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平成26年度試験問題より抜粋
(公財)不動産流通推進センター 過去問に挑戦! 平成 27 年度試験問題より抜粋:択一式 事業・実務 〔第10問〕 不動産証券化に携わるプレーヤーに関する次の記述のうち、不適切なものは どれか。 1 流動化・証券化の対象不動産をもともと保有している者、すなわち原資産所有 者をオリジネーターというが、その保有不動産を譲渡して資金調達を行う資金 調達者でもあり、不動産会社の他、一般事業会社などでもオリジネーターとなる ことができる。 2 不動産の流動化・証券化に関し、オリジネーターと投資家との間で様々な調整 や取決めを行い、スキーム全般を企画し実現していくコーディネーターであって、 枠組み構築の中心的役割を担う者を引受会社といい、弁護士や税理士などを相手 として専門的な交渉を行うだけの高度な専門性や知識が要求される。 3 証券化された複数の不動産などの、資産全体の財務戦略やテナント誘致・管理 などの企画・監督を行う専門業者をアセットマネージャーといい、アセットマネ ージャーから委託を受け、運営・管理業務を行う専門業者をプロパティマネージ ャーというが、証券化対象不動産の所得や処分、個別物件の資産価値の保全など に関して、両者は不動産の証券化に不可欠な役割を担っている。 4. 不動産証券化案件の組成に先立ち、物的調査、法的調査、経済的調査等の分野 でそれぞれの専門家が分担して行う詳細調査のことをデューデリジェンスという が、調査を担当する専門家としては、建設会社、設計事務所、環境調査会社、 不動産鑑定士、土地家屋調査士、弁護士、公認会計士、税理士等があげられる。 経済・金融 〔第13問〕 1 GDPや経済成長率に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。 GDPは、国内総生産ともいい、一定期間における国内の経済活動によって 新たに生み出された財やサービスの付加価値額の合計であり、このGDPの増加 率は経済成長率と呼ばれ、その国の経済全体の状況を示す指標となっている。 2 GDPや経済成長率に関しては、内閣府が3カ月ごとに「四半期別GDP速報 (QE) 」を公表しており、当該四半期の経済成長率と年率換算の数値、内訳とし ての民間需要および公的需要の個別項目の伸び率と寄与度が記載されているが、 (公財)不動産流通推進センター 国内に関する統計であるため、輸出入に関係する項目の記載はない。 3 GDPのうち、物価変動の影響分を除外したものを実質GDP、除外しない ものを名目GDPといい、これに対応して経済成長率にも名目値と実質値がある が、名目GDPと実質GDPの比率から計算されるGDPデフレーターは、物価 に関する指標として利用されている。 4 生産活動の三要素である資本、労働力、技術が、その持てる力を発揮した場合 か いり に示すGDPを「潜在GDP」、これと現実のGDPとの乖離 度合いを「GDP ギャップ」というが、GDPギャップがプラスの場合は、経済状況が好況である ことを示し、物価が上がりやすい傾向がある。 税制 〔第28問〕 1 相続税または贈与税に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。 相続税の基礎控除額は、次の式で計算されるが、法定相続人の数には非嫡出子 は含まれない。 3,000万円+600万円×法定相続人の数 2 相続時精算課税を選択した場合は、60歳以上の親から20歳以上の子に贈与され た財産の価額が2,500万円までは課税されず、2,500万円を超えた場合は、20歳以 上の者が直系尊属から贈与を受けた場合の贈与税の速算表により贈与税額が計算 される。 3 結婚・子育て資金の一括贈与において、金融機関等との資金管理契約の期間中 に贈与者が死亡した場合、贈与した金銭等に残額があるときは、その残額は受贈 者が贈与者から相続等により取得したものとされ、相続税の課税価格に算入され る。 4 教育資金の一括贈与において、金融機関等との資金管理契約の期間中に贈与者 が死亡した場合、贈与した金銭等に残額があるときは、その残額は受贈者が贈与 者から相続等により取得したものとされ、相続税の課税価格に算入される。 建築・公法 〔第39問〕 1 建物の省エネルギー対応等に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。 地中熱を利用した地中熱ヒートポンプシステムの特徴は、深さ10m以深に存在 し、その地域の年間の平均気温とほぼ同じである恒温の熱エネルギーを地中から 取り出して利用することにより、大気中への冷房時排熱の放出を防ぐことで、 ヒートアイランド現象の抑制を可能とするなど、環境保全に優れていることで あるが、火山エネルギーを利用する地熱発電も同じシステムとなっている。 (公財)不動産流通推進センター 2 家庭の消費エネルギーの半分以上を給湯と暖房が占めるといわれる中、ガスと 電気の優れた部分を組み合せた「ハイブリッド給湯・暖房システム」は、省エネ・ 経済性や環境面で優れ、ランニングコストも従来の設備より大幅に低減するが、 室外機やタンクユニットなどを設置する相応のスペースが必要であるため、狭小 敷地やマンションなどには適さない。 3 建物の断熱工法には内断熱工法と外断熱工法があって、内断熱工法は一部の 部屋での利用や短時間の利用に適しているが、結露が起きやすくなる性質があり、 一方で外断熱工法は全室・全館の連続冷暖房に機能を発揮するものの、欠点と してはヒートブリッジ現象を起こしやすくなる性質がある。 4 ネット・ゼロ・エネルギーとは、電力や熱などのエネルギーを自ら生産し、 それを消費して差し引きゼロになる状態をいうが、省エネ機器の導入や断熱対策、 太陽光や地中熱などの自然エネルギーの利用によってその状態を実現した建物を、 ビルの場合はZEB(ネット・ゼロ・エネルギービルディング)、住宅の場合は ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)という。 私法 〔第48問〕 建物の賃貸借に関する次の記述のうち、民法、借地借家法および判例によれ ば不適切なものはどれか。 1 賃貸借契約の終了時における建物内装等の原状回復義務に関して、通常損耗の 部分は、原則として賃貸人が負担すべきものと考えられているが、特約によって 賃借人が負担することとなる通常損耗の範囲が具体的に明記されているなど明確 に合意されている場合には、賃借人の負担とすることも有効とされる。 2 賃貸借契約の更新に際して賃借人が賃貸人に更新料を支払うという内容の条項 に関しては、賃貸借契約書に一義的・具体的に記載され、明確な合意が成立して いる場合で、その額が更新期間等に照らして高額にすぎるなど特段の事情のない 限り、消費者契約法にいう「消費者の利益を一方的に害するもの」には該当せず、 有効とされている。 3 建物賃貸借の契約関係において、誰が賃借人であるかは賃貸人にとって重要な 要素であり、かつ、建物の資産としての重要性も考慮されて、賃借人は、賃貸人 の承諾を得ずに目的物を転貸することはできず、承諾なしに転貸を行った場合に は、賃貸人は契約を当然に解除することができるとされている。 4 建物賃貸借において、賃借人が賃貸人の承諾を得て当該建物を転貸している 場合で、賃借人の債務不履行によって賃貸借契約が解除されたときには、転借人 は賃貸人に対してその転借権を主張できなくなるが、転貸借契約が当然に終了 することとはならないので、転借人は、必ずしも直ちに建物を返還しなければ ならないわけではない。 (公財)不動産流通推進センター 【正解】 事業・実務 経済・金融 税制 建築・公法 私法 〔第 10 問〕 〔第 13 問〕 〔第 28 問〕 〔第 39 問〕 〔第 48 問〕 2 2 3 4 3