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第4回周術期セミナー H23.5.21.

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第4回周術期セミナー H23.5.21.
第4回周術期セミナー
H23.5.21.
神経の圧迫・牽引(過剰な伸展や屈曲)・虚血に
より生じやすい
起こりやすい神経障害
橈骨神経麻痺
尺骨神経麻痺
腕神経叢麻痺
総腓骨神経麻痺
原因としては、睡眠時の
上腕部での圧迫が多い。
リヒカでの圧迫
術者に圧迫
上腕骨内上顆
肘部管を通る
尺骨神経
肩を内旋すると圧迫される
原因としては、外傷性の牽引損傷が一番多い。
頭部が健側に傾き、肩関節が下方に引き下げられ、
腕神経叢に牽引が加わって生じる。
原因は、腓骨頚部を
腓骨頭 巡る部位での圧迫が
多い。
腓骨神経 ギプス、足組、正座、
術後の下腿外旋位
での長期臥床など
外旋位では腓骨神経は
腓骨頭とベッドの間に
なり、圧迫される。
圧縮応力
剪断応力
引っ張り応力
ケープ(株)引用
13㎝
ケープ(株)引用
●手術侵襲・麻酔
手術内容
手術時間
出血量
麻酔方法
湿潤
低体温管理下
人工心肺
●患者の要因
年齢
検査値
身長・体重 BMI
関節可動域制限
循環動態が不安定
皮膚の状態
これらの情報、計画を手術室看護師、麻酔科医、手術担当医
と共有しチームで安全な体位を確保する。
リスク要因
アセスメント
手術内容
・術式による圧迫・ずれ力・摩擦が生じる部位を予測する。
・ローテーションをかける手術は、特にずれ力が生じやすい。
・同じ術式でもアプローチ方法により体位が違うことがある。
手術時間
・6時間以上の全身麻酔下手術は褥瘡ハイリスクであるといわれている。
・長時間になればなるほど褥瘡・神経障害のハイリスクである。
手術体位
・特殊体位(腹臥位、側臥位、砕石位、坐位)。それぞれ圧迫される部位が
異なる。
低体温
・麻酔薬による体温調節機能の抑制や末梢血管の拡張、露出した皮膚や開腹
した術野の体表からの熱放散、腹腔内洗浄や輸液温度の影響などによって、
低体温が起こりやすい。中枢温が低下すると、組織の温度は下がり、末梢組
織の虚血状態を引き起こす。
出血量
・大量出血では、循環不良がおこるため褥瘡が発生しやすい。
湿潤
・出血や浸出液、消毒薬、発汗などによる皮膚の湿潤によって浸軟(ふや
け)を引き起こして外界からの力に対する抵抗力が低下する。
麻酔
・麻酔薬や出血の影響によって生じる血圧低下やカテコールアミン使用など
では、末梢組織の虚血状態を起こす。
リスク要因
アセスメント
年齢
・高齢者は脊柱の湾曲や変形、骨突出がある可能性がある。
・高齢者の皮膚は脆弱である場合は多い。
検査値
・栄養状態が不良、貧血であれば褥瘡発生のリスクがたかい。
身長・体重
BMI
・やせの場合は、骨突出がある。
・肥満の場合には、皮膚どおしの接触により皮膚異常が起こる可能性がある。
・体型に合わせた手術台や体位固定具が必要になる。
関節可動域
麻痺
・関節可動域を超えた体位固定は、神経障害、おこす。
・全身麻酔中は、患者は意識がないため関節可動域を十分把握する。
・麻痺があると関節が拘縮している可能性が高い。
循環動態が
不安定
・虚血は褥瘡発生のリスクを高める。
皮膚の状態
・全身の皮膚の乾燥、湿潤、浮腫は褥瘡発生のリスクを高める。
・褥瘡の既往の有無と既往があれば、その部位は再度褥瘡を起こす可能性があ
る。
・すでに褥瘡がある場合には、悪化しないようにする。
疾
患
直腸がん
予定術式
腹腔鏡下直腸前方切除
予定時間
6時間
手術体位
砕石位(レビテーター®使用)
麻酔方法
全身麻酔
体
格
身長:158 cm
体重:45kg
既往歴
42歳:関節リウマチ(RA)発症
60歳:右)人工股関節全置換術(THA)
62歳:左) 同手術
内服薬
リウマトレックス® 6 mg/w
プレドニン® 5 mg/d
セレコックス® 2T/d
セルベックス® 2T/d
検査データ
RBC:200万/mL
WBC:12,000 /mL
Ht:29%
Hb:8.5g/dL
CRP:1.5 mg/dL
IU/mL TP:6.5 g/dL
Alb:3.5 g/dL
RF:40
①肩関節:屈曲 0~100° ①股関節:屈曲 80°伸展0°
②肩関節:外転 0~60° ②股関節 :内転 5°
外転 30°
60°
0°
③肘関節:20~90°
20°
90°
④手指:尺側変位
30°
③股関節:内旋 5°
外旋 20°
④膝関節:20~90°
①頚部:後屈制限あり
閉経後に
よる
骨密度低下
プレドニン
5 mg/d 内服
骨密度低下
低体重
骨重量少ない
全身麻酔
無意識
筋弛緩状態
1)体位変換により骨折を生じるリスク

RAによる関節可動域制限

手術体位
80以上
2)関節脱臼・神経障害が生じるリスク
皮膚血流低下
弾力性低下
ステロイド
長期内服
バリア機能低下
貧血
組織耐久性低下
3)褥瘡形成のリスク
痩せ型体型
RAによる
骨突出
70 mmHg/cm2
血圧低下
→組織虚血
6時間予定
手術体位による圧迫
ローテーションによ
るずれ
看護問題
1)体位変換により骨折を生じるリスク
2)関節脱臼・神経障害が生じるリスク
3)褥瘡形成のリスク
【看護目標】
・骨折を生じない
・術後の関節可動域が縮小しない
・末梢神経障害を生じない
・股関節の脱臼を生じない
・皮膚障害を生じない
田中マキ子:これだけは押さえておきたい体位固定の要点, OPEnursing,
メディカ出版,2009, vol.24,no.3,p68‐72
内藤友子他:患者のアセスメントから押さえるアセスメントと対応,
メディカ出版, OPEnursing,2009,vol.24,no.3,p73‐78
渋谷かをり他:術式情報から押さえるアセスメントと対応,OPEnursing,
メディカ出版, 2009, vol.24,no.3,p80‐86
三富陽子他:周術期褥瘡の予防は?褥瘡Q&A,中外医学社 東京,2008:83.
鳥巣岳彦:関節リウマチとその類縁疾患,標準整形外科学 第8版,医学書院,
2003,p187‐188
越智光夫:末梢神経障害損傷,標準整形外科学 第8版,医学書院,
2003,p701‐717
北海道大学病院手術部ナースセンター:手術患者の体位アセスメント,
メディカ出版,2005
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