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第2章 会計管理局の事務事業

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第2章 会計管理局の事務事業
第2章
会計管理局の事務事業
1
局の事務事業の分類 ····································· 17
2
会
3
会計制度の企画、会計事務の指導・検査 ··················· 24
4
財務会計システムの管理運用 ····························· 28
5
複式簿記・発生主義会計に関する事務 ····················· 30
6
公
7
指定金融機関等に関する事務 ····························· 42
8
官民連携ファンドに関する事務 ··························· 45
9
用
10
国費に関する会計事務 ··································· 51
11
準公営企業に関する会計事務 ····························· 52
計
金
品
事
管
事
務 ········································· 18
理 ········································· 34
務 ········································· 47
- 15 -
1
局の事務事業の分類
会計管理局の事務事業は、地方自治法の規定に基づいて設置された「会計管
理者」として行う事務を始め、法令の根拠及び事務の権限に基づき、次の4つ
に分類することができる。
会計管理局の事務事業の4つの分類
知 事 の補 助 機 関 として行 う事 務
会 計 管 理 者 が知 事 から独 立 した権 限 に
より行 う会 計 事 務
○会 計 事 務
○会 計 制 度 の企 画 、会 計 事 務 の指 導 ・検 査
(収 入 事 務 、支 出 事 務 、決 算 事 務 及 び物 品 管 理 事 務 )
(P24~)
(P18~)
○公 金 管 理
(P34~)
○財 務 会 計 システムの管 理 運 用
○指 定 金 融 機 関 等 に関 する事 務
(P42~)
(P28~)
○用 品 事 務
(P47~)
○複 式 簿 記 ・発 生 主 義 会 計 に関 する事 務
○官 民 連 携 ファンドに関 する事 務
(P30~)
地 方 自 治 法 上 の法 定 受 託 事 務 として行 う
事務
(P45~)
地 方 公 営 企 業 法 の一 部 が適 用 される準 公
営 企 業 についての会 計 事 務
○国 費 に関 する会 計 事 務
○準 公 営 企 業 に関 する会 計 事 務
(P51)
注
本章記載の事務事業について分類
- 17 -
(P52)
2
会
計
事
務
会計企画課・出納課・警察出納課・消防出納課
会計管理者は、普通地方公共団体の会計事務をつかさどる(地方自治法第
170 条 第 1 項 )。 会 計 事 務 と は 、 収 入 及 び 支 出 の 執 行 手 続 、 決 算 の 調 製 、 物 品
に関する事務等の総称である。
東 京 都 会 計 管 理 者 に 所 属 す る 会 計 は 、 一 般 会 計 及 び 15 特 別 会 計 で あ る 。
(1) 収 入 事 務
収入とは、地方公共団体の事務を執行するために必要な支払の財源となる
べ き 現 金( 現 金 に 代 え て 納 付 さ れ る 証 券 を 含 む 。)の 収 納 を い い 、一 会 計 年 度
における一切の収入を歳入という。
ア
徴収事務
歳入の徴収権限を知事から委任された歳入徴収者(局長又は所長)は、
歳入を収入すべき時期が到来したときは直ちに、所属年度・歳入科目・納
入すべき金額・納入義務者等に誤りがないか、法令又は契約等に違反して
いないかなどを調査し、決定(調定)しなければならない。
歳入徴収者が調定したときは、収入及び支出の命令に関する事務を知事
から委任された収支命令者(局又は所の予算事務主管課長等)は、その内
容を財務会計システムに登録する。
また、歳入徴収者が歳入を徴収しようとするときは、原則として納入通
知書を作成して納入義務者に送付し、納入の通知をする。
イ
収納事務
納 入 の 通 知 を 受 け た 納 入 義 務 者 は 、納 入 通 知 書 に 現 金 を 添 え 、納 付 場 所
として指定されている公金取扱金融機関の窓口又は各局・所の金銭出納員
(局又は所の予算事務を取り扱う課長代理)に納付する(都税の一部及び
放 置 違 反 金( ※ )は コ ン ビ ニ エ ン ス ス ト ア も 可 )。こ の ほ か 、小 切 手 等 の 証
券 、 口 座 振 替 に よ る 納 付 及 び マ ル チ ペ イ メ ン ト ネ ッ ト ワ ー ク (※ )利 用 に よ
※ 「放 置 違 反 金 」については、用 語 解 説 (P86)参 照
※ 「マルチペイメントネットワーク」については、用 語 解 説 (P86)参 照
- 18 -
る電子納付がある。また、自動車税、個人事業税、固定資産税・都市計画
税 ( 土 地 ・ 家 屋 )、 固 定 資 産 税 ( 償 却 資 産 )、 不 動 産 取 得 税 等 に つ い て は 、
インターネットを通じたクレジットカードによる納付も可能である。
指定金融機関は、公金取扱金融機関との間で収納金の資金決済を行い、
指定金融機関の会計管理者口座に入金するとともに、公金取扱金融機関か
ら納入済通知書を集約し、会計管理者に送付する。
会計管理者は、納入済通知書を基に収入済データを作成して財務会計シ
ス テ ム に 登 録 し 、所 属 年 度 、歳 入 科 目 及 び 主 管 局・所 別 に 収 入 計 上 を 行 う 。
歳入徴収者は、財務会計システムから収入情報を取得して、調定情報と
突合するなど歳入の管理を行う。
収 入 事 務 フロー図
納
入
義
務
者
納入通知書
金公
融金
機取
関扱
入金
指定金融機関
(会計管理者口座)
インターネット(モバイル)バンキング
収支
命令者
(局・所)
MPN 分
調定
登録
利用
請求
ネ
ッ
ト
ワ
立替納付
ー
支払
カク
レ
ドジ
会ッ
社ト
ー
携 パ
帯 ソ
・
端 コ
末 ン
納付
データ
納入済
通知書
ー
私人収納事務委託
コンビニ
等
口座振替依頼
作収
成入
処済
理デ
委
託タ
会
計
企
画
課
収納代行
会社
口座
振替
- 19 -
指
定
金
融
機
関
納入済通知書
歳
入
徴
収
者
収入
情報
局
長
又
は
所
長
)
非MPN 分
)
金銭
出納員
財
務
会
計
シ
ス
テ
ム
(
現金
現金
A T M ・窓口
納入通知書
現金
収納
情報
(
ク
マ
ル
チ
ペ
イ
メ
ン
ト
(2) 支 出 事 務
支 出 と は 、地 方 公 共 団 体 の 事 務 を 執 行 す る た め に 必 要 な 現 金 の 支 払 を い い 、
歳出予算を執行することを意味する。支出には、支出の原因となるべき契約
そ の 他 の 行 為( 支 出 負 担 行 為 )か ら 現 金 の 支 払 ま で の 一 切 の 行 為 が 含 ま れ る 。
ア
審査事務
支出事務の手続は、支出負担行為、支出決定、支出命令、審査、支払の
順に行われる。
会計管理者又は特別出納員は、収支命令者が発行した支出命令書の送付
を受けたときは、支出命令に係る支出負担行為が法令又は予算に違反して
いないこと、当該支出負担行為に係る債務が確定していること等について
審査し、確認しなければならない。
会計管理者又は特別出納員は、この確認ができないときは当該支出命令
書を収支命令者に返付しなければならない。
な お 、 特 別 出 納 員 と は 、 100 万 円 未 満 の 支 出 負 担 行 為 等 一 定 の 要 件 を 満
たす収支命令についての審査を会計管理者から委任された者をいい、局又
は 所( 警 視 庁 、東 京 消 防 庁 及 び こ れ ら に 所 属 す る 所 を 除 く 。)の 予 算 事 務 を
取り扱う課長代理等をもって充てられている。
イ
支払事務
会計管理者は、審査事務が完了したときは、当該支出命令書を執行し、
債権者に対して支払を行う。
支払の方法には、会計管理者が自ら債権者に支払を行う小切手払、指定
金融機関に支払通知書を交付して支払手続をさせる現金払、口座振替払、
払込み及び送金払がある。
なお、公共料金(電気料金、ガス料金、水道料金及び電話料金)の支払
事務については、一部を除き、公共料金支払システムにより、会計管理局
において一括処理している。
- 20 - 20 -
支 出 事 務 フロー図
各局・所
会計管理者
小切手
支出
負担行為
警視庁・東京消防庁
小切手払
警察出納課
消防出納課
現金払
支出決定
支出命令書
支
払
執
行
審
査
(全件)
収支命令者
出 納
支
出
命
令
支払
通知書
(100万以上)
(100万
未満)
(100万
未満)
+
払込み
権
送金払
者
定
金
審
査
支出
命令書
債
指
課
支出命令書
支出
命令書
口座振替払
支
払
執
行
払込書
等
融
支払
通知書
特別出納員
機
関
公共料金
支払システム
審査
口座引落データ
作成処理委託
請求データ
登録
データ
入金
登録
確認
財務会計システム
(会計企画課)
検針票
請求書
支出命令
通常の支払の流れ
公共料金
引落口座
引落
電
気
・
ガ
ス
等
の
供
給
事
業
者
公共料金の支払の流れ
(3) 決 算 事 務
決算は、一会計年度内の歳入歳出予算に対する実際の収支の状態を計数的
に明らかにした実績表である。その役割は、議会や都民に対して、予算の執
行を通じて普通地方公共団体の行政目的が効率的に達成されたかどうかを検
証するための判断材料を提供することであり、また、次年度以降における行
政 運 営 の 指 標 と な る も の で あ る ( 地 方 自 治 法 第 233 条 及 び 地 方 自 治 法 施 行 令
第 166 条 )。
ア
決算調製と議会への認定付議
会計管理者は、会計年度ごとに、政令の定めるところにより決算を調製
し 、出 納 閉 鎖 後 3 か 月 以 内 、す な わ ち 、毎 年 8 月 31 日 ま で に 知 事 へ 提 出 す
る。会計管理者が調製する書類は、政令の定めるところにより、歳入歳出
決算書、歳入歳出決算事項別明細書、実質収支に関する調書及び財産に関
- 21 - 21 -
する調書である。
知事は、これらの書類を監査委員の審査に付し、監査委員から決算審査
に関する意見を受けた後、当該決算に係る会計年度における主要な施策の
成果を説明する書類とともに議会へ提出し、第三回定例会において議会の
認定に付している。
イ
議会における決算の認定
議会は、認定に付された決算を審査するため、各会計決算特別委員会を
設 置 し て 審 査 を 付 託 し て い る 。当 委 員 会 に お け る 全 局 の 審 査 が 終 了 す る と 、
審査終了に伴う報告を直近に開催される議会で行い、議会は、決算審査報
告に基づいて決算の認定に関する議決を行う。
ウ
公表
知事は、議会の認定に付した決算の要領を都民に公表するため、東京都
公報に登載する。
決 算 調 製 事 務 フロー図
3月
4月
31 1
日日
☆
年度
出納整理期間
終了
5月
6月
7月
31
日
☆
出納
閉鎖
8月
31
日
☆
決算調書
の長への
提出期限
9月
10月
11月
12月
認定に
関する議決
提出
決算審査
(第三回定例会)
(第四回定例会)
(各会計決算特別委員会)
各会計決算特別委員会
付
託
報
告
都 議 会
監査委員の意見
を付して提出
予算執行及び出納整理
会
計
管
理
者
議決結果
の報告
決算調書の提出
都 知 事
提
出
監査委員
- 22 -
公表
(公報)
意
見
都民
1月
(4) 物 品 管 理 事 務
物品管理は、会計管理者所属各会計の歳出予算の執行により取得した所有
動産及び借用動産等について、適正かつ効率的な供用を図るとともにその状
態を良好に維持することを目的に行われる。
物 品 の 出 納 及 び 保 管( 使 用 中 の 物 品 に 係 る 保 管 を 除 く 。)は 会 計 管 理 者 の 職
務 権 限 で あ る (地 方 自 治 法 第 170 条 第 2 項 第 4 号 )が 、 物 品 出 納 員 ( 部 、 部 を
置かない局及び所の物品の契約事務又は調達事務を取り扱う課長代理)に、
その所管に属する物品の出納保管事務を委任している。
物品出納員に対して受入れ及び払出しの出納通知を行う事務は、知事から
物 品 管 理 者( 局 の 課 長 及 び 所 の 物 品 の 契 約 事 務 又 は 調 達 事 務 を 取 り 扱 う 課 長 )
に委任されており、また、物品管理者は、供用中の物品が適正かつ効率的に
使用されるよう使用者を監督するとともに、定期的に状況確認を実施する。
会計管理者は、物品管理事務の指導統括を行うほか、重要物品(備品又は
動 物 の う ち 本 体 価 格 及 び 付 随 費 用 の 合 計 が 100 万 円 以 上 の も の ) に 係 る 財 産
に関する調書の調製等を行っている。
( 平 成 27 年 度 末 重 要 物 品 集 計 一 覧 表 : 資 料 編 第 4 表 P78 参 照 )
物 品 管 理 事 務 フロー図
知 事
会計管理者
出納通知事務
の委任(物規§11)
決定権限
の配分
決 定
決
定
機
関
出納保管事務
の委任(物規§9)
出納通知(物規§16等)
物
品
管
理
者
購入、
廃棄、
所属換え等
の決定
引渡し(供用のための払出し)
(物規§17Ⅱ)
返納(物規§23Ⅱ)
物
品
出
納
員
保
管
(物規§20)
回収
(物規§23Ⅰ)
供用
(物規§22)
使用者(職員)
納品
(物規§17Ⅰ)
引渡し
(物規§17Ⅰ・Ⅲ)
契約等の相手方
手続の流れ
- 23 -
物品の流れ
3
会計制度の企画、会計事務の指導・検査
会計企画課
会計管理局では、都の会計制度に関する企画、調査、改善等の調整、東京
都会計事務規則及び東京都物品管理規則等に基づく会計事務の指導、相談業
務及び検査業務を担当し、会計事務の簡素・効率化及び適正な運用を図ると
ともに、各局・所における適正な会計事務の確保に努めている。
(1) 会 計 制 度 の企 画
会計管理局では、会計事務に関する法令改正や制度の変更に対応し、関係
する都の規則及び制度の見直しを行っている。
また、更なる都民サービスの向上と会計事務の簡素・効率化を実現するた
め、時代の変化に対応した新たな公金収納方法の検討等、会計制度に関する
企画、調査及び改善に向けた取組を行っている。
具体的には、ATMやパソコン等での公金収納(ペイジー)を実現するマ
ル チ ペ イ メ ン ト ネ ッ ト ワ ー ク を 平 成 15 年 度 に 導 入 し 、安 定 運 用 の 確 保 や 各 局
システムへの活用拡大を支援している。
ま た 、イ ン タ ー ネ ッ ト に よ る ク レ ジ ッ ト 収 納 に つ い て 、自 動 車 税 は 平 成 23
年 度 か ら 、個 人 事 業 税 、固 定 資 産 税 ・ 都 市 計 画 税( 土 地 ・ 家 屋 )、固 定 資 産 税
( 償 却 資 産 )、 不 動 産 取 得 税 等 は 平 成 27 年 度 か ら 実 施 し て お り 、 会 計 管 理 局
では、この収納方法を導入するに当たり、的確な支援を行った。
さ ら に 、平 成 27 年 度 か ら 決 済 環 境 向 上 へ の 取 組 と し て 、電 子 マ ネ ー 等 で の
収納について検討を開始した。
(2) 会 計 事 務 の指 導
会計管理局では、会計事務の適正かつ効率的な処理を図るため、会計企画
課 に 指 導 担 当 を 置 き 、各 局・所 に 対 し て 研 修・指 導・相 談 業 務 を 行 っ て い る 。
研修業務については、会計事務、物品管理事務に関する中央研修及び各局
と連携した会計事務オーダーメイド研修等を開催するとともに、各局・所の
特別出納員支援に取り組むことにより、会計事務担当者の処理能力・知識の
向上を図っている。
- 24 -
また、各局・所から寄せられる会計事務に関する照会・相談等に対して、
適切に指導・回答を行い、東京都会計事務規則及び東京都物品管理規則に定
める会計管理者への協議を受けている。
さらに、TAIMSを活用し、「会計管理局のひろば」「物品管理のひろ
ば」に事務処理の手引、各種研修テキスト、問題事例に関する質疑応答集、
関連する通知文書等を掲載して情報提供を行うとともに、各局・所において
供用する必要がなくなった物品の有効活用を図るため、物品のあっせん情報
を掲載するための掲示板を提供している。
会 計 事 務 指 導 関 係 フロー図
研修等
各局・所の
照会・相談、協議
会計企画課
経理担当
調整
契約制度、
旅費制度等
指 導 担 当
部署
の所管部署
回答・指導
通知・情報提供
(3) 会 計 事 務 の検 査
会 計 事 務 の 検 査 は 、地 方 自 治 法 第 149 条 第 5 号 に 基 づ く 知 事 の 会 計 監 督 権
を 具 体 化 し た も の で あ り 、会 計 管 理 者 が 行 う 直 接 検 査 と 各 局 長 が 行 う 自 己 検
査 が あ る 。こ れ ら の 検 査 を 通 し て 会 計 事 務 の 適 正 化 と 全 庁 の 会 計 職 員 の 能 力
向上を図っている。
ア
直接検査
直 接 検 査 は 会 計 管 理 者 が 行 う 検 査 で あ り ( 東 京 都 会 計 事 務 規 則 第 134 条
及 び 東 京 都 物 品 管 理 規 則 第 65 条 )、 直 接 検 査 実 施 要 綱 に 基 づ き 定 期 検 査 、
再検査及び臨時検査を実施している。
定期検査は、特別出納員、金銭出納員及び物品出納員の事務を中心に、
全ての本庁の部(部を置かない局においては局)及び事業所に対し2年に
1回実施している。
- 25 -
再検査は、定期検査の結果、会計管理者が改めて検査の必要があると認
める会計事務について検査を実施している。
臨時検査は、会計事故の発生等、会計管理者が緊急あるいは臨時に検査
を行う必要があると認める場合に実施する。
イ
自己検査
自 己 検 査 は 各 局 長 が 自 ら 行 う 検 査 で あ り ( 東 京 都 会 計 事 務 規 則 第 129 条
及 び 東 京 都 物 品 管 理 規 則 第 60 条 )、 自 己 検 査 実 施 要 綱 に 基 づ き 主 に 局 の 経
理・用度職員が検査員となり実施している。
会計管理局は、各局が自己検査を確実に実施できるよう、検査の手引の
作成及び検査実務に関する説明会等を行っている。また、各局長から検査
結果について通知を受け、各局への会計事務指導等に活用している。
(4) 指 定 金 融 機 関 等 の検 査
会計管理者は、公金取扱金融機関において事務処理が適法かつ正確に行
われているかを確認し直接指導するため、指定金融機関及び収納代理金融
機関に対し、公金の収納又は支払の事務及び公金の預金状況について検査
を 実 施 し て い る ( 地 方 自 治 法 施 行 令 第 168 条 の 4 第 1 項 )。
また、準公営企業に係る出納取扱金融機関等に対しても、地方公営企業
法 第 34 条 の 2 に 基 づ く 知 事 の 権 限 と し て 同 様 の 検 査 を 実 施 し て い る( 地 方
公 営 企 業 法 施 行 令 第 22 条 の 5 第 1 項 )。
(5) 私 人 に委 託 した歳 入 等 の徴 収 又 は収 納 事 務 及 び支 出 事 務 の検 査
会計管理者は、私人に委託した歳入等の徴収又は収納及び支出事務につ
いて、適正な都の公金取扱事務を確保するため、受託者に対し検査を実施
し て い る ( 地 方 自 治 法 施 行 令 第 158 条 第 4 項 、 第 165 条 の 3 第 3 項 、 道 路
交 通 法 施 行 令 第 17 条 の 8 第 3 項 及 び 東 京 都 私 人 委 託 事 務 に 伴 う 事 前 協 議 及
び 検 査 要 綱 )。
さ ら に 、都 税 の 収 納 に つ い て も 、コ ン ビ ニ エ ン ス ス ト ア 等 に 対 し 、同 様 の
検 査 を 実 施 し て い る ( 地 方 自 治 法 施 行 令 第 158 条 の 2 第 3 項 及 び 都 税 収 納
事 務 委 託 に 伴 う 事 前 協 議 及 び 検 査 要 綱 )。
- 26 -
会 計 事 務 の検 査 の体 系
定期検査
【直接検査実施要綱】
直接検査
再検査
会計管理者
【会規§134】
【物規§65】
【直接検査実施要綱】
【地方自治法§170Ⅰ】
【会規§4】
【物規§3】
臨時検査
各局・所の
会計事務検査
自己検査の
立会い
【直接検査実施要綱】
【会規§129Ⅵ】
【物規§60Ⅴ】
【地方自治法§149⑤】
自己検査
各局長
会
計
事
務
の
検
査
【会規§129】
【物規§60】
【自己検査実施要綱】
自己点検
【自己点検実施要綱】
金融機関検査
【地方自治法施行令§168の4】
【地方公営企業法施行令§22の5】
私人検査
【地方自治法施行令§158Ⅳ、§158の2Ⅲ及び§165の3Ⅲ
道路交通法施行令§17の8Ⅲ】
【東京都私人委託事務に伴う事前協議及び検査要綱】
【都税収納事務委託に伴う事前協議及び検査要綱】
- 27 -
会規=東京都会計事務規則
物規=東京都物品管理規則
4
財務会計システムの管理運用
会計企画課
財務会計システムは、予算の執行、決算等に係る内部管理事務について適
正かつ迅速な事務執行を支援する、大規模な全庁的基幹システムである。
単式簿記・現金主義会計の処理と、複式簿記・発生主義会計の処理を同時
に行うことのできるシステムとしては、わが国の行政では初めてのものであ
る。
(1) 財 務 会 計 システムの沿 革
財 務 会 計 シ ス テ ム は 、昭 和 58 年 12 月 の「 活 力 あ る 都 政 を す す め る 懇 談 会 」
の 中 間 報 告( 全 庁 的 な 出 納 事 務 及 び 予 算 事 務 の 電 算 化 促 進 )を 受 け 、昭 和 60
年度に総務局に発足したプロジェクトチームによって開発が始まった。
開 発 は 、平 成 3 年 7 月 に 予 算 計 数 サ ブ シ ス テ ム( 平 成 17 年 度 か ら 財 務 局 の
新 シ ス テ ム へ 移 管 )、 平 成 4 年 4 月 に 各 執 行 系 サ ブ シ ス テ ム 、 同 年 10 月 に 物
品管理サブシステムが本稼働したことにより完了し、平成5年4月よりシス
テム管理運営が当局に移管された。
都 で は 、情 報 通 信 技 術 の 急 速 な 進 歩 等 に 対 応 す る た め 、平 成 13 年 3 月 に「 電
子 都 庁 推 進 計 画 」を 策 定 し た 。こ れ を 受 け 、10 年 が 経 過 し た 財 務 会 計 シ ス テ
ムの機能改善や経費削減等に向け、①従来の大型汎用機及び専用端末による
処理方式から小型サーバ及び共用端末への変更による運用経費の削減、②機
能の統合及び簡素化、③複式簿記・発生主義会計の処理の追加、を目的に約
2 年 か け て 再 構 築 を 行 い 、平 成 18 年 3 月 か ら 現 行 の シ ス テ ム が 稼 働 し て い る 。
(2) 財 務 会 計 システムの概 要
ア
対象局、対象会計等
公営企業局を除く各局。一般会計、特別会計及び歳入歳出外現金
- 28 -
イ
サブシステムの構成
財務会計システムのサブシステム構成は下表のとおりである。
サブシステムの構 成 一 覧 表
№
サ
1
執 行 系 シ ス テ ム
2
3
4
5
6
7
シ
ス
テ
ム
名
システムで行う事務の内容
予算執行管理システム
予算の配当・配付・執行委任・流用等
歳入管理システム
調定、収納、消込み、収入日計等
歳出管理システム
支出負担行為、支出命令、支払、精算等
歳入歳出外現金管理システム
歳入歳出外現金の受入れ・払出し
資金管理システム
資金管理に必要な情報提供
決算管理システム
科目別決算、事業別決算、普通会計決算
複式処理システム
財務諸表の出力処理、複式仕訳処理、
複式情報の修正・登録等
債権者債務者管理システム
8
9
ブ
物品管理システム
ウ
債権者、債務者情報の管理
備品の受入れ・払出し、所属換え等
端末
端末としては、各局・所のTAIMS端末等を使用している。
エ
サーバ
サ ー バ に つ い て は 、都 庁 外 の デ ー タ セ ン タ ー に 専 用 サ ー バ を 設 置 し て い る 。
(3) 財 務 会 計 システムの管 理 運 用
財務会計システムにおいては、以下の管理運用業務を行っている。
・
システム運用及びスケジュール調整
・
システム操作及び業務処理に関する問い合わせ対応・指導
・
システム仕様の改善、制度・組織等の改正に伴うシステム保守
・
システム資源、稼働状況の監視及び最適化への対応
・
システムの情報セキュリティ対策の実施
なお、委託業者には次の管理運用業務を委託している。
・
業務運用委託
業務アプリケーションの運用及び保守管理等
・
システム基盤運用委託
ハードウェア及びミドルウェア等の運用及び保守管理等
- 29 -
5
複式簿記・発生主義会計に関する事務
会計企画課
都では、従来の官庁会計に複式簿記・発生主義会計の考え方を加えた新公
会計制度を運用するとともに、他自治体における新公会計制度の導入支援を
行っている。
この制度に基づいて作成した財務諸表は、決算参考書として議会に提出し
ている。また、会計手法に係る検討や会計処理の正確性を確保するため、複
式 簿 記・発 生 主 義 会 計 に よ る 会 計 事 務 の 企 画 ・指 導・検 査 等 を 行 う と と も に 、
財務会計システムにおいて複式仕訳を行うサブシステムの安定運用の確保を
行っている。
さらに、都と同様の本格的な財務諸表を導入した大阪府及び愛知県等とも
連携し、制度普及に向けて他自治体への情報発信等を行っている。
(1) 財 務 諸 表 の作 成 と議 会 への提 出
都 で は 、平 成 18 年 度 か ら 、全 国 で 初 め て 複 式 簿 記・発 生 主 義 会 計 を 導 入 し 、
同年度の決算から一般会計及び全ての特別会計について、本格的な財務諸表
を作成している。
各局長は、会計別の財務諸表を、東京都財務諸表作成事務取扱要綱の定め
に よ り 作 成 し 、東 京 都 会 計 事 務 規 則 第 107 条 第 3 項 に よ り 会 計 管 理 者 に 提 出
する。
ま た 、 会 計 管 理 者 は 、 同 規 則 第 109 条 に よ り 、 決 算 を 調 製 し た と き は 、
各会計別の財務諸表を作成し知事に提出する。
こ れ ら の 財 務 諸 表 は 、地 方 自 治 法 上 、議 会 に よ る 決 算 の 認 定 対 象 と は な ら
ないが、決算参考書として知事が議会に提出する。
なお、各局は、決算特別委員会の各分科会に局全体及び会計別の財務諸表
等 を 提 出 し て い る 。こ れ ら は 、原 則 と し て 東 京 都 財 務 諸 表 作 成 事 務 取 扱 要 綱
に準拠して作成される。
- 30 -
<財務諸表等の体系>
貸借対照表(※)
財政状態を明らかにするため、会計年度末
時点における都の資産、負債及び正味財産
の残高を表示したもの
行政コスト計算書(※)
一会計期間における発生主義会計に基づく
費用、収入及び当期収支差額を表示したも
の
キ ャ ッ シ ュ ・フ ロ ー 計 算 書( ※ ) 一 会 計 期 間 に お け る 現 金 収 入 と 現 金 支 出 を
区分ごとに表示したもの
正味財産変動計算書(※)
貸借対照表の正味財産の部の一会計期間に
おける増減を、変動要因ごとに表示したも
の
附属明細書
固定資産の増減を示す有形固定資産及び無
形固定資産附属明細書
注
財 務 諸 表 に は 、重 要 な 会 計 方 針 や 後 発 事 象 等 、財 務 諸 表 作 成 の た め の 会
計処理の考え方等を注記として記載する。
※ 「貸 借 対 照 表 」、「行 政 コスト計 算 書 」、「キャッシュ・フロー計 算 書 」 の詳 細 については、用
語 解 説 (P86)参 照
※ 「正 味 財 産 変 動 計 算 書 」の詳 細 については、用 語 解 説 (P87)参 照
(2) 複 式 簿 記 ・発 生 主 義 会 計 に係 る企 画 ・指 導 ・検 査
ア
東京都会計基準の策定及び充実
平 成 14 年 5 月 に 都 が 複 式 簿 記 ・ 発 生 主 義 会 計 の 導 入 を 表 明 し た 時 点
では、国内には行政に適用できる会計基準が存在しなかった。そこで、
外 部 の 公 認 会 計 士 3 名 を 交 え 検 討 を 行 い 、 平 成 17 年 8 月 に 、 民 間 企 業
で 統 一 的 に 使 わ れ て い る 企 業 会 計 原 則 等 の 会 計 基 準 を 基 本 に 、行 政 の 特
質を考慮した「東京都会計基準」を策定した。
東 京 都 会 計 基 準 に つ い て は 、民 間 等 の 会 計 基 準 の 動 向 を 踏 ま え つ つ 継
続 的 な 見 直 し を 行 う 必 要 が あ る 。 そ の た め 平 成 18 年 4 月 に 、 公 認 会 計
士3名及び会計管理局管理部長で構成される「東京都会計基準委員会」
を 設 置 し 、東 京 都 会 計 基 準 の 改 正 や 複 式 簿 記・発 生 主 義 会 計 に よ る 会 計
手法に係る検討を行っている。
イ
複式簿記・発生主義会計に係る指導・検査
各 局 か ら 寄 せ ら れ る 複 式 簿 記・発 生 主 義 会 計 に よ る 会 計 事 務 に 関 す る
個 別 具 体 的 な 相 談・照 会 等 に 対 し 、指 導・回 答 を 行 っ て い る 。こ の ほ か 、
T A I M S に「 複 式 簿 記 の 手 引 」の 掲 示 板 を 開 設 し 、決 算 業 務 や 財 務 会
- 31 -
計 シ ス テ ム 上 の 処 理 に つ い て の 運 用 マ ニ ュ ア ル 、質 疑 応 答 集 、関 連 す る
通知文書等を掲載して情報提供を行っている。
ま た 、各 局 に 対 す る 研 修 等 を 通 じ て 、複 式 簿 記 の 基 礎 的 な 知 識 や 都 の
新公会計制度の庁内周知を図っている。
さ ら に 、各 局 の 複 式 簿 記 に よ る 会 計 処 理 の 正 確 性 を 確 保 す る た め 、会
計 管 理 局 の 職 員 が 各 局 の 部・所 を 直 接 訪 問 し 、複 式 に 係 る 会 計 処 理 の 検
査 を 実 施 し て い る 。こ の 検 査 を 通 じ て 、帳 票 等 の 調 査 に よ る 仕 訳 の 確 認 、
複 式 会 計 処 理 に 係 る 業 務 指 導 や シ ス テ ム の 操 作 指 導 等 が 行 わ れ る 。平 成
27 年 度 に お い て は 、 15 局 50 部 所 に つ い て 実 施 し た 。
(3) 財 務 会 計 システムにおける複 式 処 理 サブシステムの安 定 運 用
財務会計システムにおいて複式仕訳を行うサブシステムの安定運用を確
保するため、勘定科目等のデータテーブル更新やシステム運用面での改善
策の実施、資産系システム・公債管理システム等との連携を円滑に行うた
めの各局調整等を行っている。
都 の新 公 会 計 制 度 におけ るシステムの全 体 像
予算編成
財務会計システム
予算計数
システム
歳入・歳出等
決算
機能
予算
情報
現金収支
執行系サブ
システム
官庁会計決算
複式処理
サブシステム
仕訳
財
執行情報
歳入・歳出等
関連システム
務
異動情報
物品管理システム
(重要物品)
仕訳
諸
減価償却費
表
資産取得・
除却等
異動情報
財産情報システム
(公有財産)
仕訳
減価償却費
作
成
道路資産管理
システム
(インフラ資産)
異動情報
減価償却費
仕訳
機
能
起債・償還情報
起債・償還等
仕訳
公債管理システム
金利情報
- 32 -
正味財産変動
計算書
キャッシュ・フロー
計算書
行政コスト計算書
貸借対照表
(4) 他 自 治 体 における新 公 会 計 制 度 の導 入 支 援
都では、全国初の本格的な財務諸表を作成した実績を踏まえ、複式簿
記・発生主義会計の導入を検討している自治体に対する助言や相談を実
施してきた。
平 成 27 年 度 は 、大 阪 府 及 び 愛 知 県 等 、都 と 同 様 の 新 公 会 計 制 度 導 入 の
先行団体と設置している「新公会計制度普及促進連絡会議」の構成団体
が 連 携 し 、東 京 都 で「 公 会 計 セ ミ ナ ー 2015 新 公 会 計 時 代 の 幕 開 け ~ 自 治
体運営の羅針盤~」を開催した。全国自治体関係者等に対し、新公会計
制度の普及活動の一環として、取引一件ごとに複式仕訳を行う「日々仕
訳」などの実務的な内容を中心に、その導入や運用のノウハウ、活用の
最新事例を全国に向け発信した。
ま た 、こ の 連 絡 会 議 に お い て 財 務 諸 表 の 活 用 方 策 に つ い て 議 論 を 進 め 、
事業別財務諸表の分析を行うための「事業別財務諸表 指標分析ガイド」
を作成・公表した。作成に当たっては「自治体職員がスムーズに分析を
行 う こ と が で き る 」、「 事 業 の 課 題 が 明 確 に な り 問 題 解 決 に 活 用 で き る 」
という2点をコンセプトとした。
さらに、各自治体の実情に応じた「個別相談会」を実施するなど、ニ
ーズに合わせた普及支援活動を行っている。
今年度も引き続き、
「 新 公 会 計 制 度 普 及 促 進 連 絡 会 議 」等 を 活 用 し 、先
行団体である大阪府及び愛知県等とも連携して、他自治体への働きかけ
を行うなど、新公会計制度の導入支援を行っていく。
注
平 成 27 年 1 月 、 国 は 全 国 自 治 体 に 対 し 、 統 一 的 な 基 準 に 基 づ く 財 務 諸 表 作 成 を 要 請 。
- 33 -
6
公
金
管
理
公金管理課
会 計 管 理 局 長 の 管 理 す る 公 金 に つ い て は 、安 全 性 及 び 流 動 性 を 確 保 し た 上 で
効 率 的 な 公 金 管 理 を 行 う た め の ポ リ シ ー を 策 定 し て い る 。こ の ポ リ シ ー に 基 づ
き 、預 金 に つ い て は 安 全 な 金 融 機 関 を 選 択 し た 上 で 定 期 性 預 金 を 基 本 と し 、債
券 に つ い て は 安 全 性 を 確 認 し た 上 で 商 品 を 選 択 す る な ど 、公 金 の 安 全 か つ 効 率
的な保管・運用に努めている。
(1) 公 金 管 理 の基 本 的 取 組
会計管理局長の管理する公金について、金融情勢が不透明な状況において
も、安全性及び流動性を確保した上で、効率的な保管・運用を行うため、平
成 1 4 年 3 月 に 、資 金 管 理 の 通 則 、金 融 商 品 の 選 択 、預 金 の 取 扱 い 等 を 定 め た
「 東 京 都 資 金 管 理 方 針 」 を 策 定 し た 。 そ の 後 、 策 定 か ら 10 年 以 上 が 経 過 し 、
都の公金を取り巻く国内外の金融環境の変化を受け、それまでの「東京都資
金 管 理 方 針 」 を 一 部 見 直 し 、 柔 軟 か つ 効 率 的 な 運 用 を 目 的 と し て 、 平 成 27
年3月に「東京都公金管理ポリシー」として新たに策定した。
公 金 管 理 の原 則
安全性の確保
元本の安全性の確保を最重要視し、資金元本が損な
われることを避けるため、安全な金融商品により保
管及び運用を行うとともに、預金については金融機
関の経営の健全性に十分留意する。
流動性の確保
支払い等に支障をきたさないよう、必要となる資金
を確保するとともに、想定外の資金ニーズに備え、
資金の流動性を常に確保する。
効率性の確保
安全性及び流動性を十分確保した上で、運用収益の
最大化を図り、また、効率的な資金調達に努める。
東 京 都 公 金 管 理 ポ リ シ ー ( H27.3 策 定 )
- 34 -
会計管理局では、このポリシーに基づいて、毎年度「公金管理計画」を策
定 し 、歳 計 現 金 等 、基 金 及 び 準 公 営 企 業 に 係 る 公 金 の 運 用 計 画 を 定 め て い る 。
現 在 、本 年 4 月 に 策 定 し た「 平 成 2 8 年 度 公 金 管 理 計 画 」に 基 づ き 、公 金 の
管理に取り組んでいる。この計画においては、景気の動向や金融政策の先行
きに特段の注意を払いつつ、安全性及び流動性を重視した上で、柔軟かつ効
率的な保管・運用を目指すこととしている。
(2) 東 京 都 資 金 管 理 ・活 用 アドバイザリーボード
公金管理について、金融分野の専門家等の経験と識見を活用して、金融情
勢等に応じた的確な判断・対応を行うとともに、都民に対する説明責任を果
た す た め 、東 京 都 公 金 管 理 委 員 会 を 平 成 1 4 年 3 月 に 設 置 し 、こ れ ま で 公 金 管
理に取り組んできた。その後の金融環境の変化を受け、より効率的かつ機動
的な運営を可能とするとともに、あわせて資金の管理・活用の活性化に向け
た 検 討 を 効 率 的 に 進 め る た め 、 平 成 26 年 10 月 に 新 た に 「 東 京 都 資 金 管 理 ・
活用アドバイザリーボード」を設置した。
委員は、学識経験者、金融アナリスト、公認会計士、弁護士等の6名で構
成し、任期2年以内として、会計管理局長が委嘱している。
(3) 金 融 機 関 等 の調 査 ・分 析
公金運用においては、安全性の確保が最も重要であり、預金先金融機関等
の経営の健全性に十分留意する必要がある。そのため、日常的、定期的な情
報収集活動を通じて得られる情報の中から経営指標を選定し、金融機関等の
経営状況を把握している。その上で、経営指標の組合せにより設定した基準
に基づき、預金等についての対応を決定、実行している。
預 金 等 への対 応
情報収集
〈決 算 期 〉 財 務 諸 表 、 決 算 説 明 会 等
〈日
常〉 株価、債券利回り等
基 準 の適 用
格付、自己資本比率、預金量の推移等
預 金 等 の対 応 を決 定
- 35 -
(4) 「平 成 28 年 度 公 金 管 理 計 画 」に基 づく公 金 の保 管 ・運 用
ア
歳計現金等
(ア ) 収 支 見 通 し と 平 成 28 年 度 の 残 高 見 込 み
例年、年度当初には都税収入がほとんどなく、5月中旬以降に資金不
足 に 陥 る こ と か ら 、基 金 か ら の 繰 替 運 用 に よ り 資 金 手 当 を 行 な っ て い る 。
6月に入ると、法人二税の収入により残高は大幅に増加し、以降は法人
二税及び固定資産税・都市計画税等の収入等により、年度末まで残高は
プラスで推移する予定である。
2 8 年 度 の 平 均 残 高 は 、都 債 発 行 額 の 抑 制 等 に よ り 、2 7 年 度 の 平 均 残 高
約 1 兆 2 , 9 0 0 億 円 か ら 減 少 し 、約 1 兆 2 0 0 億 円 程 度 と な る 見 込 み で あ る 。
平 成 28 年 度 歳 計 現 金 等 保 管 見 込 表
(億 円 )
注
「 法 人 二 税 3 決 」 は 3 月 決 算 法 人 の 法 人 二 税 、「 地 方 消 費 税 3 決 」 は 3 月 決 算 法 人 の 地 方 消
費 税 、「 固 定 ・ 都 計 ① 」 は 固 定 資 産 税 ・ 都 市 計 画 税 の 第 1 期 分 を 指 す 。
- 36 -
(イ ) 運 用 方 法 及 び 想 定 資 金 配 分
歳 計 現 金 等 は 、 地 方 自 治 法 第 235 条 の 4 の 規 定 に よ り 、 最 も 確 実 か つ
有利な方法で保管しなければならないとされており、支払に支障をきた
すことのないよう細心の注意を払うとともに、効率性についても可能な
限り確保していく。
歳計現金等は原則1年以内で保管するものであり、預金での保管を基
本 と す る 。日 々 の 支 払 に 備 え る た め の 支 払 準 備 金 は 流 動 性 預 金 で 保 管 し 、
これを上回る余裕資金については、効率性を確保するため、可能な限り
長い期間、安全性が確認できる金融機関に定期性預金を基本として保管
する。
平 成 2 7 年 度 の 保 管 は 、収 支 見 込 み を 精 査 し 余 裕 資 金 に つ い て 効 率 性 の
確 保 に 努 め た 結 果 、 定 期 性 預 金 の 割 合 が 90% 以 上 と な っ た 。 平 成 28 年
度 に お い て も 、 支 払 準 備 金 を 400 億 円 程 度 確 保 し た 上 で 、 余 裕 資 金 に つ
いては定期性預金を基本とした保管を行う。
平 成 28 年 度 に 想 定 す る 資 金 配 分 は 、 以 下 の と お り で あ る 。
(単位:億円)
区
分
金
支 払 準 備 金
預
額
金
割
合
400
4%
余裕
普 通 預 金
400
4%
資金
定期性預金
9,400
92%
10,200
100%
全
体
- 37 -
イ
基金
地 方 自 治 法 第 241 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づ き 、 自 治 体 は 、 特 定 の 目 的 の た
めに財産を維持し、資金を積み立て、又は定額の資金を運用するための基
金 を 設 け る こ と が で き る 。平 成 2 8 年 度 の 基 金 の 種 類 と 平 均 残 高 の 見 込 み は
下表のとおりである。
基 金 の種 類 と 28 年 度 平 均 残 高 の見 込 み
基
金
名
都市外交人材育成基金
災害救助基金
平均残高
基
80
11 8
金
( 単 位:億 円 )
名
平均残高
76
福祉・健康安心基金
後期高齢者医療財政安定化基金
205
東京都尖閣諸島寄附金による尖閣
14
安心こども基金
96
諸島活用基金
財政調整基金
6,247
社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金
41
社会資本等整備基金
5,683
医療施設耐震化臨時特例基金
30
4,006
地域医療再生基金
3
3,000
地域自殺対策緊急強化基金
1
400
地域医療介護総合確保基金
102
福祉先進都市実現基金
583
東京オリンピック・パラリンピック
開催準備基金
防災街づくり基金
人に優しく快適な街づくり基金
消費者行政活性化基金
3
芸術文化振興基金
100
国民健康保険財政安定化基金(新設)注1
障害者スポーツ振興基金(新設)
150
森林整備地域活動支援基金注
公害健康被害予防基金
28
花と緑の東京募金基金
2
22
0
森林整備加速化・林業再生基金
1
1
農業構造改革支援基金
1
400
おもてなし・観光基金
200
水素社会・スマートエネルギー都市
づくり推進基金
再生可能エネルギー等導入推進基金
7
介護保険財政安定化基金
33
国民健康保険広域化等支援基金
25
11 , 6 3 2
減債基金
心身障害者扶養年金基金
計 ( 33 基 金 )
注 1) 国 民 健 康 保 険 財 政 安 定 化 基 金 は 平 成 27 年 度 最 終 補 正 予 算 で 新 設 さ れ た 基 金
注 2) 森 林 整 備 地 域 活 動 支 援 基 金 の 平 均 残 高 見 込 み は 約 24 百 万 円
- 38 -
543
33,832
(ア ) 基 金 残 高 の 見 通 し
平 成 28 年 度 の 平 均 残 高 は 、 27 年 度 末 に 「 防 災 街 づ く り 基 金 」 等 で 積
立てを行ったことや、新たに「障害者スポーツ振興基金」等が創設され
る こ と 等 に よ り 、2 7 年 度 の 平 均 残 高 3 兆 1 5 0 億 円 か ら 増 加 し 、約 3 兆 3 , 8 0 0
億円となる見込みである。
(イ ) 運 用 方 法 及 び 想 定 ポ ー ト フ ォ リ オ
運用にあたっては、各基金の設置目的を踏まえ、それぞれの積立及び取
崩の計画等に適切に対応できるよう、金融商品及び運用期間を設定する。
金融商品別のポートフォリオについては、適切な分散運用を基本とし、
金融環境の変化に応じて柔軟に運用する。
また、金利変動の影響を平準化し、不測の資金需要に備えられるラダー
型運用(※)と、可能な限り長期間運用することにより比較的高い利回り
が期待できる一括運用を組み合わせ、安定的かつ効率的な資金配分を実施
する。
平 成 28 年 度 に 想 定 す る ポ ー ト フ ォ リ オ は 以 下 の と お り で あ る 。
金融商品別ポートフォリオ
28 年 度 想 定
預金
債券
金銭信託
79%
20%
1%
預金の内訳(金融機関種別ポートフォリオ)
28 年 度 想 定
都市銀行
信託銀行
地方銀行
外国銀行
40%
25%
20%
15%
注)預金先は入札により決定するため、あくまで想定割合
債券の内訳(債券種別ポートフォリオ)
28 年 度 想 定
国債
地方債
政府保証債
財投機関債
外債
その他
30%
40%
15%
10%
1%
4%
注)債券購入は市場動向によって決定するため、あくまで想定割合
※「ラダー型 運 用 」については、用 語 解 説 (P86)参 照
- 39 -
ウ
準公営企業会計資金
(ア ) 平 均 残 高 の 見 通 し
準 公 営 企 業 と は 、地 方 公 営 企 業 法 の 財 務 規 定 等 が 適 用 さ れ る 、地 方 公
共団体が経営する企業である。都では、東京都地方公営企業の設置等に
関する条例において、病院事業、臨海地域開発事業、港湾事業、市場事
業及び都市再開発事業の 5 事業を準公営企業として設置している。
平 成 28 年 度 の 5 会 計 の 平 均 残 高 は 、 合 計 で 5,250 億 円 程 度 と な る 見
込みである。
平 成 28 年 度 準 公 営 企 業 会 計 資 金 平 均 残 高 (見 込 み)
(単位:億円)
会
病
計
名
計
1,020
臨 海 地 域 開 発 事 業 会 計
1,910
港
院
平均残高
計
270
計
1,650
都 市 再 開 発 事 業 会 計
400
中
湾
会
央
事
卸
合
売
業
市
会
場
会
計(5会計)
5,250
(イ ) 運 用 方 法 及 び 想 定 資 金 配 分
準公営企業会計の資金は、所管局の依頼に基づき、日々の支払に備え
るための支払準備金は普通預金で保管し、これを上回る余裕資金につい
ては、定期性預金等による運用を基本とし、可能な限り長い期間運用す
る。
平 成 28 年 度 に 想 定 す る 資 金 配 分 は 、 以 下 の と お り で あ る 。
(単位:億円)
区分
平均残高見込み
割合
525
10%
定期性預金
4,725
90%
全体
5,250
100%
普通預金
- 40 - 40 -
(5) 公 金 管 理 実 績
公金の保管・運用の実績について、年度及び四半期ごとに公表している。
平 成 2 7 年 度 の 年 間 の 運 用 利 回 り は 、歳 計 現 金 等 は 横 ば い と な り 、基 金 は 低 下
し、準公営企業会計は上昇した。
平 均 残 高 及 び利 回 り推 移 ( 平 成 27 年 度 公 金 管 理 実 績 : 資 料 編 第 5 表 P79 参 照 )
- 41 - 41 -
7
指定金融機関等に関する事務
公金管理課
普 通 地 方 公 共 団 体 の 会 計 事 務 は 、地 方 自 治 法 第 170 条 の 規 定 に よ り 、会 計 管
理 者 が つ か さ ど る こ と に な っ て い る が 、そ の 事 務 全 て を 行 う こ と は 事 実 上 困 難
で あ る 。そ こ で 現 金 の 取 扱 い に 熟 達 し て い る 金 融 機 関 に そ の 事 務 の 一 部 を 行 わ
せるため設けられているのが指定金融機関である。
このほかに、収納事務の一部を取り扱う収納代理金融機関がある。
会 計 管 理 局 で は 、指 定 金 融 機 関 及 び 収 納 代 理 金 融 機 関 を 指 定 す る 事 務 を 行 っ
ている。
(1) 指 定 金 融 機 関 等 の機 能 と役 割
出納事務の効率的運営と安全とを図る見地から、現金の出納事務に最も熟
達 し て い る 金 融 機 関 に そ の 事 務 を 取 り 扱 わ せ 、会 計 管 理 者 本 来 の 出 納 事 務 で
ある収支命令の審査事務を確実に行える体制としたものが指定金融機関制度
である。
このため、都道府県における公金の収納及び支払事務については、地方自
治 法 第 235 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づ き 、 金 融 機 関 を 指 定 し て 取 り 扱 わ せ な け れ
ばならないとされており、この都道府県において指定した金融機関を指定金
融機関という。また、このほかに収納事務の一部を取り扱う収納代理金融機
関がある。
指定金融機関は、法令及び知事の定める諸規程に従って、公金の収納及び
支払の事務並びに預金を取り扱い、また、収納代理金融機関において取り扱
う公金の収納事務の全般について、これらを総括するとともに、当該自治体
に責任を負うことが義務づけられている。
都における公金の収納事務は、都民や企業から都税や各種使用料・手数料
等を収納するため、指定金融機関のほか、普通銀行、信用金庫、信用組合、
農 業 協 同 組 合 等 169 法 人( 平 成 28 年 8 月 1 日 現 在 )に 及 ぶ 金 融 機 関 が 取 り 扱
っ て お り 、平 成 27 年 度 に お け る 1 日 平 均 の 収 納 金 額 は 約 232 億 円( ※ )と な
っ て い る 。一 方 、公 金 の 支 払 事 務 は 、都 の 事 業 執 行 等 に 伴 う 債 権 者 等 に 対 し 、
指 定 金 融 機 関 を 通 じ て 1 日 約 477 億 円 が 支 払 わ れ て い る 。
※
これ以外に、その他の歳入として、国庫支出金、都債等がある。
- 42 -
公 金 の流 れと金 融 機 関 との関 係
都
民
収納
企
業
等
注
収納
収納代理金融機関
・
みず ほ銀 行
指定金融機関
支払
支払
東
収納
京
都
収納
上記以外に、コンビニエンスストア等による収納がある。
( 平 成 27 年 度 公 金 収 納 実 績 : 資 料 編 第 6 表 P80 参 照 )
(2) 指 定 金 融 機 関 等 の指 定 状 況
ア
指定金融機関
現在、都では「株式会社みずほ銀行」を指定している。
経緯
・ 昭 和 39 年 4 月
地方自治法改正により、指定金融機関制度が創設。
「株式会社富士銀行」が都の指定金融機関となる。
・ 平 成 14 年 4 月
「 株 式 会 社 富 士 銀 行 」「 株 式 会 社 第 一 勧 業 銀 行 」「 株 式 会 社 日 本 興
業銀行」の三行が、吸収分割及び合併により「株式会社みずほ銀
行」と「株式会社みずほコーポレート銀行」の二行に統合及び再
編された。この際、地方自治法施行令の規定により、指定金融機
関業務の継承行である「株式会社みずほ銀行」を指定金融機関に
指定した。
- 43 -
・ 平 成 25 年 7 月
「 株 式 会 社 み ず ほ コ ー ポ レ ー ト 銀 行 」 を 存 続 行 、「 株 式 会 社 み ず ほ
銀行」を消滅行とする吸収合併が行われた。また、同日付で「株
式会社みずほコーポレート銀行」から「株式会社みずほ銀行」へ
の商号変更が行われた。この際、指定金融機関としての権利・義
務を「株式会社みずほ銀行」が承継し、現在に至る。
イ
収納代理金融機関
収 納 代 理 金 融 機 関 は 、 地 方 自 治 法 施 行 令 第 168 条 第 4 項 の 規 定 に 基 づ き
指定しているが、その指定にあたっての要件及び手続等は、東京都指定金
融機関等の指定及び検査要綱に定める基準を充足する金融機関の中から、
経歴、信用等を調査した上で、指定している。
また、日本郵政公社については、口座振替収納のみを収納代理金融機関
に指定し、窓口収納については郵便振替法を根拠として協定により取り扱
わ せ て い た 。 し か し 、 平 成 19 年 10 月 1 日 、 同 公 社 の 民 営 化 に よ り 、 株 式
会社ゆうちょ銀行が発足したことに伴い同法が廃止されたことから、窓口
収納についても他の金融機関と同様の条件で、収納代理金融機関として取
り扱わせることとした。
指 定 金 融 機 関 等 の指 定 状 況 ( 平 成 28 年 8 月 1 日 現 在 )
法人数
指定金融機関
1
収納代理金融機関
内
訳
普通銀行
98
信託銀行
4
信用金庫
31
信用組合
19
農業協同組合
15
その他
合
注
169
2
計
170
表中の「その他」とは、商工組合中央金庫及び中央労働金庫をいう。
- 44 -
8
官民連携ファンドに関する事務
公金管理課
官 民 連 携 イ ン フ ラ フ ァ ン ド( 平 成 24 年 度 組 成 )、官 民 連 携 再 生 可 能 エ ネ ル ギ
ー フ ァ ン ド ( 平 成 26 年 度 組 成 ) 及 び 官 民 連 携 福 祉 貢 献 イ ン フ ラ フ ァ ン ド ( 平
成 27 年 度 組 成 ) の 運 用 状 況 の 監 視 等 に 、 投 資 、 会 計 、 法 律 分 野 等 の 専 門 家 の
意見を聴取しつつ取り組んでいる。
(1)官民連携インフラファンド
目的
全国のエネルギー分野への投資を通じた電力供給の
安定化等
投融資対象事業
電力・エネルギー分野のインフラ事業
組成時期
平 成 24 年 度
ファンド
株式会社IDIインフラストラクチャーズ
運営事業者
スパークス・アセット・マネジメント株式会社
・ 各 1 フ ァ ン ド (投 資 事 業 有 限 責 任 組 合 )
(計2ファンド)
都の出資規模
各 フ ァ ン ド 15 億 円 、 計 30 億 円
(有限責任組合員として出資)
ファンド規模
全 体 で 約 300 億 円
- 45 -
(2)官民連携再生可能エネルギーファンド
目的
再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー の 都 内 で の 導 入 促 進 、東 北 地 方
等における広域的な普及拡大等
投融資対象事業
都内投資促進型ファンド
都内の再生可能エネルギー発電事業
広域型ファンド
東 京 電 力・東 北 電 力 管 内 地 域 の 再 生 可 能 エ ネ ル ギ
ー発電事業
組成時期
平 成 26 年 度
ファンド
運営事業者
JAG国際エナジー株式会社
スパークス・アセット・マネジメント株式会社
都
・各2ファンド
(都内投資促進型ファンド:合同会社)
(広域型ファンド:投資事業有限責任組合)
(計4ファンド)
都の出資規模
都内投資促進型ファンド
各ファンド1億円、計2億円
( 匿 名 組 合 出 資 ( 有 限 責 任 ))
広域型ファンド
各 フ ァ ン ド 5 億 円 、 計 10 億 円
(有限責任組合員として出資)
ファンド規模
全 体 で 約 100 億 円
(3)官民連携福祉貢献インフラファンド
目的
都内における子育て支援施設を含む福祉貢献型建物
の整備促進等
投融資対象事業
都内における福祉貢献型建物を整備する事業
組成時期
平 成 27 年 度
ファンド
マネジャー
AIPヘルスケアジャパン合同会社
スターツアセットマネジメント株式会社
・各1ファンド(投資事業有限責任組合)
(計2ファンド)
AIPヘルスケアジャパン合同会社のファンド
25 億 円
スターツアセットマネジメント株式会社のファンド
12.5 億 円
計 37.5 億 円
(有限責任組合員として出資)
都の出資規模
ファンド規模
全 体 で 約 100 億 円 を 目 指 す 。
- 46 -
9
用
品
事
務
総務課
都では、各局・所において共通的に使用する物品で比較的需要量が多い
ものの中から知事が指定した物品を「用品」として取り扱っている。
この用品を集中的に大量一括購入し、各局・所の需要に応じて安価に、
計画的、安定的かつ迅速に供給することを目的として設けた制度が用品制度
である。
(1) 用 品 制 度 の効 果 ・特 色
ア
物品購入事務の軽減
用品の調達及び供給事務を会計管理局で一元的に行うことによって、
各局・所では、用品カタログシステム上での操作のみで請求から代金の
支払まで一連の事務を行うことができ、購入に係る契約事務、物品帳票の
作成事務等が不要となっている。
用 品 システムフロー図
会計管理局
約
用 品 カ タ
用 品
ロ グ シ ス
⑤ 代金一括請求
⑥代 金 一 括 支 払
用品調達基金
③ 納品
情報の流れ
資金の流れ
- 47 - 47 -
用品の流れ
者
④支 出 決 定
(代 金 振 替 )
業
システム
テム
契
請 求 局 ・所
② 用品発注
①用 品 請 求
イ
物品購入経費の節減
用品は、集中的に大量一括購入しているため、量販店の価格より、安価
に購入しており、各局・所の物品購入経費の節減に寄与している。
ウ
用品の迅速かつ的確な配送
用品の配送は計画的に行っており、文房具類は、受付日の翌日に配送
するなど、各局・所の利便性向上を図っている。
エ
品質・規格の標準化
用品に指定する物品は、原則として、JIS規格品又は同等品とする
ことにより、一定水準の品質を確保するとともに、都で使用する物品の
品質・規格の標準化を図っている。
オ
グリーン購入の推進
用品の指定は、環境への負荷を低減するため、東京都グリーン購入推進
方針(※)及び東京都グリーン購入ガイド(※)に基づいて行っており、
率先して環境に配慮した調達を実施している。
グリーン購 入 の供 給 額 の推 移
1,600
1,400
1,200
1,000
800
600
400
200
0
単位:百万円
100
80
60
40
20
0
15
16
17
供給金額
※
18
19
20
21
22
環境対応供給金額
23
24
25
26
27
年度
比率(%)
「 東 京 都 グ リ ー ン 購 入 推 進 方 針 」 及 び 「 東 京 都 グ リ ー ン 購 入 ガ イ ド 」 は 、「 国 等 に
よ る 環 境 物 品 等 の 調 達 の 推 進 等 に 関 す る 法 律 第 4 条 」に 基 づ き 、東 京 都 環 境 局 が 策 定
したものである。
- 48 - 48 -
(2) 東 京 都 用 品 調 達 基 金
用品の購買、管理及び供給に関する事務を円滑かつ効率的に行うため、
東京都用品調達基金条例に基づき、平成6年4月に「東京都用品調達基金」
を設置した。
この基金により購入した用品を各局・所に有償で供給し、各局・所から
回収した当該代金を基金に繰り入れながら回転運用を行っている。
本基金の活用により、会計年度独立の原則等、予算の制約を受けること
なく、用品供給が可能となっている。
(3) 用 品 指 定 品 目 及 び品 名
用 品 と し て 指 定 し て い る も の は 、 53 品 目 156 品 名 で あ り 、 そ の 内 訳 は 、
下表のとおりである。
用 品 指 定 品 目 及 び品 名
区
分
品目数
品名数
平 成 28 年 8 月 1 日 現 在
品目のうち主なもの
印刷物
4
8
文房具
34
74
ファイル類、ボールペン
複写機用紙
用
紙
1
15
雑
品
4
8
什
器
10
51
合
計
53
156
名刺カード、納入通知書・納付書
トイレットペーパー、蛍光ランプ
片袖机、回転椅子、書庫
(4) 供 給 対 象 の局 ・所 数
用 品 の 供 給 対 象 の 局 ・ 所 は 、 平 成 28 年 8 月 1 日 現 在 、 請 求 事 務 を 行 う 請
求 局 ・ 所 数 が 546 か 所 、 配 送 を 受 け る 配 送 局 ・ 所 数 が 752 か 所 で あ る 。
- 49 -
(5) 区 分 別 供 給 額
平 成 27 年 度 に お け る 用 品 の 区 分 別 供 給 額 は 、 下 図 の と お り で あ る 。
平 成 27 年 度 用 品 区 分 別 供 給 額
単 位 :千 円 (%)
供給総額
1,366,734
(100.0)
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10
国費に関する会計事務
出納課
国 費 に 関 す る 会 計 事 務 は 、国 の 会 計 事 務 の う ち 、会 計 法 等 の 規 定 に 基 づ き 、
知事の同意の上、都道府県が行うもので、地方自治法第2条第9項第1号に
規定する第一号法定受託事務である。会計管理者は、会計法及び国の債権の
管理等に関する法律の規定に基づく知事の指定により、
「 歳 入 徴 収 官 」、
「官署
支出官」として、国の歳入、歳出及び債権管理に関する事務を行っている。
(1) 歳 入 徴 収 官 (歳 入 事 務 )
国の徴収すべき歳入について、徴収決定及び債務者に対する納入告知の事
務 、 収 納 、 督 促 等 の 事 務 を 行 う ( 会 計 法 第 4 条 の 2 及 び 第 48 条 )。
( 平 成 27 年 度 国 費 歳 入 決 算 額 : 資 料 編 第 8 表 P82 参 照 )
(2) 官 署 支 出 官 (歳 出 事 務 )
国の支出の原因となる契約その他の支出負担行為の確認、国の支出すべき
債 務 の 調 査 確 認 及 び 支 出 の 決 定 等 の 事 務 を 行 う( 会 計 法 第 24 条 及 び 第 48 条 )。
( 平 成 27 年 度 国 費 歳 出 決 算 額 : 資 料 編 第 9 表 P83 参 照 )
(3) 債 権 管 理
歳入徴収官が所管する国の債権に関する登録、保全、取立て及び消滅等の
事 務 を 行 う ( 国 の 債 権 の 管 理 等 に 関 す る 法 律 第 5 条 )。
( 平 成 27 年 度 債 権 管 理 額 ( 国 費 関 係 ): 資 料 編 第 10 表 P84 参 照 )
国 費 会 計 事 務 フロー図
会計事務を行うことについての同意の求め
東京都(知事)
知事の同意
歳入徴収官
国 (所 管 大 臣 )
所管大臣への報告
官署支出官
(会計管理者)
収入
債務者
会計検査院
支出
会計検査院への報告
支出証拠書等の提出
債権者
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11
準公営企業に関する会計事務
公金管理課・出納課
準公営企業会計とは、地方公営企業法第2条第2項及び第3項の規定に基
づき、地方公営企業法の一部(財務規定等)が適用される事業に係る収支を
経理する会計である。
都には、東京都地方公営企業の設置等に関する条例第1条第1項第8号か
ら 第 12 号 ま で に 掲 げ る 準 公 営 企 業 と し て 、病 院 事 業 、臨 海 地 域 開 発 事 業 、港
湾事業、市場事業及び都市再開発事業がある。
会計管理局では準公営企業の業務に係る公金の出納及び保管の事務を行っ
ている。
(1) 特 別 企 業 出 納 員 の設 置
準公営企業に係る公金の領収、支払及び保管に関する事務処理の統一性・
的確性を期するため、会計管理局に特別企業出納員を置き、事務を処理して
いる。特別企業出納員は、会計管理局管理部長をもって充てている。
( 平 成 27 年 度 準 公 営 企 業 会 計 収 入 支 出 実 績 表 : 資 料 編 第 11 表 P85 参 照 )
(2) 出 納 取 扱 金 融 機 関 等 の指 定 状 況
地 方 公 営 企 業 法 第 27 条 の 規 定 に 基 づ き 、準 公 営 企 業 の 業 務 に 係 る 公 金 の 出
納又は収納の事務及び預金を取り扱わせるため、出納取扱金融機関として株
式会社みずほ銀行を、収納取扱金融機関として株式会社三菱東京UFJ銀行
ほ か 12 金 融 機 関 を 指 定 し て い る 。
準 公 営 企 業 会 計 収 入 ・支 出 フロー図
納入者
納入通知書
【収 入 事 務 】
収入徴収者
特別企業出納員
伝票発行者
会計管理局
管理部長
(各 局 長 等 )
納 付
収納取扱金融機関
出納取扱金融機関
【支 出 事 務 】
支 払
債権者
- 52 - 52 -
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