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調合設計の手順
調合強度とは,コンクリートの調合を決定する際に目 標とする圧縮強度である。標準養生した供試体の材齢 28 日 に お け る 圧 縮 強 度 で 表 す も の と し , (1) 式 お よ び (2) 式によって算定される値のうち,大きい方の値とする. F= F m + 1.73 σ F= 0.85F m + 3 σ ここに (N/mm 2 ) ( 1 ) 2 ( 2 ) (N/mm ) F: コンクリートの調合強度 (N/mm2 ) F m : コンクリートの調合管理強度 (N/mm2 ) σ : 使用するコンクリートの圧縮強度の標 準 偏差 (N/mm 2 ) であり,レディーミクスト コ ンク リ ー トの 場 合 は 工 場の 実 績をもと 2 に定める.実績がない場合は,2.5 N/mm または 0.1 F m の大きい方の値とする. コンクリートの調合管理強度 F m は,標準養生された 強度管理用供試体が,材齢 28 日において満たすべき圧 縮強度のことで,(3) 式によって算出される値とする. Fm= Fq + ここに mSn (N/mm 2 ) ( 3 ) F m : コンクリートの調合管理強度 (N/mm2 ) F q : コンクリートの品質基準強度 (N/mm2 ) m S n : 構造体強度補正値 (N/mm 2 ) 構造体強度補正値 m S n は,特記のない場合は m を 28 日,n を 91 日とし,表 6 により,セメントの種類および コンクリートの打込みから材齢 28 日までの予想平均気 温の範囲に応じて求める. コンクリートの品質基準強度 F q とは,構造体および 部材の要求性能を得るために,材齢 91 日において構造 体コンクリートが満たすべき圧縮強度のことである.コ ンクリートの品質基準強度 F q としては,設計基準強度 Fc お よ び 耐 久 設 計 基 準 強 度 Fd の う ち , 大 き い 方 の 値 を用いる. 9) 塩化物イオン量の確認 JASS 5 では,コンクリート中の塩化物イオン量を 0.30 kg/m3 以下に規定している.これは,コンクリート中に 一定量以上の塩化物イオンが存在することで,鉄筋が腐 食し鉄筋コンクリート構造物の耐久性を低下させるた めである. 塩化物イオンは海砂に多く含まれている可能性があ り,その他にはセメント,水および化学混和剤の一部に も含まれている可能性がある.そのため,各材料の単位 量と塩化物イオン含有率から含有量を求め,コンクリー ト中の塩化物イオン総量を算出し,規定値以下であるこ とを確認する. Fm コ ン ク リ ー ト の 品 質 基 準 強 度 Fq は , 設 計 基 準 強 度 21N/mm 2 および耐久設計基準強度 24N/mm2 のうち, 2 大きい方の値であるから, F q =24 N/mm となる. また,構造体強度補正値 mSn は,セメントの種類お よびコンクリートの打込みから材齢 28 日までの予想平 2 均気温の範囲から,表 6 により 3 N/mm となる. したがって,コンクリートの調合管理強度 F m は,(3) 2 式によって 27 N/mm と算出される. 調 合 強 度 F は , 調 合 管 理 強 度 Fm と 標 準 偏 差 σ に よって求められる. Fm