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八尾町の情報化の取り組みについて(PDF:72KB)

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八尾町の情報化の取り組みについて(PDF:72KB)
資料8
八尾町の情報化の取り組みについて
「地域メディアと
魅力ある農業・農村づくり」
富山県八尾町長 吉村栄二
2002/8/20
八尾町の概要
石川 県
八
尾
町
岐阜県
新潟県
富山県
本町は富山県の中央南部に位置し、昭和28
年と昭和32年に1町8ヶ村の合併により誕生
した。
南北に菱形を成しており面積の80%が山間
地で、豊富な水と広大な緑に囲まれた自然豊か
なふところの深い地域である。
また、南方の岐阜境には標高1,638mの
金剛堂山を主峰に、白木峰等飛騨山脈の支脈に
あたる諸山が連なり、この諸山を源流とする 多
くの河川が、北流して段丘平野を形成している。
人口:22,800人/6500世帯
面積:236.8Km2
9月1・2・3日の「おわら風の盆」は、広く全
国から多くの観光客を集めている。
1
情報化への背景
(町が抱えていた問題点)
若者の農業・農村離れ
による担い手不足
農業従事者の高齢化、耕
作放棄地の増加
自己完結型農業経営志
向
農業機械への過剰投資、
農業所得の減少による
営農意欲の衰退
生活環境の向上を求め
ての町外転出 中山間地集落の崩壊 (問題点を解決するには)
・若者の定住化促進と地域の担い手の育成・確保
・農業生産体制の再編成、農用地の有効利用
・都市と変わらない生活環境の整備と農村地域の活性化
魅力ある農業・農村づくりへの模索
2
情報化への動き
(魅力ある農業・農村を実現するための施策)
・昭和55年から富山八尾中核工業団地の造成と企業誘致による就労と定
住の基盤を作り、商工業の発展を図った。
・農作業の効率化を図るため、共同育苗施設、大型乾燥調整施設や棚田の
保全により、農業生産基盤の整備を推進した。
・生活環境の改善を図るため、道路網や下水道等の整備と地域交流施設を
整備した。
人口流出対策などに一定の効果が見られたが、魅力ある農業・農村づく
りにはもう一歩進んだ施策が必要
農村社会における生活・文化・教養・福祉・防災・娯楽などに多くの効果
をもたらすであろう情報通信基盤を整備し、都会にも劣らないメディアを持
った農業・農村づくりを進めることとした。
3
情報化への取り組み
(ケーブルテレビの整備)
町がケーブルテレビを町全域に隈なく整備し、運営も直営で行うこととした。
民間によるケーブルテレビの整備では、農村部は採算上整備が困難であり市街地だけの整備が予想
されるため、町の中で情報格差が生じ、町全体の均衡ある活性化が達成されない。
情報インフラの整備内容(H7農水省)
サービスの内容
・全世帯を対象に農村型ケーブルテレビを整備
・ケーブルテレビによる多チャンネル放送(39ch)
(光ケーブルと同軸ケーブルによる
(加入率94% 無料A加入31% 有料B加入63%)
ハイブリッド型ネットワーク)
・自主番組を2チャンネル制作放送
(地域情報chと生産者や営農指導員による農業情報ch)
・文字放送
・音声告知放送(行政情報、農業情報、イベント情報等の提供)
・ケーブル電話とFAX(町内無料)
・MIODSビデオオンデマンド
(リクエストによる自主制作番組の即時放送)
・農業気象情報提供システム
(気象ロボット5基と衛星通信を使用)
・防災無線システム
(屋外拡声器54基設置)
・町内に設置した気象ロボットのデータにより、町独自
の農業気象情報の提供
(農業技術の向上と効率化、農業災害の軽減と防止)
・防災情報の提供による町民の安全確保
4
整備されたインフラの高度利用
情報化への取り組み2
整備されたケーブルテレビ網の双方向性を最大限に利用し、広範囲にわたる多くのアプリケーショ
ンの開発と機能の整備を行った。
情報インフラの整備
・インターネット設備の整備(H8通産省)
サービス内容
・町が第1種電気通信事業者免許を取得し、高速イン
ターネットサービスを低料金で町民へ提供
(加入率30% H14.8現在)
・すべての小中学校を結ぶ、CATV回線を利用した高
・教育イントラネットの構築
(H8通産省・H13総務省) 速な教育ネットワークを構築し、教育の質の向上と
情報教育の充実を図る
・健康管理支援システムの構築(H10農水省)
・CATV回線を利用して、血圧、脈拍、体重等のデー
タを家庭から役場へ送信し、蓄積・分析を行い健康
管理を支援する
・行政イントラネットの構築(H11郵政省)
・役場と出先機関を結ぶ、CATV回線を利用した高速
な行政ネットワークを構築し、行政の効率化を図る
・民間のケーブルテレビ局との接続(H11郵政省) ・県内8局のCATV局を光ケーブルで接続し、自主
制作番組の相互交換を実施
・高画質、多チャンネル、高機能放送番組の提供 ・放送のデジタル化と伝送路の広帯域化
(H12総務省)
5
情報化による効果
(地域の担い手の育成・確保、農業生産体制の再編成)
農作物の栽培技術情報の提供や音声告知による病害虫情報、きめ細やかな気象情
報等の提供により、経営感覚に優れた担い手の育成や営農組織作りが推進された。
また、稲作を始めとして大豆・園芸情報の提供で栽培技術が高位平準化してきた。
(地域の活性化推進)
放送事業を通した情報の共有により、地域連帯感の強化や地域コミュニティの醸
成が図られた。
(情報発信体制の構築)
高速インターネット接続サービスを低料金で提供し、町民自らが情報受発信主体
となった。これにより都市と農村の交流が図られ、グリーンツーリズムが推進した。
(人材の育成)
学校教育などでの活用により、マルチメディア社会に対応した教育の実践と、町
民や行政、企業などが一体となった情報化の円滑な推進と人材の育成が図られた。
(情報インフラの多目的利用)
行政情報システム・健康福祉・防災・教育などへの多目的利用による町民サービ
スの充実と、ネットワークの効率的な利用の推進が図られた。
6
魅力ある農業・農村の実現
グリーンツーリズムの推進
経営の複合化促進
みのり棚田の学校
棚田100選の集落で、都市部の親子との
農作業を通しての交流会を計画
大豆生産面積
H5 H13
奥田営農組合 5ha → 9ha
ホームページでのPRにより、都市部から
約30組が参加。8/24∼25にも稲刈り体験、
夕食会、おわら前夜祭参加等の交流会を実施。
H6 H13
杉田大開営農組合 2ha → 7.5ha
年々盛況になるイベント
農家主体の販売促進
菜菜こられ市(月1回開催)
黒瀬谷地区で生産者が自分の栽培した野
菜を直接消費者に販売。
若者の定住化によるイベント内容の充実と
ケーブルテレビやインターネットを活用して
の町民自らの情報発信体制が定着
CATVの番組で取り組みを紹介したこ
とで、多くの町民が購入に訪れた。
さらに、県内8局のネットワークによる
放送やホームページの行事案内にも掲載し
たことで、町外からの購入者も増えてきた。
「おわら」「曳山」「坂の町アート」などの
伝統行事の観光客だけでなく、そば祭りや清
流釣り大会など地区住民主体のイベントにも
年々観光客や参加者が増えている。
7
今後の課題
ハード面
情報関連機器の技術革新が早く設備が陳腐化していくので、更新
高度化に絶えず投資が必要であり、その対応が課題となる。
(例えば、FTTH、VOIP、ケーブルテレビ局間ネットワーク
の広域化、携帯電話の不感地帯解消)
ソフト面
情報インフラを多目的に利用できるためのアプリケーション及
びコンテンツの充実を図る必要がある。
(例えば、農業関係のアプリケーションの募集と配布、ケーブルテ
レビ番組の広域的配信)
農業・農村面
・情報武装し、それを有効に利活用する経営体の育成
・消費者ニーズへの的確な対応と、安心・安全・安定供給のため
の、産地と消費地のネットワーク構築への情報の活用
・高度な情報基盤の整備による都市と農山漁村の共生及びそれを
活用した人・物・情報の対流
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