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天然系凝集剤を用いた 放射能汚染土壌除染技術 天然系凝集剤を用いた
天然系凝集剤を用いた 放射能汚染土壌除染技術 量が低下し、凝集沈殿の上澄液には線量が残らないことも確認でき た。以後、第1,2回の知見を元に、車載型除染システム、水系底質の除 染、精密分級による廃棄物の減量化、泡洗浄を併用した建築物の除染 兵庫県立工業技術センター 材料・分析技術部次長(食品・バイオグループ担当) 井上 守正 Tel :078-731-4195 E-mail:[email protected] 等色々な実証試験を行ってきた。本取組はNHK始め多くのマスコミに 取り上げられ、少なからずの反響を得ることができた。何より地元で除 染作業を実施する業者の方々に性能が評価され、除染活動に使用す 術 的 な 問 題 があった 。例えば C s 1 3 7 の 線 量 が 1 0 0 0 B q / g だとC s は る計画になったことが嬉しかった。 これまでの災害と一線を画するものであった。震災発生直後に、共同研 3.13×10 μgとなり、pptレベルの濃度となる。反面セシウムをICPで分 本取組は、緊急時対応ということもあり、計画、準備、実験、 まとめを 究を実施していた八紀産業㈱から電話が入り 「当社の凝集剤が役に立 析する場合、検出限界は約50ppmなので測定できないということにな 全て同時並行に進める段取りとなった。実際走りながらあれこれ片付 つかもしれない。試験してもらえないか」 との申出があり、早速検討に る。つまり現地で問題となっている濃度のCsの挙動を確認するために けているという感覚が、現在も継続している。公設試験研究機関である 入った。 は、線量の変化で測定する必要がある。 当センターの業務の進め方としては、非常に特異なものであったと言 当該社の凝集剤は、他社の凝集剤では処理が難しいとされているα 急遽事業を立ち上げ、現地(飯舘村)へ赴いたのは5月に入ってから える。正直他機関ではこうは行かなかったであろう。機動的な業務推進 化して溶解したデンプンを凝集沈溺することができるという特徴を持っ だった。土壌の除染を目的として実験を行った。当時土壌の除染につい は、当センターの真骨頂であると自負する。 ていた。当時はセシウム(Cs)だけでなくヨウ素(I)も問題となっていた ては検討が始まったばかりで全くの五里霧中であった。可能な限り合理 が、汚染排水にデンプンを混和すればヨウ素−デンプン反応によってヨ 的に条件検討を行った結果、土壌の微細粒子画分(粘土、シルト)に線 ウ素は除去できると直感した。セシウムについては吸着剤を併用するこ 量が局在していること、そして粘土、シルトごと除去すれば汚染土壌の ととした。非放射性ヨウ素およびセシウムでモデル排水を調整して凝集 線量を低減できる可能性が見出せた。第2回目の実証試験は9月、飯舘 沈殿による除去効果を知らべた結果、其々60∼80%除去できることが 村での知見を踏まえ幾つかの装置を組み合わせたプラントを持って郡 分かった。 しかし、非放射性物質で調整したモデル排水での実験には技 山市へ赴いた。目論見は見事に的中し、土壌線量の90%以上をスラッ ☆ 放射能除染の現地調査 ☆ 飯舘村での活動風景(平成23年5月) ・震災2ヶ月後 -4 空間:4μSv/h 兵庫県立工業技術センターで は、技術相談、共同・受託研究、機 器利用、人材育成など、中小企業 への多様な技術支援サービスを 技術交流館 開発機器を備え、産学連携・交流機能を充実させた開放型の研究 開発施設を整備しました。 この技術交流館を拠点として、県下のものづくり産業の育成に一 層の支援を行ってまいります。 ■ 技術交流館の概要 1. 3∼6階、地階は技術分野ごとに機器を配置。企業情報保持 のため、1室に1機器のコンセプトで機器を導入 2. 2階に研修室などを設置し、 産学官の交流・異業種交流を促進 3. 1階に発明協会と特許活用などを支援する新産業創造研究 ☆ 工業技術センターによる除染技術の開発支援 汚染土壌の 洗浄分級と減容化 の共同研究を実施中(郡山市、伊達市) 神戸市の空間 線量率:0.07μSv/h 機構の相談窓口を一体配置し、総合相談窓口・ハローテクノ でワンストップサービスを実施 ■ 研究開発機器 このたびの整備により、機器の新規導入・高機能更新が進み、 機器利用や共同研究などで開放している機器は約300台に達して います。 これらの機器は、企業の技術者が自ら機器を操作して分析を行 い、新製品開発に役立てていただけるよう開放しています。 空間:6μSv/h (平成24年3月11日までの 積算線量) 福島県伊達市での実証試験風景(1月) (現地調査) 平成23年5月18∼20日 飯舘村:平成23年5月19日 (原子力規制委員会) も 応 展開しています。昨年10月には技術交流館がオープンし、先端研究 東日本大震災は、原発のダメージに伴う放射能汚染が発生した点で 積算線量推定マップ 兵庫県立 工業技術 センター ジとして回収することができた。洗浄した土壌は環境レベルにまで線 空間線量率: 1.87μSv/h (H24.1 月舘運動場) また、機器利用研修も実施しています。(ホームページ参照) ■ 中小企業向け支援メニュー 工業技術センター研究者(技術ノウハウ)と機器等(研究インフラ)で 中小企業の製品開発、技術開発を支援します。 藁の表面 藁の下 ①技術アドバイザーの派遣、②テクノトライアル、③共同研究、 ④ものづくり基盤技術入門研修 等 :20kcpm 10 :3.4kcpm 除染実験の簡易スキーム図 空間線量率: 5.403μSv/h (除染土の最終廃棄物) 問合せ先 総合相談窓口・ハローテクノ 〒654-0037 神戸市須磨区行平町3-1-12 TEL 078-731- 4033 FAX 078-735-7845 E-mail [email protected] URL http://www.hyogo-kg.jp/ 11