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情報サービスの老舗企業が 勤怠管理と人事給与システムを
京都電子計算株式会社 情報サービスの老舗企業が 勤怠管理と人事給与システムを連携 コンプライアンスへ情報活用 導入の狙い 人事情報をデータベース化したい 勤怠情報を電子化したい リアルタイムに勤怠情報を把握したい 導入システム 基幹業務システム 『SMILE BS 人事給与』 勤怠管理システム 『勤次郎』 非接触ICカード対応 タイムレコーダー端末 導入効果 手作業による人事情報管理から解放 された 勤怠管理のシステム化を実現した 残業増加防止への迅速な対応が可能 になった 複雑化する退職金計算が自動化さ れた 人事給与システムと勤怠管理システムを導入し、半世紀にわたる膨大な人事情報を一元化。人事情報の活用に着手した 京都におけるIT業界のパイオニア企業である京都電子計算株式会社は、長年利用 してきた自社開発の給与計算システムから、組織や体制の変化に柔軟に対応でき — U S E R P R O F I L E ——————————————————— 京都電子計算株式会社 ●業種:システム開発 ●事業内容:システム開発、パッケージソ るパッケージシステム『SMILE』 シリーズの給与管理へ移行。さらに勤怠管理体制 自体も見直し、効率化と共に勤怠状況の可視化のため勤怠管理システム『勤次郎』 を連携システムとして導入した。新たに人事情報も登録し、統合的な情報活用を推 進するべく、今後の勤務環境管理やコンプライアンス強化に役立てている。 フトの開発、SIサービス、データエント リーサービス、アウトソーシングサービ ス、ネットワークサービス ●従業員数:281名 (2014年4月現在) 公共機関向けITサービ スを展開する京都電子 計算株式会社は、京都 における情報産業のパ イオニアでもある 2014年7月取材 初の情報処理センターとして、お客様か 京都における情報産業のパイオニア 公共分野へ特化したITサービスを展開 ら業務データを預かり、計算処理して 京都電子計算株式会社(以下、京 同社の特徴は、市役所、町村役場、 都電子計算)は、株式会社京都新聞社 都道府県庁などの地方自治体や、国 のグループ会社として設立。日本で 立・私立・都道府県立の大学など、公共 初めて東京オリンピックが開催された 機関を主な取引先として、業界に特化 お返しする計算受託事業を開始した。 1964(昭和39)年、まだコンピュー したシステムの構築やソフトウェアを ターは貴重だった時代に、京都にて創 開発しているところだ。 業。情報サービス業の黎明期に京都 「創業当初は、自治体様や学校様に 1 京都電子計算株式会社 限らず、民間企業様ともお取引して る集団でもあり続けた同社のサービ いました。コンピューターが一般のオ スは、地元京都から滋賀を中心に独自 フィスに普及し始めると、企業様は公 性を発揮しながら、現在は全国へと提 共機関様に比べてI Tへ投資できる規 供している。 模も大きく、スピードも速いため、独 世間の景気動向に左右されにくい 自にIT部門を持つようになります。こ 市場ではあるが、競合はある。京都電 のような時代の流れの中で、我々も自 子計算のもう一つの強みは、メーカー 然と企業様よりも公共機関様との取 とのアライアンスだ。同社はハードを 引割合が大きくなっていきました」と 作らないため、計算センター時代、大 当時を振り返るのは、執行役員 管理 手コンピューターメーカーの製品を導 室長代理 兼 総務部長 兼 監理部長 入し地元のお客様に提供していた。そ の北川 勝彦氏。自治体と大学に業種 の後、どこでもハードが手に入る時代 を絞り事業を展開することになった背 になると、今度はメーカーとソフト開 景には、コンピューターの歴史と共に 発での付き合いになった。現在も大手 情報サービス業を担ってきた同社の コンピューターメーカーと協力体制を 歴史がある。 組み、パッケージブランドの一翼を担っ 公共機関向けのパッケージ商品開 ている。 発には定評がある同社だが、1990年 「大学市場は18歳人口減少の影響 代の大型コンピューター時代には、個 を受けていますが、新しい学部の新設 別の要望に応えるオーダーメイド対応 や大学自体の付加価値創造に投資す をしていた。その後、オフコンが普及 るなど、学生獲得に向けた努力や改 し始めたころから、開発したソフトを複 善が行われています。自治体市場は、 数のお客様に使っていただこうとパッ マイナンバー制が話題になるなど活 ケージ商品を作り始める。 「今年の10 気があり、その導入にはシステムが切 月で、創業50年を迎えます。古くから り離せません。いずれも上向きの市 地元の自治体様、大学様とお付き合い 場とは言えないかもしれませんがI T させていただき、その歴史の中で蓄積 は活用されており、よいサービスやソ されたノウハウが我々にはあります」 リューションを低コストで提供すると と言う北川氏の言葉には、自信と共に いうミッションは続いています」 と北川 長年支えられている取引先への感謝 氏は言う。その表情から、不安は見ら の気持ちが表れる。 れない。 現在、同社のサービスは、データ入 力や各種帳票出力などのアウトソーシ 務などの業務パッケージシステムや専 最適なシステムを短期採用するため、 自社ブランドに固執せずベンダーを選択 用システムの開発、グループウェアな 京都電子計算は2001年、 『 SMILE どの情報システム支援、ネットワーク Ver.5 給与管理』を導入する。それ ングから、地方行政事務・大学総合事 構築、セキュリティニーズへの対応ま までは、オフコンの専用言語を使用し で多岐にわたる。取引先のニーズに対 て自社開発した給与管理システムを 応するため、時代の最新技術に挑戦す 使用していた。 2 執行役員 管理室長代理 兼 総務部長 兼 監理部長 北川 勝彦氏 「人事給与情報の活用は、システムを整備 し、標準化することで可能になっていきま す。大塚商会さんに相談しながら、進めて いきます」 管理室 総務部 岡住 靖子氏 「情報を有効活用するために、インポートで きる情報は何かを事前にしっかり確認するこ とも大切だと分かりました。次回バージョン アップするときまでには、データを整理し統 一できるよう、準備を進めます」 管理室 総務部 坂本 茂幸氏 「ソフトウェアに強いとかインフラに強い、あ るいはネットワークに特化しているなど、ITベ ンダーには得手不得手があります。その点、 大塚商会さんの総合力は際立っています」 「当時、私は異動してきたばかりで 一般企業向けの給与計算体系になっ したが、社員数も増えてきており、こ ていたので、修正の必要が無くなりま のシステムでは限界があると感じまし した」と、岡住氏は当時の苦労を説明 た」 と振り返るのは、管理室 総務部の する。 岡住 靖子氏。そこから、新しい給与シ 以降、安定したサポートを受けなが ステムの検討が始まった。 ら、2008年、子会社合併による従業 同社は自治体職員様向け給与計算 員約40名の増加とサポート終了時期 パッケージを作っており、販売もして が重なったことをきっかけに、2010 いる。そのため、 『SMILE Ver.5 給 年『SMILE BS 人事給与』へバージョ 与管理』を選定するまでには、自社商 ンアップする。 品も含め、数社の商品を検討すること 「『SMILE Ver.5 給与管理』はス になる。 タンドアロンだったため同時に作業が 「自社でも作っているのだから、自 できず、毎回ユーザーも切り替えなけ 分たちで使うシステムも自分で作れば ればなりませんでした。 『SMILE BS いい、とよく言われました。でも、自治 人事給与』導入時には、同時に7人利 体職員様向けの給与計算と民間企業 用できるようクライアント数を増やし である自社向けの給与計算では、保険 たため、一度に複数の担当者が入力で や共済など給与計算にかかわる項目 きるようになったことは大きなメリット が大きく違い、そのままでは全く使え でした」 と、岡住氏は笑顔を見せる。作 ないのです」と北川氏は言う。自社製 業スピードも大幅に改善したという。 品を使用できるなら悩みはないが、自 社でカスタマイズするには、開発やサ 化を実現するために、ソフトウェアやシ 正確な勤怠記録を蓄積し コンプライアンスを意識した情報活用へ ステム導入など、ITの活用がいかに重 給与計算は『SMILE』 シリーズの導 要かについても熟知しているプロだか 入で整備されていったが、社員の勤怠 らこそ、自分たちが望む一般的な事務 記録は紙の勤務記録表のままだった。 ポート担当者が必要になる。業務効率 管理室 総務部 プロジェクトマネージャー 稲本 一義氏 「『勤次郎』 はパッケージ製品ですので、す べてが私どもの勤務体系に適合しているわ けではありませんが、大塚商会さんのサポー トを得て、運用でカバーしながら、順次改善 していきます」 に適切かつ速やかなソリューションは、 「手書きの勤務記録表を月末まで 自社ではなく他社ベンダーの得意分 に提出してもらい、次月の始めから人 野だと判断する。 事担当者が手作業で入力していまし 同 社はいくつかの 製 品を検 討し、 た」と岡住氏は説明する。当時の社員 『SMILE Ver.5 給与管理』を選定 約200名分の勤務記録表を1人の担 する。決め手は、マスターデータを前 当者が一枚ずつめくりながら入力して システムから間違いなく移行できる点 いた。このままでは時間もかかる上、 だった。長い歴史を持つ同社のデー 人的ミスへの懸念はどうしても消え タ量は、膨大だ。情報の移行は、シス ない。 テム選択の核となる。 「前システムは そこで同社は、2013年、勤怠管理 修正が毎月のようにあり、エラーがあ システム『 勤次郎 』と非接触I Cカード るとすぐに業務が止まっていました。 対応タイムレコーダー端末の導入を 『SMILE Ver.5 給与管理』は民間・ 決断。4月に導入し、同年10月から本 3 京都電子計算株式会社 稼働する。 「実は勤怠管理システムも、 の情報など、正確な情報を収集し具体 自社製品で二つほど持っています。一 的なアクションを起こすことができま つは地方公務員様向け、もう一つは す」と、経営の立場から今後の情報の 大学職員様向けです。もちろん『勤次 活用法について考えている。 郎』導入前に検討しましたが、仕様を 見ると、やはり給与計算方法が違って 必要なカスタマイズをした場合の試算 半世紀にわたり蓄積された 人事情報の整理が課題 をしてみたら、膨大な工数と現実的で 『SMILE BS 人事給与』は、人事情 はない金額が出てきました。そもそも 報も管理することができる。Excelで 『SMILE BS 人事給与』があること 管理していた学歴や職歴などの人事 おり、そのままでは使えませんでした。 を前提に考えていましたので、連携が 情報も、導入を機に一元化できた。 最適な『 勤次郎 』を選択しました」と、 同社には、在籍職位を加算ポイン 岡住氏は導入の経緯を話す。このとき トとし退職金に反映する制度がある。 も、導入までの迅速さ、機能と連携の 「急に退職者が出ると、本人の在職中 よさ、コスト面など、自分たちのニー の記録を一枚ずつめくって調べなけれ ズに対し最適なシステムの選択は何か ばならず大変でした。今は一度に確認 を柔軟に検討し、決断している。 できます」と管理室 総務部の坂本 茂 「社員のほとんどがSEですから、導 幸氏は笑顔を見せる。同社ならではの 入に関しては、三回の説明会でほぼ全 ルールに合わせ、活用の幅を広げてい 員が理解しました。抵抗感もなかった るようだ。 ようです」 と、管理室 総務部 プロジェ しかし、50年分の蓄積情報を生か クトマネージャーの稲本 一義氏は説 すには、まだ整理が必要だ。それぞれ 明する。取引先に常駐する社員もい の時代のコード体系で管理されたまま るが、 『勤次郎』ならW e bを利用する の情報が、まだ残っている。 『SMILE ことで対応可能だ。これにより、入力 BS 2nd Edition 人事給与』への移 の手間がなくなり、業務は大幅に効率 行の際には、統一したコード体系に変 化。入力ミスや計算違いも無くなり、 更する予定だ。 自己申告ではない正確な従業員の労 今後は、人事発令や、休日出社と振 働時間の把握が可能になった。 替休日の管理なども、システムで一元 同社の従業員数は、現在約280名。 化していきたいと考えている。休日出 その8割をS E職が占めるI T企業だ。 社は、ほとんどの週で複数名発生す IT業界は、長時間労働やそれに伴う健 る。労基上の観点からも、実態の把握 康障害の発症など、他業種と比較して は自主的な改善を考える上で重要な も人事・労務管理面から特に留意すべ 情報である。これも『 勤次郎 』導入を き点が多い業界だ。正確な勤怠管理 決めた理由の一つだった。今後は、計 とその徹底は賃金の問題だけではな 画的な休日取得を促すこともできるよ く、労働安全衛生面からも企業が把握 うになる。京都電子計算は、コンプラ すべき最低限の義務の一つでもある。 イアンスを意識した情報活用へと、着 北川氏は、 「長時間残業が続いた社員 実に進んでいる。 『SMILE』 シリーズをバージョンアップしながら継続使用。 充実した人事給与管理と情報の活用を目指す 勤怠管理システム 『勤次郎』 は、タイムレコーダー端末で 記録する以外に、出張や客先直行の場合などは、外出先 からWebを通して記録することも可能 京都電子計算株式会社のホームページ http://www.kip.co.jp/ ・会社名、製品名などは、各社または各団体の商標もしくは登録商標です。 ・事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。 ・この記事は2014年9月に作成されました。 Copyright©2014 OTSUKA CORPORATION All Rights Reserved. 4