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日本・スイス租税条約 改定議定書署名
Financial Services Tax News March June 2010 PwC Japan Tax Newsletter 税理士法人プライスウォーターハウスクーパース は、プライスウォーターハウスクーパース(PwC) グローバルネットワークの日本におけるメンバー ファームです。公認会計士、税理士等約 560 名の スタッフを有する日本最大級のタックスアドバイ ザーであり、そのうち、約 100 名が金融部に所属し ています。金融・不動産関連をはじめ、法人・個人 の申告、移転価格、M&A、事業再編、国際税務、 連結納税制度など幅広い分野において税務コン サルティングを提供しています。 PwC のグローバルネットワーク (www.pwc.com) に属する PwC 各メンバーファームは、クライアント およびクライアントを取り巻く人々の信頼の確立と、 価値の向上を目指して、監査、税務、アドバイザ リーサービスにおいて、クライアントの業種に焦点 をあてたサービスを提供しております。PwC は、 世界 151 カ国に 163,000 人のスタッフを有し、常に 新たな視点からクライアントのご要望に即したアド バイスを提供できるよう、そのネットワークを十分 に活用して問題解決に取り組んでいます。 私どもが提供しておりますニュースは、概略的な 内容をご紹介しているにすぎません。個別案件へ の対応、またはより専門的な案件への取り組みに 際しましては、ぜひ私どもの金融部を皆様のよき パートナーとしてご利用ください。 日本・スイス租税条約 改定議定書署名 2010年5月21日、財務省は日本とスイスとの間で「所得に対する租 税に関する二重課税の回避のための日本国とスイスとの間の条約 を改正する議定書」(以下、「改正議定書」)の署名が行われたことを 発表しました。 本改正議定書は、両国においてそれぞれの国内手続きを経た後、 その国内手続の完了を通知する外交上の公文の交換の日の翌日 から30日目の日に効力を生じ、以下のように適用されることとなりま す。 1. 源泉徴収される租税に関しては、効力を生ずる年の翌年の 1 月 1 日以後に租税を課される額 2. 源泉徴収されない所得に対する租税に関しては、効力を生ず る年の翌年の 1 月 1 日以後に開始する各課税年度の所得 3. その他の租税に関しては、効力を生ずる年の翌年の 1 月 1 日 以後に開始する各課税年度の租税 新条約は、日本とスイス両国間の投資交流の促進を図るため、投資 所得(配当、利子および使用料)の支払いに対する源泉地における 課税を軽減するとともに、匿名組合分配金や土地類似株式の譲渡 収益についての規定が導入されました。また、特典制限条項等、租 税回避を防止するための措置を設けています。 本ニュースレターでは、新条約における現行条約からの主な変更点 についてご紹介します。 改正議定書の全文は、以下の財務省のサイトで見ることができま す。 税理士法人プライスウォーターハウスクーパース 金融部 〒100-6015 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 霞が関ビル15階 電話 : 03-5251-2400(代表) http://www.pwc.com/jp/tax © 2010 税理士法人プライスウォーターハウスクーパース プライスウォーターハウスクーパースとは、税理士法人 プライスウォーターハウスクーパース、または、プライス ウォーターハウスクーパースのグローバルネットワーク、 ないしはそのメンバーファームを指しています。個々の 組織は分離独立した法的組織となっています。 www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/sy220521sw.htm Financial Services Tax News June 2010 課税当局間の情報の交換 新条約では、日本とスイス両国間における租税に関する国際標準に基づく情報交換を可能にする規定が導入されま した。 現行条約および新条約の投資所得等の比較表 新条約では、配当、利子、使用料に対する源泉地国での課税の軽減または免除が行われました。また、匿名組合契 約に係る所得に対する課税の取り扱いに関する規定が設けられました。 現行条約 配当支払法人の全議決権の 25%以上を、配当の支払いを受 ける法人が、当該配当の支払わ れる日に先立つ 6 カ月を通じて所 有する場合 新条約 10% • 配当支払法人が日本の居住者 の場合は、当該法人の議決権 の50%以上を、配当支払法人 がスイスの居住者の場合は、 当該法人の発行済株式または 議決権の50%以上を、配当の 支払いを受ける者が特定され る日をその末日とする6カ月の 期間を通じて直接または間接 に所有する法人の場合 0% • 年金基金または年金計画 配当 上記以外 15% 政府機関等 0% 利子 上記以外 10% 配当支払法人が日本の居住者の 場合は、当該法人の議決権の 10%以上を、配当支払法人がスイ スの居住者の場合には、当該法人 の発行済株式または議決権の 10%以上を、配当の支払いを受け る者が特定される日をその末日と する 6 カ月の期間を通じて直接ま たは間接に所有する法人の場合 5% 上記以外 10% 利子の受益者が以下のいずれか である場合 • 政府機関等 • 一定の金融機関 • 年金基金、年金計画 等 0% 上記以外 10% 使用料 全ての受益者 10% 全ての受益者 0% 匿名組合 全ての受益者 0% (その 他所得条 項による) 源泉地国に課税権あり 20% PricewaterhouseCoopers 2 Financial Services Tax News June 2010 譲渡収益 新条約では、現行の譲渡収益の条項が改正され、新たに以下の財産の譲渡に係る譲渡収益について、当該譲渡の 対象となった財産の所在地国において課税できるものとされました。 z 法人または信託財産の資産の価値の 50%以上が、他方の締約国に存在する不動産によって直接または間接 に構成される場合の、当該法人の株式または当該信託財産の持分の譲渡 z 政府が、金融機関の差し迫った支払不能に係る破綻処理に関する法令にしたがって、金融機関に資金援助を 行った場合の当該金融機関の株式の一定期間内の譲渡 租税回避行為の防止のための措置の導入 新条約では、特典制限条項が設けられ、第 10 条第 3 項(配当の源泉地国免税)、第 11 条第 3 項(利子の源泉地国 免税)、第 12 条(使用料の源泉地国免税)、第 13 条第 6 項(譲渡所得の源泉地国免税)および第 22 条(その他所 得条項)により認められる特典を受けることができる者は、原則として、一定の適格者等(個人、適格政府機関、一定 の上場法人等、年金基金等)に限定されています。 この他、株式に対する配当、利子および使用料に認められる条約の特典について、取引が導管取引と認められると き、あるいは、取引の目的が条約の特典の濫用と認められる場合には、その恩恵を受けることができないものとされ ています。 新条約上、特典制限条項の導入により条約の特典を受けるための要件が現行条約に比べて複雑となっています。 その他 新条約は、租税条約における居住者について包括的な定義を導入し、日本とスイスで課税上の取り扱いが異なる団 体を通じて取得された所得に関する取り扱いについて規定が設けられました。また、一定の年金基金や慈善団体が、 租税条約における締約国における居住者であることが明らかにされました。 移転価格課税の処分の期間制限については、課税年度終了から 7 年と規定されていますが、国内法令がこれより 以前の期間制限を定めている場合は、その国内法令に定める期間制限となります。 上記は、日本とスイスの租税条約の改正の一般的な取り扱いをまとめたものですので、新条約の個別事例における 適用および解釈については、私ども税務アドバイザーへご相談されることをお勧めします。 PricewaterhouseCoopers 3 Financial Services Tax News June 2010 より詳しい情報につきましては下記担当者にご連絡ください。 税理士法人プライスウォーターハウスクーパース 金融部 〒100-6015 東京都千代田区霞が関 3 丁目 2 番 5 号 霞が関ビル 15 階 電話 : 03-5251-2400(代表) http://www.pwc.com/jp/tax パートナー シニア・マネージャー マネージャー PricewaterhouseCoopers 藤本幸彦 03-5251-2423 [email protected] 大石克洋 03-5251-2565 [email protected] 松田結花 03-5251-2556 [email protected] 飯村鉄雄 03-5251-2834 [email protected] 鬼頭朱実 03-5251-2461 [email protected] 高木宏 03-5251-2788 [email protected] 川崎陽子 03-5251-2450 [email protected] レイモンド・カーン 03-5251-2909 [email protected] スチュアート・ポーター 03-5251-2944 [email protected] マーク・リム 03-5251-2867 [email protected] 中村賢次 03-5251-2589 [email protected] 高野公人 03-5251-2698 [email protected] 斎木信幸 03-5251-2570 [email protected] 箱田晶子 03-5251-2486 [email protected] 今村恭子 03-5251-2855 [email protected] 佐々木真美 03-5251-2471 [email protected] 松永智志 03-5251-2586 [email protected] 遠山壮一 03-5251-6212 [email protected] 野中貴史 03-5251-2417 [email protected] 鈴木宏子 03-5251-2156 [email protected] 藤野孝太郎 03-5251-2036 [email protected] 比留間延佳 03-5251-2871 [email protected] 梶原みゆき 03-5251-2520 [email protected] 牧平直子 03-5251-2223 [email protected] ダニエル・ルーツ 03-5251-6640 [email protected] 4