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ノブース・クァルテット―“韓国初”を連発する若きストリング

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ノブース・クァルテット―“韓国初”を連発する若きストリング
6回目を迎える室内楽の祭典は、
開館30周年のアニヴァーサリーを祝し、
例年より1週間長く開催します。
今年も魅力的なアーティストたちによる、
華やぎに満ちた演奏をお楽しみください。
サントリーホール
チェンバーミュージック・ガーデン
2016
6.4(土)〜6.26(日)
アジアの
“旬”
を聴く三夜
世界的評価の高い、台湾のヴァイオリニスト
Ⅰ
Ⅱ
チョーリャン・リン
©Sophie Zhai
Cho-Liang Lin
1983年結成、名門音楽院のクァルテット
Ⅲ
Column
アジアで盛り上がる
フェスティバルを支えるのは、
才能あるキュレーターたち。
室内楽のフェスティバルとして着実に存在感を増してきて
ノブース・クァルテット
Novus String Quartet
上海クァルテット
いるチェンバーミュージック・ガーデン。今年のキーワード
The Shanghai Quartet
トホール、エスプラネードとの協力によるプログラムも実施
の一つは「アジア」
です。シンガポール最大の劇場・コンサー
現在の台湾には国家交響楽団(別称/フィルハーモニア台
21世紀韓国最大の輸出産業はITと音楽家、と冗談交じりに
驚異的な成長を続けて来た中国。上海にも巨大なオペラハウ
されますが、アジア地域では舞台芸術の分野でもフェスティ
湾)、台北市立交響楽団、エヴァグリーン・オーケストラ(長栄交
呟かれる昨今。だがそんな成長著しい韓国クラシックにあって、
ス、コンサートホールが建設されるなど、インフラの充実が目立
バルが年々増加し、
活況を呈しています。
響楽団)などのプロフェッショナルなオーケストラがあり、日本人
室内楽は唯一の出遅れジャンルだった。
つ。その中で上海音楽院は1927年創立という歴史を誇る。
フェスティバルが増えていく中で、アーティストたちの交流
奏者を団員とする楽団もある。台湾出身の優れた弦楽器奏者も
ノブース・クァルテットは韓国の弦楽四重奏団である。韓国で
1983年、その上海音楽院に集まっていた弦楽器奏者4人で結
数多いが、台湾のアーティストとして最初に世界的な評価を得た
初めて弦楽四重奏団として海外留学し、初めて国際コンクール
成したのが上海クァルテット。85年にポーツマス(現・ウィグモア
のがチョーリャン・リンだ。
で優勝したグループである。しかし、去る12月21日にソウルのサ
ホール)国際弦楽四重奏コンクールで第2位となった。このとき
1960年生まれ。イツァーク・パールマンとの出会いに刺激を
ントリーホールたる「芸術の殿堂」に登場した4人のルックスは、
の審査委員であったメニューインに絶賛され、コンクール後は渡
性を発揮し、魅力あるプログラムを提供するためには、これ
受け、パールマンの師であったドロシー・ディレイにジュリアード
どこからどう見ても韓流ポップグループだ。ライブの弦楽四重奏
米。ジュリアード、グァルネリ、東京などの名クァルテットの薫陶
らの作業をおこなう「キュレーター」
と呼ばれる人たちの創
音楽院で師事した。ソロ奏者としてだけでなく、室内楽にも積極
でシューベルトが奏でられ、詰めかけた若い女性が熱狂する。も
を受けて、87年にニューヨーク・デビューを果たした。創設メン
造的な能力が不可欠なのです。
的であり、同時代の作曲家たちと広く交流し、数多くの作品の
ちろん、若手弦楽四重奏団の演奏会が2500席超えの巨大ホー
バーであるホンガン、ウェイガンのリ兄弟に聞くと、弦楽四重奏
初演にも参加してきた。そのリストにはタン・ドゥン、
エサ = ペッカ・
ルで開かれたのも、韓国初である。
団としてのレパートリーは、デビュー当時そのコンクールの課題
サロネン、ブライト・シェンなどの名前が並んでいる。近年はソリ
「ソリストはここでリサイタルをしますよね。僕たちはその4倍い
曲だけしかなかったそうだ。
スト兼指揮者としても活動をしており、北米、アジアのオーケス
るんですから、広すぎることはありません」と笑うのは、スポー
カメラータ・トウキョウで、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全
作品選択を担当しているのはその一例。彼をはじめ、幅広く
トラと共に演奏活動を行っている。ジュリアード音楽院、ライス
クスマン役も兼ねるヴァイオリンのキム・ジェヨン。韓国に名独奏
集の録音を残している。またクァルテットの創設25周年に委嘱
「アジア」
を知るキュレーターたちが様々な国のフェスティバ
大学シェパード音楽学校で教えているが、教え子の中には五嶋
者あれど名合奏団なし、という言説を軽々とぶち壊しつつある
したペンデレツキの弦楽四重奏曲第3番は、世界で演奏される
ルに参画し、ユニークな企画を生み出しているのです。彼ら
龍、三浦文彰などもいる。アジア系のクラシック音楽家を語る
青年たち、彼らがサントリーホールに登場する初の韓国の室内
作品となった。日本での演奏機会も多く、現在は上海音楽院・
がアジア芸術のダイナミズムを生み出す大きな原動力の一
時に、欠かせない重要な存在である。
楽団であるのは、言うまでもなかろう。
北京中央音楽院で客員教授を務める。
公演情報
6 .11(土)19:00開演
ヴァイオリン:チョーリャン・リン、ジョウ・チェン
チェロ:堤 剛、横坂 源/ピアノ:佐藤卓史/YST&CMGアンサンブル
ドヴォルザーク:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ ト長調 op. 100
アレンスキー:ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 op. 32
ハイドン:ヴァイオリン協奏曲第1番 ハ長調 Hob.Ⅶa-1
J.S.バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲 ニ短調 RV565
4
「韓国初」を連発する若きストリング・バンド
CMG2016のテーマのひとつは「アジアとの共同」。世界で活躍する
(全3回)
アジアの音楽家を招き、アジアが室内楽で手を取り合うプロジェクトです。
響感のアジア
ENJOY! SUNTORY HALL
V o l .1 3
公演情報
6 .13(月)19:00開演
公演情報
6 .14(火)19:00開演
弦楽四重奏:ノブース・クァルテット
第1ヴァイオリン:キム・ジェヨン/第2ヴァイオリン:キム・ヨンウク
ヴィオラ:イ・スンウォン/チェロ:ム・ウンフィ
ピアノ:萩原麻未
弦楽四重奏:上海クァルテット
第1ヴァイオリン:ウェイガン・リ/第2ヴァイオリン:イーウェン・ジャン
ヴィオラ:ホンガン・リ/チェロ:ニコラス・ツァヴァラス
ヴィオラ:磯村和英
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調 op. 96「アメリカ」
ユン・イサン:弦楽四重奏曲第1番
シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 op. 44
ブリッジ:3つのノヴェレッテ
バルトーク:弦楽四重奏曲第1番 Sz40
ブラームス:弦楽五重奏曲第2番 ト長調 op. 111
が拡大していくのはある意味で当然のこと。一方、フェス
ティバルの企画や参加作品の選択をおこなう人たちの国境
を越えた動きもまた活発になっていることは意外に知られ
ていません。次々に生まれてくるフェスティバルの中で独自
シンガポールは、才能あるキュレーターたちを次々に生み出
し、日本を含むアジアの国々に送り出してきた国でもありま
す。バンコクに拠点を置くシンガポール人キュレーターが
昨年から「国際舞台芸術ミーティング in 横浜(TPAM)
」
で
つとなっていることは間違いありません。皆さんが彼らの組
んだプログラムを目にする機会は、今後も増えていくことで
しょう。
シンガポール国立大学 英語英文学科演劇学専攻リサーチフェロー
Ken Takiguchi 滝口健 チェンバーミュージック・ガーデンの詳細はWEBへ サントリーホール
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