Comments
Description
Transcript
名作『晩春』のデジタル修復決定!(PDF:309.8 KB)
2013 年 11 月 21 日 プレスリリース 松竹株式会社 名作『晩春』のデジタル修復決定! 【小津安二郎生誕 110 年・没後 50 年プロジェクト】 クラウドファンディング「READYFOR?」にて 「日本映画界が世界に誇る小津作品を未来に残す。 」プロジェクトを明日より開始 松竹株式会社(東京都中央区、代表取締役:迫本淳一)は、ニューヨークの世界的修 復会社 CINERIC 社と国際プロジェクトを立ち上げ、最新技術で『晩春』のデジタル修復 を取り組むことを決定しました。 2013 年は、世界的な巨匠・小津安二郎監督(1903-63 年)生誕 110 年、没後 50 年に あたります。これを記念して、本年は、松竹と東京国立近代美術館フィルムセンターが 共同して『秋刀魚の味』 (カンヌ国際映画祭) 、 『彼岸花』 (ヴェネチア国際映画祭) 、 『秋 日和』(2014 年映画祭選定中) 、『お早よう』 (2014 年映画祭選定中)とデジタル修復を してきました。 「晩春」 国際プロジェクト始動 者の この度、松竹とニューヨークの世界的修復会社 CINERIC 社と国際プロジェクトを 立ち上げ、最新技術で『晩春』のデジタル修復に取り組むことになりました。 『晩春』は、今や海外にも熱狂的なファンが多い、原節子の記念すべき小津作品 出演第一作であり、 『東京物語』 (2011 年修復、2013 年ベルリン国際映画祭)と並 び称される傑作でキネマ旬報第 1 位、第 4 回毎日映画コンクール日本映画大賞を受 賞しています。 「晩春」のデジタル修復について 映画のフィルムは適切な温度と湿度で保管してはじめて、 映画公開当時の鮮やかな色(モ 者の ノクロの場合は白と黒のコントラストとグラデーション)と音響を鑑賞できますが、製作 して長い期間を経過した作品は、当時の保管・利用状況が主な原因で、傷んだり、色あせ たりしています。 2013 年 11 月 21 日 プレスリリース 松竹株式会社 近年、フィルム映画のデジタル技術による修復と上映が、世界各地の映画祭や、劇場で 活発に行われるようになりました。1980 年代以降、コンピューター技術(CG)が特に SF 映 画の分野で発達してきましたが、この技術の応用によって、かつては非常に時間と経費が かかるか、そもそも不可能だった、クラシック映画の修復ができるようになりました。世 界映画史上の傑作でも、クラシック映画に対する特に若い世代の方々の関心は高いとは言 えず、商業的な成功を前提にした修復をすることは、非常に難しいのが現状です。松竹は、 1950 年代、60 年代の映画全盛期の作品に実際に携わった撮影スタッフの方々に修復の監修 をしていただくために、一度劣化しはじめるとそれを止めるのが難しいフィルムのために、 一本でも多く、一年でも早く、危機にある映画を修復・上映しようとしています。 ―「晩春」のデジタル修復― 1949 年当時のオリジナルフィルムは存在せず、後年作られたネガや上映用フィルムも、 キズや縮み等の問題が多く、現在状態が良いとはいえません。この素材をもとに、どこま で公開当時の画と音を復元できるか・・・。 今回の修復は、カンヌ、ヴェネチア、ベルリン等の国際映画祭で毎回のように修復作品 が上映されている、ニューヨークの世界的修復会社 CINERIC 社と共同で行います。これま で同社は、 『怒りの葡萄』 (1940、ジョン・フォード監督)、 『わが谷は緑なりき』 (1941、ジ ョン・フォード監督) 、 『波止場』 (1954、エリア・カザン監督)といった、ハリウッドの数々 の傑作を手掛けています。 現在、テスト修復をニューヨークで行っていますが、おおまかな手順は、小津作品に実 際に携わった方々に監修をお願いして、以下の予定で進みます。 ① 4K スキャン(1フレーム毎、特殊なスキャナーで行う) ② 4K 修復(専門技術とソフトによるデジタル修復) ③ 4K 上映素材制作(DCP) 35mm フィルムはデジタルでいえば 4K に相当すると言われています。スキャンと修復は、 映画は 1 秒 24 フレームなので、1 時間 48 分だと、約 155,000 フレームの画像に、日米のス タッフで取り組むことになります。 DCP はデジタル・シネマ・パッケージの略で、現在の映画館のデジタル上映のほとんどが、 この素材によるデジタル上映になります。 全行程は、テスト修復の結果次第ですが、4 ヵ月以上 1 年以内を想定しています。 2013 年 11 月 21 日 プレスリリース 松竹株式会社 「晩春」について アクセスマップ 『晩春』1949 年公開/白黒/スタンダード/1 時間 48 分 者の ■原作:広津和郎「父と娘」■脚本:野田高梧、小津安二郎■撮影:厚田雄春 ■音楽:伊藤宜二■美術:浜田辰雄■出演:原節子、笠智衆、月丘夢路、杉村春子、 宇佐美淳、三島雅夫 北鎌倉に住む大学教授の父は、同居する娘の結婚に腐心する。互いを想う父娘の情愛を 静謐な気品を湛えて描き、小津後期のスタイルを確立した傑作。原節子は本作が初の小津 作品で、以後そのミューズ的存在となる。 クラウドファンディングについて 小津安二郎監督の名作『晩春』のデジタル修復の資金調達及び、新たなファン層の確 アクセスマップ 保を目的とした「日本映画界が世界に誇る小津作品を未来に残す。 」プロジェクトを、 者の 本日 11 月 22 日よりオーマ株式会社(東京都文京区、代表取締役:岡本真)が運営する クラウドファンディング「READYFOR?」にて開始いたします。 ―「晩春」プロジェクトサポーター募集― デジタル修復された『晩春』は、2014 年以降、世界各地の映画祭や映画館で上映さ れます。サポーターにご応募いただき、国内外の方々に『晩春』の素晴らしさを伝え、 保存するプロジェクトにご参加をお願いすることになりました。 プロジェクト名: 「日本映画界が世界に誇る小津作品を未来に残す。」 (https://readyfor.jp/projects/ozu_remastering) 期間:2013 年 11 月 22 日(金)~ 2014 年 2 月 20 日(木) 実行者:松竹株式会社 目的:小津安二郎監督の映画『晩春』(1949 年)をデジタル修復する費用の一部(500 万) の調達及び、新たなファン層の拡大。 内容:支援は一口 3,000 円、10,000 円、30,000 円、50,000 円、100,000 円で参加できます。 READYFOR?の仕組みは、既存の寄付とは異なり、支援額に応じて支援者はリターンを受 け取ることができます。本プロジェクトでは、10,000 円で修復版『晩春』のブルーレ イ・ディスクへのお名前収録、30,000 円で『晩春』デジタル修復版完成披露試写会に ご招待、500,000 円で海外プレミアへのご招待など、趣向を凝らしたリターンが設定さ れています。 <『晩春』デジタル修復に関するお問合せ> 松竹株式会社 メディア事業部コンテンツ開発室 経営情報企画部 広報室 Tel:03-5550-1753 Tel:03-5550-1526 <クラウドファンディングに関するお問合せ> オーマ株式会社 READYFOR 事務局 MAIL: [email protected] URL: https://readyfor.jp/