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Page 1 州工業大学学術機関リポジトリ *kyutaca 『 Kyushulnstitute of
九州工業大学学術機関リポジトリ
Title
Author(s)
Issue Date
URL
インターネットと英語の授業
清水, 眞; 山之上, 卓
1996-03-31T00:00:00Z
http://hdl.handle.net/10228/3541
Rights
Kyushu Institute of Technology Academic Repository
61
インターネットと英語の授業注1
人文・社会・語学・体育教室(英語)清水眞
情報科学センター山之上卓
THE INTERNET AND ENGLISH LANGUAGE TEACHING
Makoto SHIMIZU and Takashi YAMANOUE
0 はじめに
九州工業大学工学部情報科学センターでは,インターネットに接続したワークステー
ションを用いて,英語の授業が行われている。本稿では,その英語の授業を通して,大学
の英語の授業にコンピューターを用いる利点と問題点を考察し,併せて外国語教育とマル
チメディアの可能性を論じる。まず,1章では,これまでの経緯に簡単に触れる。次に2
章では,今年度行っている授業について述べ,続いて3章では,その授業に対する中間評
価を行う。更に4章で,筆者のひとりが開発したソフトウェアに言及する。最後に5章で,
今後の計画について説明する。
1 情報科学センターとソフトウェア
英語の授業で用いる教室は,主に工学部情報科学センターホセンBである。教師用の端
末が1台,学生用の端末が49台ある。授業中,学生は各自端末の前に座り,教師は教師用
の端末から指示をだすこともあれば,学生用の端末の間を机間巡視することもある。
使用するソフトは,エディタEmacs,電子メールリーダmh−eメールリーダ, TALK,
ニュースリーダgnus, WWWブラウザMosaic,電子黒板,レポート自動受取システム,
小テスト実施採点システム等である。電子黒板,レポート自動受取システム等である。平
成3年度からこれまでに,異なる授業形態に応じて,これらのソフトウェアを用いてきた。
授業の進め方の詳細については,清水の論文を,ソフトウェアについては山の上の論文を
参照されたい。
注1本研究の一部は,平成7年度文部省科学研究補助金奨励研究(A)課題番号07858024の援助を受
けて行われている。
62 清水 眞・山之上卓
2 電子メール,WWWを用いた授業
この章では,平成7年度の選択英語Bで行っている授業について説明したい。特色とし
ては,インターネットを活用するという点である。これまで,コンピュータを外国語教育
に用いる研究は,スタンドアロンのコンピュータでのCAI教材の開発,利用に関したも
のが多かった。また,ネットワークに接続されたものでも,レーザーディスク教材をコン
ピュータでコントロールして授業に用いるというものであった。ここでは,インターネッ
トを通じて,海外の英語の母国語話者とコミュニケーションをはかるという点に重点が置
かれている。インターネットを用いれば,空間的,時間的な制約を回避することができる。
教材は,Cambridge University Pressから出版されているWriting Tasksという英作文
の教科書を用いている。メモ,個人的な手紙,公式な手紙,描写,報告,意見の表明など
の文章が取りあげられている。それぞれの文章の書き方が詳細に示されており,授業はそ
の説明からはじまる。種々の種類の文章の実例が示されているので,学生が単独で文章を
書くときにも,レファランスとして用いることができる。英文を書く練習問題も豊富であ
る。説明のあと,受講生は練習問題をやる。
課題として,学生にネットワークでよく用いる英語の表現を採集させている。世界中の
WWWページを見て回り,英文を書く上で役にたちそうな表現を集め,分類させている
のである。自分の思うままに英文を書いていただけの時に比較し,言葉使いに対して注意
を払うようになったようである。英文を読む訓練にもなる。
受講生はオーストラリアのクイーンズランド州にあるGriffith大学注2等と電子メール
を用いて文通を行っているので,電子メールのメッセージを書き送る。それと並行して,
九州工業大学工学部キャンパスにWWWサーバー注3を設置し,学生が文字と静止画を用
いて作成した情報をそのサーバーに入れる。相手はこちらのサーバーにアクセスして,こ
ちらのページを読み,コメント等を電子メールで送ってくる。
これまでにできあがったのは,受講生の自己紹介,工学部キャンパスの紹介,日本のサ
ブカルチャーのページである。学生はカメラを持って取材に行き,日本語と英語で記事を
書く。特に,日本のサブカルチャーの紹介では,パチンコ屋,焼鳥屋,カラオケボックス,
大学生のアパート,うどん屋,ラーメン屋等,日本的でしかも現代的なものを取り上げた。
現在執筆しているのは,ビデオ映像を含めたマルチメディアの大学祭のページである。英
作文のみならず,比較文化的な考察を目指している。英文の文法的な間違いは,全く意味
が不明になるもの,異なる意味になるものを除いて,指摘していない。文法的な正確さよ
りはコミュニケーションの能力を重視したからである注4。
注2
ッ大学日本語教官萩原一彦氏の協力による。
注3Webアドレスは, http://makoto.dhs.kyutech.ac.jpである。コメント等は
shimizu@dhs.kyutech.ac.jpへ。
注4Ellis,R.(1986)参照。
インターネットと英語の授業 63
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3 授業に対する評価
平成7年度の前期の授業に対して,後期に入ってアンケートを実施した。後期の時点で
受講している24名中,欠席していた2名をのぞく22名から回答を得た。その回答をもとに,
この授業の長所と短所を考えたい。
順序は前後するが,設問IVで英語の授業一般について質問した。受講生の英語に対する
意識を探りたいと考えたからである。まず,受講生個人は英語の授業に履修する必要があ
ると思うかという質問である。「大いに思う」7名,「思う」11名,「どちらでもない」1
名,「思わない」1名,「全く思わない」0名,という回答を得た注5。英語に対する意識
は非常に高い。
次に,もし選択英語を履修するとしたら,どのような内容のものを選ぶかという質問で
ある注6。7名が「英語で読むプレイボーイ」,5名が「CAI教材で学ぶ英文法」,4名が
「英文法CAI教材の作成」,14名が「マルチメディアで英会話」,6名が「TOEFL550点
の英語」をあげた。英語の分野では文法より英会話,コンピュータ関連ではCAIよりマ
ルチメディアが人気があるようだ。様々な自由選択科目の中から英語を,さらに,いくつ
かある選択英語の中からWWWを用いるものを選んだのであるから,当然と言えば当然
な結果であるかもしれない。
庄5
Q考のために,「日本の大学で英語を履修する必要があると思いますか?」という質問もした。
結果は,「全員がすべき」6名,「希望者だけ」16名,「必要ない」0名であった。他人の意志を尊
重する個人主義と言うことであろうか。
イ壬6
。数回答可としたので,合計は回答者数を超える。以下,合計が回答者数を超える場合は,複数
回答可である設問である。
64 清水眞・山之上卓
設問1の1)で,教科書の内容について尋ねた。結果は,「やさしすぎる」0名,「やさ
しい」4名,「ふつう」14名,「むずかしい」3名,「むずかしすぎる」1名であった。教
科書中の説明,指示もすべて英文であり,和文の翻訳も載っていないので,もう少し「む
ずかしい」,「むずかしすぎる」の人数が多いかと予測していたが,やや意外であった。受
講生の受け取り方に関する限り,教材の難易度は適切であったということができるかもし
れない。
設問1の問2)では,参考書を所持しているかどうか尋ねた。問2)の結果は,「両方
とも持っている」20名,「ISCローカルガイドだけ持っている」0名,「Xウィンドウによ
るUNIX入門だけ持っている」2名,「両方とも持っていない」0名,であった。一番初
めの授業でオリエンテーションを行い,どちらか1冊は授業に持参することを指示したの
で,「両方とも持っていない」受講生が少ないことは予測していたが,「両方とも持ってい
る」がこれほど多いとは予測していなかった。この選択科目に対する意気込みが感じられ
る,と受け取ることもできるかもしれない。
次は,その参考書をどれだけ使っているかを尋ねる設問である。「よく使う」と「かな
り使う」,はそれぞれ0名で,以下,「ふつう」6名,「あまり使わない」9名,「全然使わ
ない」7名という回答である。参考書の所持状況に比較して,活用率はあまり高くない。
原因のひとつには,受講生の学年が考えられる。2,3年生であるので,1年生と比べ,
情報科学センターの機器,ソフトウェアの使用に慣れているのかもしれない。しかし,も
うひとつの理由も考えられる。これについては後述する。
設問nでは,授業について質問した。いくつかの選択英語からこの授業を選んだ理由に
ついては,次のような結果が出た。「ワークステーションを使うから」14名,「電子メール,
WWWブラウザを使用するから」10名,とハードウェア,ソフトウェアの使用を理由と
する声が多数であった。「ホセンを使った英語の授業はとっても面白いと思う」「ワークス
テーションに詳しくなった」というコメントを止せる受講生もいた。反面,「英文を書く
能力の育成を目的とするから」3名,「海外の学生と文通できるから」2名,と英語,コ
ミュニケーションに対する興味はあまり前面には出ていないようである。
これまでの授業の進度,内容に対しては,「授業内容,進度は期待どおりだった」15名,
とおおよそ好意的な意見が多い。だが,「進度が速すぎる」3名,「進度が遅すぎる」2名,
「英文を書く分量が多すぎる」1名,等の批判も見られる。「授業外での課題が多いと思
う」,「海外との手紙の交換は,手紙を送るのが好きではない人にとっては少し苦痛になる
と思う」というコメントも寄せられた。「日本語を英語にするのに,苦労している。自分
の英語力のなさを実感している。」という感想を持つ受講生もいた。「授業内容に関して期
待を裏切られた」,「英文を書く分量が少なすぎる」という批判はなかった。教師からすれ
ば,進度は若干遅いかもしれないという気はするが,まだ多分に新しい試みなので,やむ
を得ないとも思う。その他,「レポートの提出期限,内容の基準をはっきりしてほしい」,
「ワークステーションの使い方がわからない」という意見がそれぞれひとつずつあった。
今後の授業の進度,内容に対しては,「授業内容,進度はこのままでよい」16名,「進度を
遅くする」3名,「進度を速くする」1名,「英文を書く分量を減らす」1名という回答が
得られ,「授業内容を変えるべき」,「英文を書く分量を増やす」という意見はなかった。
インターネットと英語の授業 65
海外の学生との文通の感想を聞いた設問に対しては,「有意義で楽しい」3名,「英文で
書くのが負担である」6名,「相手から返事が来ないので失望している」11名,その他
「相手から返事は来たが文通が途絶えた」,無回答がそれぞれ1名という結果であった。
「相手から返事が来ないので失望している」というのは大きな問題である。国際的なコ
ミュニケーションをはかるというこの授業の目的のひとつからはずれるし,学生の動機付
けを阻害しかねないからである。事実,返事が来た学生は,「海外の学生と友達になれる
という点がおもしろかった」,返事が来なかった学生は,「海外の学生とやりとりをした
かった」とコメント欄で述べている。だが,この文通の確保には非常な困難が伴う。まず,
相手になってくれる機関を探さねばならない。やはり,年齢的に大学,短大が望ましい。
インターネット上で呼びかけても,応じてくれるのはまれである。つてをたどって頼んで
も,学部の学生が自由にネットワークにアクセスできない,相手をしてくれる学生が集ま
らない,という相手側の事情があることがある注7。それでも返事が来なかった受講生に
対しては,なんとか相手を見つけたいと考えている。実際に海外の学生と交信を行った,
という生の経験をさせたいからである。
WWWページの作成については,「有意義で楽しい」7名,「英文で書くのが負担であ
る」7名,「HTMLのコードが難しい」8名,その他,「扱い方がよくわからない」1名,
「内容によっては負担になる」1名,という意見があがった。タイトル,パラグラフ,
gifファイルの指定等,最低限のコードのみ用いた例を電子メールで送り,簡単な説明し
かしていないが,全般的にかなりの適応力を見せている。
授業中にソフトウェアの使用法の説明をしたが,設問田ではそれに関して聞いてみた。
「ホセンの授業を習っていたので余分だった」1名,「あってよかった」16名,「もっと時
間をさくべきだった」5名,という意見だった。さらに,「あってよかった」と回答した
受講生に,役にたった説明をあげさせたところ,7名が電子メールの使い方,14名がモザ
イクの使い方,12名がWWWページの書き方,4名がコマンドー般,5名がその他のソ
フトウェア(スペルチェッカー,小テスト実施採点システム等)の使い方をあげた。また,
「もっと時間をさくべきだった」と回答した受講生に,もっと時間をかけて説明すべきも
のをあげさせたところ,1名が電子メールの使い方,2名がモザイクの使い方,4名が
WWWページの書き方,5名がコマンドー般,2名がその他のソフアトウェア(スペル
チェッカー,小テスト実施採点システム等)の使い方をあげた。モザイクの使い方,
WWWページの書き方は,参考書である「ISCローカルガイド」,「Xウィンドウによる
UNIX入門」に記載がないので当然であるにしても,電子メールの使い方,コマンドー
般をあげた受講生がかなりいるのにはやや意外であった。
しかし,これは先に言及した,参考書の活用度の問題と関連するように思われる。計算
機リテラシーの問題である。工学部の学生であるからといって,すべての学生がコン
ピュータに通暁しているわけではない。また,プログラミング言語の講義で教える,個々
注7先に述べたGriffith大学の他に海外の大学,高校との文通も計画したいたのだが,諸般の事情で
実現できなかった。返事が返ってこなかった受講生の相手先である。日本でも,いくつかの大学の
英語の授業に電子メールを用い,海外の相手と文通を行う試みがなされているが,その相手は,海
外のキャンパスで語学研修を行っている同級生である場合が多い。
66 清水 眞・山之上卓
の学生の自助努力にまかせる,という解決策も難しいように思える。この問題については,
中村(1994)が詳しく論じている。この英語の授業での観察でも,「電子メール,WWW
は,授業でもう少し詳しいことを教えてもらえると思っていたが,ほとんど基本的なこと
ばかりだったのでちょっと残念だった」と言う,各種ソフトウェアに習熟している受講生
はむしろ少数で,「モザイクの使い方がわかってとても良かった」,「去年履修したプログ
ラミング言語の講義で教えてもらえなかったことを知ることができたので,大変役に立っ
た」という声が,多数の意見を代弁するのではないかと感じられる。
これはもちろん,今までのカリキュラムに対する批判ではない。中村の論じるとおり,
従来とは状況が変化してきたということである。WWWブラウザのように比較的最近普
及したソフトウェアもあるし,電子メール,ニュースグループのように,以前に比較して
はるかに頻繁に使用するようになったサービスもある。「プログラミングの授業の片手間
ではできな」(中村,P31)くなってきたのである。数値計算やプログラミングが,依然
として非常に大切な分野であることには疑いがない。だが,すさまじい勢いで技術革新が
進行しつつある現在,学部の学生であろうとインターネット上で情報を検索したり,発信
したりする能力は必須とも言える。全学的に,計算機リタラシーに取り組む必要があるの
ではないだろうか。
遭遇した問題のもうひとつが,学生のネットワークへのアクセス権であった。九州工業
大学では,学部の学生は学外のWWWサーバーにアクセスできないという制限がある。
また,学外から授業用のWWWサーバーにはアクセスすることもできない。昨年度も,
学部の学生は学外のニュースグループにアクセスできないという制限のため,山の上が個
人研究費でDOS/Vマシンを購入し,これにUNIXを搭載して,英語の授業のニュース
グループサーバーとした。ハードウェアの制約,ソフトウェアの性能等のため,サーバー
がハングすることが多く,非常に大きな負担がかかった。今年度も,この英語のクラスの
受講者をセンターの特定のマシンに登録するという形で,学外のWWWサーバーにアク
セスさせている。サーバーに関しては,清水が個人研究費でマッキントッシュを購入し,
これをWWWサーバーとしている注8。しかし,これは変則的な運営の仕方で,負担が大
きい。技術的,予算的,倫理的な問題が関連していることは理解している。だが,今や
ネットワーク化は世界的流れであり,教育の分野でも大学に限らず利用が急速に促進して
いる。全学で協議が行われ,自由な利用に向かう方向で検討が行われることを強く願って
いる。
4 小テスト実施採点システム
情報科学センターで行われる英語の授業においては,従来小テストは電子メールで行っ
ていた。学生に電子メールで問題を配布し,メールにリプライする形で答案を回収してい
た。普通のペーハーテストより問題の配布が容易ではあったが,全ての学生に問題が行き
注8Power Macintosh 7100/80AVでStarNine社のWebSTARを作動させている。
インターネットと英語の授業 67
渡るまで1分近くかかった。学生にとっては,キーボードの操作などが煩わしい,教師に
とっては,答案を採点する手間が大きい等の問題があった。このため,清水の要請を受け
て,山の上がソフトウェアを設計,開発した。GUIを備えた小テスト実施採点システム注
9で,既に製作していた電子黒板を拡張する形で開発された。
図1のような書式で小テストの問題と正解を作成する。テキストエディターで問題を作
成し,正解に*印を付けるだけである。このような書式からGUIが自動的に作成され,
学生の端末すべてに一斉に表示される。ユーザーフレンドリーなので,使用感も向上した。
画面上では,各解答の選択肢の前に○印がつく。それをマウスでクリック,●印にして,
解答する。学生が選択した解答には黒丸がつく。選択肢にみっつとも●印が付いていない
問題は,まだ解答していないことを示す。解答後CONFIRMボタンを押すと,答案が教
師に送られ,自動的に瞬時に採点され,教師の負担が軽くなる。各学生の正解数の他に,
各問題に対する正解者数,正答率の統計も得られる。教師はクラス全体の理解度を短時間
に得ることができ,その結果をすぐに授業に反映することができる。
Pop quiz l
Q1. Which is the most intimate way to end a personal letter?
A1. Yours
A2. Yours sincerely
A3*.Love
Q2. When you invite people you don’t know very well to a party, you write;
A1*.We would like to ask you to come our party.
A2. How about coming our party?
A3. Is there any chance of you coming to our party.
Q3, When you refuse an invitation to a party, you write;
A1.1’m terribly sorry about failing to going to your party.
A2.1’m thinking of going to your party.
A3*.1’m very sorry but I simply can’t make it.
Q4. When you congratulate your friend on getting married, you write;
A1.1’d be very pleased to accept your offe蛤
A2*.It was great to hear that you’re getting married.
A3. The flight leaves at 7:30 in the morning.
Q5. When you express your anger, you write;
Al*.1’m sick and tired of his attitude.
A2.1’m rather worried about his attitude.
A3.1’m delighted with his attitude..
[eof]
図1 小テスト実施採点システムで使用する問題と正解の例
注9無償で公開している。問い合わせ,使用希望は,yamanoue@isct.kyutech.ac.jpまで。
68 清水 眞・山之上 卓
5 インターネットを用いた英語支援システム
九州工業大学工学部の有志の英語教官により,英語の語法,文法に関する電子メールの
質問コーナー,WWWページが計画されている。まず平成8年度には,英語の授業の受
講生を中心にアンケートを行い,頻繁になされる質問(Fequently Asked Questions,
FAQ)のWWWページを作成する。また,九州工業大学工学r部の学部の学生(主に有
志の英語教官の授業を履修している学生)を対象に,文法,語法等の質問を電子メールで
受け付ける。質問にはできるだけ速やかに回答するよう努力する。
WWWページは英語と日本語の両方で掲載する。文字だけでなく,音声,静止画,動
画も使用する。ニュースグループを用いて,ESS,留学生会等の英語,国際交流関連の情
報を流したり,英語で議論を行うことも計画している。学生から英語の授業についてのコ
メントを求めることも考えている。
段階的に読解,聞き取り,発音,会話に範囲を広げる。オンライン教材の編纂も考えて
いる。ある英語の構文の実例を示すのに,膨大な資料からその例を探し出し,しかもそれ
を学生に提示する形に編集することは,従来不可能に近かった。インターネット上では,
まず検索が容易に行える。また,その例が存在するページにリンクすることによって,簡
単に実例を示すことができる。これからは,特定分野に焦点をあてた英語教育(English
for Specific Purposes, ESP注10)も必要になってくるであろう。アンケートのコメント欄
に寄せられた,「できれば,工学の英語専門用語を使った練習がしたかった」という要望
にも,それぞれの分野の教官の協力が得られ,オンライン教材を作ることができれば,か
なり対応できるようになるかもしれない。
英語で受信,発信できるよう,学部の学生のみならず,大学院生,教官,事務官を含め
た全学に対し,英語の論文,マニュアル,ビジネスレター,会話,コミュニケーションに
関しオンラインで支援できる,ハード的,ソフト的,人的体制作りが,できるだけ近い将
来実現できればと願っている。
注10コンピュータ科学を専攻する学生にターゲットを絞った試みが会津大学進行中である。Orr
(1gg5a,b,c)を参照。
インターネットと英語の授業 6g
参考文献
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cific language instruction’,7セoぬηゴω1 R4)oπ95−5−003, Center for Language re−
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C.(ed.)(1992)G)〃φ砿ε符αη4冊泣εηTε励∫, Oxford:Blackwell,227−246
清水眞(1993)「ネットワークを用いた英語の授業」「国立大学情報処理教育センター協議
会平成5年度情報処理教育研究集会講演論文集pp17−22
清水眞,山之上卓,藤木健士(1994)「教育用分散ワークステーションシステムと授業支
援システムを活用した英語の授業」語学ラボラトリー学会第34回全国研究大会発表要
綱,79−82
清水眞,山之上卓,藤木健士(1995)「ネットワーク英語」語学ラボラトリー学会第35回
全国研究大会発表要綱,85−88
山之上卓(1993)「シェルプログラミング入門 応用例 授業レポート自動受取システム
について」九州工業大学 情報科学センター広報第6号pp.57−68.
山之上卓,藤木健士(1993)「多数のX端末を用いた授業支援システムの設計」国立大学
情報処理教育センター協議会 平成5年度情報処理教育研究集会講演論文集
pp23−30.
山之上卓,藤木健士,清水眞,安在弘幸(1994)「大規模分散WSシステム上で動作する
電子黒板と授業への応用」情報処理学会グループウェア研究会6−5,25−30
山之上卓,清水眞(1992)「教育用ワークステーションとそれを用いた授業の実際」国立
大学情報処理教育センター協議会平成4年度情報処理教育研究集会講演論文集,7
−16
Yamanoue, Takashi&Makoto Shimizu(1994),“The Development of an、Electronic
Chalkboard for a Large Classroom by Parallel Programming and its Application to
English Classes‘‘Procεε読ηρρゾノ1∫‘αακφc 1㎡bηηα万oη 丁診6んη010蜜yτη 7}αiηゴη9
70 清水眞・山之上卓
αη4E4μcαττoηCoψπηεεαη4 Eτ加6仇oη,651−656
付録1 授業評価のアンケート
選択英語B(清水) アンケート
このアンケートは,今後の授業の参考にするものであり,成績とは一切関係ありません。
率直に答えて下さい。該当する答の左に*を付けてください。
ご協力お願いします。
1 教材・参考書について
1)教科書(Writing Tasks)は?
a)やさしすぎる
b)やさしい
c)ふつう
d)むずかしい
e)むずかしすぎる
2)参考書(「ISCローカルガイド」または「XウィンドウによるUNIX入門」)は持っ
ていますか?
a)両方とも持っている
b)「ISCローカルガイド」だけ持っている
c)「XウィンドウによるUNIX入門」だけ持っている
d)両方とも持っていない
3)参考書はよく使いますか?
a)よく使う
b)かなり使う
c)ふつう
d)あまり使わない
e)全然使わない
H 授業について
1)いくつかの選択英語からこの授業を選んだのは何故ですか?
(複数回答可)
a)ワークステーションを使うから
b)電子メール,WWWブラウザ(モザイク,ネットスケープ等)を使用するから
c)英文を書く能力の育成を目的とするから
d)海外の学生と文通できるから
e)その他( )
2)これまで受講してどう思いますか?
インターネットと英語の授業 71
(複数回答可)
a)授業内容,進度は期待どおりだった
b)授業内容に関して期待を裏切られた
c)進度が速すぎる
d)進度が遅すぎる
e)英文を書く分量が多すぎる
f)英文を書く分量が少なすぎる
9)その他( )
3)今後どのように授業を進めるとよいと思いますか?
(複数回答可)
a)授業内容,進度はこのままでよい
b)授業内容を変えるべき
(例: )
c)進度を遅くする
d)進度を速くする
e)英文を書く分量を減らす
f)英文を書く分量を増やす
9)その他( )
4)海外の学生との文通はどうですか?
a)有意義で楽しい
b)英文で書くのが負担である
c)相手から返事が来ないので失望している
d)その他( )
5)WWWページの作成はどうですか?
a)有意義で楽しい
b)英文で書くのが負担である
c)HTMLのコードが難しい
d)その他( )
皿1 ソフトウェアの使用法の説明について
1)授業中にソフトウェアの使用法の説明をしましたが,あったほうがよかつたですか,
それとも余分でしたか?
a)「ホセン」の授業で習っていたので余分だった
b)あってよかった
c)もっと時間をさくべきだった
2)1)でb)答えた人にお聞きします。次の何が役にたちましたか?
(複数回答可)
a)電子メールの使い方
b)モザイクの使い方
72 清水 眞・山之上卓
c)WWWページの書き方
d)コマンドー般
e)その他のソフトウェア(スペルチェッカー,小テスト実施採点システム等)の使い
方
3)1)でc)と答えた人にお聞きします。次の何にもつと時間をかけるべきでしたか?
(複数回答可)
a)電子メールの使い方
b)モザイクの使い方
c)WWWページの書き方
d)コマンドー般
e)その他のソフトウェア(スペルチェッカー,小テスト実施採点システム等)の使い
方
IV 英語の授業一般について
1)あなたは個人は英語の授業を履修する必要があると思いますか?
a)大いに思う
b)思う
c)どちらでもない
d)思わない
e)全く思わない
2)日本の大学で英語を履修する必要があると思いますか?
a)全員がすべき
b)希望者だけ
c)必要ない
3)あなたが九州工業大学で選択英語を履修するとしたら,次のどれを選びますか?(複
数回答可)
a)英語で読むプレイボーイ
b)CAI教材で学ぶ英文法
c)英文法CAI教材の作成
d)マルチメディアで英会話
e)TOEFL550点の英語
f)その他( )
V アンケートの質問のことでも,その他のことでも,何でも結構です。意見,コメント,
批判,希望等を是非書いてください。
ご協力ありがとうございました。
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