...

牛ヶ首神社

by user

on
Category: Documents
65

views

Report

Comments

Transcript

牛ヶ首神社
富山湾
415
舞台芸術パーク
■
越中鵜坂駅
川
神
通
川
牛ヶ首神社の牛の像
今 年 3 月 日 に、富 山 市 の 環 状 道 路・草 島 西 線 の
田 尻 ︱ 山 岸 間 が 開 通 し た が、こ れ に よ り、こ れ ま で
水源からの延長は
㎞にも及ぶ。
牛 ヶ 首 用 水 は、現 在 は 神 通 川 第 三 ダ ム か ら 取 水
している、富山市、射水市を流れる大規模な用水で、
どをもとに牛ヶ首用水の歴史を振り返ってみる。
説明や﹁牛ヶ首用水文書目録﹂︵富山市郷土博物館︶な
︵ こ う え ︶取 水 の 地 ﹂の
あ る 案 内 板﹁ 牛 ヶ 首 用 水 古 江
﹁ 牛 ヶ 首 神 社 ﹂は、そ の 名 の 通 り、﹁ 牛 ヶ 首 用 水 ﹂と
ゆかりのある神社だ。羽根ピースフル公園の北端に
りに向かい合うことになった。
は場所がわかりにくかった﹁牛ヶ首神社﹂は大きな通
26
ヶ村の村役人が加賀藩に用水開削、新田
年 に 合 祀 さ れ、牛 ヶ 首 神 社 と
年、利 常 は 隠 居 し、次 男・利 次 は 婦 負 郡 と
寛永
新川郡の一部ほかを分け与えられ、分藩することに
御︵おん︶用水﹂
と命名された。
年に、用水の本江がほぼ完成し、利常により
﹁牛ヶ首
年 に、再 び 利 常 が 現 地 で 指 示 を 与 え た と い う。こ の
り、婦 負 郡 高 田 村 地 内 に 取 入 れ 口 を 設 け た。寛 永 9
川だけの取水から、井田川からも取水することにな
加により用水量の増加が見込まれたことから、山田
寛 永 4 年 に は、計 画 の 一 部 が 変 更 さ れ、新 田 の 増
なった︺
が 祀 ら れ た が、明 治
ん え ︶が 完 成 し て か ら 富 山 藩 に よ っ て 新 た に 神 明 社
こ の 年 に、加 賀 藩 は、開 削 工 事 の 守 り 神 と し て 百
塚 の 久 安 寺 の 南 に 神 明 社 を 創 建 し て い る。︹ 新 江
︵し
着工。飛騨から大工の水間甚右衛門らが招かれた。
は、橋、水 門、筒 木、樋 口、筧︵ か け い ︶
、貫 樋 な ど が
鷹狩りを名目に現地を視察している。寛永3年春に
加 賀 3 代 藩 主・前 田 利 常 も 力 を 入 れ、寛 永 2 年 に は
この時の計画は、山田川に取入れ口を設けるもので、
か ら 藩 の 費 用 で 人 夫 を 集 め る 藩 直 営 の 事 業 で あ っ た。
願人3人を用水掛主附に任じた。婦負、射水、砺波郡
永元年︵1624︶8月、池内太左衛門を用水奉行に、
開 発 を 願 い 出 た。加 賀 藩 は 慎 重 に 検 討 を 加 え て、寛
表に近村
負 郡・八 町 村 善 左 衛 門、同 じ く 小 竹 村 久 右 衛 門 を 代
江戸時代初期、神通川左岸一帯に新田を開発して
生 産 力 を 高 め る た め に、射 水 郡・下 村 長 左 衛 門、婦
40
42
︵富山市︶
山田
33
う し が く び
金屋
なった。これにより、富山藩が成立。牛ヶ首用水は、
加賀藩と富山藩の両藩に属することになった。富山
藩の婦負郡の農民は、新田開発のため新たな用水の
開削を必要とし、最初の開削時の願人の一人であっ
た 八 町 村 善 左 衛 門 を 代 表 に、牛 ヶ 首 用 水 の 分 水、新
田開発の請願を行った。富山藩は加賀藩と協議を重
ね、神通川本流から水を取り入れることで水量を確
保 す る こ と に な っ た。計 画 は、神 通 川 の 亀 ヶ 淵 に 取
入 れ 口 を 儲 け、井 田 川 ま で 新 し い 水 路 を 掘 り、神 通
川の水を井田川に一旦入れ、その水を牛ヶ首用水に
取 り 入 れ る も の で 経 費 は す べ て 富 山 藩 が 負 担 し た。
また、金屋村には古江︵※以前からの用水路︶と新江
け ら れ た。牛 ヶ 首 用 水 は、明 暦 元 年
︵ 1 6 5 5︶に 完
︵※八町村へ水を送る新用水路︶を分水する設備も設
成した。
﹁ 牛 ヶ 首 ﹂と い う 名 前 は、八 町 村 善 左 衛 門 が、用 水
最大の難所、八ヶ山切り通しの工事で悩んでいたと
ころ、ある夜枕元に神が立ち、﹁牛の首を難所に埋め
よ﹂と告げたので、そのとおりに埋め、翌日何食わぬ
顔で現場を巡視していたところ、人夫達が牛の首を
発見し、善左衛門が、﹁これは神の助けであり必ず成
功 す る ﹂と 人 夫 達 を 督 励 し た こ と に よ り、難 工 事 を
やりとげたという伝承に由来する。
44
2011.6
2011.6
45
土
川
熊
野
川
富
山
空
港
牛
ヶ
首
用
水
井
田
川
ファボーレ
■
359
富山城
■
長岡御廟前を流れる牛ヶ首用水
今年の3月26日に開通した環状道路・草島西線が目の前を通る。
牛ヶ首神社の正面から。
羽根ピースフル公園北端から見る牛ヶ首用水
神通第三ダム
牛ヶ首神社
■
ガラス工房
ファミリーパーク
16
牛ヶ首用水工事の守り神として創建
■
速星駅
羽根ピースフル公園
富山駅
富大
西富山駅
★
牛ヶ首神社
■
長岡御廟
呉羽駅
い
た
ち
川
41
富大
■
内山邸
8
八町
八ヶ山
民俗民芸村
Fly UP