...

液体クロマトグラフィー

by user

on
Category: Documents
17

views

Report

Comments

Transcript

液体クロマトグラフィー
液体クロマトグラフィー
1 高速液体クロマトグラフィー
2 イオンクロマトグラフィー
クロマトグラフィー
互いに混じり合わない移動相と固定層の二つから成り,試料成分が固
定層を移動する間に生じる移動速度の差を利用して,試料中の各成分
を互いに分ける分離法
用いる溶媒及び固定層により,無機イオンから有機化合物まで,低分
子から高分子まで,溶液にできる試料のすべてが分離対象となる。
試料
分離カラム
固定相
(充填剤)
分離カラム中には、固定相と移動相の2相が存在し、
混合試料はこれら2相との親和性の差によって分離される。
移動相(溶離液)
固定相に対する親和性が弱いものは、早く溶出する。
27
1~6 ; (液体クロマトグラフィー)
7 ; (ガスクロマトグラフィー)
分 離 ・ 精 製 法
1,吸着クロマトグラフィー(Adsorption Chromatography)
最も一般的な分離法で、試料の官能基と分子の大きさによる吸着力と、充填剤との吸着能によって分離する。
2,分配クロマトグラフィー(Partition Chromatography)
互いに混ざり合わない2種の溶媒によって、試料の親和力の差によって分離する。
3,イオン交換クロマトグラフィー(Ion Exchange Chromatography)
イオン性試料とカラム内のイオン交換基間の静電的相互作用を利用してイオン性物質の分離を行う。
4,ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography : GPC)
分子ふるい、ゲル濾過ともいう。網目構造を持つゲルに試料を通して、分子が網目より小さいほど網目に
とどまり易く、通過に時間がかかることを利用して、分子の大きさにより分離する。
5,薄層クロマトグラフィー(Thin Layer Chromatography : TLC)
ガラス板にシリカゲルなどを塗布して、試料と固定層との脱吸着によって分離する。最も簡便な分離法。
6,高速液体クロマトグラフィー(High Performance Liquid Chromatography : HPLC)
通常のカラムクロマトより微細で粒度の揃った充填剤を用い、高圧ポンプを用いて高分離能と分析時間を
短縮したもので、微量・定性・定量分析や純度検定に広く使用されている。
7,ガスクロマトグラフィー(Gas Chromatography : GC)
移動相に気体(He,N2,Ar)を用いるクロマトグラフィーの総称。分離能、分析感度ともに優れている。
8,キャピラリー電気泳動(Capillary Electrophoresis : CE)
電荷をもつ物質を直流電場におくと、その物質の電荷、分子の大きさ、および形などによって、それぞれ特有
の移動することを利用して、分離する方法。
・ ガス状物質
・ 揮発性化合物
・ 低極性化合物
ガスクロマトグラフィー
( Gas Chromatography )
GC/MS
・ 電子イオン化法
( Electron Ionization )
・ 化学イオン化法
( Chemical Ionization )
有機層
Data Base
水層
・ 難揮発性物質
・ 温度不安定物質
・ 極性物質
・ イオン性物質
・ 複合体物質
液体クロマトグラフィー
( Liquid Chromatography )
LC/MS
LC/MS/MS
LC/MSn
・ FAB
( Fast Atom Bombardment )
・ MALDI
( Matrix Assisted
Laser Desorption/Ionization )
・ ESI
( ElectroSpray Ionization )
・ APCI
( Atmospheric Pressure
Chemical Ionization )
・
・
28
HPLC で何が分かる?
•  標準既知物質があれば、未知化合物の同定
ができる。
1 高速液体クロマトグラフィー
試料+液体
液体
移動相
カラム(Column)
成分
高速液体クロマトグラフィー
High Performance Liquid Chromatography
HPLC
移動相に液体を用い、高圧送液ポンプと
充填カラムの使用で、分離・精製を高速で行う装置。
29
装置図
High Performance Liquid Chromatography
HPLC
高速液体クロマトグラフィー
カラム
市販されているカラム
標準カラム:
4.6mmφ
セミミクロカラム: 1.5~2.0mmφ
マイクロボアカラム:0.8mmφ
キャピラリーカラム:0.3mmφ
ナノカラム:
0.075mmφ
30
カラムは
移動相と固定相のうち、必ず一方が常に他方より、
はるかに極性が高くなければならない。
試料
カラム
固定相
移動相
似たものは、似たものを溶かす
シリカカラムの場合、移動相にヘキサンを使用した時、
ヘキサンはシリカ表面より遙かに極性が低い。このように、
固定相の極性が高く、
移動相の極性が低いとき、これを「順相クラマトグラフィー」と呼び、
固定相の極性が低く、
移動相の極性が高い時には、「逆相クロマトグラフィー」と定義している。
HPCLの検出器
31
(UV-VIS検出器)
フォトダイオードアレイ紫外可視検出器
・紫外~可視全波長域での同時測定が可能(190nm~800nm)
・単一成分か混合物かの見分けが容易
光源
・重水素ランプ(D2):190~370nm
・タングステンランプ:370~800nm
・同時使用:190~800nm
HPLC Chromatogram of Sweetpotato Leaves
3
1
2
Polyphenol related CQA
330 nm
4
2
330 nm
5
Anthocyanin
520 nm
3
5
520 nm
4
1 4
3
Abs
5
6
2
1
0
380
500
600
700
780
Wavelength [nm]
32
LC/MS (液体クロマトグラフィー/質量分析)
HPLCで分離された化合物を、直接MSに導入して分析する
分離・分析手段
その特長
1,他のLC検出器に比べて高感度である
2,分子構造情報を得ることが出来る (MS/MS)
3,クロマトグラフ上で分離困難なピークも分離できる
SIM:selected Ion Monitoring,
SRM:selected Reaction Monitoring
4,化合物の同定能力が高いなど。
LCと接続できるMSのイオン化法
1,APCI(大気圧イオン化法)
2,ESI(エレクトロスプレーイオン化法)
これらの方式は、LCから溶出した試料を直接スプレーする方式、
一方、MALDIやFABは試料を直接レーザーや高速分子で
イオン化するため、LCとの整合性はよくない。
アントシアニン画分の質量分析
m/z = 1097.3
Absorbance, mAU
m/z = 1055.4
-LC-ESI-MS method-
Solvent ; (A) 0.5%HCOOH, B)50%H2O/50%CH3CN/
1%CH3COOH/0.5%HCOOH
Gradient ; (B) 25-35%(10min) → 35%(15min)→ 35-40%(10min)
Temp. ; 30℃, Flow rate ; 0.5mL/min
Column ; ODSφ4.6×250mm,
Wave length ; 330,520nm. Injection volume ; 10µL
Mode ; ESI, Positive
m/z =163.2
935.5
m/z = 893.6
m/z = 935.3
m/z = 773.2
m/z = 1111.4
m/z = 1081.4
m/z = 1111.3
m/z = 287.3
1069.1
m/z = 449.3
Time, min
33
HPLC-MS/MS は、より高い精度をもった分離・分析手段である。
その上、有機化合物の構造解析、タンパクやペプチドのアミノ酸配列決定
にも、大いに役に立つ分析装置である。
分離
分離
HPLC
MS-1
分析
collision
MS-2
MS/MS質量分析装置
試料
スペクトル
Total ion chromatogram of anthocyanin
MS/MS Spectra of
Anthocyanin
A : m/z 1097
OH
OH
287
HO
O
449
Product scan spectrum from peak A [ m/z 1097]
O
O
HO
+
O
O
OH
HO
287.1
O
O
HO
287.1
O
OH
O OH
OH
O
OH
OH
HO
935
449.5
O
OH
935.3
HO
HO
Precursor scan spectrum from product ion [m/z 287]
1097.6
34
2 イオンクロマトグラフィー
2-1 目的・対象試料
工場排水,河川水,湖沼水,海水,地下水,雨水,雪氷,飲料水,
半導体製造用水などの水試料中のイオン成分や排ガス中の硫黄
酸化物,塩化水素,窒素酸化物などの測定に用いられる。
定量範囲
35
2-2 測定原理と装置
イオン成分を分離カラムで分離後,対象とするイオン成分を検出し,
イオンクロマトグラムとして記録する。
装置の基礎となる構成は,HPLCと同様である。
カラム中でイオンはイオン交換能の差に基づいて分離される。
検出器:電気伝導度検出器
カラムの充填剤
36
サプレッサ
Fly UP