成13年度から25年度までの予定で開発している輸送
機であり、空自の現有輸送機(C-1)の後継として導入予定。本事業は、次期輸送機の機能・性能を確認するため、
全機静強度試験、全機疲労強度試験及び飛行試験を実施。
全機静強度試験
全機静強度試験
地上において、設計時に想定した荷重の最大1.5
地上において、設計時に想定した荷重の最大1.5
倍の荷重を負荷し、強度を確認するための試験
倍の荷重を負荷し、強度を確認するための試験
全機疲労強度試験
全機疲労強度試験
地上において長期間、繰り返し荷重を負荷し、設計上の機
地上において長期間、繰り返し荷重を負荷し、設計上の機
体寿命が確保できているかを確認するための試験
体寿命が確保できているかを確認するための試験
陸自部隊における故障整備
地上試験用供試機 01号機
飛行試験用供試機 1号機
本試験が実施できない場合
順次耐用命数を迎える現有輸送機(Cー1)の
減勢に次期輸送機(Cー2)の配備が間に
合わず、輸送能力に制約が生じる恐れ
地上試験用供試機 02号機
飛行試験用供試機 2号機
飛行試験
飛行試験 要求された機能、性能等を満足するかを実飛行環境下において確認するための試験
要求された機能、性能等を満足するかを実飛行環境下において確認するための試験
9
「安全性」への取り組み
防衛省の基準による安全性の確認
地上での安全性の確認
試験の積み重ねによる安全性の確保
部分構造、装
備品レベル
の試験
系統レベルの
試験
部品、材料
レベルの
試験
設 計
地上試験
・全機システム試験
・静強度試験
・疲労強度試験
・耐雷試験
性能計算、強度計算等
・その他飛行安全
に係わる項目の
試験、点検
試験機による飛行試験
機体全体による
風洞試験・飛行シミュレーション
・飛行機の空力特性、飛行特性の把握
■
C-2は、開発段階における各種試験等を通じて、安全性を確保
■C-2は、開発段階における各種試験等を通じて、安全性を確保
10
【参考】 C-2主要諸元
主要諸元
C-1
C-2
全長×全幅×全高
約29m×約31m×約10m
約44m×約44m×約14m
最大搭載量
約8トン
約30トン
航続距離
約1700km
(2.6トン搭載時)
約6500km
(12トン搭載時)
11
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