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少子・高齢化対策特別委員会の中間報告
少子・高齢化対策特別委員会の中間報告 本委員会は、平成27年第3回定例会において設置され、以来前期における少子・高齢化 対策特別委員会の成果を踏まえながら、高齢化対策、少子化対策について、調査を続けて きた。 以下、調査の経過及び集約された意見は次のとおりである。 なお、付託を受けた案件については、いずれも多くの課題が残されているため、今後も 積極的に調査・研究を進めていく必要がある。 記 1.高齢化対策について 高齢化対策については、10年後を見据えた超高齢社会への対応について調査を行った。 本市における高齢化率は、10年前の平成17年は15.2%であったが、10年後の平成37年 には24.8%と、一層高齢化が進展すると見込まれており、単身高齢者世帯、要介護高齢 者及び認知症高齢者もさらに増加していくとの予測が示された。 それらを踏まえ、超高齢社会において想定される人口構造の変化による社会の支え手、 担い手の減少、単身高齢者や障がい者の増加、後期高齢者の急増などによる市民生活へ の影響をできる限り抑えていくため、今後の目指す方向性として、来たるべき超少子高 齢社会においても生活の質が維持向上できる持続可能な制度や仕組みの構築を掲げ、こ れまで年齢等を条件に一律に支えられる側としていた高齢者について、個人個人の健康 や意欲、能力等に応じて、できるだけ支える側として活躍することや、支援が必要とな っても地域で支えられながら安心して暮らせることが重要との考えが示された。 また、施策の方向性として、高齢者や障がい者が、それぞれの意欲や能力に応じて、 できるだけ支える側での活躍を支援するための「健康づくり・社会参加」、地域住民を 初め、民間企業等の多様な主体が地域活動に参加し、支援が必要な人を支え合う「地域 づくり」、ソフト・ハード両面にわたる社会のバリアフリー化やICTを活用する「安 心のまちづくり」の3つを柱に取り組んでいくとの報告を受けた。 高齢者保健福祉施策の総合的な推進と介護保険制度の円滑な実施は重要な課題であり、 今後、公平、公正な要介護認定の取り組み、介護サービスの基盤整備及び質の向上、地 域包括支援センターにおける相談・支援体制の充実や地域との連携強化、福祉・介護サ ービス分野の人材及び財源の確保、健康づくりや介護予防施策の推進、地域における見 1 守りや支え合いの仕組みづくり、バリアフリー化などの社会環境の整備、高齢者の権利 擁護、認知症高齢者の支援体制の充実等について、引き続き、調査・検討を進めていく 必要がある。 2.少子化対策について 少子化対策については、初めに、27 年度から 31 年度までの5カ年の計画である「第 4次福岡市子ども総合計画」の概要について報告を受けるとともに、3つの目標ごとに 体系化した施策のうちから、目標2「安心して生み育てられる環境づくり」に焦点をあ て、具体的な取り組み状況等に関する調査を行った。 本市の出生数については、昭和 48 年の第2次ベビーブームのピーク以降は減少し、 平成2年頃からほぼ1万 3,000 人台前後で推移していたが、直近7年間では1万 4,000 人台で推移しており、平成 26 年の出生数は1万 4,559 人となっていることや、また、 本市の合計特殊出生率について、若い未婚の女性が多いなど本市の特性を反映して、平 成 22 年で 1.25 ポイント、19 政令指定都市の中で第 16 位と、全国平均より低い値で推 移しているものの、平成 26 年の人口 1,000 人当たりの出生数は 9.6 人で、20 政令指定 都市の中で第2位となっていることなどが示された。 安心して生み育てられる環境づくりについては、幼児教育・保育の充実、母と子の心 と体の健康づくり、ひとり親家庭への支援、子育て家庭への経済的な支援、仕事と子育 ての両立に向けた環境づくり、子育てを支援する住まいづくり・まちづくり、子どもや 子育て支援に関する情報提供の7項目に基づき、出産前から出産後、乳幼児期、さらに その先へと切れ目のない支援を行うほか、質の高い教育・保育を確実に提供するととも に、共働き家庭の増加や就労形態の多様化などに対応するため、多様な保育サ-ビスの 一層の充実を図るなど、さまざまな取り組みを推進しているとの報告を受けた。 今後、この計画に基づいて展開されるさまざまな子ども施策について調査・検討を進 めるとともに、共働き家庭の増加などによる保育を必要とする子どもの増加、保護者の 就労形態の多様化、出産前後の育児不安が強い時期における母親への支援、子育てに不 安や負担を感じている家庭への支援、社会全体で全ての子どもと子育て家庭を見守り、 支援する仕組みづくり、健康づくりに関する妊婦や乳幼児の保護者への啓発の充実、経 済的支援が必要な家庭の増加、仕事と子育てが両立できる環境づくりなどの課題につい ても、引き続き、調査・検討を進めていく必要がある。 次に、28 年度から 32 年度までの5カ年の計画である「福岡市職業生活における女性 活躍推進計画(仮称)」(案)の概要について報告を受けるとともに、主な事業の取り組 2 み状況等に関する調査を行った。 本計画は、平成 27 年9月に施行された「女性の職業生活における活躍の推進に関す る法律」に基づき、活力ある地域社会の実現に向けて、市域内における女性の職業生活 における活躍の推進に関する施策を計画的かつ効果的に進めるために策定するものであ り、現在策定を進めている「福岡市男女共同参画基本計画(第3次) 」の基本目標3及び 基本目標4の部分として位置づけられているとの説明を受けた。 基本目標3の「仕事と生活の調和を実現できる社会」では、仕事と生活の調和(ワー ク・ライフ・バランス)の推進、男性の家庭・地域への参画促進、子育て・介護支援の 充実が、基本目標4の「働く場において男女が対等に参画し、女性が活躍できる社会」 では、企業における女性活躍推進の支援、働く女性への支援、女性の就業・起業支援に 向けた取り組みが、施策の方向として挙げられている。 今後、この計画に基づいて展開されるさまざまな女性活躍推進の施策について調査・ 検討を進めるとともに、企業等におけるワーク・ライフ・バランスの促進、子育て支援や 介護支援の充実など、多様なニーズに対応した育児や介護と仕事を両立するための基盤 づくり、女性が出産や子育てなどのライフイベントを経ても働き続けられる職場環境づ くりなどの課題についても、引き続き、調査・検討を進めていく必要がある。 3