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Page 1 Page 2 Page 3 Page 4 Page 5 Page 6 Page 7 近年、 航空機
寄贈者 : 武山秀一
Ⅱ高の
エ ポキシ樹脂
メノ
。
ン
ポ
能
午
秀
武
目次
第
章
1
緒言
航空機構造部材と 破壊靱性について
1,1. 航空機構造部材
-2. フィレット形成性について
Ⅰ
1-3. マ トリッタス樹脂の 強靱化について
1-3Ⅱ,ゴム・エラストマ一による改質
1-3-2, 熱可塑性樹脂による 改質
1-3-2-1. ポリス ル ホン、 ポリエーテルスルホンによる 改質
1-3-2-2. ポリエーテルイ ミド による改質
1-3-2,3. ポリフェニ レン オキシ ド による改質
1-3-2-4. ポリカーボ ネ、一ト による改質
1-3-2-5. ポリエステルによる 改質
1-3-2-6. スチレン
一 Ⅳ - フェニ
ル マレイ ミド 交互共重合体による 改質
21
1-4. 本研究の目的
1-5. 参考文献
第
章
2
自己接着性の 発現
2222
6779
2 -1. 緒言
2-1. 実験
2-1-1. 試料
2-1-2
測定
フィレットの 高さの実測
2-1-2.3. カープフィット
2-2. 結果と考察
2-2 Ⅱ.フィレット形成性について
2-2-2. 密度の値の信頼性
2-2-3, 接触角の値
2-2-4. フィレット形成の 経時変化と温度の 関係,
2-2.5. フィレット形成時間についての 考察
2.1-2-2.
2.3
結論
㏄㏄㏄㏄ 皓雙師田 何何
几 amella 法 , Sessile Drop 法 , PendaDt Drop 法
2-4 参考文献
第
3
章
カルボキシル 基を含むアクリロニトリルーブタジエンゴムによる
シ 樹脂の強靱
複合材料用 エポキ
化
3.1. 緒言
3-2. 実験
3,2-1. 試料
3-2-2. 力ルボキ シル変性ニトリルゴムの 分画
3.2-3. エポキシ樹脂硬化物の 作製
3-2-4. 壮刊定
3-3. 結果と考察
46
47
47
47
47
47
49
3-3-1. 力ルボキ シル変性ニトリルゴムの 分画
49
3-3-2. エポキシ樹脂硬化物の 物性
49
3-3-3. 改質系硬化物の SEM
および TEM
3-3-4. 硬化物の動的粘弾性測定
によるモル 木 ロジー
52
56
3-4. 破壊靱性向上のメカニズムについて
56
3-5. 結論
61
3-6. 引用文献
61
第4
章ポリ
ジ
メチルシロキサンとⅣ- フェニ ル マレイ ミド一 スチレン交互共重合体から 成る
マルチブロック 共重合体による 複合材料用エポキシ 樹脂の強靱化
4.1. 緒言
63
4-2. 実験
64
4-2,1. 試料
64
4-2-2. 測定装置
4-2-3. ポリ
P
64
ポリ (Ⅳ- フェニ ル マレイ ミドゅ Zf-スチレン
ポリ ジ メチルシロキ
サ
](PMSZ) の合成
4.2-4. 硬化物の作製・ 硬化条件
4-3 、 結果と考察
4-3-1. ポリ [ ポリ (Ⅳ- フェニ ル マレイ ミドせ伍 スチレン )-bloc肛 ポリ ジ メチルシロキ サ
ン ] ㏄ MSZ) の合成結果と 性質
4-3-2. PMSZ で改質したエポキシ 樹脂硬化物の 物性
4-3-3. 改質系硬化物の SEM によるモル 木 コジー観察
66
4-3.4. 粘弾性の評価
77
4-3.5. 破壊靱性向上のメカニズムについて
77
4-4. 結論
81
4-5. 引用文献
81
ン
第
) あ /oc た-
66
68
68
68
73
ポリオキシエチレンとⅣ・フェニ ル マレイ ミト 一スチレン交互共重合体から 成るマル
チ ブロック共重合体による 複合材料用エポキシ 樹脂の強靱 化
5-1. 緒言
84
5-2. 実験
84
5
章
5-2.1. 試料
84
5-2-2. 測定装置
85
5-2-3. ポリ [ ポリ W, フェニ ル マレイ ミドづ仏 スチ ンリーが ock- ポリオキシエチレⅡ (PMSE)
0 合成
85
5-2-4. 硬化物の作製,硬化条件
88
田 3. 結果と考察
88
5-3Ⅱ・ポリ [ ポリ (W. フェニ ル マレイミドリ 族 スチレン )-ぁfoc仁 ポリオキシエチレン ](PMSE)
の 合成結果と性質
88
5-3-2. PMSE
で改質した エボ キシ樹脂硬化物の 物性
5-3-3. 改質系硬化物の SEM
5-3-4. 粘弾性の評価
によるモル 木 コジー観察
88
91
92
ポリオキシエチレンとⅣ - フェニ ル マレイ ミド一 スチレン交互共重合体からなるマル
チ
第
・
イ工
6 章
エ
第
800
900
5-3-5. 破壊靱性向上のメカニズムについて
5-4. 結論
ニ 5. 引用文献
ブロック共重合体の
肋
situ生成による酸無水物硬化エポキシ 樹脂の強靱
化
6,1. 緒言
102
6-2. 実験
102
6-2 Ⅰ, 試薬
102
6-2-2. 測定
6-2-3. エポキシ樹脂硬化物の 作製
6-3. 結果および考察
6-3.1. エポキシ樹脂硬化物の 物性
6-3-2. SEM によるモル ホ ロジー観察
6-3-3. 硬化物の動的粘弾性測定
6-4. 結 論
6-5. 参考文献
103
章
7
103
103
103
113
121
122
126
ポリオキシエチレンをグラフト 鎖 とする交互型Ⅳ - フエ ニル マレイ ミド一 スチレング
ラフト共重合体によるエポキシ 樹脂の強靱化
7.1. 緒言
7-2. 実験
7-2-1. 試薬
こ
7-2-2. 演U;
7-2-3.
ぱ
p- ビニルベンジル ,の・メチルポリオキシエチレン (VBPEG) の合成
・
127
128
128
128
128
7.2-4. ポリ (N-フェニ ル マレイミドリ r-スチレン ) 号円れ - ポリオキシエチレン (g-PMSE)
0 合成
130
7.2.5. エポキシ樹脂硬化物の 作製
130
7-3. 結果および考察
132
7-3Ⅱ・ポリ (N-フェニ ル マレイ ミド子 It-スチレン ) せ ra/t-ポリオキシエチレン ( 紅 Ⅲ町 SE)
0 合成結果と性質
132
7-3-2. エポキシ樹脂硬化物の 物性
32
7.3.3. SEM によるモル ホ ロジー観察
134
7-3.4. 破壊靱性向上のメカニズムについて
134
7-4. 結論
139
7-5. 引用文献
139
Ⅰ
第
8
章
総括
8-2. 今後の展望
著者の学業業績
謝辞
Ⅱ土 Ⅰ土 ⅠⅠⅠ由
8.1. 結論
近年、 航空機は大型化する 一方、 使用燃料の低減によるエネルギーコストの 削減が望まれ
ている。 そのため、 2010 年には、 金属以外の材料としての 複合材料の使用量は、 航空機全体
の 重量の
25% から 50% に達すると考えられている㏄ 時 1)。 しかし、 現在の材料コストから 考
えた複合材料の 使用量の限界は 20% であ ると推定されている、 。 Fig.1 に示す様に、 航空機材
料の複合材比率は 年々増加の傾向を 示すが 1円 その傾向を支えるには 部材の高性能化や 、 可
能 な限りの不要要因を
排除した複合部材創生に 関する技術開発が 必要であ る。
航空機の構造部材には、 金属材料以外に 炭素繊維と八二カムコアからなる 複合部材であ
る
八二カム部材があ り、 フラップ (Flap)などの様々な 航空機部材に 用いられている (Fig.2) 。 これ
らは、 破壊靱性と言う 観点から見ると、 フラップ等を 構成する部材であ
より靱性の高い
1
る 2
次構造材とそれ
次構造材に分けられる。 例えば垂直尾翼 (Ⅵ,ticalTaのを構成する 部材は
ュ
次 構造材であ る。Fl9.3 には八二カム 部材と炭素繊維プリプレ ダ の現在荷なわれている 接合方
法を示す。 八二カム構造部材の 製造では、 一般に炭素繊維にエポキシ 樹脂などの マ トリッタ
ス
樹脂を含浸したプリプレバ 部材とノーメックス 八二カム部材 ( ノーメ
一ル 樹脂で固めた 八二ヵ
と
ム 部材 ) を、
ソ
タス繊維をフ
エ /
シート 状 接着剤を介して 接合する。 炭素繊維プリプレ グ
八二カムを組み 合わせて航空機の 複合材料を成型する 方法には、F 晦 、
4
に示す様な「ハンド
レイアップ 法 (Handlay-upmethod) 」があ る。 成型方法を 、 順を追って述べると、 まず部材を
カットし、 積層工程で航空機機体の 一部であ る型 ( モールド ) 上で積層 し 、 バギンバ工程 (P晦
参照 ) にてボイド除去と 真空 圧 着を行な い 、 オートタレーブにて 加圧,加熱成型(0.3MPa,
7mmn で 18(n
でまで 昇 温し 18(n
でで
2
S
2で
時間加熱 汚 する。 この方法は、 八二カム複合部材のみな
らず炭素繊維のみからなる 部材の製造で 用いられている。 ハンドレイアップ 法では先に述べ
た 様に、
プリプレバ部材と 八二カム部材を、 シート 状 接着剤を介して 接合するが、 接合部分
ではフィレット㏄Ⅲ et)と 呼ばれる樹脂の 盛り上がりが 形成され、 このフィレットにより 平面
の 炭素繊維プリプレバ 硬化面と八二カム 壁の垂直面が 接合されている ,-。(H9.6) 。
70
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7
Ⅰ
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一
2
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Pylon@Fairing@ACcess@P
PylonAft@Secondar
180 C@UD
・
Elevator
180 ,C@UD
Floor@ Beams
航空機構造重量に 占める先進複合材料の 比率 帥 t%)
3
ふく
@@Unk@rscConal@retelofcainont
N
UD@Prprg
(NomeX
且
・
beア化 hen0lres n)
五
core@ c
Fab@c relniofcenwnt
wovn p 卯 ,9.
4
t
プリプレ ダ
餓
4
バ ギング
オ ー。 トクレ Ⅰ ブ
5
100
150
200
・
250
Temp( で)
マト ナックス樹脂の 硬化粘度曲線
5
BdofPttm
、L
、」 ,恥囲
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@@@@Vacuum@S@kc;@TftfH
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9
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Fig 5@Bag@lay up@manufacturing@of@honeycomb@core@sandwich@pa
・
・
6
航空機の軽量化を 目指した高性能化と 高機能化の方法の 一つには、 シート 状 接着剤を省略
し
、 炭素繊維に含浸されているマトリックス
樹脂 ( 炭素繊維に含浸している 樹脂 ) が接着剤
と
しての役割をなすことが 考えられる。 この特性が実現できれば、 軽量化に加えて、 産業上、
工程の簡略化や 省資源化、 しいては製造コストの 削減に結び付けられる。 例えば、 航空機の
部材重量を計算してみると、 市販のシート 状 接着剤の平均重量が 約 170 目 m' であ るから、 10%
から 20% の軽量化となる。
ところで、 八二カム部材を 構成する「プリプレバ 部材」は、 FI9.4 に示す様な一般的な 製造
方法で作製される 事を先に述べた。 プリプレダ ヘ 含浸される樹脂には、 エポキシ樹脂 '."、
ス
マレイ ミド 樹脂
迎
ビ
、 シアネート樹脂 '3の様な熱硬化性の 樹脂材料が用いられる。 これらの
樹脂を「 マ トリッタス樹脂」と 言う。 特に、 エポキシ樹脂は、 熱硬化性樹脂の 中でも汎用と
して、 航空機用マトリックス 樹脂のみでなく、電子・電気材料分野などで 多用されている '。 -16
。
エポキシ樹脂などの 熱硬化性樹脂が
マ
トリッタス樹脂として 使われる理由は、 未 硬化時に低
粘度で「タック。 ドレープ」を 付与する性質に 優れ、 硬化後には、 高強度でかつ 耐熱性があ
る
材料が要式されるためであ る。 プリプレ グ の製造方法としては、 樹脂を溶剤に 溶解して 繊
維に 含浸させるウェット 法 や 、 無 溶剤の樹脂を 加熱して粘度を 下げて、 圧力によって 繊維に
含浸させるホットメルト 法があ る 6 。 特に対環境性を 重視する傾向から、 近年では、 ホット
メ
ルト法による 作製にシフトしている (Fig.7)。 ここで、 航空機用途としてはアクリロニトリル
繊維から製造される
P
曲Ⅰ系の炭素繊維が 使用されていることを
維は比 強度がスチールの
5
述べておく。PAN 系の炭素 繊
倍ほどあ り、 軽量で高強度であ る㏄ 塘 8)。
さて、 炭素繊維に含浸されている
・
マ
トリッタス樹脂が 接着剤としての 役割をする事を「
己 接着性」と呼ぶ。 自己接着性に 関しては、 1990 年代にいくつかの 研究がなされている
また、
自
"
。
自己接着に関する 特許も幾っか 出願されている
自己接着性の 評価は、 Fig.9 に示すような 垂直 引張 試験による評価、 タライミングドラム
試験による剥離力
め 評価の両方があ
り、 どちらの特性もあ る水準を満たさなければならない。
Fif.g では、 垂直引摂試験、 タライミングドラム 剥離試験の冶 具 と試験での力の 方向を示す。
7
カーボンプリプレ グ
4
一八二カム :
:
一
接着層を省きプリプレ グ に含まれる樹脂
㎝atnxres 五) がフィレットを 形成Ⅱ安着する
:
自己接着性
接着層を省く事での軽量化効果
約 10 ∼ 20%/m, の 重量減
抑 i 君。
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0
Ⅰ
8
三回転素 "
巨
醸
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炭素化
l。
。 0 1'㏄ で
不活性気 宇
。
口@:
黒鉛化
不活性 気中
それぞれ表面処理・ サィ ジングして製品となる
2 50()一 3 ㎝拍 。C
CH
/CHa
席
/
CN
CM
GN
CN
㎝
,
㎝
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ノ
CN
㌔ 穣ノ
Cも
;/
CN
CM
材 料
密度毎。m,)
ガラス 趨椎
ホウ素綾維
スチール腰椎
2. ㏄
2. 目
7.75
炭素世椎(高強度}
炭素使推 (高弾性率)
1.簗
2.㏄
B
引接強さ 師淋樺 )
弾性係数㎏ 宙 mq
Ⅰ㏄0
17る
3%
幼 0 ∼ 420
盤 0 ∼ 2㏄
140
ハ
210
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35000
" ㏄0
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比 強度 kmx@ が )
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18 ㏄ @2 1㏄
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エ
ふ
1
独尹
城
ぬょお
。
尭
my穣がぬ悠理 は患欝申
① 鏑はぬ
垂直別腹 試験
タ ライミングドラム
10
試験
垂直方向の引張力に 関しては、 フィレットの 高さなどと関連付けた 報告があ る '7。 また、 剥
雛力に関しては、 最近、 岡田等が八二ヵ A 面に残存する 樹脂の面積との 関連を報告している
や
レ
々
関
組な
の
本研究は、 この様な産業上の 背景に基づき、 エネルギーコストの 削減の観点から、
樹ツ
報告
連フ
と
度 のい
粘脂て
のス
樹さ
れ
脂
樹ク論
りま|ツ議り
てト
ま
てあ
し
謁巳
機
着
現 のに
発も 構
自た
一メ
着し
ての
発
接
己り性
がけ 自
な 付や
し関
運ズ
ん
か
W.L.Hedges 等は、 熱可塑性樹脂のパウダーを 使用した系で 粘度との関連を
しと
二
。佳カ
るロ
い
フ成 の
ての形
し脂ト
18。 さらに
自己 接
着 性の付与でのシート 状 接着剤の省略 (高機能 ) による軽量化と、 複合材料使用量の 増加に伴
う
航空機構造部材の 性能向上 ( 高性能 ) を目指し、 これらの高機能と 高性能を兼ね 備える「 エ
ポ キシマトリックス
高 弾性率、
Ⅰ・
2
。
ブ
樹脂」を開発するために、
ュ
・自己接着性の 現象解明
2. 破壊靱性向上と
高強度の両立を 目的に検討を 進めた (F g.10)。
王
イレット形成 佳 について
マトリックス
樹脂は、 硬化過程において 硬化開始温度までは 粘度が低下し、 硬化が開始す
ると粘度が上昇する ぼ i9.4 丁 ) 。 フィレットの 生成については、 樹脂の粘度が 重要な役割を 演
じていると考えられていて、 たとえば、 フローナンバー
と
言
う
概念を実用的に 導入して、
フ
ローナンバーが 一定以上であ れば、 フィレットが 充分に形成されるとの 見方もあ る "6。 しか
しながら、 どのような樹脂をもってきてもフィレット 形成は同じであ るのか、 樹脂の種類が
変わればフィレットの 生成が影響されるのかに 関する詳細な 報告は見当たらない。 自己接着
性を満足させるためには、 フィレットが 充分に形成される 必要があ ると推測されるが、
フィ
レット形成は 、 マトリックス 樹脂が硬化過程で 八二カム壁面を 濡らして行く 段階で形成され
ることが予測されるため、
と
関連するものと
樹脂の八二カム 壁面に対する
濡れ性、
樹脂の表面自由エネルギー
予測される。 そこで、 自己接着性を 発現するためには、 フィレットがいか
上側のフィレット
に 形成されるかを
材料の濡れ性の 関係から検討する 必要があ る。
形成に関しては、
重力の影響で、 その生成過程は 複雑となるので、 び
では、 下側のフィレット 形成について 詳細に検討を 行なった。
11
背景
軽量化
航空機構造材の 性能
接
自己接着性の 付与
マトリックス 樹脂の弾性率。強度向上
メカニズムの 解明
樹脂特性との 関連づけ
最適な で トリッタス樹脂の 決定
上
︶
古同
Ⅰ
︶︵ユ
機両
一口同の
)
少、
,ヒィ
直 披
ⅠⅠⅠ
標
s s
12
Ⅰ
,3 。
マトリックス
脂の強靱化について
フィレットに 関する結果が、 エポキシ樹脂を 使用する範囲であ れば界面工ネルギ 一の違い
は 小さいため、
う
フィレット形成高さは 樹脂によらず 一定となると 結論されるのであ れば、
も
一つの重要な 目的であ る「高性能マトリックス 樹脂」の特性検討が 課題となる。 そこで、
複合材 マ トリッタス樹脂に 要求される重要な 特性であ る「破壊靱性の 向上と硬化物の 曲げ 特
性 」の両立に焦点、 をあ てて検討を進めた。
る
破壊靱性の向上と 高強度特性との 両立は・
相
反す
特性であ り、 その両立は色々な 方法が検討されている 27-37
。 また、 破壊靱性の発現機構に
関しても種々の 書籍にて述べられている 38-40
。
破壊靱性の向上に 関して一般的に 述べられている 内容を概説してお
工
・
3
く
Ⅰ。 ゴム。 エ ラストマ一による 改質
エポキシ樹脂を 連続 相 とし、 ゴム。 エ ラストマ ーを 分散 相 として強靱化をする 場合、 その
機構は、 分散 相 によるエネルギー 吸収や亀裂成長の 抑制によると 考えられてきた。 現在でほ 、
それに加えて 分散相への応力集中によるキャビテーションとそれに
続く連続 層 のせん断変形
によると考えられている
12,38
。
、 ビス
ール A 型エポキシ樹脂を 例に取り上
Table ェに
フ
ノ
げた破壊靱性向上方法の 概略を示すⅡ。 せん断変形により 発生するせん 断バンドは、 分散 ゴ
ム 粒子のサイズを
細かくして粒子間の 変形モードを 引っ張りから、 せん断の領域に 調整する
とともに、 粒子間の距離を 縮めてマトリックスの 変形を容易にすることが 重要であ
る
4,-44
。
Ⅲ 9. Ⅱに、 これらの現象を 模式的に示した。 ナイロン - ゴム粒子系での 脆性 -延性転移につい
て 、 Wu 等が報告している。
' 。 また、 粒子間の距離と 粒子のサイズにも 一定の関連があ ること
が 述べられている 43,46,47
。 ところで、 エポキシ樹脂を 強靱化するためには、 ゴムを 相 分離さ
せるのではなく、 樹脂中にシクロヘキサンなどにより 分散した空隙を 設けることによっても
強靱化が達成されることが 述べられている 48。 しかしながら、 工業的には引火性などの 問題
があ る。 井上等は 、 ェ ラストマ一分散系の 方が単にボイドを 分散させるよりも、
マ
トリッタ
スの 変形、 降伏が広範囲に 及んで、 より強靱化が 達成されると 主張しており、 その際には 分
観相と て トリッタスの 接着が良い方が 優れるとしている
13
村
。 架橋密度の高 いエ ポキシ樹脂 硬
軟質粒子
硬質粒子 (無機フィラ一など ) 粒子以覚
(ゴムなど )
ブリッジンバ
架橋密度 (大 )
せん断変形
熱 可塑樹脂の延性的な 破壊
(共 連続 相 分離構造 )
(逆 海鳥 型相 分離構造 )
づ 接着性必要
づ 接着性必要
キャビテーション
海鳥 型相 分離構造 )
(
ビス A 型
ェポキシ
架橋密度 (/h)
へ
ブ、ナノジング
クラ、
ソクピンニンバ効果
キャビテーション
づ 界面接着性重要
(球状より 高 アスペタト地
せん断塑性変形
熱 可塑樹脂の延性的な 破壊
)
づ 接着性やや必要
せん断塑性変形効果
(
(共
連続 相 分離構造 )
(遼海烏
型相 分離構造 )
づ 接着性やや必要
大)
海烏 型相 分離
共 連続型 %
分離
C ㌃a C
ゴム等粒子による
破壊靱性発現
熱可塑性樹脂等による 破壊靱性発現
ess@i
14
化物ではエラストマ ーが 分散しても強靱化が 得られにくいと 言われている 50-53。 これは、
断
ポ キシマトリッタスでの
エ
架橋 点 間分子量の低下により、 高分子 鎖 の 再 配列、 すな む ち、 せん
バンドを起こしにくくなって 、 マト
」
ッ タ スが
エネルギーを 吸収しにくくなるためであ
る。
ゴム。 エ ラストマ一によるエポキシ 樹脂の強靱化には、 マ トリッタス樹脂自体のせん 断バン
ドを
如何に発生させるかかがポイントとなる
升 61。 そのためには、 エポキシマトリッタス
と
ゴム粒子間の 接着性の良いゴムを 微分散させるなどにより 粒子間の樹脂厚みと 粒子の距離を
制御することが 重要であ る。
エ ポキシ樹脂は、
熱的および電気的特性に 優れている一方で 非常に脆く、 上述のように 従
来から末端 力ルボキ シルブタジエン アクリロニトリル 共重合体 (CTBN) などの液状エラスト
ノ
マ一による改質が 検討されてきた。 さらに固形ゴムによる 改質も検討されているが 靱性向上
は 充分ではなかった 6,-65
。 この様に 、 ェ ラストマ一の 添加による Tg および弾性率の 低下、 お
よび高架橋密度の エポ キシマトリッタスでは。 液状エラストマ 一による塑性変形が 起こり 難
く
あ
まり靱性向上を 期待できないという 問題があ る 66-7,
。 そこで熱可塑性の
ア
タリルポリマ
の必要性が増してきた。 特に
一による改質 ""'。 やコア シ エル型エラストマ 一による改質 77-82
エンジニアリンバプラスチッタ
添加されるエンプラは 、
二7.OMPa
。 Ⅱ廿 5 ㍉ナイロン
・
ェ
(
エンプラ
)
による改質が 盛んに行なわれるよ
う
になった。
・破壊靱性 値 KIC が高く ( ポリエーテルエーテルケトン (KIC
66(5%,
ポリアセタール (4ュ 5 ㍉ポリエーテルイ ミド (3.6), ポリカー
ボ ネート (3.6), ポリブチレンテレフタレート (2.73),ポリェ 一 テルスルホン (2.4))、
2. ェポキ
、
ン 樹脂に容易に 溶解するものが 良い。
エ ポキシ樹脂に
溶解または分散している 熱可塑性ポリマーは、 樹脂の硬化に 伴い相分離
する。 そのモルフォロジーはエンプラの 構造、 分子量、 添加 量 に依存して、 海鳥、 共連続、
および 逆 海烏構造をとるが、
共 連続構造か遊漁 島 構造のみでエンプラによる
強靱化が認めら
れることが多い。 また、 エラストマー 改質系ほどでトリッタスの 架橋密度の影響を 受けない
ことは、 靱性向上の機構が 異なることを 示唆している
15
ぬぶ 。
高分子量のエンプラほど 延伸に
よる降伏が改良されるが 粘度上昇により 作業性が低下する。 一方、 低分子量のものは ェポキ
、ン との
相溶 性が高いので 有効な相分離構造を 発現しない。 従って通常は 最適分子量を 選ぶ必
嬰 があ る。また 相 分離界面の良好な 接着性も破壊靱性に 影響するので、 エンプラに官能基 (OH 。
NH,,COOH
など ) を導入することもあ
る
以下に 、 個々の樹脂について 概説する。
Ⅰ・
3.21Ⅰ・ポリス ル ホン、 ポリス ー テルスルホンによる 改
ポリエーテルスルホン (PES, VictrexlooP"M)
は、 エポキシ樹脂との 相溶 性が良好で早くから
改質剤として 使われてきた 8 。 。 エポ キシ 基 と反応する基を 持たない PES はあ まり改質効果を
示さない。 PES に高分子量の CTBN(Hycar1472,M"
効果で
4
48,000, AN 27m0l%) を添加して、 その相乗
亡
官能のエポキシ 樹脂の改質に 成功した例があ
る
8"。 PES( Ⅱ wt%) の添加では 瓦 c が 45%
改良されたのに 対し、 これに Hycar1472(4wt%) を加えると KIc
は
75% 増加した。 PES 卸 BR
ハイブリッド 型改質剤がビスフェノール A ジグリシジルエーテル (BADGE)74,4,- ジ アミノ
の
ジ
フェニルスルホン (DDS) 系において効果的であ ることも別の 研究者により 報告されている 88。
PES との相乗効果は 、 他にもコアシェル 型エラストマー (D ーム & ハース 社 , EXL26 打Ⅳ, ポ リ
ブタジエン ( コア )/PMM 刈 シエル ))の 添加で認められ、 PES l5wt% での K,C が 0.7(MPa
であ ったのに対し、 これに l0wt%
の
コアシェル型エラストマ 一の添加で
ュ
・
4
。
m"5)
まで向上した。
そのメカニズムは エ ラストマ一のキャビテーションとその後のマトリックスの 塑性変形によ
ると説明された。
末端をフェノール 性の水酸基にしたポリス ル ホン (PSF)による BADGE/DDS
硬化物の破壊靱性 値 K,C は分子量 8,200 の PSF
を
系の改質では、
l5wt% 添加することでⅡ 5% 向上した。 示差
走査型電子顕微鏡 (SEM) で観察すると 均一に分散している PSF 粒子の延性破壊と
て トリック
スの 塑性変形がみられた。 側鎖にアミノ 基を導入した PSF による改質では、 2.5mol% という
比較的少ないアミノ 基 含有量で大きな 改質効果を得られ・ 配合 量 l 玉 t% での KIc が
m0-5)、 20wt% では 2.05 となった。 この破壊特性改良双後のモルフォロジーは
構造になっていた 89。 ビニルベンジル 基を付与した PSF による BADGE
16
0
・
92(MPa.
瀬 島から逆潮 島
の改質で、 硬化物は
ビニル基のラジカル 重合を伴い、 相互侵入高分子網引IPN) を形成し、 機械的、 熱的性質を維
持しっ っ 靱性が向上した 90。 ポリス ル ホンをフィルムにし BADG
可 DDS
の間に挟んで 硬化す
ることで作製した 樹脂中に海鳥構造から 遼 海鳥構造までモルフォロジースペクトルを 持つ 硬
化物は、 均一なモルフォロジーを 有する硬化物に 比して靱性が 向上することが 示された 9 、 。
1.3 曲、2, ポリェ 一 テルイ ミド による改質
テトラバリシジルジアミノ
ジ
フエニルメタン TGDDM/DDS
系にポリエーテルイ ミド (PEI,
UltemloooTM,GE 社製 ) を塩化スチレンに 溶解させて添加したところ、 曲げ弾性率を 保ちっ っ
KIc は PEI の添加 量 とともに直線的に 増加し、PEI30phr 添加で 220% 改良 (0 48 から 153MPa
・
5m、 0
rY
・
}
された 9"。 そのモルフォロジーは PEI がマトリックス、 ェポキシ が分散 相 となる 逆 海烏
構造であ った。 3 官能の p, アミノフェノール 型エポキシ樹脂と BADGE
ンに
の系にも塩化メチ
ン
溶かした Ultemlo00 による改質が 検討され、 硬化剤として ジ シアンジアミドを 用いた 場
合 、 20wt%
る
。
Ultem
の 配合で逆海烏構造への 相 転換とともに K,c
ェ
が約
2
O00 を lowt% 添加しても改質されない BADGE74,4,-
エチル ) アニリン (MCDEA))
系ヰこ 木目ヰ季 4 ヒチ卍
としてポリ
ン Ⅱ wt% と ポリ ( カプロラ タ トン 巧 ZocA-ジ
( エト
@
倍増加することが 報告されて ぃ
ス
チレンビス (3- タロロ -2,6-ジ
テルイ ミドあ lock- ジ メチルシロキ サ
メチルシロキサン -bし ck- カプロラクトン )0o5wt%
を
添加すると KIC は 80% 改良された 93。
・
3.2.3. ポリフェニ レン オキシ
ド
による改質
BADGE/ ピペリ ジン系にポリフェニ レン オキシ ド (PPO,Mw34,000P0wt%
を
加える際に スチ
レン / 無水マレイン 酸コ ポリマー (SMA)2.5wt% を相容 化 剤として用いると KIc が 60% 増加した。
強靱化のメカニズムは タ ラッタの分岐やミクロクラッタの 形成による破壊エネ、 ルギ 一の吸収
であ ると説明されている
9
相客 性 に優れ、BADGE/
チレンビス (2,6-ジエ チル ) アニリン (MDEA) 系への 30wt% 添加で 70%
ス
。。 GE 社から出されている 個分子量 PP 叫 Mw Ⅱ,000) はエ % キシと の
KIc が改良された。 そのモルフォロジーは 共 連続かっ 面 相内部で逆梅島を 有するという 非常に
複雑なものであ った 95。
17
・ポリカ一本ネートによる 改質
ポリカーボネート (P 叫は加水分解しやすいポリマ 一なので硬化条件に 注意が必要であ る。
また、 芳香 族ジ アミン硬化では 顕著な分子量の 低下があ る。 BADGE/
ジ アミノジフェニ ルメ
タン (DDM) 系への P 叫 Mn l8,600)の添加では通常の 方法で改質効果は 見られなかったものの、
PC
と
BADGE
良された
を
200 。C で反応させてから 硬化剤を添加すると PCI2phr
の添加で 60%K,c
が改
9。。
1.3.2 、 5. ポリエステルによる 改質
ポリエチレンテレフタレート (PET)は エ ポキシ樹脂に 不溶、 ポリブチレンテレフタレート
(PBT) は 難溶 であ る。 BADGE/ 芳香 族ジ アミン ( 主として DDM)
に粉砕して 師い 分けされた PBT
粒子 (15 は切を 20wt% 添加すると K,c が 14.0%増加した 97。 これは応力が 負荷されたときに 生
じる PBT
の結晶変態 い 構造から伸長した
ぽ
構造への変化 ) により エポ キシマトリックスの せ
ん断 変形を誘起することで 著しく強靱化すると 説明されている。 PBT を熱処理し結晶化度の
低 ぃ物理的ゲル 型として用いると、 わずか
の
5wt%
の
添加で BADGE/ メチルナジソタ 酸無水物系
KIC が 220% 改良され、 圧縮強度、 Tg は変化しないという 結果が報告された 98。
エ ポキシ樹脂に 可溶なポリエチレンフタレート
(PEP) やポリブチレンフタレート (PBP) は 、
引張り強さを 低下させることなく 添加 量 に比例して 晦 c が改良される。BADGE/DDS
系に PEP
20wt% 添加すると 120%K,c が増加し、 Tg はやや低下するが、 曲げ強度を維持するという 興味
あ
る結果を示したり。 相 分離構造は海島で 他のエンプラによる 強靭 化 機構とは異なり、 エラ
ストマ 一 改質系に類似したものと 思われる。
デ ンドリマ一類似の
高度に枝分かれした 構造で水酸基の 一部をエポキシ 化合物で変性した
脂肪族ポリエステル (BoltornTM)
が BADGE/ イソフォロンジアミン (IPDA) 系に有効であ った。
わずか 5phr の添加で 140%KIc が改良された '0。。 この改質剤はエポキシ 樹脂として BADGE,
TGDDM,
硬化剤として IPDA 、 ルフェニレンジアミンを 用いた複合材料のマトリックスに 対
しても有効であ り、 硬化条件を制御すると 靱性向上とともに 内部応力が著しく 低減した 皿 。
18
・スチレン
一 Ⅳ。フェニ ル マレイ
ミト 交互共重合体による 改質
友井、 飯島等は、 1990 年代にスチレン 一帖フェニ
ル マレイ ミド 交互共重合体による
エポキ
この交互共重合体は、 スチレンと言う 低コ
、
ン 樹脂の強靱化に 関して広く研究している
ストの汎用モノマ ーを 用いるため、 他のスーパーエンプラと 比較してコスト 面で優位であ
と
る
予想される。 しかも、 Ⅳ - フェニ ル マレイ ミド との交互共重合体 は 、 Tg が 223 で∼ 225 。C とエ
ンプラなみの
高 い 値を示す
"3-"'。 その破壊靱性向上は、 エポキシマトリックス 樹脂中で共 連
続相 分離構造を取ることによって
て、
達成される。 また、 フェノール性水酸基の 導入などによっ
界面の接着が 向上されることも 報告している。 しかしながら、 架橋密度が高
い
場合の効
果 、 特に破壊強度がやや 低下してしまうという 結果も見られる "6。
1.4. 本研究の目的
本研究では、 「航空機への 複合材料の使用量の 増加」「航空機運行上のエネルギーコストの
削減」という 背景に基づき、 航空機構造材料の 性能向上とシート
状 接着剤の省略による
軽量
化を目指すものであ る。
研究開発の具体的な 目標値は、 自己接着性に 関しては、 まず現象の解明、 特に マ
ス 樹脂特性との
トリッタ
関連を調べた。 自己接着性の 数値目標は、 平面引接強度㏄ latwiseTensileTes
り
で 600psi 以上、 フィレット高さで 0.6mm 以上であ る。 また、 強度の目標値は、 破壊靱性 値
KIc が 1.5 以上 ( 更に望ましくは 2.0 以上 ) と設定した。 曲げ弾性率 は、
マ
トリッタス樹脂の 圧
縮 特性の指標となるが、 3.5GPa 以上とした。 また、 強度に関しては、 未 改質系と比較して 変
化が少なければ 良いとした。 その他の重要な 特性としては、 プリプレバ製造時における 加工
性があ るが、 これほ出来る 限り改質剤 (Modifier)使用量を少なくすることと 低 粘度にすること
であ る。 そのため、 低 粘度と改質剤 量 にも注目した 開発研究とした。
まず、 第
2
章において、 接着剤を省略する 方法、 すな む ち、 プリプレ
グ の で トリッタス 樹
脂が 接着剤の役目も 示す特性であ る「自己接着性」の 付与とメカニズムに 関して検討した。
次に第
3
章から第
7
章にかけて、 破壊靱性の向上と 弾性率と破壊強度の 向上に関して 検討
した。 本研究に用いた 改質剤と改質方法を Fig.12に示す。 高分子固形ゴムは。 少ない添加 量
19
高分子量固形ゴム
COO
Ⅱ
00
Poly ( acrylo Ⅱ itnile.co.bⅡtadiene 。co-methacryIic
acid )
COO Ⅱ
交互共重合熱可塑性ポリマー
MS
PolyC
@, phenylmaleimide
,a@ ,styrene)]
PMS
sz
PoIy 叶 o y(N@phenyl
Ⅰ
みfoc お,p0lyd
Poly@
みⅠ oc
methylS
皿 aleimlde 巾 ff.styⅡ巳はe)ⅡoXa
Ⅱ司
oly@(A@phenylmaleimide
Ⅰ
ノヒ
ぇ
、cZ@-styrene)@
・
]poly0Xyethyle Ⅱe]
Poly@(JV phenylmaleimide
gru 尹 polyo 心, e 比ylene
・
,flfostyrene)@ ,
・
・
ポリマー添加法
Monomer
Initiator
Polymerization
ⅠⅡ・s ば
れとⅡ三三Ⅰ
戎 ;去
20
・
Multi ,block
polydimethyls
Multi block
poiyoxyethylene
・
Ⅱoxa 皿 e
で、 破壊靱性が向上することを 目標に分子量とモル フオ ロジー (Morphology) について検討し
た。
交互共重合体であ るポリ
(Ⅳ -
フエニルマレイ ミドぬ トスチレン ) 誘導体 は、 高い Tg を持つ
ため、 マトリックス 樹脂の高い耐熱性 (Tg ノ 180cC)に耐えうる素材として 使用した。 特に 、
の 交互共重合体への 可 と う性 部位の導入によって、
改質剤自体の 特性変化のみならず、 周辺
キシマトリックス 樹脂との相互作用に 注目した特性向上を 期待しての改質を 検討した。
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104.@Takao@lijima,@Norio@Suzuki,@Wakichi@Fukuda,@Masao@Tomoi,@Eur
105.@Takao@lijima
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, Norio@Suzuki
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ひ 987)
Ⅱ 4. 漆崎 美香 遠 ,松井修コ坂本正Ⅰ相田博 ,高分子論文集,
32,342(1975)
皿 5. 漆崎 実習 遠 ,相田博 ,高分子論文集,
36,447 は 979)
116. 飯島孝雄,友井正男,ネットクークポリマ
二 18,85 (1997)
25
炭素繊維に含浸されているマトリックス 樹脂 ( 炭素繊維に含浸している 樹脂 ) が接着剤とし
ての役割をする 事を「自己接着性」と 呼ぶ。 自己接着性に 関しては、 T990 年代にいくつかの
研究がなされている
甲。
また、 自己接着に関する 特許も幾つか 出願されている
'
。 しかしな
がら、 自己接着性の 発現機構に関しては、 樹脂の粘度との 関連 や 、 樹脂のフロー 性と関連 村
けられたりしているものの、 マト,」 ッ タス樹脂の組成とフィレット 形成のメカニズム、 自己
接着性の発現機構に 関してはあ まり議論されていない。
自己接着性の 評価は、 第
1
章でも述べた 様に、 垂直引接試験による 評価、 クライミングド
ラム試験による 剥離力 め 評価の両方があ り、 どちらの特性もあ る水準を満たさなければなら
ない。
垂直方向の引張力に 関しては、 フィレットの 高さなどと関連付けた 報告があ
る 1。
また、 剥
雛力に関しては、 最近、 岡田等が八二カム 面に残存する 樹脂の面積との 関連を報告している
, 。 さらに
W.L.Hedges
している 4-7
。
マ
等 は 、 熱可塑性樹脂のパウダーを 使用した系で 粘度との関連を 報告
トリッタス樹脂は、 硬化過程において 硬化開始温度までは粘度が低下し、 硬
化が開始すると 粘度が上昇する。 自己接着性を 満足させるためには、 フィレットが 充分に形
ム
未
の
赤
ギ
る
たか
ら
濡
でれ
カ
る 値さ
一
ⅩⅠ
あ 性戒
の
/
特形
で
甘日
ヒ
つ るに
樹る一 すか
、ねめ 関ケし れ
め さ性
た0測丁
特 れト
%成
そと 組 濡ツ
。のの のレ
るも 脂 体イ
れる 樹 液フ
さす ス が め
め
側連タ 成
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ッす
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現
こギ
マ
るルシ イ発
フをヰ、
。
れ ネキ
上村
さ
エ
%
し 着た
成虫
エ
彫目 る 目 接し
で面れ
表さ
階
段
佳織
浸
し
のう
く 指合
行樹に ルし係
て、維 ネエ記検の関
力 西本
ニ聖
でどの
壁対で
材
ムに章 状化る
れを
硬さか
成される必要があ ると推測されるが、 フィレット形成は 、 マ トリッタス樹脂が 硬化過程で ハ
26
マトリックス 樹脂には、 市販の多官能エポキシ 樹脂としてテトラバリシジルジアミノジ
エ
% ル メタン (TGDDM
、ジ
xn
ELM-434"
住友化学工業㈱ 製
ル型 エポキシ樹脂
(
エポ キシ当量 120) 、
大日本インキ 化学工業㈱ 製
DCPDE
265 ) 、 ビスフェノール A 型エポキシ樹脂
(
ジ シクロペンタ
HP-7200"
東都化成㈱ 製
DGEBA
製痒 用いた。
㈱製
Nipol
トリルゴム
40mol%,
力
(
力
ル ポキ シル変性ニトリルゴム (NBR-1072
と略
1072":カルボキシル 基含量 5mol% , ニトリル 基 含有量
NBR-l001
と略
ル ポキ シル 末 変性
)
は市販品 ( 日本ゼオン㈱ 製
)
エ % キシ当量
YD Ⅱ 28" エポ キシ当量
190) を、 そのまま用いた。 硬化剤は、 4,4,-ジ アミノジフェニルスルホン (DDS
業㈱
ブ
)
和歌山精化 工
は市販品 ( 日本ゼオン
庫 用いた。
27m0l%
Nipol 1001": ニトリル 基 含有量
を用いた。
実験に用いた 配合は Tablel に示した通りであ る。 組成 表中 No,1001 とは、 エポキシ樹脂
NBR-l00l(Tablel,No.1001)
ニ
と
の混合物であ る。 NBR.1072 や硬化剤 (DDS) が入っている 系では、
ゲル化反応、 硬化反応を考慮しなければならず、 評価手法を検討する 事が目的であ る場合に
は 複雑になりすぎるため、
まず、 NBR
変化の測定では、 NBR Ⅱ 072
と
DDS
Ⅱ 072 や
DDS の入っていない 系で実験を行った。 時間
を添加した系での 測定も実施した (Table l, No
ュ 072,
No.DDS) 。 サンプルの配合はメチル エ チルケトン (MEK) 溶液中で混合を 行なり、脱 溶媒は 60 で、
減圧 下
4
時間で溶媒が。無くなるまで 行なった。
試料表面は、 八二カムがガラス 繊維また ほ ノーメ
ソ
タスや紙にフェノール 樹脂を含浸した
素材を用いているとの 理由で、 松下電工 R7140 フエノール樹脂板をモデル 標準面として
。 八二カム面自体は、 連続平面部分の 面積の不足および 表面凹凸の存在との 問題があ
用 い
り
た
八二カムコアの 断片を用いたテストで は 安定した評価結果を 得ることが出来なかった。 八二
カム複合材製造工程において、 八二カムは MEK
に浸し洗浄してから 用いるので、 ここでも
R7140 板を MEK でよく洗浄し 乾燥 ( 室温、 シリカゲルデシケータ 中に保存
を 用いた。
27
2
日)
させたもの
皿
⑧
黛軸
28
接触角、 表面張力、 密度の測定は、 接触角測定装置 OCA20"(dataphysjcs
社製 ) を用いて行っ
た
(Fig.り 。
に
組み込まれた 各測定値の解析計算プロバラムによって、
る
装置であ る。 中でも、 Lamella 法 (F;g.2)、 静 嫡伝 (Sessileの r0p Method)(R9.3) 、 懸滴法 (Pendant
この接触角測定装置は、 表面の状態を CCD カメラによって 捉え、 コンピュータ
DropMethod)(
田 9.
4)の
ル 樹脂板の接触角、
力 め 測定には
3
表面に関わる 様々な値を測定でき
つが 主な方法として 測定可能であ
る"
プリプレバ 用 樹脂 と
フ エ / 一
プリプレバ 用 樹脂の密度の 温度依存性の 測定には静浦 法 モード、 表面 張
Lamella 法 モードを用いた。 以下に主要な
3
つの測定方法を 概説する 13、9 。
Lamella 法は、 溶融ポリマ一の 表面張力を手軽に 測定が出来るようにするために 開発され
た
方法であ り、 プローブを液体や 溶融ポリマ一に 接触させ引き 上げたときに 出来るメニスカ
ス
の形状から表面張力を 測定する "," 。 試料調製の簡便さ、 測定の簡便さ、 加熱測定が可能
といった理由から、 溶融ポリマ一など
高 粘度の液体の
表面張力、 表面自由エネルギ 一の測定
にむ
く
SessileDrop法も、 液体の表面張力を 測定するほか、 この方法では 固体平板上での 液滴 の 接
触角を測定する 事も出来る。 Zisma" プロットなど 固体表面の臨界表面張力測定もこの 方法を
用いて行
う
。 温度の調節が 容易であ り、 水銀などの融解金属の 表面張力も測る 事が出来て 、
時間的変化の 追跡も出来る。 ただ、 固体平板表面に 影響されやすく、 他の測定方法に 比べ 精
度 があ まりよくない。 測定に用いる 表面サンプルの 作成が非常に 重要であ る。
PendantDrop 法は液体の表面張力を 測定するのに 適した方法であ り、 気液 界面のほか、 液
-
夜界面張力の 測定にも向いている。 一般には、 高分子液体のような 高 粘性液体の表面張力 測
定 にも良いとされている。 本 装置の場合では 測定用の針の 口径が小さい 事なども考えると、
29
30
C
C
Y
e
購
題
魏
黛り
Ⅰ
たけ
31
高 粘性液体の表面張力測定を 行うには・双述の
Lamella
法を用いる方が 簡便かつ精度良い 測
定 が出来ると思われる。
2
フィレット高さの
Ⅰ,2.2. ブ イレットの高さの 実
パ
実測は、 フェノール樹脂 板 ( 松下電工 R7140) を短冊 状 (7mmx20mm
mm) に裁断したものを 接触角測定装置の Lamella
に 接触させ
法 用のプローブに 固定し、 これを樹脂表面
10 分間静電し、 上昇する高さを 測定した。 この実験はパソコン 画面上で 波 面を モ
ニターしながら 行い、 モニタ一のドット 数を測定した。 Lamella
の
法 用のプローブ
(め
=2.4mm)
投影像のドット 数を基準として、 実際の高さ (mm 数 ) に換算した。
また、経時変化を測定する 際には接触角測定装置 OCA20 。(Dataphysics社製 ) のビデオ機能を
用いてフィレットの 生成過程を撮影した。 この機能を用いてフィレットの 上昇を各温度 ( 定
温 ) で 40ms 毎に撮影し、 画面上で
板が 破面に接触してからの 時間
t
ブ
イレットの上端のドットを 読み取ることで、 フェノール
秋後におけるフィレットの 高さを各温度で 測定した。
2.1.2.3. カープフィット
カーブフィットはソフトウェア ORIGIN
2
。 7.0J の非線型カーブフィットモードを 用い、 カイ
乗値 が最小値になるまで 繰り返し計算を 行った。
2,2. 結果と考
2.2.1. フィレット形成佳ほついて
マトリックス 樹脂は、 硬化過程において 硬化開始温度までは 粘度が低下し、 硬化が開始す
子
商す 面
壁対断
ムヒ ム
力 両カ
ニ 堅ニ
ハム ハ
の
破面に立てた 材料の壁を上昇した 形と良く似ている。 Fig.5,
Fl9.6,田 9.7 に、 それらの様子を 比較して示す。 ここで、 F 轄
脂
力、
程でニ
過
ハに
際
化
の実
硬脂
が樹る
ク
の
スた測
ッ そと
、ノ
トる も
マ れる
形 がと
トと一
こギ
6
ル
れネ
に 形成されたフィレット は 、
ッ
レ
ィ
性
れ
フさエ
成 虫
が、形
自
とて、
るし
あら
が
濡濡
要をる
ると粘度が上昇する。 自己接着性を 満足させるためには、 フィレットが 充分に形成される 必
・
5
はフェノール 板を エポ キシ 樹
波面に接触させた 場合の像であ り、 Fig.6 は、 実際の八二カム 複合材の断面観察 像 であ
32
り
Ⅲ 9.7 は
Wilhdmy 法での波面の 状態と高司 h)、 接触角
( 日)
を示した図であ る。
まず、 自己接着性を 発現するためには、 フィレットがいかに 形成されるかを 材料の濡れ性
関係から検討した。 すな
の
Wilhelmy
の式
(
む
ち、 フィレット形成を、 界面工ネルギー 測定の際に用いられる
式 2, 式 3) を変形した式 ( 式 りを使って検証した。 式
わせた式であ る。
h
1
は、 式 2,3 を組み合
はフィレット 高さ 、 りが接触角、 了が樹脂とフェノール 樹脂 板 表面の界面
張力、 p が樹脂の密度をそれぞれ 示している。
密度の測定値と 温度の関係 (Fig 、 8) 、 接触角の測定値 (Table り 、 表面張力の測定値と 温度の
関係 (Fig.9)をそれぞれ示した。 これらの値を 用いて、 式
1
から計算したフィレット 高さ、
お
よび フィレット高さの 実測値との比較を Fig.10 に示す。
以上の結果から、 式
1
によって計算される
い 一致を示すことがわかる
を
ブ
イレット高さは、 フィレット高さの 実測 と良
(Fig.10,ドッドは実測値、点線は測定値 ) 。 八二カムや樹脂板など
溶融した樹脂表面に 接触させた時に 形成するフィレットの 高さは樹脂または 樹脂組成切
の
密度、 八二カムや樹脂板などとの 接触角、 表面張力から 求められることが 示された。
2.2.2. 密度の値の信頼
求めた密度は 接触角測定装置を 用いて測定されている。 その原理は、 静浦法の像が 球体を
平面で切った 一部分の投影図であ るとし、 静 滴を上から見た 時は円であ ると仮定して 体積を
計算し、 別途精密天秤にて 測定しておいた 重量で割った 値を密度としている。 今回の実験で
は、
この測定法での 密度 値 を用いた。 この時、 作製した静浦 が 球体の一部であ る形状でなけ
れば、それだけ誤差が 生まれることになることを 注記しておく。 誤差を小さくするためには、
測定回数を増やすことや、 出来るだけ塗れにくい 表面
( 離け
ぃ紙 表面など
)
の上で測定する
ことが考えられる。
2.2,3, 接触角の値
接触角についての 問題点を述べる。 フィレット高さの 実測値やウィルヘルミープレート 法
のように、 フィレットが 垂直に登っていく 時の接触角町 F ㎏・ 7@)
と静 滴を作製したときの 表面
との接触角 ハ Fig.3)は同じと扱っている 点であ る。 通常では濡れの 式として 液滴が 固体表面
33
Ⅱ
E
︶
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2
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一一
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︵
︶
2
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L 工
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Fig 。 8 Therelat
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五
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5
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32
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口 Ⅰ ロ B
es
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日Ⅰ
Ⅰ片口
日
C れ臼llatedValUe
Ⅰ
九ヰ
lg@
35
に 乗った場合、
ヤングの式
( ァ
sv
二丁
十ァ sw)
WcosQ
が載っているが、 フィレットが 垂
直に登っていく 時にはフィレット 自身の重さの 項が入り
( ァ
sv=
ァ
DVcosり +
ァ
sv+ Wf
冊
・
)
となり、 接触角の値が 変わる可能性があ る。 しかし、 フィレットの 高さ、 すその広さを 測っ
て W,;,,。、 を 計算すると
ァ
LV と比較して W",, 。・は、 2 桁以上小さく、 ここでは、 誤差の範囲程度
として扱った。
2.2 Ⅱ。
ブ
イレット形成の
2-2-3 まででは、 フィレットが 最終的にどの 程度の高さに 達するのかが、 表面エネ、ルギー
を 測定することによって W
は helmy
の 式 ( 式 m) を用いて表されることを
ァ
示した。 フィレットの
形成は マ トリッタス樹脂の 硬化過程で形成される。 以下では、 フィレット形成の 経過時間に
関する実験と 考察結果を述べる。
Fig.l1 にフィレット 形成の経時変化を 測定した結果を 示す。 このデータは、 最終的に形成
するフィレットの 高さに、 ばらつきが見られることから、
平衡状態、 つまりフィレット 高さの最大値を
ェ
あ
る時間
t
でのフィレット 高さを
とした時の割合に 換算して評価した (Fig.12)。
Flg.12 の各温度のプロットにカーブフィットを 施すと、 フィレット高さと 時間の関係式が
得られる ( 式 4)。 さらに式
式
4
と式 5 から、あ る温度
を微分する事により、 フィレット形成速度の 式
4
における位置
T
係数 k,A, は粘度や温度によって 異なり
事
により、 式 8 、
ブ
㎞、
V
臣
v
ヰ一 k(X
v
甘一 k( 刀 )(X
式 7)、 各温度におけるそれぞれの 値をプロットする
り
・
行 ) 幸 0
亡
フィレット形成速度の 関係式 ( 式 6) が導かれる。
イレットの高さ X でのフィレット 形成速度
X 亡 Al 一 A,.e(-k
Al(T)
が得られる。
が得られる ( ただし、 粘度は樹脂硬化双の 80 ∼ 160@Cの値に限定 ) 。 つま
9
式 7 ∼ 9 から温度 T 、
k(
(
と
5
・
一 Al)
一 A (T))
0233 +
0 0008
・
…・
ュ
0
xT
・
90899X
e-。/,57553
+ 0 、 6558
36
(式
4)
(式
5)
(式
6)
(
式 7)
(式
8)
(式
9)
v
り
を求める事が 出来る。
したがって、
あ
るフィレット 高さ
ここでは、 フィレットの 最大高さを
計算した値をかけると 到達距離
ら
が、 X 十八 X まで上昇する 時間を求めることが 出来る。
X
(
1
とした時の到達割合として 計算しているので、 式
実際のフィレット
高さ
)
1
か
に換算される。 各 、 温度ごとに
プロットしたものをならべると、 フィレット形成の 温度、 時間依存性を 示す Fjg.13 が得られ
。 Hg,13
る
の時間変化を 再びカーブフィットすると、
X 亡 A, ㏄ 一 e 丑
のように、 式
この時の A,
と
"K" ,
-
4
t)
(式
10)
よりも、 より簡単な式の 形で表す事が 出来る。
k, は 、 A, 二 1.94477
0
として表される。
一0
・
)
0015 xT
.25483/(l+e-0-07782@-382-8194@
(式 1 り
(
式 12)
この A, の 値は同配合における、 表面張力、 接触角、 密度から計算した
フ
レット高さの 式
ィ
h Ⅰ 1.9234--0
. 0015
とほぼ一致する。 つまり、
式
"( 式 13)
XT
10
の A
はフィレットの 高さそのものとみて 差し支えない。
同様に、 配合 1072 や配合 DDS についても同様の 結果が当てはまる。
式 10
数
に対して、 各配合、 各温度でのデータをカーブフィットすると Table2 のようになる。 係
Ⅳの値は、 フィレット高さそのものであ ることは前述したが、
ブ フィットした
式
10 に測定データを
直接 カ一
場合にも、 フィレット高さ 実測値と比較的皮 ぃ 一致をすることがわかる (Fig.14,
Fig,廿 , Fig.16)。 また、 相関係数 R" を 見ても、 おおむね式とデータが 良く一致することを 示して
いる。 係数 K, ほ ついては、 温度が上がるほど 値が小さくなり、 フィレットの 形成速度も速くな
る
。 この係数 K, の値は粘度に 依存する値であ ると考えられる。
2.2.5. フィレット形成時間についての 考察
Fig.13で、 80C でのフィレット
2
∼
3
形成挙動曲線に
着目する。 この温度でもフィレットの 形成は
分以内にほとんど 完了している。 硬化条件は、 室温から
は フィレット形成はさらに
2
で 7mmn昇温 であ
り、 実際に
低い温度で開始していると 考えられる。
DSC 測定では、 DDS 硬化系の エポ キシマトリッタス
37
樹脂 (Tablel,No.DDS)の反応は
90。C
以
(sec 。 )
@+->
'*-@
Q
口紅
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N
㏄
乙
38
O
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39
1e 。
Ⅱ
2
3
ⅩⅠ AT ㎝ 一 e 一 Ⅴ t)
40
壷
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宙
AC 抽 aldata
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Ⅰ
t00 で, 130 。C , 160 。C
4
Ⅰ
2
C。
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ⅠⅠ
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42
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⑱
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Calculated」alue・
60 。C , 80 。C ,
Ⅰ
00 。C
e
43
上 で観測される。 つまり、
と
下側のフィレット 形成は、 この系の硬化双にすでに 始まっている
考えられる。 また、 上側のフィレットに 関しては、落下現象を含むので、 フィレット形成、
維持に硬化反応が 影響を与える 事が推察される。
結論
2.3.
下側のフィレット 形成は、 表面工ネルギー
ァ
と接触角りと 密度,0 によって決定される 事が見
出された。 また、 充分に樹脂が 供給されれば 最終的な平衡状態においては 形成されるフィレ
の高さほ、 樹脂の粘度にはよらないと 考えられる。 樹脂の粘度は 平衡に達するまでの 時
ット
間
にのみ関係すると 考えられる。
接触角測定装置を 用いて ブ イレット形成の 経時変化を観測した。 その結果、 下側のフィレ
形成を表記する 実験式、 X
、ソト
Ⅰ
A
は一
e-kt)を得、 実測した挙動と 良く一致することを 確認し
た
2.4. 参考 文
1, 川崎重工㈱,東邦レーヨ ン ㈱,航空宇宙工業会,成果報告書
N0.703(1993),N0.801(1994)
2. 岸
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Ⅰ
ノ Colofid. 血 f.5cl..
ク
・
Ⅰ
せⅠ
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15.2002 表面化学セミナー「表面化学の 基礎から応用」テキスト ,英腔精機株式会社 (2002)
16. 久保輝一郎,小石真純,角田光雄監修,材料技術研究協会編集委員会
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基礎編 ", 培風館 (1986)
45
編,
"
複合材料と
界
・
力 ルポ キ シル
むアタリコ ニトリル・ ブ タジエンゴムによる 複合材
今まで、 自己接着性を 発現させるためには、 充分なフィレット 形成がなされる 必要があ
事 を第
一
1
る
章において述べてきた。 しかも、 フィレット形成高さは、 樹脂の表面自由エネルギ
と関連があ り、 Wilhelmy
の一般式を変形した 式によって表されることを 述べた ( 第
2
章)。
従って、 どの様な分子構造のエポキシ 樹脂を使用しても、 エポキシ樹脂をマトリックス とす
る
場合には表面自由エネルギーが、 ほぼ一定となるため、 航空機用途としては 様々な特性の
う ち
、 最もバランスをとる 事の難しい「強靱化」に 焦点をあ てて検討することが 可能であ る。
軽量化を目指す 場合、 できる限り少ない 靱性化剤の添加 量 によって 、 マトリックス 樹脂の強
靭 化が達成できる「靱性化剤」が 望まれる。 多くの場合、 靱性化剤は高分子であ るために、
添加によって エポ キシマトリッタス 樹脂が高い粘度となり・プリプレバ 製造工程において 含
浸 速度の低下を 招くためであ る。
一般に、 カルボキシル 基末端液状ニトリルゴム (CTBN) による、 エポキシ樹脂の 改質に関し
ては様々な報告がなされている 1-7
。 しかしながら、その添加量はかなり 高い量が必要とされ、
添加量の増加とともに 強度の低下がもたらされるという
欠点を持っⅤ 臣。 さらに、 高性能 エポ
キシマトリッタス 樹脂で用いられる 冬官能性のエポキシ 樹脂に対しては、 強靱性改質効果が
小さいとの報告がなされている 1-6,8
。
一方、 固体力 ルボキ シル 基 含有アクリ
コ
ニトリルーブ タ ジェンゴム ほ、 少ない添加重で 多 官
龍佳エポキシ 樹脂を改質できることが 判っているが
る
7へ
相 分離構造が複雑で、 強靱化に関す
最適な分子量や 添加 量 、 相分離構造についての 報告はなされていない
本章では、 固体力ル ポキ シル 基 含有アタ リロ ニトリルーブ タ ジェンゴムが、 なぜ少ない添加
量 でも、 冬 官能性エポキシ 樹脂を主体とした、 航空機用 マ トリッタス樹脂の 強靱化をなし
え
るのかに関して 検討をした。 固体力ル ポキ シル 基 含有アタ リロ ニトリルーブタジエンゴムには、
市販の Nipol Ⅱ 072 を用い、 テトラ
ヒ
ドロフラン - メタノール系で 分画沈殿を行い、 分子量の異
46
なる成分に分画した
9
。 分画された固体力ル ポキ シル 基 含有アクリロニトリルーブ
ムを 、 テトラバリシジルジアミノ
エポキシ樹脂 (DCPDE)
タ
ジェン ゴ
、 ジ シクロペンタジ エ ニル 型
ジ フエ こル メタン (TGDDM)
、 ビスフェノール A 型エポキシ樹脂 (DGEBA)
の混合物からなる、 高
性能 エポ キシマトリックス 樹脂に・添加量を 変えて混合し、 その破壊靱性 値 、 曲げ強度から
物性の変化を 評価した。 そして、 破断面のモル
ホ
ロジー観察から、 相 分離構造と破壊靱性の
関連を比較した。
3.2 。 実験
3.2. エ
・
帝時
マトリックス 樹脂には、 市販の多官能エポキシ 樹脂としてテトラバリシジルジアミノジ
ェ
ニルメタン (TGDDM
ジ
X ニル型 エポキシ樹脂
265
)
(
ELM-434" エポ キシ 当
大日本インキ 化学工業㈱ 製
DCPDE
、 ビスフェノール A 型エポキシ樹脂 ( DGEBA
190) を、 重量比
スルホン (DDS
と略
住友化学工業㈱ 製
)は
シクロペンタ
YD コ 28" エ % キシ 当
70:25:5 で混合して、 そのまま用いた。 硬化剤は、 4,4,- ジ アミノジフェニ ル
和歌山精化工業㈱ 製
市販品 ( 日本ゼオン㈱ 製
3.2.2. 力 ルポ キ シル
)
を用いた。
力
ル ポキ シル変性ニトリルゴム (NBR-1072
Nipol1072": カルボキシル 基含量 5mol%
および Scheme2
)
を分別沈殿 法
tこ
示した。
佳 ニトリルゴムの 分画
シル変性ニトリルゴム NBR.1072
3
、 ジ
HP-7200 。 ェポ キシ当量
東都化成㈱ 製
により分画して 用いた。 これら試料の 化学構造を Schemel
を 用い、
120)
ブ
の濃度 8.4wt%
メタノール中に 25 だで分別沈殿させ、 全体を
5
テ
ト
ラ
ヒ ド ロ フ ラ ン
(THF)
溶液
つの分子量に 分画した 9 。
。 2,3. ェポキシ
改質剤 とエ ポキシ樹脂、 硬化剤 ( エポキシ基の
ルエチルケトン
中
0 7
・
当量のアミノ 基 活性水素含有
)
を、 メチ
6CMでで混合し、減圧 下 60cC72∼ 4 時間で溶剤を 除去した。得られた樹脂を 、
テフロンシートを 表面に張ったアルミ 製のモールドに 注型し 、 室温から 2C/min
で
で昇 温し、 その後 1SO@C/2時間で加熱硬化させた。 硬化後、 室温まで自然冷却した。
3.2-4 。 測定
47
lSo@C
ま
れ
し
2
眩二
D
C
D
O
Sc
e
S
CN
48
IR スペクトルは、 Perk UnElmer
王
の 分子 量は 、 THF
溶媒 申 、 GPC
E399 に準じて
ASTM
3
社製 System2000FT-IR
により測定した。 分画したポリマー
東ソ 一社製 HLC-8020
:
点曲げ試験片を 用い、
タ
により測定した。 破壊靱性試験は
で行った。 曲げ 訊
ロスヘッド速度 lmm/min
験は 、 JISK717 Ⅱ む準じて タ ロスヘッド速度 2mm 佃 mn で行った。硬化物のガラス 転移温度 (T 或
は、
熱機械分析 (TMA:
よび動的粘弾性分析
セイコー電子社製
(
窒素 下 、 昇 温 速度
TMA/SS-120;
レオメトリックス 社製
RDS-
Ⅱ ;
窒素 下 、 昇 温 速度
5
lHz) により測定した。 また、 硬化物の神構造は、 走査型電子顕微鏡 (SEM:
加速電圧 15kV, 厚さ lomIL. Au コーティンバ
S-3500N;
作 所社製
H-800
;
)
5
で /min)
。C/mln
お
周波数
日立製作所社製
、 透過型電子顕微鏡 (TEM:
加速電圧 1OOkV, 厚さ 50 ∼ 60nm 超薄 切片, 0&0 。 染色
、
)
日立製
と 動的粘弾性分析
により測定した。
3.3. 結果と考
3.3ょ。
力 ルポ キ シル
佳 ニトリルゴムの
分画
分別沈殿 法 により得た力ル ポキ シル変性ニトリルゴム (NBR-1072) は、 重量平均分子 量 (Mw)
590,000 、 300,000、 110,000 、 50,000 、 30,000 、
の 5 つに分画された。 Tablel
量と 分画北を、Fig.1 に分画したポリマ 一の GPC
110,000の
3
に分画成分の 分子
曲線を示した。 このうち、 590 , 000 、 300 , 000 、
種の分画成分を 多官能 エポ キシマトリッタス 樹脂系の改質剤として 用いた。分画
されたゴムのカルボキシル 基含有量は分子量に 依存しないことを
I
R
スペタトルにより 確認
した。
3.3.2 。 エ % キシ
Table
2 に
エポ キシマトリッタス 樹脂の組成比を 示した。 TGDDM
と
DCPDE
と
DGEBA
の
重量比は 70:25:5 とした。 これは、 航空機用のマトリックス 樹脂として、 高い耐熱性と 低 い
吸水性、 および炭素繊維に 含浸させる時の 適度な粘度を 示す樹脂とするためであ る。 また、
硬化剤 DDS はエ % キシ基に対し
0 7
・
当量としたが、 これは、 DDS の含有量が多いと て
トリッ
タス樹脂中での 硬化剤の含有量が 多くなり、 プリプレ グ が製造しにくくなるためであ る。
このエポキシ 樹脂系に対して 分画したゴムを 添加して改質した。 改質剤の添加重 は 、 エポ
49
Ⅰ
F
Ⅰ
t.l
2㏄・㏄r卸コ
Ⅰ
Ⅱ
100
・
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30 ・㏄
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T
℡
︶1︶
2
Ⅰ
5
キシ樹脂 100 重量部に対する 添加 量 (Phr;partsperhundredpartsofresin) で示した。 改質結果
を
℡ ble3 に示した。・改質剤を添加した 硬化物は主に 淡黄褐色不透明または 褐色不透明であ
た。
っ
また、 これらのゴム 改質による硬化物のガラス 転移温度 (Tg) の変化ほほとんどないこと
が 認められた。 改質硬化物の 破壊靱性 値 K,c に対する改質剤の 添加量の影響をⅢ 9. 2 に示し
た 。 3phr 添加では、 どの分画分子量においてもあ まり改質効果が 認められなかったが、
Mw
Ⅰ l10
, 000 、 300 , 000 で添加量が 5phr 以上の場合では 破壊靱性 値 K,C が 未 改質系に比べて 50%
増加した。 マトリックス 樹脂に要式される 特性の 一 っとして 高 弾性率が要求され、 改質剤 添
加来においても 弾性率低下の 少ない事 ( 曲げ弾性率で 約 3.4GPa 以上
ゴム改質の場合、 曲げ弾性率は 5phr までの添加では 未 改質系の 83%
なかった。 しかし、 lophI 添加では 未 改質系の 62%
KIc の改質剤分子量依存性を
∼ 75%
)
が求められるが、 この
∼ 86%
で、 その低下は少
となり、 かなりの低下を 示した。
Fig. 3 に示した。 5phr 添加、 l0phr 添加では M"=110 , 000 、
300,000 の場合に破壊靱性 値が 50% 増加し、 Mw=590,000 の場合、 やや改質効果が 低下した。
これらの結果は 、 少ない添加 量 で破壊靱性を 向上させるためには、 Mw= は 0,000 、 300,000 の ゴ
ムの 5phr 添加が好ましいことを 示している。
化物の SEM
および TEM
Fig. 4 に改質系硬化物の 破断面の SEM
によるモル ホ ロジー
写真を示した。 ]VLwヨ工 0 , 000 のゴムによる 改質では、
添加重 5phr(a) 、 lophr(b) の場合、 エポキシマトリックス 中に粒子 径
0 3 Ⅱm
・
程度の改質剤粒子
が 分散した海鳥構造を 示した。 Mw=,300,000 のゴムを 5phr (c)、 lophr (d)添加した場合には、
分散した
0 3 片m
の 改質剤を
は、
・
程度のゴム粒子がやや 凝集した海鳥構造を 示した。 Fig.4(e) は、 Mw
二 l10,000
5phr 添加した時の 拡大図であ り、 ゴム粒子の分散が 認められる。 また、 Fig.4 の
Mw=300,000
の改質剤を 5p 血 添加した時の 拡大図であ り、 ゴム粒子の凝集状態がより
明
確に観察される。 これらの改質系では、 破壊靱性 値が末 改質系に比して 50% 増加した。 しか
し
、 Fig.5 に示すように、 Mw
Ⅰ590,000
のゴム添加系では、 添加 量 5phr(a) 、 lophr(b) で、 相 公
離したゴム粒子がさらに 凝集した 相 分離構造の形成が 認められ、 これらの改質硬化物の 破壊
靱性 値は未 改質系に比して 30% の増加となった。
52
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ⅡⅠ
これらの結果より、 CT
Mw=l10,000
∼ 300,000
N
の範囲で、 相 構造が海烏構造であ るか・または、 やや凝集した 海鳥構造
により達成されることがわかった。
型 アタリル粒子の
による強靱化は 、
などと比較して 高分子量の NBR-1072
Qian
ら,7,18は 、
ピペリ ジン硬化 DGEBA
のコアシェル
添加による改質において、 単純な粒子の 分散構造だけでなく、 やや凝集し
た 分散構造の場合にも
破壊靱性 値 が高くなる事を 示しており、 現在の分画された 高分子量の
ゴムによる改質は 類似の挙動であ ると考えられる。
Fig. 4
は、 やや不明瞭であ るため、 硬化物のミクロ 相 分離構造をさらに TEM
の SEM
り
検討した (F 轄 6) 。 この場合にも、 SEM
の
ゴム添加系は 改質剤粒子が 分散した海鳥構造であ るが、 M"
・
粒子がやや凝集している。 また、 TEM
写真と同様の 神分離構造が 確認され、 M"=U0
写真のゴム粒子 (0
集合体にまとめてみても、 そのまとまりは、 約
これらの神分離状態を 模式的にⅢ 9.
7
2
はm
・
3
臣300,000
によ
, 000
のゴム添加系ではゴム
月或を画像処理等により 幾 っかの
程度の粒子 群と 見なすことが 出来る。
に示した。 粒子のより強い 凝集状態では、 破壊時の
タ
ラッタが凝集粒子間に 広く存在する エポ キシマトリックス 相 内を進行し、 ゴム粒子が有効に
作用せず、 破壊靱性 値 が高くならないと 考えられる。
化物の動的粘弾性
得られた硬化物の 動的粘弾性挙動を Fig.8 に示した。未 改質硬化物の tano のピータは 245 で
付近に存在し、 270 で付近にショルダーピータが 存在している。 改質系では 未 改質の場合に 比
べて、 よりブロードなピータとなっている。
マ
これは、 今回の硬化条件
(
180cC ) では エポキシ
トリッタスの 硬化が完全には 進行していないことを 示している。 ショルダーピータの 出現
は 粘弾性測定時の
加熱により残存していた ェポ キシ基が反応したことに 対応していると 考え
られる。 しかしながら、 貯蔵 剛性率 G, はゴムの添加により 未 添加系と比較してやや 低下し、
一 26 で 付近にゴムの
Tg に基づく小さなピータが 観測され、改質硬化物が 相分離構造を 有して
いることを示しており、 SEM
3.4.
、 TEM
の結果と一致している。
靱性向上のメカニズムについて
本章で検討した、 高分子量カルボキシル 基含有固形ニトリルゴムでは、 分画によって 得た
56
57
0
55
XX
))
58
O
R
月、
め
59
Contents@of@NBR
3@phr
K,c@[email protected]
MW
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Ⅰ
10 , 000
Tg
甘
C 一
250
Sea@and@ Island
9
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K,c@[email protected]
MW
Ⅰ
300 , 000
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Ⅰ
[email protected]
e
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Tg@=@261
Strong
Aggregation
249
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K
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251
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KlT ㎎
Ⅰ
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K@@ [email protected]
590 , 000
nd
9 一
A@
Ⅰ
ⅠⅠ
c@ -
Tg@=@251
Sea@and@Island
MW
g=249
@
一
分子量 Mw 皿 0 , 000
の 添加で高 い
と
Mw 300 , 000 の場合に、 エポキシマトリッタス 樹脂に対して 5phr 、 l0phr
破壊靱性値を 示した。 そのモル ホ ロジーは、 Mw Ⅱ 0,000 の場合は、 梅島型の相
分離構造であ り、 Mw300,000 の場合には、 やや凝集した 海烏型の神分離構造であ った。 ゴム
粒子のサイズは 0.3 ∼ 0
・
5 は
m
であ る。 分子量が日 0 , 000 の場合は、 このサイズのゴム 粒子が 均
一に分散し、 粒子間のマトリックス 樹脂に、 せん断変形とそれに 続くせん断バンドの 形成に
よって、 破壊靱性が向上したと 考えられる。 分子量が 300,000 の場合には、 やや凝集した 海
島 型の構造が認められるが、 その凝集した 単位は 、
2
∼ 3%m
であ る。 従って、 この凝集塊を
一つの粒子と 見なした場合、 その周辺に与える 塑性変形とせん 断バンドの形成
は、
単独粒子
が 密にあ る場合と同様であ ったと考えられる。 分子量が 590 , 000 の場合は凝集塊が、 10 ∼ 20
痒
m
ス
と大きくなるため、
粒子間のせん 断変形が充分でなく、 ク う 、ソ は エポキシマトリッタ
乃ノ
樹脂 層 申を抵抗なく 進行したために、 破壊靱性が低下したと 考えられる。 Wu 等 皿がナイ
ロン のゴムによる 改質で述べている 様に、 最適な粒子サイズと 粒子間距離が 存在するとこを
示していると 考えられる " 膵 。
3.5 。 結論
自己接着性に 有効な高分子量
ッ
力
ルボ キ シル変性ニトリルゴムによる 冬官能エ % キシマト
リ
クス樹脂系の 改質においては、 改質剤の重量平均分子量が 110,000 と 300,000で、 添加量が
5ph, 、 lophr の場合に、 破壊靱性 値 が未改質系の 50% 増加となった。 改質硬化物のミクロ 相公
離 構造は分子量によって 異なり、 分子量 110,000 では単純な海鳥構造であ り、 300,000 では、
分散したゴムの 粒子がやや凝集した 海鳥構造であ り、 いずれの ミ クコ 相 分離構造とも 破壊 靭
性を向上させるのに 有効であ ることが示された (Fig.9) 。
3 。6
引用文献
9
9
9
Ⅰ
︵工︶
998
マ,
リ
ポ話
ク会
一孝
ク着
ト接
ツ本
ネ日
3
晃一
2
正光
井智
1. 垣内 弘 ,熱硬化性樹脂,
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Ⅰ
工
4
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,
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上ova
16.B.L.Hayes,J.C.Sefe
M Parvary
・
Ⅱ, S.Yow-der
Ⅱ,C.Kaynak,Po
Ⅱs, 而 t.
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・
・
仮加
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は 983)
Int ,, 49 , 163@(2000)
は
丑ひぱ。
劫 M 用 S ノmp.44,593
17.J.Y.Qian,R,A.Pearson,V.L.Dim0nie,o
18.L.Eng
, Polym
㎝ ail,M cromoJ.C
14.C.Dispenza,G.Spadaro,P.T.Mc
15.C.Celikbilek,G.A
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.L.Sha 七%er,M.S.El-Aasser,Po
d 田pf.Po 傍 m.Sci.,70
, 2313
62
(200 の
(199 の
ル mgr,38,21
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キサンとⅣ・フェニ ル マレイ ミド一 スチレン交互 共
レは
靭
の
ン
質
3
ほ目
方
什技
甘
エ
高性能 エポ キシマトリッタス 樹脂の強靱化に 関して、
キ
ポ
特用
合
材
る
複
よ
ケし
合
共
ク
ツ
口
プ
チ
ン
ノ
マ言
章 ・ポリ ジ メチル シ
章では分画したゴム 成分による 改
について検討した。 ゴム成分による 場合、 破壊靱性向上に 関しては、 最適な分子量におけ
る海 - 島 型の神分離構造、 および、 やや凝集した 海 - 島 型の神分離構造によって 達成される 事
が 見出された。 その場合のメカニズムはゴム 粒子近傍でのエポキシ 樹脂層の塑性変形と 引き
続き起こるマトリックス 樹脂のせん断変形によるせん 断バンドの形成と、 ゴム粒子のキャビ
テーションによって 引き起こされていると 考えられる 1P3
。 一方、 熱可塑性樹脂による 強靭 化
では、 熱可塑性樹脂の 靱性によって 達成されるため、 相 構造が共連続 相 分離構造から 逆 海烏
構造型 相 分離構造によって 達成されると 言われている 4,5
円。。 飯島、友井らは、長年に渡って・
高
い
224 。C
Tg を有する熱可塑性樹脂であ るスチレン 一 Ⅳ- 置換マレイ ミド 交互共重合体 (PMS:Tg=
)
およびその類縁 体 によるエポキシ 樹脂の強靱化に 関して研究しており、 その結果、
共 連続構造によって 極めて高い破壊靱性値を 示すことが研究されてきた
分離構造は共連続
相 分離構造の場合に
".'6。 その場合の相
特異的に高い 値を示すことが 示されている。 しかし、
PMS は界面の接着性が 不十分であ るため、 破壊強度が低下すると 言う欠点を有する。
航空機用の構造材料にほ、
する材料 群 0
2
あ
る程度の破壊靱性値を 持っ材料 群と 更に高 い 破壊靱性 値 を有
つの系統が使用部位の 設計強度や硬化温度条件に 応じて使い分けられている。
前者では、 主にゴムを改質剤として
た、
用 い、
後者では熱可塑性樹脂が 主に用いられている。
自己接着性を 付与するためには・プリプレ
グ
ま
を製造する際に、 より 低 粘度であ る事が求
められるので、 少ない量の添加での 破壊靱性向上が 出来れば有効であ る。 破壊靱性を高める
可能性を持っ 熱可塑性樹脂であ るスチレン一帖置換マレイ ミド 交互共重合体の
し
高 Tg
を生か
つっ、 相 構造を制御できれ ば ・より少ない 添加 量 で破壊靱性の 向上が成しえると 予測され
る 。
一方、 越智、 岸 等の研究では、 ポリ
トリルーブタジエン
コ
ジ
メチルシロキサンを 含むポリ イミドやアタリ コニ
ポリマ一に関して、 これらのブロッタポリマーが 改質剤として 有効に働
63
良口
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剤
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なる
でぃ
だれ
くさ
本章では、 シリコーン骨格を 含む高分子開始剤を 使用したラジカル 重合によってスチレン
一 Ⅳ - 置換マレイ ミド 交互共重合体と
使用温度範囲 ( 一 55 。C
∼
150C) での強度に影響を 与えな
い、 低い T きを有するシリコーン 骨格を持つマルチブロッタ 共重合体を合成し、 それを用いた
複合材料用のエポキシ 樹脂の改質を 行い、 シリコーン骨格導入による 相 構造の制御と、 破壊
靱性の向上について検討した。
4.2, 実
4.2.1. 試料
マ トリッタス樹脂には、 市販の多官能エポキシ 樹脂としてテトラバリシジルジアミノジ ブ
エ%
ル メタン (TGDDM
ELM-434"
住友化学工業㈱ 製
ジエ ニル 型 エポキシ樹脂
(
DCPDE
エポ キシ当量 120) 、 ジ シクロペンタ
大日本インキ 化学工業㈱ 製
265) 、 ナフタレン型エポキシ 樹脂 (NPEP
大日本インキ 化学工業㈱ 製
量 143) 、 ビスフェノール A 型エポキシ樹脂 (DGEBA
1g0y を、 重量比 20:40n0:30
エ%
ルスルホン (DDS
ル マレイ ミド (PMI
HP-7200 。 ェポ キシ当量
東都化成㈱ 製
m-4032
YD.128" エポキシ当量
で混合して、 そのまま用いた。 硬化剤は、 4,4,- ジ アミノジ ブ
和歌山精化工業㈱ 製
)
を用いた。 改質剤の合成に 際しては、 枯 フェニ
日本触媒 社 ㈱ 製 ) 、 スチレン (St 関東化学工業社㈱製
:
常法により処理
し
減圧蒸留した
ド
)](VPS-0501 和光 純薬 工業社製 :Mnca,40,000 ,ポリジ メチルシロキサン 鎖 M"5,000
)
、 ポリ [ ポリ
。 ェポ キシ 当
ジ
メチルシロキサン
4,4,. アゾ ビス (4- シア / ペンタ
用いた。 これら試料の 組成 比と 硬化剤の当量を Tablel に化学構造を Schemel
)
ミ
を
に 示した。
4 .2 .2. 測定装
, H-NMR
は 、 THF
スペクトルは、 日本電子社製
溶媒
中
、 GPC 凍ソ 一社製 HLC-8020
により測定した。 分子量校正の 標準物質は ポ
リスチレンを 使用した。 破壊靱性試験は ASTME399
ヘッド速度 lmmm/mmn
により測定した。 ポリマ一の分子量
JEOLEX-270
に準じて
で行った。 曲げ試験 は 、 JISK7171
64
3
点曲げ試験片を 用い、 タ ロス
に 準じて タ
ロスヘッド速度 2mm/m
而
れ
皿=
虹二・ 2
2N
2
rix@resins
65
-2
で 行った。 硬化物のガラス 転移温度 (Tg) は、 動的粘弾性分析 ( レオメトリッタス 社製
RDS-
Ⅱ
窒素 下 、 昇 温 速度
;
5
。C7 面 n
追 は、 走査型電子顕微鏡 (SEM:
コーティンバ
)
周波数
lHz) により測定した。 また、 硬化物の神橋
日立製作所社製
S-3500N; 加速電圧 t5kV, 厚さ l0nm 、 Au
により観察した。
4.2.3. ポリ [ ポリ W. フェニ ル マレイミド・alt.スチレン ) 巧 locぉ ・ポリ ジ メチルシロキ サ
ン ](PMSZ)
の合成
ポリ [ ポリ (N. フェニ ル マレイ ミドイ確 スチレン )-block-ポリ ジ メチルシロキサン ](PMSZ)
ポリ [ ポリ ジ
て 、 PMT
X8h 、
と
メチルシロキサン
4,4,-アゾ ビス (4-シア
ペンタ ミド )](VPS-050りを開始 剤 とし
St をモル 比ェ :1 で仕込み、 アセトン / トルエン (2:1) 混合溶媒
ラジカル重合を 行 い 合成した
ジムロー
/
ト
、
は
申
、 窒素気流下、 65 C。
典型的な合成方法を 以下に述べる。
冷却管を取り 付けた姉ロフラスコに、 PMI(17.329,0
ュ
0moI),St(l0429,0 ユ 0mol),
・
アセトン 200ml, トルエン 1QO 血を加え、 更に、 高分子開始 剤 VPS-050 Ⅱ
ェ
09, アゾ 基の量
2.4mmol) を加えた。 窒素ガスを導入しながら 30 分間 撹 絆した。 引き続き、 窒素気流下で 65 で
78 時間でラジカル 重合を行った。 温度を下げて 重合を停止し、 THF を加えて系を 希釈し 、
タノール中に 投入してポリマーを 回収した。得られた白色のポリマーを THF/MeoH
し
、 60 でで 30 時間、 真空下で乾燥
し
、 白色のポリマーを 得た (Scheme2)
ブロッタポリマー PMSZ は、 エポキシ樹脂
60 。C
れ
中
化 剤であ
る
DDS
を
0.7 当量加え、 更に 60 。C
レ 一に移し、減圧下で
れ
60 。C/2 時間かけて MEK
で 再 沈殿
。
にメチル エ チルケトン (MEKco.20%)
時間かけて溶解した。 エポキシマトリックス 樹脂の組成は Tablel
メ
に 示す。
を用いて
溶解後、 硬
時間かけて溶解した。 完全に溶解後、 溶液を
ト
を取り除いた。脱 溶剤後の樹脂を 暖かい内に 、
テフロンのシートで 覆われたモールドに 移し硬化させた。 硬化条件は、 一般に複合材料を 作
製する条件に 近くするため、 室温から
T
で /皿in で 180 。C
その後室温までゆっくりと 冷却する方法とした。
66
まで 昇 温し、 180 で /2 時間保持して、
X
)
)
c Ⅱ。
イ,"トれか汀
CN
CN
こド五
Initiator:@VPS@-0510@
Acetone/Toluene@
65@。0,8hrs
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3
C Ⅱ3
CN
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|
C ℡3
C Ⅱ3
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憶ん毛
正ト
67
「
Ⅰ
・
3。
結果と考察
-3皿。 ポリ
P
ポリ W 。 フェ 二
]レ
マレイ ミド 田れ・スチレン ).blo 枕 ・ポリ ジ メチルシロキ サ
Msz) の合成結果と 性質
マルチブロックポリマー PMSZ
質を示す。 PMSZ
は、 高い収率で得られた。 Table2
に合成したポリマ 一の 性
の分子量は連鎖移動 剤 として ドヂ カンチオールを 用いて調整した。 PMSZ
中のポリ ジ メチルシロキサン (VPS) 含有量は 、 H-NMR
中の芳香放還水素からⅨPS/VPS+PMS
を用いて VPS
忙して求めた。 PMSZ
中のメチル 基 水素と PMS
中の VPS 量は、 仙一 38% であ
った 。 ガラス転移 点 (Tg)は 20(@で ∼ 213 。C で、 PMS
の 224 。C とほぼ近 い値 となった。 この高い
Tg は、 スーパーエンジニアリンバプラスチッタに
相当する値であ る。
4.3.2.PMSZ で改質した ェ ポキ シ
Scheme
l
及び Table
l
脂 硬化物の物性
に示したマトリックス 樹脂の PMSZ
この で トリッタス樹脂は 複合材料用高性能
水性 ) を有する組成であ る。 PMSZ
マ
添加による改質を 検討した。
トリッタス樹脂としての 基本特性 ( 高い Tg と耐
改質素 マ トリッタス樹脂硬化物の 物性を T"ble
未 改質系硬化物は 褐色透明であ った。 また、 Tg は改質剤によらず、 20(「C
示した。 PMSz
∼ 2131C と
:
PMSZ.l,PMSZ-5
)
マクコ相分離を 起こした。 ポリ
ジ
と
。
高 い 値を
多 い 場合 ( 改
メチルシロキサン 含量が 28m0 助
の場合にも、 ブロック共重合体の 分子量が 420 , 000 では、 マタ ロ相 分離構造を示した
PMSZ-8)
に示す。
改質系硬化物は、 ブロッタ共重合体の 分子量 ( 以下重量平均分子量を 用いる )
が 442,00(@ 、 655,000 と大きく、 ポリ ジ メチルシロキサン 含有量が 35 ∼ 37m01%
質剤
3
これらの
マ クコ 相 分離構造を取る
(
℡ ble2,
改質剤に関しては、 その後の物性測定は 行わな
かった。 なお、 改質剤添加量はエポキシ 樹脂 100 重量部に対する 添加 量 (Phr「であ る。
改質剤の添加量が 5phr の系では、 ポリ
295,000、 157,000 と小さい場合に
き
ル シロキサン含量が 30 、 20 、 Ⅱ mol%
きくても、
ミ
ジ
メチルシロキサン 含量が 38 ∼ 40mol% で 分子量が
タコ 相 分離構造を示した (Table3 ,Entワれ 4)。 本リジメチ
と
少なくなるにつれて、 ブロッタ共重合体の 分子量が大
タコ 相 分離構造を示した。 ポリ ジ メチルシロキサン 含量が 40mol%
157,000 の場合 (Table3,Entry3)
と、 VPS 量 Ⅱ %
で 分子量 664,000
68
で 分子量が
の場合、 破壊靱性 値 KIc が 未
n. トハ
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%
改質系に比べ 70% 増加し 、 曲げ強度の低下もシリコーン 骨格を含まない PMS(Mwl30
比較してあ まり低下しなかった (℡ bk 3, Entry Ⅱ ) 。 シリコーン含量が 30mol%
,000)
と
で 分子量が
371,000 の場合 (Table3, 血 try5) 、 破壊靱性 値 KIc が 未 改質系に比 ベ 100% 増加し 、 曲げ強度の
低下も小さかった。 これらの結果を Flg.1 に示した。
改質剤の添加量が lophr の系では、 ポリ
ジ
メチルシロキサン 含量が 38m0 協で、 分子量
295,000の時に てタロ相 分離構造をとった 以外は、5phr 添加系と同様な
した。 また、 ポリ
ジ
ミ
クコ 相 分離構造を示
メチルシロキサン 含量が 40mol% 、 30mol% で分子量が 157,000 、 371,000
の場合 (Table3Entry4,6)
に、 破壊靱性 値 はそれぞれ 未 改質系に比べて 100% 増加し、 ポリ ジメ
チル
シロキサン含量がれ mol%
で 分子量が
664,000の場合 (Table3Entryl3洋は、 未 改質系に比
べ 140% 増加した。 しかし、 曲げ強度の低下も 5phr 添加系に比べ、 やや大きかった。 これら
の 結果を
Flg.2 に図示した。 Flg.1 および Fig,2 に示した様な 実験結果より、 Ⅳ - フェニ ルて
レイ ミド一
スチレン交互共重合体とポリ
ジ
メチルシロキサンとから 成るマルチブロッタ 共重
合体による改質系においては、 改質硬化樹脂の 破壊靱性値や 曲げ強度はブロック 共重合体の
分子量とポリ ジ メチルシロキサンブロック 含量に強く依存していることが 結論される。
によるモル ホ ロジー視察
Fl9. 3 に、 改質系の SEM
PMSZ-3(Mw
l57,000 , VPS
写真を示す。 末 改質系は全くの 均一 相 であ った。 (a)は改質剤
含量 40mol%)
の
5phr 添加系であ るが、 約
1
帖田の粒子が 分散した
海鳥型の相構造を 示している。 一方、 改質剤 IOphT 添加系 (byでは、 完全な共連続
相 構造を示
していて、 破壊靱性 値 K Icが 未 改質系に比べ 100% 増加した。(c)は PMS2-10(Mw371,000
含量 30mol%) 改質 5phr 添加系の SEM 写真であ り、 共 連続 相 構造を示している。
一
(c)ほ PMSZ-g(Mw664,000
, VPS 含量 皿 moI%)
連続 相 構造を示している。 これは、PMSZ.9
相 構造が 5phr
部ィ
改質系の SEM
Fig.4(a)
写真で、 5 一 lophr で、 どれも 共
が高い分子量を 持っためであ る。1%hr 添加では、
添加系と比較して、 より微細になっている㏄
立を含まない PMS とシリコーン 骨格を含む PMSZ
破壊靱性 値 K,c を示した PMSZlophr
, VPS
晦
・
4)o Fig.5 は、 シリコーン骨格
を比較した SEM 写真であ る。 最も高い
添加系は、 PMS 改質に比べて 共 連続 相 部分がより 紋密
73
月
5
74
75
O
76
化していることが 確認された。 今までの研究から、
Ⅳ - フェニ ル マレイ ミド一 スチレン交互 共
重合体によるエポキシ 樹脂の改質において、 共 連続 相 構造をとる場合に、 破壊靱性 値 が特異
的に高くなることが 判っており、 ポリ
ジ メチルシロキサン
部位を含 む ブロッタ共重合体にお
いても同様の 現象が確認された。 また、 ブロック共重合体の 分子量が低くても、 ポリ ジメチ
ル シロキサン部位の 含量が多ければ (Fig 。 3, (b))共 連続構造を示し、 破壊靱性 値 が高くなるこ
とがわかった。
田 9.6 、 田 9.7
に粘弾性の ヂ一タを 示す。 PMSZ-3(M"157,000
, VPS40mol%)
および、
(Mw664,000 , VPS 皿 mo 移 ) 両者の、 添加 量 に対する貯蔵 剛性率びおよび 損失係数 tan なは、 添
加重によらずほぼ 同じであ った。 また、 は緩和ピータもコントロールの 樹脂とほぼ同じ 位置
であ った。 これは、 PMSZ
系
が高 い Tg を持っているためと 考えられる。 P
では、 一皿 0 。C 付近にシリコーン 骨格の Tg に相当すると 考えられる小さな tan6 ピータが 観
察された。 このピータは
3 の
ュ
Ophr 添加系でも観察された。
、ンリコーン骨格を 含むマルチブロッタ
コ
ポリマー P
SZ
による、 エポキシマトリッタス 樹
脂の改質においては、 共 連続 相 分離構造の時に 成しえられ、 色々な熱可塑性樹脂の
向上のメカニズムとして 述べられている
る 3-5,7,8
。 PMS
P
SZ 層の延性破壊によって 起こるものと 考えられ
による破壊の 場合・やはり、 共 連続 相 分離構造によって 破壊靱性の向上が 達成
されるが、 界面の相互作用が 低 レ ために曲げの 強度が低下すると 思われる
に
"
。
しかし、 PMS
フェノール性水酸基などの 官能基を導入すると、 強度の低下が 少なくなる事がしめされて
ところで、 PMSZ
いる
の場合、 フレキシブル な シリコーン骨格を 持つため 相 分離の構造
が 変化することが 期待されるが、 実際、 Fig.
続相
分離構造のサイズが 、 P
PMSZ-9
の 5phr
S
5
に示したように PMSZ
改質で観察された 共連
改質の場合と 比較してより 微細になっている。 更に微細化は
添加系、 lophr 添加系で、 より顕著に表れている (Fig. 4) 。 このような微細化
の 現象は、 ポリ イミド - ポリ ジ メチルシロキサンブロック 共重合体によるエポキシ 樹脂の改質
77
1,OOE+ Ⅱ
Ⅰ。00E+l0
1.00E+09
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1.00E+07
1.00E+06
1.00E+05
, 1.00E 。03
,
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Ⅰ
00
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78
200
300
ゆ屈 ㏄巴
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0
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ⅠⅠ 田 Ⅰ
Epoxyma
止
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y
80
の場合に観察されている、6.、 7% 。 また、 フェノール性水酸基を 含む PMS.p- ヒドロ キシスチン
神津の式を使用して
ンターポ
リ
マ一の研究でも 相 構造の微細化が 観察され破壊靱性の 向上が達成されている
計算した SP 値は 、 PMSZ 分子中の PMS 部分が 26.8(J7cm,y
㍗であ
ポリ
メチルシロキサン 部分の SP 値は 16.臥J7cm3汁であ る
ジ
ポ キシマトリッタス
り
一方、 本研究で使用した
ェ
樹脂の硬化剤 DDS を含む場合の SP 値は 23.3(J/cm3
㍗であ る。 SP 値の差
から考えると、 PMSZ や PMS 分子と エポ キシマトリッタス 樹脂とは、 弱い相互作用しか 持っ
ていない。
PMSZ 申の PMS 部位と VPS 部位はかなり SP 値がかけ離れているために 非相溶
であ ると考えられ、 PMSZ
の凝集エネルギーは PMS 単独と比較して 小さく、 PMSZ
鎖 との 反
発 により PMS 鎖は凝集しにくい。 そのため 相 分離構造が微細化したものと 考えられる。 これ
らの現象を模式的に Fig. 8 に示した。 当初、 微細化によって、 破壊靱性を向上させ、 曲げ 強
度の低下を抑制できると 予測したが、 実際は、 PMS
。ンリコーン骨格の
導入による PMSZ
と 推定される。従って、PMS
と同程度の改質効果であ った。 これは、
とエポキシ樹脂との 界面相互作用の 低下に起因するもの
に界面での相互作用を 強くする様な 分子骨格を導入することが、
破壊靱性と曲げ 強度の向上を 両立させるために 重要な要因となるであ
ポリ ジ メチルシロキサン
は、
骨格と PMS
ろ
を含むマルチブロッタ 共重合体 (PMSZ) による改質で
改質硬化エポキシ 樹脂の破壊靱性値は 最大で 140% 向上した。 また、 共 連続 相 構造の場合
に、 特に高 い 破壊靱性値を 示すことが判明した。 さらに、 ブロッタ共重合体の 分子量が低く
ても、 ポリ
ジ
メチルシロキサン 部位があ る程度多ければ 共 連続構造を示し、 破壊靱性 値 が高
くなることが 明らかとなり、 破壊靱性 値は ブロッタ共重合体の 分子量とポリ
サンブロック 含量に依存していることが 示された。
4.5,
ぢ
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ヰ丁 A
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Ⅱ
ひ沖 0Z. C 乃ピ佛・,
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,4
32. 上田明,科学と工業, 7
83
5
章。 ポリオキシエチレンとⅣ。 フェニ ル マレイ ミド一 スチレン交互 共
る マルチプロジタ 共
5
Ⅱ・緒言
4
章では改質剤のⅣ - フエ ニル マレイ ミド一 スチレン交互共重合体 (PMS) 中へのシリコーン
骨格の導入によって、 改質硬化エポキシ 樹脂の共連続 相 分離構造がより 微細化することが 見
出された。 前章でも述べた 様に、 熱可塑性樹脂による 強靱化では、 熱可塑性樹脂の 靱性によ
って て トリッタス樹脂の 破壊靱性 値 が影響されるため、 相 構造が共連続 相 分離構造から 遼海
島 構造型 相 分離構造によって
よって、
相 分離構造がより
靱性向上が達成されると 言われている。 シリコーン骨格の 導入に
微細化することが 明らかとなり、 その結果、 破壊靱性 値 が向上する事
が 明らかとなった。 しかしながら、 破壊靱性と強度は、 シリコーン骨格の 無い PMS
質 結果であ
と同程度の改
った。 PMS では、 界面の接着性を 向上させることによって、 強度がやや維持されると
。 そこで、 さらに破壊靱性を 向上させる目的で、 エポキシ樹脂との 相溶 性に優
報告されている 1-3
れるポリオキシエチレン 鎖の導入を行った。
ポリオキシエチレン 鎖と PMS
ン 鎖を含む高分子開始剤を
とを含むマルチプロック 共重合体 (PMSE) は、 ポリオキシエチレ
用いて双章と 同様にラジカル 重合により合成し。-9、 この PMSE
添加に
よる エポ キシマトリックス 樹脂の破壊靱性の 向上効果を検討した。 ポリオキシエチレン 骨格の導
入 により、 共 連続 相 分離構造の界面部分がより 均一に近づき、 強度の低下を 招くことなく 破壊 靱
性を向上させることが 期待される。 本章では、 モル ホ ロジーと破壊靱性値の 関係をマトリックス
樹脂と改質剤の 相 溶 性の観点より 考察した。
5,2, 実
5,2,1. 試料
マ
トリッタス樹脂にほ、 市販の多官能エポキシ 樹脂としてテトラダリシジルジアミノジ ブ
ェ
ニルメタン (TGDDM
住友化学工業㈱ 製
、ジ
エニル聖エポキシ 樹脂 ( DCPDE
ELM-434
。 エ % キシ当量 120) 、 ジシタロ ペンタ
大日本インキ 化学工業㈱ 製
265) 、 ナフタレン型エポキシ 樹脂 (NPEP
HP-7200" ェポ キシ当量
大日本インキ 化学工業㈱ 製
84
HP-4032 。 エポ キシ 当
量 143k 、 ビスフェノール A 型エポキシ樹脂 (DGEBA
YD,128" エポ キシ当量
東都化成㈱ 製
190) を、 重量比 20:40 Ⅱ 0:30 で混合して、 そのまま用いた。 硬化剤は、 4,4,- ジ アミノジ ブ
r. ニ ルスルホン (DDS
和歌山精化工業㈱ 製
・
)
を用いた。
改質剤の合成に 際しては、 Ⅳ- フェニ ル マレイ ミド (PMI
東 化学工業社㈱ 製
常法により処理し 減圧蒸留した
:
ビス (4- シ フ / ペンタ /
チレン 鎖 M"4,000
日本触媒 社 ㈱ 製
、
)
ポリ
エート )]( 和光 純薬 工業社製 VPE-0401
;VPE-020
Ⅱ Mnc
は
、 スチレン (St
関
碑 リオキシエチレン 4,4,7
ゾ
:Mnca.
)
33,000 ,ポリオキシエ
, 23,000 ,ポリオキシエチレン
鎖 M"2,000
M"ca. 33,000,ポリオキシエチレン鎖 M"6,000)
を用いた。 これら
比と 硬化剤の当量を Tablel に、 化学構造を Schemel
に
マ
;VPE-0601
トリッタス樹脂の 組成
示した。
5.2,2. 測定装置
、H-NMR
は 、 THF
スペタトルは、 日本電子社製
JEOL
溶媒 申 、 GPC 凍ソ 一社製 HLC-8020
EX-270
により測定した。 ポリマ一の分子量
により測定した。 分子量校正の 標準物質は ポ
リスチレンを 使用した。 破壊靱性試験は ASTME399
に準じて
3
点曲げ試験片を 用い、 タ ロス
ヘッド速度 lmm/min で行った。 曲げ試験は、 JISK7171 に準じて
で 行った。硬化物のガラス
グ
)
(
SEM
:
ロスヘッド速度 2mm/min
転移温度 (Tg)は、 動的粘弾性分析 ( レオメトリッタス 社製
窒素 下 、 昇 温 速度 5C/m 血 周波数
電子顕微鏡
タ
ェ
日立製作所社製
RDS Ⅱ
;
Hz) により測定した。 また、 硬化物の相構造 は 、 走査型
S-3500N
;
加速電圧 15kV, 厚さ lonm 、 Au コーティン
により観察した。
5.2,3。 ポリ [ ポリ W. フェニ ル マレイ ミドゅば ・スチレン ).b7ocを・ポリオキシエチレン )(P
合成
ポリ [ ポリ (Ⅳ- フェニ ル マレイ ミド 切れ - スチレン ン bloc を,ポリオキシエチレンⅡPMSE) ほ 、
[
ポリオキシエチレン
ポリ
4,4,-アゾ ビス (4-シアソペンタ / エート )](VPE-0401, VPE-0201,
VPE-0601) を開始 剤 として、 PMI
と
St をモル 比ュ ;1 で仕込みアセトン 溶媒 中 、 窒素気流下、
65cCx8h 、 ラジカル重合を 行い合成した (Scheme2) 。 典型的な合成方法を 以下に述べる。
ジムロート冷却管を 取り付けた姉ロフラスコに、 PMI(17.329,0
85
ュ 0mol),St(l0
・
429,0
ユ 0mol),
O
れ
O
Ⅱ 2N
e
86
2
一
Ⅱ
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C
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Hz
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E ㎡ 廿ator : 下中E.0401o
Ⅳ
PE.020%,)PE.060%
Acetone,65,C/
荻騰
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士
VPE-0401@ , VPE-0201@ , VPE-0601@@:Wako@Pure@Chemical@Industries@
Polyoxyethylene@unit:@Mn=4,000,2000 , 6000
er
87
Ltd ・,
アセトン 300ml を加え、 更に、 高分子開始 剤 VPE-0401(I09, アゾ 基の量 2.4mmol) を加えた。
窒素ガスを導入しながら
30 分間 撹 絆した。 引き続き窒素気流下にて
65 。C/8 時間でラジカル
重合を行った。 温度を下げて 重合を停止し、 THF を加えて系を 希釈し、 メタノール中に 投入
してポリマーを 回収した。 得られた白色のポリマーを
間 、 真空下で乾燥
し
THF/MeoH
で 再 沈殿し、 60 。C で 30 時
白色のポリマーを 得た。
5.2.4. 硬化物の作製。
ブロックポリマー PMSE は、 エポキシ樹脂中にメチル エ チルケトン (MEE,Kca.20幼を用いて
40 。C れ 時間かけて溶解した。 エポ キシマトリックス 樹脂の組成は℡ ble ェに 示す。 溶解後、 硬
化 剤であ る DDS
を 0 .7
レ 一に移し、減圧下で
当量加え、 更に 60@C 庄 時間かけて溶解した。 完全に溶解後、 溶液を
60C/2 時間かけて MEK
ト
を取り除いた。脱 溶剤後の樹脂を 暖かい内に 、
テフロンのシートで 覆われたモールドに 注ぎ硬化させた。 硬化条件は、 一般に複合材料を 作
製する条件に 近くするため、 室温から
2
で /mmn で 180 C。 まで 昇 温し、 1SOC/22 時間 -保持して、
その後室温までゆっくりと 冷却する方法とした。
5.3. 結果と考
5.3.1. ポリ げり (N..フェニ ル マレイミド 皿佑 スチレン ).ぁlocぉ、 ポリオキシエチレ㍉①
合成結果と 性 質
マルチブロックポリマー PMSE
は 、 高い収率で得られた。 Table2
質を示す。 PMSE
中のポリオキシエチレン
ン基 水素と PMS
中の芳香 族環 水素からⅨ PE/VPE+PMS]
量は 35
一
(VPE) 含有量は 、H-NMR
に合成したポリマ 一の 性
を用いて VPE
として求めた。 PMSE
申の メ チ
ン
中の VPE 含
40% であ った。 ガラス転移 点 (T9) は不明瞭で観測できる 場合と出来ない 場合があ っ
たが、 観測された系は 21l 。C
と
PMS(Tg224T:) に近い値となった。
5.3,2.PMSE で改質したェ % キシ
マ トリッタス樹脂として、 Tablel
の組成を用いた 場合の PMSE
改質系マトリックス 樹脂 硬
化物の物性を Table3 、 ℡ ble4 に示す。 未 改質系硬化物は 褐色透明であ った。 PMSE
化物は黄褐色不透明であ った。 PMSE
田 Mw300,000
88
, VPE 含量 35mol%
改質系 硬
; ポリオキシエチレン
寸Ⅱのり
・
目・
う
指
由
目の
,目の毘 由
89
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4
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田・
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壷
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Entry@ Mw@of@ PMS/VPE20@Content@ Kic
S 捷 ength
(mol/m&l)@ (phr)@ (MN/rn@2)
Control
Ⅰ
土
30
65/35
(MPa)
0 64 ま0 04
5
154
土9
3.75 ま0 05
4
212
5@
0.80@ @0.08@
4@
163@ @5
3.43 %0 24
4
214
・
・
・
・
207
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3.61@@0.03@
4@
203@
opaque
90
, and is nd
・
Ⅰ
C
・
C
4
, CC
b)¨umber{f《pecimen》ested c)。y.ynamic〃iscoelasticity
e)@Phase separated@structure:@CCy@Cocontinuous;@SI,@Sea
C
3.69 ま0 02
・
C
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a)ゞnit〉atio‥etermined|y H
NMR; ̄OE`n・
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7
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2
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土
寸土ⅠⅠ
4
2
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1
Ⅱ
八 Ⅰ
Ⅱ土耳Ⅰ
5
3
0
3
3
5 5
6 6
0
3
2
30
・
CC)
(GPa)
0
4
d)@By@visual@evaluation@
Modulus
の添加重 を 5phr から 15phr と増加させて、破壊靱性 値と 曲げ特性の関係を 測定
鎖 M"4,000)
した。 破壊靱性 値 KIc は lophr,llphr 添加で 85% 程度の増加が 見られ、 曲げ強度低下はほとん
(Table3,No.2,N0.3)0
l2phr 添加系では、 未 改質系に比較して 破壊靱性 値が
ど 見られなかった
208% 増加し、 15phr 添加系では 210% 増加した (Table3,N0,4,No.5)。 曲げ強度はポリ
、ンロ
ジ
メチル
キサン骨格を 有する場合に 比較して、 大幅に低下することなく 緩やかな減少を 示した。
PMSZ(Mw371,000 , VPS 含量 30mol% ;l0phr添加 ) による改質 や 、 PMS 単独 (Mw397,000 ;l0phr
添加
)
による改質では、 破壊靱性 値が 100% から 160% の KIe 増加であ ることと比較しても
きな値を示した
(
第
高分子開始 剤 であ
用いて合成した
M"6,000
の
4
る
章
大
Table3) 。 一方、 曲げ弾性率は 未改質系の値をほぼ 維持している。
VPE のポリオキシエチレン 鎖の分子量が M"2,000 であ る VPE-0201
PMSE-2(Mw70,000
,
pMMSWPE
二
を
60/40) 、 ポリオキシエチレン 鎖の分子量が
VPE-0601 を用いて合成した PMSE-3 (Mw l30,000 PMS/VPE
吉
60/40 ) の場合にっ
いても添加 量 に対する靱性値を 測定した (Table4)。 その結果、 PMSE-2 の場合には 5phr 添加
系
で破壊靱性 値は未 改質系の 70% の増加であ り、 12phr 添加系では破壊靱性 値は未 改質系
同程度の値となった。 しかし、 曲げ弾性率と 曲げ強度は保持された (Table4,1一 3)。
と
PMSE-3
の場合は l0phr 添加系で破壊靱性 値は 78% 増加し曲げ強度の 低下は少なかった (℡ble4,4 一 6)。
化物の SEM によるモル 木 コジー 視
Flg.
ェ
にて
トリッタス樹脂の PMSE による改質系の SEM 写真を示す。 未 改質系硬化物は
褐色透明であ った。 PMSE 改質系硬化物は 黄褐色不透明であ り、 ミクロ 相 分離構造が生成し
ていると考えられる。
ポリ ジ メチルシロキサン
骨格を有するマルチブロックポリマー PMSZ
添加による改質系と 異なり、 マタロ相分離構造は 確認されなかった。 また、 Table 3
PMSE,l(Mw 300,000, PMS/VPE
から
Ⅰ
65/35; ポリオキシエチレン 鎖 M"4,000 ) の添加重 を 5phI
15phr と増加させた 場合、 そのモル ホ ロジーは 5phr 添加 糸 では、 粒子系が 1%m
海烏 型相 分離構造が確認されたが、
るエ
の
ェ
程度の
Ophr以上では 共 連続 相 分離構造であ った。 共 連続 相 とな
ポキシ樹脂リッチ 相と PMSE リッチ相のサイズ 間隔は添加量の 増加
l2phr 添加系では 30 一 50%m 、 最も破壊靱性の 高かった
91
と と も
に細かくなり
l5phI 添加系では 30 一 20 帖 m であ
っ
た鱒噌 1) 。 また、 界面の状態はやや 不明瞭となりてトリッタス 樹脂 層 との相互作用が 増して
・
いると考えられる・。
高分子開始 剤 であ る VPE のポリオキシエチレン 鎖の分子量が Mn2,000
用いて合成した PMSE-2
M"6,000
の VPE-0601
70,000 , PMS/VPE
(M"
二 60/40 )
を用いて合成した PMSE-3(Mw
る
VPE-0201
を
、 ポリオキシエチレン 鎖の分子量が
l30,000 , PMS Ⅳ PE
加量 にかかわらず 梅島型の相分離構造を 示した。 PMSE-2
であ
二 60/40)
の場合は 、 添
の場合には 5ph,, lophn 添加系で破
壊 靱性 値は未 改質系の 70% 増加し曲げ弾性率と 曲げ強度は保持された。 PMSE ふめ lophn 添加
系の SEM
写真を Fig.
PMS-lol(
Mw
l30,000
y
2
に示す。 海烏型の相構造はポリオキシエチレン 鎖を含まない
と同様で
l
はm
程度であ るが粒子境界面が 不明瞭であ ることが確認で
きる (Fig.2,bc)o PMSE-3 の場合にも lophr 添加系で破壊靱性 値は 7S% 増加し曲げ強度の 低下
は 少なく、
る
粒子サイズがⅠ
起
Ⅲ程度の海鳥 型相 分離構造が PMSE-2
。 しかも、粒子界面は PMSE-2
の場合と同様に 確認、され
の場合より更に 不明瞭となっていた (H9.3) 。 このように PMSE
添加系の神分離構造で 特徴的なのは、 界面の状態が PMSZ
や PMS
に比べて、 マ トリッタス 樹
脂 との界面が、 やや不明瞭な 状態が認められることであ る。 これは、 界面での相互作用が 増
大しているためと 考えられる。Ⅲ 9.4 には、 同一拡大倍率で PMS 添加系、PMSZ
添加系と PMSE
添加系を比較した SEM 写真を示す。 其達 続相 分離構造を示す 場合においても、 PMS
a)や PMSZ
ス
系 (Fig. 4, b) と比較して界面がやや
不明瞭となっていて、 PMSE
系 (Fig.4,
系でほ て トリック
樹脂リッチ 相 と改質剤リッチ 相 間の相互作用が 増大していることを 示唆している。
F 塘,
5
tこ
PMSE Ⅱ改質硬化物の 粘弾性のデータを 示す。 PMSE
の 貯蔵 剛性率
Ⅰ (M"
300 , 000 。 VPE
35mol%)
G, および損失係数 tan(5は、 0 緩和ピークの 位置が未改質系と 比較してがC はど
低温側にシフトしていた。 これは、 PMSE
中のポリオキシエチレン 鎖が マ トリッタス樹脂
と
やや 相溶 していることを 示している。 ポリオキシエチレン 鎖の Tg は 一 60 。C 付近、 T,,mが 60 。C
付近にあ ることが報告されている 接 、4 。 しかし、 PMSE
現れなかった。 この点も、 PMSE
の損失係数 (tan6) 値に明確なピータが
が エポ キシマトリッタスとやや 相溶 していることに 対応す
92
93
S
S
S
re
R
S
94
宝り
S
Ⅱ
Ⅰ
杏母
95
が
自
Q
甘
宝
Ⅰ
96
7
2
蚊
Ⅰ
2
(
。C)
皿
蒸
耶
Ⅹ
ノ
97
(G,
ると考えられる。
二ズ ム についで
5.3.5,
ポリオキシエチレン 骨格を含むマルチブロック
タス樹脂の改質においては、 PMSz
コ
ポリマー PMSE
による ェポ キシマトリッ
と同様に共連続 相 分離構造の時に 破壊靱性の向上が 成し
層の延性破壊によって
えられ、 一般に熱可塑性樹脂の 破壊靱性向上のメカニズムとして述べられている 様に PMSE
起こるものと 考えられる。 PMSZ
や
PMS
による破壊の 場合、 やは
り
共 連続 相 分離構造によって 破壊靱性の向上が 達成されるが 界面の相互作用が 低いために曲げ
の 強度が低下したと
考えられる。
沖 津の式を使用して
計算した SP 値は、 PMSE
分子中の PMS
ポリオキシエチレン 部分の SP 値は 20.5(J7cm3汁であ る
、ンマ
トリッタス樹脂 (Tablel) の硬化剤 DDS
0 差から考えると、 PMS
部分が 26.8(J7cm3汁であ り、
一方、 本研究で使用した ェポキ
を含む場合の SP 値は 23.3(J7cm3汁であ る。 SP 値
分子 鎖とエポ キシマトリッタス 樹脂とは、 弱い相互作用しかできた
ぃが 、 ポリオキシエチレン 鎖とェポ キシマトリッタス 樹脂の SP 値の差は小さく、 マトリヅタ
ス 樹脂との相互作用は 強く、
両者はよく 相浴 すると考えられる。 ポリオキシエチレンの エポ
キシ樹脂との 相溶 性に関しては、
い く っ かの報告がなされている。
Mijov
玉
。 等は ェポキシとポ
」オキシエチレン / ポリオキシプロピレンブロッタ 共重合体が 、 ナノサイズの 神分離
)
ると報告している ,5 。 また、 Ch ㎝等は、 ポリオキシエチレン / ポリオキシプロピレンブロッタ
/
ポリオキシエチレン ABA 型共重合体がナノサイズの 神構造を取り、 その界面に エポ キシ 相
に 溶けたポリオキシエチレン 和が存在することを
ると、 PMSE
は エポ
がら、 PMSE
は
報告している、6,。 7 。 これらの報告から 考え
キシマトリックス 相 と一部が相 浴 しているものと 考えられる。 しかしな
、 ナノサイズの 微細な相分離構造は 示さなかった。 PMSE
が高分子量であ
る
こととマルチブロッタ 共重合体であ るため、 すべてのポリオキシエチレン 鎖が界面には 存在
せず、 そのため 相溶 性に与える効果が 低減したと考えられる。 この点を模式的に Fig. 6
に示
した。 この事は、 PMS 骨格とポリオキシエチレン 鎖を含むポリマ 一においても、 AB 型ブロ
、ソタ共重合体やバラフト 型 共重合体ならば
界面での 相溶 性をさらに増加させ、 強度を低減さ
98
レ,
3) 72
Ⅰ
橿軒寧
命や
Ⅹ⑬翻
興靱靭垂軽
1/2
ゆⅩ
99
せることなく 破壊靱性を向上できる 可能性を示している。
PMSE-2 や PMSE-3 はポリオキシエチレン 鎖の割合が PMSE,l(Fig.1)
あ
るにもかかわらず、 改質剤添加量が 12phf でも海鳥型の 神分離構造を 示した。 これは、
PMSE-2 や PMSE-3
の
の場合とほぼ 同程度で
では、 分子量が低
い
ためであ ると考えられる。 これらの結果から、 PMSE
ポリオキシエチレン 鎖の存在だけでなく 全体の分子量も 界面の相 溶 性に影響を与えると 考
えられるが、 Fig.
2
、 田 9,
造 で特徴的なのは、 PMSZ
3
、 Pig.4
や PMS
に示したように、 どの場合にも PMSE
添加系の神分離 構
に比べてマトリックス 樹脂と改質剤の 界面が、 やや不明瞭
な 状態として観察されることであ り、
PMSE
改質系の界面での 相互作用は増大していると 結
諭 される。
5
叫
・
結
ポリオキシエチレン 骨格を含む靱性化剤 (PMS 可による改質でほ、 破壊靱性値は 最大で
210% 向上した。 また、 共 連続 相 構造の場合に 特に高い破壊靱性値を 示すことが判明した。
さ
らに、 ポリオキシエチレンユニットの 導入は ェポ キシマトリッタスへの 改質剤の相 溶 性を向
上させ、 添加重増加による 曲げ強度の低下を 抑制しての靱性向上に 有効であ ることが認めら
れた。
5.5. 引用文
1.@
Takao@Kjima,@Norio@Suzuki,@Wakichi@Fukuda,@Masao@Tomoi,@Eur
2.@
Takao@lijima
3.@
Takao@lijima,@Norio@Suzuki,@Wakichi@Fukuda,@Masao@Tomoi,@Polym
4.
J.J.LWerty,Z.G.Gardlund,J.Po
5.
A.Ueda,S.Nagai,J.Po
6.
A.Ueda,S.Nagai
S
ア
8.
, Storu@Miura
, Wakichi@Pukuda
ソ Po 沖m.Sci.,p0r
・
Nagai,H.Terada,A.Ueda,C
, Masao@Tomoi
け m.Sci.Po
砂 m.Sci.,P4
, Polym
ウ m.C
ん
e
, J Appl
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・
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・
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12. Q.Guo,R.Thomann,W,Gr0nski,
13. M.Yin,S.Zheng,M
14. H.Lu,S.Zheng
15. J.M
は
cro 抑 0
「・
C んビ坦 F んノ ゴ
・
ソ PoJym.Sci.:P0
・
りovic,M.Shen,J.Wing
尼 cMJ ㏄, 35,3133
Ⅴmcromo
ア
206,929
円 B Po け m.P
乃ノぶ
(2005)
『
43,395(2005)
Sy, 肱oc れomoJgcMfeS,33,5235
16. R.B .Grubbs,J.M.Dean,M.E.Broz,F.S.Bates,Macro
17. P.Sun,Q.Dang,B.Li,T.Chen,Y,Wang,
Ⅱ・
(2002)
(2000)
れ ofecules,33,9522(2000)
L 血 , Q.Jin,D.Ding,M
101
は
cromofgc 仮!es,38,5654(2005)
第 6 章。 ポリオキシエチレンとⅣ・フ エ二
る マルチプロ
ヅク共
Ⅰ
マレイ ミト 一スチレン交互
の而 SlfuM生成による 酸 無水
6,1 。 緒言
前章ではポリオキシエチレン 骨格の導入によって、
相 分離構造における
エポ キシマトリッ
タス樹脂 相と 靱性化剤 相 との界面の相互作用が 増加することが 見出された。 熱可塑性樹脂に
よる強靱化は、 熱可塑性樹脂の 靱性によって 達成されるため、
ら逆 海鳥構造型 相 分離構造によって
相 構造が共連続 相 分離構造か
達成されるといわれている㍗。 その場合。 租界面の相互
作用つまり接着性は 強靱化の重要なポイントとなる。
スチレン
あ
一 Ⅳ- フェニ ル
マレイ ミド 交互 コ ポリマー (PMS) ほ エポキシ樹脂の 有効な改質剤で
ることが知られている。 しかし、 pMS
欠点があ
る '。
による改質では 靱性向上に伴
い
曲げ強度が低下する
さらに PMS を溶解させた エ ポキシ樹脂系は 粘度が高く、 成形時の作業性に 難
があ る。 そこで本章では 改質剤ポリマ 一の重合をエポキシ 樹脂中で硬化反応と 同時に行う
s血
コ
た
生成法を用い、 PMS
主 鎖骨格にポリオキシエチレンユニットを
ポリマー (PMS 可 (Schemel) 、 及び、 この系に架橋 割 として
3
次元架橋構造を 持っブロッタ
コ
ジ
伍
導入したマルチブロッタ
ビニルベンゼン (DVB) を添加し
ポリマー (PMSED) をエポキシ樹脂
中
にて生成させ、 酸無
水物硬化エポキシ 樹脂の機械的特性や 熱的特性の低下を 抑制しての靱性向上の 達成を試みた。
ポリオキシエチレン (VPE) 鎖は 、 前章と同様に 高分子開始剤を 用いて 肪 situ ラジカル重合によ
り
導入した。 なお、 肪
s がぴ
生成法を用いた PMS
を改質剤とした 酸無水物硬化エポキシ 樹脂の
強靱化が Sung により既に報告され、 改質硬化物の 機械的強度の 低下なしでの 靱性向上が示さ
れている。。
また、 insitu でのエポキシ 樹脂の改質については 幾つかが報告されている ',。 。
6.2. 実
6.2.1. 試
エポキシ樹脂としてビスフェノール
A
ジグリシジルエーテル ( ジャパン エポ キシレジン㈱
製,エピコート 828 。; エポ キシ当量 190)(DGEBA) 、
102
硬化剤としてメチルヘキサ ヒ
ドロフ タ
ル 酸無水物 ( 大日本インキ 化学工業㈱ 製,ェピタロン B-650")(MHHPA) 、
Ⅳ ,杵ジメチルベンジ
イミド (PMI
ル アミン (BDMA) を用いた。 改質剤モノマ
ー
硬化促進剤として
としては、 Ⅳ - フ
日本触媒 社 ㈱ 製 ) 、 スチレン (St 関東化学工業社㈱ 製
:
エ
ニルマレ
定法により処理し 減圧
蒸留した ) 、 架橋 剤 としては ジ ビニルベンゼン (DVB) を用い、 高分子開始 割 としてポリオキシ ェ
チレンコニット 含有の VPE-060 Ⅱ和光 純薬 ㈱ 製 : 開始 剤 分子量,M"
M"
6,000) を用いた (Scheme2)
6.2.2 。
2.5 ∼ 6.0X1O4;POE
分子 量 ,
。 なお、 スチレン以外は 市販品をそのまま 用いた。
測定
硬化物の機械的特性は㈱ 島津製作所 製 オートバラフ AGS-500B 型を用いて測定した。 破壊
靱性試験は ASTM
E399 に準じて三点、曲げ試験片を 用い、
た 。 曲げ試験は JISK7171
タ
ロスヘッド速度
ェ
nl 曲価 in
で行っ
に準じてクロスヘッド 速度 2mm/m 油で行った。 樹脂のガラス 転移
温度 (Tg)の測定は㈱島津製作所 製示差 走査熱量計 DSC-60 型を用い、 窒素雰囲気 下 l0C 億 in
で 行った。動的粘弾性分析は SnI ナノテクノロジー㈱ 製 DMS-6100 型を用い窒素雰囲気 下
7mmn 、 周波数 lHz で行った。 硬化物破断面のモル 木 コジーは走査型電子顕微鏡 (SEM:
ハイテクノロジー㈱ 製 S.2600N, 加速電圧
ェ
5
で
日立
OkV, 厚さ lonm 、 Au-Pt コーティンバ ) を用いて 観
察した。
化物の作製
6.2,3. ェポキシ
エ ポキシ樹脂 DGEBA
と硬化剤 MHHPA
、 改質剤モノマ 一の St、 PMI( 及び DVB) 、 高分子 開
始剤 (VPE) を 50 でで溶解し、 硬化促進剤 BDMA
を lphr
添加後、 5o「e に予備加熱したガラス 注
硬化条件は未改質系で
型板に流 延 して 注型 した。 硬化剤の添加量は、 エポキシ樹脂に 対して化学量論 量 を用いた。
85iC75h+l50W7l5h 、 改質系で 85cC75h+l0(H
で 76h+l50C 7l5h であ る
ここで、 100cC76h は、 施 situでポリマーを 生成 (Scheme3) させる温度条件として 付け加えられ
ている。
6.3. 結果および 考
6.3Ⅱ・ X ポキシ
Table l, 及び 巧 9.
ェに
msitu 法で生成した PMSE による改質結果を 示した。 未 改質樹脂 硬
103
十
C
|
WE
Styrene(St)
JⅡLPhe
.0601 ひⅠぬ o Ⅰ P0E
Ⅱylmaleimide(PMI)
(
Ⅰ
Ⅱ皿ニ t 甘
6,00
n t 五打 圭 。r)
五
S
五
・
104
①
HS
N
C|C|C
Hz
C
20
H
2C
H
C
O
十
加
Ⅰ
Ⅰ
イ
zz
Ⅰ
オル
ClC
|C
H,
Poly[Poly(JV.Iphenylmaleim de.ほ%.styrene),みlocお polyoxyethyleⅡe]
O
O
(Ⅰ
タ0
CHf
CHs
CH3
/
Cや
O
e
O
㍗
Modifier@(PMSE)
P0 y [Po y([email protected]
Ⅰ
Ⅰ
105
加 st丁ⅠⅠ ene )- Joc [p0lyoXyethyle Ⅰ e
正ト
ノと
ニ
]
化物は透明であ ったが、 改質硬化物は 半透明となった。 対照実験としてポリオキシエチレン
ユニットを含まない PMS 、 ポリオキシエチレン (M"6,000)
と
PMs
単独、 およびポリオキシエチレン
の混合による 改質を行なったが、 いずれの場合も 有効な改質結果は 得られなかった
(Tablel 下段 ) 。
特に、 ポリオキシエチレンユニットを 含まない PMS
の 席 situ 生成法による
改質 (Tablel;No,S-14) では曲げ強度が 低下した。 この結果は前もって 合成した PMS
を 添加しての改質結果
3 と
ポリマー
一致しているが、 SUng 等の血 St 加 生成法による 改質結果
致しなかった。 この違 いは tnsitu 生成法で生成した PMS
4
とほ 一
の分子量の違 い などによると 推定さ
れる。
fnsitu 法による改質の 場合、 改質剤 PMSE
開始 剤 VPE
PMSE
の添加量は
2
種のモノマー (St
と
PMI) と高分子
の総和として 樹脂全体に対する 重量 % で 示した。 硬化物の破壊靱性 値 (KIc) は
の添加重 (St+PMI+VPE)
人 となり、 未 改質系と比較 L
の増加に伴
て
い
緩やかに増加した。 添加重ェ 7.8wt% で KIc は 最
180% 増加した。 PMSE25.4wt%
の 添加では強度が
大きく低下
したが、 18wt% 程度までの添加では KIr の増加に伴う 曲げ強度の低下が 抑制され、 改質系の弾
性 率、 ガラス転移温度 (Tg)は 未 改質系の場合と 同程度であ った。
℡ ble2 及び Fig.2t こ PMSE
の添加量が 14wt% の場合における、 改質剤全体に 占めるポリオ
キシ エチレンユニットの 割合 (VPE/PMSE
含量, wt 初を変化させた 系の改質結果を 示した。
ここでは、 ポリオキシエチレン 8.6wt% 含有の PMSE
(Table2,No.V-g) 。
このことほ、 PMS
でも曲げ強度低下の 抑制が確認された
へのポリオキシエチレンユニットの 導入が曲げ強度の
抑制に有効であ り、 PMSE 中のポリオキシエチレン 含量の増加は 若千の強度の 低下を伴 うが、
K,c の増加に寄与している。 この結果から、 PMSE
が曲げ強度の 低下抑制だけではなく・ 靱性
向上そのものにも 有効であ ることが結論された。
Table3 、 Fig.3 に DVB
添加系では DBV0.5mol%
により架橋した PMSED
による改質結果を 示した。 PMSED
l4wt%
添加の場合に 曲げ強度の低下を 抑制しての KIc の増大 (180%) があ
たが、 その後 DVB 添加量の増加に 伴 い KIc は低下し, DVBlmol%
下した。
106
っ
添加以上では 曲げ強度が低
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3
8 .4
◆
1
112
Fig.3 に示すように DVBlmol%
添加に固定して 見た場合、 PMSED
添加 量 9.9 一 13wt% では
添加量の増大とともに 曲げ強度は徐々に 減少するが、 KIc が増加している。 14wt% では 曲げ 強
度 が低下し、
而
靱性も他の硬化物より 低下した。
もって合成した pMs による改質では、添加量の小さな 変化により大きな 物性の変化が 発
生し、 最適の改質条件の 設定が難しい 場合があ ったが 1-3
、 ポリオキシエチレンユニットを 含
む
PMSE
の 鮪
situ生成による改質系は、 PMS ポリマー添加系の 場合と比べて 穏やかな物性の
変化を示し、 バランスの取れた 硬化物を有する 硬化物を容易に 得る事ができた。
によるモル ホ ロジー視察
Fl9 、
4 に
PMSE
改質硬化物の 破断面の THF
によるエッチンバ 処理後の SEM
17.8wt% まで改質剤の 添加系で エポ キシマトリックス 申に平均粒径
1
∼ 2%m
写真を示した。
程度の改質剤 粒
子が分散した 海烏 型 ミクコ相分離構造が 観察された。 ポリオキシエチレンユニットを 含まな
ぃ
PMS による改質の 場合、 海鳥 型相 分離構造でほ 靱性の増加は 小さく、 共 連続 相 構造の発現
による改質では 梅島構造の発現により 靱性の向上が
により強靱化が 達成されたが , ' 、 PMSE
達成されることは 興味深いことであ る。 この様な挙動の 違いは、洗 s 九法 で合成された PMSE
と
従来使用してきた PMS ポリマ一の分子量の 差と、 PMSE がポリオキシエチレンユニットを
含むことに起因すると 考えられる。
実際に 、 前もって合成した PMSE
(Mw287,000
, POE;M"4,000V
を、 この酸無水物硬化 エポキ
、
ン 樹脂系の樹脂全量に 対して l0wt% 添加して硬化させた 系では、 ドメインの大きな 共 連続 相
分離構造が観察され、 靱性は向上 (KIc 目 l.55%0M0MMN 価
m3 うしたが、 同時に曲げ強度が 大きく
低下 (5.6 土 0 6k 軒/cm,)する結果となった。 このことからも 施 $i u 法により生成している PMSE
「
・
は 比較的低分子量であ
神 津の方法により
PMS
ると考えられる。
求めたエポキシ 樹脂の溶解性パラメータ (S吟は 19.8∼ 21.5(J7cm'
「砂で、
ユニット及びポリオキシエチレンユニットの
SP
はそれぞれ 24.8 ∼ 26.8(J7cm3)W、
20.5(J/cm3汁であ る,。
エ ポキシ樹脂とポリオキシエチレンの
エチレンユニットの 導入により PMSE
と
て
SP の類似性から、 ポリオキシ
トリッタスとの 相溶 性が向上すると 考えられる。
113
・
大きな低下が
また、 前述の様に PMSE
)
では
な構 造を 持つ
エチレンユニットが ェポ キシマトリッタス と相浴 すること
しかし、 添加量が 25Wt%
8 ィ3 。
の 減少や曲げ強度の
単独 亡 よる改質 ( Table l;PoE
上旬
り
ポ
、ン
が 報告されている
)
ポリオキシエチレンを 含むブロッタポリマ 一によるェポ キシ
キ
ま
い
たオ
ち
得
お
や
@
スに
@
力
物質
化政
硬の
質脂
改樹
実際 に ポリオキシエチレン (M"6,000
になると粒子 径が 20 ∼ 30
生じた㈹㎏・ 4D,Table
は
m に増大し、 時 。
り。
中のポリオキシエチレンユニットの 増加は 、 曲げ強度の低下抑制
効果のみならず、 靱性向上にも 大きく寄与している。 これは PMSE
中のポリオキシエチレン
セグメント とエポ キシマトリッタスとの 相互作用の増大により、 界面での接着性が 向上した
ため、従来の PMS による海鳥 型相 分離構造では 見られなかった 大きな靱性向上が 発現された
と
考えられる。 田 9.
5
にはポリオキシエチレンユニットを 含まない、 PMS
(Table 2; No.S Ⅱ 4) 、 およびポリオキシエチレンユニットを
No.SE Ⅱ 4) の THF
による改質硬化物
導入した改質硬化物ぼab
によるエッチンバ 処理をしていない 破断面の SEM
Ⅰ
2;
e
写真を示した。 PMSE
が
無い PMS の場合 ( 田 9.5 勾では、 明らかに PMS 粒子と て トリッタスとの 界面での剥離が 観察
されるが、 PMSE
ど 見られない。
が生成している 場合は粒子周辺が 不明瞭となり、 そのような剥離ほほとん
この結果からポリオキシエチレンユニットの
の 界面での相互作用が 強くなっていることが
導入によってマトリックス 相と
確認された。 すな む ち、 ポリオキシエチレン ユ
ニットの導入によって 界面での エポ キシマトリッタスと PMSE
れたと結論される。 PMS
Ⅲ 9.7 に
0
・
PMSEDl4wt%
と
PMSE
の違い
る F雙 6
・
との相互作用の 増大が確認さ
に模式的に示した。
添加改質硬化物のエッチンバ 後の SEM
写真を示した。 DVB
添加 量
5mol% の場合、 改質剤粒子の 抜け落ちた界面が 滑らかでなく、 凸凹を持つ状態となっている
(Fjg
7B) 。 これは 、 改 質剤 粒 子の DV 且 による 架橋
相互侵入 網
目
に
伴い粒子とマトリックスと 界面周辺で、
構造 (IPN 構造 ) が形成されたためと 考えられる。 相 構造は異なるが、 DVB
1
一
2mol % 添加系での破断面は ェ ソチング処理しても 抜け落ちる粒子や 溶解する量が 大きく減少
C, 7D)o また、 DVB
2 一 3 mol % 、 架橋 PMSDED
の
Ⅰユ
7
した 鰻鳴
Omol% 添加系で も、 破 断面の
ェ ソチング処理では 改質粒子が溶解せず 残存していた (Fig.8) 。 これらの結果 は DVB
114
の添加 量
幼
怖
拓
妬
Ⅱ
り
Q
115
妬
116
ノ
"
@
l2
117
幼
幼
妬
S
の
口
Q
118
拓
"
免
妬
の
忠
Ⅰ
1
Ⅰ
9
幼 。
妬
幼
拓
Ⅴ
Q口
曲
120
拓
の 増大が
を
PMSED
と
て トリッタスの 界面での IPN 形成による相互作用の 増大をもたらすこと
示している。
VBlmol%
と
架橋の PMSEDl0
13wt% 添加系は、 DVB0.5moI%
架橋の PMSEDI4wt%
添加系
同様な海鳥型のミクロ 相 分離構造を示していた (Fig.9) 。 これらの系では、 PMSED
の添加 曇
が 異なるが、 DVB
クス
一
含量の高い前者では、 DV
ヨ
含量の低い後者の 場合より PMSED
(0.5mol%) が有利であ った (Table 3 参照 ) 。 この結果は単調な DVB
と
「
の添加量の増大による 改質
ことを示唆している。 中村らはアルミナの 添加による エ ポキシ樹脂
い
改質において、 適度な界面での 接着性の強さ
る )
の少ない場合の 方
トリッタス樹脂の 界面での相互作用 ( 接着性 ) の増大が、 強度と靱性の 同時の向上に 対
して必ずしも 有効でな
の
て トリッ
の界面での相互作用が 増大すると推定される。
しかしながら、 実際には靱性と 強度の両方の 向上という点からは DVB
剤
と
が 強度と靱性の
の 強さは強度の
(
アルミナ表面のヒドロキシル 基の作用によ
同時の向上に 有効であ り、 シリカの添加で 見られるような 過度の接着性
低下を招くことを 報告している 14。
p
SE や PMSED
粒子による改質挙動が
アルミナのような 硬 い 無機粒子の改質挙動に 類似していることは 興味深いことであ る。 今回
の 改質粒子は硬質の P
面の
S
ユニットを含んでおり、 ポリオキシエチレンユニットがアルミナ 表
ヒドロキシル 基と同様、 エポキシマトリックス 界面との適度な 接着性を発現する 作用を
持つことによると 推定される。
なお, DVB
l皿
01% 架橋の
P
SED l4wt 経 添加系では粒子が 連結した 相 構造が生じ、 2mol%
添加では 共 連続 相 構造に近い不明瞭な 相 構造へと変化 (F晦
・
7
叫し 、 有効な改質を 行うことが
できなかった (Table3)。 このようなミクロ 相 分離構造の変化は PMSEDl0
一お wt% 添加系では
観察されなかった。 改質剤添加量の 高い硬化物では、 生成するポリマ 一の分子量や 量の増大
による改質剤自体の 凝集が促進され 相 構造が変化したと 考えられる。
化物の動的粘弾性測定
PMSE および PMSED
た
による改質硬化物の 動的粘弾性挙動を
田 9.10 , F ㎏・
。 全ての系で エポキ、
ンマ トリッタスの Tg であ るは緩和ピータが 130 。C
12I
tl,F 晦 12 に示し
∼ 140 。C
付近に 、 改
質剤の Tg であ るは緩和ピータが 190 で∼ 20(nで 付近に確認、された。 これらの結果は 改質硬化
物 が相分離構造を 有していることを 示しており、前述の SEM
による観察結果と 一致している。
しかし、 改質剤中のポリオキシエチレンユニットの緩和に相当するピータは 明解にほ観察さ
れなかった。 前もって合成した 高分子量の pMS
現した 1-3が 、
による改質では
ぴ
緩和ピークは 220 で付近に出
㎡加法で生成したポリオキシエチレンユニットを 含まない PMS
肪
による改質では
0 緩和ピークが 180 。C 付近に出現した (Fig.I0) 。 このことは 劫 ,ifWM法の場合では 比較的低分子量
の PMS
が生成していることを 示している。
や PMSED
PMSE
改質系ではポリオキシエチレンユニットを 含む高分子開始剤を 用いてのポリ
マ 一生成であ り、 PMS
の場合にくらべて 0 緩和ピークが 10 ∼ 20 で位高温側で 出現していること
から、 これらの改質系では PMS より高分子量ポリマーが 生成していると 考えられる。
Pig. 10 に見られるように、 0 緩和ピークの 大きさは PMSE
添加量の増加とともに 増加してい
る 。 また、 改質剤中のポリオキシエチレン 含量の増加に 伴い、 0 緩和ピータがよりプロードに な
ることが認められた (Fig. Ⅱ ) 。 これに対応して
0
ピークはやや 高温 側 へ移動した。 これらのこと
からもポリオキシエチレンユニットの 存在により ェポ キシマトリッタスと PMSE
溶 性が向上していることが
Filg.12 に PMSEDl4wt%
強く示唆される。
添加系の動的粘弾性挙動を 示した。 DVB2mol%
領域における 貯蔵 弾性率が 、 他の系よりも
D) で見られたよ
う
改質剤粒子の 相
添加系の場合、 ゴム 状
高 い 値を維持している。 これ ば SEM
による観察 鱒 i9.7
に、 相 構造が海鳥型から 界面での絡み 合いの増加した 共 連続 相 構造へと変化す
ることに対応していると 思われる。
6,4. 結
血
した
sitは法を用いてエポキシ 樹脂系 中 で PMS 骨格中にポリオキシエチレンユニットを 導入
PMSE を生成させることにより、 曲げ特性の変化が 少ない良好な 物性を有するエポ キシ
樹脂硬化物を 作製することに 成功した。 硬化物の靱性向上が 海鳥堅ミタコ % 分離構造により
発現された。 ポリオキシエチレンユニットの 導入は PMSE
の 相互作用
(
とエポ キシマトリックスの 界面で
接着性 ) の増大をもたらし、 靱性向上だけでなく、 曲げ強度低下の 抑制にも有効
122
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Ⅰ
(S,14)
VPE/PMSE
二
之
ⅠⅠⅠ
8.6 皿が。Ⅳ-9)
VPE@/@PMSE@[email protected]@wt%@(SE-14)
串
Fig. 工 l Dynamicvi:Scoelasticanaly
E
(
五
虹 sfor
%ato で )co Ⅱ ents
Ⅱ五
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124
1
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Ⅰ
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Ⅱ
一一 With0UtDVB
@@"
一
10,
(SE.14)
接
P
SED14wt%
0 る
125
であ った。 これらは、 ポリオキシエチレン 鎖の SP
も
の
結論された。 P Ⅱ SE 系への DVB
と
て トリッタスの SP を比較することから
添加による改質剤の 架橋はマトリックスと 改質剤の界面で
IPN 構造形成を誘導し、 適度な靱性向上と 強度の同時の 向上に有効であ ることが示された。
6.5。 参考 文
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126
7
章。 本 リオキシエチレンをグラフト
レングラフト 共重合
第
5
章、第
6
Ⅳ・フェニ
ル マレイ ミト 一スチ
によるエ % キシ
章では、 ポリオキシエチレン 骨格を有するマルチブロッタ 共重合体に関して、
その破壊靱性に 及ぼす添加量の 効果 や 、
鹿 s
れ 生成での破壊靱性に 与える効果に 関して検討
をした。 マルチブロック 共重合体においては、 高分子鎖の中に 存在するポリオキシエチレン
骨格は エポ キシマトリックス 樹脂中で、 界面付近に存在する 場合と相分離構造を 取ったマル
チ
ブロッタ共重合体相の 中に存在する 場合とに分かれると 考えられる,。
ポリ
ジ
メチルシロキ
サン骨格やⅣ - フェニ ル マレイ ミド一 スチレン交互共重合体の 場合は エポ キシマトリッタス 樹
脂相 との相互作用が 弱く強度の低下が 認められ、 それがポリオキシエチレン 骨格の導入によ
って改善される 傾向が見出された。 また、
フェノール性水酸基を
Ⅳ - フエ
ニル マレイ ミド一 スチレン交互共重合体に
入することによって、 界面の相互作用が 増大して曲げ 強度の低下が
抑制される事が 報告されている "4。 従って、 AB 型ブロッタポリマー や 、 ABA
型ブロッタ ポ
リマ一の様な 構造でポリオキシエチレン 鎖の制御された 高分子であ れば、 ポリオキシ ェ チ ン
ン 骨格の で
トリッタス樹脂に 対する相互作用を 高めることが 可能と考えられる。 ポリオキシ
エチレン鎖をグラフト 鎖に持つ 杵 フェニ ル マレイ ミド一 スチレン交互共重合体であ れば、 ポ
リ
オキシエチレン 鎖は分子骨格の 外側へ向くと 考えられるので、 より一層の相互作用増加が
期待される "9 。
本章では、 ポリオキシエチレンをグラフト 鎖 とする交互型Ⅳ - フェニ ル マレイ ミド一 スチ
ン
ングラフト共重合体による、 DDS 硬化エポキシ 樹脂の破壊靱性に 与える効果に 関して検討し
た。
ポリオキシエチレン 鎖をグラフト 鎖 とするために、 マクロマ一であ るはサービニルベンジ
ル の - メチルポリオキシエチレン
ー
, 0 , 11 とスチレン、
酪 フエ ニル マレイ ミド との共重合によっ
て 、 ポリオキシエチレン 鎖をグラフト 鎖。 とする交互型Ⅳ - フヱニ ル マレイ ミド一 スチレングラ
フト共重合体を 合成し、 このグラフトボリマーを 用いた改質を 行な
い、
その添加彙の 効果 や
ポリオキシエチレン 含有量の破壊靱性に 与える影響などに 関して検討した。
127
エポキシ樹脂としてビスフェノール A ジグリシジルエーテル
製,エピコート 828"
エ
た。
)
ジャパン エポ キシレジン㈱
% キシ当量 190)(DGEBA) 、 硬化剤として 4,4,- ジ アミノジフェニ ルス
ル ホン ( 東京化成工業社製 )(DDS) 、 改質剤モノマ
本 触媒 社 ㈱ 製
(
ー
、 スチレン (St 関東化学工業社㈱ 製
としては、 Ⅳ- フェニ ル マレイ ミド (PMI
:
日
常法により処理し 減圧蒸留した ) を用い
グラフト鎖を 導入するためのマクロマー 合成では、 ポリエチレングリコールモノメチル
エーテル (Fluka 社製 M"2,000) 、 ㌃タロロメチルスチレン
(
セイミケミカル 社 ㈱ 製 ) を用いた
(Scheme l)o
測定
7.2.2.
硬化物の機械的特性は㈱ 島津製作所 製 オートバラフ AGS-500B 型を用いて測定した。 破壊
靱性試験は ASTME399.
た。
に準じて三点曲げ 試験片を用い、
曲げ試験は JISK7171
に 準じて タ
タ
ロスヘッド速度 lmm/min で行っ
ロスヘッド速度 2mm/min で行った。 樹脂のガラス 転移
温度 (T,)の測定は㈱島津製作所 製示差 走査熱量計 DSC-60 型を用い、 窒素雰囲気 下 10 で /m;n
で 行った。 動的粘弾性分析は S1「ナノテクノロジー㈱ 製 DMS-6100
7mmn で行った。 硬化物破断面のモル
一 ㈱ 製 S-2600
木
コジーは走査型電子顕微鏡 (SEM:
(
日立ハイテクノロジ
:loeV, 厚さ lonm 、 Au 蒸着陣用いて 観察した。
7.2.3. 0 ゆ ・ピニルペンジル・の・メチルポリオキシエチレン
ポリ
型を用い窒素雰囲気 下 5 。C
(VBPEG) の合成
エチレングリコール ) メチルエーテルを 窒素雰囲気 下 、 THF 溶媒 申 、 室温で NaH と反
応 させ、ナトリウムアルコ キシド とした。反応は水素発生が 終了した事を 確認して終点とし、
この系に引き 続き計算 量の p- クロロメチルスチレンを 滴下した。 滴下終了後、 60 。C
させて、 マタロマ一であ
る 0
肛 5hr
ナ ビニルベンジル 小 - メチルポリオキシエチレン (VBPEG)
反応
を得
た (scheme2) 。 以下に典型的な 合成方法を示す。
アリーン冷却 管 、 撹絆 装置を備えた 500m1,4 つ
/
メチルエーテル (M"2,000)
を
ロ
フラスコに、 ポリエチレングリコール モ
609(0.03mol)計量 し 、 200ml
128
の THP
に溶解した。窒素雰囲気 干 、
0
0
皿
A
G
打 =0 、2
H2
N
0:S:0
2N
Ⅱ
es
Ⅱ
◆
。
IA
P
ど
Ⅹ
e
CH2==CH
,@@ @ , CHiCl
O
Ⅱ
2
2C
C
O
3C
Ⅱ
Polyethyleneglycol@methyl@ether
Mn@2,000
a
,p ,VinYbenzyI
,Ctf・ ℡ ethY ,polyoxyethylene
出
の PEG)
129
室温で、 純度 55% の水素化ナトリウム 3.939(実質
0
・
09m01) を少量ずっ加えて 撹 絆し、 水素の
発生が無くなるまで 続けた。 水素の発生が 無くなったことを 確認して、 クロロメチルスチ
ン
ン
22.88 球 0 ュ 5mol) を、 滴下口 一トを 用いて滴下した。 滴下終了後、 60cC /l5hr 反応させた。 反
応 終了後、 系を室温に戻し
酢酸 /THF 溶液を加えた。 沈殿物をデカンテーションにより
取り除
き、 溶液をジエチルエーテル 中に沈殿させ、 吸引 ろ 過により回収した。 回収した固体を 乾燥
後、 THP/ ジ エチルエーテルで 再 沈殿させ、 沈殿した VBPEG
減圧乾燥した。 化学構造は 、 H-NMR
を吸引
ろ
過にて回収し、 室温で
により確認した。
7.2,4, ポリ (JV.フェニ ル マレイ ミド 印仏スチレン ).gm井ポリオキシエチレン (g キ MSE) の合成
ポリ (Ⅳ- フェニ ル マレイ ミドセ几 - スチレン ) 号 ro尹 - ポリオキシエチレン (g-PMSE)
イソ プ チ ロ ニトリルを開始 剤 として、 St
更に St
と
と
VBPEG
アゾ ビス
のモル比を 100/1 または 50 れ, 25 Ⅱとし・
PMI がモル 比 1:1 となる様に仕込み、 アセトン溶媒
、ジカル重合を
は、
中
、 窒素気流下、 6(yCxl5h 、
ラ
行い合成した (Scheme3) 。 典型的な合成方法を 以下に述べる。
アリーン冷却管を 取り付けた姉ロフラスコに、 PMI(34 、 69,0 2mol) 、 St(20 89,0 2mol) 、 VBPEG
・
・
(8.549,4mmol) を計量 し 、 アセトン 400ml を加え、 更に、 開始 剤 AIBN(4mmolN
・
を
加えた。 窒素
ガスを導入しながら 30 分間 撹 絆した。 引き続き、 窒素気流下で 60 で 圧 5 時間でラジカル 重合
を行った。 温度を下げて 重合を停止し、 THF を加えて系を 希釈し、 メタノール中に 投入して
ポリマーを回収した。 得られた白色のポリマーを THF/MeoH
で 再 沈殿し 、 6(「C で 30 時間、
真空下で乾燥 し 、 白色のポリマーを 得た。
7.2.5. ェポ キシ
エポキシ樹脂
DGEBA
の 温度を 120
と グ ラ フ トポ
ちに下げて DDS
を
」
て
g-PMSE
を
14(Nで /2hs+l6C@C/lhで溶解した。 系
l2CNで打 hr で溶解した。 50 C。 に予備加熱したガラス 注 型板に
流延 して 注堅 した。 硬化剤の添加量は、 エポキシ樹脂に 対して化学量論量を 用いた。 硬化 条
件は 120cC/lh+180で 75hs とした。
130
キ
Yield@
(mol)
01)
く皿
く
(%)@
℡ⅠⅡ0 り
PMS/POE
Mw1 , Mi@@
、
(mol/mol)@(104)@(104)
・
NMR@
b)ByGPC(DMF)@
3.5
2.9
8.3
4.9
3.7
0ly( Ⅳ@phe ylma eimider4
エニ
Ⅰ
131
Ⅰサ ・
c)ByDSC@
d)@PoE@Unit@Mn@2000
sty Ⅰ e e).9泡尹 @ oly0 町 ethy ene
ⅠⅠ
正芳
Tgc
㏄)
Ⅲ・2
Ⅰ
a)UnitFatiodetermi Ⅱedbyl
Mw/Mn@
Ⅰ
7.3 。
および
7,3Ⅱ。 ポリ W. フェニ ル マレイミド・の ff。 スチレン ) ち附ガ・ポリオキシエチレン (9.
結果と 佳
ポリ (Ⅳ - フエニルマレイ ミドせ ff-スチレン 沖
で得られた。 Table
l
(POE) 含有量 は、H-NMR
POE+PMS
っ
)
「ぱ
月 - ポリオキシエチレン ( 監 PMSE)
に合成したポリマ 一の性質を示す。
を用 い
㌻ PMSE
は、
高い収率
中のポリオキシエチレン
FOE 申の メ チレン 基 水素と PMS 中の芳香放還水素から [POE/
として求めた。 ガラス転移 点 (Tg)は不明瞭で観測できる 場合と出来ない 場合があ
たが、 観測された系は 170 。C
一
171 でと PMS ぴ 9224C) より低い値となった。
7.3.2. ェ % キ シ
合成した g-PMSE の添加による 改質硬化エポキシ 樹脂の破壊靱性と 曲げ特性の結果を Table
2
明
に示した。 なお、 改質剤添加量は 樹脂全体に対する 重量 % であ る。 未 改質系硬化物は 褐色 透
であ った。 g-PMSE 改質系硬化物は 黄褐色不透明であ った。 g-PMSE-2(Mwg0,000
キシ エチレン鎖の M"2,000 , PMS/POE50/1)
の添加 量を Swt% から 13wt%
と
, ポ
り
オ
増加させて、 破壊
靱性 値と 曲げ特性の関係を 測定した。 ここで、 添加量が lowt% までは、 破壊靱性 値 KIc は 未
改質系の 42% 増加であ り、 曲げ強度低下はあ まり大きくなかった。 13wt% 添加では、 破壊 靱
性値は未 改質系の皿 0% 増加した。 曲げ強度は低下したが、 曲げ弾性率は 未改質系の値をほぼ
維持している (Table 2;No,5
一
N0.6)o POE 含有量が低
チレン鎖の M"2,000 , PMS/POEl00
は
)
80,000 ,ポリオキシェ
い g 守 MSE-l(Mw
の 添加量 る l%t%
から 14wt%
と
lwt% ずつ増加させて、
破壊靱性 値と 曲げ特性の関係を 測定した。 これらの改質剤添加系では 添加量が 12wt% までは、
破壊靱性 値 K,C は 未 改質系の 50% 増加であ りⅡ 4wt% 添加でほ、破壊靱性 値は未 改質系の 155%
と
急激に増加し 、 曲げ強度も大きく 低下した (Table2;No
リ
オキシエチレン 鎖の M"2,000 , PMS/POE
25 Ⅱ )
ユー N0.4) 。 穿 PMSE-3(Mwl80,000
の 添加
量を lowt% から 13wt%
と
改質剤添加系では 添加量が増加するに 従って、破壊靱性 値 K,c は未 改質系の 110%
, ポ
増加させた
一
155% 増加
したが、 曲げ強度ほ大きな 低下を示さず 末 改質系の 70% 程度にとどまった (Table2;
No ュり。
穿 PMSE-3(Mw
l80,000 ,ポリオキシエチレン鎖の M"2,000
132
, PMS/POE
N0.8
一
25 打 ) 添加改質
+一
1@
士0 。 07
25/1
肛mberofspecjme
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5
3.03@ @0.09@
25/1
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3.07@ @0.09@ 5@ 198
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五
ⅡtlⅡuo ℡ s;SI,Sea,and
133
5@ 197@
Ⅰ sla Ⅱ d
丑
gSualevaluatio Ⅱ
,S
系の場合、 P Ⅸ SZnMw371,000
, VPS
添加 ) の改質剤添加系が 、 100%
い
一
含量 30mol%
;lophr 添加 ) や 、 PMS
単独 (
w@397,000;@IQphr
160% の KIc 増加であ ることと比較して 同程度の値を 示して
るが、 曲げ強度は保持されていた。
7.3.3 。
5
F 憶 1 に 、 ㌻ PMSE-l(Mw80,000
,ポリオキシエチレン鎖の M 。 2,000 , PMS/POE
・
量が l0wt%
一
14wt% の場合の破断面の SEM
写真を示す。
㌻ PMSE
l00/1) の添加
改質系硬化物は、 どれも 黄
褐色不透明であ り、 ミクロ 相 分離構造が生成していると 考えられる。 そのモル
l0wt%,12wt
拓 添加系では、 粒子 径が 1 一
B) 、 13wt% 以上では粒子 径が
4
帖m
, PMS/POE
ュ
った 鱒 ㎏ 山 C,D)o g-PMSE-3(M"180,000
増加するに従って、 粒子サイズが
llwt%
に 2 帖m
程度と大きくなり (Fig.2;A,B)
を
1.5 は m 程度の海鳥 型相 分離構造が認められ ( 田 9. ;A,
25/1) の破断面の SEM
lowt%,
と
ロジーは
程度の海烏 型相 分離構造となり 14wt% 添加ではドメイン
の 大きさが大きな 共 連続 相 分離構造であ
,ンエチレン鎖の M"2,000
ホ
0 8
・
,ポリオキ
写真鯉 9.2) では、 改質剤添加量が
テ
はm
程度の海鳥 型相 分離構造から 次第
、 添加量が 13wt% では 25Alm
程度の共連続 相 分離構造
示した (Fig.2;D) 。 界面の状態は、 やや不明瞭であ りマトリックス 樹脂 層 との相互作用が 増
大していると 考えられる。
靱性向上のメカニズムについて
神津の方法 "," により求めたエポキシ 樹脂の溶解性パラメータ (SP)は 22.3(J/cm ザ 但で、PMS
ユニット及びポリオキシエチレンユニットの SP はそれぞれ 26.8(J/c血う
る
Ⅱ
担
、 20.5(J/cⅡP)W
であ
。 エポキシ樹脂とポリオキシエチレンの SP の類似性と、 ポリオキシエチレン 含有量の多 い
g-PMSE-3 の添加量が 12wt% 以上において 共 連続 相 分離構造を示し、 その界面はやや 不明瞭な
境界を呈していることから、 ポリオキシエチレンユニットの 導入により㌻ PMSE
タスとの相互作用が 向上していると 考えられる。 F
Ⅰ
9. 3
に示した PMS
は 、 エポキシマトリッタス 樹脂中における 改質剤の重量 %
ここで PMS
り
を と
の分子量が 130 , 000 では、 粒子サイズが
、 添加 量 lowt
の
の g-PMSE
5
と比較すると 粒子サイズは
134
て トリッ
の改質剤 aophr 添加系
に 換算すると 7wt%
用m
と
添加に相当する。
程度の海鳥 型相 分離構造 鰻 ㎏・3; a)
3
は山程度大きい は憶 l;A,Fig.2;
・
坊
幼
妬
t%
S
135
妬
妬
S
136
S
es
137
軸S
PMS
Polyme め
田打・
MSE(
ア百
且
仮 ,bloc め
g.PMSEQ 畑が,Polymer)
e
王
m %eI0
肪・
0
Ⅱ
Ⅰ
●1
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二
sty Ⅰe Ⅱ e)
polyoxyethylene
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下
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Ⅰ
︶
C
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2
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8
O
O
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@
C
ⅠⅠ
ユⅠ
C
t
a
ⅠⅠ
且
Sc
g
●Ⅰ
且Ⅰ
138
A) 。 また、 PMS
の分子量が 390,000 の場合はドメインサイズが 50
造を示しているが (Fig. 3; b) 、 g-PMSE-3
ズが 25%m
の 13wt%
必
程度の共連続 相 分離 構
m
添加系では、 前者と比較してドメインサイ
程度と小さい (Pig.2;D) 。 分子量の違いはあ るもののポリオキシエチレングラフト
鎖の導入によるマトリックス 樹脂との相互作用は 増加していると 考えられる。田 9.4
に PMS
、
PMSE と㌻ PMSE による改質での 神構造の違いを 模式的に示した。PMSE に比べて g-PMSE で
は、
界面においてポリオキシエチレン 鎖が エポ キシマトリックスとより 強く相互作用できる
構造を有するため、 界面の相互作用が 強くなっていると 結論される。
7-4.
結
PMS 骨格中にポリオキシエチレン (POE) ユニットを導入した PMSE や 、 田 s 比は法を用いて 生
成させる方法での PMSE 生成により前章では 曲げ特性の変化が 少ない硬化物を 得ることが
できた。 グラフト鎖にポリオキシエチレン 鎖を有する g-PMSE の場合には、 靱性向上 は 梅島
型 ミクロ 相 分離構造ではなく 共 連続 型相 分離構造により 発現された。 これは
も
而 ㎡ tu
生成より
分子量が大きいためと 考えられる。 POE ユニットの導入は ェポ キシマトリックスへの 改質
剤 の相客性を向上させ、 添加 量 増加による曲げ
の 導入ほ靱性向上に
強度の低下を 抑制した。 また、 POE ユニット
有効であ った。 これら ほ 、 ポリオキシエチレン 鎖の SP 値 と て トリッタス
樹脂の SP 値を比較することにより 明らかとなった。
7.5 。
R
工
ぢ[
同文
Sun,o.Dang,B.Li,T.Che
Ⅱ,Ⅰ二Wang,H.Lin,Q.Jmn,D.Dm
Ⅱg, カイacro 佛 0l 化 cules,38,5654
(2005)
2.@ Takao@lijima , Norio@Suzuki
3.@ Takao@KJima
, Wakichi@Fukuda
, Storu@Miura , Wakichi@Fukuda
4.
Takao
I 封士 ma,Norio
Suzukj,Wa
5.
Q.Guo,R.Thomann,W.Gronsk
6、
M.Yin,S.Zheng,Macro
良コ
互
, Masao@Tomoi
, Masao@Tomoi
, Eur
ミ
用 oJ. C 尼 m.
の
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ね cu ルJ,35,3133
弗 ys.,206,929(2005)
139
Polym
・
J ,, 31 , 775@(1995)
, J , Appl , Polym , Sci ・, 57 , 819@(1995)
ch Fukuda,MasaoTomoi,Pozym.
,M
・
Ⅰれ
ほ 002)
f.,38,343
(1995)
7,
H.Lu,S.Zheng
ヌ
ソ Po
か m.Sci.,
・
荻
Mijovic , M ,・ Shen ,
g.
R.B.Grubbs,J.M.Dean,M
J
・
タ佛れ B Po
け打篠
Wingヾy, Macromolecules
P んy$.,43,395
, 33 ,
(2005)
5235・
.E.Broz,F,S.Bates,Macromofgcule5,33,9522
10 ・伊藤浩二高分子学会年次大会予稿 葉, 52,67 (2003)
11. 川口正剛,日本接着学会話,
伯 , 443 (2005)
29,204 (1993)
12. 神津 俊直 ,日本接着学会読,
13. 神津 俊直 ,接着,
6,342 (1996)
140
(2000)
章。
総
括
本論文では、 航空機産業で 近年重要な課題となっている「航空機の 大型化に伴う 使用燃料
の 低減によるエネルギーコスト
状 接着剤の省略化
(
削減」という 要望に対して、 軽量化方法の 一つであ るシート
高機能化 ) とマトリックス 樹脂の破壊靱性向上 ( 高性能化 ) という
2
つの観点
から検討を実施した。 緒言でも述べた 様に、 航空機の構造部材に 炭素繊維と八二カムコア
らなる八二カム 部材があ り、 部材製造では、 炭素繊維にエポキシ 樹脂などの
脂を含浸したプリプレバ 部材とノーメックス 八二カム部材 ( ノーメ
ル 樹脂で固めた
ッ
で
か
トリッタス 樹
タス 短 繊維をフ
エ / 一
八二カム部材 ) が、 シート 状 接着剤により 形成されるフィレット (@ille
りと呼ば
れる樹脂の盛り 上がりで接合される。 軽量化のため、 シート 状 接着剤を省略し、 炭素繊維に
含浸されている
マ
トリッタス樹脂が 接着剤としての 役割を果たす
(
自己接着性の 発現 )
;「 と
ができれば、 軽量化に加えて、 製造上の工程の 簡略化や省資源化に 結び付けられる。
そこで、 第
2
章では、 自己接着性の 発現機構に関して 樹脂の表面エネ、ルギ 一の観点から 検
証 を行なった。 一方、 航空機用の
性 が望まれる。 高 弾性率、
で
トリッタス樹脂には、 高 い 弾性率、 高い破壊強度、
高靱
高強度と高靱性とは 相反する特性であ り、 その両立は て トリッタ
ス
樹脂開発の重要な 課題となっている。 この破壊靱性向上と 高い弾性率、 高い破壊靱性向上
に
関しては、 第
リ
ルーブタジエンゴムによる エ ポキシ樹脂の 改質と、熱可塑性樹脂であ るスチレン一仏フエ ニ
3
章から第
7
章までで検討を 行なった。 特に力 ルボキ シル変性アクリロ ニト
ル マレイ ミド 交互共重合体構造とシリコーンやポリエーテルのような
可
とう性部位を 同時に
主鎖 内や側鎖部に 有するブロッタ 共重合体やバラフト 共重合体を用いたエポキシ 樹脂の改質
ほ ついて種々検討し、
高性能・高機能複合材用エポキシ 樹脂の強靱化に 対する設計指針を 得
ることが出来た。 以下に各章ごとの 総括を述べる。
第
1
章では、 航空機の部材特性や 使用部位に関して 概要を述べた。 航空機の構造部材とし
て 使用される炭素繊維と
八二カムコアからなる 八二カム部材が、 シート 状 接着剤を介して プ
リプレバ部材と 八二カム部材を 接合する方法
14
(
Ⅰ
この場合、 接合部分はフィレット (Fillet)
と膏
う
樹脂の盛り上がりにより 接着されている
)
で製造されることについて 述べた。 更に 、 マト
リッタス樹脂として 重要な課題であ る破壊靱性の 向上と高弾性率、 高強度を両立させるため
の方法について、 制御方法やその 物性 値 に関して概要を 述べた。
第
2
章では、 自己接着性を 発現するために、 フィレットがいかに 形成されるかについて 材
料の濡れ性の 観点から検討した。 界面工ネルギーを 測定する際の Wjlhelmy の式を変形した
を使って検証した 結果、 フィレットの 形成は表面工ネルギー
ァ
式
と接触角 臼と 密度のによって
決定される事が 見出された。 また、 充分に樹脂が 供給されれば 最終的な平衡状態においては
形成されるフィレットの 高さは、 樹脂の粘度には 依存せず、 およそ lmm
以上のフィレット 高
さが得られる 事が認められた。 エ ポキシ樹脂を 基本樹脂として 使用する限りは、 表面工 ネ、ル
ギ 一に大きな差がないため、
る
どのようなタイプの 樹脂を使用しても、 フィレットが 形成され
事が結論された。
第
の力
3
章では、 破壊靱性の向上と 高弾性率、 高強度を両立させる 事を目的として、 高分子量
ル ポキ シル変性アクリロニトリルーブタジエンゴム (NBR-COOH)
の添加による 高架橋 密
度のエポ キシマトリックス 樹脂の強靱化を 検討した。 特に、 従来の低分子量の
力
ル ポキ シル
末端アタ リロ ニトリルーブタジエン 液状ゴムでは 靱性の向上が 達成されない 高架橋密度の ェ
ポ キシ樹脂に対して
て 、 NBR-COOH
高分子量のゴムの 少量の添加で 破壊靱性の向上が 達成される理由にっ ぃ
を分画して得た 分子量の異なるゴム 成分の添加により 検討した。 その結果、
分子量の最適 値は Ⅱ 万 および 30 万であ ることを明らかにした。 その場合の神構造は、
では粒子サイズが
ェ
は
m
た 海鳥型の神分離構造を
の 少量の添加で、
の 独立した間を
u 万
程度の単純な 海鳥 型相 分離構造であ り、 30 万では粒子がやや 凝集し
形成し、 どちらの場合においても、 エポキシ樹脂に 対して 5phr 程度
破壊靱性 値 が向上することが 示された。 これは、 破壊の進行が 粒子一粒子
進行するのみではなく、
あ
る程度の凝集があ っても周辺の 変形によるエネル
ギ一 吸収が寄与するためであ る。 しかし・ゴムを 添加したことによる 弾性率の低下が 認めら
れた。
第
4
章では、 ポリ ジ メチルシロキサン と肝 フエニルマレイ ミド一 スチレン交互共重合体か
142
ら
成るマルチブロック 共重合体による 複合材料用エポキシ 樹脂の強靱化を 検討した。 エポキ
、ン 樹脂の破壊靱性の
向上は、 最適な高分子量のゴムの 添加によって 達成されるが、 弾性率の
低下を伴う。 この欠点を解決し、 さらなる破壊靱性の 向上を目的として、 熱可塑性樹脂で
い T ㎡ 224cC)を有する、スチレン一 %
を 検討した。
高
フエニルマレイ ミド 交互共重合体① M 助に着目した 改質
従来の研究において、 PMS による改質では、 改質樹脂が女達 続相 分離構造を有
する時に特異的に 破壊靱性が向上するが、 界面の接着性が 充分でないため 破壊強度が低下す
るという問題があ った。 そこで、 PMS ユニットと低い Tg を有するシリコーン 骨格とからな
る
マルチブロッタ 共重合体 (PMSZ) を合成し、 破壊靱性に対する PMSZ の添加効果を、
一ン 骨格の導入率と PMS 部位の分子量の 関数として検討した。 その結果、 PMS
シリコ
による改質
の場合と同様に、 破壊靱性の向上は 共連続 相 分離構造の発現時に 最良となることと、 その 相
分離構造の周期がシリコーン 骨格の
入 によって、
より微細になることが 示された。 しかし
ながら、 破壊靱性の向上は PMS による改質と 同等かやや良好であ る程度にとどまった。
第
る
5
章では、 ポリオキシエチレン と肝 フエニルマレイ ミド一 スチレン交互共重合体から 成
マルチブロッタ 共重合体による 複合材料用エポキシ 樹脂の強靱化に 関して検討した。 前章
で、 シリコーン骨格の 導入によって、 相 分離構造の周期がより 微細化することが 明らかとな
った 。 さらに破壊靱性を 向上させる目的で、 エポキシ樹脂との 相溶 性に優れるポリオキシ ヱ
チレン鎖を含む PMS
ェポ キシマトリッタス
とのマルチブロック 共重合体 (PMSE) を合成し、 この PMSE 添加による
樹脂の破壊靱性の 向上を検討した。 ポリオキシエチレン 鎖の導入によ
り 共 連続 相 分離構造の界面での マ トリッタスと 改質剤の相互作用の 増大により、 やや曲げ
弾性率と強度の 低下を伴
う
ものの、破壊靱性は未改質樹脂に 比べて最大で 210% 増加すること
が 確認できた。 そのモル ホ ロジーと破壊靱性の 関係をマトリックス 樹脂との 相溶 性の観点 よ
り
考察した。
第
る
6
章では、 ポリオキシエチレン と酵フ ヱニ ル マレイ ミド一 スチレン交互共重合体から 成
マルチブロック 共重合体の肪 situ 生成による酸無水物硬化エポキシ 樹脂の強靱化を 検討し
た。
プリプレバ製造工程上、 樹脂の低粘度化は 重要なポイントであ る。 PMS
143
や PMSE
は高
分子量体であ るため、 エポキシ樹脂系への 添加による粘度上昇が 避けられない。 そこで、
ポ キシマトリッタス
マ
樹脂中で、
ラジカル重合を 行う
血
situ法での改質剤 PMSE
トリッタス樹脂の 強靱化を検討した。 本章ではビスフェノール
エ
の生成による
A 型 エポキシ の酸無水物腰
化物をマトリックスとするモデル 反応での検討を 行った。 開始 剤 には、 前章で相 溶 性に改善
効果が認められたポリオキシエチレン 鎖を含む高分子 アゾ 開始 剤 を用いた。 その結果、 平均
粒子 径がエー
2 ミタ
ロン程度の微粒子が 分散した海一 島 型の相分離構造の 発現が観察され、 破
壊 靱性 値は未 改質系と比較して
180% 向上した。 改質剤系に架橋構造を 導入し、 IPN ( 相互 侵
天網目 ) 構造を形成することでの 改質効果に関しても 検討した。 その結果、 架橋構造の導入
が 、 破壊強度の低下を 低減することが 確認された。
第
7
章では、 ポリオキシエチレンをグラフト 側鎖とする交互型 肝 フェニ ル マレイ ミド一ス
チレングラフト 共重合体による エ ポキシ樹脂の 強靱 化 tこ 関して検討をした。 第
章
4
章から第
6
までで使用したポリオキシエチレンを含むマルチブロック 共重合体はブロッタ 鎖 長などが
異なる共重合体の 混合物であ るため、 改質による 相 構造の発現はさまざまな 高分子の総合的
な 結果として導き 出されている。
従って、 ポリオキシエチレン 鎖と エポキシ樹脂との 相互 作
用も複雑になる。 構造の明確な AB 型ブロック共重合体や
あ
ダ ラフト 型 共重合体による
れば、 改質剤の分子構造と 強靭 化 剤としての性能との 相関がより明解になると 期待される。
ポリオキシエチレン 鎖 部分とエポキシ 樹脂との相互作用を 増大する目的で、
ジ
改質で
ル
ー
の - メチルポリオキシエチレンを 合成し、
これとスチレン、 杵 フ
共重合により 得たポリオキシエチレンをグラフト 鎖 とする PMS
エ ポキシ樹脂の
エ
0
ア ビニルベン
ニルマレイ
ニ ド と
の
グラフト共重合体を 用いた
強靱化を検討した。 強靱化の効果に 関して、 多種類の構造体を 含むマルチ ブ
ロッタ共重合体の 場合と比較、 考察した。
8.2. 今後の展望
ポリオキシエチレン 鎖を含むマルチブロッタ 共重合体での 強靱化でほ、 高分子をあ らかじ
め 合成してトリッタス 樹脂に添加する
劫 s 甜は生成法で、
方法と、
モノマ ーをマ トリッタス樹脂中で 重合する
異なるモルホロ ジ 一によって同じ 程度の強靱化が 達成されることが 示され
144
た
。
添加法と 漉 s 加法での生成するマルチブロッタ 共重合体の違いは、 分子彙の大小であ る
と
予測された。 すな む ち、
あ
らかじめ添加する 方法では分子量 Mw が l00,000以上の高分子量
体 が添加されるため、 相 分離構造は、 共 連続 相 分離構造となり、 破壊靱性が 140% から 210%
向上した。 一方、 伍タ itu 法での生成するマルチブロッタ 共重合体は、 分子
があ まり大きく
はなれず、 そのため、 ちょうど液状ゴムによる 改質で認められる 様な、 海鳥型の神分離構造
を 示し、
破壊靱性
は
160% から 180% 向上した。
海鳥 型相 分離構造の粒子サイズはⅣ
m から 2 は m
程度であ り、 このサイズの 粒子の存在 下
で 破壊靱性 値ふ 。 が 1 、 5 以上となることは 驚くべきことであ る。 これは、 粒子周辺がポリオ キ
、ン エチレン鎖によってエポキシマトリッタス
樹脂 相 ときわめて良く 相互作用し接着している
ことと、 その周辺の塑性変形を 促してせん断バンドを 形成しやすくしているためと 考えられ
る
。 また、 低 分子量であ っても粒子中心を 形成している PMS 分子 は 高い㎏を保有している
ため、 耐熱性を維持できるという 利点も保有している。
これらの結果から、 粒子の中心に 高 い Tg を有し、 その周辺に ェポ キシマトリッタス 相 と良
く
相互作用をして 且つ 可 と
う
性の部位を持たせることができれば、 新たな破壊靱性向上刺
と
しての働きが 期待できる。 伊藤等は、 ポリオキシエチレン 鎖を有するマクロマ 一の研究を進
めているが、 この様なポリオキシエチレン 鎖を含むマクロマーと、 PMS を構成するスチレン
や Ⅳ・置換マレイ ミド 共重合体との 共重合に よ る分散重合により、 サブミクロンサイズの 粒子
を 合成することができる。
この合成法により、 今後の エポ キシマトリッタス 相の強靱化が 達
成 できる可能性が 示されたと考えられる。 (Hg.l)
145
︶
S
肪
の
e"
Ⅰ且
Ⅰ
e
Ⅱ
e
Ⅳ
(・
Y
X
0
y
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y
e
C
ⅠⅠ且
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
@旦
Ⅰ上
臼
146
者の学業業績
論文を構成する 論文
ェ
・武山秀一、 大山俊幸、 飯島孝雄、 友井正男
「自己接着性を
有する高性能複合材料用樹脂の
強靱化」
ネットワークポリマ 二 25,193-198(2004)
2.
晦 iIna,M 、 Tomoi,M.Kato
H.Takeyama,T.oyama,T.
"Toughening@of@ High@ Performance@Epoxy@ Matrix@ Resin@ by@ Modification@ with@ Multi-block
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3. 菅原大 亮 、 武山秀一、 大山俊幸、 飯島孝雄、 友井正男
「スチレン 一 Ⅳ - フエニルマレイ ミド 交互共重合体とポリオキシエチレンから
リマ一の rnsitu 生成による 酸 撫物硬化エポキシ
高分子論文集
成るマルチブロッタ
コポ
樹脂の強靱化」
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その他の論文
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F.Akutsu,H.Takeyama,M.Miura,K.Nagakubo
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, 186,483-492(1985)
ⅩⅡ,M.Ochi,H.Takeyama
"Novel[oisture…urable‘poxy〉esins‖nd》heir…haracterization"
J. 力卍 /.Pofy 加 Sci.,89,91-95 (2003)
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3. 奥平浩之、 紀胡地、 越智光一、 武山秀一
「湿気硬化型エポキシ 樹脂の保存安定性とキャラクタリゼーション」
ネットワークポリマー , 23, 皿 Ⅱ 6(2002)
4, H.Okuhira,T.K Ⅰ,M.Ochi,andH.Takeyama
"Characterization{f‘poxy〉esin”ardening『ith〔etimine〕atent”ardeners"
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c んれ01.,18,205-211(2004)
H.Okuhira,N.Iwamoto,M.ochi,andH.Takeyama
"Novel「rethane/epoxy〉esin”ybrid[aterials「sing‖[oisture
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Phyys.,42,1134-1144(2004)
147
謝
本論文は、 2001 年から 2005 年にかけて、 横浜ゴム株式会社研究本部において「自己接着
性
プリプレ
グ
の開発研究」に 従事し、 その間、 横浜国立大学博士課程後期社会人博士課程に
在籍して指導を 受けた研究を 中心にまとめたものであ り、 この間に多くの 方々に大変お 世話
る
になりました。 本論文は、 横浜国立大学大学院工学研究院の 友井正男教授のご 指導のもとに
ま と め
り
とが出来たものであ り、 同教授より賜った 懇切なるご指導、 ご鞭燵に 対して 心よ
謝意を表します。 特に、 論文をまとめるに 当たっての考察に 対し深い議論をしていただけ
たことは、 本研究が更なる 発展の可能性を 示すことが出来た 点で深く感謝するものであ りま
す。
また、元横浜国立大学大学院工学研究院の 飯島孝雄教授より 賜った 、 熱い 御 指導やご 鞭燵 、
激励に対して 深く感謝
り
たします。 同教授のエポキシ 樹脂研究の第一線で 培われた背景に 基
づく深い 御 指導に感謝いたします。 さらに、 横浜国立大学大学院工学研究院講師、 大山俊幸
博士の若く柔軟な 発想、から頂いたご 助言、 御 指導に対しても 深く感謝 い たします。
本研究の推進に 当たって、 元横浜ゴム株式会社取締役平川 弘 研究本部長、 横浜テクノリサ
一チ 株式会社
岡本和雄社長 ( 元研究本部長 ) 、 横浜ゴム株式会社取締役 MB 管掌溝口登也 ( 元
研究本部長 ) 、 横浜ゴム株式会社研究本部研究部海藤博幸研究部長
(現
知財部長 ) には、 横浜国
五大学博士課程後期博士課程への 就学を許可して 頂き、 数々の 御 指導、
ご 助言を頂き感謝 い
たします。
本研究の遂行に 当たっては、横浜ゴム株式会社研究本部共同研究者であ
る加藤学匠 、 また、
数々の協力を 頂いた宮下直土博士、 川添真幸博士 (Ph.Dり 、 分析・解析に 協力していただ い た
山口真次 氏 、 小林和男氏、 その他多くの 分析・解析グループの 方々 や 、 横浜国立大学大学院
生の菅原大英 氏 および学部
4
年生の田中酒 氏 に感謝 い たします。
最後に本研究を 行なう機会と 設備を提供してくださいました、 横浜ゴム株式会社の 関係各
位 に深く感謝するとともに、 支えてくれた 私の家族であ
る
妻 春美、 娘芽生、 娘由季に深く 感
謝する次第であ ります。
2006 年 3
148
月
武山秀一
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