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あげおの星 No.44(2012年1月5日発行)
ご自由にお取り下さい 上尾市自然学習館 上尾天文台 2012年1月5日発行 No.44 催し案内 電話:048-780-1030 FAX: 048-726-7901 夜間天体観望会 毎週 土曜日 夜 太陽の観察・天文相談 毎週土・日曜日 上尾市大字畔吉178 19:00 ~ 21:00 (6~8月は19:30~21:30) (雨曇天時は中止、当日17時の天候にて判定) 13:00 ~ 16:45 (太陽観測は日没で終了) 赤い星に願いを! 「赤い星ならきっと 願いが叶う 青い星ならきっと 好きな人とめぐり逢える」という話を聞いたこと がありませんか。上尾天文台の観望会で星座や星団・星雲を観察したら、次は「赤色の星」を観望して 願いをかけてみませんか。今年の観望会で見ていただきたい赤い星の紹介をします。 惑星では赤い星は火星です。赤い地面の色の反射で、肉眼で見てもはっきり赤くみえます。今年は2月 から8月まで見ることができます。2月には-0.5等星で、東の空に明るく輝きます。8月には1.1等星とな り、西の空に見ることができます。 恒星では、星の大きさにもよりますが、その寿命が尽きるころには大きく膨張し、温度も下がり赤色 巨星となる星や赤色超巨星になる星があります。火星に対抗する意味の名前をもつさそり座のアンタレ スは赤色超巨星です。「さそりの心臓」と言われていて、表面温度が3.500Kの赤色超巨星です。6月か ら10月ぐらいに見ることができます。 冬の星座の代表格オリオン座のベテルギウスとおうし座のアルデバランは、若干色が違いますが肉眼 で赤色に見える明るい星です。ベテルギウスは冬の大三角の一角に位置し、不規則ながら約5年の周期で わずかに明るさが変化しています。ベテルギウスを太陽の位置に置くと、膨張時には木星の軌道間近に 達するほどの大きさである超巨星で、近いうちに超新星爆発を起こす可能性があるとも指摘されていま す。 アルデバランは「牡牛(おうし)の目」とも呼ばれます。実際の大きさは太陽の40倍ほどで、表面温度 は約3000度です。すばる(プレアデス)に続いて昇るので「後に続くもの」という意味の固有名がつけら れています。 色がきれいで魅力的な名前を持つ星を2つあげます。秋の星座ケフェウス座 μ星のガーネットスター、 冬の星座うさぎ座R星のクリムゾンスターです。肉眼では困難ですが双眼鏡、望遠鏡で色を確かめてくだ さい。ガーネットスターは宝石ガーネットの色で、ザクロの実の色といえば分りやすいですね。クリム ゾンスターはクリムゾンレーキという真っ赤な色が名称の由来で、イギリスの天文学者が発見し「暗黒 の中にしたたり落ちた一滴の血」と表現しました。この色はイギリスの近衛兵や軍楽隊の制服の色にも なっています。 その他、星がその寿命に近くなり温度も下がり赤色巨星となり、収縮と膨張をくりかえす脈動変光星 として名前のあげられるものには、夏の星座白鳥座W星、秋の星座くじら座のミラなどがあります。双 眼鏡、望遠鏡で色を確かめてください。夜空に輝く赤い星を見つめてそっと願いをかけてみましょう。 -1- 北 冬の大三角の西に、ならんだ3つの星が目につきます。これはオリオンの三つ星です。三つ星をはさんでベテ ルギウスの反対のほうにはリゲルという青白い1等星があり、三つ星が他の4つの星に囲まれたオリオン座はす ぐに見つかると思います。また三つ星の真ん中を下に見ると縦に小さな星が3つほど並んでいます。その真ん中 あたりにはボンヤリと見える雲のようなものがあります。これは M42 オリオン座大星雲です。肉眼でも見るこ とのできる星雲です。双眼鏡ではその星雲の広がりがわかります。写真に撮ると赤く広がった雄大な星雲が写り ます。 さて、冬の大三角とオリオン座が見つかったところで、プロキオン、シリウス、リゲル、そしておうし座のア ルデバラン、ぎょしゃ座のカペラ、ふたご座のポルックスと順番につないでみましょう。角に1つずつ宝石を並 べたようなこの六角形は冬のダイヤモンドとよばれています。これはかなり大きなダイヤモンドですね。 おうし座のアルデバランの北側に、青白い星が1か所に集まっているプレアデス星団(すばる)があります。プ レアデス星団は若い星たちの集まりです。 西 東 3月になると冬の星座は西に移っていきます。冬の星座が明るかっただけに、春の星座が登場してくるまでの 南の空はすこしさみしい感じがします。南の空には、うみへび座にある「こどくな者」という意味の名をもつア ルファルドがぽつんと1つかがやいているだけです。この星は冬と春の星座の中間にあります。そして、まもな くするとその東から春の星座しし座がのぼってきます。「しし」とはライオンのこと、ライオンの前半身は 「ししの大鎌(おおがま)」といって「?」マークを裏返しにした形をしています。鎌の中には等星のレグルスが あります。このレグルスは黄道上にあるため、月や惑星との接近が多く見られます。 金星 金星が3月27日に東方最大離角となります。地球から見た金星が、太陽から東にもっとも離れて見える位 置にきたということです。宵の明星としてひときわ明るく輝き、その光度は-4.4等級です。 1月27日、2月26日には金星と月が接近します。3月15日夕刻には、金星(-4.3等級)と木星(-2.1等級)が3° まで接近します。その後、3月26日頃には、細い月も接近する様子が見られます。そのにぎやかなようす は、私たちをはなやいだ気持ちにさせてくれるでしょう。そして、4月30日には、最大光度(-4.5等級)にな ります。このほか、今年の金星は、「金星の太陽面通過/6月6日」「金星が月に隠される金星食/8月14 日」とイベントが続きます。 2012年 2月15日 夜8時頃の空 火星 (月は表示していません) 出典:Stellarium ―東方最大離角 3月27日 / 最大光度 4月30日― 南 新年から早春にかけて、冬の星座が空にかがやいています。ほかの季節とくらべて冬には明 るい星からなる星座が多く見られます。冬の星座で一番目立つのはオリオン座です。すぐそば には、とても明るい星、おおいぬ座のシリウスがあります。 寒いですが、空気のすんでいる冬こそ綺麗な星を見るには最適です。ぜひ、あたたかい服を着 て、夜に外へ出てみましょう。南の空に青白く輝くシリウスは、わたしたちの見ている星空の恒 星の中ではもっとも明るく、すぐに見つけることができます。 このシリウスの右上と左上にほぼ同じ間隔をおいて赤い星と白い星があります。赤い星はオ リオン座の1等星ベテルギウス、白い星はこいぬ座の1等星プロキオンです。この3つの星でで きる、逆正三角形が冬の大三角です。 ―衝 3月5日 / 小接近 3月6日― 3月5日、火星がしし座で衝をむかえ、観望の好機となります。衝とは、その天体が地球をはさんで太陽と 反対側にくることです。それはちょうど月でいうと満月のようになり、全体がよく見えるようになります。 そして翌6日には、火星は地球に最接近します。しかし、今回は小接近なので、光度(-1.2等)視直径 (13".9)ほどです。 土星 ―衝 4月17日― 4月17日には、土星が衝をむかえます。今年の末まで、おとめ座の1等星スピカと並んで光度(0等級)で輝 いています。1月は夜半過ぎにやっと昇ってくる土星ですが、2月3月と、どんどん早い時間に昇ってくる ようになります。昨年より環も大きく開いた土星らしい姿を、天文台の望遠鏡で見てみましょう しぶんぎ座流星群 ―極大 1月4日― この日は月齢が10.7 ということで、今年の観測条件は良いでしょう。 木星 昨年10月20日に衝をむかえた木星は、今年の5月中旬頃までおひつじ座、その後、おうし座にと移動して ゆきます。正中高度も高くなり、観測しやすくなります。3月15日には、金星との接近も見られます。(前 述) 水星 2月23日の夕方、西の空で月齢1の月と、4月19日には、東の空で月齢26の月と接近します。また、2月28 日~3月11日には、西空での水星の高度は15°を超えます。さらに、3月4日~7日の高度は17°を超えて、 観望の好機となります。太陽に近いので、日没後の観察がおすすめです。 -2- -3- 11月19日に天文台まつりが開催されました。 毎年恒例の天文台まつりが開催されました。この日の天気は、終日雨模様でしたが、参加者によるモデル ロケットの打ち上げから始まり、ペットボトルロケット発射、面白科学実験教室・・・と、皆さんと楽しい 一日を過ごすことが出来ました。 「モデルロケットの打ち上げ」は、参加者が発射ボタンを押すことの出来るイベントです。基本はジャン ケン。みんなでカウントダウンをして、ジャンケンに勝った人が発射ボタンを押します。 「ペットボトルロケット発射」も、同じ参加型です。こちらは順番に、希望者はロケットに空気を充填す ることが出来ます。 おもしろ科学実験教室では、3つの催しがありました。 まず、「液体チッソ実験」では、バラの花やバナナ、カラーボールが凍る様子を見ました。今年は、'酸 素'を試験管に入れて凍らせる実験もしました。酸素は凍ると何色になったでしょうか? 最後には、あっと いう間に出来上がるアイスクリームを作りました。 次は、「けむりの空気砲」です。穴を開けたダンボールに、けむりを入れてもらい、両手でバンとたたく と・・・ドーナツ型のけむりの輪が飛び出します。大小さまざまな空気砲を用意して、皆さんにも撃っても らいました。雨の中でも、空気砲のけむりの輪が、ちゃんと飛んでいったのは、すごかったですね。 最後は、「静電気クラゲで遊ぼう」でした。細く裂いたスズランテープをクラゲに見立て、それと風船を アクリルの布でこすって静電気を帯びさせます。そして、テープで作ったクラゲをバルーンで浮かせる実験 です。これは、ついつい大人も夢中になってしまいます。今年は湿気が多く昨年ほど成功しませんでした。 残念です。 終日、雨のため、残念ながら天文台での太陽や昼間の星の観察はできませんでした。しかし、たくさんの 人がご来館くださり、最後は、「おたのしみ大抽選会」で幕を閉じました。今年もたくさんの「宇宙の絵」 を送っていただき、ありがとうございました(応募総数は1000枚を越えました)。 上尾天文台のご案内 催し案内は表紙にもあります 上尾市・丸山公園の自然学習館にある市立 天文台です。クーデ式15cm屈折望遠鏡は、 車椅子に座ったまま天体を観測できます。 天文台には車いす対応のトイレも完備され ています。 上尾駅西口より循環バス「ぐるっとくん」 平方循環で自然学習館下車(本数が少なく 最終が早いので注意してください)。駐車 場あり(午後9時閉鎖)。 天文台の主な設備 カセグレン式 40cm 反射望遠鏡 1基 クーデ式 15cm 屈折望遠鏡 (車椅子対応) -4- 1基 128mm フローライト屈折望遠鏡 3基 Hα フィルター付 屈折太陽望遠鏡 貸し出し用望遠鏡 1基 5基