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加木屋南小学校 濱口 満里奈

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加木屋南小学校 濱口 満里奈
様式8
東海市教職員研修事業報告書(国内指定研修事業)
学 校 名 加木屋南小学校
職 氏 名 教諭
濱口
満里奈
研 修 名 自然体験
研 修 期 間 平成27年
7月28日(火)
~ 8月 1日(土)
( 5日間)
研 修 主 題 「ほんもの」に触れる自然体験活動の重要性について
自然体験活動を実際に行うことで,その活動の楽しさや充実感,達成感を味
わい,体験活動の必要性や教育効果を学ぶ。
自然体験活動に参加(7月28日,8月1日)
研 修 日 程 幼児の自然体験活動指導者養成研修会 準備(7月29日)
幼児の自然体験活動指導者養成研修会 参加(7月30日~31日)
研修目的
研 修 内 容
1 はじめに
現在,身近に自然と触れ合える場が少なく,子どもの体力低下や人との関わりの希薄さが問
題となっている。国立若狭湾青少年自然の家で行われている体験活動に参加していく中で,体
験活動の必要性や教育効果を学び,今後の指導に生かしたい。
2 研修カリキュラム
7月28日(火) カッターの活動見学,国立青少年教育振興機構についての講義
7月29日(水) スノーケリングの活動支援・参加
幼児の自然体験活動指導者養成研修会の準備
7月30日(木)・31日(金)
幼児の自然体験活動指導者養成研修会へ参加
8月1日(土)
カッターの活動支援・参加
3 実践内容
(1) カッター活動
1艇24人乗りの大きな船を,大きなオールを使用し協力して漕いでいく活動を初日に見
学,最終日には活動に参加した。乗船する全員がライフジャケットを着用し,目まぐるしく
表情の変わる海へと繰り出していく。各艇には艇長がおり,活動は艇長の指示で進められる。
海へ出ると日影はないため,全員帽子を着用する。活動時,赤白帽子を着用していた児童
に対し,艇長が「帽子を白にすること」
「帽子を水で濡らすこと」の2つの指示を出した。
どちらも熱中症対策である。水分もすぐに取り出せるところに用意させ,説明の際にはいつ
でも飲めるようにした。また,一定時間すると水分を飲むように声かけをしていた。子ども
は集中すると水分を飲むのを忘れてしまうことがあるため,気を付けなければならない。
実際に海に出ると,オールはすごく重たく,大人でも一人では漕ぐことが出来ない。さら
に,オールの向きが水面と平行になると水からあげることが出来なくなってしまうことがあ
る。その時には,周りも助けないととてもではないが子どもの力では元に戻すことが出来な
い。実際,そんな状況になると子どもたちはこちらが言わなくでも自然と助け合うことが出
来ている。声を掛け合いながら,どの子どもも笑顔で活動していたことが印象に残っている。
(2) スノーケリングの活動
ウェットスーツ・フローティングジャケットを着用し,スノーケル・フィン・マスクを付
けて海を泳ぎ,生き物を観察する活動に参加した。楽しく安全に活動するために重要なこと
は用具を正しく着用すること,バディを組ませることである。道具の説明は一つ一つ丁寧に
行われ,自分の体に合ったものを選び着用する練習も行った。浜に出て,フローティングジ
ャケットを着てまず行ったのは,力を抜いて浮く練習である。子どもは強張って力を入れて
しまい,完全に力を抜き浮くことが出来ない。体を支えながら楽に浮く練習をし,慣れてき
たらスノーケルを付けて,泳ぐ練習をする。顔を付けたまま息継ぎをすれば良いのだが始め
はいつも泳ぐときの癖で顔をあげてしまう。足のつけないところまで泳ぎ,浜へ戻ることを
繰り返し練習し,フィンやスノーケルに慣れさせる。すると3回もしないうちに子どもたち
は泳げるようになる。海を見ればすぐ近くに魚がおり,夢中になって活動に取り組んでいた
姿が印象に残っている。次に沖に出て,500メートル先の岩場を目指し,自力で泳いでい
く。中には泳ぎに自信のない子どももいたが,練習で少し慣れたこともあり,全員が500
メートル泳ぐことが出来た。
4 幼児の自然体験活動指導者養成研修会に参加して
保育士や幼児教育に携わる人を対象にした自然体験活動の研修に参加した。研修では,冒険
家の大瀬志郎さんや大森和良先生指導の下,シーカヤックやスノーケリング,アウトドアクッ
キングを行った。子ども同様水に浮かぶ活動から始まり,思いっきり海を満喫した。シーカヤ
ックでの移動は,バディとの息が合わないとうまく進まなかったり,方向転換が出来なかった
りするが,岸に到着したときには大きな達成感が得られた。スノーケリングでは,色とりどり
の魚や,サザエ,ウニが手の届きそうな所に多く見ることが出来た。中でもスノーケリングを
しながらの釣りがとても印象に残っている。木の枝で作られたさおを手にまずは魚を釣るため
の餌である貝を探すところから始まるのだ。餌を針に付けたら,糸を垂らし魚が餌を食べると
ころを見ながら釣りをする。餌に食いつくのを見ながらの釣りは初めてで,とても面白く時間
を忘れて取り組んだ。釣れた魚は大瀬さんに教わりながら自分で捌いた。まな板や包丁を波打
ち際に用意し,時折海水で洗いながら捌いていった。初めは魚に触ることが出来なかったが,
「自分で釣った」という経験があったからこそ出来たのだと感じた。
5 研修を終えて
自然体験学習は,林間学習しか経験がなかった私にとって今回の若狭湾青少年自然の家での
活動は全てが初めてで,どれも楽しい活動だった。子どもに様々なことを指導する私たち教員
が,率先して何事も体験することが必要であると改めて感じた。
5日間の研修の中で,最終日に体験したカッター活動中の艇長の言葉が心に残っている。港
への帰り際,艇長が唐突に「協力するとはどういうことか」と子どもに問いかけた。6年生の
子どもたちがそれぞれ考えを巡らす中,艇長は静かに「協力することとは,全員が一生懸命に
全力を出すことだ」と言った。乗船した全員で掛け声を合わせて重たいオールを,全力を出し
て漕いだ後だったからこそ,艇長の言葉が胸に響いたのだと思う。この日に艇長を務めたのは,
滋賀県で担任をしている教員だった。私は簡単に「協力しないとできない」などと子どもに投
げかけていたことを思い出した。協力はしようと思って出来ることではなく,頑張った後に自
然と付いてくる結果なのだと気付かされたのだ。
どの活動を振り返っても思い出すのは,子どもたちの輝いた笑顔である。何事にも自ら積極
的に行動し,学び,成長していく姿を近くで感じることが出来,
「体験」や「経験」は子ども
の成長に欠かせないものであると改めて感じた5日間であった。この研修で学んだことを生か
して,これからの教員生活を送っていきたい。
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