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競走馬の消化器系と消化器疾患 その1

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競走馬の消化器系と消化器疾患 その1
競走馬 の消化器系 と消化器疾 患
医
獣医病理専P 弓
獣医学博士 吉
その 1
原
豊
彦
馬 は大型 の草食動物 で大腸 が発達 してお り、そ の容量が大 きい とい う特徴 があ ります。馬 の大腸 内で は微 生 物 の助
け を借 りて繊 維質 を消化 吸収 して い ます。馬 はそ こか ら栄養 を吸収 し、高 いエ ネ ル ギ ー を産生 してお り、効率良 い代
謝 を行 って い ます。今号 では馬 の消化器系 の構造 と機能 を中心 に解説 します。
消化 器系 の 構 造 と基 礎 知 識
動物 の消化器系 は、日か ら肛 門まで両端が開 く管 か ら
成 る ことか ら消化管 と呼 ばれ ます。消化管 に入 った食物
は体 に入 ったのではな く管 の中を通過 し、 しば らくす る
と排泄 されるので、消化管腔内は外界 であるとい えます。
食物 は消化管 を通過す る過程で消化 され、消化管壁か ら
吸収 される ことによ り初めて体内に取 り込 まれて代謝 さ
れるのです。
・
食物 の消化 には機械 的なもの と化学的なものが あ りま
す。歯 で食物 を破砕す ることや 胃腸 で食物 を撹拌す るの
図 1 馬 の消化器系の模式図
は機械 的消化 であ り、消化管 を通過す るときに消化酵素
や化学物質 の作用 を受けるのが化学的消化です。大 きな
を含 む唾液 を分泌す る腺 が あ り、主 な ものは耳下腺、顎
食物 の分子 は、腸壁か ら吸収で きる くらいの小 さな分子
下腺 お よび舌下腺 です。馬 の耳下腺 は非常 によ く発達 し、
唾波腺 の 中 で 最大 で す。 一 方、顎下腺 は比 較 的小 さ く、
に化学的 に分解 されます。 この よ うに、食物が生体内の
る過程 を消化 といい、 消化器系 の働 きに よって行 われ
舌下腺 は他 の動物 では大 ・小舌下腺 か ら成 りますが、馬
は小 舌下腺 しか な く舌下隆起 に一 列 に並 ぶ小乳頭 に開口
ます。
して い ます。
細胞 で利用 で きるように物理的あるいは化学的に変化す
馬 の消化器系 を細か くみ ると、消化管 の入 日である日
唇か ら始 ま り、咽頭、食道、 胃、小腸 (十二指腸、空腸
2.歯 列 の構成 と歯の構造
お よび回腸)、大腸 (盲腸お よび結腸)、な らびに直腸 を
口腔 内 には歯が並 んで生 えて い ます。成熟 した馬 の歯
経 て出日 となる肛 門で終 わ ります (図 1)。 肉食動物 の
は、前 方 か ら切 歯 (I)、大歯 (C)、前 日歯 (P)お よび
消化管 の長 さは比較的短 いのですが、馬や牛 などの草食
後 臼歯 (M)の 順 に生 えてお り、 上 顎 と下 顎 お よび雌 雄
動物 のそれは巨大 に発達 し、大 きな身体 を養 ってい ます。
で 歯 の数が異 な ります。す なわち、雌馬 には大歯が生 え
ませ ん (図 2)。 前 臼歯 (P)の 上 顎 の 3∼ 4の 意 味 は、
1.口 腔
しば しば狼歯 (Pl)が 生 える場合が あ るためで す。 ちな
頭 までの空
消化管 の最初 は口唇 で、日腔 は口唇 か らH因
み に ヒ トの歯 の総数 は男女差が無 く、 上 顎お よび下 顎 と
間であ り、両側壁 は頬、背側 は硬 口蓋 と軟 口蓋、お よび
も同数 で、全 部 で32本で す (表 1)。 馬 の よ う に雌雄 で
腹側 は舌 で囲 まれてい ます。動物の日腔内には消化酵素
歯 の数が異 なる動物 は異例 といえます。
ガF写ニユース
動物 の歯 の形状 をみ る と、 切歯 は食物 を噛み切 り易 い
に対 して馬の歯は表面 をエ ナ メル質 に比べ軟 らか いセメ
構 造 を して い ます。犬歯 は食 物 を噛み裂 き易 い先鋭 な形
ン ト質 で覆われてお り、 エ ナ メル質 は歯の表面 に露出 し
態 で、 前 臼歯お よび後 臼歯 は ともに食物 を噛み砕 き易 い
ない構造 をしてい ます。
馬 の歯 は、離乳 してか ら草 を食べ るようになると、上
構 造 を して い ます。
馬 の 歯 の場合、乳歯 として生 えて きて、それが生 え変
下 の歯 の咬み合 わさる面 (唆合面)に 磨耗 によって模様
わ って永久歯 になるの は切 歯 と前 臼歯 だ けで す。大歯 と
が出現 します。すなわち、H■
鳴に よ り歯が摩耗 した結果、
後 臼歯 は最初 か ら永久歯 として生 え、決 して生 え変 わる
セメン ト質、 エ ナ メル質お よび象牙質が年輪 の ような模
こ とはあ りませ ん。上 顎 の前 臼歯 の前方 に萌芽す る小 さ
様が唆合面 に表 れ ます。 これは黒次 あるい は黒筒 と呼 ば
な歯 を狼歯 ( P l ) と 呼 び ます。 また、乳歯が永久歯 に生
れます。歯 の咬合面 で硬 い層 と柔 らか い層が配列 した構
え変 わる現象 を歯替 わ りといい、馬で は 3 歳 頃か ら5 歳
造 は、 い わばヤス リのような機能 を持 ち、植物性繊維 を
にか け て切歯 と前 自歯 は次 々 と抜 け替 わ ります。馬 の歯
効率 よ く破砕す るのに都合が よい と考 えられます。 さら
替 わ りの ピー クは、 ち ょう ど競馬 のクラシツクシーズ ン
と重 なる ことが多 く、歯番 わ りが スムーズにいか ない と
に、馬の歯 は歯茎 か ら咬合面 までが高 く、 しか も年間 3
∼ 411111程
度伸 び、容易 に摩耗 しない ような構造 をしてい
噛み合 わせが悪 くな り、飼葉喰 いが落ちる こともあるた
め、厩舎関係者 は重 賞 レースヘ の 出走 を控 えた馬が歯替
ます。 この ように馬 の歯は、最初 の構造 の状態 で一生涯
使 い続 ける ヒ トの歯 とは異 な り、岨暉 によ り摩耗 して も
わ りにあたって も、 コンデ ィシ ョンを崩す ことの ない よ
補 われるようにで きてい ます。
うに万全の注意 を払 ってい ます。
一般 に肉食性や雑食性の動物の歯は、象牙質 を芯 とし
3日 咽頭と食道
てその周 りをエ ナ メル質が覆 った構造 をしてい ます。歯
咽頭 は日腔 と食道 との間にある筋膜性の組織で、呼吸
の表面 を覆 うエ ナ メル質 は、動物体内で最 も硬 い組織 と
器 と消化器系 の交差点にあたる部分 です。す なわち、空
い われ、極 めて摩耗 しに くい と考 えられてい ます。 これ
気は肺 に入 り、食物 は咽頭 を通過 して胃に入 ります。
食道 は咽頭 と胃 とを結 ぶ長 い管 で、成 馬 では長 さが約
120cmあります。食道は、頚部、胸腔部お よび腹腔部に3
区分 され、頚部は最初 は気管の背面 を走行 しますが、後
半 では気管の左側 に沿 ってお り、胸腔部 では再び気管の
11ダ
背面 に戻 り、気管分岐部 の後方 で気管 か ら離れ、横隔膜
12
2
/ P ︲︲ ︲ ←
3
P ︲ P ︲︲ ←
メ
Pl
の食道孔 を貫通 して腹腔 に入 ります。馬 の場合、食道壁
の筋層が最初 は随意筋である横紋筋 でで きて い ますが、
r//
途中か ら平滑筋に変わ ります。
4.胃
胃は食物 の一 時的な貯蔵 と消化 のためにある消化管 の
図 2 馬 の歯列
切歯 (│)、
犬歯 (C)、前臼歯 (P)お よび後臼歯 (M)の 順に生え、
左右ともに同じ配列で抗 Pl(狼歯)は 上顎だけに生えま五
膨大部 で、単 胃動物 である馬 の 目の容量 は約 10Lあ りま
す。馬 の 胃は食道か らの 開田部 を噴門 と呼 び、十二指腸
に繋がる部分 を幽門 といい、U字 状 に屈 出 してい る内側
を小習 、外側 を大習 と呼 びます。
表 1 馬 の歯式
馬 の 胃粘膜 は食道粘膜か ら連続 し、 自色 の強靭 で 胃腺
3-4Ⅲ //3
を持たない前 胃部 (食道部)と これに続 き本来 の 胃腺 を
有す る腺 胃部 に区別 され、その境界 には ヒダ状縁があ り
ます (図3)。 腺 胃部 はさらに噴門腺部、 胃底腺部 お よ
犬歯 (0)、
注)上 顎の歯 の数/下 顎の歯の数。歯 は前方から切歯 (│)、
、上顎と下顎およ
よび後臼歯
り
(M)の
順に生えてお
前臼歯 (P)お
☆は狼歯が生えた場合の数。
び雌雄で歯の数が異なりま坑
び幽門腺部に区別 されます。
馬にみ られる病気 0
羊お よび羊 な どの反 勿動物 とは異 な り、特 に盲腸 お よび
結腸 が非常 に大 き く発達 してお り、そ の 中 でバ クテ リア
や原虫類 な どの微 生 物 の助 けを借 りて消化 しに くい繊維
質 を分解 し消化吸収 して い ます。
日常 の 歯 の 手 入 れ
野生馬 は長時間にわた り自由 に草食 で きるため、岨鳴
に よ り歯が 自然 に摩成す る ことか ら障 害 は起 きに くい と
い えます。 しか し、競走馬の よ うに人 に飼養 されて い る
図 3 健 康 な馬 の 胃の粘膜面 (大雪 で切 り開いた像 )
胃は食道粘膜から連続 し、白色の強靭で胃腺を持たない前胃部 (食道
部)と 、これに続く胃腺を有する腺部に区別され、その境界にはヒダ
馬 は、 草類 を長時間にわた り採食す る環境 に無 く、 さ ら
(」RA競 走馬総合研究所提供)
給餌 され ます。 そ のため、岨鴫時 間や岨噌 に伴 う下顎 の
状縁がありま帆
にその運動量 を支 えるため に燕麦 な どの濃厚飼料 が 多 く
動 きが野生馬 ほ ど十分 でない こ とか ら、 しば しば歯 の過
長や障害 を生 じます。
5口 小腸
小腸 は十 二 指腸、空腸 お よび 回腸 か ら成 ってい ます。
そ の 結 果、 日腔 内 の 軟 部組織 (口腔粘膜 ・舌 ・歯 肉)
馬 の十 二指腸 は約 lmの 長 さがあ り、明確 な境界がな く空
の創傷や潰易 を引 き起 こ し、岨鳴障害や消化不 良に陥 り、
腸 に移行 して い ます。十 二 指腸 には眸臓 か ら来 る膵管 が
病痛 な どの全 身性疾息 の誘 因 にな ります。 上 顎 の前 自歯
開日 して い ます。成馬 の 空腸 は約25mと 非常 に長 く、解
の 前 に萌芽す る狼歯 はハ ミの装 着 に影響 を与 えるため、
剖学 的 には馬 の消化管 の大部分が前腸 間膜 の根 部 で体幹
生 える と翻‖
致前 に抜歯 します。 また、過長 あ るい は変形
背側 部 に 吊 り下 が って い ます。 さらに、前腸 間膜 には多
した歯 はハ ミ受 けに影響 を与 え、首 を振 った り、神経過
数 の動 静脈、 リ ンパ 管 お よび神経 が分布 して い ます。 回
微 になるな ど様 々 な問題行動 を起 こす こ とにつ なが り、
腸 は小腸 の 末端部 の約 lmの 長 さの部分 で、空腸壁 に比
時 には斜頭、背部痛 あ るい は腰痛 な どの 原 因 になるこ と
べ て 管壁 の筋層 が発達 し厚 くな って い ます。 回腸 の 盲陽
が指摘 されて い ます。 そ のため、上顎 で は外側 に下 顎 で
へ の 開 田部 を回腸 口 と呼 び盲腸 の 内腔 に隆起 してい ます。
は内側 に尖 った臼歯 (斜歯)を 、定期 的 に図 5の よ うな
ヤ ス リ (歯鑢)を 使用 して、手動 で平 らに削 り落 としま
6口 大腸
す (整歯)。
大腸 は、盲腸 、結腸、小結腸 お よび直腸 か ら成 ってお り、
馬 の歯 の 日常管理 は、健康 上 の理 由 のみ な らず、馬 を
消化管 は肛 門で終 わ ってい ます。盲腸 は長 さ約 lm、 容
従順 にす る上 で も非常 に重要 で す。 したが って、 馬 の飼
量 は数十 Lで 勾 玉状 の 形 を して い ます (図 4)。 結腸 は
養 管 理 者 お よび 乗 馬 や 馬術 競 技 を行 う者 は、 馬 の 歯 に
太 い大結腸 (約3.5m)と 細長 い小結腸 に分 かれ、末端 部
対 して も十分 な知 識 を持 って 管 理 す る必 要 が あ ります。
で境 界 な く直腸 に移行 して い ます。盲腸 お よび大 結腸 に
分布す る血管や神経 は、 前腸 間膜根 部 に束 ね られて背側
部 に 吊 り下 げ
られ て い ます。
小 結 腸 は後 腸
問 膜 に よ り背
側 部 か ら吊 ら
れて い ます。
馬 は 同 じ草
食動物 であっ
て も、 牛 や 山
図 4 健 康 な盲腸 (下側 )と 大結腸 (上側 )
RA競 走馬診療所提供)
(」
0ガ F写ニユース
図 5 フ ル マ ウス型 開 回器 を用 い て の整 歯
(」RA日 高育成牧場提供)
※デンタルケアのすすめ、中井健司、BTCニ ュース91号 、
P7-10、 2013も 参考に して下さい。
肝 臓 お よ び膵 臓 の 役 害J
してお り、 そ の 中央 を門脈 が貫 い て い ます。 膵臓 は消
化 波 で あ る膵 波 を分泌 す る外 分 泌腺 とホ ルモ ン を血 中
成馬 の肝臓 の重量 は約 5 kgあり、横隔膜 に接 してい ま
に分泌 す る内分 泌腺 と して機 能 して い ます。外 分 泌腺
で は トリプ シ ン、 リパ ー ゼ や ア ミラ ー ゼ な どの 各種 酵
す。肝臓 は腸 内の消化 に必要 な胆汁 を分泌す る馬体内で
素原 を産生 してお り、膵臓 内 に散在す るラ ング ルハ ンス
は最大 の腺 です が、馬 には胆 汁 を貯蔵お よび分泌す る胆
島 を構 成す る内分泌 部 の A細 胞 (a細 胞 )か らグ ル カ
嚢があ りません。 シカや ラクダも無胆嚢動物 です。肝臓
ゴ ン、B細 胞 (β細 抱 )か らイ ンス リ ンお よび D細 胞
l口 肝臓
は他 にもい くつ もの重要 な役割 を呆た してい ます。すな
(δ細胞)か らソマ トス タチ ンな どが 分泌 され ます。
わち、
脂肪お よびタ ンパ ク質)
大 きくは栄養素 (炭水化物 、
の消化や代謝 に関与 してい ます。炭水化物 は生体 にとっ
てのエ ネルギー源 となるもので、 グルコースか ら構成 さ
れてい ます。 グルコースがエ ネルギー需要 に見合 う十分
量あれば優先的にグル コースを分解 します。脂肪 は炭水
消 化 管 壁 の 構 造 と消 化 器 障 害 を起 こ し易 い わ け
消化管 は日唇 か ら肛 門 まで の大 さの異 なる長 い管腔 で
す が、基本 的 にその壁 は管腔側 か らみ る と順 に、粘膜、
化物 と同様 に基本的にはエ ネルギー源 となるもので、 グ
ルコースが不足すればただちに脂肪 の分解 に切 り替 わ り
粘膜下組織 、筋層 お よび策膜 の 4層 の組織 か ら構 成 され
ます。 タ ンパ ク質 は20種類のア ミノ酸か ら構成 されてお
い ます。例 えば、 食 道 の 粘 膜 は剥 離 に対 して丈 夫 な重
り、生体 にとって必須 の栄養素 です。 ヒ トでは欠 くこと
層 の上 皮 で で きて い ます し、残 りの 部分 の 消化 管 粘 膜
ので きない ア ミノ酸 (必須 ア ミノ酸)は その約半分 とい
は、 消化 吸収 や分泌 に適 して い る単層 の上 皮 でで きて い
うことが分か っていますが、馬 では明確 ではあ りません。
ます。 また、上皮 か ら分泌 され る粘波 は消化管 の 内面 を
ビタミンは体内の正常 な代謝 のために必要 な有機分子
覆 い、粘膜 を保護 して い ます。粘膜下組織 は、粘膜直下
で、酵素 に結合 しその働 きに役立 ってい ますが、良質な
にある統合組織 の層 です。 この部分 には多数 の血 管 や神
粗飼料 には ビ タミンが豊富 に含 まれてお り、良好 に管理
経線准 が走行 して い ます。 その下 の筋層 には 2∼ 3層 の
されてい る草地 で飼育 されてい る馬 の場合 には、 ビ タミ
筋組織 があ り、波の ような リズ ミカルな収縮 (嬬動)を
ンE以 外 は補給す る必要がない と考え られてい ます。
繰 り返 し、採食 した食物 を送 るのみならず、食物 と消化
ミネラルは地球 上の 自然界 に存在す る無機化合物 とそ
て い ます。 ただ し、部位 に よって細 部 の構 造 は異 なって
波 との混合や食塊 の機械的粉砕 に役 立ってい ます。消化
の塩類です。ミネラルは ビタミンと同様 に酵素 に結合 し、
管 の最外層 を覆ってい るのが奨膜 です。馬 の消化管 は湾
そ の機能 を助 けます。 ミネラルは他 の様 々な生命化学反
出した範囲が長 く、腸 間膜 と呼 ばれる二重 に折 り畳 まれ
応 に貢献 してい ます。ちなみに、Naや Caな どは神経伝
た腹膜 で腹腔の背側壁 に固定 されてい る部分 が広 い とい
達や筋線維 の収縮 に必要であ り、仮 に ミネラルが無か っ
う特徴 があ ります。 したがって、 ウイルス、細菌あるい
た ら脳神経、呼吸器お よび心臓 などは機能 を停止 して し
は寄生虫などの感染 により、消化器系 に障害 を引 き起 こ
まうことで しよう。
す とそれが嬬動 の異常や様 々な消化器障害 の引 き金 とな
これ らの栄養 をバ ラ ンスよ く摂取す ることが重要です。
この ように肝臓 は、 3種 類 の栄養素 の代謝、血糖値の正
り、重篤 な消化器疾患 (腸の捻転、絞掘、重積 な ど)に
陥 りやす い と考え られます。
しい維持、 タ ンパ ク質や脂肪代謝、詳細 は説明 しません
が、肝臓で合成 されるい くつ かの タンパ ク質 の血 波中の
最後 に、食物 は歯 で物理的 に破砕 され、 胃腸 で撹拌 さ
放 出、血液凝 固系 へ の 関与、肝細胞 に よる細菌 の 産 生
れなが ら肝臓や膵臓 か ら分泌 される消化酵素や化学物質
毒素 や薬物 など各種有毒物質 の解毒お よび鉄、 ビタミン
の作用 で消化 され、大 きな分子か ら小腸壁か ら吸収で き
Aや Dの 貯蔵 など非常 に数多 くのことを行 っています。
る小 さな分子 に化学的に分解 され ます。 この食物が消化
お よび吸収 されるのは消化器系 の器官 であ り、代謝は馬
2口 膵臓
膵臓 は消化腺 の 中で肝臓 に次 いで大 きな腺です。馬 の
膵臓 は扁平 でその重量 は約300gあ り、形状 は三 角形 を
体内の細胞すべ てで行 われます。そ こで、消化 と吸収 に
障害 を与 える消化器疾患 については次号 で説明 したい と
思 い ます。
馬 にみ られる病気 0
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