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長井市 第二次男女共同参画基本計画

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長井市 第二次男女共同参画基本計画
長井市
第二次男女共同参画基本計画
「市民一人ひとりが個性と能力を発揮できるまち」
をめざして
平成 26 年 3 月
長井市
目次
第1章
第2章
第3章
計画の基本的な考え方
1
男女共同参画社会とは
2
男女共同参画社会の必要性
3
計画策定の趣旨
4
計画の位置づけと計画期間
5
策定にあたっての市民参加
6
計画の推進体制と進行管理
付属資料
1
1
3
4
4
5
……………
……………
……………
6
8
10
……………
……………
……
……………
……
……………
……
……………
……
……………
……
11
11
12
13
14
15
これまでの取り組みと現状
1
施策の取り組みと成果
2
長井市の男女共同参画の現状
3
長井市の男女共同参画の課題
計画の特徴
1
基本目標
2
基本理念
3
計画推進の概念図
4
重点的に取り組む施策の方向性
5
新たに取り組む施策
重点的に取り組む施策の方向性4
本計画で改め
6 施策の体系図
て強調した視点
第4章
……………
……………
……
……………
……
……………
……
……………
……
……………
……
……
実現のための施策
1
社会全体で目指す姿
……………
16
2
家庭において目指す姿
19
3
学校において目指す姿
……………
……
……………
……
4
職場において目指す姿
24
5
地域において目指す姿
……………
……
……………
……
◎ データで見る長井市
◎ 男女共同参画社会基本法
◎だ長井市男女共同参画推進条例
◎ 長井市男女共同参画推進条例施行規則
◎ 長井市男女共同参画推進本部規定
◎ 男女共同参画に関する動き
◎ 審議会委員名簿、計画策定の経過
22
27
……
……………
31
……………
38
……………
43
……………
47
……………
48
……………
49
……………
52
第1章
1
計画の基本的な考え方
男女共同参画社会とは
「男女共同参画社会基本法」では、男女共同参画社会とは「男女が、社会の対等な構成員として、自
らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画 1)する機会が確保され、もって男女が均等に
政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会」とさ
れています。すなわち、男女が性別に関わりなく個人として尊重され、喜びも責任も分かち合い、その
能力・個性を十分発揮することができる社会のことです。
2
男女共同参画社会の必要性
男女共同参画社会を目指す理由として以下の3つがあります。
(1)世界の動向(各種法令等)から
男女共同参画社会の基盤となるのは男女の平等を基礎とした人権の尊重です。「国連憲章」(1945
年)前文、「日本国憲法」(1946 年)第 14 条・第 24 条、「世界人権宣言」(1948 年)第2条、
「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」(1979 年)など各種法令等には、個人の尊
重、性差別の克服、男女平等の理念に基づく国づくりや社会づくり等が明記されています。
(2)日本の現状から
我が国では、上記の各種法令等に基づき、国際社会の取組とも連
【図 1】
ジェンダー・ギャップ指数(2013)
各分野の日本の順位と比較
動しつつ様々な取り組みが進められてきました。
しかし、各国における男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数
2)
(Gender Gap Index:GGI)によれば、日本は 136 カ国中 105
位(2013 年)で、特に政治と経済の分野で女性の活用が進んでい
ないことが明らかになりました。
また、日本は他の先進諸国に比べて女性の非正規雇用率が高く、
健康
(34/136)
経済参画
(104/136)
1
0.8
0.6
0.4
0.2
0
日本
105位/136ヵ国中
スコットランド
1位/136ヵ国中
教育
(91/136)
男女で平均賃金の差が大きいことから、母子家庭や単身の高齢女性
が貧困につながりやすいといった深刻な問題もあります。
政治参画
(118/136)
上記法令等で謳われた理念は実現されておらず、男女共同参画社
会の実現に向けて取組むべき課題は依然として多く残されているとい
(資料:世界経済フォーラム「The Global
Gender Gap Report 2013」より作成)
えます。
1)
参画とは、一般的に、単に「参加」するのではなく、参加し、かつ意見を表明し、企画・計画することまでを含みます。
2)
ジェンダー・ギャップ指数は、経済分野、教育分野、政治分野及び保健分野のデータから作成され、0 が完全不平等、1 が完全平等を意味してい
ます。本指数は、政治、経済分野などの男女格差に焦点を当てていることから、日本の順位は、これらの分野における日本の状況を反映したものと考
えられます。
1
(3)長井市の状況から
今後日本では世界に先駆けて少子高齢化が加速し生産年齢人口が減少していきます。長井市でも出生
数の減少と高齢化による人口減少が急激に進んでおり、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、
平成 37 年には人口は 2 万 5,000 人を下回るとされています。同年には、人口に占める高齢者の割合は
36.8%となり、働き手である成年世代(15~64 歳)1.4 人で 1 人の高齢者を支える状態が予想されて
います。
また、長井市の合計特殊出生率 3)は全国、県、置賜と比べて高い傾向にはありますが、平成7年以降
減少を続け、今後も同様の社会状況であれば増加に転じることは難しいと考えられます。
女性が人口の半数を超えていることからも、女性の考えを活かした社会づくり、女性が能力を発揮で
きる環境の整備が急務となっています。
【図 2】長井市の人口の推移と今後の推計
(単位:人)
40,000
35,000
33,490
30,000
33,260 32,727 31,987
30,929
4,763 5,823
6,850 7,803
8,466
25,000
20,000
15,000
22,042 21,435
20,478 19,358
10,000
5,000
0
29,473
27,755
8,770
18,184 16,915
26,064
24,396
9,044
9,200
15,417 13,987
8,975
22,786
8,617
12,857 11,852
6,685 6,002 5,399 4,826 4,279
3,788 3,294 2,877 2,564 2,317
S60
H2
H7
H12
15歳未満
H17
H22
H27
15~64歳
H32
H37
H42
推計
65歳以上
(資料:平成 22 年までは総務省「国勢調査」、平成27年以降推計は、国立社会保障・人口問題研究所推計)
【図 3】長井市の高齢化率
【図 4】長井市の合計特殊出生率の推移(単位:人)
40.0%
35.3%
35.0%
27.4%
30.0%
15.0%
2.00
1.90
1.80
1.70
1.60
1.50
1.40
1.30
1.20
1.10
1.00
32.6%
24.4%
25.0%
20.0%
29.8%
36.8% 37.8%
20.9%
17.5%
14.2%
10.0%
5.0%
0.0%
S60
H2
H7
H12
H17
H22
H27
H32
H37
H42
推計
(資料:平成 22 年までは総務省「国勢調査」、平成 27 年以降推計は、
国立社会保障・人口問題研究所推計より作成)
3)
1.95
1.93
1.87
1.70
1.66
推計
S60
H2
全
H7
国
H12
山形 県
(資料:置賜保健所の統計情報より
H17
長井市
H26.3 月現在)
合計特殊出生率とは、15 歳から 49 歳までの女子の年齢別出生率を合計したもので、1 人の女子が仮にその年次の年齢別出生率に生むとした時
の平均子ども数に相当します。
2
1.66
H22
3
計画策定の趣旨
(1)計画策定は市町村の努力義務
平成 11 年、国は男女共同参画社会基本法を制定しました。基本法第 14 条には「市町村は、男女共
同参画基本計画及び都道府県男女共同参画を勘案して、当該市町村の区域における男女共同参画社会の
形成の促進に関する施策についての基本的な計画を定めるよう努めなければならない」と、市町村の計
画策定の努力義務が規定されています。
こうした規定や社会的な流れを受け、長井市では、平成 14 年 12 月「すべての市民の人権が平等に
保障され、男女が共に責任を分かちあう社会」を目指し、長井市男女共同参画推進条例(以下、「条例」
という。)を公布・施行しました 4)。さらに、平成 18 年 3 月には、条例第9条に基づき、長井市男女
共同参画基本計画(以下、「前計画」。)を策定しました。
(2)社会の変化に対応した第二次男女共同参画基本計画が必要
前計画に基づいて、これまで市では市民や事業所を対象にした意識調査の実施、各課での男女共同参
画に留意した各事業の実施など、男女共同参画の推進に取り組んできました。
しかし、前計画を策定してからこの8年という間には、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少、家族
形態の変化、経済不況による雇用情勢の悪化、社会経済のグローバル化の進行、情報通信技術の高度化
など、市民生活を取り巻く環境が大きく変化しています。
また、東日本大震災での経験を経て防災分野での男女共同参画の在り方など、男女共同参画を推進す
る上で新たな課題も出てきています。
こうした動きや新たな課題に的確に対応するとともに、前計画の期間が平成 25 年度に終了するため、
前計画を見直し、新たな男女共同参画基本計画を定める必要があります。
4)
平成 25 年 4 月 1 日現在、全国の市区町村の男女共同参画に関する条例の制定率は 31.3%で、県内市町村では、白鷹町(平成 11 年 10 月施
行)、長井市(平成 14 年 12 月施行)、山形市(平成 25 年 4 月施行)の3市町となっています。
3
4
計画の位置づけと計画期間
(1)計画の位置づけ
本計画は、下記の国・県の法令や計画の内容を踏まえています。
<国>
・「男女共同参画社会基本法」(平成 11 年6月制定)
・「男女共同参画基本計画(第3次)」(施策の計画期間:平成 23 年度~平成 27 年度)
<県>
・「山形県男女共同参画推進条例」(平成 14 年 7 月制定)
・「山形県男女共同参画基本計画(改訂版)」(計画期間:平成 23 年~平成 27 年度)
<市>
・「長井市第五次総合計画」(計画期間:平成 26 年度~平成 35 年度)
基本目標7「市民と行政が一体となった協働によるまちづくり」において、「性別に関わりなく、
一人ひとりの個性や能力が発揮される男女共同参画社会の形成に努めます。」とされています。
(2)計画期間
本計画の計画期間は、長井市第五次総合計画との一体性をもたせるため、平成 26 年度を初年度とし、
平成 35 年度を目標達成年度とする 10 年間とします。
H25
H26
H27
H28
H29
第五次総合計画
策定
基本計画(前期 5 年)
H31
H32
H33
作成
実施計画(前期5年)
H34
基本構想(10 年)
H35
H36
総括・策定
基本計画(後期 5 年)
見直し
第二次男女共同参画基本計画(10 年)
策定
5
H30
総括・策定
実施計画(後期5年) 総括・作成
見直し
策定にあたっての市民参加
本計画策定にあたり、「長井市まちづくり基本条例」及び「長井市男女共同推進条例」に基づいて、
以下のとおり市民及び事業者等の意見を本計画に反映させるように努めました。
・「男女共同参画に関する市民意識・実態調査」(平成 19 年度)
・「職場における仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する実態調査」
(平成 20 年度)
・第五次総合計画の「市民意向調査」(平成 24 年度に実施)
・ホームページ等による意見公募(パブリックコメント 平成 25 年 12 月初め~1 月初め)
・市内女性団体との意見交換会の実施(2団体)平成 26 年 2 月、3 月
4
6
計画の推進体制と進行管理
(1)行政における推進体制
全庁で横断的な取り組みを行うため、関係各課長からなる推進本部会及び作業部会を組織し、推進状
況についての評価を行い、改善策の検討を行います。
(2)市民との協働の推進体制
家庭
市
学校
社会全体
職場
民
長井市男女共同参画推進審議会
(有識者10名 男女同数
地域
意見
提案
参画
周知
啓発
市
任期2年)
実施状況
の報告
行
長
意見
提案
政
施策の進行管理・見直し
国
山形県
推進本部会議(関係各課長で構成)
連携
作業部会(各課から推薦された職員で構成)
条例第16条に基づき、長井市男女共同参画推進審議会を設置し、男女共同参画推進に関する基本的
かつ総合的な施策及び重要事項を調査審議していきます。また、市内のあらゆる分野において男女共同
参画を推進していくために、市民、事業者等、県及び国と協働で取り組んでいきます。
(3)実施状況の公表と進行管理
条例第 15 条及び長井市男女共同参画推進条例施行規則第2条に基づき、施策の総合的な推進を行う
ため、毎年進捗状況調査を行い、主要な施策の実施状況等について公表し、施策の評価と改善を行いま
す。
また、本計画においては、それぞれの事業において男女共同参画社会の理念を意識しながら取り組ん
でいけるよう、具体的な成果指標を入れた実施計画を作成し、5 年単位で見直しをかけながら推進して
いきます。
5
第2章 これまでの取り組みと現状
1
施策の取組みと成果
前計画では、条例第4条の「目指す姿」に基づき、「家庭」、「学校」、「職場」、「地域」と、そ
して 4 つの分野を包括する「社会全体」という計5つの分野にわけ、目標を定めで施策を展開してきま
した。
(1)社会において目指す姿(社会全体分野)
一人ひとりが人間としての人権を尊重する社会、あらゆる分野で男女の意見や考えが反映される社会
を目標に、「男は仕事、女は家庭」といった固定的性別役割分担意識 5)の解消、政策・方針決定過程へ
の女性の参画推進、調査・情報収集、相談体制の充実などに取り組んできました。
市民の声を男女共同参画の施策に反映させるため、平成 19 年度には市民意識・実態調査を実施し、
市民の実態把握につなげました。男女共同参画社会形成への意識啓発のために、国や県の各種情報を市
報や市ホームページ等でお知らせしたり、市内団体への説明会を実施したほか、平成 21 年には県と共
同で男女共同参画に関する映画上映や寸劇などのイベントを開催しました。
政策・方針決定過程へ女性の意見を反映するための取り組みとしては、市の審議会等委員における女
性の割合について目標値(33.3%)を設定し、審議会委員の選定の際に各課で配慮してきた結果、平成
24 年度の値は 28.7%と県内市区町村の中で長井市は 1 位となりました 6)。
また、相談施設の整備にも努め、市民相談センターの開設や母子自立相談員の設置により、以前より
も相談体制を充実させることができました。
【図 5】審議会等における女性の割合
35.0
30.0
25.0
市役所入口に開設された市民
相談センター
%
20.0
15.0
10.0
長井市割合
県内市町村平均
H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24
19.9 22.1 24.3 26.0 29.0 26.1 30.4 30.4 28.8 28.8 27.5 28.7
― ― 20.8 21.1 22.8 21.5 20.8 21.0 20.8 21.0 20.8 21.5
平成 13・14 年度:長井市総務課
平成 15 年度以降 :内閣府「地方公共団体における男女共同参画社会の形成
又は女性に関する施策の推進状況調査」毎年度 3 月 31 日
5)
委員の男女の均衡に配慮した審議会
性別による固定的な役割分担意識とは、「男は仕事、女は家庭」、「男は主役、女は従」というように、性の違いによって役割を固定してしまう考え
方や意識。
6)
地方自治法(第 202 条の 3)に基づく審議会等における女性の比率を県内市町村で比較した場合。
6
(2)家庭において目指す姿(家庭分野)
男女が協力して家事・育児・介護等ができる家庭、互いの人権を尊重できる家庭を目標に、子育て・
介護支援、健康づくりへの支援、暴力の根絶などに取り組んできました。
乳幼児期は、子の成長に合わせた発育発達の支援や相談、また母親を中心とした家族を含めての支援
を実施しているほか、平成 25 年度からは不育症治療費助成、特定不妊治療費助成も開始し、不妊で悩
む女性への支援体制が整いました。
また、家庭児童相談、子育て支援ガイドブックの配布等、子育て中の方が孤立感や不安を抱かないよ
うな支援に努め、男女が協力して育児ができる環境づくりにつなげました。
また、介護者の負担軽減のために、介護保険や地域の支援体制、相談体制を整備・充実したり、介護
に関する知識や技術を習得するための教室、交流会等を実施しました。
(3)学校において目指す姿(学校分野)
人間形成に強く影響を与える学校教育において、個人の尊厳や男女平等を児童・生徒、教師、保護者
に根付かせることを目標に、男女平等教育の推進や健康教育の推進に取り組んできました。
男女平等教育の推進の取り組みとしては、学習指導要領をもとに、道徳をはじめ、理科、保健・体育、
家庭の教科で児童・生徒が男女の身体的な特徴の違いについて理解し、人を思いやる心、互いに支え合
う心を育めるような授業を実施しました。
また、職場体験では、事業所の協力のもと、生徒に男女の区別なく広がりを持たせて職種を体験でき
るようにしました。
(4)職場において目指す姿(職場分野)
生き生きと働き続けることが出来る就業環境づくりを目標に、職場での待遇の確保、ワーク・ライフ・
バランス 7)の推進に取り組んできました。
平成 19 年度に企業訪問により、仕事と家庭の両立支援のための各種制度の周知を行ったほか、平成
20 年度には市内の事業所を対象にワーク・ライフ・バランスに関する実態調査を実施し、市内事業所の
意識や現状を明らかにすることができました。
(5)地域において目指す姿(地域分野)
男女が共に責任をもち、積極的に地域活動に参画していくことができる誰もが暮らしやすいまちづく
りを目標に、地域活動における男女共同参画の推進、NPO等との連携・協働、国際的な視野での推進
に取り組んできました。また、平成 23 年 3 月に発生した東日本大震災により地域における防災の在り
方が課題となったことを受けて、防災計画や災害時の対応に女性の視点をより活かすため、防災会議条
例を改正し防災会議の女性委員を増員しました。
第5次総合計画の
計画づくりに参画する市民
健康づくりに取り組む市民
7)
一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、人生の各段階に応じて自ら希
望するバランスで多様な生き方が選択・実現できること。
7
2
長井市の男女共同参画の現状
(1)市民意識・実態調査
―「夫は仕事・妻は家庭」という意識根強く残る、特に 50 代以上で強いー
平成19年度に 20 歳以上の市民 800 人を対象に実施した市民意識・実態調査では、「夫は働き、妻
は家庭を守る」という考え方に「賛成」・「どちらかといえば賛成」と答える人の割合は、全国調査の
44.8%に比べ、長井市では男女ともに 10 ポイント程高くなりました。年代別に比較すると、特に 50
代以上でこうした考え方に「賛成」と答える人の割合が高くなっており、20~40 代の平均と比べて約
6倍の開きがあることがわかりました。
【図 6】長井市における「夫は働き、妻は家庭を守る」意識(H19)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
【全体】
長井市
11.4
県調査
11.7
13.8
国調査
45.6
22.8
33.8
11.4
29.6
31.0
7.8
12.3
12.6
28.7
1.0
23.4
3.2
【男性】
長井市
10.0
県調査
国調査
50.0
12.7
20.6
38.6
15.9
8.8
11.9
25.7
34.8
10.0
11.1
20.0
26.2
0.6
3.1
【女性】
長井市
11.1
41.3
県調査
10.8
29.3
国調査
12.0
27.8
25.3
33.2
14.2
26.2
賛成
どちらかといえば賛成
どちらかといえば反対
反対
わからない
無回答
1.3
13.4
13.3
30.7
6.7
3.2
また、家事、子育て、介護を分担状況について聞いたところ、「主に女性が担っている」家庭が多い
ことがわかりました。さらに、こうした家庭での男女の役割分担について、「満足」「どちらかといえ
ば満足」と答える男性が 79.4%であるのに対し、女性は 44.0%と意識に大きな開きがあることが明ら
かになりました。
【図 7】長井市の地区や各種団体の役員に男性が多いことに対する意見
0%
一方、
地区や各種団体の役員に
男性が多いことについてその理
男性
10%
20%
30%
18.2
40%
50%
38.2
60%
70%
17.6
80%
10.0
90%
10.0
100%
4.1 1.8
由を聞いたところ、
女性の回答で
最も高いのが
「男性の方が役員に
女性
12.0
24.0
19.6
30.7
向いている」でした。
女性も積極的に参画すべきだ
女性も参画できる体制に改善すべきだ
女性が役員をやりたがらない
男性の方が役員に向いている
慣例で男性が役員をしているので仕方がない
その他
無回答
8
7.6
4.4 1.8
(2)職場におけるワーク・ライフ・バランスに関する実態調査
―育児休業・介護休業制度の整備完全とは言えず、特に男性の制度利用率が低い―
平成 20 年度におおむね 10 人以上の市内事業所 160 か所を対象に実施した「職場における仕事と生
活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する実態調査」では、「育児休業・介護休業制度がある」
事業所はそれぞれ 88%、71.3%で、育児・介護休業が整備されていない事業所がまだあることがわか
りました。また、同調査で、平成 19 年度中に育児休業・介護休業を取得した女性は 80 人いましたが、
男性の取得はありませんでした。
【図 8】
(3)第五次総合計画策定に係る市民意向調査
満足度
満足
1%
―「男女共同参画社会」の理念が十分に浸透せず、施策の満足度も低い―
平成 24 年7月に行った「第五次総合計画策定に係る市民意向調査」(回収数:
821。以下「市民意向調査」平成 24 年度)において、男女共同参画に関する行
政の施策の満足度を聞いたところ、「わからない」と答える人の割合が4割に上
まぁ満足
20%
わからない
43%
りました。「男女共同参画社会」という言葉や概念自体が浸透していないと同時
に、市の取り組みが市民になかなか伝わっていないことがうかがえる結果となり
ました。また、「不満」・「やや不満」と答える人の割合も3割と高く、
やや不満
24%
不満
12%
重要度
男女共同参画の推進が十分でないと感じている人も多いようです。
一方で、行政の施策の重要度についての設問では、約7割の人が「重要」
・
重要ではない
4%
「まあ重要」と答えています。
重要
22%
わからない
18%
あまり重要では
ない
12%
(4)「家族」の変化と女性の労働状態の現状
まぁ重要
44%
―世帯人員の緩やかな減少、高齢者単身世帯の増加―
長井市は全国と比べて三世代同居家庭や一世帯あたりの世帯人員が多いという特徴がありますが、全
国と同様に世帯人員が減少し、昭和 60 年度は約 4 人だった一世帯あたりの世帯人員は平成 22 年度に
は約3人へと減少しています。高齢者単身世帯、高齢者夫婦世帯も増加しており、「家族」の形態が変
化しているといえます。
【図 9】世帯人員の推移(S60~H22)
4.50 人
4.00
3.50
3.00
2.50
2.00
1.50
1.00
0.50
0.00
【図 10】高齢者世帯の推移(H16~H25)
1000
950
900
850
世 800
帯 750
数 700
650
600
550
500
S60
H2
H7
H12
H17
H22
国
3.22
3.05
2.91
2.76
2.55
2.42
山形 県
3.81
3.68
3.49
3.30
3.14
2.94
高齢者単身世帯(世帯) 685 724 773 801 818 875 863 909 947 950
長井市
3.87
3.79
3.61
3.42
3.26
3.09
高齢者夫婦世帯(世帯) 835 855 870 888 880 941 938 944 927 950
全
(資料:総務省「国勢調査」)
H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25
(資料:市福祉生活あんしん課「長井のふくし」)
9
―全国に比べ、子育て期の女性の労働力率が高い―
山形県の共働き世帯率は 55.1%と全国よりも 10 ポイント程高く、
全国でも 2 番目に高い値ですが、
長井市の共働き率は 59.5%とさらに高いことが特徴です。また、人口に占める労働力人口の比率を示す
労働力率 8)を見ると、全国の女性の労働力率が子育て期にあたる 30 歳代を谷とするM字カーブを描く
のに対し、長井市は、M字の谷がほとんど見られず男性の台形型に近いという特徴があります。このこ
とから、長井市の女性は結婚・出産・育児等をしても離職する割合は低い、もしくは離職しても復職す
る割合が高いことが考えられます。
【図 11】男性の労働力率(H22 年度) 単位:%
女性の労働力率(H22 年度)
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
100
90
80
70
60
50
40
H22(男性:長井市)
30
H22(男性:山形県)
20
H22(男性:全国)
10
0
単位:%
H22(女性:長井市)
H22(女性:山形県)
H22(女性:全国)
(資料:総務省「国勢調査」平成 22 年度より作成)
3
長井市の男女共同参画の課題
(1)「男女共同参画社会」の理念普及
「男女共同参画社会」の理念が浸透していないことが考えられることから、引き続き様々な媒体
による啓発活動を実施していくことが必要です。
(2)性別による固定的な役割分担意識の解消と社会慣行の見直し
長井市は子育て期における女性の労働力率が高いにもかかわらず、妻(嫁)が家事・育児・介護
をして当然という意識や慣習などが特に50代以上で根強く残り、女性の負担を大きくしています。
女性が社会や地域で個性や能力を発揮していくためには、家庭における固定的な性別役割分担意識
や慣習を変えていくとともに、職場でのワーク・ライフ・バランスの推進も必要です。
(3)高齢化の進行・家族形態の変化への対応
核家族化の進行により、長井市でも家族の形態が変化しています。親に頼らず主に夫婦だけで子
どもを育てる家庭が増える一方、高齢者単身世帯も増加しています。いわゆる老老介護の増加を見
越して介護知識や技術の習得など更に普及していくとともに、これまで女性に家事を頼ってきた男
性への家事能力習得の機会を積極的に作ることが必要です。様々な困難を抱えることが予想される
子育て家庭や高齢者、障がい者の単身世帯に対して、地域や社会全体での支える仕組みを充実させ
ていくことが課題です。
8)
労働力率=「労働力人口」÷「15 歳以上人口(労働力状態不詳を除く)」×100
(労働力状態不詳を「労働力人口」(分子),「15 歳以上人口」(分母)の双方に含めない。)
10
第3章
1
計画の特徴
基本目標
条例前文で定められた次の目標をここで改めて確認し、市民、事業者及び行政が連携協力しながら男
女共同参画推進に取り組んでいくものとします。
市民一人ひとりが個性と能力を発揮できるまち
2
基本理念
長井市男女共同参画推進条例第3条に掲げる「基本理念」のもとに、「市民一人ひとりが個性と
能力を発揮できるまち」を目指します。
(1)男女の人権の尊重(条例第3条第1項)
男 女 共 同 参 画 推 進 に あ た り 、男 女 が 、ジ ェ ン ダ ー ・ フ リ ー 9 ) を 理 解 す る こ と で 、個
性と能力を発揮する機会が確保され、人権が尊重されること。
(2)社会慣行にとらわれない自由な意思と選択による活動 (条例第3条第2項)
男女共同参画推進にあたり、男女が、社会慣行にとらわれずに、自分の自由な意
思と選択による活動ができるように配慮されること。
( 3 )活 動 の 立 案 、方 針 決 定 及 び 推 進 へ の 対 等 な 立 場 で の 参 画( 条 例 第 3 条 第 3 項 )
男女共同参画推進にあたり、男女が、家庭、職場、地域、学校、行政その他の社
会生活における活動の立案、方針の決定及び推進において対等な立場で参画し責任
を分かち合えること。
(4)生涯にわたる健康の確保(条例第3条第4項)
男女共同参画推進にあたり、男女が、妊娠、出産、母性保護その他性に関するこ
とについて互いに理解を深めることにより、男女の生涯にわたる健康が確保される
こと。
9)
ジェンダー・フリーとは、男女別に期待される役割やイメージなどの歴史的、社会的及び文化的に作られた性差により差別されない
ことです。
11
3
計画推進の概念図
条例第 3 条の基本理念、条例第 4 条で定められた実現すべき姿および条例第 10 条~第 14 条で定
められた各事項に基づき、以下の概念図のように、「家庭」、「学校」、「職場」、「地域」と、そし
て 4 つの分野を包括する「社会全体」という計5つの分野にわけ、相互に連携しながら推進していきま
す。
学校において目指す姿
家庭において目指す姿
(1)
男女平等教育の推進
介護支援 (4)高齢者・障がい者の自立支援
(2)
健康教育の推進
(5)
健康づくりへの支援
(3)
情報モラル教育の推進
(6)
家庭内における暴力の根絶
(1)
家庭生活への支援
(3)
(2)子育て支援
社会全体で目指す姿
(1)
性別による役割分担意識の解消と社会慣行の
見直し
(2)
政策・方針決定過程への女性の参画
(3)
調査・研究、情報収集等の充実
(4)
相談体制の充実
職場において目指す姿
地域において目指す姿
(1) 職場での適正な待遇の確保
(1)
地域活動への男女共同参画の推進
(2) 仕事と生活の調和の推進
(2)
NPO等との連携・協働
(3) 職業能力開発の支援
(3)
高齢者・障がい者の能力発揮
(4)
外国人の能力発揮
12
4
重点的に取り組む施策の方向性
次の3点は、本計画で重点的に取り組む施策の方向性です。一つの分野のみでは解決できないことか
ら、複数の分野にわたって、市民・行政・事業者で連携して重点的に取り組んでいきます。
(1)性別による固定的な役割分担意識の解消と社会慣行の見直し(P15 体系図の
部分)
「市民意識・実態調査」(平成 19 年度)や「市民意向調査」(平成 24 年度)などの結果から、長井
市にはいまだに「性別による固定的な役割分担意識」が根強く残っている実態が明らかになりました。
固定的な性別役割分担意識や昔ながらの社会慣行は長井市で男女共同参画を推進する上で最も大きな課
題であると考えられることから、市民一人ひとりが個性と能力を発揮できるまちを実現するために、今
後意識や慣行を変えていくための啓蒙・啓発活動に重点的に取り組んでいく必要があります。
(2)政策・方針決定過程への女性の参画(P15 体系図の
部分)
長井市の人口は女性が半数を超えていることから、市民の多様な考え方を活かす社会を築くためには、
女性の社会参画が重要です。しかし、女性市議会議員の割合、職場での管理職や役員の割合等は低い状
態となっています。この状況を改善するためには、政府が進める「指導的な地位における女性の割合を
2020 年(平成 32 年度)までに 30%にする」という目標に則り、長井市でもさまざまな分野で男女
の定数について均衡を図るための積極的改善措置(ポジティブ・アクション)をさらに推進していきま
す。
また、女性が社会で個性と能力を発揮したくても、偏った固定的な性別役割分担意識や慣習により、
家庭の外になかなか出ていけないという実態もあります。こうした状況を変えるためには、男性・女性
の意識や慣習を変えるための働きかけを重点的に実施していく必要があります。また、長時間労働の見
直しなどワーク・ライフ・バランスの推進も必要です。
(3)高齢化社会・核家族化への対応
(P15 体系図の
部分)
高齢化社会の進行、生涯未婚率の上昇、女性の社会進出に伴う共働き世帯の増加などから、同居・別
居を問わず、働きながら家族の介護を担うケースの増加が見込まれます。全国の介護者数は平成3年以
降の20年間で、約2倍に増加しており、介護者総数に占める男性の割合も上昇しています(31.5%→
39.2%)。介護知識・技術の普及や介護による不本意な離職を防ぐための対策が長井市でも喫緊の課題
です。
また、国立社会保障・人口問題研究所の予測によれば、平成 32 年の山形県の高齢単身世帯率は 20.1%
で、およそ5世帯に1世帯が高齢者単身世帯となります。同様に、75 歳以上の高齢者の単身世帯も増え
ることが見込まれます。
前計画では、主に夫婦、子供、祖父母で構成される「三世代同居型の家族」を想定していたことから、
家庭において目指す姿(家庭分野)にのみ高齢者・障がい者関連の施策がありました。しかし、今後高
齢者単身世帯が増え、地域や社会全体で支える仕組みや地域で活躍していける環境づくりが重要となる
ことから、本計画では、高齢者・障がい者についての施策の方向性は、地域分野と家庭分野の両分野に
位置付けています。
13
5
新たに取り組む施策
社会の変化、国の理念や方向性を踏まえて、本計画で新たに取り組む施策は次のとおりです。
(1)男性にとっての男女共同参画
(P15 体系図の★1)
これまで男女共同参画社会は女性のためのものと誤解されることが多かったので、男性にとっても生
きやすい社会の形成を目指すものであるということについての理解を深める必要があります。男性の長
時間労働等の働き方の見直し、育児・介護休業の取得支援、家事等の生活能力習得支援等により、男性
の地域生活や家庭生活への参画を進めます。
また、男性は他人に弱音を吐くことが難しく、男性としての重圧から精神面で孤立する傾向がありま
す。女性のみならず男性に対する相談体制の充実、心身の健康維持等を検討していく必要があります。
(2)高齢者や障がい者、外国人等の能力発揮
(P15 体系図の★2)
高齢者、障がいがある人、日本で生活する外国人等の中で、特に女性は、女性であるというだけで、
男性に比べ非正規雇用の割合が高かったり、セクハラを受けやすいことなどから、複合的に困難な状況
におかれている場合があります。様々な困難な状況におかれている人への支援とともに、地域で能力を
発揮できるような施策を進めていく必要があります。
また、外国人については、前計画においては「国際的な視野での推進」という施策の方向性で国際社
会の情報収集や市民への情報提供などを主な施策として掲げていましたが、本計画では、地域に住みな
がらも言葉が通じないことなどから困難を抱えている外国人の方を支援するという視点で取り組みを進
めていきます。
さらに、性同一性障がいなどを有する人についても人権尊重の観点で配慮していきます。
(3)防災分野における男女共同参画
(P15 体系図の★3)
平成 23年3月に発生した東日本大震災において、被災地の避難所では衛生用品等の生活必需品や授
乳や着替えをするための場所などが不足したり、「女性だから」ということで当然のように食事準備や
清掃等を割り振られることもありました。この反省を活かし、内閣府男女共同参画局は平成 25 年 5 月
に「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」を作成しました。長井市でも女性の視点を反映
させた防災計画や避難所づくりなどについて検討していく必要があります。
14
体系図
基本目標 市民一人ひとりが個性と能力を発揮できるまち
※
は本計画で重点的に取り組む施策の方向性
【施策の柱】
社
会
全
体
で
目
指
す
姿
★1~★3は本計画で新たに取り組む施策
【施策の方向性】
【主な施策】
①
②
男女共同参画を推進するための講座、意見交換会、講演会等の開催
多様な媒体を通じた広報・啓発活動の推進
①
②
③
④
積極的改善措置の周知による理解促進と推進
市の審議会等委員への女性登用の推進
産業団体、地域各種団体等の役員への女性登用拡大の働きかけ
市の管理職への女性職員登用の推進
3 調査・研究、情報収集等の充実
①
②
市民意識調査の実施、分析、施策へ反映
国、県の情報収集と市民への情報提供
4 相談体制の充実
①
②
誰でも利用しやすい相談体制の充実
専門知識をもつ職員の育成、配置
①
②
③
男女が協力し、責任を担うという意識の啓発と学習機会の提供
互いに支え合う社会的機運の醸成
男性の家事などの生活能力習得支援 ★1
①
②
③
家庭状況に応じた子育て支援
子育て講座受講の機会や情報の提供
子育て相談の充実
①
②
③
介護保険制度の適正利用の促進
介護に関する情報提供と相談・支援体制の整備
介護知識、介護技術の普及 ★1
8 高齢者・障がい者の自立支援
①
②
高齢者・障がい者の生活自立のための福祉サービスの充実
自立に関する情報提供と相談・支援体制の充実 ★2
9 健康づくりへの支援
①
②
③
健康保持増進の支援
妊娠・出産・育児期における母子の健康確保の推進
「性と生殖に関する健康と権利」の考え方の浸透・定着
10 家庭内における暴力の根絶
①
②
③
④
暴力を根絶し、発生を防ぐための意識啓発
県や警察など関係機関との連携強化
当事者のカウンセリング、相談体制の充実と周知の工夫
暴力の早期発見につながるような地域におけるリーダーの育成
①
②
児童・生徒に固定的な役割分担のイメージを持たないような指導及び
学校運営
性別にとらわれない主体的な進路・職業選択への支援
①
②
③
児童・生徒の人権に配慮した相談体制の充実
発達段階に応じた適切な性に関する指導の実施
HIV/エイズ、性感染症に関する教育の推進
①
②
外部機関と連携した小・中学生の発達段階に応じた情報モラル教育
有害な情報から身を守るための家庭と連携した取り組み
①
②
③
④
⑤
男女雇用機会均等法などの関係法令の周知
職場における積極的改善措置(ポジティブ・アクション)の啓発
セクシャル・ハラスメント防止対策の促進
相談、情報提供体制の充実
実態把握のための調査の実施
15 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進
①
②
③
④
⑤
事業所への県のワーク・ライフ・バランスに関する認定制度の周知
保育所の整備と保育サービスの充実
育児・介護休業制度の更なる普及促進★1
制度を利用しやすい職場環境づくりの促進
放課後児童対策の促進
16 職業能力開発の支援
①
②
③
④
職業能力の開発機会の提供
性別にとらわれない職業選択ができるような意識啓発
復職・再就職に向けた職業能力の向上と相談・情報提供
多様な就業形態の労働者に対する支援
17 地域活動における男女共同参画の推進
①
②
③
④
地域活動参画拡大のための男女の意識啓発の推進
ボランティア活動等への男女の参加拡大
防災分野への女性の参画の拡大 ★3
地域の子育て支援
①
②
定期的なNPO等との意見交換会の実施
連携・協働のための市民への情報の公開と共有
①
②
③
高齢者、障がい者の就労支援と働きやすい環境づくりの推進 ★2
バリアフリーの推進
高齢者、障がい者の社会参加の促進(ミニデイサービスや老人クラブ
等への積極的参加) ★2
①
②
③
多言語情報提供による外国人の能力発揮支援 ★2
国際交流団体への支援による外国人の地域参画促進
在留外国人の子どもへの支援 ★2
1 性別による役割分担意識の解消と社会慣行の見直し
2 政策・方針決定過程への女性の参画
5 家庭生活への支援
家
庭
に
お
い
て
目
指
す
姿
学
校
に
お
い
て
目
指
す
姿
職
場
に
お
い
て
目
指
す
姿
地
域
に
お
い
て
目
指
す
姿
です。
6 子育て支援
7 介護支援
11 男女平等教育の推進
12 健康教育の推進
13 情報モラル教育の推進
14 職場での男女の均等の機会及び待遇の確保
18 NPO 等との連携・協働
19 高齢者・障がい者の能力発揮
20 外国人の能力発揮
15
★1
★2
★2
第4章
1
≪
実現のための施策
社会全体で目指す姿
長井市男女共同参画推進条例
≫
(積極的改善措置)
第 10 条
市 、市 民 及 び 事 業 者 等 は 、男 女 共 同 参 画 の 機 会 の 格 差 の 改 善 が 図 ら れ る
よう関係機関と協力して積極的改善措置を講ずるものとする。
2
市は、各審議会等における委員を委嘱し、又は任命する場合は、男女の定数
について均衡を図るための積極的改善措置を講ずるものとする。
(理解を深めるための措置)
第 11 条
市は、市民及び事業者等の男女共同参画推進に関する理解を深めるた
め、広報及び広聴活動等の必要な措置を講ずるものとする。
(教育及び生涯学習の推進)
第 12 条
市 は 、学 校 教 育 、そ の 他 の 教 育 及 び 生 涯 学 習 の 場 に お い て 、基 本 理 念 に
配 慮 し 、男 女 共 同 参 画 推 進 に 関 す る 教 育 の 推 進 、学 習 の 機 会 の 提 供 、そ の 他 の 必
要な措置を講ずるものとする。
(苦情及び相談への対応)
第 13 条
市 は 、男 女 共 同 参 画 推 進 を 阻 害 す る 問 題 に 関 す る 苦 情 及 び 相 談 を 受 け た
場合は、関係機関と連携して適切に対応するものとする。
(情報の共有等)
第 14 条
市 、市 民 及 び 事 業 者 等 は 、男 女 共 同 参 画 推 進 に 関 す る 情 報 を 互 い に 提 供
し共有化を図り、男女共同参画推進のために効果的に活用しなければならない。
【課題】
○ 性別による固定的な分担意識の解消、社会のあらゆる場面で平等に機能していない慣習・慣行の見
直しについては、まだまだ市民への啓発が足りないと考えられるため、効果的な啓発活動について
工夫していく必要があります。行政側の財源や人員に限りがあり十分に実施できなかったという反
省も踏まえ、近隣市町や県などと広域で開催したり、公民館や市内で活動する市民等と連携して事
業を開催していくなど実行力のある方法を検討していく必要があります。
16
○ 事業所、自治会、PTA 等の各種団体において、女性が方針決定過程に参画する機会が依然として
少ない状態であることから、要因について分析し、ポジティブアクションの理解促進と推進を検討
していく必要があります。
○ 政策・方針決定過程への女性の参画を増やすため、市の審議会等委員への女性登用につい 33.3%
という目標値を設定し、審議会委員の選定の際に各課で配慮してきました。目標値は達成できませ
んでしたが、女性の委員が半数以上を占める審議会も現れています。今後は女性委員が少ない審議
会について、登用が難しい理由を明らかにしながら選出方法を工夫するなど対応策を検討していく
必要があります。
○ 今後も男女共同参画に対する市民の生の声を聞く場を設けたり、市民意識調査を実施することで、
当市における男女共同参画の実態を分析し、具体的な取り組みにつなげていくことが必要です。
【施策目標】
一人ひとりが人間としての人権を尊重する社会を目指します。また、政策・方針決定
過程への女性の参画は、男女共同参画の推進に欠かせないものであり、社会全体のあら
ゆる分野で男女の意見や考えを反映させ、男女共同参画の視点に立った組織、制度を作
ります。
【施策】
施策の方向性1
性別による役割分担意識の解消と社会慣行の見直し
男女共同参画を実現していくには、性別による固定的な役割分担意識を解消し、互いに支え合う
社会的機運を醸成することが必要です。また、家庭、職場、地域など社会のあらゆる場面で平等に
機能していない慣習・慣行の見直しも必要です。これらに対応する啓発活動による意識の向上を図
ります。
主な施策
① 男女共同参画を推進するための講座、意見交換会、講演会等の開催
② 多様な媒体を通じた広報・啓発活動の推進
17
施策の方向性2
政策・方針決定過程への女性の参画
市民の多様な考え方を活かす社会を築くためには、男性だけで決めることの無いように女性の社
会参画が重要になります。各種審議会等委員への女性登用を拡大し、事業所や各種団体が男女共同
参画社会の必要性を認識し、自らの問題として取り組めるように女性の参画を呼びかけます。状況
によっては、政府が推進する「指導的地位における女性の割合を 2020 年までに 30%にする」に
則った効果的な積極的改善措置も検討していきます。
主な施策
① 積極的改善措置(ポジティブ・アクション)の周知による理解促進と推進
② 市の審議会等委員への女性登用の推進
③ 産業団体、地域各種団体等の役員への女性登用拡大の働きかけ
④ 市の管理職への女性職員登用の推進
施策の方向性3
調査・研究、情報収集等の充実
定期的な市民意識調査等を行い、現状の問題点や課題を整理し、男女共同参画の施策に反映でき
るようにします。
主な施策
① 市民の意識調査の実施、分析、施策へ反映
② 国、県からの情報収集と市民への情報提供
施策の方向性4
相談体制の充実
誰でも気軽に相談できる窓口、相談体制を整えるとともに、相談機関の存在を知ってもらえるよ
う効果的な周知の方法を工夫していきます。
主な施策
① 誰でも利用しやすい相談体制の充実
② 専門知識をもつ職員の育成、配置
18
2
≪
家庭において目指す姿
長井市男女共同参画推進条例
≫
(実現すべき姿)
第4条
(1)
家庭において実現すべき姿
イ
「 男 は 仕 事 」・「 女 は 家 庭 」等 の 男 女 平 等 を 阻 害 す る 慣 習 及 び し き た り を
超えて、女性が担ってきた家事、育児及び介護等の無償労働を理解し評価で
きる家庭
ロ
男 女 が 、家 事 、育 児 及 び 介 護 等 を 分 担 す る こ と で 、地 域 活 動 及 び 社 会 活 動
に平等に参画できる家庭
【課題】
○
家庭での家事、育児及び介護等の男女の役割分担について、女性の負担が大きいという結果が出
ていますが、こうした分担状況に対して、「満足」「どちらかといえば満足」と答える男性が約
8割であるのに対し、女性は半数を割り、意識に大きな差があります。長年妻に家事や家族の介
護を任せてきた夫が、妻に先立たれてしまったり、妻への介護が必要になった場合には、生活が
困難になる可能性があります。全国と比較して共働き率が高い長井市において、夫と妻が家庭に
おいて対等であるために、また男性が家庭で自立するために、男女が互いを思いやり支え合うた
めの意識啓発と家事能力習得支援などの学習機会を提供していくことが必要です。
○ ミニデイサービスや老人クラブについては、高齢者の生きがいの場となっていますが、相対的に
は女性の参加者が圧倒的に多いため、今後男性が参加したくなるような魅力ある内容等を計画す
ることが必要です。
○ 高齢化社会の進行、生涯未婚率の上昇、女性の社会進出に伴う共働き世帯の増加などから、男女
ともに労働者が働きながら家族の介護を担うケースの増加が見込まれます。介護による不本意な
離職を防ぐための対策や介護知識・技術の普及が長井市でも喫緊の課題です。
○ 健康に対する意識を高められるよう、男女ともに働きかけを工夫していく必要があります。また、
「性と生殖に関する健康と権利 10)」の視点で、男女の身体的特性を互いに理解し認識を深めてい
くための各課での連携した取り組みが必要です。
10)
「性と生殖に関する健康と権利」は、リプロダクティブ・ヘルス/ライツを日本語に訳した概念で、女性には妊娠・出産という男性にはない機能があり、
そのため男性とは異なる健康上の問題に直面することがあります。こうした特徴を持つ女性が生涯にわたって自分の健康を主体的に確保することを目
指そうという考え方です。
19
○ 「市民意識・実態調査(平成 19 年度)」の結果、「配偶者等から殴る・蹴るなどの身体的な暴
力」が「何度もあった」「1・2度あった」と答えた女性の割合は 14.2%で男性よりも高い状況
ですが、行政へのDVの相談件数は年間数件で、DVを受けても相談できずに一人で苦しんでい
る状況がうかがえます。相談できる場所があるということを周知徹底するとともに、相談しやす
い雰囲気を整えていくことが大切です。
【施策目標】
家庭での生活とその他の活動で男女平等が実現できることが男女共同参画社会の基
本的な考え方です。家族を構成する男女が協力して家事・育児・介護等ができる環境
づくりと互いの人権を尊重できる意識の啓発に努めます。
【施策】
施策の方向性5 家庭生活への支援
男女が、家事・育児・介護といった家庭の営みを相互に理解し協力することで、家庭生活を健全
に維持できます。
主な施策
① 男女が協力し、責任を担うという意識の啓発と学習機会の提供
② 互いに支えあう社会的機運の醸成
③ 男性の家事などの生活能力習得支援
施策の方向性6
子育て支援
男女が安心して子どもを産み育てることができるように、多様な保育ニーズに対応し、子育てに
孤立感や不安をいだかせないようにします。いろいろな不満から児童虐待に繋がらないように子育
て全体についての相談・支援体制の充実を図ります。
主な施策
① 家庭状況に応じた子育て支援
② 子育て講座受講の機会や情報の提供
③ 子育て相談の充実
20
施策の方向性7 介護支援
介護者を支援するための体制整備を図り、男女が共に介護に携わることの重要性を理解するため
の情報提供や相談、介護知識・技術の習得の機会を増やしていきます。
主な施策
① 介護保険制度の適正利用の促進
② 介護に関する情報提供と相談・支援体制の整備
③ 介護知識、介護技術の普及
施策の方向性8
高齢者・障がい者の自立支援
高齢者等が経済的、社会的に自立し生き生きと暮らすことができる施策の充実を図ります。
主な施策
① 高齢者・障がい者の生活自立のための福祉サービスの充実
② 自立に関する情報提供と相談・支援の充実
施策の方向性9 健康づくりへの支援
男女が自分自身の心と体を知り、健康意識を高めるための取り組みが重要です。健康教育や健康
相談を各年代に応じて展開することで、健康の保持増進を図ります。
主な施策
① 健康保持増進の支援
② 妊娠・出産・育児期における母子の健康確保の推進
③ 「性と生殖に関する健康と権利」の考え方の浸透・定着
施策の方向性10 家庭内における暴力の根絶
暴力はどのような場面でも決して許されません。特に家庭内の男女間の暴力、ドメスティック・
バイオレンス(DV)は潜在化しがちであり、他人の介入する問題ではないとされてきた経過があり
ます。これらの暴力は明らかに犯罪行為であることから、社会全体で取り組み暴力の発生を防ぐと
ともに、被害相談の体制も充実させることが重要です。
主な施策
① 暴力を根絶し、発生を防ぐための意識啓発
② 県や警察など関係機関との連携強化
③ 当事者のカウンセリング、相談体制の充実と周知の工夫
④ 暴力の早期発見につながるような地域におけるリーダーの育成
21
3
≪
学校において目指す姿
長井市男女共同参画推進条例
≫
(実現すべき姿)
第4条
(4)
教育において実現すべき姿
イ
男 女 の 身 体 的 な 特 徴 の 違 い を 理 解 し 、生 涯 に お い て 互 い の 健 康 が 維 持 で き
る教育が推進されること。
ロ
人 を 思 い や る 心 を 育 み 、男 女 が 対 等 に 個 性 と 能 力 を 発 揮 で き る 教 育 が 推 進
されること。
【課題】
○ 男女が互いに理解し協力し、明るい学校生活をおくれるよう人権教育を一層重視してすすめる必
要があります。
○ 技術家庭科男女必修化が実施されて20年余が経過するなど、将来に向けて男女が共同して家庭
を築けるようにする取り組みが進んでいます。今後もそうした取り組みを充実させていく必要が
あります。
○ 職場体験などでは、事業所の協力により男女の区別なく職種を体験できるようにしていますが、
今後も体験を通して将来の生き方を身につけられるようキャリア教育を充実させていく必要があ
ります。
○ 男女が相互に理解し、将来にわたって健康維持できるよう学校、家庭、地域で連携した健康教育
を充実することが必要です。
○ インターネットの普及が進み、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)における情報
モラルの育成が大きな課題になっています。不適切な情報から身を守るための情報モラル指導な
どを進めることが必要です。
22
【施策目標】
人間形成に強く影響するのは、幼少期からの生活環境であり、特に学校教育が果たす役
割は大きいと言えます。学校教育全体を通じて個人の尊厳、男女平等を児童・生徒に根付
かせるようにします。
【施策】
施策の方向性11
男女平等教育の推進
男女平等の理念を持ち自立の意識を育むための教育を充実させます。特に、何気ない言動で無意
識のうちに性別役割分担を意識させないよう指導にあたります。また、男子向け・女子向けとされ
る職種にとらわれることなく、幅広い進路選択を念頭に、一人ひとりが主体的に進路を選択できる
よう、職業意識の醸成や意識の啓発を図ります。
主な施策
① 児童・生徒に固定的な性別役割分担のイメージを持たないような指導及び学校運営
② 性別にとらわれない主体的な進路・職業選択への支援
施策の方向性12
健康教育の推進
各教科、道徳、特別活動を通して、男女が互いの身体的性差を理解し合い、人権を尊重しつつ、
相手に対する思いやりを持って生きていくことができる教育を充実させます。また、指導計画に基
づいた性に関する指導を実施するとともに、相談体制を充実させます。
主な施策
① 児童・生徒の人権に配慮した相談体制の充実
② 発達段階に応じた適切な性に関する指導の実施
③ HIV/エイズ、性感染症に関する教育の推進
施策の方向性13
情報モラル教育の推進
情報通信ネットワークの使用に関連した情報モラルやメディアとの正しい付き合い方を家庭と連
携しながら推進します。
主な施策
① 外部機関と連携した小・中学生の発達段階に応じた情報モラル教育
② 有害な情報から身を守るための家庭と連携した取り組み
23
4
≪
職場において目指す姿
長井市男女共同参画推進条例
≫
(実現すべき姿)
第4条
(2)
イ
職場において実現すべき姿
個人 の能力 、適 性及び意 欲等が 適正 に評価さ れ、採 用、配置、賃金 及び 昇
進等の男女格差が解消し、やりがいを感じる職場
ロ
就学前の子の育児及び養育のため又は介護のための休暇及び休業を男女
共に取得できる環境が整い、ゆとりをもって家庭生活と両立できる職場
【課題】
○ 「市民意識・実態調査(H19 年度)」では、職場において賃金や昇給・昇格など「男性が優遇さ
れている」と感じている割合が高い実態が明らかになりました。しかし、男女共同参画社会実現
のために企業に望むこととしては、格差の是正よりも、育児・介護休業の取得や家庭生活との両
立についての企業の理解を望む声が高く、市民の声を反映した施策が必要です。
○ 長井市は共働き世帯の率が高く、結婚・出産しても働き続ける女性が多い状況となっています。
しかし、男性に比べて女性はパートタイムなど非正規雇用者が多く、経済的に不安定な状態とな
っています。山形県の平成 32 年度の生産人口が平成 12 年度と比べて 24%減となることからも
女性の能力をさまざまな分野でより活用していくことが必要です。
○ 結婚、出産に際し仕事を辞めざるを得なかった女性の復職・再就職は容易ではなく、原因として、
支援の不足や支援制度自体が浸透していないことが考えられます。職業能力開発支援については、
市役所窓口での周知に努めてきましたが、今後も更なる周知の徹底が必要です。さらには、女性
の能力開発や就職・復職のため、各種産業施策や雇用創造事業等によって、雇用拡大や人材育成・
仕事作り(創業)支援などの取り組みについて検討していきます。
○ 休業中の給付金が6割程度にとどまること、特に長井に多い零細企業などでは人が少なく代わり
の人がいないこと、職場の理解が得られないことなどから、男性の育児・介護休業取得が進んで
いないため、改善のための取り組みが必要です。
24
【施策目標】
就業の環境は、私たちの生活を支える基本的な部分です。男女ともに生き生きと働き
続けることができる就業環境、仕事と家庭を両立できる就業環境を目指します。
【施策】
施策の方向性14
職場での男女の均等な機会及び待遇の確保
男女雇用機会均等法の遵守や男女間の格差解消に向けた改善措置の理解を深め、セクシャル・ハ
ラスメントの防止や産後も産前と同様な職場待遇を確保できる、女性が働きやすい環境の整備を進
めます。さらに、パートタイム労働者などに対して、いわゆる正社員との均衡等を考慮した適正な
労働条件の確保を目指します。
主な施策
① 男女雇用機会均等法などの関係法令の周知
② 職場における積極的改善措置(ポジティブ・アクション)の啓発
③ セクシャル・ハラスメント防止対策の促進
④ 相談、情報提供体制の充実
⑤ 実態把握のための調査の実施
施策の方向性15
仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進
働く男女が、安心して子どもを産み育てること、また家族を介護することができるように両立支
援を推進します。また、育児・介護休業を取得しやすい職場環境づくりを促進します。
主な施策
① 事業所への県のワーク・ライフ・バランス促進のための認定制度の周知
② 保育所の整備と保育サービスの充実
③ 育児・介護休業制度の更なる普及促進
④ 制度を利用しやすい職場環境づくりの促進
⑤ 放課後児童対策の促進
25
施策の方向性16
職業能力開発の支援
女性の職業能力の向上を図り、女性が主体的に職業選択を行えるように支援していきます。
主な施策
① 職業能力の開発機会の提供
② 性別にとらわれない職業選択ができるような意識啓発
③ 復職・再就職に向けた職業能力の向上と相談・情報提供
④ 多様な就業形態の労働者に対する支援
26
5
≪
地域において目指す姿
長井市男女共同参画推進条例
≫
(実現すべき姿)
第4条
(3)
地域において実現すべき姿
イ
男女共に対等な立場で自らの意思により活動に参画できる地域
ロ
今 ま で の 慣 習 及 び し き た り に と ら わ れ ず に 、男 女 の 役 割 分 担 が 対 等 に な さ
れ、リーダーシップを積極的に発揮できる地域
【課題】
○ 「市民意識・実態調査(H19 年度)」では、地域活動に参加していない理由として、「忙しく、
時間がないから」が男女共に最も高くなっています。その中でも女性の方がポイントが高くな
っていることから、引き続き女性の負担軽減のために取り組んでいく必要があります。
○ 地域の意思決定過程の主体が男性中心という固定的な役割分担意識が地域の風土の中にいまだ
に残っている状況です。また、「市民意識・実態調査(H19 年度)」では、女性自身が地域に
おけるリーダーとなる意欲が低いことも明らかとなりました。NPO、ボランティア団体、公
民館の活動など地域で積極的に活動する女性も多くいますが、地域の意思決定過程へ女性が参
画していけるよう、男女平等意識の推進や女性の人材育成やエンパワーメント 11)への支援を図
る必要があります。
○ 東日本大震災をきっかけに避難所の在り方など女性の視点を活かした防災計画や対応の必要性
が増しています。また自主防災組織など地域主体の防災の在り方も課題となっています。
○ これまで男女が安心して子供を産み育てられるよう多様なニーズに対応した子育て支援策を実
施してきましたが、今後とも、近くに親類等頼る人がいない市外からの転入者や核家族世帯が
地域で孤立感や不安を抱かないような支援の充実が必要です。
○ 長井市が魅力あるまちとして持続していくためにも、NPO等各種市民団体、企業、専門家等
と協働し、互いの特性を生かしながら地域の課題を解決していくことが求められます。
11)
エンパワーメントとは、力(パワー)をつけることです。女性のエンパワーメントは、女性が自分自身の生活と人生を決定する権利と能
力を持ち、さまざまなレベルの意思決定過程に参画し、社会的・経済的・政治的な状況を変えていく力をもつことを意味します。
27
○ 国立社会保障・人口問題研究所の予測によれば、平成 32 年度の山形県の高齢世帯率は 20.1%
で、およそ5世帯に1世帯が高齢者世帯となります。同様に、山形県の75歳以上の高齢者の
一人暮らしも増える見込みです。一人暮らしのお年寄りが地域で孤立しないよう地域や社会全
体のサポート機能を見直すとともに、高齢者が地域で自立して生活していく能力を身につけら
れる支援が必要です。
○ 平成 25 年 12 月末現在、長井市に居住している外国人の数は 230 人で、そのうち約 7 割の
164 人は女性です。結婚を機に移住してくる女性が多いものの、言語や文化・価値観の違いか
ら地域に出られず家の中に引きこもってしまう人が少なからずいるという実態があります。外
国人が地域に出て能力を発揮できるような仕組みを協働で作っていく必要があります。
【施策目標】
日常の生活を送る場である地域を活力ある豊かなものとしていくためには、男女共同
参画の視点に立った地域活動が求められることから、男女が共に責任を持ち、積極的に
地域活動に参画していくことができる誰もが暮らしやすいまちづくりを進めます。
【施策】
施策の方向性17 地域活動における男女共同参画の推進
地域社会におけるこれまでの慣行を見直し、男女がともに積極的に参画できるように、リーダー
を育成し、情報の収集と活用を行います。
主な施策
① 地域活動参画拡大のための男女の意識啓発の推進
② ボランティア活動等への男女の参加促進
③ 防災分野への女性の参画の拡大
④ 地域の子育て支援
28
施策の方向性18
NPO 等との連携・協働
地域で男女共同参画を推進するために、NPO 等の各種団体の活動を支援し、連携と協働を進めま
す。
主な施策
① 定期的なNPO等との意見交換会の実施
② 連携・協働のための市民への情報の公開と共有
施策の方向性19
高齢者、障がい者の地域での能力発揮
高齢者、障がい者が経済的、社会的に自立し地域の中で生き生きと暮らすことができる施策の充
実を図ります。
主な施策
① 高齢者、障がい者の就労支援と働きやすい環境づくりの推進
② 高齢者の社会参加の促進(ミニデイサービスや老人クラブ等への積極的参加)
③ バリアフリーの推進
施策の方向性20
外国人の能力発揮
外国人が経済的、社会的に自立し地域の中で生き生きと暮らすことができる施策の充実を図りま
す。
主な施策
① 多言語情報提供による外国人の能力発揮支援
② 国際交流団体への支援による外国人の地域参画促進
③ 在留外国人の子どもへの支援
29
付属資料
◎ データで見る長井市
◎ 男女共同参画社会基本法
◎だ長井市男女共同参画推進条例
◎ 長井市男女共同参画推進条例施行規則
◎ 長井市男女共同参画推進本部規定
◎ 男女共同参画に関する動き
◎ 審議会委員名簿、計画策定の経過
30
◎
データで見る長井市
1
統計データで見る長井市の現状
■
長井市男女別人口の推移と人口構成
長井市の男女別の人口の割合を見てみると女性のほうが若干多いですが、今後もおおよそ男女半々で
推移していく見込みです。
【図 12】長井市の男女別人口の推移と今後の推計
35,000
30,000
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
0
(単位:人)
17,301 17,158 16,851 16,451
15,963 15,262
14,407 13,548
12,696 11,875
16,189 16,102 15,876 15,536 14,966 14,211 13,348
12,516 11,700 10,911
S60
H2
H7
H12
H17
男性
H22
H27
H32
H37
H42
推計
女性
(資料:平成 22 年までは総務省「国勢調査」、平成 27 年以降推計は、国立社会保障・人口問題研究所の推計より作成)
各年代別の男女の割合を見てみると、女性のほうが長生きであることから、高齢層になるほど女性の
割合が高くなっています。20 年後の推計では、若年層の割合の減少とともに、その差がさらに顕著にあ
らわれます。
【図 13】平成 22 年長井市の男女別人口構成(単位:人)
90歳~
116
1726
2049
2168
2124
60代
2082
50代
2096
1187
10代
1403
~9歳
1187
1,000
0
男性
1,000
2,000
1225
40代
1173
30代
女性
2,000
1,000
1143
1090
941
10代
819
~9歳
768
3,000
1404
20代
875
1178
1594
50代
968
1325
1856
60代
1456
1553
1507
20代
1257
1534
70代
1590
1690
30代
1717
2,000
70代
765
80代
1037
1714
40代
1689
90歳~
266
356
80代
882
平成 42 年長井市の男女別人口構成(単位:人)
0
男性
729
1,000
2,000
女性
(資料:『ながいの統計』平成 22 年国勢調査結果報告書より作成) (資料:国立社会保障人口問題研究所の推計より作成)
31
3,000
■
山形県の共働き率と雇用状況
【図 14】共働き世帯率
(単位:%)
山形県の共働き世帯率は、55.1%
100
43.5
50
59.5
55.1
と半数を超え、福井県に次いで全国で
2 番目に高い数値となっています。長
井市においては 59.5%とさらに高
0
全国
山形県
長井市
くなっています。
(資料:総務省「国勢調査」平成 22 年より作成)
【表1】山形県の男女、雇用形態別割合(平成 24 年) (単位:%)
会社などの
役員
山形県男性(H24)
山形県女性(H24)
雇用者に占める比率 (%)
正 規 の 非正規の
職 員 ・
職 員 ・
従 業 員
従 業 員
9.1
3.5
71.1
47.6
う
ち
パ ー ト ・
アルバ イト
19.8
48.9
7.7
31
(資料:総務省「就業構造基本調査」平成 24 年より作成)
【図 15】山形県の男女、雇用形態別割合(平成 24 年)
山形県男性(H24)
非正規の
職員・
山形県女性(H24)
役員
会社などの
役員
9%
3%
会社などの
従業員
20%
非正規の
職員・
従業員
正規の
職員・
49%
従業員
71%
正規の
職員・
従業員
48%
(資料:総務省「就業構造基本調査」平成 24 年より作成)
山形県の男女別の雇用形態を見ると、男性の約 7 割が正規の職員・従業員であるのに対し、女性は約
半分が非正規の職員・従業員となっています。
32
2
各種調査から見る長井市の現状
(1)
男女共同参画に関する市民意識・実態調査
<調査の概要>
◎調査の方法
◎回収結果
①
調査地域
長井市全域
②
調査対象
市内に在住する 20 歳以上の男女 800 人
③
抽出方法
住民基本台帳より無作為抽出
④
調査方法
メール便による配布及び郵送による回収
⑤
調査期間
平成 19 年 9 月 11 日~30 日
配布数
回収数
回収率(%)
800
412
51.5
【図 16】長井市における「夫は働き、妻は家庭を守る」意識
0%
20%
40%
11.4
全体
60%
80%
45.6
22.8
100%
11.4
7.8
1.0
8.8
10.0
0.6
14.2
6.7
1.3
【性別】
男性
10.0
女性
11.1
50.0
20.6
41.3
25.3
方について、年代別では、特に 50 代以上で
【年齢別】
20代 2.6
53.8
30代 0.0
40代
「夫は働き、妻は家庭を守る」という考え
45.0
4.2
50代
60代
70代以上
5.1
17.9
33.3
14.6
19.4
46.9
18.4
24.0
46.0
17.1
7.3
17.2
56.6
0.0
「賛成」と答える割合が高くなっています。
17.5
25.0
29.2
20.5
13.8
18.4
12.5
0.0
13.9
0.0
6.3
2.3
5.3
1.0
2.3
1.3
1.3
【図 17】家庭での家事等の分担状況
賛成
どちらかといえば賛成
どちらかといえば反対
反対
わからない
無回答
0%
20%
40%
60%
ア.食事のしたく 1.0 9.2
長井市は共働き世帯率が国・県と比べ
イ.食事の片付け 3.2
80%
100%
87.1
17.2
1.9 0.7
76.9
1.9 0.7
て高いにもかかわらず、女性に家事の負
ウ.洗濯 3.4 12.4
担が偏っている実態がわかります。「主
に男性」が行っているものとして「ごみ
エ.掃除 2.4
2.2 1.0
81.1
20.4
2.2 0.7
74.3
出し」が 32.3%の割合で最も高くなっ
オ.ごみ出し
ていますが、それ以外の項目はすべて
3.4%以下と、非常に低い割合です。
「男
カ.食料品や日用品の買い物 1.9
32.3
26.5
26.5
2.2 0.5
38.6
2.4 1.2
68.0
性・女性で分担」の割合が最も高かった
のは「子育て」で、36.2%となってい
ます。
キ.子育て(子供の世話、しつけなど) 1.0
ク.介護(親の世話、病人の介護など) 1.2
36.2
21.4
33.3
主に男性
主に女性
無回答
33
41.3
17.7
41.0
男性・女性で分担
該当しない
3.9
3.2
■
配偶者等からの暴力について
配偶者や恋人など親密な関係にある異性から受けた暴力について質問したところ、「何度もあった」
と「1・2度あった」の合計が、「身体的な暴力」では 9.5%、「精神的な暴力」では 28.1%、「経済
的な暴力」では 4.8%となっており、
「精神的な暴力」を受けた人の割合が他に比べて高くなっています。
【図 18】配偶者等から暴力を受けた人の割合
0%
2.7
ア.身体的な暴力(殴る・蹴るなど)を受けた
20%
6.8
8.7
イ.精神的な暴力(怒鳴る・無視する)を受けた
40%
80%
100%
85.9
19.4
4.6
67.0
1.9
ウ.経済的な暴力(生活費を入れないなど)を受けた
60%
4.9
88.3
2.9
何度もあった
まったくない
6.8
1・2度あった
無回答
配偶者や恋人など親密な関係にある異性から受けた身体的な暴力について質問したところ、「何度も
あった」と「1・2度あった」の合計が、男性は 0.6%、女性は 14.2%で、女性の方が 13.6 ポイント
高く、性別による差異が顕著にみられます。年齢別では、50代と60代で他の年代より高い傾向がみ
られます。
【図 19】身体的暴力(殴る・蹴る)を受けた人の男女別・年齢別の割合
0%
20%
40%
60%
全体 2.7 6.8
80%
100%
85.9
4.6
【性別】
0.0
0.6
女性
4.0
1.8
97.6
男性
10.2
80.4
5.3
【年齢別】
2.6
20代
0.0
30代
10.0
40代
4.2 4.2
50代
4.2
7.3
60代 3.4
9.2
0.0
70代以上
5.1
89.7
2.6
90.0
0.0
91.7
0.0
86.5
2.1
81.6
5.7
80.3
6.6
13.2
何度もあった
まったくない
1・2度あった
無回答
34
【図 20】配偶者等からの暴力について相談した人の割合(複数回答)
全体、男女ともに、「誰にも相談しな
0.0
かった」が最も高く、暴力が潜在化しや
10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0
20.4
家族や親戚に相談した 0.0
25.5
すいことがうかがえます。性別では、男
18.2
性は「誰にも相談しなかった」が 82.6%
友人や知人に相談した
4.3
19.6
と他の項目より飛びぬけて高いのに対し、
1.5
警察に連絡・相談した 0.0
女性は「誰にも相談しなかった」が
1.0
44.1%で最も高いものの、「家族や親戚
に相談した」(25.5%)や「友人や知人
1.5
公的機関(裁判所、法務局、人権擁護委員、市役所等)に相談し
0.0
た
2.0
0.0
に相談した」(19.6%)など、近い人に
配偶者暴力相談支援センターに相談した 0.0
0.0
相談している状況がわかります。
2.2
医師に相談した 0.0
2.0
48.9
82.6
誰にも相談しなかった
44.1
7.3
13.0
その他
5.9
全体
■学校教育について
男性
女性
【図 21】学校で男女平等教育を進めるために、取り組んでほしいこと
(3つまで回答可)
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
全体、男女共に「性別にこだ
わらず、個性や能力に合わせた
25.0
18.5
20.7
人権や男女平等に関する授業を行う
16.9
生活指導や進路指導を行う」が
最も高い割合であり、次いで、
29.5
30.2
性別にこだわらず、個性や能力に合わせた生活指導や進路指導を行う
29.1
13.2
「人権や男女平等に関する授業
10.9
発達段階に合わせた性教育を行う
15.0
を行う」となっています。
性別により最も差があった項
4.0
6.3
出席簿や座席、整列など、男女で分ける習慣をなくす
2.5
目は「発達段階に合わせた性教
育を行う」で、男性が 10.9%、
13.3
13.9
教員に対する人権や男女平等に関する研修を行う
12.6
5.8
女性が 15.0%であり、女性の方
4.1
女性の校長や教頭を増やす
7.0
が 4.1 ポイント高くなっていま
す。
30.0
14.1
12.2
PTA等の会合などを通じ、家庭や地域の男女平等教育への理解と協力を得る
15.3
1.7
その他
1.7
1.6
全体
35
男性
女性
35.0
■職業生活について
【図 22】女性が職業をもつことについて
0%
20%
40%
60%
80%
100%
【全体】
男性では、「子どもができるま
長井市1.7 3.6
では、職業をもつ方がよい」が、
国調査
6.6
3.6 5.5
34.0
45.9
10.7
43.4
1.9
6.3
33.0
1.4
長井市は 4.7%、国は 12.3%で、
国の方が 7.6 ポイント高くなって
【男性】
います。また、「子どもができて
2.9
4.7
長井市
30.6
52.9
5.3
0.6
2.9
も、ずっと職業をつづける方がよ
国調査
4.0
5.9
12.3
32.2
40.9
1.7
い」が、長井市が 52.9%、国が
40.9%で、長井市の方が 12.0 ポ
0.9
【女性】
長井市
イント高くなっています。
女性では、男性とは逆に、「子
4.4
国調査 3.3 5.1
7.1
36.9
40.4
9.5
どもができても、ずっと職業をつ
7.6
33.8
45.5
2.7
1.1
女性は職業をもたない方がよい
結婚するまでは職業をもつ方がよい
子どもができるまでは、職業をもつ方がよい
子どもができても、ずっと職業をつづける方がよい
子どもができたら職業をやめ、子どもが成長したら再び職業をもつ方がよい
その他
無回答
づける方がよい」が、長井市が
40.4%、国が 45.5%で、国の方
が 5.1 ポイント高くなっています。
【図 23】男女共同参画社会の実現のために企業に望むこと(○は3つまで)
0.0
男性は「育児・介護休業制度を
取得しやすい職場環境の整備」が
5.0
10.0
両立にかかわる職場の理解」が最
育児・介護休業取得や家庭生活と
25.0
30.0
27.9
28.6
27.8
13.2
12.4
14.1
企業内託児所の設置等の子育て支援の充実
25.6
仕事と家庭生活の両立にかかわる職場の理解
22.8
28.0
10.4
11.4
9.5
性別による賃金格差の是正
も高くなっています。
賃金や昇給等の格差是正よりも、
20.0
育児・介護休業制度を取得しやすい職場環境の整備
最も高くなっていますが、女性は
わずかの差で「仕事と家庭生活の
15.0
7.8
8.1
7.5
性別による採用・昇格・昇進等の格差の是正
セクシャル・ハラスメントをなくすための取り組み
の両立などについて企業に理解を
1.6
2.8
0.6
11.1
11.4
10.7
時間外勤務の削減
望む回答が多い結果となりました。
特にない
その他
1.6
1.5
1.4
0.7
1.0
0.4
全体
36
男性
女性
35.0
(2)職場におけるワーク・ライフ・バランスに関する実態調査
<調査の概要>
◎調査の方法
①
調査地域
長井市全域
②
調査対象
従業員が概ね 10 人以上の、市内に住所がある事業所(主に長井商工会議所会員事業所)
③
調査方法
直接及び郵送による配布、郵送による回収
④
調査期間
平成 21 年 1 月 20 日~2 月 16 日
◎回収結果
配布数
回収数
回収率(%)
160
108
67.5
【図 24】育児または介護をしている従業員が働きやすいように、どんな支援をしていますか?
(複数回答のため、数値は総回答数との割合%)
0%
50%
1
34.1
11.1
100%
10.4
6.7
5.2
24.4
短時間勤務、フレックスタイム制、在宅勤務、始業・終業時間の繰り下げ・上げ、所定外労働をさせない制度の
いずれか
育児・介護に関する各種制度の事業所内周知
休業している従業員に対する職場復帰のサポート(情報提供・研修)
相談窓口の設置
規定を上回る育児・介護休業の期間延長
ない
【図 25】行政からどのような支援があれば貴事業所が仕事と家庭の両立支援やワーク・ライフ・バランスの取り組みをしやすくな
ると思いますか。(複数回答のため、数値は総回答数との割合%)
0%
50%
35.9
100%
25
17.3
7.7
5.8 5.1 3.2
積極的に取り組んでいる事業所への財政的支援(奨励金・低利融資等)
他の企業の事例の紹介(セミナーの開催等)
取り組みの動機付けとなる制度、優遇措置(入札時における優遇等)
取り組んでいる事業所の積極的PRによるイメージアップ(表彰制度、市広報誌・HPに掲載)
アドバイザーの派遣など個別の支援
無回答
その他
37
○男女共同参画社会基本法
(平成十一年六月二十三日)
(法律第七十八号)
第百四十五回通常国会
小渕内閣
改正 平成一一年七月一六日法律第一〇二号
同一一年一二月二二日同第一六〇号
男女共同参画社会基本法をここに公布する。
男女共同参画社会基本法
目次
前文
第一章 総則(第一条―第十二条)
第二章 男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的施策(第十三条―第二十条)
第三章 男女共同参画会議(第二十一条―第二十八条)
附則
我が国においては、日本国憲法に個人の尊重と法の下の平等がうたわれ、男女平等の実現に向けた様々
な取組が、国際社会における取組とも連動しつつ、着実に進められてきたが、なお一層の努力が必要と
されている。
一方、少子高齢化の進展、国内経済活動の成熟化等我が国の社会経済情勢の急速な変化に対応してい
く上で、男女が、互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能
力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現は、緊要な課題となっている。
このような状況にかんがみ、男女共同参画社会の実現を二十一世紀の我が国社会を決定する最重要課
題と位置付け、社会のあらゆる分野において、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の推進を図
っていくことが重要である。
ここに、男女共同参画社会の形成についての基本理念を明らかにしてその方向を示し、将来に向かっ
て国、地方公共団体及び国民の男女共同参画社会の形成に関する取組を総合的かつ計画的に推進するた
め、この法律を制定する。
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、男女の人権が尊重され、かつ、社会経済情勢の変化に対応できる豊かで活力ある
社会を実現することの緊要性にかんがみ、男女共同参画社会の形成に関し、基本理念を定め、並びに
国、地方公共団体及び国民の責務を明らかにするとともに、男女共同参画社会の形成の促進に関する
施策の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画社会の形成を総合的かつ計画的に推進する
ことを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
38
一
男女共同参画社会の形成 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあら
ゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及
び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会を形成することをいう。
二
積極的改善措置
前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、
男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。
(男女の人権の尊重)
第三条 男女共同参画社会の形成は、男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が性別による
差別的取扱いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保されることその他の男女
の人権が尊重されることを旨として、行われなければならない。
(社会における制度又は慣行についての配慮)
第四条 男女共同参画社会の形成に当たっては、社会における制度又は慣行が、性別による固定的な役
割分担等を反映して、男女の社会における活動の選択に対して中立でない影響を及ぼすことにより、
男女共同参画社会の形成を阻害する要因となるおそれがあることにかんがみ、社会における制度又は
慣行が男女の社会における活動の選択に対して及ぼす影響をできる限り中立なものとするように配慮
されなければならない。
(政策等の立案及び決定への共同参画)
第五条 男女共同参画社会の形成は、男女が、社会の対等な構成員として、国若しくは地方公共団体に
おける政策又は民間の団体における方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されることを
旨として、行われなければならない。
(家庭生活における活動と他の活動の両立)
第六条 男女共同参画社会の形成は、家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子の養
育、家族の介護その他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たし、か
つ、当該活動以外の活動を行うことができるようにすることを旨として、行われなければならない。
(国際的協調)
第七条 男女共同参画社会の形成の促進が国際社会における取組と密接な関係を有していることにかん
がみ、男女共同参画社会の形成は、国際的協調の下に行われなければならない。
(国の責務)
第八条 国は、第三条から前条までに定める男女共同参画社会の形成についての基本理念(以下「基本
理念」という。)にのっとり、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策(積極的改善措置を含む。
以下同じ。)を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
(地方公共団体の責務)
第九条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、男女共同参画社会の形成の促進に関し、国の施策に準
じた施策及びその他のその地方公共団体の区域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有
する。
(国民の責務)
第十条 国民は、職域、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、基本理念にのっとり、
男女共同参画社会の形成に寄与するように努めなければならない。
(法制上の措置等)
39
第十一条 政府は、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政
上の措置その他の措置を講じなければならない。
(年次報告等)
第十二条 政府は、毎年、国会に、男女共同参画社会の形成の状況及び政府が講じた男女共同参画社会
の形成の促進に関する施策についての報告を提出しなければならない。
2
政府は、毎年、前項の報告に係る男女共同参画社会の形成の状況を考慮して講じようとする男女共
同参画社会の形成の促進に関する施策を明らかにした文書を作成し、これを国会に提出しなければな
らない。
第二章 男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的施策
(男女共同参画基本計画)
第十三条 政府は、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、
男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的な計画(以下「男女共同参画基本計画」という。)を
定めなければならない。
2
男女共同参画基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一
総合的かつ長期的に講ずべき男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の大綱
二
前号に掲げるもののほか、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推
進するために必要な事項
3
内閣総理大臣は、男女共同参画会議の意見を聴いて、男女共同参画基本計画の案を作成し、閣議の
決定を求めなければならない。
4
内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、男女共同参画基本計画
を公表しなければならない。
5
前二項の規定は、男女共同参画基本計画の変更について準用する。
(平一一法一六〇・一部改正)
(都道府県男女共同参画計画等)
第十四条 都道府県は、男女共同参画基本計画を勘案して、当該都道府県の区域における男女共同参画
社会の形成の促進に関する施策についての基本的な計画(以下「都道府県男女共同参画計画」という。)
を定めなければならない。
2
都道府県男女共同参画計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一
都道府県の区域において総合的かつ長期的に講ずべき男女共同参画社会の形成の促進に関する施
策の大綱
二
前号に掲げるもののほか、都道府県の区域における男女共同参画社会の形成の促進に関する施策
を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3
市町村は、男女共同参画基本計画及び都道府県男女共同参画計画を勘案して、当該市町村の区域に
おける男女共同参画社会の形成の促進に関する施策についての基本的な計画(以下「市町村男女共同
参画計画」という。)を定めるように努めなければならない。
4
都道府県又は市町村は、都道府県男女共同参画計画又は市町村男女共同参画計画を定め、又は変更
したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
(施策の策定等に当たっての配慮)
40
第十五条 国及び地方公共団体は、男女共同参画社会の形成に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、
及び実施するに当たっては、男女共同参画社会の形成に配慮しなければならない。
(国民の理解を深めるための措置)
第十六条 国及び地方公共団体は、広報活動等を通じて、基本理念に関する国民の理解を深めるよう適
切な措置を講じなければならない。
(苦情の処理等)
第十七条 国は、政府が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策又は男女共同参画社会の
形成に影響を及ぼすと認められる施策についての苦情の処理のために必要な措置及び性別による差別
的取扱いその他の男女共同参画社会の形成を阻害する要因によって人権が侵害された場合における被
害者の救済を図るために必要な措置を講じなければならない。
(調査研究)
第十八条 国は、社会における制度又は慣行が男女共同参画社会の形成に及ぼす影響に関する調査研究
その他の男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の策定に必要な調査研究を推進するように努め
るものとする。
(国際的協調のための措置)
第十九条 国は、男女共同参画社会の形成を国際的協調の下に促進するため、外国政府又は国際機関と
の情報の交換その他男女共同参画社会の形成に関する国際的な相互協力の円滑な推進を図るために必
要な措置を講ずるように努めるものとする。
(地方公共団体及び民間の団体に対する支援)
第二十条 国は、地方公共団体が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策及び民間の団体
が男女共同参画社会の形成の促進に関して行う活動を支援するため、情報の提供その他の必要な措置
を講ずるように努めるものとする。
第三章 男女共同参画会議
(平一一法一〇二・全改)
(設置)
第二十一条 内閣府に、男女共同参画会議(以下「会議」という。)を置く。
(平一一法一〇二・全改)
(所掌事務)
第二十二条 会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
一
男女共同参画基本計画に関し、第十三条第三項に規定する事項を処理すること。
二
前号に掲げるもののほか、内閣総理大臣又は関係各大臣の諮問に応じ、男女共同参画社会の形成
の促進に関する基本的な方針、基本的な政策及び重要事項を調査審議すること。
三
前二号に規定する事項に関し、調査審議し、必要があると認めるときは、内閣総理大臣及び関係
各大臣に対し、意見を述べること。
四
政府が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況を監視し、及び政府の施
策が男女共同参画社会の形成に及ぼす影響を調査し、必要があると認めるときは、内閣総理大臣及
び関係各大臣に対し、意見を述べること。
(平一一法一〇二・全改)
41
(組織)
第二十三条 会議は、議長及び議員二十四人以内をもって組織する。
(平一一法一〇二・全改)
(議長)
第二十四条 議長は、内閣官房長官をもって充てる。
2
議長は、会務を総理する。
(平一一法一〇二・全改)
(議員)
第二十五条 議員は、次に掲げる者をもって充てる。
一
内閣官房長官以外の国務大臣のうちから、内閣総理大臣が指定する者
二
男女共同参画社会の形成に関し優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する者
2
前項第二号の議員の数は、同項に規定する議員の総数の十分の五未満であってはならない。
3
第一項第二号の議員のうち、男女のいずれか一方の議員の数は、同号に規定する議員の総数の十分
の四未満であってはならない。
4
第一項第二号の議員は、非常勤とする。
(平一一法一〇二・全改)
(議員の任期)
第二十六条 前条第一項第二号の議員の任期は、二年とする。ただし、補欠の議員の任期は、前任者の
残任期間とする。
2
前条第一項第二号の議員は、再任されることができる。
(平一一法一〇二・全改)
(資料提出の要求等)
第二十七条 会議は、その所掌事務を遂行するために必要があると認めるときは、関係行政機関の長に
対し、監視又は調査に必要な資料その他の資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求める
ことができる。
2
会議は、その所掌事務を遂行するために特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の
者に対しても、必要な協力を依頼することができる。
(平一一法一〇二・全改)
(政令への委任)
第二十八条 この章に定めるもののほか、会議の組織及び議員その他の職員その他会議に関し必要な事
項は、政令で定める。
(平一一法一〇二・全改)
附則
(略)
42
○長井市男女共同参画推進条例
平成14年12月18日
長井市条例第31号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第8条)
第2章 男女共同参画推進に関する基本施策(第9条―第15条)
第3章 長井市男女共同参画推進審議会(第16条―第18条)
第4章 雑則(第19条)
附則
日本国憲法においては、個人の尊重と法の下の平等が謳われ、男女平等の実現に向けた個別法の整備
が行われてきている。しかしながら、少子高齢化社会や急速な経済情勢の変化が生じ、これに対応して
いく上で、男女がお互いの人権を尊重し、あらゆる分野において対等に協力し責任と喜びを分かち合う
男女共同参画社会の形成が緊急の課題となっている。
私たちのまち長井市においても、昔ながらの社会慣行で男女の役割を決めつけてしまう考え方がいま
だに残っており、地域活動における男女の参画が対等でなかったり、夫婦共働き世帯が多い状況にあり
ながらも、女性の家事、育児及び介護等の負担が大きく、家庭生活において男女が対等とは言えない状
況にある。
このような状況を踏まえ、市民一人ひとりが男女の生まれながら持つ性差を互いに尊重し、固定的な
役割分担の概念にとらわれることなく、自らの意思で生き方を選択し、個性と能力が発揮できるまちの
実現にむけて、市民、事業者及び行政が連携協力しながら男女共同参画推進に取り組んでいくことを決
意し、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、男女共同参画推進に関し、基本理念を定め、実現すべき姿の達成にむけて、市、
市民及び事業者等の責務を明らかにするとともに、市の施策の基本となる事項を定めることにより、
男女共同参画推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 男女共同参画推進
男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆ
る分野における活動に参画する機会が確保され、男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的
利益を享受することができ、かつ共に責任を担うべき社会形成に向けて取り組むことをいう。
(2) 積極的改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内にお
いて、男女のいずれか一方に対し当該機会を積極的に提供することをいう。
(3) 市民 市内に居住する者、勤務する者及び在学する者をいう。
(4) 事業者等 市内において公的機関、民間を問わず、あらゆる分野において経済活動及び社会
活動を行う者をいう。
43
(5) ジェンダー・フリー 男女別に期待される役割やイメージなどの歴史的、社会的及び文化的
に作られた性差により差別されないことをいう。
(基本理念)
第3条 男女共同参画推進に関する基本理念(以下「基本理念」という。)は、次の各号に掲げる事項
とする。
(1) 男女共同参画推進にあたり、男女が、ジェンダー・フリーを理解することで、個性と能力を
発揮する機会が確保され、人権が尊重されること。
(2) 男女共同参画推進にあたり、男女が、社会慣行にとらわれずに、自分の自由な意思と選択に
よる活動ができるように配慮されること。
(3) 男女共同参画推進にあたり、男女が、家庭、職場、地域、学校、行政その他の社会生活にお
ける活動の立案、方針の決定及び推進において対等な立場で参画し責任を分かち合えること。
(4) 男女共同参画推進にあたり、男女が、妊娠、出産、母性保護その他性に関することについて
互いに理解を深めることにより、男女の生涯にわたる健康が確保されること。
(実現すべき姿)
第4条 市、市民及び事業者等は、次の各号に掲げる事項を男女共同参画推進による実現すべき姿(以
下「実現すべき姿」という。)とし、その達成に努めるものとする。
(1) 家庭において実現すべき姿
イ
「男は仕事」・「女は家庭」等の男女平等を阻害する慣習及びしきたりを超えて、女性が担っ
てきた家事、育児及び介護等の無償労働を理解し評価できる家庭
ロ
男女が、家事、育児及び介護等を分担することで、地域活動及び社会活動に平等に参画できる
家庭
(2) 職場において実現すべき姿
イ
個人の能力、適性及び意欲等が適正に評価され、採用、配置、賃金及び昇進等の男女格差が解
消し、やりがいを感じる職場
ロ
就学前の子の育児及び養育のため又は介護のための休暇及び休業を男女共に取得できる環境が
整い、ゆとりをもって家庭生活と両立できる職場
(3) 地域において実現すべき姿
イ
男女共に対等な立場で自らの意思により活動に参画できる地域
ロ
今までの慣習及びしきたりにとらわれずに、男女の役割分担が対等になされ、リーダーシップ
を積極的に発揮できる地域
(4) 教育において実現すべき姿
イ
男女の身体的な特徴の違いを理解し、生涯において互いの健康が維持できる教育が推進される
こと。
ロ
人を思いやる心を育み、男女が対等に個性と能力を発揮できる教育が推進されること。
(市の責務)
第5条 市は、基本理念にのっとり、男女共同参画推進のため、第2章に掲げる施策を実施する。
2
市は、前項の施策の実施にあたり、市民、事業者等、県及び国と連携して取り組むものとする。
(市民の責務)
44
第6条 市民は、基本理念にのっとり、実現すべき姿を目指し、家庭、職場、地域及び教育の場におい
て、男女共同参画推進に協力するよう自ら努めるものとする。
2
市民は、市が実施する男女共同参画推進のための施策に協力するよう努めるものとする。
(事業者等の責務)
第7条 事業者等は、事業を行うにあたり、基本理念にのっとり、実現すべき姿を目指し、男女共同参
画推進に努めるものとする。
2
事業者等は、市が実施する男女共同参画推進のための施策に積極的に協力するよう努めるものとす
る。
(性別による権利侵害に関する配慮)
第8条 市、市民及び事業者等は、次に掲げる行為により男女の人権を損なわないようにしなければな
らない。
(1) 性別を理由とする権利侵害及び差別的取り扱い
(2) セクシュアル・ハラスメント(性的な言動により相手方を不快にさせ、若しくはその者の生
活環境を害し、又は性的な言動に対する相手方の対応によりその者に不利益を与えることをいう。)
(3) ドメスティック・バイオレンス(配偶者等から受ける身体的、精神的、経済的又は言語的な
暴力及び虐待をいう。)
第2章 男女共同参画推進に関する基本施策
(男女共同参画推進計画)
第9条 市長は、男女共同参画推進を着実に遂行するため、男女共同参画推進に関する基本的な計画(以
下「推進計画」という。)を策定し、これを実施するものとする。
2
市長は、推進計画の策定にあたっては、市民及び事業者等の意見を反映させるものとする。
3
市長は、推進計画の実施にあたっては、市民及び事業者等と協力して進めるものとする。
(積極的改善措置)
第10条 市、市民及び事業者等は、男女共同参画の機会の格差の改善が図られるよう関係機関と協力
して積極的改善措置を講ずるものとする。
2
市は、各審議会等における委員を委嘱し、又は任命する場合は、男女の定数について均衡を図るた
めの積極的改善措置を講ずるものとする。
(理解を深めるための措置)
第11条 市は、市民及び事業者等の男女共同参画推進に関する理解を深めるため、広報及び広聴活動
等の必要な措置を講ずるものとする。
(教育及び生涯学習の推進)
第12条 市は、学校教育、その他の教育及び生涯学習の場において、基本理念に配慮し、男女共同参
画推進に関する教育の推進、学習の機会の提供、その他の必要な措置を講ずるものとする。
(苦情及び相談への対応)
第13条 市は、男女共同参画推進を阻害する問題に関する苦情及び相談を受けた場合は、関係機関と
連携して適切に対応するものとする。
(情報の共有等)
45
第14条 市、市民及び事業者等は、男女共同参画推進に関する情報を互いに提供し共有化を図り、男
女共同参画推進のために効果的に活用しなければならない。
(施策の実施状況の公表と評価改善)
第15条 市長は、施策の総合的な推進を行うため、主要な施策の実施状況等について公表し、施策の
評価と改善を行うものとする。
第3章 長井市男女共同参画推進審議会
(設置)
第16条 市長の諮問に応じ、男女共同参画推進に関する基本的かつ総合的な施策及び重要事項を調査
審議するため、長井市男女共同参画推進審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(構成等)
第17条 審議会は、委員20人以内で組織する。
2
委員の数は、男女同数となるよう努めなければならない。
3
審議会の委員の選任にあたっては、市民を代表する者、知識経験を有する者及び公募に応じた者の
うちから、市長が委嘱する。
4
委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。
(庶務)
第18条 審議会の事務局は、企画調整課に置く。
第4章 雑則
(委任)
第19条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、規則で定める。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。
46
○長井市男女共同参画推進条例施行規則
平成14年12月18日
長井市規則第24号
(趣旨)
第1条 この規則は、長井市男女共同参画推進条例(平成14年条例第31号。以下「条例」という。)
の施行に関し、必要な事項を定めるものとする。
(実施状況の公表)
第2条 条例第15条に規定する施策の実施状況の公表は、毎年1回行うものとする。公表時期につい
ては、市長が別に定めるものとする。
(委員)
第3条 条例第16条第1項の審議会には、会長及び副会長各1名を置き、会長は、委員が互選する。
副会長は、会長が指名する。
2
会長は、審議会を代表し、会務を総括する。
3
副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代行する。
(会議等)
第4条 審議会は、会長が招集し、会長が議長となる。
2
会議は、委員の過半数が出席しなければ開くことができない。
3
会議は、次に掲げる事項について審議を行う。
(1) 推進計画の策定及び変更に関すること。
(2) 施策の基本的事項及び重要事項に関すること。
(3) 施策の評価及び改善に関すること。
(部会)
第5条 審議会に専門の事項を調査審議するため、専門部会を設けることができる。
2
部会に属すべき委員は、会長が指名する。
3
部会に部会長をおき、部会に属する委員の互選とする。
4
部会長は、部会の事務を掌理する。
5
部会長に事故があるときは、部会長があらかじめ指名する委員がその職務を代理する。
(会議録)
第6条 会議録は、事務局に調製させ、次の事項を記載する。
(1) 開会及び閉会に関する事項
(2) 出席及び欠席委員の氏名並びに職務のため出席したものの職氏名
(3) 会議に付した事件及び会議の経過
(4) その他会長又は審議会において必要と認めた事項
(委任)
第7条 この規則の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附 則
この規則は、公布の日から施行する。
47
○長井市男女共同参画推進本部規程
平成25年5月2日
長井市訓令第7号
(設置)
第1条 男女共同参画社会の実現を目指し、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推
進するため、長井市男女共同参画推進本部(以下「本部」という。)を設置する。
(所掌事務)
第2条 本部の所掌事務は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 長井市男女共同参画基本計画の推進に関すること。
(2) その他男女共同参画の推進に係る重要事項に関すること。
(組織)
第3条 本部は、本部長、副本部長及び本部員をもって組織する。
2
本部長は副市長をもって充て、副本部長は教育長をもって充てる。
3
本部員は、別表に掲げる職にある者並びに本部長が定める者をもって充てる。
(本部長及び副本部長)
第4条 本部長は、本部を統括する。
2
副本部長は、本部長を補佐し、本部長に事故があるとき、又は欠けたときは、副本部長がその職務
を代理する。
(本部会議)
第5条 本部の会議は、本部長が必要に応じて招集し、本部長が議長となる。
2
本部長は、必要があるときは、会議に本部員以外の者の出席を求め、意見を聴くことができる。
(作業部会の設置)
第6条 本部長は、必要があるときは、作業部会を設置することができる。
(事務局)
第7条 本部の庶務その他の事務を処理するため、企画調整課に事務局を置く。
(委任)
第8条 この規程に定めるもののほか、本部の運営に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附 則
この訓令は、平成25年4月1日から施行する。
別表
総務課長、企画調整課長、市民課長、健康課長、農林課長、商工振興課長、福祉生活あんしん課長、
子育て支援課長、教育委員会管理課長、教育委員会文化生涯学習課長
48
○男 女 共 同 参 画 に 関 す る 動 き
年
年度
(資料:山形県子育て推進部 若者支援・男女共同参画課より提供)
世界の動き
1945 昭和
国内の動き
山形県の動き
・婦人参政権
20
1947
22
・日本国憲法施行
基本的人権の尊重、法の下の平等
の明文化
1972
47 ・第27回国連総会で、1975 年を「国
際婦人年」とする宣言
1975
50
・「国際婦人年世界会議」
(メキシコシティ)テーマ「平等.発
展.平和」「世界行動計画」採択
・婦人問題企画推進本部設置
本部長:内閣総理大臣
・婦人問題企画推進会議設置
・第30回国連総会
・総理府に婦人問題担当室発足
「国連婦人の十年」の決定
・育児休業法の成立(義務教育教員等)
(1976~1985)
1976
51
・「民法改正」(離婚後復氏制度)
1977
52
・「国内行動計画」策定
・青少年課を青少年婦人課に改組
・国立婦人教育会館開館
・「山形県婦人問題推進本部」設置
・婦人問題推進懇話会設置
1978
53
・「婦人問題推進のための県内行動計画策
1979
54
・国連総会で「女子差別撤廃条約」採
1980
55
・「国連婦人の十年中間年世界会議」 ・「民法改正」(配偶者の相談相続割
1981
56
定
択
(コペンハーゲン)
合 1/3 から 1/2)
「女子差別撤廃条約」発効
・「婦人の政策決定参加を促進する特別
活動推進要綱」規定
1984
59
1985
60
・「国籍法改正」(父母両系血統主義)
・「国連婦人の十年最終年世界会議」 ・「男女雇用機会均等法」成立
(ナイロビ)「2000 年に向けての
・「山形県婦人の現状と施策」発刊
(S61.4.1 施行)
婦人の地位向上のための将来戦略」 ・「女子差別撤廃条約」批准
採択
1986
61
・「国民年金法改正」(女性の年金権 ・婦人問題推進懇話会が「第2期山形県
の確立)
婦人行動計画実現のための提言」提出
・「労働基準法改正」(母性保護の充
実等)
1987
62
・「西暦 2000 年に向けての新国内 ・第2期県内行動計画「新やまがた女性
行動計画」策定
(総合目標:男女共同参画型社会の形
プラン」策定
(昭和 63 年度~平成 12 年度)
成をめざして)
1988
63
・女子差別撤廃委員会(第7回)で我
・山形県婦人問題推進本部」設置(第2次)
が国報告書の審議
1989 平成
元
・新学習指導要領の告示(家庭科の男
女共修)
49
1990
2
・婦人の地位委員会で「ナイロビ将来
戦略の実施に関する第1回見直し
及び評価に伴う勧告及び結論」の採
択
1991
3
・婦人の地位委員会で「第4回世界婦 ・
「新国内行動計画」の第一次改定(男
人会議」について審議
1992
4
女共同参加→男女共同参画へ)
・「育児休業法」施行
・初の「婦人問題担当大臣」任命
1993
5
・パートタイム労働法」成立
・青少年女性課へ課名変更
・第4回世界婦人会議日本国内委員会 ・女性施策推進懇話会「県の各種審議会等
設置
における女性委員の登用促進のための
提言」提出
1994
6
・総理府に男女共同参画室設置
・男女共同参画推進本部及び男女共同
・「新やまがた女性プラン」見直し
(中間年)
参画推進審議会の設置
1995
7
・第4回世界女性会議(北京)
北京宣言及び行動綱領採択、
NGOフォーラム開催
1996
8
・「育児休業法」から「育児・介護休
業法」へ改正
・ILO156 号条約批准
・新たな国内行動計画「男女共同参画 ・県民生活女性課青少年女性室に改組
2000 年プラン」策定
1997
9
・男女共同参画審議会設置
・「男女雇用機会均等法」改正
1998
10
・「特定非営利活動等促進法(NPO ・山形県男女共同参画センター基本計画策
法)」成立
1999
11
定
・「男女共同参画社会基本法」公布・ ・女性施策推進懇話会を男女共同参画
施行(6 月 23 日)
推進懇話会に名称変更
・「労働基準法」「男女雇用機会均等
法」「育児・介護休業法」の一部改
正
2000
12
・国連特別総会「女性 2000 年会議」・男女共同参画基本計画策定
・県民生活女性課に男女共同参画室を設置
(ニューヨーク)政治宣言及び成果 ・推進体制の強化、充実のため新設さ ・第3期県内行動計画「山形県男女共同参
文書採択
れた内閣府に男女共同参画局を設
画計画」
置
策定(平成 13 年度~平成 22 年度)
・「男女共同参画会議」を設置し、権 ・男女共同参画社会づくり知事表彰制度を
限機能を充実・強化
2001
13
創設
・配偶者からの暴力の防止及び被害者 ・山形県男女共同参画センター「チェ
の保護に関する法律制定(一部施
リア」を開設
行)
2002
14
・配偶者からの暴力の防止及び被害者 ・山形県男女共同参画推進条例制定
の保護に関する法律全面施行
2003
15
・女性のチャレンジ支援が報告
50
・山形県男女共同参画審議会設置
・文化振興課男女共同参画室に改組
2004
16
・「配偶者からの暴力の防止及び被害
者の保護に関する法律」改正
2005
17
第49回国連婦人の地位委員会
(「北京+10」閣僚級会合)
(ニューヨーク)
2006
18
・「少子化・男女共同参画担当大臣」 ・文化環境部女性青少年政策室に改組
任命
・山形県男女共同参画計画を改訂
・第 2 次男女共同参画基本計画策定 ・山形県DV被害者支援基本計画を策定
・「男女雇用機会均等法」改正
・男女いきいき企業懇話会を設立
・チャレンジ応援サイトやまがたを開設
・男女共同参画社会づくり知事表彰制
度に「チャレンジ賞」を新設
・いきいきWネットワーク設立
2007
19
・「配偶者からの暴力の防止及び被害 ・男女いきいき・子育て応援宣言企業総合
者の保護に関する法律」改正(施
支援事業の創設
行:平成20年1月)
・「仕事と生活の調和(ワーク・ライ
フ・バランス)憲章」及び「仕事と
生活の調和推進のための行動指針」
策定
2008
20
・「女性の参画加速プログラム」
男女共同参画推進本部決定
2009
21
・女子差別撤廃条約実施状況第 6 回報 ・「育児・介護休業法」改正
告の審議・最終見解の公表
・山形県ワーク・ライフ・バランス憲章
の制定
・子ども政策室女性青少年課に改組
・ワーク・ライフ・バランス推進協定の締
結
・ワーク・ライフ・バランス優良企業知事
表彰制度を創設
・平成 21 年度新男女共同参画計画意識調
査実施
2010
22
・国連「北京+15」記念会合
(ニューヨーク)
・「第 3 次男女共同参画基本計画」閣 ・子育て推進部青少年・男女共同参画課へ
議決定
改組
・「仕事と生活の調和(ワーク・ライ ・山形県男女共同参画計画策定
フ・バランス)憲章」及び「仕事と
(平成 23 年度~平成 27 年度)
生活の調和推進のための行動指針」 ・山形県DV被害者支援基本計画策定
改定
2011
23
(平成 23 年度~平成 27 年度)
・UN Women 正式発足
・平成 23 年度地域での女性登用に関する
意識調査実施
・平成 23 年度デート DV 実態調査実施
2012
24
・APEC 女性と経済フォーラム
・「『女性の活躍促進による経済活性
化』行動計画 ~働く『なでしこ』大
作戦~」策定
2013
25
・APEC 女性と経済フォーラム
・「配偶者からの暴力の防止及び被害 ・子育て推進部若者支援・男女共同参画課
者の保護等に関する法律」改正(施
行:平成26年1月)
・「男女共同参画の視点からの防災・
復興の取組指針」策定
へ改組
・「山形いきいき子育て応援企業」認定制
度創設
・全国知事会男女共同参画プロジェクトチ
ームリーダーとして、国に対し女性の
活躍促進のための提言を実施
51
○平成25・26年度
長井市男女共同参画推進審議会委員名簿
平成26年3月31日現在(会長、副会長以下は五十音順、敬称略)
会長
木村
松子
荒井
信毅
井上 瑞穂
小林
平人
佐藤 仁敬
みわ
眞木 悦子
裕子
横山 敬生
平
村田
副会長
手塚 美雄
○計画策定の経過
日程
平成25年5月17日
会議等
内容等
第1回本部会・作業部会
本部員・作業部員の委嘱、男女共同参画の講
話、経過報告
平成25年6月10日
第2回作業部会
長井市男女共同参画基本計画の総括
平成25年6月25日
第1回審議会(諮問)
委員委嘱、会長選出、第二次計画策定につい
て諮問、男女共同参画の講話
平成25年7月16日
第3回作業部会
平成25年7月24日
第2回審議会
平成25年8月19日
第4回作業部会
第二次計画基本方針、重点課題について検討
平成25年8月30日
第2回本部会
総括、第二次計画基本方針について検討
平成25年9月10日
第3回本部会
平成25年9月13日
第3回審議会
総括、第二次計画基本方針について検討
平成25年12月9日~
平成26年1月6日
第二次計画基本方針、重点課題について検討
意見公募
平成26年1月29日
第5回作業部会
平成26年2月19日
第4回本部会
平成26年2月19日
市内団体との意見交換
第二次計画基本方針について⇒応募0件
第二次計画素案について検討
(国際ソロプチミスト長井)
これまでの経過、第二次計画の概要について
平成26年2月26日
第4回審議会
第二次計画素案について検討
平成26年3月9日
市内団体との意見交換
平成25年度の経過、第二次計画の概要につ
(中央地区女性の会)
いて
審議会会長から市長へ答申
長井市第二次計画策定について
平成26年3月11日
※審議会=男女共同参画推進審議会、本部会=男女共同参画推進本部会、作業部会=男女共同参画推進作業部会
52
長井市第二次男女共同参画基本計画
平成 26 年 3 月
発
行/
企画・編集/
長井市
長井市企画調整課
〒993-8601 山形県長井市ままの上 5 番 1 号
電話 :0238-87-0817(課直通)
FAX:0238-83-1070
Email: [email protected]
URL:http://www.city.nagai.yamagata.jp
53
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