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Challenges in the Diagnosis of the

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Challenges in the Diagnosis of the
Review
Challenges in the Diagnosis of the Antiphospholipid
Syndrome
Katrien Devreese1,a and Marc F. Hoylaerts2
1
Coagulation Laboratory, Department of Clinical Chemistry, Microbiology and Immunology, Ghent University
Hospital, Ghent, Belgium; 2 Center for Molecular and Vascular Biology, University of Leuven, Leuven, Belgium.
a
Address correspondence to this author at: Coagulation Laboratory, Laboratory for Clinical Biology, Ghent
University Hospital, De Pintelaan, 185 (2P8), B-9000 Gent, Belgium. Fax 00-32-9-332-45-89; e-mail
[email protected].
Clin Chem 2010;56:930-940
抗リン脂質症候群診断の課題
概
要
背景:抗リン脂質症候群(APS)は後天的な血栓塞栓症といった合併症や、異常妊娠の重要な原因
となる。この疾患の診断は厳密なガイドラインに沿った、臨床・検査判定基準に基づいて行われる。
最初の APS 患者を同定するための臨床・検査判定基準は、1999 年に発表され、サッポロ基準と呼
ばれている。2006 年にはこれら基準が改訂され、ループス抗凝固因子の解析のための、より厳密な
ガイドラインが示された。しかし、APS の診断に関連しては、いまだに明らかでない点がある。
内容:歴史的観点に加えて、この総説では臨床・検査の特徴に関わる APS の診断の課題を述べ、疾
患の病態経緯のハイライトについて述べていく。私たちはこのような複雑な疾患の診断の、問題点
について考察する。抗リン脂質抗体は様々な臨床症例において見出されているが、旧来の臨床判定
基準は、2006 年の改訂においても変えられていない。最新の基準に基づいて推奨されている検査法
(ループス抗凝固因子の検出を目的としたリン脂質依存性凝集テストや、抗カルジオリピン抗体や
2 グリコプロテイン I 抗体の ELISA による定量)には、方法論的や診断学的な点で問題がある。
1
さらに、抗リン脂質抗体は他の抗原に対しても反応性を示すとされているが、これらの臨床的意義
はまだ分かっていない。
結語:APS 判定基準が改訂されたにもかかわらず、APS の診断には課題がいまだに残っている。
APS の臨床的リスク・アセスメントを改善するために、病態にかかわる抗体やその検出法の標準化
に関する、さらなる研究が必要である。
序
文
抗リン脂質症候群(AntiPhospholipid Syndrome; APS)は、持続的に抗リン脂質抗体
(AntiPhospholipid Antibodies; APAs)の抗体価の上昇や、血栓塞栓性合併症(Thromboembolic
Complication; TEC)や異常妊娠の存在によって定義される、自己免疫疾患である。APS についてはよ
く知られていたが、診断しにくい疾患であり、診断基準が確立するまで数十年を要した。1983 年の
最初の記述以来(1)、APS は血液学者と産科医によって研究されてきた。
歴史的概要
APS は 1950 年代に 2 つの異常な検査結果から、実体として初めて明らかにされた。その 2 つの異
常とは、梅毒試験の擬陽性と、非特異的凝固阻害因子の存在である(2)(3)。APA 自体はすでに 20 世
紀の初頭に梅毒の診断において、免疫的測定法により検出されていた。1907 年には、Wasserman ら
は先天性梅毒の胎児の生理食塩水肝抽出物由来のリン脂質(PhosphoLipids; PLs)を抗原(彼らは
reagin と命名した)として、梅毒の補体結合反応検査法を開発した(4)。1941 年には、Pangborn は
reagin が、陰イオン性 PL であることを実証した。彼らはこれをウシの心筋から単離したことから、
カルジオリピンと改めて命名した。これら梅毒の血清学的試験は、多くの患者のスクリーニングに
つかわれるようになるにつれて、梅毒の臨床的症状を示さずに、梅毒の血清試験陽性を示す一定数
の集団がいることが明らかとなった。Moore と Mohr は 1952 年に、そのような症例をはじめて同定
し、これら持続的擬陽性試験は梅毒以外に他の感染性疾患においても、陽性を示す場合があること
を見出した。持続的擬陽性は、将来の全身性ループスエリテマトーデス(SLE)や、他の自己免疫
疾患の発症リスクの上昇にも関連がある事が示された(2)。ほぼ同時に、Conley and Hartmann は、2
名の SLE 患者において、in vitro で凝固時間を延長させる後天性循環阻害因子を見出した (3)。数年
後には、Loeliger は正常プール血清で希釈しても、凝固時間を延長させる血清中の因子の存在を報
告し、この因子の候補としてプロトロンビンを挙げている (7)。 1963 年には、Bowie らはこの抗凝
固因子が出血ではなく、血栓形成に関係することを初めて示した (8)。また、他の研究者によりこの
2
抗凝固因子と、血栓症および胎児の子宮内死との関連が示されている(9)。しかしながら、Feinstein
and Rapaport によって、この凝固因子が PLs の凝固カスケードに対する阻害因子として、”ループス
抗凝固因子 (Lupus AntiCoagurants; LACs)”という名称で紹介されるのは、1972 年が初めてである (10)。
LACs をもつほとんどの患者は SLE ではないことから、この名称は明らかに誤っているが、歴史的
な理由からこの名称はそのまま残っている。多くの抗体は in vitro での抗凝固因子作用と、in vivo で
のプロトロンビン作用を同時に示すが、この抗凝固因子作用は厳密には in vitro の現象である。
1983 年に Harris らは、抗カルジオリピン(anticardiolipin; aCL)抗体を検出するために、ラジオイム
ノアッセイ法を (11)、その 2 年後には定量的 ELISA を開発している (12)。このアッセイ系を用いて
多くの SLE 患者の測定を行ったところ、aCL 抗体が増加したサブグループでは、血栓症や妊娠の異
常を多く引き起こしていることが示された (13)。この結果によっていわゆる「抗カルジオリピン症
候群」が初めて報告され、同じ研究者により「抗リン脂質症候群」と提唱された(1)。
1990 年代の初めの最も興味深い発見の一つとして、多くの APS 患者の aCL 抗体活性は、タンパク
質コファクターの存在に依存するということが挙げられている。3 つの独立したグループで、いわ
ゆる aCL 抗体がカルジオリピン自体に反応しているわけではなく、そのコファクターである
リコプロテイン I ( 2-glycoprotein I;
2グ
2GPI)として知られる、血清アポリポタンパクに対するもので
あることが示された(14)(15)(16)。この
2GPI は陰イオン性 PLs に結合する、50-kDa の単鎖ポリペ
プチドグリコプロテインである。さらなる研究により、aCL 抗体の必ずしも全てが、 2GPI 依存性
ではないことと、患者の一部で in vitro での LAC 陽性 aCL 抗体の抗凝固因子効果が、 2GPI の有無
のみに依存するということが明らかとなった。 2GPI 依存性抗体は自己免疫性疾患の患者からしか
見出されないが、一方で感染性疾患の患者では
て、他のグループも
2GPI 非依存性 APA を持つ患者もいた (16)。続い
2GPI が、LAC 活性のコファクターとして必要であると報告している
(17)(18)(19)。他の患者では、LAC 活性はプロトロンビンの存在に依存していることが示されている
(20)(21)。
現在の課題
APS の本当の原因はまだ分かっていないが、多くの因子が関わっていると考えられる。APS はほ
とんどすべての臓器に関係しうるが、血管血栓症と反復性流産は現在の診断基準の中に含まれてい
る ((22)参照)。この疾患は PL 結合性タンパク質に対する、自己抗体の異種個体集団の発生によって
特徴づけられる。APAs は他の自己免疫疾患をはじめ、プロカインアミドやクロルプロマジンとい
った薬剤を服用している患者や、ウイルス感染して間もない小児、HIV や肝炎ウイルス、マラリア
3
などに感染した患者、悪性腫瘍の関連、さらには健常な個人でさえも見出されている (23)。APS 関
連の臨床症状の機序や、病態生理は極めて多様である。病態の理解に進歩がみられているものの、
TEC の恐れのある患者の特定にはいまだ問題が残っている。臨床症候の発生率が高く、これらの症
状が別に潜在する因子によって引き起こされうるためである。APS の診断は規定により、APAs の
検出が可能な検査室での結果が、優先的に信頼される。しかし、検査室での診断は最も基準となる
検査法がないことから困難を伴う。2006 年に発表された、明確な APS 分類のための基準の Sydney
改訂によって、APS 診断に多くの進展がみられたが、いくつかの難しい問題がまだ未解決のまま残
っている。近年、APS を定義する血清学的基準が、議論されたままである(24)(25)(26)。加えて、国
際血栓症および止血法学会(International Society of Thrombosis and Hemostasis; ISTH)の科学的標準
化分科会(Scientific Standardisation Subcommittee ; SSC)では、国際的な合意声明によって得られた、
より厳格なガイドラインのもとで、LAC 検出に関する有用な追加の詳細な記載や測定法のスペック
を提供した(27)。
この総説では、症候群の病態生理学的背景とともに、現在の臨床診断および検査法の可能性とそ
の限界について強調する。
診断の基準について
APS の臨床および血清学的分類基準は、1999 年に初めて策定・発表され、サッポロ基準と呼ばれ
ている (28)。これが発表されて以来、新しい臨床的、診断的および実験的な洞察が求められるよう
になった。それ以降この基準は改訂され、2006 年にはシドニー基準として発表された (22)。この改
訂された基準には、APS を診断するために少なくとも臨床上および検査に関して、それぞれ臨床お
よび検査において少なくとも一つ以上の基準を持つようになっている。
臨床診断
APS 患者は非常に多様な臨床症状を呈し、それぞれが患者によって異なるため、臨床医が疾患を
認知するためには多くの課題が残されている。旧来の APS の症状としては、致死性の血管血栓症や、
習慣性流産や重度の子癇前症といった産科合併症がある。それらの他にも、この疾患はほとんどの
臓器(肺、心臓、皮膚、脳、腎臓、眼球、副腎腺、肝)に影響を及ぼすかもしれない (29)。
APS で血栓症を引き起こす病態機序が、いくつか報告されている (30)(31) (表 1)。これはおそらく
単一原因の血栓症の説明はできず、急性血栓症の症例では、多因性の病因と考えられる。血栓症は
4
APS の臨床兆候のほとんどで認められ、重要な役割を果たしている。抗凝固系の阻害因子や線維素
溶解活性の欠陥、凝固因子や補体の阻害、APAs の細胞機能への直接の効果といったことが、APS
患者で見られる血栓症傾向を説明するものとして、提唱されている (30)(31)。
表 1 APA を介する血栓症の機序
神経性疾患や妊娠合併症といった臨床症状の中には、血栓症や虚血といった機序では説明できな
いものがある((32)参照)。
APS 患者での異常妊娠の病態生理は、むしろ前血栓性のイベントの発生よりも、胎盤での炎症や
正常栄養膜の機能や、生存の破綻といったものが関与するかもしれない。乱れたサイトカイン/ケ
5
モカインプロファイルや、抗
2GPI 抗体による栄養膜の化学遊走機能によって、患者の母子間の境
界面で見られる炎症性浸潤が起こるかもしれない (33)。
慢性炎症は TEC になりうる、APS 患者の重要な特徴である。血小板は炎症と血栓症に重要な役割
を果たす。そのため、血小板受容体の血清濃度は、血栓症リスクの指標となるかもしれない。その
ため可溶性 P-セレクチンは、静脈血栓塞栓症の患者で高値を示すが、TEC の予測の指標とするため
には、これからの研究によってさらなる評価が必要である (34)(35)。 これまでに確立された臨床基
準は改訂版シドニー基準において、血管血栓症を反映していると考えられている一過性脳虚血や虚
血性梗塞を除いては、変更されていない(22) (表 2)。表在静脈の血栓塞栓症は、臨床基準には含まれ
ていない。肺塞栓症の有無に関わらず、四肢の深部静脈の血栓症は、APS にもっともよくみられる
が、腸管膜、門脈、頭蓋内、網脈の血管を含む動脈循環や、静脈のいずれの場所にも関わる可能性
がある。虚血性梗塞は最も一般的な動脈血栓症の症状であるが、心筋梗塞、末梢壊疽、動脈の血栓
性閉塞(腸管膜、副腎、腎の血管)が起こりうる (36)。
表 2 APS のシドニー臨床基準
APS の分類基準に含まれていない APS の臨床的特徴には、心臓弁の疾患や網状皮斑、血小板減少
症、ネフロパシー、神経症状がある (22)。 APS 関連として様々な血液疾患が挙げられるが、血小板
6
減少症がもっとも頻度が高い(37)。持続的に APAs を持つ患者の血小板減少症の発症は、特発性血小
板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenic purpura; ITP)と区別されなければならない。なぜなら
ITP の患者は、血栓症のリスクが高くならないためである。心臓の症状については、冠状動脈疾患
についてのみ、APS の血栓症基準がある。網状紫斑を除いた他の皮膚症状は、おそらく APS で最初
に現れる臨床症状であり、その例として、皮膚潰瘍形成、指壊疽、爪下線状出血が挙げられる(38)。
一過性脳虚血や虚血性梗塞以外には、神経症状は臨床基準には含まれていない。改訂版の分類基準
に認知障害や舞踏病、頭痛または片頭痛、多発性硬化症、横断性脊髄症、癲癇を含むことには十分
な根拠がないが、認知障害に関するデータにより示唆されていて、さらに研究を進めるだけの価値
があると思われる(32)。
表 3 APS のその他の臨床症状
APAs のみに持続的に陽性を示す患者は、時折血栓症によっておこる症候に苦しんでいる。ツーヒ
ット仮説によって、この現象が説明できる可能性がある。すなわち APAs による血栓症性の発症は、
リスクの増加以外の細胞または凝固系の活性化によるもの(ファーストヒット)、血栓形成の引き
金となる他の開始因子(セカンドヒット)によるものの場合である。改訂版の基準では、最近の研
究で例証されているように、APS 患者によくみられる先天的または後天的な血栓症の危険因子に、
新たに注意がはらわれている (39)(40)。この補足的な危険因子には、年齢、心臓血管疾患のすでに
確立されている危険因子、遺伝性栓友病(第 5 因子ライデンまたはプロトロンビンの G20210A 変異
など)、経口避妊薬の使用、ネフローゼ症候群、悪性腫瘍、固定化、外科手術等がある (22)。推定
7
される APS の進展や、APAs 産生の遺伝的傾向を明らかにするために、家計調査や集団調査による
研究が行われた (41)。APS と APAs の関連は、 2GPI 抗原の多型性や、血小板の糖タンパク質をコ
ードする遺伝子や、前炎症性メディエーターのシグナル伝達や免疫系の遺伝的欠損(IgA、補体な
ど)と同様に、ヒト白血球抗原 DR や DQ が知られている(42)。シドニー基準とサッポロ基準の大き
な変更点は、一次性 APS と二次性 APS との違いを削除したことにある。APS 患者はしばしば SLE
や関連した自己免疫疾患をもっていて、二次性 PAS であるといわれている。このような自己免疫疾
患がない状態で発症した時、一次性 PAS として知られていた。APS と SLE の 2 つの疾患が、同一
個人内に同時に起こるのか、すでにある SLE が APS の進展に寄与するかどうか、APS と SLE が同
じ過程の 2 つの要素を示すかはよく分っていない。二次性および一次性の APS は、共通の臨床およ
び血清学的な症状を示すことから、必ずしも鑑別が可能とは限らない(43)。検査室の検査結果の解
釈に関して、一次性と二次性の APS の鑑別は有用になりうる。すなわち、この試験は標的疾患の有
病率が高い集団では、高い特異性を示すだろうが、未選択の集団では擬陽性を示すかもしれない。
APA の試験は APS の可能性が高い患者に限定されるべきである。LAC 検出の改訂版のガイドライ
ンでは(27)、LACs を探すための適合性は、年齢や TEC を発症しているかどうか、TEC の場所、流
産が初期か後期かを加味して、患者のリスクが低いか中等度か高いかの臨床的特徴によって類別さ
れる。APA の一般的なスクリーニングや、予備試験での可能性が低い患者集団でのスクリーニング
によって、低い特異性に起因する擬陽性検査室診断を避けるのを妨げられる(”検査室診断”を参
照)。
破滅的な抗リン脂質症候群は、高い疾病率と死亡率とで別個の存在としてとして見なされている
(44)。 破滅的な という単語は APS の加速された形を意味し、結果的に多臓器不全をなる。しかし
このような症例は、全 APS 患者の1%以下である。
検査室診断
適切な検査法が、APS の臨床診断の確認や除外するために求められている。公式な基準(22)に記載
されているような、最も適切な検査室試験法は以下の 2 つのカテゴリーに分類されている。(a)抗原
を検出するための免疫学的アッセイ(通常は ELISA)、(b)凝固系の効果の測定による、間接的な
APAs 検出のための凝固試験である。APAs は様々な抗原( 2GPI、プロトロンビン、プロテイン C、
プロテイン S、アネキシン V、トロンボモジュリン、XII 因子など)に対する、自己抗体の雑多な集
まりによって構成されている。 2GPI とプロトロンビンに対する抗体は、APS 患者血漿中にこれら
8
が病態生理的な役割を担うと結論付けるのに十分なだけの頻度で見出されている(31)。 さらに高い
抗原親和性を持つ抗体だけが、病原性を示すという根拠が増えている(45)。
検査室における基準は、シドニー基準では大幅に修正されている (22) (表 4)。この基準では、LAC
や aCL 抗体、あるいは抗- 2GPI 抗体の検出を強調している(22)。新しい基準には、APS の診断のた
めの十分な検査室基準として、 2GPI 抗体を導入したのが大きな変更である。
表 4 APS の検査室基準の比較
抗体プロファイルが陽性となった頻度とタイプによって、患者をサブクラスに鑑別することがす
すめられている(22)。カテゴリーには、それぞれ LACs、aCL 抗体、抗
2GPI 抗体のみが存在する
場合と、他のものとのどのような組み合わせでもよい 1 つ以上の検査室基準を満たす患者の場合で
ある。さらに、aCL と抗
2GPI 抗体のアイソタイプ(できれば IgG)の一致は、ハイリスク患者で
あると信じられている(27)(46)。臨床研究によって3重に陽性である場合の臨床的重要性が確認され
た(46)(47)(48)(49)。さらに、全てが陽性であるプロファイルを示した患者は、将来 TEC になるリス
9
クが高い。TEC の既往がなく、aCL と抗
2GPI 抗体にのみに陽性を示す患者は、妊娠合併症のみを
発症する(46)。LAC のみの保持者は、臨床症状のない症例で頻繁に見られ、高齢患者や初めて診断
されたときに擬陽性になるかもしれない (50)(51)。
新しい診断基準では最初の抗体試験と、確認試験の間の経過時間を、6 週から 12 週に増やし (22)、
感染に由来する一時的な抗体を除外できる可能性を高めた。検査室での検査によって持続的に陽性
を示すことは、付随的に一時的に現れた APAs によって、誤って分類されるかもしれないからであ
る(52)。臨床的な症状と検査室での陽性結果の間が、5 年以上離れている場合は、APS に分類しない
ように提案されている。なぜなら、症状と試験結果の間が 12 週を超える場合には、臨床症状と
APAs との間の関係を注意深く評価することが求められる (22)。少数ではあるがオリジナルのサッポ
ロ基準と、シドニー基準とを比較した研究がある (39)(53)(54)。APA 陽性患者集団の解析により、改
訂版のシドニー基準の方が、オリジナルなものよりもより少なく、高度に APA 陽性患者を選択する
ことで、より厳密であることが実証された。対照的に、サッポロ基準を満たさなかった患者の 1.5%
から 6%は、抗
2GPI 抗体陽性のために、改訂版の基準を満たした(39)(49)(53)。Swadzba らは、抗
2GPI 抗体が APS の臨床での合併症と強い相関が確認されたが、彼らの研究集団では aCL 抗体よ
りも低い頻度であり、それは以前報告されたものに比べて高い特異性と、低い感度であることが例
証されている(49)。さらに、抗
2GPI 抗体の存在は、他の APAs の存在と密接にかかわっている。
APS の分類のためのあらゆる検査室での検査(aCL 抗体、抗
2GPI 抗体、LACs)は、確実性、再
現性、標準化、臨床的妥当性に関して限界がある。APS の診断に明るくない臨床医には、しばしば
検査結果の解釈が難しく、検査室での結果報告に対して説明のコメントまたはアドバイスや明瞭な
結論が必要となる (27)。
ELISA によって測定された APAs
抗カルジオリピン抗体
aCL 抗体の診断意義は、現在議論の最中であり(24)(25)、その一部に方法論的問題がある。分析前
後や、分析に関わる条件の変更に関与するいくつかの因子に加えて、多くのファクターがアッセイ
自体や、そのキャリブレーションに関わっている(55)。
現在、商業的に利用可能なアッセイ法のほとんどは、カルジオリピンや
2GPI を添加しており、
これによりアッセイの特異性が上がる。最近では、詳細なプロトコールは aCL 抗体の ELISA 測定の
ための、ガイドラインに沿ったものである(56)。標準化過程で臨床上の問題の一つに、カットオフ
値の定義がある。異なるアッセイキットや方法の間での不一致は、特に低い抗体価の範囲で見られ
10
る。現在のガイドラインでは、aCL 抗体の中等度または高い範囲のみ(99 パーセンタイル以上また
は IgG または IgM のリン脂質抗体の力価が 40 単位以上)が診断基準に含まれていて、これにより
検査の特異性が改善されている(22)。
aCL 試験が抗
2GPI アッセイに置き換えられるだろうという考えは、aCL アッセイによって検出
される APAs より、LACs が血栓症のより強い危険因子であるという例証を示した、メタ解析の結果
に基づいている(57)。この研究によりいくつかの基準が加えられているが、他の研究では aCL 抗体
の上昇と、血栓症または流産との間には関係がないという結果も出されている。APS の検証から
aCL 試験を省略することは、患者集団の一部で APS の診断を誤らせる可能性があることを報告する
レポートが一報ある(この記事のオンラインヴァージョン www.clinchem.org/content/vol56/issue6 に
一緒にある Supplemental Data を参照)。2 つの総説の中で、心筋梗塞や脳梗塞や習慣性流産と、
aCL 抗体との関連が見つかった(57)(58)。aCL 抗体の役割についての議論は続いているが、aCL アッ
セイは特異度が低いながら、高い診断感度を示すことから、APS の診断のための精密検査としての
価値がある。aCL 抗体のアッセイは、特異性が低いという観点から付加的な診断法と考えられ、解
釈は臨床症状に照らしてなされるべきである。
抗
2GPI 抗体
いくつかの研究では、血栓症と抗
の若年女性において、抗
2GPI 抗体との強い関連性を示している。近年、虚血性脳梗塞
2GPI 抗体の役割が述べられている。抗
2GPI 抗体が子癇前症や子癇と
関係があり、流産の場合と同様であるという根拠が存在する(Online Supplement Data を参照)。
循環性の抗
2GPI 抗体タンパク質は、自己抗体が二量体にならないと、細胞の受容体と反応でき
ない(31)。標的細胞に結合する Receptor 結合
2GPI–APA 複合体は、臨床症状を表わしやすくなる
細胞内シグナルや、前凝固/前炎症表現型を誘導する。したがって、抗
2GPI/ 2GPI 複合体による
内皮細胞や血小板や単球の自由な活性化により、APS における血栓傾向が説明できるかもしれない
(30)(31)(42)。いくつかの受容体はこのような活性化を促していて、たとえば血小板(アポリポプロ
テイン E 受容体 2’とグリコプロテイン Ib)といった例がある。近年の研究では、血小板因子 4 が
2GPI にとって重要な結合タンパク質であるようであり、抗体の結合を促進して凝血促進能をもつ、
安定化
2GPI 二量体構造に導く(59)。アネキシン A2 は Toll-like 受容体と同様に、内皮細胞や単球
の活性化すると考えられている(30)(60)(61)。その他の抗
2GPI/ 2GPI 複合体結合部位は、P-セレク
チン糖タンパク質リガンド 1 のみならず、LDL 受容体様タンパク質や、メガリン、VLDL の上にあ
る(31)。
11
理論上使用するマイクロプレートは、単一でよく分っている糖タンパク質をコートしているので、
抗
2GPI 抗体 ELISA は aCL 抗体 ELISA 以上に適している。これには標準化について改善する余地
はあるものの(55)、aCL 抗体アッセイと比較して、他のアッセイ法との結果とよく一致する(51)。 抗
2GPI 抗体を測定している検査室では、欧州抗リン脂質抗体フォーラム(The European Forum on
Antiphospholipid Antibodies)の標準化グループによって提案され、ガイドラインに従うことが推奨
されている(62)。抗
2GPI 抗体 ELISA には、まだ診断的な脆弱性がある。特に抗
2GPI 抗体検出
が唯一の陽性試験であるとき、結果は臨床症状や他の検査所見と関係があるはずである。これは
aCL EISA と比べて高い特異性があるものの、抗
2GPI 抗体 ELISA は
を検出し、この中には非病原性抗体や、リン脂質非依存性抗
2GPI と反応する全ての抗体
2GPI 抗体も含まれている。これによ
り一般的な試験法のように、この方法の適合性が悪くなる。さらに、現在の抗
は、親和性の低い抗
2GPI 抗体 ELISA
2GPI 抗体も検出できる(45)。低親和性抗体の低濃度検出により、アッセイの
特性や血栓症リスクの試験の相関が改善される。 2GPI 領域 I を標的とした抗体は、 2GPI の他の
領域に対する抗体よりも、血栓症と良い相関を示すようだが、オッズ比は研究によって異なる値を
示し、この結果が病的な抗体のみによるものかどうかは、いまだに不明である(63)(64)。特に抗
2GPI 抗体の抗力価と、血栓症の高リスクは関係が認められている。国際的な合意に至るまでは、
血栓症患者と産科合併症患者の抗
2GPI 抗体陽性判定は、同じ閾値(99 パーセンタイル以上)が
推奨される(22)。
抗プロトロンビン抗体
抗プロトロンビン抗体 (aPTs)は不均一な集団であり、プロトロンビン(aPT)に対する抗体と、ホス
ファチジルセリン-プロトロンビン複合体 (aPS/PT)への抗体を含んでいる。プロトロンビン単体に対
する抗体より aPS/PT に対する抗体が、APS と LACs の存在に密接に関係していることの根拠が蓄積
している。特に、常にそういうわけではないが、LAC の存在または SLE の発症と関連して、血栓症
の危険因子として、aPT 抗体を明らかにしている研究がある。aPTs は流産との関連が言われている。
他の研究ではこれらの抗体を、APS の病因として示すことはできていない(Online Supplemental
Data 参照)。
これまで、根拠が増大していくにもかかわらず、これらの抗体は(まだ)シドニー基準日は含ま
れていない。したがって、aPS/PT 抗体はまだ APS の分類の候補としては、研究の途上である(65)。
他の抗リン脂質抗体
12
他の多くの抗リン脂質抗体は APS 関連で記述されていて、たとえばホスファチジン酸、ホスファ
チジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジル
イノシトール、ホスファチジルセリンが挙げられる(66)。アネキシン A5 抗体の測定は、いくつかの
場面で有用であるようである(30)(67)。抗ホスファチジルエタノールアミンや、抗プロテイン S 抗体、
抗アネキシン A2 抗体と、血栓症や流産との関係を示すわずかな研究があるものの、これらの抗体
についての経験は限られている(66)(67)。他の aPL 抗体のアッセイを、日常の APS の検査に取り入
れることは、これらのアッセイが正確度や検査室間再現性や、標準化の評価が欠如していることか
ら、時期尚早である(68)。APS に見られる非古典的な APAs の重要性に取り組むための、さらなる
研究が必要である。
APAs のアイソタイプ
現在の基準では APS を確認するために、APA 抗体の IgG や IgM の増加レベルの測定を推奨してい
る。IgM の APAs はしばしば、IgG よりも APS の臨床症状との関係性が低い(57)。高いカットオフ
値を用いた時でさえ、IgG や IgM の aCL や抗
2GPI、aPL 抗体の大規模前向き研究では、IgM アイ
ソタイプと血栓症との間の有意な関連は見いだせなかった(69)。近年の前向き研究では少数の APS
患者のみが、IgM の aCL または抗
2GPI 抗体を持っていることが確認され、さらにこれらの患者
は他の血栓症危険因子も持っていた(46)。
IgA 抗
2GPI 抗体は、抗体の有無と APS の臨床症状との関係が明らかになっていないため、現在
の基準には含まれていない(70)。IgA 抗
2GPI 抗体は、アフリカ系アメリカ人といった特定の民族
集団でよく検出される(22)。臨床症状に付随して IgA
2GPI 血清陽性例の症例が報告された(71)
ループス抗凝固因子
LACs は凝固カスケードにおける PL 依存性段階への干渉を通じて、機能的活性に基づいて検出さ
れ、それゆえに様々な APA を検出する。LACs は 1 つ以上の機序を通じて、凝固反応に干渉する(表
1)。LAC の検出は、スクリーニングや混合や確認の試験を含む、多段階の手順での ISTH の SSC に
よって提唱された、改訂版基準に則ってなされる(72)。LAC アッセイは、APS 診断には高い特異性
を持ち、血栓症症状と流産と強い相関を示す(Online Supplemental Data 参照)。一方で、LAC 検出に
はいつくかの不利な部分もあり、その方法論は複雑で大変な作業である(55)。最近まで LAC アッセ
イの実行と、解釈のための正確なガイドラインが欠けていた。2009 年には SSC によって、数十年の
間蓄積された知識や経験に基づいて作成されたさらに厳密なガイドラインの中に、LAC 検出のため
の新たな詳細な内容の記載と、その測定のスペックが提供された (27)。 (表 5 に要約した)
13
表 5 LAC 検出のための改訂版ガイドライン:技術的明細事項
詳述によって、適切な血漿の調製と保存が規定された。二重遠心は乏血小板血漿(10000/µL)を
調製するのに、最も効果的な方法と考えられる。濾過法フォンウィルブラント因子や第 8 因子は、
他の凝固タンパク質に影響を与えるかもしれないため、推奨されない。血漿の長期保存は、速やか
な凍結(少なくとも―70℃)で行われるべきである。LAC 検出を行う前に、たとえテストがヘパリ
ン中和剤を含んでいるときでも、ヘパリンの存在を除外するために、トロンビン時間、または抗 Xa
因子アッセイを常に行うべきである(27)。擬陽性の危険性を減らすために、現在の推奨法では異な
る原理の 2 つの試験を行うべきである。これは 100%の感度の試験が、ないためである。LAC は、2
14
つ試験のうちのどちらか 1 つが陽性のときに、陽性と考えるべきである。第一選択は dRVVT(希釈
ラッセル蛇毒テスト)、第二選択は活性化剤としてシリカを用いて、低濃度 PLs を用いた aPTT(活
性化部分トロンボプラスチン時間)である。他の試験は推奨されない。混合テストは患者血漿と、
正常プール血漿(NPP)を 1:1 で混和して、プレインキュベートなしに行う。NPP は自家製のもの
を優先的にすべきであるが、市販の凍結乾燥または凍結血漿は、これらが明細事項を満たすもので
あるとき、または LAC 検出に有効であると確認されたときに使われるべきである。確認のためには、
ウサギ脳抽出物や、PL 小胞や血小板抽出物や凍結融解血小板といった材料以上に、二重層または六
方相 PLs が推奨される(27)。
全ての LAC 試験結果の標準化された比率の使用は、日内、日差アッセイ再現性の補償のために推
奨される。個々の検査室によるカットオフ値の計算は、全ての試験段階において、各検査室での試
薬や凝固測定機を使うときには欠かせないものである。
擬陽性は平均値 2SD のカットオフ値の代わりに、健常人ドナー集団の 99 パーセンタイルを用い
ることで少なくなるだろう(22)。さまざまな研究の解釈は、正常集団の 99 パーセンタイルまたは
Rosner 指数によって計算されたカットオフを用いることによって、一定の結果が得られている(27)。
パーセンテージ修正方式は、この改訂版では考慮されていない(73)。代わりに、確認試験のための、
パーセンテージ補正式は推奨されている(27)。
シドニー基準では、1 アッセイにスクリーニングや確認試験を含む統合試験システムを推奨してい
て、これにより LAC 試験が少ない時間で、かつ高い正確度でかつ研究室間のデータがの一致が図ら
れる(22)(55)。混合試験は 3 段階で、LAC 検出のために必要不可欠と考えられるが(22)(27)(72)、改
訂版ガイドラインでは特に、原理的に非混合試験が要求される統合試験が推奨される(27)。しかし
ながら、さらなる考慮が必要とされる。診断効率を上げるため、混合試験は統合試験システムから
除外できず、確認試験の凝固時間が基準範囲を外れた時には混合試験を応用すべきである (74)。
LAC 検出のために用いる凝固試験の主要な欠点の一つに、抗凝固治療のときの感度がある。こう
いった場合は、国際標準比(International Normalized Ratio; INR)が 1.5 以上になるまでテストを園長
することが推奨される。最後に経口摂取した 12 時間以上後の血液試料をもちいることで、低分子量
ヘパリン(LMWH)による架橋経口抗凝固療法(OAC)が代替可能である。もし INR が 1.5 から
3.0 の間にあれば、NPP による患者血清の希釈によって判定されうる。それでもなお、TEC の急性
期の試験には推奨されない(27)。textarin や ecarin 凝固時間といった PL 依存性、および非依存性試
験の組み合わせによる LAC の検出は、推奨されない。
15
LAC は抗凝固剤を受けている患者においては信頼できる検査でないため、代わりの凝固アッセイ
が価値のある手段になりうる。我々は、トロンビン産生(TG)試験法が、希釈患者血清の TG パラ
メーターの測定に関連して、抗凝固剤を投与されている患者のモニタリングをするのに最適である
ことを実証した(75)。我々は、校正自動トロンボグラフによって測定される遅延時間やピークの高
さが、APAs の抗凝固効果をモニターするためのパラメーターであることを見出した。抗凝固剤を
投与された患者血漿と、正常血漿との 1:1 の混合血清の TG の間に、これらの血漿ピークの高さ
(トロンビン濃度)が低くなる場合、または遅延時間は遅延する場合、もしくはいずれの場合も起
こりうることが示された。選択された LAC 血漿は、それらの治療ステータスに関係なく、減少した
標準化ピーク高/遅延時間比率を示した(75)。凝固試験は血栓形成関連
原性非
2GPI 依存性 LACs と、非病
2GPI 依存性 LACs とを区別するために改善されてきた(76)(77)(78)。しかしながら、これら
の試験は研究目的の使用のみで、いまだに日常的実行には適用できない。
LAC 活性は活性の強さを表したり、高抗力価と低力価の数的差異を考慮したりするために、定量的
に表現されるべきである。臨床試料の LACs の定量は、活性のを示す適切な基準が存在したいため、
複雑化されている。我々は最近、 2GPI やプロトロンビンに対するモノクローナル抗体の混合液か
らできた TG 校正曲線によって、任意の単位で LACs の強度の表現が可能となることを実証した。
LAC 陽性患者において、0 - 200U/mL の幅広い力価のバラツキがみられる(35)。高い力価により、
LAC 患者の TEC の有無を識別することが可能であり、そのオッズ比は 3.5 である。しかし、この解
析は抗
2GPI 抗体と判定されても、LAC 患者の血栓症のリスクの有無の鑑別には、臨床的に不十
分であった。この研究では、もし 2 つのパラメーターのうち 1 つが低力価であったとき、追加の凝
固促進性マーカーが弱い LAC 患者の場合、臨床的に有用な情報になるよう解析される必要があるこ
とを実証した(35)。
結 語
血栓症または妊娠合併症の履歴を有する患者の APAs の検査は、APS の診断と管理に必須なステ
ップである(79)。APAs の検出により、再発の高いリスクをもつグループに、共通の症候(血栓症)
を持った患者が鑑別され、これが長期の経口抗凝固剤治療(OAS)の前提条件である。
APAs 検出のための検査法は、APS 陽性の患者を正しく識別するのに十分な感度がなければならな
い。また、検査法は高い特異度も必要であり、擬陽性の結果が治療方針の決定に影響を与える事を、
16
避けなければならないからである。患者リスクが誤って診断されたとき、このような治療からの何
ら利益がなく、高い出血リスクとともに誤った OAS にさらされるからである。
診断基準が改訂されたにもかかわらず、APS の診断にはいまだに難しさが残っている。シドニー
基準は、様々な面で導入以来、議論されてきた。LAC の検出に関してガイドラインに加える必要性
は、SSC 改訂ガイドラインによって達成された。IgGs 抗体のみが病原性を担っているという根拠は
蓄積されているが、aCL 抗体と抗
2GPI 抗体の継続した IgM 抗体の検出に対しては、依然として
議論がなされている。 2GPI の第一ドメインに対する特異的抗
2GPI 抗体の検出は、APS 患者の
血栓症リスクの定義に有用な手段となるように思われる。しかしながら、この関係の強さは多くの
研究で広いバラツキが報告されている。したがって、この抗体ただ一つに焦点を絞ることは、時期
尚早に思われる。さらなる研究により、臨床的に妥当な抗体のみが検出できるような標準化された
アッセイの開発は、非常に価値あるものになるだろう。抗体プロファイルの研究は、患者のリスク
を同定する試験法の開発よりも、血栓症リスクを明らかにするためにより有用である。APS 患者の
トロンボゲン形成評価は、血栓形成表現型に最適な検査法がないために、いまだにできない(22)。
近年の疫学研究では、血栓症や異常妊娠、または妊娠中の死亡に関する臨床、または免疫学的予測
の指標を提示することはできていない(80)。定量的 LAS アッセイでさえ、APS 患者の血栓症の予測
または除外の、部分的な情報を与えるだけであり、従って止血マーカーはこの予測または除外を行
う上で、追加として取り入れられるべきかもしれない(35)。
可能性が見込まれる新しい予測検査パラメーターと、現在検査室にある検査項目を組み合わせて、
大規模前向き臨床試験によって妥当性を検討することにより、リスク患者の鑑別のよりよい方法が
明らかになるであろう。その間、私たちは APS を診断するために、LACs、aCL、抗
2GPI 抗体を
組み合わせた方法に、頼らなければならないだろう。
謝辞
Author Contributions: All authors confirmed they have contributed to the intellectual content
of this paper and have met the following 3 requirements: (a) significant contributions to the
conception and design, acquisition of data, or analysis and interpretation of data; (b) drafting
or revising the article for intellectual content; and (c) final approval of the published article.
Authors’ Disclosures of Potential Conflicts of Interest: No authors declared any potential
conflicts of interest.
17
Role of Sponsor: The funding organizations played no role in the design of study, choice of
enrolled patients, review and interpretation of data, or preparation or approval of manuscript.
脚注
1
Nonstandard abbreviations: APS, antiphospholipid syndrome; TEC, thromboembolic
complications; APA, antiphospholipid antibody; PL, phospholipid; SLE, systemic lupus
erythematosus; LAC, lupus anticoagulant; aCL, anticardiolipin; 2GPI, 2
-glycoprotein
I; SSC, Scientific Standardisation Subcommittee; ISTH, International Society of Thrombosis
and Haemostasis; ITP, idiopathic thrombocytopenic purpura; aPT, antiprothombin
antibody; aPS/aPT, antibody to phosphatidylserine-prothrombin complex; dRVVT, diluted
Russell viper venom test; aPTT, activated partial thromboplastin time; NPP, normal pooled
plasma; INR, international normalized ratio; OAC, oral anticoagulant therapy; LMWH, low
molecular weight heparin; TG, thrombin generation.
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