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情報通信ネットワーク

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情報通信ネットワーク
危機管理情報特論
情報通信ネットワーク
2009年11月2日
1
講義内容
1.
情報通信ネットワークの動向
•
•
情報通信ネットワークの発展
情報通信ネットワークの最近のトレンド
•
•
•
2.
3.
クラウドコンピューティング
NGN(Next Generation Network)
光通信技術の進展によるブロードバンド化
情報通信ネットワークの基本構造とそのしくみ
音声を伝える情報通信ネットワーク
•
•
4.
電話網
携帯電話網
データを伝える情報通信ネットワーク
•
•
コンピュータネットワーク; LANとインターネット
IP電話
2
情報通信ネットワークの発展
3
情報通信ネットワークの発展
• 当初の目的(電気通信)
– 音声情報の長距離大容量伝送を経済的に実現する音声通信。
• コンピュータの発展(情報通信)
– 音声以外の情報を取り扱うデータ通信。
• 現在
– セキュリティ、帯域保証、QoS(Quality of Service)に基づいたサービスを提供。
→NGN(New Generation Network)※
※NGNとは、Fixed Mobile Convergence (FMC) と呼ばれる固定・移動体通信を統合し、ト
リプルプレイ(Triple Play)と呼ばれる、電話・データ通信・ストリーミング放送の融合し
たマルチメディアサービスを実現する、IP(Internet Protocol:インターネットプロトコル)
技術を利用する次世代電話網。
情報通信ネットワークは、ブロードバンド・ユビキタス社会のインフラストラクチャ
※ブロードバンドとは、「広帯域の」という意味。通信できる帯域をブロード化した場合、送受信でき
るデータ量は激増する。 ユビキタスとは、「(同時に)いたる所にある、遍在する」という意である。
例えば、携帯電話は、身につけて、移動する先々で、どこでも電話機があるということ。
4
日本の情報通信サービスの変遷
4730万
(2009年3月末)
1億963万
(2009年9月末)
1118万
(2009年3月末)
1501万
(2009年3月末)
電話網の
デジタル化
1988
1993
第2世代
携帯電話
サービス
5
デジタル革命とIT革命
•
デジタル革命:情報の蓄積、処理、転送が、ディジタル情報で統合化
– デジタル化の効用
• 低精度、汎用部品の利用
• 設計、製造、調整の簡便性
• 量産化
– 技術的背景
•
•
•
•
•
•
情報蓄積技術:高密度大容量記憶の実現(半導体メモリ、CD-ROM、DVD、HD)
情報処理/転送技術:コンピュータの小型化、高性能化、高機能化(CPU)
情報圧縮技術:JPEG、MPEG、MP3
情報伝送技術:広帯域、低損失、無誘導性を有する光ファイバの出現
半導体技術:LSI
IT( Information Technology )革命:コンピュータやインターネットを始めとする
情報技術の発展・普及に伴う、社会の急激な変化。経済活動、産業構造、行
政から、個人のライフスタイルまで、その影響範囲は多岐に渡る。パソコン、イ
ンターネット、携帯電話の爆発的な普及により、コミュニケーションの多様化、
電子商取引や新しい情報メディア等が広がっている。
– 例えば、
•
•
•
•
自宅に居ながらにしてショッピングや商売が出来る。
現金が要らなくなる。
本、新聞、音楽や映像が情報端末で手軽にどこでも利用できる。
携帯電話を使って外出先から家電の操作ができる。
6
ネットワークを流れるコンテンツの変化
• 情報通信ネットワークを流れるコンテンツの変化により、情報
通信ネットワークを支える主流技術が大きく変化。
アナログ
デジタル
音声通信
データ通信
インターネットプロトコル(IP)を
中心としたネットワーク
電話ネットワーク
回線交換
(コネクション型)
パケット交換
(コネクションレス型)
(コネクション型)
ギャランティ型サービス
(通信速度は保証)
ベストエフォート型サービス
(通信速度はネットワークの状況次第)
・電子メール
・電話サービス
・Web閲覧
Voice over IP (VoIP)技術
・IP電話(インターネット電話)
7
回線容量と利用可能なコンテンツ
ブロードバンド
8
情報通信ネットワークの構成
•
•
アクセスネットワークのブロードバンド化によって、コアネットワークにおける伝
送容量の大容量化が必要。
通信事業者の局舎には、伝送装置、交換機、サーバ等が収容されている。
光基幹中継網
光ファイバ
コア
ネットワーク
地域網
光ファイバ
光ファイバ
メタル
光ファイバ
通信事業者の局舎
アクセス
ネットワーク
9
日本の光基幹中継網
10
国際海底光通信網
TAT-14
JP-US
PC-1
TAT-12/13
FLAG-ATLANTIC
CH-US
FLAG
AC-1
GEMINI
TPC-5
GUAM-PHILIPPINE
SEA-ME-WE3
SOUTHERN CROSS
APCN
* Including the planing routs
11
(参考)国際海底WDM伝送システム
Cable name
Capacity
Total extension
Service start
Landing country/region
TPC-5CN
10Gbit/s
(5Gx2sys.)
25,000Km
December, 1996
Japan, the United States, Guam
APCN
10Gbit/s
(5Gx2sys.)
15,000Km
December, 1996
Japan, Taiwan, Korea, Philippines, Singapore, Malaysia, Thailand,
Indonesia
FLAG
10Gbit/s
(5Gx2sys.)
27,000Km
January, 1998
SEA-ME-WE-3
20Gbit/s
(2.5Gx4chx2sys.)
(extended to 40Gbit/s.)
33,000Km
March, 1999
Japan, Korea, China, Taiwan, Hong Kong, Macao, Philippines, Brunei, Vietnam,
Singapore, Malaysia, Indonesia, Australia, Thailand, Myanmar, Sri Lanka, India,
Pakistan, United Arab Emirates, Oman, Djibouti, Saudi Arabia, Egypt, Turkey,
Cyprus, Greek, Italy, Morocco, Portugal, France, England, Belgium, Germany
China-US
80Gbit/s
(2.5Gx8chx4sys.)
30,000Km
End of 1999
China, Japan, the United States, Guam, Taiwan, Korea
PC-1
160Gbit/s
(10Gx4chx4sys)
21,000Km
End of 1999
Japan, the United States
JAPANUSCableNetwork
80Gbit/s
(extended to 640Gbit/s)
22,000Km
1st-Q, 2000
Japan, the United States
TAT-14
640Gb/s
(10Gx16chx4sys.)
15,300Km
October, 2000
FLAG-Atlantic
160Gbit/s
(extended to 1.28Tbit/s)
12,500Km
1st-Q, 2001
AAG
1.92Tbps
(10Gbps x 96 x 2sys)
20,000km
2008
TPE
5.12Tbps
(10Gbps x 64 x 8sys)
18,000km
China-US:2008
October
Japan-US:計画中
Unity
7.68Tbps
(10Gbps x 96 x 8sys)
10,000km
2010予定
Japan, Korea, China, Hong Kong, Thailand, Malaysia, India,
United Arab Emirates, Jordan, Egypt, Italy, Spain, England"
the United States, Denmark, Germany, Netherlands, France, England
the United States, France, England
the United States, Guam, Hawaii, Philippines, Singapore, Malaysia, Thailand,
Hong-Kong, Viet Nam, Brunei
China, Japan, the United States, Taiwan, Korea
Japan, the United States
12
光ファイバ伝送技術
• 光ファイバ伝送技術とは
– マイクロ波(1010Hz)より高い周波数の電磁波であるコヒーレント光(1015Hz)
を用いて、大容量の情報を光ファイバで長距離伝送できる技術。
• 1970年に技術的ブレークスルー:新しい光源と伝送媒体の登場。
– Bell研(米)で、GaAlAs/GaAs結晶を用いた波長0.85mの半導体レーザの
室温連続発振。
– コーニング社(米)で、CVD法により、光ファイバの低損失化(20dB/km)に
見通し。
• 光ファイバ伝送が発展した技術的要因
– 高出力、狭スペクトル線幅の連続光を常温で発振し、高速変調が可能な小
型で使いやすい半導体レーザが開発。
– 広帯域性(~20THz)、低損失性(~0.2dB/[email protected]m)、無誘導性、軽量
(~30g/km)、細径(~125m)、可とう性(最小曲率半径2mm)、機械的強度、
無漏話、耐腐食性などの優れた伝送媒体である光ファイバの開発。
13
光ファイバ伝送システム
•
現在、商用化されている光ファイバ伝送システムでは、光強度変調-直接検
波(IM-DD:Intensity Modulation-Direct Detection)方式が採用。
光ファイバ
光ファイバ
光源
送信装置
中継装置
受光
素子
多重
変換
回路
電気信号
電気信号
多重
変換
回路
受信装置
光ファイバの非線形性
による送信光出力制限
送信光出力
中継利得
光レベル
受光レベル
中継間隔
最小受光レベル
伝送距離
光ファイバ伝送システムの基本構成と光レベルダイヤ
14
光ファイバ伝送技術の進展
2000年
1990年
1980年
2010年
大容量化による伝送コストの低減
100Mbps
2.4Gbps
10Gbps
40Gbps
Key technology
光ファイバ増幅器
分散シフトファイバ
シングルモードファイバ
テラビット伝送
時分割多重伝送技術
波長多重伝送技術
マルチモードファイバ
15
時分割多重(TDM)の原理
T
Ch.1
Ch.2
T
Δt
Ch.3
Ch.4
多重変換回路
16
波長多重 (WDM)の原理
波長多重回路
17
各種通信サービスとアクセスネットワーク
情報通信ネットワークが提供するサービス毎にアクセスネットワークが構築されている。
アクセスネットワーク
FWA 10~150Mbps
無線LAN ~54Mbps
FMC
携帯電話
音声;5~12kbps、データ;64~7Mbps
FTTH
ONU
トリプルプレイ
サービス
(電話、インターネット、映像)
30~100Mbps
光ファイバ
ケーブル
モデム
ADSL
モデム
DSU
CATV
下り;30Mbps、上り;10Mbps
メタル
ADSL
コアネットワーク
Fixed Mobile Convergence
下り;8~50Mbps、上り;~1Mbps
ISDN
64kbps x 2
アナログ電話 4kHz
UNI (User Network Interface)
18
アクセスネットワークの構成
LS: Local Switch
SLT: Subscriber Line Terminal
RT: Remote Terminal
FTM: Fiber Terminal Module
MDF: Main Distributing Frame
収容局
Switching
System
(LS)
OLT
0.5km
配線系
MDF
Metallic cable
Metallic cable
…
Switching
System
(LS+SLT)
ユーザビル
FTM
RT
RT
Optical Fiber cable
き線系
約1.5km
19
アクセスネットワークの光化
光ファイバ
通信事業者の局設備
変復調
装置
同軸ケーブル
無線
光ファイバ
WCS
WCS:WLL Cell Station
光ファイバ
メタル・ケーブル
RT
RT:Remote terminal
PON(Passive Optical Network)方式
スターカップラ
SS(Single Star)方式
光ファイバ
HFC : Hybrid Fiber Coax
CATVで双方向通信サービスを実現
する方式
FWA : Fixed Wireless Access
無線技術を応用し、経済的に家庭
のごく近くまで光ファイバを導入し、
双方向通信サービスを実現する方式
FTTC : Fiber To The Curb
各家庭のごく近くまで光ファイバを
導入し、双方向通信サービスを実現
する方式
FTTH : Fiber to The Home
各家庭まで光ファイバを導入し、
高速化
ブロードバンドアクセスを実現
する方式
光ファイバ
20
PONシステムの種類
PON技術とEthernet技術の融合により、高速化と低コスト化を実現。
GE-PON
名称
STM-PON
Broadband-PON
(B-PON)
(1000BASE-PX)
標準化機関
NTT独自仕様
ITU-T
G.983シリーズ
IEEE
802.3ah
ITU-T
G.984シリーズ
最大速度
10Mbps
下り; 155, 622Mbps,
1.24Gbps
上り; 155, 622Mbps
1.25Gbps
下り;1.24, 2.48Gbps
上り;155, 622Mbps,
1.24, 2.48Gbps
上り下りの
多重方法
時分割多重
(TDD)
伝送フレーム
STM
分岐数
伝送距離
G-PON
波長多重
(WDM)
ATM
最大32
Ethernet
GTC
(GEM+ATM)
最大64
最小16
10km、20km
GTC: G-PON transmission convergence (125s周期の固定長フレーム)
GEM: G-PON encapsulation method (可変長フレーム)
21
PONシステムのしくみ
•
上り信号は 、TDMA (time division multiple access)を利用。
– 信号の衝突防止技術が重要。
•
下り信号は、 TDM (time division multiplex)を利用。
– 暗号化や認証技術が重要(各ユーザ宛の情報だけを取り出す)。
•
上り信号と下り信号は、 WDM (wavelength division multiplexing)を利用。
1
… n
1 2
上り信号
2
2
1 2
TDMA
… n
ユーザ宅
OLT: Optical Line Terminal
OSU: Optical Subscriber Unit
ONU: Optical Network Unit
OSU
….
ONU
n… 2 1
1 2
… n
下り信号
n
OLT
WDM
1 2
… n
通信事業者の局舎
22
情報通信ネットワークの最近のトレンド
•
•
•
クラウドコンピューティング
NGN(Next Generation Network)
光アクセスによるブロードバンド化
23
クラウドコンピューティング
24
クラウド(Cloud)・コンピューティングとは
• クラウド・コンピューティングとは、コンピュータリソースを必要に応じてネットワークを介し
て利用可能とするシステムやビジネスを指す概念。
• ブロードバンド常時接続、PC低価格化、仮想化技術、マッシュアップ
開発手法などの進展により、コンピュータを「持つ」から「使う」に変化。
• 柔軟なシステム構築、システム運用コスト削減、そして、企業間のビジネス連携の
面で企業競争力の強化に効果を発揮。
持つ
企業A
使う
企業B
クラウドコンピューティング
システム購入し、自社内で所有・運用
企業C
複数の企業/個人等でリソースを共有
企業D
企業A
企業B
企業C
企業D ・・・
25
クラウド・コンピューティングサービスの分類
•
クラウド・コンピューティングサービスを3つに大別。
•
違いは、どこまで「サービス」として提供するか。
•
どこまで「サービス」を提供するかは各社の戦略。
SaaS:Software as
a Service
アプリケーション
PaaS:Platform as
a Service
HaaS:Hardware as
a Service
・Sales Force マ
ルチテナント
・Google Apps
・Force.com
ミドルウェア
OS
ハードウェア、
データセンタ
サービス
・Google App E
ngine
サービス
他社がHaaSを利用してSaa
SやPaaSビジネスをする場
合もあり(SecondLife,
Twitter, DropBox)
サービス
・Amazon S3
・Amazon EC2
26
NGN(Next Generation Network)
27
NGNとは?(NTTの商用化サービスの場合)
従来の電話網がもつ信頼性・安定性を確保しながら、IPネットワークの利便性・経済性
を備えた、次世代の情報通信ネットワークがNGN。 NTTが世界に先駆けて、国際標準
に準拠した最先端の技術を利用しながら実現。
28
NGN関連標準化団体の構図
*国連の専門機関、189カ国と600以上の民間機関が参加
NGNの議論の中心
IMSの採用を提案
ITU-T
ITU-T
FG-NGN
FG-NGN
国際標準化として最終
的な議論を行なう
NGN標準化ではTISPANを
支持、事業者間接続につい
ては積極的
Europe
Europe
ETSI
TISPAN
IMSの作
成元
Asia
Asia
USA
USA
CJK NGN
WG
ATIS
3GPP・3GPP2
IETF
FG-NGN (Focus Group on NGN)
ATIS (Alliance for Telecommunications Industry Solutions)
TIA(Telecommunications Industry Association )
3GPP(Third Generation Partnership Project)
移動
SIPの
規定元
インターネット
ETSI (European Telecommunications Standards Institute),
CJK (China, Japan, Korea)
IETF (The Internet Engineering Task Force)
29
NGNとIMS、FMC
IMS: IP Multimedia Subsystem
30
光通信技術の進展によるブロードバンド化
31
光通信と無線通信の高速化
40Gx273(10.9T)
10T
WDM
1T
伝送速度 (bps)
100GbE
100G
40G
Moore’s Law
10G
Doubled every 18 months
10G
TDM
1G
100M
100BASE-T
Ethernet
10M
10G-EPON
G-EPON
802.11a B-PON
10BASE-T
1M
1980
GbE
1.6G
400M
Next Generation
Access
WDM-PON?
10GbE
2.4G
Optical
Access
1990
1995
802.11g
2000
Super3G
802.11n
802.11b
STM-PON
Wireless
LAN
1985
4G
Mobile
3G(HSDPA)
2005
2010
2015
年
32
同一PON上での1G/10G-EPONの構成例
•
WDM技術(下り信号)とデュアルレート受信技術(上り信号)により、同一の光ファイ
バ伝送路に既存の 1G-EPONと10G-EPON とを収容。
V-ONU
1G/1G
ONU
Broadcast Co.
V-OLT
V-ONU
10G/1G
ONU
Asymmetric
ONU
1G/10G
Dual-rate
-OLT
Video
delivery
equipment
IP network
Upgrade !
1G-OLT
V-ONU
10G/10G
ONU
Symmetric
ONU
Upgrade !
33
送受信器と光モジュールの小型・経済化
TOSA
(ONU)
BOSA
(1G)
TOSA
(10G)
Integrated
Integrated
XFP-E
1x9
(OLT Transceiver)
Single-fiber type SFP
(ONU Transceiver)
Plug-in type ONU
http://www.nel.co.jp/product/photonics/
http://www.incom.co.jp/newsroom/desc.php/1923
http://www.furukawa.co.jp/what/2007/jotsu_070319.htm
34
(参考)情報通信機器の低価格化
•
•
伝送媒体の特性(メタル、光ファイバ、伝送速度、伝送距離等)にあった脱着可能
なトランシーバモジュール(プラガブルモジュール)をネットワーク装置のポートに
装着。
伝送媒体に依存しない汎用のネットワーク装置、標準化されたトランシーバモ
ジュールにより、低コスト化が進展。
ネットワーク装置
プラガブルモジュール
伝送媒体
伝送媒体に対応した
トランシーバモジュールを選択
スイッチ
ポートに装着
ルータ
35
フォトニックネットワークの基盤技術
光2000万時代の多彩なサービスをサポートする大容量かつ
経済的なコアネットワーク
36
フォトニックトランスポートネットワーク
より大容量、経済的なコアネットワークの実現を目指して
37
(参考)OADMリングネットワーク
Long-haul transport Network
Transport node
Repeater
OADM
Node #0
Optical Switch Array
(TO-SW)
Repeater
Through
Add/Drop
OADM ring
network
OADM
Node #3
OADM
Node #1
Optical
Amp.
Drop
Add
WDM
DEMUX
(AWG)
Repeater
OADM
Node #2
Drop/
Continue
Optical Line
Terminal
Optical
Amp.
WDM
MUX
(AWG)
Repeater
STM-4~STM-64
ROADM
波長可変光源を送信器に用いて、Optical
Switch Arrayと連携して、波長を制御すること
で、ノード間で自由に通信路を設定できる。
38
情報通信ネットワークの基本構造とそのしくみ
39
情報通信ネットワークの形成
A
情報端末
A
伝送路
B
D
C
情報端末
伝送路
B
情報通信ネットワークの形成
・ノードによる伝送路の利用効率向上
ノード
D
C
40
情報通信ネットワークの基本構造
 通信事業者のネットワークは、UNIで終端されている。
 通信事業者が提供するサービスは、UNIを通じて端末に提供される。
 交換機間で、端末情報である電話番号、アドレスや経路情報をやりとりし、リンク中
に回線等を設定し、 「情報源」と「情報受信者」とを接続する。
 ネットワークのオペレーション/マネージメント(故障、輻輳制御、電話番号設定等)
により、ネットワークが常時正常に動作している。
UNI (User Network Interface)
電話番号
アドレス
符号化
符号化
変調
アクセス制御
多重化
air
メタル
同軸
光ファイバ
復号化
復調
アクセス制御
多重化
課金
集線
経路制御
符号化
変調
多重
端末
情報受信者
※アナログ電話
ではアクセスネッ
トワークの伝送装
置は不要。
伝送
装置
リンク
伝送
装置
伝送路
伝送
装置
アクセス
ネットワーク
伝送路
伝送
装置
交換機
経路制御
リンク
ノード
情報源
復号化
復調
分離
光ファイバ
伝送
装置
経路制御情報等
伝送路
伝送
装置
コアネットワーク
交換機
ノード
交換機
伝送
装置
伝送路
リンク
伝送
装置
リンク
ノード
オペレーション/マネージメント
41
符号化
• 符号化とは、文字や映像や音声などの情報を、0か1
かのディジタルデーターに変換すること。
• 符号化の目的
– 情報の伝達や記録の効率を向上
• 情報源符号化、高効率符号化などと呼ばれ、情報の冗長性を除去
し、圧縮して伝達あるいは記録
– 信頼性の向上
• 通信符号化と呼ばれ、誤り率訂正符号が主役
– セキュリティの向上
• 秘密を守ること、情報の偽造や不正な改変を防止し、暗号が主役
42
変調と復調、多重化
• 変調
– 情報源から送出される電気信号を伝送路の特性に適した形態に変換する手段。
• アナログ変調
– 搬送波の振幅、周波数、位相をアナログ信号で変化させる
» 振幅変調(AM)、周波数変調(FM)、位相変調(PM)
– パルス列の高さ、間隔、幅をアナログ信号で変化させる(パルス変調)
» パルス振幅変調(PAM)、パルス位置変調(PPM)、パルス幅変調(PDM)
• ディジタル変調
– 搬送波の振幅、周波数、位相をディジタル信号で変化させる
» ASK、FSK、PSK
• パルス符号変調(PCM:Pulse Code Modulation)
– アナログ信号をサンプリングし、サンプリングパルスの振幅値を符号化し、ディジタル信号に変換
• 復調
– 伝送路から得られた信号をもとの電気信号に変換する手段。
• 多重化
– 複数の変調信号を束ねて、伝送路に送出し、伝送容量を増大させる手段。
• 時分割多重(TDM:Time Division Multiplexing)
• 周波数多重(FDM:Frequency Division Multiplexing)
– 多重化する周波数毎の直交性を利用した場合は、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal
Frequency-Division Multiplexing)
– 光通信の場合、波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)と呼ばれる。
43
アナログ伝送とディジタル伝送
• 情報源
– アナログ情報:音声や映像のように時間的、振幅的に連続した情報
– ディジタル情報:データのように数字の「1」、「0」の組み合わせで構成
された情報
アナログ
情報
ディジタル
情報
アナログ
情報
ディジタル
情報
変調
周波数分割
多重
伝送路
周波数分割
多重
アナログ
情報
復調
アナログ通信
符号化
時分割
多重
伝送路
ディジタル通信
時分割
多重
復号化
ディジタル
情報
アナログ
情報
ディジタル
情報
44
アクセス制御技術
•
アクセス制御とは、ユーザ毎に異なる周波数(FDMA: Frequency Division Multiple Access) 、
時間(TDMA: Time Division Multiple Access)、符号(CDMA: Code Division Multiple Access )を
割り当てることで、複数のユーザが同一の伝送路を効率的に利用する技術。
– FDMA
第一世代携帯電話(アナログ)
– TDMA
•
コンテンション方式(ランダムアクセス方式)
– ALOHA(パケットの衝突回避を積極的に行っていないため、スループットの改善に限界がある)
» ピュアALOHA
» スロットALOHA
LAN
– CSMA(Carrier Sense Multiple Access)
•
ノンコンテンション方式
– ポーリング方式
– 予約方式
– CDMA
光アクセス(PON)
第二世代携帯電話(デジタル)
第三世代携帯電話(デジタル)
電力
TDMA
電力
FDMA
f1
時間
f2
時間
f3
ユーザ1
ユーザ2
周波数
電力
ユーザ3
f0
CDMA
時間
f0
T1
T2
T3
ユーザ1 ユーザ2 ユーザ3
周波数
周波数
ユーザ3
(符号3)
ユーザ2
ユーザ1 (符号2)
(符号1)
45
伝送路
• 有線
ポリエチレン等の絶縁被覆
1対のツイストペア
– メタル
• ツイストペアケーブル
– 雑音対策のため撚っている。
– 100Mbps程度まで伝送可能。
– 電話線、LANで利用。
非シールドツイストペア(UTP)
シールドツイストペア(STP)
• 同軸ケーブル
– 絶縁体、外部導体により、クロストーク、雑音が入りにくい。
– 1Gbps程度まで伝送可能。
– CATV等で利用。
– 光ファイバ
• 直径100ミクロン程度の石英ガラス繊維で、屈折率がわずかに異な
るコアとクラッドからなる。
• 数100Tzの超広帯域を有する。
• 無線
– 有限な資源である電波を利用。
– 300kHz~30GHzまでの電波を用途に合わせて利用。
46
電磁波の種類
• Maxwell方程式から得られる波動は、あらゆる周波数(波長)の電磁波が存在する
ことを示している。
• 電磁波は、テレビ、ラジオ、携帯電話、光ファイバ通信等に応用されている。
可視光
赤外線
紫外線
電波
1km
極
長
波
長
波
1m
中
波
1mm
短
波
103m
300kHz
γ線
X線
1μm
1nm
1pm
1fm
10-6m
300THz
10-9m
10-12m
10-15m
?
10-3m
300GHz
300MHz
未開拓領域
光ファイバ通信
中波/短波ラジオ放送
VHF
30~300MHz
FMラジオ放送
UHF
300M~3GHz
地デジ放送
携帯
WLAN
SHF
3~30GHz
衛星放送
非圧縮高精細画像伝送
(120GHz)
ミリ波
30~300GHz
レーダ
将来のWPAN
サブミリ波
(テラヘルツ波)
300G~3THz
電波天文
47
(参考)電波の伝搬:大気減衰
1000
20℃ 1気圧
H2O:7.5g/m3
霧(0.1g/m3)
見通し 50m
H2O
減衰量
(dB/km)
100
豪雨
(150 mm/h)
H2O
O2
CO2
10
H2O
O2
H2O, CO2
霧雨
(0.25 mm/h)
CO2
1
大雨
(25 mm/h)
H2O
H2O
O3
0.1
ミリ波
サブミリ波
赤外線
(IR)
可視光
IRの窓
0.01
10 GHz
100 GHz
30 mm
3mm
1THz
10 THz
100 THz
1000 THz
0.3mm
30 m
3 m
0.3 m
周波数/波長
48
伝送路符号
•
伝送路の媒体(メタル、同軸、光ファイバ等)の物理的特性に応じて、伝送路符号
を選択。
0
1
0
0
1
1
0
1
単極性NRZ符号
0
時間
-1
NRZ符号
(Non Return to Zero)
1
両極性NRZ符号
0
時間
-1
1
単極性RZ符号
0
時間
-1
1
RZ符号
(Return to Zero)
AMI符号
0
-1
時間
(AMI: Alternate Mark Invedrsion)
1
両極性RZ符号
0
-1
時間
49
伝送方式
直列伝送と並列伝送
•
– 直列伝送:1ビットずつ順次送信。
– 並列伝送:1つの符号を同時に送信。送受信のタイミング合わせが必要で、近距離伝送
に限られる。
半二重伝送と全二重伝送
•
– 半二重伝送(half duplex transmission):双方向伝送を時間的に重ならないように行う方
式で、2線式(2W;1対の伝送媒体は2本の導体で成り立つ)で実現。
– 全二重伝送(full duplex transmission):双方向伝送を同時に行う方式で、4線式(4W;2
対の伝送媒体)で実現。
並列
直列
変換
伝送路
並列
直列
変換
●●●
●●●
符号
2W
端末
半二重伝送
直列伝送方式
伝送路
並列伝送方式
4W
●●●
●●●
●●●
符号
端末
端末
端末
全二重伝送
50
交換方式
• 回線交換(コネクション型)
– 通信要求に応じて、送信端末と受信端末間に通信路を設定。
– 通信が終了すると、通信路を解除。
– 回線を占有するため、送信情報の遅延や遅延揺らぎが少ない。
• パケット交換(蓄積交換)
– 送信情報は、一定の大きさに区切られ、宛先等の制御信号を付加した
パッケトとして転送。
– パケットは交換機に蓄積され、回線の空き状況に応じて転送。
– 回線を占有しないため、バースト的に発生する情報を効率よく転送。
– パケット交換には、バーチャルサーキットとデータグラムがある。
• バーチャルサーキット(コネクション型)
– 主に通信事業者が構築したネットワークで利用され、パケットを送信する前に、
制御用パケットにより、パケットを転送する経路を設定。仮想的な回線を作って、
パケットを転送。
• データグラム(コネクションレス型)
– コンピュータネットワークであるLANやインターネットで利用され、同一の相手
へのパケットの転送経路は一通りではなく、パケットを受け取ったノードが、そ
の都度、空いている伝送路を選択して、パケットを転送。
51
回線交換とパケット交換
回線交換
交換機
無音
無音
交換機
×
•
•
•
•
パケット交換
A
相手と通信回線を接続し、固定(専有)する
他のユーザは話中になる
連続的な通信が可能(遅延小) 音声通話に適している
(回線を専有しているので、その時間によって課金される)
交換機あるいは
ルータ
A
B
B
交換機あるいは
ルータ
A
• 相手のあて先をつけ、パケット化して送出(宅急便のイメージ)
• あて先にしたがって経路を選択しながら伝送
• データ通信のようにバースト性の強い場合に適している
52
音声を伝える情報通信ネットワーク
電話網
53
電話網と電話交換機の種類
•
電話網の特徴
– 100年以上の歴史をもち、4kHzという音声帯域情報を最も効率よく伝達できるように設
計されたネットワーク。
– 国内では、概ね4000万の加入者がいるユニバーサルサービス。
– ダイヤルするだけで、世界中の約5億以上の電話と接続可能。
•
電話交換機
– 加入者交換機(LS: Local Switch)
• 加入者を直接収容する交換機で、一般にその入り端子数は数万端子。
• 加入者線の集線を行う。
– 中継交換機(TS: Transit Switch)
• LSや他のTSと接続され、中継される通話の交換を行う。
他のTSと接続
他のTSと接続
TS
LS
LS
加入域A
加入域B
54
電話網の構成
①同一加入者交換機での通話
②同一市内での通話
③長距離市外通話
アクセスネットワーク
コアネットワーク
TS
TS
中継線
中継線
加入者線
中継線
LS
③
制御信号
①
・
・
・
加入者線
LS
・
・
・
・
・
・
加入者線
LS
共通線信号網
②
同一市内
・・・・
処理ノード
55
電話網 -信号網-
• 信号網
– 共通線信号方式:電話番号等の信号情報がサービスの高度化に対応
して増加したため、交換機を結ぶ共通の信号回線を通話路とは別に設
けた信号方式。
– 個別線信号方式:通話の前後に、信号情報を通話回線を用いて伝送
する信号方式。
A面
STP
LS
TS
STP
TS
TS
TS
LS
B面
STP
STP
STP(Signal Transfer Point:信号中継局):信号情報の中継機能をもつ
56
(参考)電話網の相互接続
• POI(Point of Interface)を介して、通信事業者のネットワークが相互
接続されている。
NTT地域網
他通信事業者網
共通線信号網
信号網POI
市外POI
TS
共通線
信号網
LS
加入者回線
接続装置
市内POI
加入者回線
POI
長距離系NCC
地域系NCC
携帯電話網
長距離系NCC
地域系NCC
地域系NCC
ADSL事業者等
PHS等
加入者線端
POI
57
音声を伝える情報通信ネットワーク
携帯電話網
58
携帯電話網の構成
TS
LS
電話網
無線基地局
加入者交換機
または
加入者パッケト交換機
携帯電話網
ノードビル
(大規模)
セル(数百m~十数km)
ホーム
メモリ
無線ネットワーク ノードビル
(小規模)
制御装置
中継交換機
または
中継パッケト交換機
関門
交換機
他事業者の
携帯電話網
ゲートウエイ
インターネット
共通線信号網
無線アクセスネットワーク
無線コアネットワーク
59
サービスエリア、位置登録エリア、セルの関係
•
•
ホームメモリに登録してある携帯電話の場所は、「位置登録エリア」単位で登録。
携帯電話の位置登録は、別の位置登録エリアに携帯電話が移動した際に、行われ
る。
セル(NTTドコモの場合で3万以上)
セル
サービスエリア
(全国をカバー)
位置登録エリア
(NTTドコモの場合全国で数十程度)
60
携帯電話がつながるしくみ
中継
交換機
ホーム
メモリ
③
②
加入者
交換機
④
無線
ネットワーク
制御装置
①
中継
交換機
加入者
交換機
⑤
⑥
無線ネットワーク
制御装置
⑤
⑤
⑥
発信者
無線
基地局
無線
基地局
無線
基地局
無線
基地局
⑥
通話相手
通話相手が属する位置登録エリア
① ユーザが発信した通話相手の電
話番号情報は、無線基地局を通
じて、加入者交換機に届く。
② 加入者交換機は、ホームメモリ
に通話相手がどの位置登録エリ
アにいるかを問い合わせ、着信
側の加入者交換機を特定する。
③ 着信側の加入者交換機を特定
するローミング番号をホームメモ
リを通じて発信者側の加入者交
換機に通知。
④ 加入者交換機と中継交換機が連
携して、発信側と着信側の加入
者交換機の回線を接続。
⑤ 着信側の加入者交換機が、配下
の無線基地局を通じて、一斉に
携帯電話を呼び出す(ページン
グ)。
⑥ 通話相手の携帯電話が、自分が
呼び出されたことを応答する。
61
ハンドオーバーのしくみ
•
•
•
•
ハンドオーバーとは、セルを移動しても通話が切れないしくみ。
携帯電話は、それ自身が通信している無線基地局や周辺の無線基地局からの電波
強度を測定。
他の無線基地局からの電波が通信中の無線基地局からの電波より強くなると、携帯
電話が無線基地局を通じて、無線制御装置に通知。無線制御装置は、携帯電話に
新しい無線基地局との通信を開始させる。→移動1
異なる無線ネットワーク制御装置間の移動では、移動元の無線ネットワーク制御装
置で折り返して、移動先の無線基地局との通信を開始。→移動2
無線基地局
加入者交換機
セル
移動1
無線ネットワーク
制御装置
移動2
中継交換機
62
携帯電話網の音声とデータ通信ネットワーク
•
•
音声通信は、通信用のチャネルを占有しているのに対し、データ通信は、パケット
通信を行う。
音声通信とデータ通信は、それぞれ別のネットワークを使って、通信をする。
音声通信用コアネットワーク
ノードビル
中継交換機
加入者交換機
関門交換機
無線ネットワーク
制御装置
他の電話事業者へ
無線基地局
インターネットへ
加入者
パッケト交換機 中継パケット
交換機
ゲートウエイ
データ通信用コアネットワーク
63
データを伝える情報通信ネットワーク
コンピュータネットワーク; LANとインターネット
64
プロトコル
• プロトコル( Protocol;通信規約)とは、通信時の約束ごと
– 異なる送受端末(コンピュータ等)間で、データ通信するための手
順や仕組みを決めた約束事で、機能の階層化と各階層間のイン
ターフェースに関する仕様を規定している。
プロトコルの日常会話で例えると
言語による会話
通信
話の内容
データ
日本語、英語の文法
プロトコル
65
OSI参照モデル
プロトコルとしては、ISO(International Organization for Standardization:国際標準化
機構)が作成したOSI(Open System Interconnection)参照モデルが世界標準。
TCP/IPでは、プレゼ
ンテーション層とセッシ
ョン層が縮退して、アプ
リケーション層のみ
装置端末
データ
各層でのヘッダを
付与し、下位層に
渡す。
各層でのヘッダを
分離、解析し、上位
層に渡す。
装置端末
アプリケーション層
Webやメール等の
アプリケーション
プレゼンテーション層
セッション層
ノード
トランスポート層
パケット
インター
ネット
ノード
コンピュータの
OS
ネットワーク層
フレーム
データリンク層
LANドライバと
LANアダプタ
LAN
物理層
各階層でのヘッダー
OSI7層モデル
伝送路
伝送路
伝送路
66
(参考) OSI参照モデル
•
第1層(物理層):通信ケーブルやコネクタ等の物理媒体の電気的、機械的な規定。コネクタ形
状、ピン配置、電気(光)信号の電圧や伝送路符号、変調方式を定めている。
•
第2層(データリンク層):隣接するノード間を結ぶ伝送路(リンク)で、ビット情報をリンクを介し
て転送するための規定。データリンクの確立と解放、データ転送、リンクで発生した誤り訂正手
段を定めている。
•
第3層(ネットワーク層):端末装置間(end-to-end)の接続経路は、通信網内のデータリンクの
縦続接続で構成されるため、端末装置間の接続経路の確立、維持、開放、中継経路の選択
法を規定。
•
第4層(トランスポート層):端末装置中で実行中の複数のプロセスの1つと通信相手の端末装
置中の同様な1つのプロセス間で、ビット情報を転送するための方法を規定。データの紛失、
同一情報の二重受信や受信順序の逆転に対する回復手段も定めている。
•
第5層(セッション層):転送情報の区切りを相互に確認するための規定。文書情報の転送では、
文章の開始、ページ、章等の区切り情報の授受手順を定めている。
•
第6層(プレゼンテーション層):プロセス間の通信では、データの符号形式や構文等のデータ
構造や表現形式の一致が必要であり、このような表現形式の選択と変換を規定。
•
第7層(アプリケーション層):第6層以下では定義されていない通信上必要な規定を取り扱う。
特に規約化されているものとして、ジョブ転送やファイル転送プロトコルがある。
67
LAN
• LAN(Local Area Network)
– 会社のビル、工場、大学構内といった限られたエリアで利用されるコン
ピュータ間通信を行うパッケトネットワーク
– 通信事業者が通信サービスを提供する公衆網(WAN:Wide Area Network)
と異なり、利用者が限定されているため、セキュリティ確保よりも通信効率を
高めることに重点を置いている。
• IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers:米国電気電
子技術者協会)のLANの定義
– 「多数の独立した装置が、適度なデータ伝送速度を持つ物理的伝送路を通
じて適当な距離内で直接的に通信可能とするデータ通信システム」
– 上記の定義をかみくだくと、「コンピュータやPC、周辺機器等を、10Mb/s~
1Gb/s程度の伝送速度を実現できる有線や無線媒体を用いて、オフィスやフ
ロア、ビル群等、地理的に限られた範囲内で直接的に通信できるデータ通
信システム」
68
(参考)LANの歴史
• 1973年
– Xerox社パロアルト研究所で、Dr. Robert M. Metcalfe(ロバート メトカフ博士)によ
り、イーサネット(Ethernet)が発明される。
– Ethernetとは、Ether(エーテル:宇宙に存在し、電磁波や光を運ぶ仮想の物
質と考えられていたもの)+net(Networkを短縮)
– 当時、ハワイ大学が計画していた「ALOHA NET」にヒントを得て、 Ethernetn
の媒体アクセス方式であるCSMA/CDを考案。
• 1979年
– DEC、Intel、Xeroxの3社が、EthernetをDIX規格としてまとめる。
– メトカフ博士が、LAN専門会社である3Com
(Computer,Communication,Compatibility)社を設立(6月)。
• 1980年
– IEEEが、LAN/WANの標準化を目的とするIEEE802委員会を設立(2月)
• 1983年
– IEEE 802.3 CSMA/CD(通称:Ethernet)標準の成立
69
LANのネットワークトポロジ
• ネットワークトポロジ:伝送路の配線形態
– バス型:1本のケーブルに複数のコンピュータ等が接続される伝送媒
体を共有。
– リング型:コンピュータを環状に接続して利用。あるノードから発信され
たデータは、リングを回ってもとのコンピュータに戻る。
– スター型:交換制御機能等をもつ装置を介してコンピュータ間を接続さ
れた伝送媒体を専有。
バス型
バス型
リング型
スター型
接続制御
LANのネットワークトポロジ
70
伝送媒体
• 有線:伝送速度、伝送距離、使用環境等の利用条件とコストか
ら選択。
–
–
–
–
(1)ツイストペアケーブル
(2)同軸ケーブル
(3)光ファイバ
(1)から(3)の順に、性能(伝送速度、伝送距離)とコストが上昇。
• 無線:ケーブルがひきにくい場所、フロアの配置換え等LANの
使用環境を頻繁に変更する必要がある場合やポータビリティを
重視したい場合に利用。
– 伝送速度は、54~300Mb/s
– 使用する電波は、2.4GHz帯と5GHz帯
– 壁面等の反射によるマルチパス現象が生じるため、有線に比べ、伝送
特性が不安定であるため、伝送方式や受信方法に工夫がされている。
71
LANのアクセス制御
• アクセス制御
– バス型、リング型ネットワークトポロジのLANでは、伝送媒体を共有するの
で、伝送媒体に接続された各端末装置が発信するデータ同士の衝突を回
避する必要があり、伝送媒体にアクセスする手順を規定している。
• 有線LAN
– CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection)方式
– トークンパッシング方式
• 無線LAN
– CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)方式:
CSMA/CDと類似した方式であり、各端末装置が送信中であるか否か、自
分宛てのデータが送信されているか否かを常に把握することで衝突を回避。
72
CSMA/CD
•
アクセス制御手順
– (1)キャリア感知(Carrier sense):データの送信を行うコンピュータは、伝送媒体上に他のコン
ピュータからのデータが流れていないか確認。
– (2)多重アクセス(Multiple access):伝送媒体上をデータが流れていないことを確認したら、自
分のデータの送信を開始。複数のコンピュータがキャリア感知を行うと共に複数のコンピュータ
からデータが送信されるので、これを多重アクセスという。
– (3)衝突検出(Collision detection):送信を開始したコンピュータ間のデータ信号伝搬時間があ
るため、キャリア感知を行っても、伝送媒体上でデータの衝突が起こる。この時、データ送信を
行ったコンピュータは、乱数によって決められる一定時間待機した後、キャリア感知の動作に
入る。
•
CSMA/CD方式は、低価格で、低スループットでは高性能を発揮するが、接続されるコン
ピュータ数が多くなり、 LAN上のトラヒックが増大したり、データの伝送速度が高くなった
場合には、データの衝突の可能性が大きくなり、通信効率等の性能が著しく劣化する。
(1)キャリア感知
データ
?
(2)多重アクセス
データ
データ
(3)衝突検出
データ
データ
データ
73
CSMA/CA
•
•
•
キャリアを感知した場合は、自らの送信は行わない。
キャリアが感知されない場合は、DIFSだけ時間をあけ、各端末が管理するバックオフ時間
だけ待って、フレームを送信する。アクセスポイントからは、SIFSだけ待って、受信確認の
ACKフレームが送出される。他の端末は、送信が行うことができないため、バックオフ時間
を次のフレーム送信フェーズまで持ち越す。
ACKフレーム終了時点から、DIFSだけ時間をあけて、フレームを送信する。衝突が生じた
場合、ACKが返送されないため、各端末は、乱数によって決められるバックオフ時間を設
定して、再送信を行う。
DIFS
SIFS
SIFS
DIFS 衝突
DIFS
ACK
ACK
アクセス
ポイント
データ
端末A
持ち越し
データ
データ
端末B
持ち越し
端末C
ビジー
バックオフ時間
データ
持ち越し
DIFS: Distributed Coordination Function Inter Frame Space
SIFS: Short IFS
74
(参考)隠れ端末問題
•
•
障害物により、電波が届かない場合、端末間でキャリアを感知できないと各端末か
らの送信フレームの衝突が頻繁に生じる。
フレーム送信を開始する前に、RTS/CTS(Request To Send/Clear To Send)と呼
ばれる短い制御信号をやりとりして、フレーム送信中に他の端末がフレーム送信を
行わないようにする(RST、CSTに記載されているNAV期間だけ送信を中止)。→ソ
フトキャリアセンス
DIFS
SIFS
①
RTS
B
A
C
電波が届かない
ので、互いのキ
ャリアを感知出
来ない
B
障害物によ
り電波が届
かない。
SIFS
CTS
アクセス
ポイント
アクセスポイント
SIFS
バックオフ
時間
A
②
ACK
③
データ
NAV(RTS)
NAV(CTS)
C
ビジー
NAV:Network Allocation Vector
75
LAN間の接続
•
LAN間の接続
– 広い構内に分散している建物や高層ビルでは、建物やフロア毎にLANが設置され、
これらのLANを束ねて統合したLANとして利用。
– 地域的に離れたLANどうしを接続するサービスが通信事業者により提供されてい
る。
• IP-VPN(Virtual Private Network)、広域イーサーネット等
※VPNとは、仮想的な専用網
•
LAN間接続のための装置
– リピータ(物理層で動作):伝送媒体を流れる信号の増幅と再生を行う。LANの規格
として使用できるケーブル長をこえてLANを構築する場合に用いられる。
– ブリッジ(データリンク層で動作):EthernetやFDDI等のLANセグメントどうしを接続。
リピータの機能に加え、不要なデータを中継しないアドレスフィルタリング機能を有
する。
– ルータ(ネットワーク層で動作):ルータはLANどうしを接続したり、WAN経由でLA
Nどうしを接続する場合に用いる。コンピュータ毎に付けられた識別子「ネットワーク
アドレス」を参照し、データを中継すべき回線を選択する機能を有する。
– ゲートウエイ(7層全体で動作):プロトコルが異なるネットワークを相互接続するため
のプロトコル変換器。
76
リピータハブとスイッチングハブ
•
•
リピータHUBでは、信号はすべての機器(コンピュータ)にばらまかれて、L
AN全体に伝わる。CSMA/CDによるアクセス制御が行われる。
スイッチングHUBでは、宛先MACアドレスによって、信号を目的の機器
(コンピュータ)にのみ転送。CSMA/CDによるアクセス制御が用いられ
ず、スイッチング回路とMACアドレステーブルで、信号を転送。
リピータHUB
リピータHUBを利用したLAN
スイッチングHUB
スイッチングHUBの
各ポートは、接続先
の機器のMACアド
レスをMACアドレス
テーブルに記憶
スイッチングHUBを利用したLAN
77
インターネット
• インターネットの歴史
– 1960年代の後半、米国国防総省DoD(Department of Defense)が中心となり、
軍事技術として、パッケト通信の研究開発が開始。
– 1969年、パッケト交換技術の実用性を検証するため、カリフォルニア大学(ロ
サンゼルス校、サンタバーバラ校)、SRI、Utah大学の4つのノードを結んだ
ARPANET(Advanced Research Project Agency Network)が構築。
– 1975年、ARPANETの研究グループによって、TCP/IPが開発。
– 1982年、TCP/IPの仕様決定。TCP/IPが実装されたUNIXの提供が開始。
– 1990年、商用インターネット誕生。
– 1992年、WWW(World Wide Web)発表。
– インターネットに接続されている全世界のホスト数3億5000万程度(2005年)
• 「インターネット」とは
– もともとは、複数のネットワーク(LAN)を結んで1つのネットワークにすること
「インターネット」と呼んだが、現在では、このような意味を伝えたい場合、「イ
ンターネットワーキング」と言う。
– ARPANETから発展して、世界中のコンピュータを接続しているネットワーク
を意味し、英語では、“Internet”あるいは“The Internet”と表現する。
78
インターネットの構造
• POP、NOC、IX間の接続には、通信事業者の通信回線(専用線サービ
ス)を利用。
ルータ
サーバ
プロバイダB
プロバイダA
POP
POP
NOC
NOC
POP
POP
IX
プロバイダC
POP
NOC
NOC
POP
IX: Internet Exchange
NOC: Network Operation Center
POP: Access Point
POP
POP
POP
アクセス回線
ルータ
79
インターネットプロトコル群
• インターネットを構築する上で必要なプロトコルセット
– アプリケーションプロトコル
• HTTP, SMTP, TELNET, FTP, SNMP, MIME, HTML, etc
– 経路制御プロトコル
• RIP, OSPF, BGP
– トランスポートプロトコル
• TCP, UDP
– インターネットプロトコル
• IP, ICMP, ARP, RARP
80
TCP/IPのプロトコル階層モデル
Webやメール等の
アプリケーション
レイヤー5 アプリケーション層
HTTP、SMTP等
レイヤー4 トランスポート層
コンピュータのOS
TCP
レイヤー3 インターネット層
IP
レイヤー2 データリンク層
LANドライバと
LANアダプタ
ネットワークインターフェース層
レイヤー1 物理層
アプリケーションにあったデータの
やりとりする手順と形式を決める
データの品質管理とアプリケーション管理
をする
あて先までデータを届ける
(アドレス管理と経路選択)
データをフレーム化し、
識別・転送する
データを信号にして送信する
(0,1を電圧の高低や光の点滅に変換)
•TCP:Transmission Control Protocol
TCP(Transmission Control Protocol):ネットワークの帯域幅の有効利用や
データ紛失等を解決するプロトコル。
UDP(User Datagram Protocol):TCPプロトコルと異なり、データの紛失等の
チェックをしない信頼性のないプロトコル。
•IP : Internet Protocol
81
IPアドレス
• インターネットに接続する機器には
IPアドレスが付けられる。
• IPアドレスは32ビット
8ビットずつ4組に分け10進法表記
(例)192.168.129.10
2進法では
11000000 10101000 10000001 00001010
※IPv6では、IPアドレスは128ビット
• 16進数で表記された数値を16ビット単位で、コロン (:)で区切って表記
(例)3ae3:90a0:bd05:01d2:288a:1fc0:0001:10ee
82
サブネットマスク
• ネットワーク部とホスト部
– IPアドレス
– サブネットマスク
172.20.100.52
255.255.255.192
• IPアドレスとサブネットマスクを合わせて記載すると
– 172.20.100.52/26
IPアドレス
10101100 00010100 01100100 00110100
サブネットマスク
11111111 11111111 11111111 11000000
ネットワーク部(26ビット)
ホスト部
ホスト部が、すべて「0」のものはネットワークアドレス、
すべて「1」のものはブロードキャストアドレスとして、Reserveされている。
83
TCP/IP階層モデルでの通信
HTTP
HTTP
TCP
TCP
IP
IP
イーサネット
イーサネット
IP
イーサネット
イーサネット
10BASE
-T
10BASE-T
サーバのIPアドレス
パソコンのIPアドレス
データ
パソコン
S
100BASE
-T
100BASE
-TX
ルータのMACアドレス
パソコンのMACアドレス
R1
データ
1000BASE
-TX
1000BASE
-TX
サーバのIPアドレス
パソコンのIPアドレス
S
R1
データ
S
LAN
10Mbps
スイッチングHUB
サーバのMACアドレス
パソコンのMACアドレス
R2
LAN
1Gbps
100Mbps
ルータ
サーバ
84
IPアドレスとIPパケットの転送
•
同一ネットワーク内のホストは、デフォルトゲートウェイとして、ルータのIPアドレスを知っている。
–
–
•
192.168.144.0/24のネットワークでは、192.168.144.1
192.168.128.0/24のネットワークでは、192.168.128.1
宛先IPアドレスにより、同一ネットワーク内に宛先のホストが存在するかを判断。
① 同一ネットワーク内に宛先ホストが存在すれば、ARPを使って、宛先ホストのMACアドレスを取得し、LAN内に
パッケトを送信。
② 同一ネットワーク内に宛先ホストが存在しない場合、ARPを使って、デフォルトゲートウェイのMACアドレスを取
得し、ルータにパッケトを送信。ルータが、経路制御表から宛先IPアドレスに従って、パッケトを送信するポートを
判断。
IP
MAC
宛
先
データ
送
信
元
送
信
元
インターネット
宛
先
ルータ
192.0.2.1
ARPで取得
②
192.168.144.0/24のネットワーク
スイッチング
HUB
192.0.2.31
192.168.144.1
②
192.168.128.0/24のネットワーク
スイッチング
HUB
192.168.128.1
ルータ
①
LAN#1
ホスト#1
192.168.144.10
ホスト#2
192.168.144.11
ホスト#3
192.168.144.12
LAN#2
ホスト#1
192.168.128.10
ホスト#2
192.168.128.11
ホスト#3
192.168.128.12
85
経路制御プロトコル
• 同一の決まりや考え方で、経路制御を管理する範囲を自律システ
ム(AS:Autonomous System)あるいは経路制御ドメイン(Routing
Domain)という。
• EGP(Exterior Gateway Protocol):AS間の経路制御プロトコル
– BGP(Boarder Gateway Protocol):AS番号(ASごとに割り当てられた2バイトの
アドレス)を基に経路制御を行うプロトコル。目的とするASにパケットが到達す
るまでに通過するAS番号のリスト(AS経路リスト)を収集し、複数の経路があ
る場合は、最短のリストを選択。
• IGP(Interior Gateway Protocol):AS内のダイナミックルーティングプ
ロトコル
– RIP(Routing Information Protocol):距離ベクトル型のプロトコル(ルータが、
距離と方向の情報から、経路制御表を作成)で、通過するルータ数(ホップ
数)から距離ベクトルを割り出し、ホップ数が最小となる経路を設定。
– OSPF(Open Shortest Path First):リンク状態型のプロトコル(ルータが、ネット
ワーク全体の接続状態を理解して、経路制御表を作成)で、各リンクに重み付
け(メトリック)を設定し、メトリックが最小となるように経路を設定。
86
TCPの役割(1)
•
パケットの喪失や順序の入れ替わり等が生じるIP通信(ベストエフォート型通信)の
信頼性を高めるため、シーケンス番号、確認応答、再送制御、コネクション管理、ウ
インドウ制御等を実現。
– 確認応答(ACK/NACK):送信データをセグメント単位に分割して、そのシーケンス番
号を管理する。送信側は、セグメント送信後に、相手からの確認応答(セグメントが到着
したか否かの通知)を待って、次のセグメントを送信。
– ウインドウ制御:複数のセグメントを一度に送信することで、通信効率を向上。特に、パ
ケットの往復時間が長い場合に有効。確認応答を待たずに送信できるデータの大きさを
ウインドウサイズといい、受信側のバッファ状態の指示に応じて送信側がウインドウサイ
ズを制御(フロー制御)したり、通信開始時にはウインドウサイズを絞り(スロースタート)、
確認応答に応じて徐々に大きくする制御(輻輳制御)が行われる。
– スループット(byte/sec)=ウインドウサイズ(byte)/RTT(sec)
RTT
一定時間
RTT
一定時間
RTT
喪失
ホストA
データ1
データ2
ACK1
ホストB
RTT
データ2
データ3
ACK2
喪失
時間
データ3
ACK3
TCPによるIPパッケトの通信手順
データ4、5、6
ACK3
ACK4、5、6
RTT(Round Trip Time)
87
TCPの役割(2)
アプリケーションが起動時に自分が使うポート番号をTCPに登録。
ホスト側はポート番
号を任意に選択
サーバ側は、アプリ
ケーション毎にポート
番号が決められている
Webブラウザ
X
80
Webサーバ
メールソフト
Y
25
SMTPサーバ
Telnet
Z
23
Telnetサーバ
88
Webアクセス
ルートDNSサーバ(全世界で13台)
co.jp
ntt.co.jp
DNSサーバ
XXX.ntt.co.jp
パソコンに登録されたDNSサーバに、
URLに対応するIPアドレスを問い合わせ
HTTPを使って情報を入手
www.XXX.ntt.co.jp
Webサーバ
89
電子メール
• 送信プロトコル SMTP (Simple Mail Transfer Protocol)
• 受信プロトコル POP3 (Post Office Protocol version 3)
DNSサーバに、受信側メールサーバ
に対応するIPアドレスを問い合わせ
DNSサーバ
SMTP
POP3
SMTP
インターネット
プロトコル
スタック
フレーム
フォーマット
受信側
メールサーバ
送信側
メールサーバ
送信側
SMTP
アプリケーション層
POP
TCP
トランスポート層
TCP
IP
ネットワーク層
IP
Ethernet
データリンク層
Ethernet
data
SMTP TCP
IP
MAC
data
受信側
POP TCP
IP
MAC
90
データを伝える情報通信ネットワーク
IP電話
91
IP電話
•
•
IP電話サービスとは、インターネット技術を使った電話サービス。電話交換
機や共通線信号網を使わず、インターネットと同じ設備で、電話サービスを
実現。
IP電話サービスには、
– IP電話アダプタを使うサービス: FTTHやADSL等のブロードバンド回線を利
用して、通常の電話機からIP電話アダプタを使って、IPパッケトを送信する。
– 中継部分にIPネットワークを使うサービス: 加入者電話網を使うので、通常の
電話機が利用出来る。
– パソコンを使うサービス: 電話機の代わりにパソコンを利用。インターネットに
接続されたパソコンからパソコンへ電話ソフトを利用。品質は悪い。インター
ネット電話とも呼ばれる。
ルータ
電話交換機
サーバ
92
従来の電話のネットワーク構成
音声信号
(アナログ信号)
音声信号
(ディジタル信号)
中継交換機
音声信号
(アナログ信号)
中継交換機
加入者交換機
加入者交換機
電話網
(PSTN)
123-1111
123-2222
100001
100002
・
・
・
収容位置
・
・
・
電話番号
呼制御
共通線信号網
PSTN : Public Switched Telephone Network
93
IP電話のネットワーク構成
•
•
音声は20 msec 毎に区切ってパケット化。
UDPでIPパケットを転送。
音声信号
(アナログ信号)
音声信号
(アナログ信号)
IPパケット
(ディジタル信号)
・音声の符号化(ディジタル化)
・IPパケット化
VoIP
ゲートウェイ
ルータ
VoIP
ゲートウェイ
ルータ
ルータ
ルータ
IPネットワーク
電話番号
呼制御
IPアドレス
123-1111 10.10.10.1
電話番号
IPアドレス
・
・
・
・
・
・
123-1111 10.10.10.1
123-2222 192.168.10.1
SIPサーバ
電話番号
IPアドレス
123-2222
192.168.10.1
音声中継はルータ
呼制御はVoIPゲートウェイとSIPサーバの仕事
94
従来電話とIP電話の相互接続
共通線信号網と呼制御を
やりとりできるシグナリング
ゲートウェイ
共通線信号網
交換機
IPネットワーク
電話網
050-123-4567
VoIP
ゲートウェイ
交換機と接続するイン
ターフェースを持つVoIP
ゲートウェイ
03-1111-2222
交換機
加入電話→IP電話
① 電話番号 → ドメイン名
050-123-4567
8.7.6.5.4.3.2.1.0.5.0.e164.arpa
②IP電話ユーザのURIを検索
SIP : yosimoto@○○○. △△△
③ URIを基にIPアドレスを検索
192.168.0.10
URI:Uniform Resource Identifier
95
参考文献
‧
‧
‧
‧
‧
‧
‧
‧
‧
‧
‧
‧
辻井編著、「ネットワークの基礎知識」、昭晃堂
井上、「基礎からの通信ネットワーク」、オプトロニクス社
池田、山本、「情報ネットワーク工学」、Ohmsha
畔柳、塩谷、「通信工学通論」、コロナ社
平松著、「通信方式」、コロナ社
羽鳥、青山監修、小林編著、「光通信工学(1)」、コロナ社
末松、伊賀共著、「光ファイバ通信入門」、オーム社
米田、 「電話はなぜつながるか」、日経BP社
中嶋、有田、「携帯電話はなぜつながるのか」、日経BP社
戸根、「ネットワークはなぜつながるか」、日経BP社
上原監修、標準LAN教科書(上)、(下)、アスキー出版
竹下、村山、荒井、苅田共著、「マスタリングTCP/IP入門編」、
Ohmsha
‧ 三木、青山監修、「xDSL/FTTH教科書」、アスキー出版局
‧ 井上監修、冲中、他、「NGN教科書」、インプレスR&D
96
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