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第10章 動科学と統合理論 1.フォレット メアリー・パーカー・フォレット
第10章 動科学と統合理論 第 10 章 1.フォレット 1. 行为科学和融合统一理论 芙丽特 玛丽·帕克·芙丽特(Mary Parker Follett) メアリー・パーカー・フォレット(Follett, Mary Parker)は行動科学者ではないが、科学 不是行为科学的学者。但是早在科学管理法广泛 的管理法が広まっていた時代やホーソン実験 传播以及进行霍桑实验的年代里,她就因为提出 が行われた時代にすでに「統合」やモチベーシ 了“融合统一”、激励理论和领导力理论的必要 ョン理論やリーダーシップ論の必要性を説い 性而备受瞩目,其观点对行为科学产生了影响。 た人物として注目され、行動科学に影響を与え た。 (1) 成长历程 (1)生い立ち 彼女は 1868 年にボストンで生まれた。セイ 芙丽特 1868 年生于波士顿,早年就读于塞 アー学院において科学的方法や哲学に関心を 耶学院,对科学方法论和哲学产生了兴趣。在东 もつようになり、東部の名門女子大学として有 部著名的女子大学雷德克利夫学院度过了 6 年 名なラドクリフ大学に6年間在籍し、1890 年 时光之后,1890 年起她前往英国剑桥的纽罕姆 からは、イギリスのケンブリッジ(ニューナム) 学院,进行历史学、法学和政治学方面的学习。 で歴史、法律、政治学を学んだ。 芙丽特早期的研究活动涉及社会的方方面 彼女の初期の関心は社会全般にわたり、著書 も『下院の議長』 (1909)や『新しい国家』 (1920) 面,其著作有《众议院发言人》(1909)和《新 であったが、こうした幅広いバックグラウンド 国家:作为大众政府解决方案的集体组织》 と人間に関する興味が、後の統合主義的な見方 (1920)。丰富的求学经历和对人类自身所抱有 につながる。 的广泛兴趣催生了她后来融合统一主义的观点。 彼女は、ボストンの地域センターや夜間学校 芙丽特曾在波士顿的地区中心和夜校从事 での社会活動から経営問題に取り組むように 社会服务和管理活动方面的工作。1912 年她当 なった。また、1912 年には職業紹介所の委員 上了职业指导中心的委员,之后还出任马萨诸塞 となって職業指導をしたり、その後マサチュー 州最低工资委员会委员。各种各样仲裁交涉的工 セッツ州の最低賃金委員会の委員を務めたが、 作经历也对其融合统一的主张产生了影响。 さまざまな交渉の仲裁を経験したことも彼女 の統合の主張に影響を与えていると思われる。 その後、彼女は、人事管理協会主催の「企業 在从事了一系列公益性社会工作之后,芙丽 管理の科学的基礎」というコースの講師を引き 特接受了人事管理协会的邀请,担任其主办的 受けているが、この時の講演記録が後にメトカ “企业管理的科学基础”讲座的讲师。她这一时 ーフ(Metcalf, H. C.)とアーウィック(Urwick, 期的讲稿后来由梅特卡夫(Metcalf)和厄威克 L. ) に よ っ て 『 組 織 行 動 の 原 理 ( Dynamic (Urwick)进行了编辑,出版了名为《动态管理》 Administration)』という論文集にまとめられ 的论文集。 ている。 1 また、フォレットはイギリスでも活動をして 芙丽特还活跃于大洋彼岸的英国,在那里她 お り 、 女 性 指 導 運 動 ( the girl guide 结 识 了 从 事 女 性 指 导 运 动 ( the girl guide movement)に従事していたキャザリン・ファ movement)的 Catherine 夫人。从 1929 年到 1933 ーズ夫人を知り合いになって、1929 年から 年秋她一直生活在英国,并到牛津做过演讲。晚 1933 年の秋までイギリスで暮らし、オックス 年她回到波士顿,1933 年 12 月去世。 フォードで講演もしている。晩年はボストンに 帰り 1933 年 12 月亡くなっている。 (2) 融合统一的方法解决矛盾 (2)統合による解決 芙丽特认为矛盾(conflict)不是“冲突” フォレットは、対立(conflict)を「戦い」 ” 。一般解决矛盾的方 と考えないで「相違(difference)」ととらえる。 而是“分歧(difference) 法有两种:一是“压制(domination) ” ;二是“妥 一般に、対立は2つの方法で処理される。第一 ”。 は「抑圧(domination)」による方法であり、 协(compromise) 第二は「妥協(compromise)」による方法であ る。 第一の抑圧は、力と支配による方法であり、 压制的方法基于权力和支配关系,一定会形 必ず勝者と敗者を作り出す。第二の妥協は、一 成胜者和败者。妥协的方法看起来民主,实际上 見すると民主的だが、実は両者の犠牲を伴うも 却需要双方各自做出让步,就是说为了达成一致 のであり、何かを放棄することを意味する。そ 双方都要放弃部分主张。因为不满并没有因为双 こでそれぞれ妥協する分だけ不満は解消され 方的妥协而消解,所以将来还可能形成其他形式 ないため将来違う形の対立を生み出す可能性 的对立。 がある。 そこで彼女は「統合(integration)」による 针对以上情况芙丽特提出了第三种解决方 方法を提案する。これは、両者の犠牲を伴わな 法,就是“融合统一”。这种方法使矛盾双方不 い解決方法で、両者が満足するような発明(創 用做出让步就能得到满足。 意工夫)を伴う方法である。 彼女は簡単な例をあげる。ある日、彼女はハ 她举了一个简单的例子。某一天,她和另外 ーヴァード大学図書館の小部屋で二人きりで 一人共处与在哈佛大学图书馆的一间小房子里, いた。彼女は窓を閉めておきたかったが、もう 她想关窗户,而那个人却不同意。其中芙丽特嫌 一人は窓を明けたいといいだした。そこで、二 刮风大;另外那个人想透气。于是两人将隔壁房 人は誰もいない隣の部屋の窓を開けた。これは 间的窗户打开。这样一来双方都获得了满足,而 二人にとって妥協ではなかった。彼女は北風が 且谁也没有做出让步。 吹きつける窓を開けて欲しくなかったのであ り、もう一人は外気を入れたかっただけだった からである。 両者が妥協せずに満足いく新しい方法を創 “融合统一”的方法使矛盾双方不用做出 2 造するのが「統合」だが、そのためには命令す 妥协就能获得满足的。但这就需要改变双方之间 る者とされる者の関係が変わる必要がある。 支配与服从的关系。 (3)命令の非人間化(状況の法則) (3) 命令的去人称化(形势规律) フォレットは、命令を個人的なものから切り 芙丽特主张应该解除命令中包含的人对认 離して、状況の法則に従うようにすべきと主張 的支配关系,使其遵从客观形势的法则。她称之 する。これを彼女は命令の非人間化とよんでい 为命令的去人称化(depersonalizing)。 る。 個人的に命令を受けたと思うと常に命令す 当个人意识到自己接受了命令时,就形成了 る者と服従する者という上下関係ができる。権 支配与服从的上下关系。在权限向高层集中的金 限がトップに集中するピラミッド型の組織で 字塔型的组织中命令被要求服从,其下达的顺序 は、命令は服従を前提として社長→部長→課長 从上到下为社长——部长——科长。这种基于上 →という順番に下ってくるが、このような上下 下关系的命令体系有以下缺点:①让接受命令的 関係を前提とした命令は、①命令を受ける者が 人失去干劲;②引发上司和部下之间的摩擦;③ やる気を失う、②上下間に摩擦が起こる、③仕 即使完成了工作也使人体会不到成就感;④削弱 事を達成する満足感を失う、④責任感を減退さ 了服从命令一方的责任感。 せるなどの不利益を生じる。 これに対して、命令を「状況が求めているも 但是如果把命令的下达理解为是“形势需要 の」と解釈すると、状況という共通の目標にむ “,那么为了应对这样的需要,下达命令的一方 かって命令をする者も受ける者も同じ立場で 和接受命令的一方就能够站在相同的立场上并 取り組むことができる。本当は望んでいるもの 肩努力。即使是自己本来想做的事情(比如说“休 (たとえば「休日を取ること」)でも命令され 假” ),一旦被命令去做时也会感到不情愿。人类 ると嫌なものである。人間は「自己主張の本能」 有“自我主张的本能”和“主观能动性”。那种 や「イニシアチブの本能」をもっているからで 在某人“手底下”做事的想法会减退人的干劲; あり、誰かの「下」でやっているという意識は 而和某人“并肩”努力的想法则会激发干劲。 やる気を減退させるが「一緒になって」やって いるという意識はやる気を増大させる。 芙丽特在管理者培训的课堂上,针对当时管 フォレットは管理者研修などで当時の経営 理者们的烦恼,对自己的主张进行了通俗易懂的 者の悩みに応えて非常に分かりやすい話をし 说明。她的讲解充满金言玉语,甚至还涉及到激 ているが、金言に満ちたもので、モチベーショ 励理论和权变理论,她不愧是一名走在时代之前 ン論や状況論にも言及して時代を先取りした 的学者。 研究者だった。 2.リッカート 2. (1)生い立ち (1) 成长历程 レンシス・リッカート(Likert, Rensis)は、 3 利克特 伦西斯·利克特(Liker,Rensis)生于 1903 1903 年に生まれ、1932 年に統計手法の研究で 年,1932 年因从事统计方法的研究获得哥伦比 コロンビア大学より博士号を授与されている。 亚大学博士学位。这就是作为社会学调查法而闻 名于世的利克特量表。 これはリッカート尺度として社会調査法でも 有名になった方法である。 リッカートは、各種機関・団体の調査部門の 利克特担任了各种机关和团体调查部门的 責任者を歴任した後、1946 年にはミシガン大 负责人,1946 年他在密歇根大学创立了社会调 学に社会調査研究所(ISR=Institute for 查 研 究 所 ( I S R = Institute for Social Social Research)を創設し、この研究所を中 Research),并由此开始了一系列的研究工作。 心に活動を開始した。 このISRは、クルト・レヴィン(Lewin, 1945 年库尔特·勒温(Lewin,Kurt)在麻 Kurt)が 1945 年にマサチューセッツ工科大学 省理工学院设立了团体动力学研究所。ISR是 に設立した集団力学研究所(Group Dynamics 在与团体动力学研究所合并的基础上进行扩充 Research Center)を併合して機能を拡充し行 而建立起来的行为科学研究据点。至 1970 年为 動科学的研究の拠点となった。リッカートは、 止,利克特一直担任该研究所的所长,其间他培 この研究所の所長を 1970 年まで勤め多くの研 养了大批研究人员。这些人也被称为米歇根学 究者を育成したが、同研究所を中心とする研究 派。 者グループをミシガン学派とよぶこともある。 (2) 监管者的分类 (2)監督者の分類 リッカートは 1940 年にプルーデンシャル生 1940 年,利克特曾在 Prudential 人寿保险 命保険会社でホーソン実験と同じような調査 公司进行了与霍桑实验类似的调查研究。与霍桑 を行なった。この調査そのものは、ホーソン実 实验相比,利克特的研究引入了更多计量分析, 験より計量的ではあったものの、基本的には賃 但基本上还是比较工资、待遇等劳动条件和生产 金や待遇など労働条件と生産性の違いを比較 率的不同,其研究结果与霍桑实验也没有太大的 するもので、結論もホーソン実験とあまり変わ 不同。 らなかった。 しかし、リッカートの研究の意義は、職場集 但利克特研究的意义在于他对职场集团中 団のモラール(morale)をモチベーション 的士气(morale)进行了激励(motivation)理 (motivation)の方向でとらえてリーダーシッ 论层面的解释,并将其与领导力论联系在了一 プ論に結びつけたことである。 起。 すでに見たように、ホーソン実験のリレー組 正如我们已经看到的那样,同样是霍桑实 立試験室では、女子従業員が高いモラールを示 验,变压器组装室中的女工们表现出了高昂的士 したが同じホーソン実験でもバンク配線作業 气,但绕线室的男工们却在“不要过分努力”上 観察室の男子従業員は「働き過ぎるな」という 达成了一致。 低いモラールをもっていた。 ホーソン実験では非公式組織に注目するが、 4 霍桑实验着眼于非正式组织,但无论进行多 非公式組織を詳細に調べても非公式組織その 么详尽的调查,从非正式组织本身找不出导致不 ものからはモラールの違いを生む原因は明確 同士气的原因。 になってこない。 ところが、リッカートは、賃金その他の条件 利克特在工资等其他条件都相同的情况下 を同じにして、プルーデンシャル生命保険会社 对 Prudential 人寿保险公司中生产率低的 12 个 における生産性の低い 12 グループと、生産性 小组和生产率高的 12 个小组中的监管者进行了 の高い 12 グループについて監督者の違いを比 比较。这并不是深入非正式组织的内部,而是着 較した。非公式組織の細部へ深入りするのでは 眼于监管者的不同。 なく、監督者の違いに着目したのである。 その結果、生産性の低いグループは「職務中 其结果是:在生产率低的小组中,监管者多 心型の監督者」が多く、生産性の高いグループ 为“工作中心型”;在生产率高的小组中,监管 は「従業員中心型の監督者」が多いことが分か 者多为“员工中心型”。 利克特将研究结果与组 り、これを組織のあり方やリーダーシップのあ 织和领导力的方式联系起来进行了论述。 り方と結びつけて論じた。 詳細については、第16章の「人事管理とリ 有关利克特的研究,在 16 章“领导力论” ーダーシップ論」のところで取り上げるが、結 中还会进行详细地介绍。概括成一句话就是,利 論として、リッカートは、集団参加的リーダー 克特认为采取民主参与型领导方式可以提高成 シップをとることで、従業員のモラールが向上 员的士气。 するとした。 (3) 组织的改善(联结销) (3)組織の改善(連結ピン) リッカートは、集団参加的リーダーシップを 利克特用联结销的概念对采用民主参与型 発揮する組織を連結ピン(linking pin)という 领导方式的组织形态进行了说明。 (图表 10-1) 概念で説明する。 (図表 10-1)複数の集団が重 在民主参与型组织中多个集团交迭在一起。利克 なりあっているのが集団参加型組織であるが、 特认为位于交迭处的人承担着像联结销一样的 作用。 この中で、複数の集団の重なるところに位置す る人物は、重複した集団の要となって連結ピン のような役割を果たすべきとリッカートは主 張する。 たとえば、矢印が始まるところにいる人物 比如,位于图中箭头开始位置的人处于上层 は、上部の三角形で示した集団Aと、下部の三 三角形和下层三角形重叠的地方,起到承上启下 角形で示した集団aの重複したところに位置 的联结销的作用:既要将集团 A 的决定传达到集 しており、集団Aの意思決定を集団aにつな 团 a;又要将集团 a 的意见反馈给集团 A。 げ、集団aの総意を集団Aにつなげていく連結 ピンの役割を担っている。 5 図表 10-1 リッカートの連結ピン(概念図) 图表 10-1 利克特的联结销(概念图) 3.アージリス 3. (1)生い立ち (1) 成长历程 阿吉里斯 クリス・アージリス(Argyris, Chris)は、 克里斯·阿吉里斯(Argyris,Chris)生于 1923 年に生まれ、クラーク大学で心理学を学 1932 年,1947 年获克拉克大学心理学学士, 1949 んで 1947 年に卒業し、1949 年にカンサス大 年他在堪萨斯大学获得经济学硕士学位,1951 学で経済学の修士号を受け、1951 年にはコー 年在康奈尔大学获组织行为学博士学位。 ネル大学で組織行動に関して博士号を得てい る。 その後、フランスのソルボンヌ大学、ドイツ 他曾在法国的索邦大学、德国的莱顿大学、 のライデン大学、イギリスのロンドン大学やケ 英国的伦敦大学和剑桥大学担任讲师,之后来到 ンブリッジ大学で講師を勤めた後、アメリカの 耶鲁大学担任劳使研究中心研究计划部部长,接 エール大学の労使センター研究計画部長を経 着又成为该大学教授。 て教授になった。 長くエール大学で教鞭ととっていたが、 克里斯长期执教于耶鲁大学,1972 年他开 1972 年からハーヴァード大学の教授になっ 始在哈佛大学担任教授。除此之外,他还在 IBM、 た。IBM やプルーデンシャル生命保険会社な Prudential 人寿保险公司等民间企业以及国家 ど民間企業のコンサルタントをつとめたり、国 科学基金会、福特财团等相关机构中从事顾问工 立科学財団やフォード財団その他政府関連の 作。 コンサルタントも行なっている。 (2)パーソナリティの成長VS効率の追求 (2) 个性的成长 VS 效率的追求 アージリス理論の特徴は、個人の欲求と組織 阿吉里斯理论的特征在于,他抓住个人的欲 目的の追求という反する課題をとらえ、個人と 求和组织目标的实现这两个相互冲突的课题,对 組織の葛藤を心理学的に説明すると共に、個人 个人与组织之间的纠葛进行了心理学方面的解 の成長に合わせて組織も変わらなければなら 说。与此同时,他主张组织必须改变自身来顺应 ないと主張したことである。 个人的发展。 イ.パーソナリティの成長 ① アージリスによれば、個人のパーソナリティ 个性的成长 在阿吉里斯看来,人个性的成长就像小孩长 6 大一样从“不成熟”阶段向“成熟”阶段发展。 は子供が成長していくように「未成熟」の段階 から「成熟」の段階へ移行する。具体的には、 具体地说就是: ・幼児のように受動的な状態から成人のよう z 从婴儿的被动状态发展到成人的主动状态; z 从依赖他人发展为相对独立; z 从有限的行为方式发展为多种多样的行为 に能動的な状態へ、 ・他人に依存する状態から比較的自立した状 態へ、 ・単純で数少ない行動から多様な行動へ、 方式; z ・その場の移り気な浅い興味から深い興味 从兴趣经常变化、肤浅短暂发展为兴趣持久 专一; へ、 ・短期的展望から長期的展望へ、 z 从只顾及当前发展为有长远的打算; ・家庭や社会で従属的地位にいることから同 z 从在家庭或社会上处于从属地位发展为与 他人地位平等甚至支配他人 等あるいは上位の地位へ、 z ・自覚の欠如から自覚と自己統制へ 从缺乏自觉发展为自觉自制 这正如草和树木要向上伸展枝叶一样,个体 と成長する。ちょうど草や樹木が空に向かっ 都希望成长为一个健全的人。 て伸びようとするように健全な人間は成長し ようとする。 ② ロ.4つの組織原理 四大组织原则 传统的管理学理论中,正式组织为了追求合 公式組織は、合理性と効率の追求の為に伝統 理性和效率而遵循 4 项“组织原则”。即: 的管理論で述べられている「組織原理」を4つ にしたがう。すなわち、 ・課業の分化(専門化) z 工作内容专业化 ・命令の連鎖 z 等级关系由上到下 ・指令の統一 z 集中统一领导 ・統制範囲の限定 z 限定统制范围 である。これらはテイラーやファヨールの項 就像在介绍泰勒和法约尔时说的那样,总结 目で説明した通りだが、要は専門の仕事を決め 成一句话就是:正式组织要求组织成员在命令系 定められた命令系統のもとで統一した行動を 统的指挥下统一行动来完成专业化的工作。 とるように公式組織では求められるわけであ る。 このように、個人のパーソナリティは受動か 这样一来问题就产生了。一方面,人的个性 7 ら能動、依存から独立、あるいは短視眼的な単 是按照从被动到主动、从依赖到独立、从只顾眼 純行動から長期的展望にたった多様な行動へ 前行为单一到目光长远行为多样的方式进行成 と成長しようとしているのに、公式組織の中で 长的;另一方面,正式组织却强制个人采取被动 は受動的な行動、単純化され短期的展望にたっ 的、单一的和短视的行为方式。于是,个人的欲 た行動を強いられる。そのために、個人の欲求 求与组织的目标之间就产生了矛盾冲突。 と組織の目標の間には葛藤が起きて、不適合が 生じる。 ③ ハ.4つの順応行動 四种应对之策 为了躲避矛盾冲突,个人往往会采取以下 4 この種の不適合を回避するため、人間は主に 种应对方法。 以下の4つの順応行動をとるかそれらを組み 合わせる。 ・葛藤から逃れるために組織を去るか z 为了逃避冲突而离开组织 ・組織のやり方に無理に合わせて昇進するか z 不顾一切地争取升职 ・合理化・投影などの防衛機構*2)を利用す z 运用合理化、投射等心理防卫机制 z 冷漠旁观 るか ・無感動・無関心になるか の4つである。 このような結果、個人は、①会社を辞めてし 这会导致个人①从公司辞职;②只考虑出人 まったり、②出世ばかり考える会社人間になっ 头地;③总是自我安慰;④对于任何事都漠不关 てしまったり、③自分で自分を慰める人間にな 心。这些都与个性成长的方向刚好相反。 ってしまったり、④何事にも関心をもたない人 間になってしまったりする。これは個人の自然 なパーソナリティの成長から見るとマイナス の方向である。 一方、経営者は、こうした順応行動について 另一方面,管理者会负面地看待个人的以上 ネガティブな受け止め方をする。経営者は、従 做法:认为工人们①在工作中拈轻怕重,②事不 業員が①怠け者で②無関心・無感動で③金銭の 关己高高挂起,③明明眼里只有钱④却不努力工 こととなると気ちがいのようになるくせに④ 作,尽生产一些不合格和没有用的产品。 オシャカ(不良品)や屑(無駄)をつくると見 てしまう。 そして、経営者は、こうした怠け、無関心な 于是为了让怠工者认真工作,管理者强化控 どを仕事に向けさせるために、強制的リーダー 制,制定各项制度,采取强硬态度。这非但不能 シップや管理諸制度や人間関係論的な技法を 解决问题反而使矛盾更加激化,使组织更加背离 使うが、その結果、根本的な問題は改善される 追求效率的初衷。 8 どころか増幅され、組織の目標である効率達成 という観点から見るとマイナスの方向むかう ことになる。 以上をまとめたのが、図表 10-2 である。も 在图表 10-2 中把以上内容进行了总结。请 う一度、アージリスが、個人の目標と組織の目 大家回顾一下阿吉里斯是如何通过对比个人和 標を対比して論じているところを確認して欲 组织的目标而进行论述的。 しい。 図表 10-2 個人と組織の葛藤 图表 10-2 个人与组织的纠葛 个人 个性的成长 不成熟 ①被动 ②依赖 ③行为有限 ④兴趣多变 ⑤只顾当前 ⑥地位从属 ⑦缺乏自觉 冲 突 →成熟 → 主动 →独立 →行为多样 →兴趣专一 →立足长远 →地位优越 →自觉自制 正式组织 追求合理性和效率 传统管理 ①工作内容专业化 ②等级关系由上到下 ③集中统一领导 ④限定统制范围 应对之举 个人的 不满 (3)混合モデル ①离开组织 ②一心出人头地 ③进行心理防卫 ④冷漠旁观 组织的 无效率 (3) 混合模型 では、どのようにしたら、個人の成長と組織 那么要怎样做才既能实现个人成长又能提 の効率を両立することができるのであろうか。 高组织的效率呢?关于这一点阿吉里斯用图 アージリスは、この点について図表 10-3 のよ 10-3 所示的混合模型进行了说明。 うな混合モデルを提示する。 このモデルでは、左側の「本質的特性から離 模型左侧是“与本质特性背离”的传统组织 れる」のが伝統的な組織における管理方式であ 中的管理方式。在这样的组织中,由集权部门向 る。このような組織では、部分的な決定が権威 各部门下达命令,整个组织可以看作各部门简单 主義的に伝達され、組織は個別の部署が集まっ 相加所组成的集合体。因此一般成员既无法参与 た加算集合体と考えられている。したがって、 实现内部目标的对内核心活动,也不能对适应外 内部目標の達成など内部志向的な中核活動に 部环境的对外核心活动产生影响。 一般従業員は参加することができない。環境へ の適応という外部志向的中核活動への影響も 不可能である。 これに対して、右側に示した「本質的特性へ 与此相比,右侧的“向本质特征靠拢”的组 向かう」組織では、新しい管理方式が模索され 织中人们可以探寻新的管理方式。这样的组织是 る。この組織では、組織全体が相互に関連する 由各部分有机结合在一起的,成员能够参与到实 有機的な結合がみられ、従業員の組織目標への 现组织目标的活动之中。 参加も可能である。 9 図表 10-3 アージリスの混合モデル 本質的特性から離れる 本質的特性へ向かう 1.単独部分が全体を統制する 全体はあらゆる部分の相互関係を通じて形成 され、統制される 2.組織は諸部分の任意の加算集合であると 認識する 組織を諸部分のまとまったパターンとして認 識する 3.部分に関連ある目的の達成 全体に関連ある目的の達成 4.内部志向的中核活動への影響不可能 内部志向的中核活動への影響が思い通りに可 能 5.外部志向的中核活動への影響不可能 6.中核活動の性質には現在だけが影響する 图表 10-3 阿吉里斯的混合模型 外部志向的中核活動への影響が思い通りに可 能 与本质特征相背离 向本质特征靠拢 1. 单独部门统管组织整体 1. 组织的构成和管理通过所有部门的相互联系 来进行 2. 把组织当作各部门简单相加所组成的集合体 2. 把组织看作各部门的有机结合 3. 各部门实现各自的目标 3. 实现组织整体的目标 4.(成员)无法影响对内核心活动 4.(成员)能够影响对内核心活动 5.(成员)无法影响对外核心活动 5.(成员)能够影响对外核心活动 6. 组织核心活动着眼于现在 6. 组织核心活动着眼于过去、现在和未来 中核活動の性質には過去・現在・未来が影響 する。 4.マズロー 4. 马斯洛 (1)生い立ち (1) 成长历程 アブラハム・マズロー(Maslow, Abraham 亚伯拉罕·马斯洛(Maslow,Abraham H.) H.)は、1908 年にニューヨーク・ブルックリ 1908 年初出生于美国纽约市布鲁克林区 Slam ンのスラム街でロシア系ユダヤ人の家系に生 街的一个俄裔犹太人家庭。因为家里穷,作为兄 まれた。貧しい家の7人兄弟の長男で一時は叔 弟 7 人中长男的马斯洛曾被伯父收养过。当父亲 父の家に引き取られて育てられたこともある。 的集装箱制造公司成长壮大走向正轨之后,全家 父親のコンテナ製造会社が大きくなって商売 从 Slam 街搬到了白人街区,而马斯洛却因此体 が軌道に乗るとスラム街を抜け出して白人街 验到了身为犹太人所受到的歧视。 に移るが、そのためにかえってユダヤ人として の差別を体験したともいわれている。 ニューヨーク市立短大で法律を学ぶが「法律 在纽约市立学院学习法律时,马斯洛感到 は人を悪く見たて、人間の罪悪をとり扱う学 “法律是从人性本恶的角度看待人,研究人类罪 問」と感じて心理学に転向したといわれる。コ 恶的学问”,于是转为学习心理学。经历了在康 ーネル大学を経て 1930 年にウィスコンシン大 乃尔大学的学习之后他来到威斯康星大学,1930 学を卒業、同大学院で「猿の性関係と支配関係 年从那里毕业。接着他进入该大学的研究生院, の特質」について研究し、1934 年に博士号を 从事有关“猿猴性关系和支配关系的特性”的研 取得している。 究,1934 年获得博士学位。 その後、コロンビア大学教育学部の助手とな 之后他成为哥伦比亚大学教育学系的研究 るが、指導教授から与えられたテーマを拒否し 助理,但因为拒绝导师指定的课题最终选择了离 て転出し、14 年間ブルックリン・カレッジで 开。1951 年,在布鲁克林学院执教 14 年之后, 教えた後、1951 年にはボストン郊外にあるユ 他来到位于波士顿郊外的犹太人大学布兰代斯 ダヤ系のブランダイス大学に教授として着任 大学担任教授。 している。 马斯洛称得上是一位总在独自探索的学者。 マズローは常に独自の道を模索し続けた研 究者といえる。心理学にはフロイト(Freud, 心理学中有以弗洛伊德(Freud,S)为代表的精 S.)によって代表させられる精神分析学や、ワ 神分析学派和以华生(Watson,J.B.)为代表行 トソン(Watson, J. B.)らの行動主義理論があ 为主义学派。马斯洛却独树一帜,他的理论被称 るが、マズローの理論は心理学の分野でも独特 为人本主义心理学或“人道主义心理学” 。 10 で「人間主義心理学」や「ヒューマニスティッ ク心理学」とよばれている。 やがて、彼の独創的な理論は心理学会でも認 不久他独创的理论得到美国心理学会的认 められ、1967 年にはアメリカ心理学会の会長 同,他本人也在 1967 年当选为美国心理学会的 にも選ばれているが、晩年は名声に反して孤独 主席。晚年的马斯洛虽然名声大噪,但却生活在 だったといわれる。マズローの考えには自己実 孤独之中。在马斯洛的思想中,对自我实现有着 現への強い執着があり、孤独と引き換えに自己 强烈的执著,也许他正是用孤独作为代价来换取 の研究を深めていったのであろう。1969 年に、 研究上的深入探索。1969 年,他移居加州的门 カリフォルニア州メンローパークに移り、静養 罗帕克,一边静养一边埋头于《人性能达到的境 しながら『人間性の最高価値』などの大著の執 界》等著作的写作,1970 年死于心脏病突发。 筆に専念するが、1970 年心臓発作で亡くなっ ている。 (2) 需求层次论 (2)欲求段階説 马斯洛的心理学之所以被称为“人本主义”, マズローの心理学が「人間主義」とよばれる 理由に、人間を成長する存在であると見ている 理由之一就是他认为人是成长发展的。他的“需 点がある。彼の「欲求段階説」あるいは「欲求 求阶段论”或者称为“需求层次论”正是以人类 階層論」も人間がより高次な欲求に向かって成 为了满足高层次的需求而不断成长为前提的。 長するという前提に立っている。 マズローは、人間の多様な欲求を主に5つの 马斯洛把人类的各种需求划分为 5 个主要 段階に整理し、立体的に位置づけて見せてい 层次,并展示了他们之间的立体位置关系。在图 る。図表 10-4 は、マズローの説を基に、筆者 表 10-4 中,笔者在马斯洛的学说的基础上加入 がコメントを書き込んで修正したものだが、一 了评论,一般都把 5 个层次描绘成金字塔的形 般にも、5つの欲求をこのようなピラミッドに 状。 描くことが多い。 ①生理的欲求(physiological needs)」 ① 生理需求(physiological needs) 如吃饭、排泄、睡眠等与“生存(生命活动) ” 食欲、排泄欲、睡眠の欲求など「生きること (生命の活動)」と直結した欲求。災害や戦争 直接相关的需求。当发生战争和灾害时这些需求 などの時に特に顕著に現われ、他人や社会のこ 表现得尤为明显。处在无暇顾及他人和社会的状 とを配慮するゆとりのない状態の時に多くの 态时,大多人都会表现出生理需求。比如地震发 人々に見られる。たとえば、震災の直後など、 生之后,粮食、厕所和睡觉场所的确保便成了第 一要务,这些都与人的生理需求相对应。 まず食糧やトイレや寝る場所の確保が求めら れるが、それは生理的欲求に対応している。 ②安全の欲求(safety needs) ② 危険や脅威、不安から逃れようとする欲求。 安全需求(safety needs) 躲避危险、威胁和担忧的需求。遭遇灾害之 后,一旦吃饭的问题解决了,大多数人会重建家 災害に遭遇した場合、一応食事が得られ生理的 11 园恢复工作,以寻求物理上的保护(家)和经济 欲求が満足するようになると、多くの人々は家 を建て直したり仕事を軌道に乗せようとする。 上的保障(工作)。这种对于自己人身安全的保 护和对于安定生活的渴望体现了人的安全需求。 外部から身を守る物理的な砦(家)や経済的な 安定(仕事)などを求めるのである。身体的危 険から身を守り、経済的安定を願望することが 安全の欲求である。 ③社会的欲求(social needs) ③ 社交需求(social needs) 集団への帰属や愛情を求める欲求で「愛情と 渴望获得归属感和爱情的需求,也被称作 所属の欲求」あるいは「帰属の欲求」ともいわ “归属与爱的需求”或“归属的需求”。人是社 れる。人間は社会的動物であり孤立して生きる 会动物,在孤立之下无法生存。所以一旦日常生 ことはできない。暮らしが一応軌道に乗り、安 活踏上正轨,安全需求被满足之后,人们便会需 全の欲求が満たされるようになると、人々は仲 求同伴,希望大家承认自己是社会的一分子。阪 間を求め、社会の一員として認めてもらいたい 神大地震的时候,当临时住宅搭建起来生活开始 と願う。阪神・淡路大震災の際も、仮設住宅が 变的安定之后, “孤寡老人”的问题便凸现出来。 整い生活が安定し始めた頃から「孤独な老人」 の問題がクローズアップされた。 ④自我の欲求(egoistic needs) ④ 尊重需求(egoistic needs) 他人から尊敬されたいとか人の注目を得た 渴望获得他人尊重和注目的需求,追求名声 いという欲求で、名声や地位を求める出世欲も 和地位想要出人头地的欲望便属于此。人在孤独 この欲求の一つ。人間は、孤独な時は仲間に受 时希望获得同伴接纳的“社交需求”很强烈,一 け入れてもらいたいという「社会的欲求」が強 旦被满足接下来又想要获得同伴的赞赏。在社交 いが、一旦それが満たされると、今度は、仲間 需求阶段人们渴望获得集体归属感,希望 “自 から偉く思われたいという欲求が出てくる。社 己与大家一样”;到了尊重需求阶段人们希望“自 会的欲求が集団への所属という意味で「同一の 己高出众人一等”。 自分」を求めているのに対して、 「自我の欲求」 は仲間を凌駕して一段「高い自分」を置きたい という欲求に根ざしている。 ⑤ 自 己 実 現 の 欲 求 ( needs for ⑤ self-actualization) 自 我 实 现 的 需 求 ( needs for self-actualization) 各人が自分の世界観や人生観に基づいて自 自我实现是指每个人根据自己的人生观和 分の信じる目標に向かって自分を高めていこ 价值观朝着自己所坚信的目标不断提升自己,包 うとする欲求のことで、潜在的な自分の可能性 括对自己潜能的发掘、自我启发以及对自己创造 の探求や自己啓発、創造性へのチャレンジなど 力的挑战。在“尊重需求”阶段,人们“为了获 を含む。「自我の欲求」は「他人に認めてもら 得他人的认可”努力提升自己。这种不获得别人 う」ために自分を高める努力をするが、他人に 认可“ 自己就不认可自己”的想法还达不到自 認めてもらわなければ「自分をもてない」とい 我实现的高度。到了“自我实现”阶段,人们专 12 うのは自己実現にはならない。「自己実現の欲 注于自己内心的愿望,不论他人如何评价都要实 求」は、自己の内面的な願望を見つめて、他人 现自我。 の評価にかかわらず自己を実現しようという 欲求である。 図表 10-4 マズローの欲求段階説 图表 10-4 马斯洛的需求层次论 自我实现的需求……希望活出自己的精彩 尊重需求……获得他人认可、出人头地 社交需求……跟同伴搞好关系 安全需求……保护自己不受危险 生理需求……食欲、睡眠、性欲等 (3)欲求段階説の特徴 (3) 需求层次论的特征 欲求段階節は、第一に人間が欲望の動物であ 第一,需求层次论以人是“欲望动物”为出 ることを前提にしている。それは、本能論に近 发点。但这并不是说人就像“巴普洛夫的狗”那 いものであるが「パブロフの犬」のように先天 样只会对刺激做出单纯反应。需求层次论认为, 的に刷り込まれたものではなく、本能的欲求を 人一方面出于本能地满足欲望,另一方面也会为 もちながら環境に応じて自己を統制したり学 了适应环境而管理自己并进行学习。 習したりする人間を想定している。 第二に、人間の欲求を立体的かつシンプルに 第二,需求层次论对人的需求进行了立体式 整理している。仏教で百八の煩悩があるとされ 的整理,使各种需求之间的关系一目了然。就像 るように、人間は非常に多様な欲望や欲求をも 佛教中认为人有一百零八种烦恼一样,人的欲望 っているが、マズローのモデルでは、欲求を並 和需求也多种多样。在马斯洛的模型中,需求不 列的に同じレベルで羅列するのではなく、段階 是被并排罗列在一起,而是按层次表现出来。这 を追って現われると考えているのである。これ 正说明了人是成长和发展的,这也是马斯洛的理 は人間の成長や発達を説明する概念であり、こ 论被应用于教育和管理的原因之一。 こに、人間教育や経営管理において彼の理論が 活用される理由の一つがある。 第三に、各欲求が満たされると次の欲求が現 第三,在需求层次论中,当一个需求被满足 われてくるという考え方がある。たとえば、 「生 后下一个需求就会出现。比如“生理需求”中的 理的欲求」として食欲をあげたが、水中にほん 食欲。只是在水中潜上数十秒,与吃饭相比呼吸 の数十秒潜っただけで食事よりも息を吸うこ 就成为最关心的事;而在沙漠中水比食物更为珍 とが最大の関心になるであろうし、砂漠では食 贵。也就是说,如果空气和水变得匮乏,那么对 物よりまず水が貴重になるであろう。つまり、 空气和水的需求就会成为最大的生理需求。 空気や水が欠乏すればそれらを求める欲求が 13 最も大きな生理的欲求になるはずである。 但是当对空气和水的需求被充分满足之后, しかし、空気や水に対する欲求はそれらが充 分満たされると、文字どおり「空気や水のよう 其价值就真的变得 “像空气和水一样”普通而 に」当たり前になって忘れ去られてしまう。同 被人们遗忘。食欲也一样,人在吃饱之后就会忘 じように、食欲もそれが満たされるとそれまで 了之前肚子饿得咕咕叫是什么感觉。 の激しい欲求が忘れ去られる。 同理 “安全需求”被满足之后, “社交需求” 同様に、「安全の欲求」が満たされると「社 会的欲求」が現われる。食うことで精一杯で友 就会显现。为了糊口竭尽全力,对朋友和社会丝 人や社会のことに関心のなかった人も、一応の 毫不关心的人,一旦生活安定下来就会想去结交 暮らしが安定してくると、仲間を作りたくな 朋友。 る。 接着,当这种渴望归属集体的“社交需求” さらに、そのような人間集団への帰属という 「社会的欲求」が満たされると、今度は仲間か 被满足之后,希望被大家认可的“尊重需求”就 ら認められたいという「自我の欲求」が強くな 会变得强烈起来。 ってくるとマズローは考える。 ここには人間の矛盾した性格が描かれてい 在这里人充满矛盾的性格被刻画得淋漓尽 る。人間は安定を得て外へ働きかけを始めるも 致。人获得安定之后就开始以外界为对象积极行 ののようである。自立は依存から生じ、自我は 动。自立产生于依赖,自我产生于归属。就连与 帰属から生まれる。他人の評価と無関係なはず 他人的评价毫无关系的“自我实现的需求”也是 の「自己実現の欲求」ですら、他人に認められ 在希望获得他人认可的“尊重需求”被满足之后 たいという「自我の欲求」の満足に依存してい 才会产生。 る。 (4)欠乏動機と成長動機 (4) 缺乏型动机和成长型动机 イ.欲求段階説への批判 ① 对需求层次论的批判 マズローの欲求段階説には、さまざまな批判 围绕马斯洛的需求层次论产生了各种各样 もある。 「なぜ5つの欲求が選ばれたのか」 「5 的批判。比如“为什么是 5 种需求”, “独立提取 つの欲求を独立に抽出することは困難である」 每种需求很困难”“各种需求是重合在一起的, 「欲求は相互に重なり合っており、必ずしも低 不一定要从低层次需求向高层次需求发展”等 次の欲求から高次の欲求に移行しない」などの 等。 批判である。 针对这些批判,奥尔德弗对需求层次论进行 こうした批判を踏まえて、アルダーファー は、①生理的経済的な「生存(Existence: E) 了改进,发表了 ERG 理论。他把需求划分为①生 欲求」と②人間関係的な「関係(Relationship: 理性和经济性的“生存(Existence:E)需求” 、 R)欲求」と③創造的・生産的な「成長(Growth: ②人际关系性的“关系(Relationship:R)需求” G)欲求」の三つに区分した ERG 理論を発表 以及③创造性和生产性的“成长(Growth:G)需 14 しているが、線引きをどこに置くかという点に 求”。尽管如此,关于在需求之间划分界线的做 おいては依然として議論の余地があろう。 法是否妥当这点依然存在探讨的空间。 たとえば、子供が恐怖を覚えて母親に飛びつ 比如小孩因为感到恐怖而扑向母亲。马斯洛 くような場合、マズロー流にいえば「安全の欲 的理论无法区分这到底是“安全需求”还是“社 求」なのか「愛情と帰属の欲求」なのか充分区 交需求(归属与爱的需求) ” 。奥尔德弗的理论也 別できないし、アルダーファー流にいえば「生 不能明确指出这是“生存需求”还是“关系需求” 。 存欲求」なのか「関係欲求」なのか不明確であ る。 ロ.欠乏動機と成長動機 ② 马斯洛用“缺乏型动机”和“成长型动机” マズローは「欠乏動機」と「成長動機」とい う二つの動機でこれを説明している。 缺乏型动机和成长型动机 来解释这个问题。 欠乏動機とは、「人格内で精神的、身体的に 缺乏型动机是指“精神方面和身体方面产生 欠乏状態が生じ、これを外界の資源によって補 缺乏的状态时,人们需要汲取外界的资源进行补 おうとするはたらき」を意味し、成長動機とは 充”;成长型动机是指“人需要把自己精神世界 「人格に充実したエネルギーを外の対象に向 的能量作用于外界来实现成长”。 け、成長へのステップにしようとする動機」で ある。 欠乏動機は、自動車がガソリンで走るよう 缺乏型动机是指人需要从从外界“索取” , に、人間が外界に「求める」もので、食事、睡 就像汽车靠汽油驱动一样。从“生理需求”阶段 眠といった「生理的欲求」のレベルから、愛情 的吃饭、睡觉,到“社交需求”阶段的爱情,再 のような「社会的欲求」、あるいは名声のよう 到“尊重需求”阶段的名声都属于缺乏型动机。 な「自我の欲求」も含まれる。前出の母親に飛 前面提到的扑向母亲的小孩所表现出来的,就是 びつく子供は安全と愛情を共に求める欠乏動 寻求安全和爱情的缺乏型动机。 機の現われである。 成長動機とは、満ち足りたものを放出する 成长型动机是指人需要进行“给与”将自己 「与える」欲求であり、生産・創造活動などの 蓄积的能量释放出来,进行生产和创造等活动的 「自己実現の欲求」がこれにあたるが、同じ「社 “自我实现的需求”就属于此。同样是“社交需 会的欲求」でも愛情を与える場合には成長動機 求” ,在给与爱情的时候也被划分为成长型动机。 に区分される。 いずれにしても(欲求の段階が実証的にそれ 总之(先不管需求具有阶段性的观点在实证 を証明されるかどうかはともかくとして)マズ 研究中有没有得到证明),马斯洛的需求层次论 ローの欲求段階説は、少なくとも経営学の分野 至少给管理学领域的研究带来了深刻的影响。这 に大きな影響を与えた。それは、次に見るマグ 从下面将要说到的麦格雷戈的 X-Y 理论中就能 レガーのX理論Y理論に典型的に見られる。 看到。 15 5.マグレガー 5. (1)生い立ち (1) 成长历程 ダグラス・マグレガー(McGregor, D.)は、 麦格雷戈 道格拉斯•麦格雷戈(McGregor,D.)1906 1906 年にミシガン州デトロイトに生まれた。 年出生于密歇根州的底特律。其曾祖父约翰·麦 曾祖父ジョン・マグレガーは、スコットランド 格雷戈是苏格兰长老会的牧师。其祖父在俄亥俄 長老派の牧師であり、祖父はオハイオで浮浪者 为流浪者建立了收容所,后来发展成慈善事业团 のための施設を作っている。これが慈善事業を 体——麦格雷戈协会,道格拉斯•麦格雷戈的父 行なうマグレガー協会という団体に発展し、ダ 亲还于 1915 年出任协会的理事长。 クラス・マグレガーの父親も 1915 年にマグレ ガー協会の理事になっている。 彼の家では毎晩礼拝が行なわれ、父親がオル 麦格雷戈的家里每晚都进行礼拜,父亲弹风 ガンをひき、母親が讃美歌を歌い、彼も伴奏を 琴,母亲唱赞美诗,麦格雷戈也进行伴奏。他从 したり、幼い頃から恵まれない人々に食事や宿 小就帮助家人给那些穷苦的人们提供食宿。麦格 を与える仕事の事務を手伝った。マグレガーの 雷戈的 Y 理论就建立在他对人类深深的信赖之 Y理論には人間に対する深い信頼がベースに 上,这与他养育在慈善精神代代相传的宗教世家 なっているが、それは、彼が宗教的で慈善精神 不无关系。 の継承された家系に育ったことと結びつく。 1926 年麦格雷戈成为底特律石油制品销售 彼は、1926 年にはデトロイトの石油製品販 売会社のマネージャーになったことがあるが、 公司的管理人员。作为学者,1935 年在取得哈 学究派で、1935 年にハーヴァード大学で博士 佛大学博士学位的同时他成为该大学社会心理 号を取得すると同時に同大学社会心理学講師 学讲师。1937 年至 1948 年期间,他在麻省理工 になり、1937 年から 1948 年までマサチュー 大学任教,担任心理学教授和产业关系学系的系 セッツ工科大学(MIT)で心理学の教授および 主任。1948 年他当上了安蒂奥克学院的院长, 産業関係学部の学部長をつとめている。1948 1954 年回到麻省理工大学的管理学院,1964 年 年にはアンチオーク大学学長となるが、1954 去世。 年に MIT の経営学部に戻っている。1964 年に 亡くなっている。 (2)伝統的管理への批判 (2) 对传统管理的批判 マグレガーは、伝統的な管理方法を批判す 麦格雷戈对传统管理方法进行了批判。在他 る。本当の「科学的管理」は自然科学がそうで 看来真正的“科学管理”是像自然科学那样“遵 あるように「自然法則に従う」ことで、不自然 从自然法则”的,不自然的管理就是对法则的违 なことは法則に反する。ちょうど「水を高い方 反。正如“挖掘沟渠让水流向高处”只会徒劳无 に流そうとして溝を掘る」ことが無駄なよう 功一样,“让他人按照自己的想法去行动”的做 に、「人間を思いのままに動かそうとする」こ 法本身就是违反自然法则的。 と自体が自然法則に反している。 16 統制とは「相手の人間性を自分の望みに合わ 统制“并不是让对方来适应自己,而是自己 せるのではなく、自分のほうが相手の人間性に 去适应对方” 。如果员工没有按自己的意志行动, 合わせたやり方をすること」であり、自分の意 其原因大多出在自己身上。 のままに従業員が動かなかった場合、その原因 は自分にあることが多い。 伝統的な管理原則は、規律を重んじる組織 传统的管理原则脱生于注重纪律的组织(军 (軍隊やカトリック教会)をモデルに生まれた 队以及天主教教会),但在企业中更加自由的管 のであって、企業ではもっと自由な管理が必要 理是必要的。命令一元化的原则不是绝对的。实 である。命令一元化の原則も絶対ではなく、実 际上人们在企业中从事的是复杂的工作,所以与 際に企業で複雑な仕事をするためには複数の 多个上司有关联也是理所当然的。 上司と関係するのが当然である。 権限についても同様で、軍隊のように上官と 有关权力也一样。如果是军队中那样的上下 部下という依存関係にある時には権限に頼る 级关系,那么依靠权力是行得通的。但在企业中, こともできるが、企業では「人の上にそびえる “既没有凌驾于众人之上的权力之源”,也没有 権限の源」もなければ、個人的目標を犠牲にし 合理根据让员工牺牲其个人目标为企业鞠躬尽 てまでも会社のために尽くしてもらう合理的 瘁。在企业中管理者的存在有赖于员工的存在, 根拠もない。経営者は従業員あっての経営者で 就像员工之依赖于管理者一样。 あり、従業員が経営者を頼りにしているのと同 じ関係にある。 したがって、「完全依存関係」→「部分依存 所以从“完全依存关系”到“部分依存关系” 関係」→「相互依存関係」と依存関係が相互依 再到“相互依存关系”,随着依存关系向“相互 存に移行するにしたがって権限に頼る度合い 依存”过渡,有必要减少对权力的依靠。在部下 も小さくする必要がある。部下の上司への依存 对上司的依存度属于“部分依存关系”的组织中, 度は「部分依存関係」にあり、権限はある程度 权力在一定程度上是有效的。即便如此,作为让 は有効だが「説得や専門的な支援」の方が権限 人行动起来的手段,“劝导和专门性的支援”还 を強制的に行使するより人を動かす手段とし 是比强制使用权力要有效的多。(图表 10-5) て優れている。(図表 10-5) 能 够 依 靠 权 力 实 施 管 理 的 程 度 当今美国企业中 部下对上司的依存度 完全依存 部分依存 相互依存 图表 10-5 麦格雷戈的依存度曲线 表 10-5 マグレガーの依存度曲線 17 (3) X 理论 (3)X理論 なぜ伝統的管理は命令や統制や権限を重視 传统的管理为什么重视命令、统制和权力 するのであろうか。それは「X理論」とよべる 呢?这是因为存在“有关命令和统制的传统见 ような「命令統制に関する伝統的見解」がある 解”,可以称之为“X 理论”。这里的“X”只是 からである。もちろん、この「X」は単なる符 单纯的符号,与接下来麦格雷戈称为“Y 理论” 合で、その次にマグレガーが「Y理論」とよぶ 的“新管理法”相对照。“X 理论”建立在以下 「新しい管理」との対照でつけた名称である。 人类观上。 「X理論」は以下のような人間観に立ってい る。(図表 10-6) z ・普通の人間は生来仕事が嫌いで、できれば 普通人生来厌恶工作,他们尽可能地逃避工 作。 仕事はしたくないと思っている。 z ・仕事が嫌いだから、強制・統制・命令され 因为厌恶工作,所以如果不被强制、统制和 命令,或者不受到处罚的威胁,人就不会工 たり、処罰や脅しを受けなければ働かない。 作。 z ・普通の人間は命令される方が楽で、責任は 普通人宁可接受别人命令也不愿意自己主 とらずに済む方がよく、野心はもたず、安全を 动承担责任。他们没有雄心壮志,把安全看 望む。 得很重要。 麦格雷戈认为“X 理论”明显是“旧的人类 しかし、マグレガーはこのような「X理論」 が「古い人間観」であることがはっきりしてき 观”。他引用马斯洛的需求层次论对其进行了说 たと主張する。そしてその理由をマズローの欲 明。 求段階説を引用して説明する。 マグレガーによれば、人間は絶えず欲求をも 按照麦格雷戈的说法,人类是不断想要满足 つ動物である。これはマズローの本能論的見解 需求的动物。这与马斯洛的本能论相一致。接下 と一致するが、さらにマグレガーは、以下のよ 来,麦格雷戈用需求层次论对传统的管理进行了 うに伝統的管理とマズローの欲求段階説を結 说明。 びつける。 ①生理的欲求の段階:パンを食べることが重 ① 生理需求阶段:人们关心能否吃上面包,所 以激发经济动机的计件工资得以顺利实行。 要であり、経済的な動機を刺激する出来高払い の賃金制度などがうまくいく。 ②安全の欲求:経営者のわがままなやり方や ② 安全需求阶段:经营者由着性子的管理和偏 えこひいきのような差別待遇は脅威であるか 袒歧视的做法造成了威胁,所以行之有效的 ら、この段階では「公平な機会」を与えるよう 是给予“公平机会”的管理。 な管理が有効である。 18 ③社会的欲求:人間関係を重視した管理が必 ③ 要。 要である。 ④自我の欲求:従来の伝統的管理では充分満 社交需求阶段:重视人际关系的管理显得必 ④ 尊重需求阶段:人们的尊重需求在以前的传 たされない。誰もが高い地位や名声を得ること 统管理中得不到充分满足。在组织中很难让 は組織の中では困難であり、地位を求める「自 所有人都获得更高的地位和名声,大多数员 我の欲求」は大多数の(特に大量生産を行なう 工(特别是从事大量生产的基层员工)无法 低い階層にある)従業員には満たされないもの 满足其追求地位的“尊重需求”。 だからである。 ⑤自己実現の欲求:伝統的管理のもとでは満 ⑤ 自我实现阶段:在传统管理之下无法满足。 たされない。創造性や自己啓発を行ないたいと 在组织的制约之下,个人无法实现其进行创 いう個人的願望は組織の制約の中では実現し 造性活动和自我启发的愿望。 ないものだからである。 (4)Y理論 (4) Y 理论 衣食足りて礼節を知るように経済的に安定 仓廪实则知礼节,衣食足则知荣辱。当人们 してくると人々は知識欲や創造的な欲求が旺 获得经济上的安定后,求知欲和创造欲就变得旺 盛になってくる。高学歴化はその一つの現象か 盛起来。高学历化也许正反映了这一现象。那么 も知れない。では、より高度な欲求の芽生えた 当萌发这样高度需求的人越来越多时,应该实施 人々が多くなった場合にはどのような管理方 怎样的管理呢? 法が適しているのであろうか。 マグレガーはそのような新しい管理方法は 新的管理方法的理论基础是,管理要实现 「従業員個々人の目標と企業目標の統合」をめ “员工个人目标和企业目标的统一”。麦格雷戈 ざす理論に基づいたものであるとして、その理 将这个理论称为“Y 理论” 。 “Y 理论”所立足的 論を「Y理論」とよぶ。この「Y理論」は以下 人类观如下。 (图表 10-6) のような人間観に立脚している。 (図表 10-6) ・人間は生まれつき仕事をすることをいとわ z 是满足产生的源泉。 ない。仕事は条件次第で満足の源になる。 ・進んで働きたいと思う人間には統制や命令 人生来并不厌恶工作。在适当的条件下工作 z 对于主动工作的人统制和命令不起作用。 は役にたたない。 ・進んで働く人間は責任も積極的にとるし、 z 主动工作的人会积极承担责任,并在解决问 题时发挥创造性。 創意工夫をして問題を解決する。 こうした人間観にたってマグレガーは新し 基于这样的人类观麦格雷戈立提出了新的 い管理方法を提案する。それは「管理能力の向 管理法。新管理法尝试“把管理能力的提高与员 上と、自我の欲求や自己実現の欲求の満足を結 工的尊重需求和自我实现的需求相结合”;要求 19 合させようとする」試みであり、職務要件や目 管理者和员工一起确定业务内容和目标,评定管 標設定、管理方法や業績評定を管理者と従業員 理方法和工作业绩。 が一体となって行なうことである。 这与一般被称为目标管理(Management by こ れ は 一 般 に 「 目 標 に よ る 管 理 (Management by Objective = MBO)」とよば Objective=MBO)的管理方法相近。“目标管理” れる管理方法に近い。「目標による管理」はド 是德鲁克在《管理实践》一书中提出的,即从高 ラッカーが『現代の経営』で述べたもので、ト 层管理者到现场从业人员所有人一起参与,自主 ップから現場従業員までが参加して自主的に 确定工作目标,并对业绩进行自我评价的做法。 目標を定め、業績についても自己評価を加えて いくやり方である。 在管理学诞生之初,经济上并不富足的工人 経営学が誕生した頃には、経済的にも恵まれ ず従業員は「まずはパンを求めた」のであり、 们“首先要吃上面包”,接着要确保“安全需求” 成り行き経営によって差別待遇を受けること 的满足,即在经验式管理下确保自己不受歧视。 から逃れる「安全の欲求」をもっていた。その 在这个阶段,像泰勒的科学管理法那样追求业绩 頃には、テイラーの科学的管理法のような業績 主义的管理方法是有效的。这种对业绩进行准确 主義的な管理法式が有効であった。これは、業 评价的管理法被称为硬管理(严格管理) 。 績をきっちり評価するハード・マネジメント (厳しい管理)とよべる。 テイラー的な工場管理はフォードシステム 泰勒式的工厂管理带来了社会财富(如福特 の成功のように社会的な冨をもたらした。とこ 制的成功)。但当社会财富的增加使个人生活变 ろが、社会的な冨によって個人の生活が安定す 得安定时,跟同伴友好相处的“社交需求”便凸 ると仲間とうまくやりたいという「社会的欲 现出来。于是人们寻找能够应对这种需求新管理 求」が大きくなる。そこで、この欲求に応える 法。 別の管理方法が求められる。 梅奥的霍桑试验正是在这一时期开展的,基 メイヨーらのホーソン実験が行なわれた頃 がまさにその時期で、人間関係論的な管理方式 于人际关系论的管理方式也变得引人注目起来。 が脚光をあびるようになる。この管理方式は、 新的管理方式重视员工之间人际关系和同伴集 従業員の人間関係や仲間集団である非公式組 团这样的非正式组织,被称为软管理(宽松管 織を重視するソフト・マネジメント(甘い管理) 理)。 とよべる。 ところが、人間関係がうまくいって、わきあ 尽管人际关系处理好了,职场的气氛也变得 いあいな職場ができたとしても、人間は「社会 和睦了,但只靠“社交需求”的实现人是不会感 的欲求」だけでは満足できない。職場は同好会 到满足的。因为职场毕竟不是爱好者俱乐部。 のような場ではないからである。 想要“自我实现”的人会自己主动开展工作。 そこで自分が自ら進んで仕事に取り組む「自 己実現の欲求」のような高次の欲求をもつ人間 当这样的人越来越多时,不管是硬管理也好还是 20 软管理也好都没有什么效果。 が増えてくるが、そうなると、従来のようなハ ード・マネジメントもソフト・マネジメントも あまり効果がなくなる。 そこで、自ら進んで働く「Y理論」の人間観 “Y 理论”认为人会主动工作,基于这样的 にたって、自主的に目標を定め、自分で業績も 人类观,麦格雷戈主张有必要实行让员工自主确 評価するような管理方式が必要だとマグレガ 定目标并对业绩进行自我评价的管理方式。(图 ーは主張するのである。(図表 10-6) 表 10-6) 図表 10-6 マグレガーのX理論とY理論 图表 10-6 麦格雷戈的 X 理论和 Y 理论 X理论 人生来喜欢工作 不被命令也会主动工作 发挥创造力设法解决问题 对自己的工作积极承担责任 传统管理(背后是对人的不信任) 管 y硬管理(严格管理) 理 y软管理(宽松管理) 法 y软硬结合(萝卜加大棒) 目标管理(建立在信赖之上) y自主设定目标 y自我管理 y自我启发 以生理需求、安全需求和社交需 其 求的满足为中心 他 科学管理法和人际关系论的前提 以尊重需求和自我实现的需求为 中心 业绩主义和人本主义的结合 6.ハーズバーグ 6. (1)生い立ち (1) 成长历程 フレデリック・ハーズバーグ(Herzberg, F.) は、1923 年にユダヤ系アメリカ人の貧しい家 Y理论 人生来厌恶工作 人 不被强制和命令就不会工作 类 宁可接受别人命令 观 不愿意动承担责任 赫茨伯格 弗雷德里克•赫茨伯格(Herzberg,F.)1923 年出生于一个贫穷的犹太裔美国人家庭中。从纽 に生まれた。ニューヨーク市立大学を卒業後、 约市立大学毕业之后,1950 年他获得匹兹堡大 1950 年にはピッツバーグ大学で心理学の博士 学的心理学博士学位。在担任了匹兹堡大学的助 号を取得、同大学の助手、講師を経て、ピッツ 教和讲师之后,他进入匹兹堡市精神卫生局担任 バーグ市精神衛生局の調査主任をつとめた。 调查主任。 1957 年にはウェスタン・リザーブ大学の教 1957 年 他 成 为 了 西 储 大 学 ( Western 授となり、同大学の学部長もつとめ、1964 年 Reserve University)的教授,并担任该大学的 にはフィンランドに留学している。1970 年に 系主任,1964 年前往芬兰留学。1970 年他成为 はアメリカのユタ大学の教授になっている。マ 犹他大学的教授。马斯洛也是犹太裔美国人,赫 ズローもユダヤ系アメリカ人だが、ハーズバー 茨伯格便受到马斯洛的影响,而他自己的理论中 グもマズローの影響を受け、独自の理論でも 也带有犹太教的色彩,比如他对比了“亚当和亚 「アダムとアブラハム」を対比しているように 伯拉罕”。 ユダヤ的な色彩を残している。 (2)人間観(アダムとアブラハム) (2) 人类观(亚当和亚伯拉罕) ハーズバーグは、制度はその背後に神話をも 赫茨伯格认为制度背后一定隐含着其神话 たなければならないという。そして、人間に関 意义。他列举了圣经中代表神对人看法的两个形 する神の重要な二つの解釈として旧約聖書に 象——亚当和亚伯拉罕。 21 登場するアダムとアブラハムをあげる。 日本人にとっては「アダムとアブラハム」の 说起“亚当和亚伯拉罕”的对比,对日本人 対比はあまりピンとこないかもしれないが、聖 来说也许不能立刻领会。但对于把圣经当做身边 書が身近なキリスト教文化圏の人々にとって 之物的基督教文化圈的人来说,“亚当和亚伯拉 は「アダムとアブラハム」はよく知られた人物 罕”是非常熟悉的人物形象。 像である。 アダムは最初に神が創造した人間である。と 亚当是神最先创造的人。但直到偷食禁果为 ころが、アダムは禁断の果実を食べるまで知識 止他都没有智慧,只有当吃下禁果之后他才发觉 をもたなかった。知識の実を食べてしまった時 “自己是赤裸的”。亚当也因为偷食禁果之罪被 に初めて「自分が裸であることを知った」から 逐出了伊甸园。 である。そして、アダムはその罪によってエデ ンの園から追放される。 ハーズバーグは、この神話から、知識をもた 从这个神话中赫茨伯格把没有智慧的亚当 ないアダム的人間像を人間の動物的な側面と 的形象理解为人类动物性的一面。同时,他看到 とらえる。そして堕落して追放されるという 人因为堕落遭到放逐这种“因罪受罚”的因果联 「罪に対する罰」の構図を読み取り、基本的な 系,认为动机形成的基本因素来自人们“对痛苦 動機づけを「痛みの回避」と考える。 的躲避”。 亚伯拉罕与亚当形成对比。旧约中这样记 一方、アブラハムはアダムとは対照的であ る。主なる神はアブラハムをよび「あなたと契 载,神唤来亚伯拉罕并对他说“我与你定下约定, 約を結び、あなたを大いにふやすであろう」と 必使你的后裔极其繁多”,在这里亚伯拉罕是被 述べたと旧約聖書にある。アブラハムは神によ 神选中的人。 って選ばれた人間像である。 在之后的 “摩西十诫”中也能看到,被神 これは、その後のモーゼによる「十戒の契約」 にも見られることだが、神によって選ばれた人 选中的都是具有潜能且能够自律的人,他们通过 間は有能で潜在能力をもち自分を律すること 精神上的成长去实现自己的潜能。也就是说他们 ができる存在であり、精神的成長によって潜在 都怀有“追求成长”的冲动(动机)。赫茨伯格 能力を実現しようとする。つまり、「成長の追 把人的这一侧面理解为亚伯拉罕式的人类形象。 求」という衝動(動機づけ)をもっている。こ のような人間の側面をハーズバーグはアブラ ハム的人間像と考えた。 この二人の対比はキリスト教文化圏におけ 两种形象的对比反映了基督教文化圈中的 る根本的な命題と結びつく。はたして人間は罪 一个根本命题。人类到底是罪孽深重的罪人还是 深い者であろうか、それとも万物の霊長であろ 万物灵长?神到底是高高在上令人诚惶诚恐的 うか。はたして神は遠い存在で恐れ多いもので 存在呢,还是内在于人自己?很明显前者的宗教 あろうか、それとも自己に内在しているもので 观是亚当式的,而后者是亚伯拉罕式的。 あろうか。いうまでもなく、前者はアダム的で 22 後者はアブラハム的な宗教観である。 (3)動機づけー衛生理論 (3) 双因素理论 ハーズバーグはピッツバーグ市内の技師と 赫茨伯格在匹兹堡市内组织了 203 名技师 会計士 203 名と面接して「例外的に良いと感じ 和会计参加面试,首先让他们说出工作中 “感 たこと」を思い出してもらい、次に「嫌な気分 到特别愉快的经历”,接着又询问了让他们“感 になった事例」を尋ねて、500 例近い体験談を 到不愉快的事情” 。就这样赫茨伯格收集了近 500 集め、それを分析した。 份谈话记录,并对其进行了分析。 その結果、彼は職務満足の要因と職務不満の 通过分析他得出结论:使人们对工作感到满 要因が別であるという結論を得た。そして、職 足的因素和导致不满的因素是不同类型的。使人 務満足を与える要因を「動機づけ要因」、職務 们对工作感到满足的因素他称之为激励因素,导 不満を与える要因を「衛生要因」と名付けた。 致不满的因素称为卫生因素。“激励”使人们朝 「動機づけ」という言葉は自己実現に向かう概 着自我实现的目标在工作中不断努力,从而带来 念で「職務満足」を導く要因である。一方、 「衛 “对工作的满足感” 。另一方面, “卫生因素”中 生要因」の「衛生」という言葉は保健衛生の衛 的“卫生”来自于卫生保健中卫生一词的含义。 生から出ている。我々は、衛生状態が悪いと病 当卫生状况恶化时人就容易生病,但无论卫生状 気になり易いが、どんなに衛生状態を良くして 况有多么好,清洁的环境本身并不能直接提高人 も清潔だけでは健康にはならない。衛生要因は 的健康水平。卫生因素有预疾病的必要条件但不 病気を防ぐ必要条件だが充分条件ではない。 是充分条件。 ハーズバーグはそのことを初めて自転車に 赫茨伯格用小孩学骑自行车的例子来说明 乗る子供を例に説明している。子供が初めて自 这个道理。当小孩想要学骑自行车时,父母便为 転車に乗ろうとする時に両親は安全な道路を 其选了安全的道路。这对于小孩来说只是卫生因 選んであげるが、それは子供にとって衛生要因 素,因为如果父母不给小孩买自己行车,小孩就 でしかなく、自転車を与えてあげなければ子供 学不了。 は自転車に乗ることを学べない。 ケガをして苦心して学ぶ「課業」を与えるこ 要完成学自行车的“任务”就要忍受摔伤竭 尽全力,这就激发了小孩的创造性。赫茨伯格认 とで創造性が生まれるのである。この「仕事そ 为“工作本身”和竭尽全力终获成功的“成就感” のもの」や苦心して成し遂げる「達成感」こそ 才是让小孩感受到骑车乐趣“激励因素” 。 が自転車に乗る喜びを実感させる「動機づけ要 因」だと彼はいう。 ハーズバーグは国の内外で同様の調査を行 赫茨伯格又在国内外进行了同样的调查,得 ない、 「良い体験(職務満足)」に結びつく「動 出了以下结论:能够带来“愉快体验(对工作感 機づけ要因」は、①達成感、②承認、③仕事そ 到满足)”的“激励因素”有①成就感、②认可、 のもの、④昇進、⑤成長、などのように職務の ③工作任务、④升迁、⑤成长等这些与工作内容 内容と直結していることを確認した。「嫌な体 直接相关的要素;导致“不愉快体验(对工作感 験(職務不満)」に結びつく「衛生要因」とし 到不满)”的“卫生因素”有①公司的政策和运 23 ては、①会社の政策・運営、②監督技術、③給 营、②监管手段、③工资、④人际关系、⑤作业 与、④対人関係、⑤作業条件など職務の周辺に 条件等与工作本身并不直接相关的要素。 あるものと結論づけた。 赫茨伯格还把“卫生因素”和“激励因素” さらに、ハーズバーグは、 「衛生要因」と「動 機づけ要因」を、上記のアダム的人間観とアブ 与前面提到的亚当和亚伯拉罕两种人类观联系 ラハム的人間観の対比と結びつけて説明する。 起来进行说明。 亚当式的人 “躲避痛苦”。 对于员工本人 アダム的な本性は「痛みの回避」である。 「衛 “卫生因素”所提到的公司的政策和监管、 生要因」としてあげた会社の政策や監督、給与、 来说, 対人関係、作業条件などは、本人にとって外部 工资、人际关系以及作业条件等都属于外部环 にある環境であり、痛みの対象である。だから、 境,是引发痛苦的原因。所以,尽可能改善作业 そのような環境条件をできるだけ緩和して働 条件,创造良好的工作环境就显得很重要。 きやすい環境をつくることが重要である。 これに対して、アブラハム的人間の本性は 与此相对亚伯拉罕式的人 “追求成长” 。无 「成長の追求」である。どんなに環境を整えて 论环境多么舒适,如果工作本身没有趣,亚伯拉 も仕事自体が面白いものでなければアブラハ 罕式的特性就得不到满足。因此对于亚伯拉罕式 ム的特性は満足されない。したがって、達成感 的人来说,成就感的获得、别人的认可以及升迁 を得られることや、承認されるもの、昇進や成 和成长的机会就成为“激励因素” 。 (图表 10-7) 長につながるものが「動機づけ要因」となるわ けである。(図表 10-7) ハーズバーグによれば、伝統的な管理方法 在赫茨伯格看来,传统管理法关注的只是管 は、管理技術や給与や対人関係や作業条件など 理手段、工资、人际关系、作业条件等与工作本 仕事の周辺ばかりを論じただけで「衛生要因」 身不直接相关的“卫生因素”,这些都不是真正 でしかなく、本当の「動機づけ要因」にはなっ 的“激励因素”。 ていなかった。 赫茨伯格的这个主张与麦格雷戈在“X 理 これがハーズバーグの主張であるが、この批 判はマグレガーが「X理論・Y理論」で伝統的 论·Y 理论”中对传统管理法的批判相通。 管理方法を批判したことと共通している。 ハーズバーグのアダム的人間とアブラハム 另外,赫茨伯格对比了亚当式的人和亚伯拉 的人間の対比は、マズローの欠乏動機と成長動 罕式的人;马斯洛对比了缺乏型动机和成长型动 機の対比や欲求段階説と共通した人間観をも 机并提出了需求层次论。两人理论中的人类观是 っている。 相通的。 死や飢えという「痛み」からの回避はマズロ 人们躲避死亡和饥饿所带来的“痛苦”,这 ーが「生理的欲求」とよんだものであり、孤独 在马斯洛那里被称为“生理需求”。而对孤独的 からの回避は「社会的欲求」である。これに対 躲避则反映了“社交需求”。另一方面,亚伯拉 してアブラハム的側面はマズロー的にいえば 罕式的人类侧面相当于马斯洛所说的“自我实现 「自己実現の欲求」に相当する。 的需求”。 24 このようにハーズバーグの理論はマズロー 像这样,赫茨伯格的理论与马斯洛和麦格雷 やマグレガーの人間観と共通するものが多い 戈的人类观在很多方面是相通的。他对管理学的 が、彼の経営学への貢献は、ピッツバーグ市の 贡献在于:以匹兹堡市的调查为代表进行了大量 調査を始め、数多くの実証的な調査研究を進 的实证研究;进一步发展了马斯洛和麦格雷戈的 め、マズローやマグレガーの人間観による理論 人类观理论;并通过调查证实了工作中带来满足 を一歩進めて調査に基づいて職務満足や不満 和导致不满的因素都有哪些。 の要因を裏付けたことであろう。 激励因素 卫生因素 带来满足的要素 导致不满的要素 完成 认可 任务 责任 升迁 公司的方针和运营 监管手段 工资 人际关系 作业条件 亚伯拉罕式的本性 “追求成长” 亚当式的本性 “躲避痛苦” 图表 10-7 赫茨伯格的双因素理论 図表 10-7 ハーズバーグの動機づけー衛生 理論 25