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音楽は図書館から。 10年ぶりの再会

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音楽は図書館から。 10年ぶりの再会
CD
音楽は図書館から。
出井則奈
平成 年度卒業
は、 ドヴォルザークの名が一躍世に知られるよ
うになった作品といわれている。 一曲一曲、 詩
の内容は趣深く、 音楽はそれにも増して次の展
開に胸が躍る。 あの有名なスメタナの 《ブルタ
ヴァ(モルダウ)》のように、このドヴォルザー
クの 《モラヴィア二重唱曲》 もチェコの空気を
漂わせている。短い曲の中には、時にドラマチッ
クで時に明るいユーモアがあり、 何度聴いても
さらに、 このCDにはブラームスの深みのあ
飽きることがない。
でい
のりな ねこはとてもマイペース。 自 分の思った通 り
にのんびりゆったり生きているねこに、感心しちゃうことも
しばしば。
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雑誌
小形桃子
』という雑誌をご存
年度卒業
年ぶりの再会
音楽教育学科幼児教育専攻 平成
です。
と、 いつしかグランドピア
『月刊
』 で し た。 そ の 日 を 境 に、 自 分 も 周
尋ねると、 その楽譜というのがズバリ
ていた友人に、 どんな楽譜に載っていたのかを
たのです。 すかさず、 魅力的なピアノ演奏をし
という新しいピアノの世界を知り、 衝撃を受け
初 め て 私 は、 ク ラ シ ッ ク だ け じ ゃ な い
ノの周りに群がっていました。 そして、 その時
近で見聞きしたい
に、 自分を含む他のクラスの子たちはもっと間
の、 思わず踊りだしたくなるような楽しい音楽
き 語 り す る 友 人 の 姿 が そ こ に あ り ま し た。 そ
マシーン》 をとにかく元気一杯にパワフルに弾
時流行していた「モーニング娘。」の《LOVE
した。 その音に誘われて教室の中へ入ると、 当
からキラキラとしたピアノの音が聞こえてきま
るため教室を移動している時に、 ふと、 音楽室
のは中学1年生の時でした。 音楽の授業が始ま
私が、雑誌『月刊
』の存在を知った
をピアノで弾き語りすることができる音楽雑誌
知ですか?この雑誌は、 その月にヒットした曲
皆さんは『月刊
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演奏学科声楽専修
図書館の資料は、 多くの興奮と感動を与えて
るハーモニーと民謡風の楽しい歌、 シューマン
このCDを食事に例えるなら、 最後のお楽し
の た っ ぷ り と 詩 の 世 界 に 浸 る こ と が で き る 歌、
入 学 し て 数 日 後、 図 書 館 を 利 用 す る よ う に
みデザートは、なんとおいしいことか。ロッシー
なった私は、 まだ歌手の名を多くは知らなかっ
た。 そうするうちに、 なんとコロラトゥーラの
ニ作曲といわれている猫の二重唱が聴けるのだ。
メンデルスゾーンの明るく新鮮な輝きに満ちた
女王グルベローヴァとカサロヴァの二重唱のC
わぉ、 この二匹の猫の歌唱レベルの高いことと
春の歌が収録されている。
Dと出会った。 そのCDを聴いた瞬間、 極上の
た。 そこで、 当時好きだったメゾソプラノのカ
料 理 を 食 べ た 時 と 同 じ よ う な 興 奮 を 味 わ っ た。
いったら、 感激である。
サロヴァと検索しては次から次に視聴していっ
そのことを今でもはっきりと覚えている。 そし
て、 その日から私はグルベローヴァと検索する
ようになり、 彼女の資料を次から次へと借りる
日が続いた。 今となっては懐かしい大学生活の
グルベローヴァとカサロヴァの二重唱は、 絶
思い出の一つだ。
品である。 絶妙な歌声のハーモニーは、 CDを
聴いている私に、 二人の歌っている表情や仕草
が見えてくるほどだ。 実力者二人の相乗効果が
生み出した二重唱なのだ。
そ し て、 こ の C D の 選 曲 が ま た 素 晴 ら し い。
中でも、 ドヴォルザークの 《モラヴィア二重唱
曲》 をチェコ語の歌唱で聴けることだ。 この曲
P
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!
請求記号⃝XD45665
麗しの二重唱/グルベローヴァ
&カサロヴァ Nightingale
Classics KKCC-4322(日本)
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!
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10
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くれる。
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りの人に感動してもらえるピアノ弾き語りがで
き る よ う に な る こ と を め ざ し て、 こ の 雑 誌 を
チェックするようになりました。
ということで、 早速借りてページを開く
CD
たまには、
クラシック
日本の古典音楽でも
山﨑貴子
使 わ れ る 笙・篳 篥・龍 笛・琵 琶・箏 の 各 旋 律 が、主
に主題の再現が現れて曲は終わります。雅楽で
題でほ ぼ 原 曲 通 り に 書 かれていま す が、そ れ を
ピアノで 弾いてみ る と とて も 繊 細で、あの 雅 楽
がこうも変わるのだなと感心したものです。各
変奏では、
華やかで装飾的なものやブギ・ウギの
リ ズムに 則った もの、暗い 夜 を 思 わ せる よ う な
静 謐 な 曲 想の ものな ど、とて も 雅 楽 が 元 になっ
たとは思 え ないよ う な 様々な 顔 が 展 開 され、聴
年度卒業
《 越 天 楽 の す べて 》 … 今 回 ご 紹 介 す る C D の
人 々 が 耳 に し た ら、ど の よ う に 思 う で し ょ う。
タ イ トルで す。 何 だ か す ごいタ イ トルで す ね。
このCDでは曲が抜粋されているので、
原曲のピ
う か。 今 よ り 雅 楽 が 盛 ん で あ っ た 平 安 の 世 の
うに聞こえて何だか眠くなりそう…と思われそ
いていて楽しんでいただけるのではないでしょ
うですが、
そんな雅楽曲が実は様々なジャンルの
と思います。
アノと管弦楽版を合わせて聴いていただけたら
雅楽からインスピレーションを受けて作られ
トラと言われる雅楽。一三〇〇年以上受け継が
もの)、黄鐘調、盤渉調と実は3曲あり、もちろん
れて き た 音 色に、そ してそこか ら 新 たに 生み 出
他にもたくさんあります。世界最古のオーケス
謡 曲、筝 な ど の 器 楽 向 け の 曲、な ん と 讃 美 歌 や
された様々な音楽達に耳に傾けてみてはいかが
た 作 品 は 意 外 と 数 多 く、お 勧 めし たい曲 はこの
オーケストラ曲といった音楽にもアレンジされ
でしょうか。
このCDにも収録されています。 その他、越天
ているのです。 パリ木の十字架少年合唱団によ
戦した曲でもあります。主題で盤渉調の越天楽
さ れ たこの 作 品 は 私 のお 勧 めの一曲 で、以 前 挑
めに 作 曲 さ れ、後 にそ れ を ピアノソロ用 に 編 曲
ります。松平頼則によってピアノと管弦楽のた
ノのための 主 題 と 変 奏 』という ピアノ 作 品があ
収 録 曲の 中 に、『 盤 渉 調「 越 天 楽 」によ る ピア
る天使のような歌声の今様は、心が洗われます。
楽に歌詞をつけた越天楽今様や民謡(黒田節)
・
雅 楽「 越 天 楽 」に は 平 調( 最 も 有 名 な 調 性 の
音楽に編曲されているのをご存知でしょうか。
ラーな一曲です。雅楽と聞くと、
どの曲も同じよ
演奏学科鍵盤楽器専修(ピアノ) 平成
!
「越天楽」
は日本の伝統音楽の雅楽で最もポピュ
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図書館にも有り難いことに、 この雑誌が置か
れており、その在り処は「雑誌コーナー」という
小部屋のような空間です。 この空間の棚にある
』はその月のもの1冊となりま
すが、 実は1996年~2012年3月現在に
『月刊
かけてのバックナンバーも在庫しており、 借り
る こ と が 可 能 な の で す。 と い う こ と は、 例 の
ある
《LOVEマシーン》が載っている年代のものも
年ぶり
と、 ふわぁ~っとあの懐かしい演奏の記憶が色
鮮やかに蘇ってきました。 と同時に、
請求記号⃝P1785 / 43
『月刊 piano 』通巻 43 号 1999(平成 11 )
年 12月 ヤマハミュージックメディア
』
の再会を果たすことができたことに幸せを感じ
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と改めて強く思いました。
ました。そして、今後もこの『月刊
を愛してゆこう
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を忠実に提示し、
6つの変奏曲が展開され、
最後
請求記号⃝XD50794
越天楽のすべて King:
KICG 3076
やま
ざき たかこ iPodが雅楽と長唄でいっぱいです。本
当にピアノ科?と言われていましたが、日本音楽を仲間と演
奏した学生生活はとても有意義でした
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!
おが
た ももこ 雑誌コーナーのおおきな窓から眺められる、
生い茂った 竹 やぶの 葉のさら さら と 風に 揺 ら めく 様 子 は、
国音オススメのパワースポットです♪
!
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!
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