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生活指向の情報サービス事業の成否と教訓
生活指 向の情報 サー ビス事業の成否 と教 訓 八 ツ 橋 武 明 Business Instructions Living-oriented from On-line Takeaki Recently on-line information the Present Information Status of Services Yatsuhasi services, such as data base services, have been growing favorably in the business area. But many challenges to those in the living area have'nt succeeded in many countries except in a few cases. At the beginning of this year, a certain business of this kind in Japan using a comparably large scale facsimile was obliged to stop its main services Conditions after two years' run. the living area seem to be fairly different important success that those conditions of business and comparison of living-oriented of conditions from those in the business for success are made clear. between information successful services network for the success in one, and it becomes In this paper instructions for are discussed by investigation cases and unsuccessful ones. は じめ に 情 報 化 社 会 の 進 展 が 主 張 され 、 ニ ュー メ デ ィ ア の 出現 が あ り、 わ れ わ れ が 自由 に情 報 を入 手 し、 か つ 利 用 で き る よ うに な る と言 わ れ て きた。 た しか に ビ ジネ ス分 野 で は その 様 なサ ー ビス は 様 々 に 成 長 しつ つ あ る。 しか し生 活 分 野 につ い て は 、 ニ ュー メデ ィ ア利 用 の 情 報 提 供 サ ー ビス事 業 は 必 ず し も思 わ し くは進 ん で い な い。 例 え ば キ ャプ テ ン の不 振 は相 変 わ らず 関 係 者 の頭 痛 の種 で あ る し、し最 近 オ ー プ ン した都 市 型 ケ ー ブ ル テ レ ビ は全 般 に停 滞:気味 で 、 さ ら に93年2月 向 の 情 報 サ ー ビ ス 提 供 事 業 を標 榜 した 大 和 運 輸 の 伝 言FAXの には生活指 サ ー ビス が 事 業 縮 小 に 追 い込 ま れ、 事 業 の 難 し さ を印 象 づ け た 。 しか し こ の様 な 停 滞 や 撤 退 が様 々 に あ りな が ら も、 この種 の サ ー ビ ス事 業 の 問 題 点 や 成 長 の た め の 条 件 等 の検 討 は あ ま り明 らか に は され て い な い。 そ こで 本 報 告 で は 、 停 滞 例 や 成 功 例 を見 な が ら、 こ の種 の サ ー ビ ス事 業 が 成 功 す るた め の 条 件 を考 察 す る。 1.先 行事 業 事 例 に見 る成 長 と停 滞 の構 図 生 活 指 向 の 情 報 サ ー ビ ス の代 表 例 は ビデ オ テ ッ クス(VTX)で あ り、1980年 代 の世 界 先 進 各 国 の 高 度 情 報 化 フ ィー バ ー の なか でサ ー ビス の 事 業 が 多数 生 ま れ た 。 しか しそ の後 の 展 開 で は、 そ の 殆 どが 停 止 な い しは停 滞 気 味 で あ り、 日本 の キ ャプ テ ン も停 滞例 の 一 つ とな っ て い る。 しか 一35一 し中 に は例 外 的 に サ ー ビ スが 活発 化 し、 成 長 して い る もの が あ る。 こ こで は 成 長 例 と して フ ラ ンス の テ レ テ ル 、 米 国 の プ ロデ ィ ジー を取 り上 げ 、 ま た停 滞 例 と し て 日本 の キ ャ プ テ ン を取 り上 げ 、 サ ー ビ ス を成 立 させ て い る構 造 を相 互 比 較 して 、 成 長 と停 滞 の 構 図 を整 理 す る。 なお そ れ ぞ れ の事 業 の概 略 の 経 緯 は別 の文 献(1.∼8.)に 委 ね る。 (1)情 報 サ ー ビス 事 業 の 成 立 の た め の 諸 要 因 一 般 に 生 活指 向 の 情 報 サ ー ビス の 提 供 に 関 連 して い るセ ク ター は様 々 に あ る。 情 報 サ ー ビ ス の デー タ ・ベ ー ス や 様 々 なサ ー ビス 実 現 の コ ン ピュ ー タ を運 転 ・維 持 す る情 報 セ ン ター 事 業 者 が そ の 中 心 で あ り、 情 報 セ ン ター に提 供/販 売 す る情 報 を登 録 す る 多種 のIP(lnfomationProvider) 事 業 者 、 情 報 セ ン ター と利 用 者 の 間 の 情 報 伝 送 を行 う電 気 通 信 事 業 者 、 利 用 者 が 使 う端 末 を生 産 /販 売 す る メー カ ー の 合 計 で4者 が 関 与 す る。 ま た電 気 通 信 事 業 は通 常 は 国 の 規 制 事 業 で あ るた め 、 行 政機 関 も しば しば 関 与 す る。 こ の4者 な い しは5者 の 協 力 で初 め て 情 報 サ ー ビス 事 業 が 成 立 す る と言 う複 雑 な関 係 が あ る。 利 用 者 は上 記 の 諸 セ クター の協 力 で作 られ た事 業 の土 俵 に 乗 っ て、 市 場 メ カニ ズ ム で サ ー ビス を利 用 す る こ とに な る。 利 用 して も い い が 、 利 用 しな くて も い い、 と言 う立 場 で あ る。 とこ ろ で 上 記 の 協 力 諸 セ ク ター の 中 で はIPも 利 用 者 と類 似 した 立 場 で あ る。 情 報 登 録 が メ リッ トを生 む な らIPは 情 報 セ ン ター に 情 報 を登 録 して もい い が 、 生 み そ う もな い な ら登 録 し な くて も い い 。 し たが っ て 利 用 者 とIPが 任 意 の 参 入 者 と見 る こ とが 出 来 る。 す る と情 報 セ ン タ ー 事 業 者 、 電 気 通 信 事 業 者 と行 政 機 関、 メー カ ー が 情 報 サ ー ビ ス の 土 俵 を作 り、IPと 利 用 者 が そ の 土 俵 の 上 で 踊 る、 と言 う よ うに 理 解 で き る。 大 勢 が 踊 って くれ れ ば サ ー ビ ス は 成 長 し、 そ うで な け れ ば サ ー ビス は停 滞 す る。 この様 に 見 て くる と、 土 俵 を作 る セ クタ ー が 踊 る条 件 を与 え る わ け で あ るか ら、 踊 る条 件 の善 し悪 しが 成 長 の 可 否 を決 め る と見 る の が 自然 で あ る。 そ こ で土 俵 を作 るセ ク ター が 与 え る条 件 と、 そ の結 果 と して 生 じる市 場 状 況 を分 け て 、 様 々 な相 互 関係 を整 理 す る と、 図1の 様 に な る。 表1 にIPと 利 用 者 へ の 条 件 の 概 略 を説 明 して い る。 図 の 概 略 は 次 の 様 に な っ て い る。 IPが 情 報 サ ー ビ ス事 業 に 参 入 し て 良 好 な業 績(利 発 の努 力(⑫)が 益)を 上 げ るに は、 相 応 した 情 報 ソ フ ト開 な さ れ ね ば な ら な い が 、 その 様 な努 力 集 中が 促 進 され る背 景 と して は 、 努 力 が 報 わ れ る仕 組 み が 必 要 で あ る。 そ の一 つ は 、 成 功 報 酬 的 な収 入 構 造(①)(情 的 事 業 で あ る)と 参 入 コ ス ト(②)(接 参 入 しや す い(⑦)仕 多 く(⑪)、 報 提 供 は ベ ン チ ャー 続 技 術 が 参 入 コス トを左 右 す る)が 低 く、 そ の 結 果IPが 組 み に な っ て お り、 さ らに 第 二 に 、 既 に 情 報 セ ン ター へ の 利 用 ア クセ スが 自分 が提 供 す る情 報 が 利 用 され る可 能 性 が 高 い こ とが 必 要 で あ る。 この 様 な状 況 下 でIPは 参 入 の努 力 を し、 そ の 結 果 情 報 セ ン ター に は 様 々 な 情 報 ソ フ トが 蓄 積(⑬)さ れ るこ と に な る。 と こ ろ で 情 報 セ ン ター へ の 利 用 ア クセ ス が 多 く(⑪)な る た め に は、 図1に 示 す よ うに 、3つ の状 況 が 生 まれ て い る こ とが 必 要 で あ る。 そ の一 つ は 利 用 者 の ア クセ ス の し易 さ(⑧)で この ため に は 端 末 の操 作 性 が 容 易(③)で 、 か つ 料 金 が 妥 当 な水 準(④)で あ る。 な け れ ば な ら な い。 また 第 二 に 、 情 報 セ ン ター に ア ク セ ス 可 能 な端 末 が 、 既 に 多 くの 利 用 者 に所 有(⑩)さ れて いな け れ ば な らな い。 さ らに 第 三 に、 情 報 セ ン ター に は 利 用 者 に と って 価 値 の あ る 多種 ・多 量 の 情 報 ソ フ トが 蓄 積(⑬)さ 次 に 端 末 総 数(⑩)が れ て い な け れ ば な ら な い。 多 くな る た め に は 、 毎 年 端 末 が 増 加(⑨)せ 一36一 ね ば な ら な い。 そ の た め に ⑬ 多 種 ・多 数 の 情 報 ソフト蓄 積 サービ ス ⑫IP参 入 努 力/ ⑪ 利用 ⑩ 端末 ソフト向 上 努 力 アクセス数 総数 ⑨端末数 市場状況 増加 ] ⑦IP参 入 ⑧ アクセスの し易 さ し易 さ 供 給 サイド に よ る利 用 条 件 ①収入 ②技術 構造 条件 ③操作 ④使用 容易性 ⑤端末 料水準 価格 ⑥ ネ ット ワー ク 整備 (利用 者 へ の 条 件) (IPへ の 条 件} 図1情 報 サ ー ビ ス の 成 長 を左 右 す る諸 要 因 一供 給 者 に よ る 利 用 条 件 と サ ー ビ ス市 場 の 状 況 一 表1情 項 報 サー ビ スの供 給者 によ る利 用条 件 目 内 容 (IP)へ の 条 件 ①収入構造 IPの 収 入(情 ②技術条件 IPが 陦報登 録や 課金 の 際に必要 とな る設備 の技術 報 料 等)の 仕 組 み やIPと し て の 参 加 の メ リ ッ ト (利用 者へ の条件) ③操作容易性 キ ー ボ ー ド操 作 、 案 内 の ソ フ トウ ェ ア 、 代 行 徴 収 等 の 操 作 性 と利 便 性 ④使用料水準 通 信 料 、 セ ン ター 利 用 料 な ど の使 用 料 ⑤端末価格 ア クセス に利 用 す る端 末価格 ⑥ ネ ッ トワ ー ク整 備 利 用 回線の有 無 、接続 可能 性 一37一 は 端 末 価 格(⑤)が 妥 当 な水 準 で、 か つ 端 末 接 続 をす る通 信 ネ ッ トワ ー ク(⑥)が な け れ ば な らず 、 さ らに利 用 者 に とっ て魅 力 的 な情 報 ソフ トが 用 意(⑬)さ 整備 されてい れ ていなけれ ばな ら ない。 この 様 に 見 て くる と、 市場 状 況 に あ る項 目 は どれ も、他 の 項 目へ の 原 因 で あ る と同 時 に結 果 で も あ る と言 う、 か な り複 雑 な 関 係 、 厂鶏 と卵 」 の 関 係 の 連 鎖 、 に あ る こ とが 分 か る。 し た が っ て 事 態 が 好 循 環 的 に 推 移 す れ ば 成 長 す るが 、 通 常 は そ の様 に は な りに く く、何 時 ま で も悪 循 環 的 に 停 滞 す る と言 う状 況 に な りや す い。 さ らに複 雑 さ を増 して い る点 は、 原 因 とそ の結 果 が 参 加 して い る どれ か の 一 つ の セ ク ター に は閉 じず 、全 部 セ クタ ー 間 に 跨 る状 況 とな る こ とで あ る。 こ の た め に 通 常 は 対 応 策 が 非 常 に 打 ちに く くな る。 この 様 な事 業 が 成 功 す るた め に は、 関連 セ ク ター の協 力体 制 を 強化 す る仕 組 み(例 え ば損 得 が 共 有 され る仕 組 み)と か 一 つ の セ クター が 幅 広 い範 囲 を手 が け る な どの体 制 面 の仕 組 み の工 夫 と、 「鶏 と卵 」 の 悪 循 環 を断 ち 切 る た め の事 業 の 戦 略 性 が 必 要 に な る。 この 戦 略 性 に よ って 最 初 の 立 ち上 が りが 確 保 され 、 次 の 発 展 の 基 礎 が作 られ る 必要 が あ る。 (2)テ レテ ル の 場 合 テ レ テ ル は1983年 に フ ラ ン ス が 電 子 電 話 帳 サ ー ビ ス を 中核 と し て ス ター トさせ たVTXサ ービ ス で あ り、 電 話 番 号 案 内 サ ー ビ ス の合 理 化 に留 ま らず 、 フ ラ ン ス の 情 報 通 信 産 業 戦 略 の 一 翼 を担 うテ レマ テ ィー ク事 業 の代 表 例 と して、 政 策 的 に 開始 され た。 そ して 現 在 で は電 子 電 話 帳 以外 に 、 レ ジ ャー ・ゲ ー ム 、 一 般 情 報 サ ー ビ ス、 生 活 実 用 サ ー ビス 、 電 子 メ ー ル 、 金 融 サ ー ビ ス、 専 門 家 向 け 情 報 サ ー ビ ス な ど、 様 々 な情 報 サ ー ビ スが 成 長 し、 加 入 者 数 は約600万 で 、 電 話 加 入 者 数(約 2500万)の 約30%に ま で 成 長 して い る。 この 様 に成 長 した 要 因 を図1に 示 した構 図 に した が って 以 下 に ま とめ る。 1.汎 用端 末大量無償貸 与 これ が も っ と も大 胆 な 戦 略 で あ っ た。 フ ラ ン ス 電 気 通 信 事 業 の独 占事 業 体 で あ る フ ラ ン ス ・テ レ コム が テ レ テル の事 業 者 で あ るが 、 フ ラ ン ス ・テ レ コム は電 子 電 話 帳 利 用 の促 進 の た め 、 電 話 帳 配 布 と引 き換 え に大 量 の テ レ テ ル用 端 末 ミニ テ ル を無償 貸 与 で 配布 した。 配布 数 は、30∼60万 台/年 程 度 の ペ ー ス で 、 現 在 ま で に500万 台程 度 配 布 さ れ た と見 られ る(⑨ 、 ⑩)。 市 場 メ カニ ズ ム に よ る端 末 普 及 で な く、 政 策 的 ・戦 略 的 に配 布 され た 点 が 最 も大 き く事 業 成 長 に貢 献 し、 効 果 的 で あ っ た と見 られ て い る。 調 達 価 格 は1,500フ ラ ン/台 の 水 準 と見 られ 、 相 当 な規 模 の初 期 投 資 が な され た 。 ま た 無 償 端 末 以 外 に 、100万 台程 度 の よ り高 機 能 の 端 末 が 市 場 で 購 入 さ れ(⑨)、 利 用 され て い る と見 られ る。 しか も ミニ テ ル 端 末 は、 日本 のNTTが 用 の 端 末 で あ るANGELNOTE(番 ほ ぼ 同 じ 目的 で25万 台 を無 償 貸 与 し た電 話 番 号 検 索 専 号 検 索 の み 利 用 可 能)と は 異 な り、 用 途 が 電 子 電 話 帳 検 索 に 限 定 され て い る わ け で は な く、 他 の テ レ テ ル ・サ ー ビ ス の全 て に ア クセ ス 出 来 る汎 用 性(③) を備 え、 また ア ク セ ス を促 進 し、 これ に よ り情 報 通 信 産 業 の育 成 を意 図 して い た。 II.全 国均 一 料 金 ネ ッ トワ7ク 整 備 ネ ッ トワ ー ク で は デ ー タ 通 信 の パ ケ ッ ト網 で あ るTRANSPACの た(⑥)こ 全 国 均 一 料 金 利 用 を実 現 し と。 こ の た め 遠 近 格 差 が な くな り、 ユ ー ザ ・メ リ ッ トの あ るア クセ ス法 と利 用 料 金 が 実 現 され た。 実 際 に フ ラ ン ス 国 内 の どのIPに ア ク セ ス して も、 通 信 料 は1時 制 料 金 を実 現 し て い る。 一38一 間400円 程 度 の 従 量 III.サ ー ビス料 徴 収 法整 備 キ オ ス ク方 式 の料 金 徴 収 法(日 本 の ダ イヤ ルQ2と 同様)を 初 期 か ら整 備 し、 サ ー ビ ス に係 わ る通 信 料 、 情 報 料 が キ ャ リア に代 行 徴 収 され 、IPと 利 用 者 の料 金 処 理 が 著 し く簡 単 化(①)さ れ 、 参 入/利 用 が 促 進 され た。 さ らに フ ラ ン ス ・テ レ コム は情 報 料 水 準 の低 いサ ー ビス(最 ピ ュ ラー)の もポ 場 合 は 代 行 徴 収 の 手 数 料 を取 らず 、IPへ の 還 元 を増 加 させ 、IPの 参 入 意 欲 を 高 め た。 電 気 通 信 が 装 置 産 業 で あ り、 市 内網 の稼 働 率 向上 が 収 益 性 改善 の 最 大 の課 題 で あ る こ と を考 え れ ば 、 新 規 通 信 需 要 を作 り出 すIPへ の 還 元 増 加 策 は、 通 信 事 業 者 とIPの 双 方 で の 利 益 の 共 有 と言 う相 乗 効 果 を もた らす もの で あ る。 1V.情 報 セ ン ター 開設 の 促 進 フ ラ ン ス ・テ レ コム は端 末 利 用 の主 目的 の 情 報 ソ フ ト と して、 電 子 電 話 帳 を用 意 した が 、 同 時 に 新 規IPの サ ー ビ スへ の 参 入 を促 進 す る た め 、 各IPが 独 自で 情 報 セ ン タ ー を開 設 し、 パ ケ ッ ト 網 のTRANSPACに 接 続 す る こ と を許 容 した 。 ま た そ こ で 採 用 した プ ロ トコル のX.25は 広 く普 及 し た一 般 的 なプ ロ トコル で あ る た め 、 セ ン ター 設 備 は 簡 単 化 ・低 価 格 化 が 可 能(②)で 、 これ に よ り多 くの 弱 小IPも 参 入 し、 工 夫 を こ ら した サ ー ビス が 実 現 され た。 また テ レ テ ル ・サ ー ビ ス は、 開業 後 に は事 業 者 が 意 図 し た デー タ ・べ 一 スや トラ ンザ ク シ ョ ンの サ ー ビ ス か ら、 ユ ー ザ 意 向 の 強 い コ ミュニ ケー シ ョ ン ・サ ー ビス へ 事 業 の ウ ェ イ トを大 き く変 え る こ とに な るが 、 そ の 様 な局 面 で のIPの 参 入 を促 進 し、事 業 の柔 軟 な 発 展 を促 進 す る もの とな っ た 。 以 上 の要 因 とサ ー ビ ス成 長 の 関 係 を、 好 循 環 的 プ ロ セ ス と して理 解 す る こ とが 出来 る。 す な わ ち 、 汎 用 端 末 を 多数 普 及(⑨ 、⑩)さ せ て 電 子 電 話 帳(情 進 した が 、 同 時 にIPの 参 入 も促 進 し、TRANSPAC経 フ トの 蓄 積(⑬)を 報 サ ー ビス の 一 つ)へ の ア クセ ス を促 由 で ア ク セ ス 可 能 な 多種 ・多様 な情 報 ソ 高 め 、 そ れ が ま た加 入 者 の 増 大 とIPの 参 入 を促 進 す る とい うプ ロ セ ス で あ る。 こ の様 に して テ レ テ ル ・サ ー ビ ス の成 長 が 実 現 した 。 な お 端 末 無償 配 布 の コス トは 、 様 々 な サ ー ビ スの 成 長 や 通 信 料 金 増 収 の 動 向か ら、 今 世 紀 中 に は キ ャ ン セ ル 出 来 る見 通 しに あ る と見 られ て い る。 ま た 電 子 電 話 帳 サ ー ビス も、 テ レ テ ル ・サ ー ビス の 普 及 が あ って は じめ て 多 く利 用 さ れ る もの とな っ た こ とを忘 れ る こ とは で き な い 。 (3)プ ロ デ ィジ ーの 場 合 プ ロデ ィ ジ ー(PRODIGY)と VTXサ は、1988年 か らIBMと シ ア ー ズ ・mバ ッ クが 共 同 で開 始 し た ー ビ ス で 、 多 くの事 業 が 失 敗 ・中止 に 至 っ た 米 国 の 中 で、 例 外 的 に 成 功 の途 を歩 み つ つ あ り、 現 在 登 録ID数 は約200万 に 上 る ほ どに 成 長 して い る。 情 報 サ ー ビ ス と して は、 ニ ュー ス、 ホー ム シ ョ ッ ピ ン グ、 レ ス トラ ンや ホ テ ル の ガ イ ド、 百 科 辞 典 、 株 価 、各 種 予 約 な ど、 広 範 に及 ん で い る。 この 様 に成 長 した要 因 を図1の 構 図 に した が って 以 下 に ま とめ る。 1.既 存 のPCを 端 末 に利 用 米 国 のPCは 約5000万 台 程 度 普 及 し て お り、 そ の 約85%はIBMな い しはIBMコ ンパ チ ブ ル で あ り、 そ の 他 が マ ッ キ ン トッ シュ で あ る。 この う ち20%程 度 に 通 信 機 能 が つ い て い る と見 られ る。 こ れ ら のPCと プ ロデ ィ ジー 用 の 通 信 ソ フ トで 情 報 セ ン ター に ア クセ ス 可 能 とし、 しか も キ ャ ン ペ ー ン と して 通 信 ソ フ ト無 料 配布 を行 うな ど、 ア ク セ ス 可 能 な端 末 を増大(⑨ 、 ⑩)さ せ た 。 こ の様 に 利 用 可 能 な端 末 が 多 く、 しか も種 類 が 少 な い た め に 、 サ ー ビス提 供 側 の 端 末 サ ポー トが 容 一39一 易 とな っ て い る。 II.通 信 ネ ッ トワ ー ク の 充 実 初 期 に は 大 都 市 に 限 定 して サ ー ビ ス 提 供 して い た が、VAN事 ほ ぼ全 米 を カバ ー す る様 に した(⑥)。 内電 話 料 金 の 定 額 制(④)と 業 者BTタ イ ム ネ ッ ト と提 携 し、 この た め ア クセ ス範 囲 が 非常 に 大 き くな っ た 。 こ れ が 市 相 俟 っ て 、 ア クセ ス数 の 増 大 を生 じて い る。 III.ヒ ュ ー マ ン イ ン タ フ ェー ス が特 に優 秀 で 操 作 容 易 NAPLPSの プ ロ ト コル に よ る画 像 情 報 サ ー ビ ス を して お り、 例 え ば 画 面 中 の フ ァ ン クシ ョ ン キー の マ ウ ス に よ る選 択 で サ ー ビ ス を選 択 す る こ とが 出来 る な ど、 通 常 で はPCを 使 い 難 い 層 も 取 り込 め る方 式 を実 現 し た。 ま たヘ ッ ドラ イ ンか らす ぐに関 連 す る よ り深 い情 報 へ 入 る こ とが 出 来 るな ど、 操 作 性 に 工 夫 が 凝 ら され て い る(③)。 ま た他 の文 字 デ ー タ ・べ 一 ス ・サ ー ビス と異 な り、 見 て 楽 しい静 止 画像 情 報 も多 くあ り、 こ れ が 利 用 者 の ア クセ ス を増 加 させ て い る と言 わ れ て い る。 N.市 内 電 話 が定 額 料 金 制 米 国 の 電 話 料 金 は近 距 離 の場 合 は 定額 制 が 多 く、 ネ ッ トワー ク利 用 が 気 軽 に行 え る。 また プ ロ デ ィ ジー の 料 金 も約10ド ル/月 V.コ の定 額 で 、 利 用 者 は 気 軽 に ア クセ ス す る(③)こ とが 出 来 る。 マ ー シ ャル の 開 発 と情 報 充 実 プ ロ デ ィ ジー の 情 報 セ ン ター は 、 テ レ テ ル の場 合 とは 異 な り、 サ ー ビ ス事 業 者 がIPを 兼 ね て 情 報 セ ン ター 事 業 を実 施 して い る。加 入 ・基 本 料 は あ るが 、 情 報 料 は基 本 的 に は ス ポ ン サ ー 収 入 で 賄 わ れ る。 通 常 は 画 面 の下 部 に数 行 の 広 告 を常 に 流 して い る。 この 部 分 は 画 面 の 情 報 部 分 と別 途 管理 され て お り、 利 用 者 の プ ロフ ィー ル と見 て い る情 報 ジ ャ ンル に よ り、視 聴 者 に合 っ た コマ ー シ ャル が 送 出 され る。 しか も この視 聴 者 リス トが ス ポ ン サ ー に 提 供 さ れ る。 この よ うに セ グ メ ン ト化 さ れ た新 コマ ー シ ャ ル を開 発 し、PRの 確 度 を高 め て ス ポ ン サ ー 収 入 を確 保 し、 それ を情 報 ソ フ トの 制 作 に 注 力 し、 品質 の 高 い 情 報 ソフ トを蓄 積(⑬)し て い る。 以 上 の 要 因 とサ ー ビ ス成 長 の 関 係 を、 テ レテ ル の場 合 と同 様 に、 好 循 環 的 プ ロ セ ス と し て理 解 す る こ とが 出 来 る。 す な わ ち 、 ソ フ トウ ェ ア ・エ ミュ レー シ ョン で 既 存PCを 端 末 化 し、 利 用 可 能 な 端 末 を 増 加(⑨ 、 ⑩)さ せ た 。 ま た き め の 細 か いPRの 仕 組 み で ス ポ ンサ ー を確 保 し、 多 種 ・多 数 の 情 報 ソ フ トの 制 作 と蓄 積(⑬)を 図 っ た 。 そ れ が 端 末 数 とア クセ ス 数 を増 加(⑨ ⑪)さ せ 、 さ らに ス ポ ン サ ー収 入 を増 加 させ て 、 情 報 ソフ トの 蓄 積 を増加(⑬)さ ロセ スで あ る。 この 様 に して プ ロデ ィ ジー の サ ー ビ ス の 成 長 が 実 現 さ れ て い る。 、 せ る とい うプ ただ し初 期 の段 階 で通 信 ソ フ トを配 布 し、 情 報 ソ フ トを蓄 積 し、 自律 的 好 循 環 の プ ロ セ ス に 必 要 な 水 準 ま で 端 末 数(ク tientCapita1)は5億 リテ ィ カ ル ・マ ス)と ドル と も6億 ア ク セ ス数 を増 加 させ る ため の初 期 投 資(Pa- ドル と も言 わ れ 、 非 常 に 巨額 な 投 資 を必 要 と して い る。 とす る とテ レ テ ル の 場 合 の 無償 端 末 貸 与 に相 当 す る の が 、 巨額 な初 期 投 資 で あ り、 そ の 基礎 の上 で 情 報 サ ー ビ ス事 業 が 動 き出 して い る と見 る こ と も出来 る。 (4)キ ャ プテ ンの 場 合 キ ャ プ テ ン は 日本 の ビデ オ テ ッ ク ス(VTX)サ ー ビ ス の代 表 例 で あ り、 「21世紀 に 向 け て の 情 報 化 社 会 実 現 の 先 兵 と して 、 全 国規 模 で 、 全 国 民 を対 象 と した 、新 た な情 報 通 信 サ ー ビ ス を実 現 す る」 こ と を 目的 に 、 郵 政 省 とNTTの 肝 い りで1984年 に商 用 サ ー ビ スが 開始 され た。 そ れ 以 後 1' 9年 を経 過 し、 様 々 な成 長 促 進 の ため の努 力 が な さ れ て きて い る が 、加 入 者 数(端 末 数)は 前 の 2例 と異 な り、 現 在 は約14万 程 度 に 留 ま り、停 滞 気 味 に あ る。 こ の様 な状 況 に あ る要 因 を以 下 に 見 て い く。 1.端 末 数 が 増 えず 情 報 ソ フ ト蓄 積 が 末 進 展 の 悪 循 環 ・ 当初20万 円程 度 で あ っ た キ ャ プ テ ン の ア ダ プ ター は、 現 在 は4万 円程 度 に な っ て い る。 一 昨年 か らパ ソ コ ン 通 信 で の ア クセ ス が 実 現 し、 端 末 コ ス トはPCと ン ・ソ フ トだ け(5千 末 のANGELNOTEに 円 ∼1万 円)に モ デ ム 所 有 者 な らエ ミュ レー シ ョ な って い る。 また25万 台が 無 償 貸 与 され た電 話番 号 検 索 端 エ ミュ レー シ ョ ン ・ソ フ トのICカ ー ドを付 け(約1万 円)て 端 末 と して 利 用 で き る よ うに な っ た。 様 々 な 努 力 が な され 、 そ の結 果 加 入 者 は若 干 は 増 加 しつ つ あ るが 、 順 調 と は言 い 難 い 。 キ ャ プ テ ン の サ ー ビ ス は、 当初 は 情 報 検 索 を主 体 と して 、 家 庭 向 き百 貨 店 的 に 「何 で も あ る」 サ ー ビ ス と して 企 画 され た が 、 「何 で もあ る」 サ ー ビス の 情 報 企 画 の 困 難 さが 明 白 とな り、 そ の 後 専 門特 化 型/パ ー ソナ ル 型 の 情 報 サ ー ビス が 指 向 さ れ て い る。 過 去 の 顕 著 な端 末 増加 例 は、 競 馬 サ ー ビ ス、 株 デ ィー リン グ ・サ ー ビ ス の 開 始 で、 そ れ ぞ れ 約1万 加 入 増 加 した と言 わ れ る。 こ の 点 で見 る と、 蓄 積 され て い る情 報 ソ フ トが 端 末 数 を決 め る、 と見 る こ とが 出来 る。 も し そ うな ら、 結 局 他 の メデ ィ ア に較 べ て 魅 力 あ る情 報 ソ フ トが蓄 積 され て い な い 、 と言 うこ とに な る。 ま た キ ャ プ テ ン は静 止 画 情 報 をサ ー ビ ス す る点 に特 徴 が あ るが 、 現 在 で は ネ ッ トワ ー ク機 能 を 活 用 し た デ ー タ 通 信 と して 、CUGの 受 発 注 や 予 約 業 務 な どへ の 利 用 が 伸 び つ つ あ る と言 わ れ て い る。 ま たIP数 や 登 録 画 画 数 も全 セ ン ター で は増 加 しつ つ あ る と言 わ れ、 漸 増 は 期 待 で き る。 しか し情 報 蓄 積 不 足 → 端 末 不 足 → 情 報 蓄 積 不 足 の 悪 循 環 を抜 け 出す ク リテ ィ カ ル ・マ ス の 状 態 へ の 到 達 は、 出 来 る と して も まだ 大分 授 業 料 が 必 要 と見 られ る。 II.成 長 に逆 行 す る初 期 路 線 キ ャプ テ ン の 経 緯 を辿 っ て み る と、 様 々 な 問 題 点 が見 え て くる。 初 期 段 階 の ムー ドの 高 揚 期 の 頃 、 ア ク セ ス 可 能 な端 末 を増 加 させ ね ば な ら な い の に ビデ オ テ ッ クス網 と キ ャ プ テ ン プ ロ トコル とい う 固有 技術 を使 うこ とに よ り、 接 続 可 能 な端 末 を増 加 させ る方 向 を コ ス ト的 に も技術 的 に も 誤 っ た こ とで あ る。 す な わ ち ネ ッ トワー ク ・サ ー ビ ス の 経 済 性 確 保 で最 も大 切 な ネ ッ トワ ー ク の 外 部 性 を殺 す 方 向 を選 ん だ こ とで あ る。 同 様 に ま た新 規IPが 参 入 す る に 際 して 、 独 自セ ン タ ー を持 て ば 高価 な画 像 変 換 設備 や 固 有 設 備 が 必 要 と な り、 中 央 の 情 報 セ ン ター に登 録 す れ ば 情 報 登 録 料 の 負 担 が 大 きい な ど、IPの 参 入 が 難 い/長 続 き し な い環 境 を作 って し まっ た こ と もあ る。 し たが っ て付 き合 い で参 入 した初 期 の IPに か わ る新 た なIPの 参 入 を促 進 す る こ とに難 しい 面 が あ っ た。 ま た コス トベ ー ス で設 定 され た 初 期 の端 末 価 格 な どは 、 現 時 点 で 見 れ ば 成 功 す る筈 の な い 状 況 を作 っ て い た とす ら言 うこ とが 出 来 る。 総 括 的 に み る とキ ャ プ テ ンは 関 係 者 の様 々 な努 力 に よ って 、 徐 々 に加 入 者 は増 加 しつ つ あ る と は 言 え、 ク リテ ィ カ ル ・マ ス 突 破 の 道 の りは 遠 そ うで あ る。 何 らか の 大 規模 な テ コ入 れ が 無 い と、 メデ ィ ア 間競 争 の 中 で生 き残 るの は難 しい か も しれ な い 。 同 じネ ッ トワー ク ・サ ー ビス で も、 急 速 に成 長 した ダ イ ヤ ルQ2や 伝 言 ダ イヤ ル と比較 す る と、 成 長 条 件 の 差 はか な り明確 で あ る。 こ れ ら のサ ー ビ ス で は、 端 末 は 既 に十 分 普 及 し、 日常 的 に 利 用 され て ユ ー ズ ウ ェ アが 出 来 て お り、 さ ら にIPが 参 入 し易 い条 件 が 揃 っ て い た 。 しか しキ ャプ テ ンの 場 合 に は 、0か 一41一 らの ス ター トで 端 末 とIPの 両 方 を増 や さ ね ば な らな い と言 う二 重 苦 に あ る。 世 界各 国 のVTXの 苦 戦は全部 この 種 の戦 略 性 が 欠 落 した タ イプ で あ り、勿 論 キ ャ プ テ ンだ け の 問題 で は な い 。 しか し今 後 の ネ ッ ト ワー クに よ る情 報 サ ー ビ スの た め の 多 くの 教 訓 を与 えて くれ て い る。 2.伝 フ ァ ク シ ミ リ(以 下FAX)を 言FAXの 事 業 に見 る成 長 と停 滞 の 構 図 利 用 した 情 報 サ ー ビス に は 生 活 指 向 と ビ ジ ネ ス 指 向 の 二 種 類 が あ る。 ビ ジ ネ ス指 向 で は、 大 手VAN会 社 のFAX網 あ るが 、 生 活 指 向 で は大 和 運 輸 の 伝 言FAXの に よ る商 品 カ タ ロ グサ ー ビス が その 代 表例 で 他 は 、 例 え ば ス キ ー 場 案 内 の様 なFAX端 リン グ機 能 を利 用 した情 報 サ ー ビ ス で あ る。 伝 言FAXは 末 のポー こ れ ら既 存 の サ ー ビ ス と較 べ る と、 最 大 規 模 の事 業 と して の 挑 戦 で あ る。 伝 言FAXの サ ー ビス は90年11月 に まず ス ター ト した。 最 初 は伝 言 の サ ー ビ スか ら始 め て い る が、 事 業 の 到 達 目標 は 「生 活 者 向 け の 情 報 交 換(パ ソ コ ン通 信 的)」 に 置 い て お り、FAXに 「情 報 の 必 要 な 人 へ の メー ル サ ー ビ ス」 と 「特 定 の 人 同 士 のFAXに が サ ー ビ ス の 基 本 的 な コ ン セ プ トで あ る。 な ぜFAXか よる よ る コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン」 と言 う点 につ い て は 、 誰 で も使 え る操 作 容 易 性 を重 視 し、 また今 後 の端 末 普 及 の 進 展 を予 想 した選 択 との こ とで あ る。 (1)サ ー ビス の 内 容 伝 言FAXが 提 供 し て い た サ ー ビ ス と料 金 を 表1に 示 す 。サ ー ビ ス に は3種 類 が あ る 。ま ず 「掲 示 板 サ ー ビ ス」 で あ るが 、 こ れ は セ ン ター の ホ ス ト ・コ ン ピ ュ ー タ に用 意 さ れ て い る記 憶用 の BOXにIP(伝 providerと 言FAXで は 情 報 提 供 者 をIP:InformationPitcherと 同 様)がFAX端 Catcherと 呼 ぶ)が 末 か ら 情 報 を 登 録 し 、IC(伝 そ のBOX番 号 を 使 っ てFAX端 「情 報 メ ニ ュ ー 」(注1)と 表1サ 料金 サ ー ビス BOX開 設料 掲 示板 10,000円/月 情報板 10,000円/月 伝言板 な し 言FAXで は 情 報 入 手 者 をIC:Information 末 に 蓄 積 情 報 を 出 力 させ る サ ー ビ ス で あ る。 広 告 や グ ル ー プ 間 の 連 絡 等 に 有 効 と 見 ら れ る 。IPは1カ 登 録 され て い る情 報 は ロ 乎ぶ 。 通 常 のIP:Information 月 契 約 でBOXを 言 う伝 言FAXの ー ビス の 種 類 と料 金(1992.7時 登録料 借 りて 情 報 を登 録 し、 告 知 雑 誌 でFAX所 点) 情報料 取 出料 IPの 負 担 ユー ザ負 担 3分 間 約130円 3分 間 約130円 (ダ イ ヤ ルQ2) (ダ イ ヤ ルQ2) 3分 間 約130円 3分 間 約240円 (ダ イ ヤ ルQ2) (ダ イ ヤ ルQ2) 3分 間 約130円 3分 間 約130円 (ダ イ ヤ ルQ2) (ダ イ ヤ ルQ2) 有 者 に伝 IPの 負 担 IPの 収 入 なし なし なし な し 1回100円 なし (注1)「 情 報 メ ニ ュ ー 」 情 報 メ ニ ュ ー とは、A4版40ペ ー ジ余 の サ イ ズ の 、 蓄 積 情 報 の 告 知 の た め の 雑 誌 で、 提 示 板 や 情 報 板 の サ ー ビ ス の ため に 登 録 され て い る情 報 の 内 容 とBOX番 所録 の 様 な もの で あ る。 毎 月1回60万 急 便 ドラ イ バ ー がFAX所 号 を記 載 して い る。PR付 き の住 部 印 刷 さ れ 、 コ ン ビ ニや 宅 急 便 荷 受 け所 に置 か れ た り、 宅 有 者 宅 に配 布 して い た。 一42一 ② 告 知 ・宣 伝 の 受 付 ③ 情 報 メニ ユ ー ⑤配布 ・1情報 メ ニ ユ ①B・X申 込 み ・鰍 ↓ 伝 言FAXセ ン ⑥ 取 り出 し →[亟}一 IP T→ 圃 →[FAX]→Ic ⑤蓄積 ④登録 ⑦情報料回収 ⑧情 報料支 払 い 情報料回収 図1情 報板 サー ビスの仕組 み え られ る。 ち な み に 「情 報 メ ニ ュ ー 」 は 毎 月約60万 部 が様 々 なル ー トを通 じて配 布 され て い た。 次 の 「情 報 板 サ ー ビ ス」 は 、 情 報 の 蓄 積 ・検 索 は 掲 示 板 と同 じ仕 組 み で あ るが 、ICは シス テ ム の 使 用 料 だ け で な く、 情 報 使 用 料 も伝 言FAXの 会 社 に支 払 い、 そ の結 果IPは 情 報 料 収 入 を得 る こ とが 出来 るサ ー ビ ス で あ る。 ホス ト ・コ ン ピ ュー タに 蓄 積 さ れ る情 報 は、 他 に 売 られ る ため に 用 意 され る情 報 で あ り、IPは 伝 言FAXの シ ス テ ム を使 っ て 情 報 提 供 ビ ジネ ス をす る こ とが 出 来 る。 こ の サ ー ビ ス の仕 組 を図1に 示 す 。 最 後 の 「伝 言 板 サ ー ビス 」 で は 、IPは 任 意 の 番 号 のBOXに に このBOX番 伝 え た い情 報 の 原 稿 を登 録 し、IC 号 を知 らせ 、ICは 情 報 を取 り 出す こ とが 出 来 る。 こ の 原稿 は前 の2つ の場 合 の 蓄 積 期 間1カ のサー ビス 月 とは 異 な り、24時 間 だ け 蓄 積 さ れ て お り、 こ の 間 な ら何 回 で も取 り出 す こ とが 出来 る 。 つ ま り1対1の 通 信 だ け で な く、1対 多 の通 信 に も利 用 す る こ とが 出来 る よ うに な って い る。 前 述 し た よ うに 、 伝 言 板 サ ー ビス は90年11月 に開 始 され 、 引 き続 き掲 示 板 サ ー ビス は91年4月 、 情報 板 サ ー ビス は 同 年11月 に 開 始 され 、 取 り あ えず は サ ー ビ ス対 象 を関 東 地 方 に 限定 し、 将 来 的 に は 地 域 を拡 大 す る こ とが考 え られ て い た。 IPの 登 録 料 やICの 情 報 使 用 料 の 回 収 の た め に は、 一 般 のFAX端 る場 合 に は ダ イヤ ルQ2が 使 用 され 、 ま た は 専 用FAX(大 末 か ら セ ン ター に ア クセ スす 和 運 輸 が 伝 言FAXサ の ため に コ ン ビニ エ ン スや 宅 急 便 荷 受 け所 に 設 置 した 延 べ5000台 のFAX端 ー ビ ス の販 売促 進 末)で セ ン ター に ア ク セ ス す る様 に な っ て い る。 ま た利 用 に 際 してICが 支 払 う料 金 は 次 の よ うに な っ て お り、IPの 情 報 料 収 入 は 約100円/B4で あ る。 ① 伝 言 板 サ ー ビ ス 入 出 力130円/B4(一 日のBOX貸 ② 掲 示 板 サ ー ビ ス 出 力130円/B41P情 報 料 収 入 無(月 単 位BOX貸 し+告 知 で(1万 円/月)) ③ 情 報 板 サ ー ビ ス 出 力240円/B41P情 報 料 収 入 有(月 単 位BOX貸 し+告 知 で(1万 円/月)) (2)シ し) ステムの構成 シス テ ム の概 略 構 成 を 図3に 示 す 。 ア クセ ス ポ イ ン トは 関 東 地 方9ケ 所 設 け られ て お り、 ネ ッ トワー クは ヤ マ ト運 輸 のVANの 専 用 回 線 を 強化(FAXは デ ー タ に較 べ て 容 量 が大 きい)し て 利 用 して い る。 セ ン ター の ホ ス ト ・コ ン ピュー タ に は この サ ー ビ ス の た め の 専 用 マ シ ン を用 意 して シ ス テ ム を構 築 して い る。BOX数 は最 大 数 は10万 で、 回 線数 は 一 般 第二 種 の 制 限 で500回 線 に し 一43一 て あ るが 、 最 大 で は15,000回 線 ま で可 能 と な っ て い る。 か な り大 が か りな セ ン ター の シ ス テ ム が 構 築 され て い る。 端 末 か らの ア クセ ス は 、 専 用FAX(コ 経 由(ア ン ビニ 、 大 和 運 輸 荷 受 所 設 置)か ク セ ス 管 理 機 能 を利 用)で め)で 、VANの 、 一 般FAX(家 庭 、 企 業)か ら は フ リー ダ イ ヤ ル ら は ダ イ ヤ ルQ2(課 金 の た ア クセ ス ・ポ イ ン トに接 続 し、 音 声 応 答 装 置 を経 て ホ ス ト ・コン ピュ ー タへ 接 続 し て い る。 ← 一 ア ク セ ス ・ポ イ ン トー一 一一 一→ INSネ ッ ト 公 ホス ト 音声応答装 置 衆 高 速 デ ィ ジ タル フ ァクシ ミリ 電 TDM TD 話 音声応答装 置 交換装置 専用 回線 コン ピュー タ TANDEM CYCLONE VLX 網 凾 フ リー ダ イ ヤ ル 蓄積 原稿 ダイヤ ルQ2 一 般FAX データ 図3伝 (3)普 言FAXの シ ス テ ム構 成 及促 進の方策 伝 言FAXの 利 用 の 普 及 促 進 の ため 、 以 下 の 方 策 が 採 られ た。 ① サ ー ビ ス 利 用 の 呼 び 水 と して、5000台 の 専 用FAXを 所 に 設 置 し、FAX利 関 東 地 方 の コ ン ビニ とヤ マ ト運 輸 荷 受 け 用 を促 進 す る と と もに 、 家 庭 で のFAX普 及 の 遅 れ をカ バ ー し よ う と し た。 ② 蓄 積 情 報 の 告 知 の た め の 厂情 報 メ ニ ュ ー 」 を毎 月 配布 。 現 在 は60万 部 で、 コ ン ビニ や 宅 急 便 荷 受 け所 、 そ の 他 大 和 運 輸 ドラ イバ ー が 家 庭FAX所 との こ と)し て お り、全FAX所 有 者 を調 べ て 配 布(10万 台 も発 見 して い る 有 者 へ の 配 布 を 目指 して い た。 ③IP募 集 の た め の 告 知 を新 聞 で2回/月 広 告 して い る。 毎 回700∼800件/回 の 反 響 有 り。 ま た テ レ ビ コマ ー シ ャ ル で も シ ス テ ム の告 知 を して い た 。 (4)利 用 状 況 と問題 点 開 業 後 約2年4ケ 月 を経 た93年2月 を縮 小 した が 、 そ の途 中 の 約2年 末 で掲 示 板 サ ー ビ ス と情 報 版 サ ー ビ ス を中 止 し、 サ ー ビ ス を経 過 し た段 階 、 サ ー ビ ス が揃 っ て約1年 の時点 では、利用状 況 は お お よ そ 次 の よ うに な っ て い た。 な お こ の 時 点 で も知 名 度 等 の 点 で は まだPR段 階 と され て いた。 ① 人 気 情 報 は 、 カー レー ス のF1情 報 、 ラ ジ オ の リス ナ ー サ ー ビス 、 タ レ ン ト情 報 、 ア ニ メ、 ゲ ー ム、 バ イ ク、 ギ ャ ン ブ ル(競 輪 、 競 馬 等)、 天 気 予 報 の 順 。 ② 登 録 され て い るBOX数 の2%程 は、 大 体2000程 度 で 推 移 し て い る。 最 大10万 の 能 力 で あ るか ら、 能 力 度 の 稼 働 状 況 で あ る。 II ③ ア クセ ス頻 度 は、F1の 情 報 サ ー ビ ス で は 最 大20万 コー ル/時 以 外 で は 多 い とき で2500コ ー ル/時 ④ 伝 言 板 の ア クセ ス は500件/日 間 とい うこ と もあ っ た が、 そ れ 間 の水 準 で あ る。 の水 準 に あ る。 内 容 は定 か で な い。 次 に 問 題 点 を ま とめ る。 伝 言FAXのF1情 報 が 大 当 た りし た と言 うの は、 こ の 業 界 で は よ く 知 られ て い る こ とで あ る。 また 産 地 情 報 の 紹 介 な ど、 地 味 な分 野 で も評 価 を獲 得 しつ つ あ り、 派 手 さ と地 味 な分 野 で成 果 を上 げ つ つ あ っ た が 、 問題 も多 くあ っ た様 で あ る。 ① シ ス テ ム の 利 用 度 数 が低 く、 採 算 性 が 悪 い 。 事 業 と して は 困難 。 全 体 の利 用 状 況 か らみ る と、 ア ク セ ス数 は 少 な い。 情 報 サ ー ビ ス の シ ス テ ム のペ イ ラ イ ン は定 か で な い が 、 登 録 され て い るBOXの 数 が キ ャパ シ テ ィ の2%の 水 準 に あ る と言 う点 で み て も、 採 算 性 は か な り厳 しい状 況 に あ っ た と見 られ る。 ② 知 名 度 は 高 い が 、 利 用 法 は あ ま り知 られ て い な い。 ③ ミニ コ ミ情 報 指 向 だ が、 この 方 式 の情 報 ニ ー ズ と告 知 法 が 捉 え きれ な い。 ④ メ デ ィ ア 間 競 争(パ ソ コ ン通 信 、新 聞 、放 送)へ の 対 応 や 、F1情 報 提供 では成功 したメデ ィ ア ミッ ク ス 的 対 応 法 が う ま く整 理 で きて い な い。 ⑤ 音 声 応 答 で の 操 作 指 示 は トラブ ル が 多 い。 成 功 と同数 の エ ラー ア クセ ス あ り、 回 線 占有 時 間 が 長 び く。 平 均120秒 。 従 っ て 多 い と きで は 音 声 応 答 装 置 ま で は5000コ ー ル/時 間 の ア ク セ ス が あ り、 半 数 き りア クセ ス に 成 功 し て い な い こ と とな る。 こ の誤 り率 は 改 善 可 能 だ が 、30%以 下 に す る の は 困 難 との こ とで 、 音 声 応 答 は シ ス テ ム運 用 上 の 基 本 的 な 問 題 を は らん で い る。 ⑥FAX普 及 台数 が 少 な い。 ⑦IPの 変 更 が 多 く、30%/3月 (5)伝 言FAXの の 割合 で 変 わ る。 た だ し20%/月 成 長 を左 右 す る諸 要 因 こ こ で は今 ま で述 べ て きた伝 言FAXに 1.利 で増 加 して い る。 関す る動 向 を、 図1に 示 した構 図 の 観 点 か ら整 理 す る。 用可能 な端末数 が少ない 情 報 提 供 の端 末 と してFAXへ 他 方 、FAXを の 期 待 が 高 い の は、 な ん と言 っ て もFAXの 利 用 の簡 便 性 に あ る。 一 般 消 費 者 む け の 情 報 提 供 に利 用 す るに 際 して の 最 大 の 問題 は、 一 般 家 庭 へ の普 及 率 の低 さ に あ る。FAXの 普 及 台数 は600万 台 程 度 だ が 、 殆 ど は事 業 所 端 末 で あ り、 家庭 用 の普 及 率 は低 い(⑨ 、 ⑩)。 そ の た め に サ ー ビス の 呼 び 水 効 果 を狙 っ て5000台 もの専 用 端 末 を事 業 者 が 配 布 して い るが 、 願 わ くば数 百 万 台 の家 庭 端 末 が存 在 して 欲 しい サ ー ビ ス環 境 に対 し、5000台 程 度 の 共 通 利 用 の 端 末 の 設 置 は 、 焼 け 石 に水 的 な面 が あ る。 II.蓄 積 す べ き情 報 ソ フ トが 不 明 FAX端 末 不 足 の 問 題 は 、 さ らに 重 要 な 問 題 を引 き起 こす 。 そ れ はIPが 情 報 提 供 を ビ ジネ ス と し て参 入 す る 市 場 と して 見 た場 合 の 魅 力 の 低 さ で あ る。 端 末 が 少 な い 情 報 サ ー ビス 市 場 に は、 IPが 本 格 的 な参 入 努 力 をす る魅 力 が 存 在 し な い(⑫)。 来 る情 報 が 蓄 積 さ れ ず(⑬)、 る。 伝 言FAXの この ため 利 用 者 に 魅 力 を与 え る こ との 出 必 然 的 に サ ー ビ ス事 業 者 は情報 ニ ー ズ の 開 拓 に苦 労 す る こ とに な 場 合 、 情 報 ニ ー ズ が 不 確 定 で あ る こ とは、 事 業 者 に とっ て は一 貫 し て 問題 で あ った よ うで あ る。 F1関 連 の 情 報 サ ー ビス は 、 サ ー ビ ス事 業 者 が 人脈 発 掘 を行 い 、 情 報 提 供 の企 画 を支 援 して実 現 し た もの で あ っ た。 この サ ー ビ ス は一 時 的 に は大 当 りを し、 他 の 情 報 サ ー ビス事 業 者 の 関 心 を 呼 ん だ もの で あ っ た。 しか し大 当 りを した分 、 利 用 層 は相 当 に大 きい もの で あ っ た た め 、 マ ス メ 一45一 デ ィ ア(テ レ ビ)の 放 送 の タ イ ミン グで 情 報 サ ー ビス の 成 否 が 決 ま る と い う側 面 が 強 か っ た 。 テ レ ビ放 送 が 強 化 され る に つ れ て 、伝 言FAXの ウ エ イ トは低 下 した よ うで あ る。 そ の 点 で は 、 マ ス メデ ィ ア に適 す る情 報 で あ る よ うに 対 象 層 規 模 が 成 長 して し ま った と、見 る こ とが で き る。 他 方 利 用 層 が 小 さい 方 は 、 全 般 的 に は ミニ コ ミ指 向 で あ り、 そ れ 故 に 事 業 者 に は 情 報 ニ ー ズ は 不 確 定 で 、 事 業 者 が 情 報 ニ ー ズ を把 握 し、 情 報 企 画 を も って 情 報 の 維 持 ・更 新 を図 るの は 本 来 的 に 困難 で あ る。 情 報 ニ ー ズ は調 査 を掛 け て も把 握 困 難 で(実 際 多数 行 わ れ て 、 結 局 は 把 握 出 来 な い との 結 論)、 結 局 は この ニ ー ズ開 拓 は 、 事 業 者 で は な く、 専 門 のIPの 参 入 に 委 ね る他 は な か っ た。 こ の様 に、 情 報 ニ ー ズの 見 極 め努 力 をサ ー ビス に 自律 的 に組 み 込 む こ とが 出 来 な い と言 う点 は、 ビ ジネ ス成 否 の根 幹 に係 わ る問題 が 存 在 して い る こ とを意 味 して い る。 また 同 時 に、F1情 報 に代 っ て サ ー ビ ス の 呼 び水 とな る情 報 ソ フ トをサ ー ビス 事 業 者 が 用 意 で きなか っ た と言 う こ とも で き る。 この 様 な情 報 ニ ー ズの 不 確 定 さが あ る の で 、 情 報 料 込 み の コ ス ト負 担 水 準 約200円/枚 が料 金 と して は 高 い(④)と い う問 題 が 、 時 と して は 派 生 して い る よ う で あ る。 III.適 切 な 情 報 告 知 法 が 不 明 利 用 者 に よ る操 作 の容 易 性(③)に 関 す る問 題 は情報 告 知 法 で あ る。 伝 言FAXで は 「情 報 メ ニ ュー 」 の 番 号 を用 い て 検 索 をす るが 、 こ れ が 可 能 なの は皮 肉 に も蓄 積 情 報 が 少 な い た め で あ る。 蓄 積 情 報 が 多 くな っ た と きに は この 方 法 で は 難 しい 。 いず れ本 格 期 の 情 報 告 知 法 が 必 要 で あ る。 新 聞広 告 や 専 門雑 誌 、 ミニ コ ミ雑 誌 な ど に よ る番 号 告 知 の様 な 、 メデ ィ ア ミッ ク ス的 な 告 知 法 が 有 効 で あ ろ うが 、 そ の 場 合 に は情 報 告 知 はIPの 責 任 で行 われ るこ と と な る。 また 「情 報 メ ニ ュ ー 」 の様 な告 知 で は ア クセ ス が 増 加 しな い との 話 を他 の 同 業 事 業 者 か ら聞 い て い る。 も しそ うな ら、 利 用 者 は 同 一 番 号 に 反 復 的 に ア クセ ス して 利 用 す る傾 向が 強 い と言 う こ とで あ る。 現 在 のFAXは 検 索 に は 不 向 き な の で 、 そ の様 な使 い 方 は 十 分 あ り得 る こ とで あ る。 この場 合 に は 、最 初 の ア クセ ス を どの 様 に促 進 す るか 、 そ の 告 知 法 が 特 に 重 要 に な る。 テ レ ビの 広 告 を見 て 伝 言FAXを 知 っ て は い る が 利 用 し た こ とは な い 大 部 分 の 人 々 、 さ らに伝 言FAXに 掲 示 板 サ ー ビ スや 情 報 板 サ ー ビス が あ る こ と を知 ら な い 人 々 を利 用 に ま で 導 くため の告 知 法 が 最 大 の 問題 で あ る。 N.音 声 応 答 に よ る誤 操 作 の 発 生 FAXの 操 作 簡 単 性 が 裏 目 に 出 て 、 音 声 応 答 の 誤 操 作 が 多 く発 生 して い る点 が 、 操 作 容 易 性 の 問題 で あ る 。 将 来 的 に は デ ィス プ レー に よ る操 作 指 示 併 用 な ど、 誤 り率 を減 らす こ とが 出来 よ う が 、 現 段 階 で の 対 応 は 困難 で あ る。 誤 操 作 は 半 減 ま で の 改善 は可 能 だ が 、 そ れ 以上 は 困 難 と見 ら れ て お り、FAXに よ る情 報 サ ー ビ スの 抱 え る問 題 と して 配慮 す る必 要 が あ る。 結 局 の と こ ろ伝 言FAXは 要 基 盤 の1つ 、 サ ー ビ ス事 業 者 の 相 当 な努 力 に もか か わ らず 、 情 報 サ ー ビ ス の 重 で あ る家 庭 用FAXの 不 足 が 効 い て、 事 業 と し て の 成 長 軌 道 を 辿 る こ とが 困 難 な状 況 に追 い 込 まれ た、 と見 る こ とが で き る。 事 業 者 自 身 が 「家 庭 用FAX端 末 は も っ と普 及 す る と 予 想 し て い た 」 と して い た よ うに、 当 然 この こ との 重大 性 を十 分 に 認 識 して い た よ うで あ る。 とこ ろ でFAX型 報 の 更 新 性(リ 情 報 サ ー ビス の 強 み は、 セ ン タ ー ・ツ ー ・エ ン ド ・サ ー ビス の 強 み で あ る情 ア ル タイ ム 性)と 対 象 層 の 限 定 可 能 性 、 それ にハ ー ドコ ピー で 提 供 され る こ とに よ る情 報 の 蓄 積 性 で あ る。他 方 、 情 報 内容 か ら競 合 す る代 替 手 段 を見 る と、 大 手 の マ ス メデ ィ ア よ り専 門性 を持 っ た新 聞 ・雑 誌 類 が該 当 す る。 そ れ な りの利 用 度 を確 保 して い るサ ー ビス を見 る 一46一 と、例 え ばF1や ラ ジ オ リスナ ー サ ー ビ ス、 タ レ ン ト情 報 な ど で は 、上 述 し たFAX型 情報 サー ビ ス の競 合 手 段 に対 す る強 み の 傾 向 が あ る様 に 見 え る。 こ れ らの サ ー ビ ス は 、上 述 し た端 末 不 足 の状 況 に もか か わ らず 、 それ な りの 利 用 度 を確 保 した とい う点 、 す な わ ち適 切 な情 報 ソフ トが ア クセ ス を増 加 させ る、 と言 うこ と を証 明 して い る。 した が っ て事 業 と して 見 た 場 合 に は、 加 入 者(端 末)不 くい場 合 に は 、 サ ー ビス事 業 者 が 加 入 者(端 末)を な い こ と を意 味 して い る。伝 言FAXで 足 でIPの 前 向 き の参 入 が 見 込 ま れ に 増 や す た め の 情 報 ソ フ トの 企 画 をせ ね ば な ら は サ ー ビス 事 業 者 は こ の 点 に大 分 苦 労 して い た よ うで あ る が、 一 般 に 成 長 初 期 段 階 の サ ー ビ ス を展 開 し よ う とす る事 業 者 に は 、 こ の 問題 を突 破 す る た め の確 度 の 高 い 戦 略 と、 そ れ を遂 行 す る初 期 投 資 が 必 要 に な る と見 るの が 妥 当 で あ る。 利 用 者 は コ ス ト負 担 が あ っ た と して も、 情 報 ソ フ トを求 め て 端 末 を買 い、 な い しは加 入 者 に な るの で あ る。 こ の点 で は 、 ハ ー ド(端 末)が 先 か ソフ トが 先 か との 提 起 に は、 ソ フ トが 先 と言 う答 え に な る。 情 報 ソ フ トに よ っ て加 入 者(端 末)を 増加 させ る戦 略 が 必 要 な の で あ る。 非 常 に厳 し い課 題 で あ るが 、 この種 の 戦 略 性 の 欠 如 が 、 伝 言FAXの 3.情 こ こ まで で4例 最 大 の 問 題 で は なか っ た か と思 わ れ る。 報 サ ー ビ ス 事 業 に お け る戦 略 性 の 情報 サ ー ビ ス の成 否 の 要 因 を見 て き た。 個 々 の 場 合 につ い て サ ー ビ ス の成 否 にか か わ る要 因 は様 々 に あ るが 、 共 通 して 最 も大 き い問 題 は、 図1に お け るサー ビス 市 場 状 況 の 好 循 環 の成 長 を実 現 させ る方 法 に あ る と考 え られ る。 結 果 的 に は端 末 数 が 増 加(⑨)し 多様 な情 報 ソ フ トの蓄 積(⑬)が 、 多種 ・ 進 展 す る こ とで あ り、 これ を どの 様 に 進 め た か に 、事 業 の成 否 が あ る と考 え られ る。 そ こ で、 今 ま で述 べ て き た4例 につ い て 、 情 報 サ ー ビ ス事 業 者 に よ る情 報 ソフ トと端 末 へ の対 応 を表3に ま とめ る。 テ レ テ ル の場 合 は、 多 くの 端 末 の 配 布 とIPの 参 入促 進 を行 い、 利 用 者 か ら の ア クセ ス を促 進 して い る。 プ ロ デ ィ ジー の場 合 に は、 情 報 ソ フ トを準 備 し、 か つ エ ミュ レー シ ョ ン ・ソ フ トを配 布 して、 ア ク セ ス を促 進 して い る。 しか し キ ャプ テ ン と伝 言FAXの ア ク セ ス を促 進 す る方 策 は 殆 どな い。 伝 言FAXの 場 合 は、 専 用 端 末 設 置 も有 効 性 とい う点 で は 疑 問 が 残 る。 こ の点 に 前 二 者 と後 二 者 の 大 きい相 違 が あ る。 前 二 者 は、 そ れ な りの 規 模 の サ ー ビ ス事 業 と し て の 成 長 を 目指 す な ら(趣 味 グ ル ー プ 的 な小 規 模 水 準 の 情 報 交 換 ・サ ー ビス で な い な ら)、 情 報 ソ フ ト準 備 と端 末 準 備 に お い て、 ア クセ ス をそ れ な りの水 準 まで 持 って 行 くた め の初 期 投 資 と 戦 略 が 必 要 とな る こ と を示 して い る。 表3各 事業 にお ける情 報 ソフ トと端末へ の対 応 テ レテル 情報 ソフ ト準備 端末準備 エ ミュ レー シ ョン プ ロデ ィジー キャプ テ ン ○電子 電話帳 呼 び水 的準 備 ○全部事業者 が準備 一 全 部IPが 準 備 ○無償配布 一端 末 準備 一端末 準備 無し ○ ソフ ト無償 配布 ム ソフ ト無償 配布 PC利 用 可能 PC利 用 可能 無し 伝 言FAX 一IPが 準 備 △共 同利 用端末 5000台 準備 一最近 有償 販売 一該 当 しな い 最 近PCが 利 用 可 能化 通常 のFAX利 可能 ソフ ト配 布 別 目的 の端末 の利 用可 能性 一47一 用 現 在 の 情 報 ニ ー ズ は最 大 公 約 数 的 と言 う よ り、 セ グ メ ン ト化 さ れ た 専 門分 野 の 情 報 に あ る と見 ら れ て お り、 専 門情 報 の サ ー ビ スが 自律 的 事 業 と して 成 立 す る た め に は 、 多 くの 利 用 者(端 末)を 必 要 と して い る。 こ れ は 今 ま で も述 べ て き た こ とで あ る。 こ の 時 点 に一 気 に到 達 す る こ とは 不 可 能 で あ る が 故 に、 どの 情 報 サ ー ビス で どれ だ け の 利 用 者(端 末)を 確 保 す るか 、 次 の 別 の サ ー ビ ス で さ らに どれ だ け の 利 用 者 を確 保 す るか 、 と言 う見 通 しが 必要 に な る。 こ の様 な 個 々 の規 模 の 経 済 性 と、 さ らに複 数 サ ー ビ ス を含 ん だ 範 囲 の 経 済 性 の 実 現 が 、 情 報 サ ー ビス事 業 の 自律 的 成 長 を可 能 にす る と考 え られ る。 こ の水 準 の 利 用 者(端 末)数 が ク リテ ィ カ ル ・マ ス と呼 ば れ て い る 量 で あ る。 しか し この 実 現 は一 筋 縄 で は行 か ず 、 この ため に事 業 展 開 の戦 略性 が 必 要 に な る。 そ こ ま で関 与 しな け れ ば 、 情 報 サ ー ビス事 業 の成 長 を実 現 す る こ と は 出来 な い 、 と言 うこ とで あ る。 ま た そ の利 用 者 を確 保 す る鍵 は、 初 期 段 階 で は 明 らか に事 業 者 が 用 意 す る情 報 ソ フ トで あ り、 さ らに はIPが 参 入 しや す くな る よ うな 仕 組 で あ る。 それ が 上 述 し た成 否 の 差 と な っ て い る、 と見 る こ と も出 来 よ う。 おわ りに 昨 年 秋 に伝 言FAXの サ ー ビ ス の 話 を 聞 く機 会 を持 っ て 、 そ の 後 の 成 長 を期 待 して い た が 、 残 念 なが ら今 年 の3月 か らのサ ー ビス の 縮 小 に 追 い 込 ま れ た 、 と言 う話 を後 に な って 耳 に し た。 こ の分 野 に 関 心 の あ る もの に とっ て は 、 こ の種 の サ ー ビ ス は何 とか 成 長 して 貰 い た い と常 々 期 待 し て い るが 、 そ の様 に行 か な い例 が 出 る の は残 念 な こ とで あ る。 そ こ で今 回 は 、 今 後 の情 報 サ ー ビ ス事 業 の 円 滑 な発 展 、 な い しは この 種 の議 論 の 活 発 化 を期 待 して 、 しば ら く考 え て い た こ とを ま とめ る こ と に した 。今 後 まだ沢 山 の サ ー ビス事 業 が 現 れ て 来 る こ とで あ ろ う し、 こ の研 究 領 域 は 未 知 の こ とが 多 い 。 先 輩 諸 兄 の ご教 示 を期 待 し た い。 最 後 に 関 係 者 の 情 報 収 集 へ の ご協 力 に謝 意 を表 し ます 。 参考 文献 1.白 崎 光 男(訳)「 フ ラ ン ス の 電 子 電 話 帳 サ ー ビス ー ビ デ オ テ ッ ク ス成 功 の 牽 引 車 一 」 海 外 電 気 通 信1986.9P.5∼16 2.白 崎 光 男(訳)「 順 調 に 成 長 を 続 け る フ ラ ン ス の テ レ テ ル ・サ ー ビ ス 」 海 外 電 気 通 信1986.10P.5∼17 3.小 4.服 林 宏 一(訳)「 フ ラ ン ス に お け る ビ デ オ テ ッ クス の 変 容 」 海 外 電 気 通 信1988.1P.33∼47 部 ま や(訳)「 テ レ テ ル:新 し い 波 」 海 外 電 気 通 信1989.2P.33∼44 5.「 プ ロ デ ィ ジ ー の 進 展 状 況 」 情 報 化 研 究1989.6.12P.4 6.「 プ ロ デ ィ ジ ー 社 の ビ デ オ テ ッ ク ス 本 格 化 」 情 報 化 研 究1989.10.09P.6 7.青 柳 武彦 「商 用 サ ー ビ ス か ら5年 見 違 え るほ ど変 貌 した キ ャプ テ ン の現 在 」 ニ ュ ー メ デ ィ ア1989.9P.28∼29 8.入 ッ橋 武 明 他 「電 子 情 報 通 信 サ ー ビ ス の 展 望 に 関 す る 調 査 研 究 報 告 書 」1990.12 電 子 情 報 通 信 サ ー ビ ス 研 究 会(事 務 局:(財)未 一48一 来 工 学 研 究 所)P.29∼55