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2015年度大学院案内（PDF）
建学の精神 わが国、特に東北地方の産業界で指導的役割を担う 高度の技術者を養成する。 なりたい自分になるために 大学院という もうひとつの選択。 大学院の理念・目的 本大学院は、建学の精神に則り、学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥を究 めて、ひろく文化の発展に寄与することを目的とする。また、その目的実現のために、 「創造から統合へ－仙台からの発進」のスローガンのもと、人間 ･ 環境を重視した豊 かな生活のための学問を創造し、社会との真の融合を目指すことにより、地域の文 化と産業の発展に寄与するとともに、その中心となって貢献することのできる高度 の専門知識と問題解決能力を備えた優れた人材を育成する。 教育目標 工学研究科 ライフデザイン学研究科 本研究科は、東北地方を中心とした地 本研究科は、東北地方を中心とした地 域社会から国際社会に及ぶ広範囲な領 域社会から国際社会に及ぶ広範囲な領 域において、持続可能な社会に寄与す 域において、持続可能な社会や生活文 る 科 学 技 術、 環 境 技 術、 産 業、 生 活、 化の実現に寄与する科学技術、環境技 芸術文化にかかわる高度な専門性と卓 術、産業、芸術の統合につとめ、これ 越した創造性、統合的能力および国際 にかかわる高度な専門性と卓越した創 理解力を有する技術者ならびに研究者 造性、教養および国際理解力を有する を育成することを目的とする。 技術者、デザイナーならびに研究者を 育成することを目的とする。 入学者受け入れの方針（アドミッション ･ ポリシー） 工学研究科 ライフデザイン学研究科 1. 幅広い工学分野の専門知識の修得が 1. 幅広いライフデザイン学分野の専門 可能な基礎学力を有する人。（学力） 知識の修得が可能な基礎学力と総合 的な判断力を有する人。（学力） 2. 高度な専門的知識・技術修得に強い 意欲を持ち、課題解決に積極的に取 2. 専門分野において多様な活動実績や 秀でた能力を有する人。（実践力） り組む人。（勉学姿勢） 3. 高い倫理観を有し、専門知識を踏ま 3. 高度な専門的知識・技術ならびに技 えて地域社会から国際社会において 能修得に強い意欲を持ち、目的意識 社会貢献に熱意を持つ人。（社会人と が明確な人。（勉学姿勢） しての資質、社会貢献への姿勢） 4. 高い倫理観を有し、専門知識を踏ま えて地域社会から国際社会において 社会貢献に熱意を持つ人。（社会人と しての資質、社会貢献への姿勢） 長町キャンパス 4号館 学 長 挨 拶 ―――――――――――― 2 工 学 研 究 科 ― ――――――――――10 ライフデザイン学 研 究 科 ― ――――32 NEWS & TOPICS――――――――― 3 電子工学専攻― ―――――――――11 デザイン工学専攻― ―――――――33 専攻概要、教員紹介 専攻概要、教員紹介 大学院は自らが学ぶ環境。 これからの時代が必要とする社会人になってください。 通信工学専攻― ―――――――――15 長町キャンパス 施設紹介― ――――37 学部での専門知識・技術の修得は、それだけでも実社会に貢献できるものであることは間違いありませんが、 岩崎 俊一理事長 平成25年度 文化勲章を受章 平成26年度「仙台市名誉市民章」受章 大学院で学ぶということ― ――――― 4 『大学院』 というもうひとつの選択― ― 7 大学院進学の「魅力」 本学大学院の「特徴」 大学院進学に伴う 「学費」等 特待生・奨学生・研究補助等 支援制度 大学院修了後の「進路」 入 試について― ――――――――― 9 専攻概要、教員紹介 さらに高度かつ実践的な研究活動を行える場所が『 大学院 』です。 建築学専攻― ――――――――――19 留学生インタビュー――――――――38 専攻概要、教員紹介 土木工学専攻― ―――――――――23 専攻概要、教員紹介 環境情報工学専攻― ―――――――27 専攻概要、教員紹介 八木山キャンパス 施設紹介― ―――31 1 Tohoku Institute of Technology Graduate School ※本冊子に掲載されている修学年等については2015年3月現在のものです。 学 部に在 籍している 4 年 間は受 動 的な学びに費やす時 間が比 較 的 多く、より特 化した分 野について新たな 可能性を模索しようとしても、そのために使える時間は限られたものになっています。 大学院へ進学することでその課題も一蹴され、指導教員と密接な立場でより高度な研究に携わることができ、 皆さんの 「 創 造 的 探 究 心 」を後 押ししてくれるはずです。また、研 究 活 動のステージは本 学にとどまらず、 学会や企業との交流をはじめ、自らが望むだけの広がりを見せることでしょう。 本学大学院における修了者の就職率は全国的に高い水準を誇るとともに、学部卒業者に比べ、より重要な ポジションで採用され、実社会でも活躍する機会は大きく広がります。 皆さんが進路について考える時、『 大学院進学 』という選択肢は、きっと魅力的な道標になることでしょう。 学長 宮城 光信 Tohoku Institute of Technology Graduate School 2 大学院で 学ぶ ということ NEWS & TOPICS 岩崎俊一 理事長 探求心や好奇心を糧に、 研究を更なる高みへと発展させる大学院。 先輩たちはそこで 何を学び、どんな経験をしたのでしょうか。 大学院進学を選んだ先輩たちの リアルな声を紹介します。 （2011 年 ） 11 月には日本磁気学 永山 雅大さん 博士（後期）課程 1 年 デザイン工学専攻 指導教員／原田 一 ラ イフ デ ザ イン 学 研 究 科 ／ デ ザ イ ン 工 学 専 攻 震災を契機に避難誘導サインを研究。 実用化を目標に、 さらに次のステージへ。 大 学 4 年から継 続して、 避 難 誘 導サイン 昭和 24 年 3 月 東北大学工学部通信工学科卒業 平成 元年 4 月 東北工業大学長（平成 20 年まで） 34 年 4 月 工学博士（東北大学） 15 年 11 月 瑞宝重光章 59 年 3 月 東レ科学技術賞 16 年 9 月 東北工業大学理事長（現職） 4 月 東京通信工業株式会社（現ソニー株式会社） 39 年 6 月 東北大学電気通信研究所教授 61 年 4 月 東北大学電気通信研究所所長 （平成元年 3 月まで） 6 月 藤原賞 62 年 6 月 日本学士院賞 11 月 文化功労者 4 月 東北大学名誉教授 12 月 日本学士院会員 22 年 4 月 日本国際賞（JAPAN PRIZE） 25 年 11 月 文化勲章 26 年 4 月 ベンジャミン・フランクリン・ メダル（電気工学部門） 7 月 仙台市「名誉市民章」受章 ができました。研究は満足してしまったらそこ を通した都市デザインの研究を行っています。 で終わりです。自分から研究を楽しめるように この研究を始めた契機は東日本大震災です。 なれば、何らかの結果がついてくるんだと思 多くの人が逃げ遅れてしまう実態を目の当たり います。 にし、人の命を守る研究が必要だと考えまし 岩崎 俊一 理事長 略歴 P.33 ▲ フ ラ ン ク リ ン・ メ ダ ル（ 電 気 工学部門） 』を受賞。日本、延 いては世界の技術発展にめざ ましい功績を残したことが認 められました。 これらの業績は一貫して仙 台の地で生み出され仙台を広 ま た、 先 生 は、 専 門 分 野 に く世界に知らしめております。 おいて世界的業績を挙げる一方 で、東北工業大学学長及び理事 長として、地域社会の高等教育 の発展と研究成果の社会還元に こ れ ら の 業 績 に よ り、 仙 台 も尽力されております。 人 目 の「 名 誉 市 民 」 の称号が贈られました。 市より これらの受賞は技術の将来 性を見通した、先見の明とも言 える発明が、その独創性と将来 性で、現在の産業界を大きく発 展させたという結果を物語っ ています。 「科学技術とは、 “科 学”として実証するだけではな く、 “技術”として人々の生活 に役立つものであるべき」とい う信念のもと、未来を的確に見 据えた発明とその姿勢は、今、 そしてこれから本学で学ぶ学生 にとっても、大きな目標となる ものでしょう。 22 会 に よ り、 今 後 の 磁 気 磁 性 に 関する我が国の学術と産業の 発 展 や、 社 会 へ の 普 及 に つ い て様々な議論が広げられるよ う、『 第 １ 回 岩 崎 コ ン フ ァ レ 一 昨 年 に は つ い に、 日 本 で 月 ンス』が開催されました。 25 年 度『 文 陛 下 か ら 親 授 さ れ ま し た。 ま そしてその経験は、どんな未来に つながっているのでしょうか。 最も栄えある平成 た、『 文 化 勲 章 』 の 受 章 と 時 化 勲 章 』 を 受 章。 同 年 な「 雇 用 」 も 創 出 す る な ど、 期 を 同 じ く し て、 世 界 で 最 も 学技術としての恩恵だけでは その影響は多岐にわたります。 古く最も権威のある米国の総 日（ 文 化 の 日 ） に 発 令 す る 運 これらの社会的貢献が高 合的な科学賞のひとつである び と な り、 宮 中 に お い て 天 皇 く 評 価 さ れ、2010 年 に 『2014 年度ベンジャミン・ 関連するあらゆる市場に大き は『 日 本 国 際 賞（JAPAN なく、ＨＤＤ 産業界とそれに PRIZE）』 を 受 賞。 翌 年 3 平成 年度「文化勲章」受章 平成 年度「仙台市名誉 市民章」受章 た「垂直磁気記録方式」によっ ウドやビッグデータなどのよ パ ソ コ ン や テ レ ビ、 音 楽 の うに情報化社会の発展を加速 化・ 大 容 量 化 を 実 現 し、 ク ラ し て、 私 た ち の ラ イ フ ス タ イ て、それまでのＨＤＤ は小型 Ｄ Ｄ ）』。 こ の Ｈ Ｄ Ｄ 産 業 の 発 『ハードディスクドライブ（Ｈ ルに大きな変化を与えました。 世界まで重要な記録装置とし 展に大きな影響を与えたのが、 て誰もが耳にしたことのある 東北工業大学理事長 岩崎俊一 技 術 」 は 世 界 中 に 広 が り、 科 こ の「 我 が 国 発 の 世 界 的 産 業 先生が 1977 年に発表し 先生の研究でした。 11 26₂₅ 私は、研究を形にすることを目標に博士課 た。光での誘導は、標識やピクトグラムより、 程への進学を決めました。企業や他大学と連 直 感 的に理 解できるという利 点があります。 携してさらに研究を深め、実用化に向かって 避難は時間との勝負。避難誘導サインが防 進みたいと考えています。 災に必要だという思いは、研究を進めるにつ れ、深まっていきました。 どのように研究を進めていいか悩む時期も 車用避難誘導サイン 装置。車道のセンター ライン及び路側帯へ の設置を想定。ライ トの色や点滅の仕方 によって、研究の目 的である円滑かつ安 全な避難誘導を支援 する方策の一つとし て開発を進めている。 ありましたが、その度に学会や会議で意見を もらう機会に恵まれ、次の指針を見出すこと 3 Tohoku Institute of Technology Graduate School Tohoku Institute of Technology Graduate School 4 大 学 院 で 学 ぶということ 工学研究科／土木工学専攻 ▲ P.11 「思っただけ」で機械を動かす技術を研究。 これからも人の役に立つ開発をしたい。 親しくしていた知人が事故で下半身麻痺にな 大学院で養われた管理能力を活かし、 被災地鉄道の復旧・新設工事に従事。 するかについて、研究を深めていきました。 私は、社会で実戦力となるスキルを身につけ しています。工事管理の仕事は、決められた工 大学院は、自分のやりたい研究をとことん突き たいと思い、大学院に進学しました。大学院で 期の中で、いかに安全で良いものを作るかという 電子工学専攻に進みました。中心的に研究し 詰められる場です。少しでもやりたい気持ちがあ は、研究スケジュールは自分自身で管理し、研 ことが問われます。仕事をする中で、スケジュー たのは、考えただけで機械を操作できる「ブレ るなら、ぜひチャレンジしてみてください。私は大 究を深めていく必要があります。自主性が重ん ル管理やマネジメント能力は、大学院での経験 インコンピュータインタフェース」 という技術です。 学院で、論理的に考える能力をしっかり身につけ じられる環境で、研究にじっくり取り組んだこと を通して養われたものだと思っています。 これは体が動か せない患者さんが手足を使わ ることができました。修了後は車やバイクの電子 から得られた経験は、自分を確実にステップアッ ずに電動車椅子などを操作するための手段とし 制御機器などを開発・製造する企業に就職しま て、近年注目を浴びている技術です。具体的 す。大学院で学んだスキルを活かして、人の役 には実際に体を動かすケースと、体を動かすイ に立つ技術を開発していきたいと思います。 り、その人の力になる技術を研究したいと思い、 メージをしたケースとで、脳の血流がどう変化 （株） ケーヒン プさせてくれました。 鎌田 智愛さん 1999 年に大学院を修了、JR 東日本に入社し、 修士（工学） 電子工学専攻 指導教員／加納 慎一郎 2014年3月修了 不安に思う人もいるようですが、私はそうは思いま せん。研究を深める 2 年間は、視野を大きく広げ 現在は東日本大震災の被災線区復旧工事をはじ てくれました。自分のやりたいことを見出し、仕事 めとした東北地方の工事全般の予算管理を担当 に対する選択肢を増やしてほしいと思います。 工学研究科／環境情報工学専攻 ▲ P.15 大学院への進学は就職時期が先になるため、 就職活動まで始めていた私が、進学を決意し ろは、測定機器の扱い方もよく分か らず、ミスばかりしていました。けれ た。大学院で過ごした 2 年間は、とにかく研究 ども、めげずに続けていくうちに、後 宇宙から地球を見守る衛星に、自分の研究が活 い分野へ興味を広げる素地となり、私にとって大 に没頭する毎日でした。少人数制なので、先生 輩に指導できるまでに成長していた かされるかもしれない、と感じた瞬間の衝撃は、 きな財産となっています。 もとても熱心に指導してくださいました。先生と んです。あきらめずに続けていけば 今も強く心に残っています。 話すのが楽しく、もっと専門的な話をしたいと勉 いつか結果が出るという自信がつきま 強するうちに、自然と知識が身についてきたよう した。社会人になり悩むことも多いですが、こ に思います。 の経験があるので頑張れるのだと思います。一 たきっかけは、先輩の卒業論文発表会でした。 大学院では、陸地に生育する植物分布を観測 通研電気工業株式会社 佐藤 靖典さん 修士（工学） 通信工学専攻 指導教員／上杉 直 2013年3月修了 のを研究し作り上げる “ 研究・開発 ” という幅広 社会に出れば 1 から学ばなければならないことが たくさんありますが、研究で培った知識や経験が、 するための “ レーザー ” について実験 ･ 検証を行 理解の助けになっていると感じています。大学院は いました。研究を通じてさまざまな人と会う機会に 自分の夢や目的を確認できる場所です。具体的な も恵まれ、その研究や考え方に大いに刺激を受 目標はやる気へとつながります。自分としっかり向き 寺崎 知広さん けました。大学院での経験は、光を使用した応 合い、有意義な時間を過ごしてください。 環境情報工学専攻 指導教員／浅井 和弘 （研究室：佐藤 篤） 2010年3月修了 チャンスを逃さず、飛び込んで！ スイスや建築事務所で武者修行。 地域活動のウェブサイト開発を通して リデザインの重要性を学んだ。 大学院の一番の 仙台市青葉区滝道町内会のウェブサイト開発 グラムを構築しやすいように工夫でき 学院では、学外での活動に積極的に参加しまし 魅力は指導してくださ を通して、活動に適合する道具のデザインプロ るようになったことは、今の仕事にも た。修士 1 年の時には 9 カ月間スイスへ。右も る先生との距離が近く、より深い知識や経験が セスを研究しました。町内会の方たちとやり取り 活きています。 左も分からないまま始めたインターンでしたが、 積めることだと思います。僕も福屋先生に出会 を重ねる中で、使用者の要望を汲み取り、再 東北工業大学の大学院の良い点 海外の建築の現場に触れられたことは本当に貴 えたことで多くのチャンスをいただくことができま 度デザインを構築していくという過程が、デザ は、プロダクトや人間工学、情報デ 重でした。修士 2 年では、先生の紹介で憧れ したし、それが将来を真剣に考えるきっかけに インの中で最も重要な要素であると学びました。 ザインなど、多彩な分野を学べるとこ の建築事務所のオープンデスクを経験。現場の もなりました。修了後は、オープンデスクを経験 また、デザイナーとプログラマーの両方の立場 ろです。デザインに対する視野が広がり、いろ 厳しさを体感するとともに「建築するということ」 した事務所で働くことが目標です。大学院での を理解できる素養を得られたのも良かったです。 いろな物ごとを広い目でとらえられるようになりま について改めて考えさせられ、将来に対する指 経験に感謝し、これから社会で頑張っていきた プログラマーとしてはできるだけデザイナーの意 した。大学院で学んだことを、いつか誰かに教 図を反映するようにし、デザイナーとしてはプロ えることができたらいいなと思っています。 Tohoku Institute of Technology Graduate School いです。 修士（工学） P.33 建築家になりたいという強い思いがあり、大 針をはっきり持てるようになりました。 北日本電線株式会社 ▲ ラ イフ デ ザ イン 学 研 究 科 ／ デ ザ イ ン 工 学 専 攻 P.19 ▲ 工学研究科／建築学専攻 と努力を続けていきたいと思います。 土木工学専攻 指導教員／神山 眞 1999年3月修了 用技術の魅力もさることながら、未だ世に無いも 学部の 3 年次から院を修了するまで、一貫し り」ということです。大学院に入ったばかりのこ 修士（工学） P.27 て、超短光パルスの測定方法を研究してきまし 人前の技術者を目指して、これからもコツコツ 舟腰 憲二さん レーザーの応用研究を通して 新しいものを作り出す面白さを体感。 研究にのめりこんだ2年間。 継続することの大切さを学んだ。 研究漬けの日々で学んだことは「継続は力な 東日本旅客鉄道株式会社 ▲ 工学研究科／通信工学専攻 5 P.23 ▲ 工学研究科／電子工学専攻 大 学 院 で 学 ぶということ 福田 俊さん 修士（工学） 建築学専攻 指導教員／高橋 恒夫 （研究室：福屋 粧子） 2014年3月修了 株式会社ホロンクリエイト 松本 匠充さん 修士（工学） デザイン工学専攻 （工学研究科） 指導教員／両角 清隆 2012年3月修了 Tohoku Institute of Technology Graduate School 6 『大学院』 というもうひとつの選択 大学院進学の「魅力」 大学院進学に伴う「学費」等 大学院修了後の「進路」 卒業直後の学部生だけでなく、近年では毎年約 8,000 人の社会 平成 25 年度の就職率（当該年度の算出対象は博士（前期）課程のみ） 人が大学院（修士課程）へ進学しています。『大学院進学の魅力』 は 96.0％で、全国の大学院卒（修士課程）就職率の 74.4％※と比べ、 とはどのようなものでしょうか。 高い結果が出ています。また、直近 3 ヵ年（平成 23 ～ 25 年度）に まず、学部 4 年間での学びに対し、さらに高度かつ発展的な研 おいても 94.6％と、学部卒業生全体の就職率と並び、高い就職率を誇 究を行うことができるということです。学部生としては専門知識と ります。 進路内訳をみると、大学院での研究内容を生かした専門技術職・ 技術の習得（いわば“受け身の学び”）が主となりますが、大学院 研究職や教員に就いている割合が高い他、本学の博士（後期）課程 では教員と 1 対 1 で双方向的な関係のもと、自主的に専門的かつ 創造的な研究を行うことができます。 『就職』においてより幅広く、また、責任のあるポジションで活 躍するチャンスが開けることも、魅力の一つです。国内にとどまら ず国際社会においても、専門的な知識をもつ優秀な技術者・研究者 が求められています。大学院を修了した場合、企業ではその専門的 技術や知識、経験に「即戦力」として大きな期待を抱いています。 特に、 「工学系」の修了者就職率が、修士課程修了者全体の就職率 に対し高いポイントであることを見ると、企業が「工学系大学院の 修了者」に対して抱く期待値が就職率となって表れていることがわ かります。 その他の特徴として、学部 3 年生までの成績が優秀な者は学部 3 年生までの修業のみで博士（前期）課程に進学できます。これは「飛 び級」制度といい、これまで 10 名の制度適用者がいます。また、 博士（前期）課程へ進学した者のうち、優秀な成績を修めた者は 2 年 ※「本学卒業者」に含まれるのは、以下の場合 ⑴ 本学学部卒業者および本学学部3年次からの『飛び級進学者』で博士（前期） 課程に入学した者 ⑵ 本学大学院博士（前期）課程を修了し、博士（後期）課程に進学した者 ●「授業料」ならびに「学生諸費分担金」は上記年額を2期に分納。 ●上記の他、 「学生教育研究災害傷害保険料」 （2 年分 1,750 円）と「学友会費」 （年額 1,000 円）が必要です。 ● 2 年次以降は■部分の納入となります。 さらに本学の学部卒業見込者のうち、4 年次までに教職に関す る科目を除いた全科目で、学科ごとに定められた GPA 基準値を満 たした学生は筆記試験が免除され、面接試験のみの入学試験が課さ れる「推薦入学試験制度」があります。 もちろん他大学からの編入学、社会人、外国人など、広く門戸を 開いており、各専攻共通の英語カリキュラムやインターンシップ科 目の導入、他大学の授業科目の単位認定制度など、魅力あるカリキュ ラムを実現しています。 特待生・奨学生・研究補助等 支援制度 特待生制度は、授業料の半分を 1 年間免除する制度です。本学各 社会経済の最前線で活躍しているケースも少なくありません。 ※平成 26 年度学校基本調査に基づく 高等学校教諭専修免許状の 取得も可能 学部で教職課程を履修し、工業の高等学校教諭一種免許 状を取得した学生が大学院へ進学した場合、高等学校教 諭専修免許状（高校の校長や教頭などの幹部教員の教員 免許）を取得することが可能です。 学科から春季学内推薦入試による進学を希望する学生を対象に、各 学科が定める GPA 基準値を満たす学生のうち 1 名を認定します。 「東北工業大学大学院奨学生制度」は、人物・成績優秀者を対象 に年額 240,000 円を給付する制度です。大学院入学後、各専攻か ら1 名選考されます。 また、指導教員の研究補助（リサーチ・アシスタント）を行う場 合、月額最大 20,000 円（年額最大 240,000 円）を支給しています。 本学大学院の「特徴」 いる OB・OG もいます。また、専門知識を生かした営業職に就き、 POINT の標準在籍年限を経ることなく 1 年で修士（工学・デザイン工学） の学位を得ることが可能です。 だけでなく他の国立大学へ進学し、さらに創造的な研究活動を行って 【就職先企業・団体例】 （株）エヌ・ティ・ティ エムイー 北日本電線（株） （株）ケーヒン 実験・実習等の教育補助を行う場合、所定の手当を支給する教務補助 （株）光電製作所 員（ティーチング・アシスタント）制度があります。経済的支援とし （株）サイコー としても活用されています。 平成 27 年 4 月現在、 本学の大学院には「工学研究科」と「ライ その他にも多くの公的・私的奨学金制度があり、様々な経済支援の フデザイン学研究科」が設置されています。工学研究科には「電子工 方策により、実質的な学費等は相当に低減されます。 東北リコー（株） （現 リコーテクノロジーズ（株） またはリコーインダストリー（株）） グレープシティ （株） ほぼ全ての学生が支給を受けています。指導教員の元、学部学生の てだけでなく、将来、教員・研究者になるためのトレーニングの機会 （株） ＴＴＫ （株）東北構造社 日成ビルド工業（株） 日本電設工業（株） 三勇床工事（株） （株）復建技術コンサルタント サイタ工業（株） ジョンソンコントロールズ（株） （株）シーエスデー （株）北洲 （株）本間組 三井住友建設（株） 清水建設（株） （株）Ｍｉ ｎｏｒ ｉソリューションズ 学専攻」「通信工学専攻」「建築学専攻」「土木工学専攻」「環境情 新日本設計（株） 報工学専攻」の５つの専攻、平成 24 年度から設置されたライフデザイン セキスイハイム東北（株） （株） ミライト 三菱化学（株） 学研究科には「デザイン工学専攻」があり、2 研究科 6 専攻にはそれ 積水ハウス（株） （株）山下設計 ぞれに「博士 （前期） 課程」と「博士 （後期）課程」が設置されています。 博士（前期）課程（2 年）を修了すると修士（工学）または修士（デザ イン工学）の学位が、博士（後期）課程（3 年）を修了すると博士（工学） SOLIZE Engineering（株） （株）総合設備計画 通研電気工業（株） 高等学校教員、大学研究員 宮城県、青森市、郡山市など地方公務員 国家公務員その他（陸上自衛隊） または博士（デザイン工学）が授与され、平成 4 年の設置以来、修士 （工学）、博士（工学）を合わせて約 600 名の学位授与者を輩出して います。 7 Tohoku Institute of Technology Graduate School Tohoku Institute of Technology Graduate School 8 Graduate School of Engineering ■試験日程 試験区分 出願期間 平成27年5月13日 （水）〜5月15日 （金） 平成27年5月22日 （金） 平成27年6月5日 （金） 平成27年8月27日 （木） 平成27年9月9日 （水） 平成27年9月25日 （金） 平成28年2月23日 （火） 平成28年3月4日 （金） 平成28年3月17日 （木） 平成28年2月23日 （火） 平成28年3月4日 （金） 平成28年3月17日 （木） 募集人員 試験場 各専攻5名 本 学 八木山 キャンパス 各専攻2名 ※出願資格等は「大学院入学試験要項内規」の定めにより行います。 ■試験科目及び時間 専門科目 英語 ［専門科目A群］ （120分） ●電磁気学 ●電気回路（電卓持込可） ［専門科目B群］ （60分） 電 子 工 学 専 攻 ●電子物性 ●電子デバイス材料 ●電子回路 ●制御工学 ●コンピュータアーキテクチャ 上記5科目から2科目選択（電卓持込可） ※但し、出願時に選択する2科目を申請すること （申請後の変更不可） 英語 （60分） （辞書2冊まで持込可） ※電子辞書使用不可 ［専門科目］ （120分） ●数学（微分積分学、代数・幾何） ●電磁気学 ●電気回路 ●電子回路 通 信 工 学 専 攻 ●通信システム ●論理回路 ●プログラミング 上記7科目から3科目選択（電卓持込可） ※但し、出願時に選択する3科目を申請すること （申請後の変更不可） 英語 （60分） （辞書2冊まで持込可） ※電子辞書使用不可 光・磁気センサー、半導体、放射線検出器、磁気記録、ナノ構造 11 など多彩な研究室があります。博士（前期）課程では高度技術者を、 博士（後期）課程では研究教育者・リーダー技術者を目指します。 通信工学専攻 通信工学は、信号の伝送や情報の伝達を工学的に扱う学問で す。本専攻には「光通信工学」、「電磁波動工学」、「基礎情報 工学」、「情報処理工学」の 4 分野があり、各分野では高度 情報通信社会を担うのに必要な通信理論あるいはまたコン 博士 （前期） 課程／博士 （後期） 課程 光通信工学分野 電磁波動工学分野 基礎情報工学分野 情報処理工学分野 15 ピュータによる情報処理技術などについて学びます。 面 接 人物考査 東日本大震災で被災した東北地方、そして日本の 社会生活を支えるうえで、理学・工学に支えられた 建築学専攻 業大学の大学院工学研究科には、5 専攻があります。 本専攻は、建築の創造性の裏付けとなる芸術文化史、造型デ 博士 （前期） 課程／博士 （後期） 課程 ザイン、建築計画学、都市環境学、材料科学、構造工学など 建築史・意匠分野 建築・都市計画分野 建築環境工学分野 建築生産工学分野 制振構造学分野 それぞれの専攻には、東北地方、日本の震災復 面 接 人物考査 興に欠かせない工学分野、並びに、これからの社会 生活を豊かにする工学分野を数多く有しています。 是非、大学院に入学し、高度技術を身につけて 英語 （60分） （辞書2冊まで持込可） ※電子辞書使用不可 ることを期待しています。 面 接 人物考査 大学院では、学部で学んできた幅広い基礎的専 門知識を踏まえて指導教員の指導のもとで創造的研 面 接 人物考査 ［専門科目］ （120分） ●小論文 下記4分野から出された12テーマのうちから2テーマを選択。1テーマは志望分野の デ ザイン 工 学 専 攻 テーマから選択すること。2テーマとも同じ分野からの選択可。 〇産業デザイン計画分野 〇環境造形計画分野 〇福祉デザイン計画分野 〇生活デザイン科学分野 英語 （60分） （辞書2冊まで持込可） ※電子辞書使用不可 面 接 人物考査 （ポートフォリオまたは 研究内容を伝える資料を 持参した5分間の プレゼンテーションを含む） 博士 （前期） 課程／博士 （後期） 課程 対象としています。その内容は自然から人間活動まで多岐に 土木材料・構造工学分野 地盤工学分野 水圏の利用と防災分野 土木計画学分野 地域の水循環分野 渡っており、具体的には国土の保全や管理、交通・物流など人・ ルギー供給等人間活動に関わる種々のシステムの計画・建設・ 是非、大学院で創造的成果をあげ、その達成感、 充実感を満喫してください。 13 維持・管理などに関する技術や研究を担う人材を育成します。 環境情報工学専攻 環境情報工学専攻の院生は、自ら計画を立て環境の調査及び 博士 （前期） 課程／博士 （後期） 課程 観測をして、その環境データを解析するためにプログラムを作成 エネルギー工学分野 環境応用化学分野 環境マネジメント分野 水環境・生態系保全分野 環境光エネルギー分野 して検討していきます。その過程で、自分自身のアイデアで計測 技術や対策技術などを考案できる楽しい場がたくさんあります。 本専攻は、日々の教育・研究環境を整える努力をすると同時に省 27 ページ 英語 （60分） （辞書2冊まで持込可） ※電子辞書使用不可 本専攻は我々の暮らしを支える最も重要で基本となる工学を 環境情報工学専攻 ［基礎数学］ （60分） ●数学（微分積分学、代数・幾何学） ［専門科目］ （120分） 〈電気系分野〉●電磁気学 ●電気回路学 環境情報工学専攻 〈化学系分野〉●物理化学 ●有機化学 〈生物系分野〉●環境生物学 ●保全生態学 〈情報系分野〉●コンピュータシステム ●コンピュータネットワーク ●アルゴリズム ※但し、上記４分野の中から２分野を出願時に申請すること （申請後の変更不可） （電卓持込可） 土木工学専攻 物の移動、また「ライフライン」と言われる水の循環やエネ につけることができます。 面 接 人物考査 間の創造に携わることができる力を育てます。 ができます。 研究者としての基本的技術、考え方、手法などを身 19 ページ 英語 （60分） （辞書2冊まで持込可） ※電子辞書使用不可 院生が多岐にわたる建築の基礎を身につけ、よりよい建築空 究を遂行することで先端技術の一端を理解すること 研究に際しては、主体的に行動することで技術者・ ［専門科目］ （120分） 数学（解析、代数・幾何）、構造力学、 コンクリート工学（鉄筋コンクリートを含む） 地盤工学、水理学、都市計画 上記６科目から２科目を選択し、出願時に申請すること （申請後の変更不可） ※但し、志望分野ごとに指定する下記科目を含むこと。 土 木 工 学 専 攻 〈土木材料・構造工学分野〉●構造力学 ●コンクリート工学 のうち1科目 〈地盤工学分野〉●地盤工学 〈水圏の利用と防災分野〉●水理学 〈土木計画学分野〉●都市計画 〈地域の水循環分野〉●水理学 （電卓持込可） 重点を置いています。こうした研究・教育環境のもと、大学 土木工学専攻 地域社会に貢献できる技術者・研究者として活躍す の研究領域を全て備えるとともに、建築実務を学ぶことにも ページ 科学技術の重要性が改めて認識されました。東北工 建築学専攻 ［専門科目A群］ （120分） 志望分野ごとに指定する次の2科目 〈建築史・意匠分野〉●建築史及び建築意匠 ●建築計画及び都市計画 〈建築・都市計画分野〉●建築計画及び都市計画 ●建築史及び建築意匠 建 築 学 専 攻 〈建築環境工学分野〉●建築環境工学 ●建築計画及び都市計画 〈建築生産工学分野〉●建築材料学 ●建築構造学 〈制振構造学分野〉●構造力学 ●建築構造学 （電卓持込可） ［専門科目B群］ （60分）●小論文 面接 未来の技術者・研究者を目指して、 創造的研究成果をあげ、達成感、 充実感を満喫してください。 ロボット、音声処理、組み込みシステム、ネットワーク、生体医用情報、 ページ 専攻 工学研究科 システム分野 センシング分野 デバイス分野 通信工学専攻 平成28年1月21日 （木）〜2月10日 （水）必着 入学手続期限 博士 （前期） 課程／博士 （後期） 課程 応し、システム、センシング、デバイスの 3 分野があります。自律 ページ 博士（後期）課程 合格者発表 電子工学は IT 社会の基盤技術です。本専攻には学部のコースに対 Ｐ 博 春季学内推薦入試 平成27年4月9日 （木）〜4月28日 （火）必着 士 ︵ 前 1期（1期学内 平成27年7月14日 （火）〜8月4日 （火）必着 期 推薦入試含む） ︶ 課 2期（2期学内 平成28年1月21日 （木）〜2月10日 （水）必着 程 推薦入試含む） 試験日 電子工学専攻 電子工学専攻 入試について 蓄創エネルギーを極め、社会に貢献することを目指します。 〈個人情報の取扱いについて〉 大学院 工学研究科長 渡邉 浩文 Watanabe Hironori 入学志願票等に記載されている個人情報は、受験票送付、合否通知、入学手続書類 ( 学籍簿・学生調書等）、入学許可書、入学辞退、入学式案内、学生証交付など、志願から入学までの一連の業務に係る各種連絡通知、 ならびに入学後、修学関係（履修登録・名簿作成・学業成績等）、学籍関係 ( 各種学籍処理・証明書発行等 )、進路関係 ( 就職調書・就職支援等 )、学生生活関係 ( 奨学生選考・健康診断・各種登録申請・施設利用等 ) 及びそれらの各種連絡通知など、本学の教育・研究、学生支援に必要な業務に供するために利用いたします。 また、本学入学後、保証人を含む個人情報は、各種連絡通知に使用するために本学の後援会、同窓会、学友会、奨学団体及び工大生協等に提供することもありますので、ご了承ください。 9 Tohoku Institute of Technology Graduate School Tohoku Institute of Technology Graduate School 10 材料からデバイス・装置、計測・制御、 システムまで幅広い分野を扱う学問です。 カリキュラム 研修科目 専門科目 共通科目Ⅰ 関連科目 電子工学専攻前期課程研修 電子物性学特論 生体情報工学特論 計測回路工学特論 応用数学特論Ａ 研究科における他専攻の授業科目 信号処理・制御特論 応用数学特論Ｂ バイオセンシング特論 パターン情報処理特論 インターンシップ 他大学院の授業科目 半導体デバイス工学特論 光子工学特論 磁気材料・デバイス特論 応用電子工学特論 制御工学特論 画像電子工学特論 共通科目Ⅱ 電子工学専攻 電子工学は I T を支える基幹技術。 大学院教授会において関連科目と 認めたもの 大学院の英語Ⅰ ロボット工学特論 大学院の英語Ⅱ メカトロニクス特論 通信工学専攻 システム分野 センシング分野 分野長：丸山 次人 ［研究チーム］ 分野長：小林 正樹 ［研究チーム］ ●医用工学センシング ●音響・音声処理 ●光・磁気センシング ●センサネットワーク ●イメージセンシング・ディスプレイ ●組込みシステム ●生体情報処理 建築学専攻 ●ロボティクス デバイス分野 土木工学専攻 分野長：本多 直樹 ［研究チーム］ ●半導体デバイス ●磁気デバイス ●医用工学デバイス ●ナノ構造デバイス 電子 工学 専攻 より専 門 的で 高 度 な 研 究 を 行うことで 、 明 日の日 本 を 牽 引 するプロの 研 究 者・技 術 者 を 育 成します。 現代は IT（情報技術）社会といわれています。電子工学はこの IT を支える基幹技術です。材料からデバイス・装置、 計測・制御、システムまでの非常に幅広い分野が含まれます。 本電子工学専攻は学部のモデルコースに対応した、システム、センシング、およびデバイスの 3 つの分野で構成さ れています。システム分野では自律ロボットや組込みシステム、音声処理、ウエアラブルコンピューティング、アドホッ 電子工学 専攻長 小林 正樹 教授 Kobayashi Masaki クネットワークなどの研究が、センシング分野では生体医用画像や生体情報処理、光・磁気センシングなどの研究が、 また、デバイス分野では半導体デバイス、放射線検出デバイス、磁気ストレージ、ナノ構造デバイスなどの研究が活 発に行われています。 特に、ロボット工学とバイオ・医工学の拡充が計画されています。 博士（前期）課程では高度のエンジニア育成を目標に、博士（後期）課程では研究教育者やリーダーエンジニア の育成を目標に教育と研究を行っています。 11 Tohoku Institute of Technology Graduate School Interview 環境情報工学専攻 Graduate Department of Electronics 修了生インタビュー 自分の研究で世界を席巻する。 院での経験が夢を叶える礎に。 人見 啓太朗さん 博士（工学） 電子工学専攻 指導教員／庄司 忠良 2001年3月修了 東北大学大学院 工学研究科 量子エネルギー工学専攻 准教授 電子工学についてより高度な研究をしたいと思い、 大学院での研究は、世界の研究者と直接戦い、 私は今、自分の研究で世界を席巻するという夢 大学院に進みました。大学院で取り組んだテーマは 世界一を目指すようなものです。自ら行動し、道を を持って仕事に取り組んでいます。大学院での経験 「化合物半導体を用いたガンマ線センサーの研究」 切り開くことが最も重要になってきます。けれども一 は、必ず自らをステップアップさせてくれます。情熱 です。今でも思い出すのは、実験に何度も失敗し、 方で、そのような厳しい環境であるからこそ、学問 をもって努力すれば、理想の自分に近づくことができ 悩み抜いたこと。最後までめげずに努力を重ねた結 の本質に触れることができましたし、自分の世界を る。皆さんもそう信じて、頑張ってほしいと思います。 果、納得のいく結果を得ることができました。 広げることができたのだと思っています。 Tohoku Institute of Technology Graduate School 12 教授 博士（情報科学） 准教授 博士(理学) 講師 博士（情報科学） 内田 裕久 本多 直樹 柴田 憲治 辛島 彰洋 センシング分野 デバイス分野 デバイス分野 センシング分野 Uchida Hironaga 【主な研究テーマ】 【先生からメッセージ】 光磁気センシング、 磁性フォトニック結晶および プラズモニック材料の研究 光の波長オーダで周期性を持つ構造は、フォトニック結晶と 呼ばれていますが、これに磁性体を組み合わせることによっ て、磁気と光の相互作用を大きくすることができます。この 関する計測法の研究、そしてデバイス やセンサの研究を行っています。 ようなナノスケール構造体の作製法を開発し、構造に起因 する特異な機能を調べ、デバイスやセンサへの応用を目指 しています。 【主な研究テーマ】 【先生からメッセージ】 高密度磁気情報 ストレージ技術の開発 ハードディスク装置（HDD）は今では人類の情報記録のほ とんどを担っているといっても過言ではありません。近年、 ハードディスク装置などの磁気情報スト レージの高密度記録技術を研究。特に、 現行の垂直記録方式を発展させた、ビッ トパターン媒体方式の開発。 HDDは日本オリジナルの「垂直磁気記録技術」が導入され、 大きく発展をしています。 しかし、これからの10年、20年先 には新しい技術の導入も必要です。いくつか候補技術があり ますが、記録密度の飛躍的な向上が期待されるビットパター 【先生からメッセージ】 人工原子・分子の物性探索と デバイス応用 最新の微細加工技術によって作製が可能となった人工原子 は、これまでにない機能を持った画期的なデバイスや新し 人工原子と呼ばれる量子ドットを対象と して、その性質を明らかにし、高機能デ バイスへと応用する研究を行います。 い原理で動作するコンピューターなどを生み出す可能性 を秘めています。本研究室では、人工原子や分子を用いたト ランジスタの作製と評価、新機能探索に関する研究を行いま す。研究はまだ始まったばかりで苦労もありますが、その分、 成功すれば世界に発信できる大きな成果が期待できます。 ン媒体方式の実用化を目指して研究を行っています。 【主な研究テーマ】 【先生からメッセージ】 医療・健康福祉への応用を 目指して生体のしくみを解き明かす 脳の情報処理や体の健康を維持するし くみや、それらの優れた機能がどのよう に実現されているのかについて工学的 な視点から研究しています。 高齢化に伴い予防・診断・治療など医療や健康福祉にかかわ る医工学の役割が増大しています。電子・情報工学の観点 からこの分野に貢献したいと考え、本研究室では、脳波など の生体信号計測、計測結果を解釈するための統計解析やコ ンピュータシミュレーションなど生体システムの理解を目指 した基礎研究を行っています。さらに、基礎研究の応用とし て、 ドライバーの眠気を検知するシステムの開発なども行っ ています。 教授 工学博士 准教授 博士（情報科学） 講師 博士(学術) 内野 俊 丸山 次人 中山 英久 鈴木 郁郎 デバイス分野 システム分野 システム分野 センシング分野 【主な研究テーマ】 【先生からメッセージ】 CMOS融合型機能性 ナノデバイスの研究 今日、ナノテクノロジーは電子デバイスを構築する上で不可 欠であると同時に新技術やビジネスチャンスを生み出す格好 ナノワイアやナノチューブ等のナノ構造材 料を用いた機能性ナノデバイスの開発。 を用いたセンサやメモリなどの電子デバ イスとフォトニクス・デバイスの研究。 いるとはいえ、集積化と信頼性の点から代案は当分現われな いと考えられます。そこで、CMOSと融合可能な機能性ナノデ バイスの研究とそのプロセスの開発を行っています。約20年 後に実用化されると予想されるナノワイアやナノチューブを用 いた機能性ナノデバイスとCMOSの融合を目指します。 【主な研究テーマ】 【先生からメッセージ】 ロボット・メカトロシステムの自律化 制御・学習制御に関する研究 障害者や高齢者の生活を支援するロボッ トと音を奏でるロボットの研究を行いま す。前者は、ヒトとロボットのインターラ クションによる協調制御技術を、後者は ヒトが練習して音を創り出すプロセスの 少子高齢化社会を迎え、今後益々、ロボットの役割が大き くなることが期待されています。そこで、 「ヒトにやさしいロ ボットを考え・作って・動かす」ことで、モノづくりの楽しさと 難しさを学んで欲しいと思います。ロボットは統合技術です ので、チームで取り組みます。モノづくりが好きで、回路製 作・メカ設計・プログラミングのいずれかが得意な方、アイデ アマン、さらに楽器演奏が得意な方、大歓迎です。 【主な研究テーマ】 【先生からメッセージ】 センサネットワークを用いた 情報処理に関する研究 今話題になっているユビキタス社会では、ロボットと人間が 共生するユビキタスコンピューティングの全盛期が訪れよう 次世代の高機能ユビキタスセンシングの 実現のため、高い信頼性を持つアドホッ クネットワークと、確率統計を駆使した 高度な情報処理を行うセンサネットワー クに取り組んでいます。 としています。本研究室はどんな場所でもコンピュータが使 える環境の実現を目指した取り組みを行っています。高い 信頼性を持つアドホックネットワークの技術をベースに、確 率統計を駆使した高度な情報処理を行う高機能なセンシン グについて、ネットワークシミュレータや組込み機器を用い た研究開発を行っています。 学習制御技術の研究を行います。 教授 工学博士 准教授 博士（工学） 小林 正樹 宮下 哲哉 水野 文雄 Miyashita Tetsuya Mizuno Fumio センシング分野 センシング分野 システム分野 【主な研究テーマ】 【先生からメッセージ】 光による生体医用画像センシング 技術＝バイオフォトニクス＝の研究 バイオフォトンとよばれる超微弱な光や レーザーを駆使し、目に見えない生体情 報を画像として可視化する “人にやさし い”医工学の研究を行っています。 健康で豊かな未来社会を実現するため、工学と医学が融 合した医工学がこれからますます重要となります。光を医 療や診断に利用するバイオフォトニクスは、そのキーテクノ 【主な研究テーマ】 【先生からメッセージ】 液晶デバイス・表示デバイスに 関する研究 人は目から大量の情報の取得をしています。現在の情報化 社会では、携帯電話・テレビ・パソコンなどの表示装置を通し て、多様な情報をより深く、短時間で得られるようになって ロジーの一つです。本研究室では、生体の超微弱光を光子 きました。当研究室では、表示のために液晶デバイスに着目 として検出し画像化する世界最高レベルの光計測技術を し、光の制御に必要な基礎物性から未来指向の表示システ ベースに、がんの診断や遺伝子の働きの画像化など生体情 ム、 ３次元ディスプレイなどへの展開を目指した研究を行っ 報可視化技術を研究しています。21世紀のフロンティア＝ ています。 バイオフォトニクスに挑戦してみませんか。 【主な研究テーマ】 福祉・医療への応用を目的として、高齢者 の見守りシステム、高齢者の自立生活支 援装置や生体信号を用いたインタフェー デバイス分野 歩行ロボットや不整地移動ロボットが主 に視覚を用いて状況を認識し、人間をサ ポートしたりロボット同士で協調して作 中で高齢者や子供達をサポートすることが期待されていま す。そのためには、ロボットは周囲の環境を認識し、人間や パートナーロボットの動作を理解する機能が必要となりま す。そのような機能を実現するためには、ロボットはカメラな どから必要な情報を効率的に獲得しなくてはなりません。こ 生物の柔軟な情報処理原理に基づく次 世代音声インターフェースの実現を目指 し、音声認知メカニズム、システム実装、 音響信号処理について研究します。 人間にとって自然で使い易い音声インターフェースの実現 を目指しています。人間の音声認知メカニズムを調べるた めに、合成音声を用いた心理物理実験を行っています。ま た音声の生成を運動制御の観点から分析し、これを応用し たマルチモーダル音声合成システムを開発しています。さ らに時変信号である音声や楽器音を高精度に分析・合成す のロボットビジョン技術について、人間の視覚特性も考慮し るために、正弦波モデルに基づく音響信号処理技術の研究 て研究をしています。 も行っています。 Tohoku Institute of Technology Graduate School 神経疾患の解明に向けた研究を進めています。アイディアを 結集し、最先端の研究を進め、共に未知の生命科学の扉を 開きませんか。 心がけ、研究を行っています。 システム分野 【先生からメッセージ】 支援技術や再生医療への応用および神経回路の記憶や 門技術だけでなく幅広い知識や現象を理解しておく必要が システム分野 音声知覚と信号処理の研究 創る技術や細胞機能をセンシングする技術を開発し、創薬 あります。常に、積極的に新しい知識や技術を修得するよう 小野寺 敏幸 【主な研究テーマ】 再生医療への応用を目指します。 胞由来の神経細胞を用いて、人工的に神経組織モデルを ています。人を対象とした研究を行うには、電子や機械の専 伊藤 仁 これからのロボットには、より知能的に行動し、人間社会の 「測る」技術を開発し、創薬支援技術や 創薬、再生医療などが多いに期待されています。ヒトiPS細 指した装置の研究を行っています。また、両眼の視野を任意 藤田 豊己 【先生からメッセージ】 術と細胞機能を電気的にセンシングする ヒトiPS細胞の誕生により、ヒト細胞を用いた疾患解明、 に動かす装置の開発を行い、両眼視についての研究も行っ 講師 博士（工学） 移動ロボットの視覚機能と 環境認識に関する研究 細胞から生体組織を人工的に「創る」技 【先生からメッセージ】 急務となっています。私達は、高齢者の福祉・医療支援を目 准教授 博士（工学） 【主な研究テーマ】 細胞センシング技術と生体組織 再構成技術を用いた 医工学への展開 高齢社会を迎えた我が国では、高齢者の在宅介護の充実が 教授 博士（工学） Ito Masashi 【主な研究テーマ】 【先生からメッセージ】 メカトロニクスの医療・福祉への 応用、ウェアラブルコンピュー ティング、両眼視野闘争に 関する研究 スに関する研究を実施しています。 Fujita Toyomi Suzuki Ikuro 環境情報工学専攻 教授 博士（工学） Kobayashi Masaki 業するための研究を行っています。 Nakayama Hidehisa 土木工学専攻 特に、カーボンナノチューブやグラフィン の場を提供しています。一方、CMOSは性能限界が近づいて Maruyama Tsugito 建築学専攻 教授 工学博士 Uchino Takashi 13 【主な研究テーマ】 Karashima Akihiro 通信工学専攻 磁気を中心にして、光・電子・スピンに Shibata Kenji Honda Naoki 電子工学専攻 電子工学専攻 ｜ 教員紹介 教授 博士（工学） Onodera Toshiyuki 【主な研究テーマ】 化合物半導体を用いた 高感度ガンマ線検出器の研究 化合物半導体の結晶成長からガンマ線 検出器の構築に至る一貫した研究体制 のもと次世代のガンマ線観測を支えるセ ンサの研究を行っています。 【先生からメッセージ】 ガンマ線の観測は、現代の高度医療を支える核医療診断装 置から遥か彼方の銀河の姿を探る天体観測衛星に至るまで 幅広い応用分野を持ちます。研究では、物質の透過性が高 く目には見えないガンマ線を見るためのセンサを開発しま す。センサの根幹となる半導体を独自に開発しセンサを構 築することで、昨日まで誰にも見えなかった世界に向かって 挑戦しています。 Tohoku Institute of Technology Graduate School 14 から、情報の交換、記憶、選択、処理など、 広く情報を工学的に扱う学問です。 カリキュラム 研修科目 専門科目 通信工学専攻前期課程研修 知識処理工学特論 インターネット工学特論 コンピュータの数学特論Ａ 光通信システム特論Ⅱ 無線通信システム特論 確率過程制御特論 衛星画像解析特論 コンピュータグラフィックス特論 共通科目Ⅰ 関連科目 インターンシップ 研究科における他専攻の授業科目 電子工学専攻 通信工学は、画像や音声などの情報の伝達 他大学院の授業科目 環境電磁工学特論 認知工学特論 計算機工学特論 マイクロ波回路特論 光通信システム特論Ⅰ コンピュータの数学特論Ｂ 情報ネットワーク特論 数理統計学特論 コンピュータアーキテクチャ特論 超音波エレクトロニクス特論 共通科目Ⅱ 大学院の英語Ⅰ 大学院教授会において関連科目と 認めたもの 大学院の英語Ⅱ 光通信工学分野 通信工学専攻 光信号処理工学特論 電磁波動工学分野 分野長：野口 一博 分野長：野本 俊裕 ［研究チーム］ ［研究チーム］ ●光信号処理とその通信システムへの 応用技術 ●マイクロ波ミリ波研究 ●電磁環境研究 建築学専攻 ●無線通信システム研究 ●超音波エレクトロニクス 基礎情報工学分野 情報処理工学分野 土木工学専攻 分野長：佐藤 光男 ［研究チーム］ 分野長：村岡 一信 ［研究チーム］ ●ランダム探索アルゴリズム ●画像解析グラフィックス ●耳撃情報の法科学的見地における 有効性 ●情報ネットワーク ●マルチコアプロセッサの メモリシステム ●認知工学 ●代数系の計算 ●情報ネットワーク 通信 工学 専攻 高 度 な 知 識と技 術 力 、想 像 力 のある人 材 を 養 成 。 通 信 および 情 報 工 学 分 野 の 未 来 を 担う優 秀 な 技 術 者・研 究 者 に 育 成 。 Interview 修了生インタビュー 大学院の知識を応用し、即戦力として活躍。 専門分野をもっと深く学びたいと悩んでいたとこ 自由な雰囲気の中で研究ができるところだと思いま ろ、先生に大学院での研究を勧められ、進学を決 す。自分で研究テーマを設定し、設計、製作、測定 めました。東北工業大学の大学院の良いところは、 などを行える 2 年間は、非常に有意義な時間でした。 私は、無線通信システムに使用されるマイクロ波 帯のフィルタに関する研究に取り組みました。学部 通信工学専攻では、通信および情報工学分野の未来を担う優秀な技術者・研究者の養成を目的に、高度な技術力と ではアンテナの研究をしていたため、電波に関わる 総合力および豊かな想像力をもった人材を育成しています。通信工学専攻には 4 つの分野があり、各分野とその主な システムの基本を幅広く習得し、社会に出ることが 研究テーマは、次の通りです。 通信工学 専攻長 野本 俊裕 教授 Nomoto Toshihiro 製造の仕事に携わっています。電磁界シミュレータ 回路、宇宙空間や地球内部の電磁気学的構造、超音波エレクトロニクスなどについて研究します。「基礎情報工学分野」 を利用した設計やアンテナの測定など、専門的な内 はランダム探索アルゴリズム、耳撃情報の法科学的見地における有効性、マルチコアプロセッサのメモリシステム、 情報ネットワーク、認知工学などについて研究します。 本専攻の博士（前期）課程修了者の就職先からは、高度な専門知識をもち、応用開発能力に優れているとの高い 評価を得ています。 15 できました。私は現在、さまざまなアンテナの設計・ 「光通信工学分野」は、光信号処理、光通信システムなど、また「電磁波動工学分野」は、無線通信技術・伝送 情報ネットワーク、代数系の計算など、また「情報処理工学分野」では、コンピュータグラフィックス、パターン認識、 Tohoku Institute of Technology Graduate School 環境情報工学専攻 Graduate Department of Communication Engineering 容に対応できているのも、大学院での知識や経験が 栁沼 薫さん 修士（工学） ベースにあるからだと思います。 私は、大学院で実践的な知識を習得し、それを 通信工学専攻 指導教員／野本 俊裕 2011年3月修了 仕事で活かすことができました。これからも社会に役 アンテナ技研株式会社 立つアンテナ作りに力を注いでいきたいと思います。 Tohoku Institute of Technology Graduate School 16 教授 工学博士 教授 博士（工学） 准教授 博士（情報科学） 上杉 直 佐藤 光男 村岡 一信 角田 裕 基礎情報工学分野 情報処理工学分野 基礎情報工学分野 Uesugi Naoshi Sato Mitsuo 光通信工学分野 【主な研究テーマ】 【先生からメッセージ】 光信号処理技術の研究 光ファイバ通信技術は20世紀の大発明である光ファイバや 光通信技術の高度化を目指して、光ファ 高効率化に向けた研究、超短光パルス 信号処理技術の研究等を行っています。 術になっています。本研究室では、現状の光通信技術を踏 まえ、更なる高度化に向け、レーザ光の波長を自由に変換す る技術開発を目的にしたチャレンジングなテーマを遂行して います。基礎的原理を踏まえ、実験を主体とした粘り強い研 究により、新たなブレークスルー技術を見出していきたいと 【先生からメッセージ】 【主な研究テーマ】 ランダム探索アルゴリズムを 用いた最適化に関する研究 極めて複雑な関数の最大・最小値（最適解）を求める問題に 対して、ランダム探索アルゴリズムは関数の微分情報など 関数の最大・最小化や組合せ最適化の 問題に対して最適解を言わばしらみつぶ し的に求めようとするランダム探索アル ゴリズムについて研究しています。 マン問題やn-クイーン問題のように、あらゆる候補解の組 合せの中から最適解を求める問題（組合せ最適化問題）に 対しても、このアルゴリズムは有効と考えられます。本研究 【先生からメッセージ】 【主な研究テーマ】 コンピュータグラフィックスによる 自然物・現象の表現法の研究 水流、火炎、雲などの現象や、山岳地形、 植物の形状、動物の動作などをＣＧで自 動的かつリアルに表現する手法の開発 に取り組んでいます。 自然物や自然現象のＣＧによる表現は、景観シミュレーショ ンや仮想現実感、コンピュータゲーム等のリアリティ向上に 欠かせない技術です。従来のＣＧ技術は主に人工構造物の 表現法として発展してきたため、自然物・現象の表現技術と しては必ずしも十分ではありません。本研究室では、対象物 の視覚的特徴に注目したモデル構築により、リアルで効率 的、かつ自動的に形状や動作を表現するＣＧ手法の研究開 する研究を行っています。 【先生からメッセージ】 【主な研究テーマ】 情報ネットワークの通信制御と セキュリティ管理に関する研究 現在、ネットワークは生活の基盤となり、我々は意識しなくて も様々な恩恵にあずかっています。これからは、どこにいて 様々な情報が大量に流通するユビキタ ス社会において、ネットワークを通じて 情報を効率良くかつ安全に送受信する ための技術について研究します。 もネットワークを通じて情報の発信や収集ができるユビキタ ス社会となります。それを実現し、支えていくのがネットワー クの通信制御とセキュリティ管理技術です。シミュレーショ ンやネットワークの構築と運用実験を通して、ネットワーク 技術のエキスパートになって、新たな技術を開発してみませ 発を行っています。 んか。 教授 理学博士 准教授 博士（情報科学） 准教授 博士（工学） 小川 淑人 中川 朋子 Nakagawa Tomoko 河野 公一 Ogawa Yoshito 松田 勝敬 基礎情報工学分野 電磁波動工学分野 情報処理工学分野 【先生からメッセージ】 代数系の計算 数学が身近なところで役に立つ例を示しながら、講義をしま コホモロジーを始めとして代数系の計算 に興味があります。数学教育の改善にも 力を入れています。 す。例えば7で割った余りは曜日を表し、11で割った余りは チェックディジットに使われ、21で割った余りは消費税と関 係があります。 【先生からメッセージ】 【主な研究テーマ】 太陽風プラズマ中の電磁波動 及び磁場３次元構造の研究 本研究室では、 ＪＡＸＡ宇宙科学研究本部との緊密な協力関 係に基づき、月探査衛星「かぐや」観測とコンピュータシミュ 光通信技術の高度化を目指して、太陽か ら噴き出し我々の太陽系空間を満たす への影響を、科学衛星観測やシミュレー ションを用いて研究しています。 「のぞみ」観測による太陽風磁場3次元構造の解析など、 ユニークな研究を行っています。現在計画中の水星ミッショ 【先生からメッセージ】 【主な研究テーマ】 衛星画像処理技術の研究・開発 地球環境モニタリングシステムの構築を 目指し、画像処理技術を用いた衛星デー タ解析方法を研究しています。 人工衛星は地上の広い範囲を定期的に観測できます。従来 の地球観測は地上に設置した複数の観測装置で行ってい たため、いわば地球を点で観測したにすぎませんでした。衛 星による地球観測では結果が画像として得られるため、地 球を点ではなく面として観測できます。本研究室では、森林 ンにも参画しています。宇宙科学に必要な電磁気学や電磁 火災の複合解析技術の開発や衛星画像データベースの構 波工学と情報処理技術の両方を学んだ情報通信の学生の 築など、最新の情報技術を駆使しながら、衛星画像による地 進学を期待しています。 球環境の評価方法を研究しています。 Matsuda Masahiro 情報処理工学分野 【先生からメッセージ】 【主な研究テーマ】 Web連携データベースシステム と組込みネットワークシステムの 研究・開発 多種多様な情報をまとめて扱うことがで きる次世代データベースシステムと、マ データベースシステムも組込みシステムも、実際に動作し て使えるシステムとして作り上げることを目的としていま す。自分の研究成果を使うことができるようにするために は、苦労が多く大変です。 しかし、動いたときの喜びもまた 格別です。 イコンを使った組込みネットワークシス テムの研究・開発を行っています。 教授 工学博士 准教授 博士（情報科学） 准教授 博士（工学） 木戸 博 野口 一博 鈴木 健一 三浦 直樹 基礎情報工学分野 光通信工学分野 基礎情報工学分野 情報処理工学分野 【先生からメッセージ】 【主な研究テーマ】 音声の聴取印象に関する研究 犯罪捜査で行われる声紋鑑定は， 現状では録音された場合 音声を聴取して得られる情報（耳撃証 言）について、法科学や捜査支援の見地 から、その有効性及び活用についての 研究を進めています。 にのみ可能です。 しかし、録音されずとも、犯人の音声を聞 いた人がいた場合、記憶に残っている音声にはとても重要 な情報が含まれています。この情報（耳撃証言）は事件を解 決する糸口になる可能性もあるのです。耳撃証言によって 得られる情報を法科学（法律的に重要な事実関係の研究・ 解釈・鑑定をなす科学、犯罪科学）の分野に活用することが 我々の研究の目的です。 Noguchi Kazuhiro 【先生からメッセージ】 【主な研究テーマ】 光通信システムと その応用技術の研究 光通信システムは現代のIT社会を基礎から支える重要なイ ンフラです。本研究室では、将来の光通信システムのより フォトニックネットワークと呼ばれる光技 術を駆使した新世代の光通信ネットワー クシステムの実現に向けて、その基本 一層の高機能化を目指して、光信号を直接コントロールす るための光合分波技術・波長変換技術などの様々な光技術 の研究を行っています。 となる様々な光技術の研究を行ってい Suzuki Kenichi 【主な研究テーマ】 【先生からメッセージ】 マルチコアプロセッサの メモリシステム 計算機は、今や、すっかり身近なものとなり、あらゆるところ で使われています。その心臓部に当たるのがマイクロプロ 一つの半導体チップ上に多数のプロセッ サを置くマルチコアプロセッサのため に、新しい高速メモリシステムとキャッ シュメモリについて研究します。 セッサとメモリシステムです。 したがって、優れた計算機を 実現するには、高速なマイクロプロセッサとそれに合わせた メモリシステムの開発が重要なのです。本研究室では、ハー ドウェアとソフトウェアの両面から、プロセッサとメモリシス テムの概念設計とシミュレーションによる評価実験を行って ます。 います。 教授 博士（工学） 教授 工学博士 准教授 博士（工学） 工藤 栄亮 野本 俊裕 田村 英樹 電磁波動工学分野 電磁波動工学分野 電磁波動工学分野 Kudoh Eisuke 【主な研究テーマ】 超高速移動無線 ネットワークに関する研究 次世代の超高速移動通信ネットワークを 構築するために、増大する端末送信電 力の抑制と周波数選択性フェージング 【先生からメッセージ】 本研究室では、次世代の超高速な移動無線ネットワークの 構築を目指して、計算機シミュレーションや実験により研究 を行っていきます。 しかしながら、単に知識を身につけるこ とが研修の目的ではありません。基礎に立ち返って粘り強 く考える能力、人と議論するコミュニケーション能力を身に つけていってほしいと思っています。 Nomoto Toshihiro 【主な研究テーマ】 マイクロ波ミリ波回路、 アンテナと無線伝送技術に 関する研究 将来の情報通信の一層の発展を睨み、 マイクロ波ミリ波帯のフィルタやアンテ ナなどの回路技術ならびに無線伝送技 術、送受信機の研究開発を行います。 Tohoku Institute of Technology Graduate School 【先生からメッセージ】 電波すなわち無線（ワイヤレス）であることの強みは、何と いっても送受信機の場所を自由に動かせることであり、移 動通信にとって電波は不可欠です。マイクロ波ミリ波帯のデ バイス、回路、システムの設計だけでなく、実際に自分オリ ジナルなものを作ることによって、オンリーワンであること の喜びを味わえるとともに、貴重な体験ともなります。そし て夢の実現に向けて一緒に頑張りましょう。 環境情報工学専攻 教授 博士（工学） Kido Hiroshi 土木工学専攻 太陽風プラズマ、その磁場変動と惑星 レーションを用いた月周辺の電磁場の解析や、火星探査機 Kawano Koichi 建築学専攻 教授 博士（理学） 【主な研究テーマ】 17 を必要としないので、非常に有効です。また、巡回セールス 室では、ランダム探索アルゴリズムをこれらの問題に適用 考えています。 の克服を目指して研究しています。 巡回セールスマン問題（最短経 路探索問題） と解（赤い部分、出 発点A、数字は2点間距離） Tsunoda Hiroshi 通信工学専攻 イバや光導波路を用いた光波長変換の 半導体レーザ等を駆使しており、現代社会における基盤技 Muraoka Kazunobu 電子工学専攻 通信工学専攻 ｜ 教員紹介 教授 工学博士 Miura Naoki 【主な研究テーマ】 脳機能計測を用いた ヒューマンファクタ研究 高度情報システムを利用する人間の認 知活動を脳科学の手法により計測し、そ の結果を安全かつ便利なシステムの開 発に応用するための研究を行います。 【先生からメッセージ】 情報通信技術は現代社会の様々なシステムを支えていま すが、そのシステムを利用するのも管理・運用するのも結 局は人間であり、人間にとって使いやすいシステムを作り 上げる事は非常に重要な課題です。本研究室では、人間 の認知活動を機能的MRIや近赤外線分光法等の脳科学の 手法を用いて計測し、ヒューマンエラー発生のメカニズム や、作業手順を学習する仕組みについて明らかにしたいと 考えています。 Tamura Hideki 【主な研究テーマ】 固体振動デバイス、特にセンサ ならびにアクチュエータに 関する研究 圧電材料を用いて固体中に超音波を発 生あるいは検出する、すなわち振動を利 用した慣性センサや超音波モータ等に関 して開発・研究に取り組んでいます。 【先生からメッセージ】 身近な小型・携帯機器の機能・性能は留まることなく進化し ていますが、今後更に人間が感覚的に機器を使用できるよ うにするためには、電気的あるいはソフトウェア面だけでな く、物理的な運動をセンシングし、また動きを作る(単純に はレンズのフォーカスなど)機能も一層の高度化が求められ ています。本研究室では圧電現象を利用した固体振動を応 用して小形の慣性センサ及び超音波モータの開発・研究を 行っています。 Tohoku Institute of Technology Graduate School 18 人々に提供するために、本専攻では“建築”に 関わるさまざまな学問を学びます。 カリキュラム 研修科目 専門科目 共通科目Ⅰプロフェッショナルコース 共通科目Ⅱ 関連科目 建築学専攻前期課程研修 日本建築史特論 日本建築生産史 建築環境工学特論Ⅱ 企画と設計 大学院の英語Ⅰ 研究科における他専攻の授業科目 建築生産工学Ⅰ 計画と意匠 大学院の英語Ⅱ 建築意匠特論 建築生産工学Ⅱ 建築環境設備設計 他大学院の授業科目 地域環境計画 建築部位・部材の性能特論 建築構造設計 建築形態論 複合構造学 施工と管理 施設計画特論 振動学Ⅰ 建築設計実務演習 住宅計画特論 振動学Ⅱ 建築環境設備実務演習 建築環境工学特論Ⅰ 制振構造論 建築構造実務演習 電子工学専攻 安全で快適な生活空間を創造し、 大学院教授会において関連科目と 認めたもの せんだいスクール・オブ・デザイン 国際建築ワークショップ 災害技術国際センター インターンシップ 通信工学専攻 建築史・意匠分野 建築・都市計画分野 分野長：高橋 恒夫 分野長：石井 敏 ［研究チーム］ ［研究チーム］ ●近世在方集住大工の研究 ●団地再生の研究 ●高齢者居住に関する研究 ●建築デザインにおける空間構成と 空間記述表現研究 ●地蔵と都市空間の形成に関する研究 ●歴史的町並みの保存と再生研究 ●高齢者施設に関する研究 ●アートを活かしたまちづくりの研究 ●復興まちづくりと住宅再建に関する研究 建築学専攻 ●古民家再生や景観まちづくりに関する研究 ●震災後の復興と住まいやまちづくりに 関する研究 建築環境工学分野 建築生産工学分野 分野長：渡邉 浩文 分野長：有川 智 ［研究チーム］ ［研究チーム］ ●気候風土に配慮した都市環境計画研究 ●コンクリートの耐久性評価に関する研究 ●低炭素・環境モデル都市に関する 基礎研究 ●建築生産マネジメントに関する研究 ●非住宅建築物のエネルギー消費実態 調査研究 土木工学専攻 ●震災時の建築都市機能維持に 関する研究 ●組積造外構施設の防災に関する研究 制振構造学分野 ●建物における自然エネルギー利用研究 ●建物情報モデルの利用に関する研究 ●次世代空調システム調査研究 ●中国の環境エネルギー調査研究 分野長：薛 松濤 ［研究チーム］ ●長期使用構造物のヘルスモニタリング システム開発研究 ●建築構造の振動制御に関する研究 環境情報工学専攻 ●建物の機能維持に着目した耐震性能評価に 関する研究 ●損傷制御のための各種デバイスの開発研究 Graduate Department of Architecture 建築 学専 攻 持 続 可 能 な 社 会 に 向 けて、科 学 技 術 や 芸 術 文 化 を 担う 優 れ た 研 究 者・設 計 者・技 術 者 を 育 成 する。 建築学は自然科学と人文・社会科学の壮大な結合といえます。建築家は社会や自然と居住空間の関わりを絶えず追 究し、建築や都市づくりに関与してきました。この伝統を踏まえ、本専攻には建築史・意匠、建築・都市計画、建築 環境工学、建築生産工学、制振構造学の５研究分野を置き、大学院生が多岐にわたる建築の基礎を総合的に身に付 けて創造性をはぐくむことができる環境づくりを目指しています。博士（前期）課程においては、修士の学位を取得する 建築学 専攻長 薛 松濤 教授 Xue Songtao 19 ために必要な研修として、修士論文コースと修士設計コースを選択することができます。 また、在学中に一級建築士の受験に必要な２年の実務経験のうち１年と認定されるカリキュラムや、建築士・技術 士を目指すための「プロフェッショナルコース」の設置など、資格取得に向けたサポートも充実させています。 Tohoku Institute of Technology Graduate School Interview 修了生インタビュー 防災教育を存分に研究。 寄り添い道しるべとなってくれた 恩師のような教員になりたい。 渡邉 まり子さん 修士（工学） 建築学専攻 指導教員／田中 礼治 2006年3月修了 宮城県古川工業高等学校 建築科 教員 大学４年の教育実習を通して、教職の道に進み に勇気をもらい、大学院の進学を決めました。大学 たいと考えるようになりました。就職して実務経験を 院では「世代継続する地震に強いまちづくりに関す を他者に伝える力が養われたように感じます。 積んでから教員を目指す道と、大学院に進学し、防 る研究」というテーマで研究を行いました。研究を ました。その先生方のように、生徒の辛いとき、悲 災教育について研究を行いながら教員採用試験を 通して、粘り強く、打たれ強くなりましたね。また、 しいとき、うれしいときに時間を共に過ごし、道を示 受ける道とで悩みましたが、父の「目標があるなら 大学院では、さまざまな人々と協働する機会や、学 していけるような教員になりたいと考えています。 今のうちにいくらでも勉強した方がいい」という言葉 会での研究発表の機会などに恵まれ、自分の考え これまで学んできた中で、何人もの恩師に出会い Tohoku Institute of Technology Graduate School 20 教授 工学博士 准教授 博士（学術） 准教授 博士（工学） 有川 智 薛 松濤 新井 信幸 船木 尚己 建築生産工学分野 制振構造学分野 建築・都市計画分野 Arikawa Satoshi 【主な研究テーマ】 【先生からメッセージ】 建築の長寿命化を支える生産と 管理に関する研究 しています。これからの建築材料・構法 や維持管理手法、そして建築をとりまく 社会制度に関する研究を進めています。 長寿命建築の材料・構法や維持管理技術等に関する研究を 通して、建築生産の観点から「いいもの」とは何かを考え、 「きちんと手入れして」いくために必要な技術やしくみを検 討し、 「長く大切に使う」ことを実践的に提案していきます。 建築を取り巻く現在の社会的・経済的状況を踏まえ、将来の ビジョンを描きながら、これからの建築の可能性を一緒に追 【主な研究テーマ】 超長期使用構造物の老朽化などによる 健康状態、特に地震後の損傷の有無、箇 所、程度に関する情報を時々刻々把握す るためのシステム開発を行っています。 求していきましょう。 アジアの建築物は建築後30年程度で建て替えることが多 く、欧米との比較において圧倒的に短いことが知られてい ます。地球環境の視点から、供用期間を延ばす必要がある ことは明らかです。長期使用になれば、経年劣化や地震、台 風などの突発災害に遭遇する確率も大きくなります。そのた めに構造安全を把握し、性能評価をするシステムを構造物 ヘルスモニタリングシステムと言い、このようなシステムを 【先生からメッセージ】 【主な研究テーマ】 集合住宅とまちの再生に関する 研究 私たちの社会は、スクラップアンドビルドを繰り返し、使い 捨ての価値を生み出してきました。これからの時代は、地 球環境に配慮しながら、古びた建物やまちに新たな価値を 老朽化した団地、アパート、長屋等の再 創出し、再び命を吹き込むことが求められます。私たちの 生方策について、まちづくり、セーフティ ネット等の視点からハード・ソフト両面を 研究・実践しています。 研究室では、団地再生、アートを活かしたまちづくり、ＮＰＯ Funaki Naoki 制振構造学分野 【先生からメッセージ】 【主な研究テーマ】 制振・免震装置の開発研究 世界中で多発している大規模地震により、多くの尊い人命 地震による建物被害の軽減を可能にす る新しい免震および制振装置の開発に 取り組んでいます。 が失われています。本研究室では、フレーム試験体による震 動台加振実験を繰返し実施し、効率のよい制振装置の開発 を行っています。また、最近は、開発途上国の組積造建物を 対象とした免震装置の開発研究も行っています。 による居住支援を主な研究・実践テーマとし、フィールドに 出向いて、地域の人々と深く関わり合いながら取り組んで 開発しています。 いきます。 教授 博士（工学） 准教授 修士（工学） 講師 博士（工学） 石井 敏 高橋 恒夫 Takahashi Tsuneo 竹内 泰 不破 正仁 Ishii Satoshi Takeuchi Yasushi Fuwa Masahito 建築・都市計画分野 建築史・意匠分野 建築・都市計画分野 建築・都市計画分野 【先生からメッセージ】 高齢者のための施設や 居住環境の計画研究 「豊かさ」とは何か。安心して暮らし続けられる生活と環境 が保障されることだと思います。そして、人の暮らしを支える 高齢期、要介護期の暮らしを支える居住 施設とその環境のあり方を探ります。人 建築・介護・制度をつなぎます。 ます。これからの時代における社会、地域、住宅・施設のあり 方を考え、その環境の質的向上を目指す研究です。建築が 社会とつながっていることを実感できる分野です。大学院 での時間は、じっくりと自分を見つめ、社会を見つめるいい 機会になるでしょう。 【先生からメッセージ】 日本の各種職人とその建築や 技法の解明 建築は必ず造った人がいます。その人が明らかになれば、そ の建築をより深く理解できるようになります。このような観 各種職人によって建設された建造物や 集落の実測調査、さらには大工職人を中 点から建築とそれに関わった各種職人の解明を進め、職人 とその技法の特徴や職人システムの研究をしています。 【先生からメッセージ】 【主な研究テーマ】 実務を前提とした地域固有の 建築設計と都市空間の研究 社会の変化にともなって、建築に求められる適正は地域ご とに多様化しつつあります。建築の設計者には、これらを正 質の高い建築設計によって豊かな地域 しく丁寧に捉え、具体的かつ的確にまとめ、案として提示し ていくことが求められます。そこで、地域の原理を知り空間 社会に貢献することを目指します。その 心とした工匠の調査によって、日本建築 手法としてフィールドワークを重視しま の優れた伝統技法と職人システムの解 す。地域に求められる建築とは何か、現 明を進めています。 場から考えます。 的文脈を読み取る洞察力を培うため、国内外でのフィールド ワークを行います。現地での幅広い空間体験を通し、地域 社会に馴染む建築とはなにか、一歩踏み込んで考えていき ましょう。 教授 博士（工学） 准教授 博士（工学） 大沼 正昭 堀 則男 許 雷 Hori Norio Xu Lei 制振構造学分野 建築環境工学分野 Ohnuma Masaaki 制振構造学分野 【先生からメッセージ】 【主な研究テーマ】 建築構造の耐震性能および 耐震改修技術に関する研究 大地震に備え建設世代が古く耐震性能の低い建物には耐 震改修が必要です。本研究室では建物構造の地震時におけ PC構造、混合構造などの建築構造の耐 震性能に関する研究と木構造の耐震改 修技術に関する開発研究に取り組んで る挙動を地震応答解析で検証しながら、合理的な耐震改修 技術の開発に向けて実験と構造解析の双方から研究をして います。 います。 【先生からメッセージ】 【主な研究テーマ】 地震動の破壊力特性を考慮した 建物の損傷制御手法 地震動が及ぼす破壊力と建物の地震応 答性状を、入力エネルギーの観点から検 討し、これによって建物の損傷を制御す 昔から怖いものの筆頭に挙げられてきました。人命保護・財 産保護だけでなく、建物の機能も維持し、快適な生活を送る 建 築 設 計 効 率 の 向 上を目指し、建 築 情 ためにはどうすればよいか、という研究テーマに取り組んで います。 報モデリング（Building Information Modeling,略称BIM）の活用により建築意 匠、設備設計が一体となったデジタル環境 る有効な手法の開発を試みています。 設計ツールの開発に取り込んでいます。 性能、コストなど様々な属性、情報が統合された建築モデル を利用し、より効率的な建築環境設計手法を一緒に提案し ましょう。 福屋 粧子 Watanabe Hironori Fukuya Shoko 建築環境工学分野 建築史・意匠分野 建築物に用いられているコンクリートの 経年劣化の程度を定量的に評価し、コン クリート建築物の劣化度診断などに応用 建築の主要材料であるコンクリートを主対象として、ミクロ からマクロまで、様々な物性について研究しています。特に コンクリートの劣化の問題に焦点を当て、微細なひび割れ に注目して定量的な評価の可能性を探っています。また、住 宅地に存在する夥しい数のコンクリートブロック塀の劣化や 地震時の防災対策などの問題についても研究しています。 関連領域は建築施工、品質管理、確率統計、さらには民法な 【主な研究テーマ】 安全で快適かつ低炭素な都市に 関する研究 都市化に伴う環境影響が世界中で問題 となっています。気候変化対応・省エネ ルギーそして震災対策という都市の抱 える多面的課題に取り組んでいます。 【先生からメッセージ】 都市のヒートアイランド現象やエネルギー消費、そして都市 インフラに着目し、実態調査と地理情報システム・リモートセ ンシングといった空間情報処理技術とを駆使しながら、これ からの建築・都市のあるべき姿について都市環境工学の視 点から研究します。 【主な研究テーマ】 建築と都市の空間構成と 空間表現に関する研究 現代の都市を出発点として、環境と一体 となった建築や都市の姿をリサーチやデ ザインを通じて考えていきます。 し、研究・提案を行います。 低炭素化社会づくりを実現するために、建築の部位部材、 渡邉 浩文 【先生からメッセージ】 の手がかりとなります。当研究室では、地域資源の再評価を 目的に都市・村落の空間構成について歴史的な視点を重視 することが期待されています。建築分野での省エネルギー、 最知 正芳 コンクリートの 劣化度評価に関する研究 道を探ります。 す。また、都市や村落の成り立ちを知り、そこに現存するも のの特性を理解することは、新たなデザインを付加する際 物のライフサイクルにおける「安全・安心性」の向上に寄与 准教授 修士（工学） 【主な研究テーマ】 次世代の地域計画、まちづくりに活かす 去の記録をひもとき相対化させることで特徴を導出できま 建築設計効率の向上、竣工後建物の維持管理、修繕更新、 教授 博士（工学） 建築生産工学分野 研究を行います。その上で、地域資源を 地域固有の景観とは自然・歴史・文化、そして生活・生業の現 れです。現状では地域性が読み取りづらいものも、痕跡や過 または建物居住者、利用者の避難誘導、防災訓練など、建 教授 博士（工学） Saichi Masayoshi 地域固有の景観を保全するための基準 を提示することを目指し、町並み・集落の 【先生からメッセージ】 【先生からメッセージ】 【主な研究テーマ】 建築情報モデリングを活用する 環境設計に関する研究 地震は建物に対して最も破壊的な力を及ぼすものであり、 保全型地域計画・ 景観まちづくりに関する研究 環境情報工学専攻 教授 工学士 【主な研究テーマ】 土木工学専攻 と環境との関わりを見つめながら生活・ 「場」や「空間」のあり方が「豊かさ」に大きな影響を及ぼし 【主な研究テーマ】 建築学専攻 教授 博士（工学） 【主な研究テーマ】 するための基礎的研究です。 【先生からメッセージ】 超長期使用構造物の ヘルスモニタリングシステムの開発 Arai Nobuyuki 通信工学専攻 持続可能で活力のある社会形成を目指 して、建築物の長寿命化を主なテーマと 「いいものを、きちんと手入れして、長く大切に使う」 Xue Songtao 電子工学専攻 建築学専攻 ｜ 教員紹介 教授 博士（工学） 【先生からメッセージ】 建築は古いものも新しいものも同じく、空間を通して人間に 語りかけてくるメディアです。建築の形・はたらきについて歴 史やリサーチから学び、建築と環境の関わりを考えながら、 設計コンペ・建築プロジェクト・アートインスタレーションなど 実践的な設計活動に参加することで、建築表現を含めた建 築デザインを実践・研究していきます。 どの法律関係にも及びます。 21 Tohoku Institute of Technology Graduate School Tohoku Institute of Technology Graduate School 22 社会基盤を造り、保全するための、 より高度な工学を学びます。 カリキュラム 研修科目 専門科目 土木工学専攻前期課程研修 社会基盤計画総論 地質工学特論 地盤工学総論 土質工学特論 水理学総論 水処理工学特論 衛生工学総論 水圏環境評価特論 構造工学総論 河海水理学特論 大学院の英語Ⅰ 土木計画特論 海洋工学特論 大学院の英語Ⅱ 空間情報工学特論 鉄筋コンクリート工学特論 道路・交通工学特論 地震工学特論 建設マネジメント特論 構造解析学特論 関連科目 インターンシップ 研究科における他専攻の授業科目 他大学院の授業科目 大学院教授会において関連科目と 認めたもの 共通科目Ⅱ 災害技術国際センター 通信工学専攻 土木材料・構造工学分野 共通科目Ⅰ 電子工学専攻 土木工学専攻では人々の暮らしを支える 地盤工学分野 分野長：今西 肇 分野長：小出 英夫 ［研究チーム］ ［研究チーム］ ●震災廃棄物および津波堆積物の有効利用に 関する研究 ●硬化コンクリートの直接引張試験に関する研究 ●低剛性材料の資源循環に関する研究 ●地震・豪雨等による斜面崩壊、土石流発生危険 箇所に関する研究 ●鋼構造の実耐荷力とその保全に関する研究 建築学専攻 ●都市部における宅地等の人工改変による 地盤の安定に関する研究 土木計画学分野 水圏の利用と防災分野 分野長：村井 貞規 分野長：高橋 敏彦 ［研究チーム］ ［研究チーム］ ●水圏の利用と防災に関する研究 ●土地利用と交通に関する研究 ●災害が道路ネットワークに及ぼす影響に 関する研究 ●行動分析に関する研究 土木工学専攻 ●土木と学校教育 ●都市問題・中山間地問題の地域 マネジメント研究 地域の水循環分野 ●地域産業の(災害からの復興）振興の経済分析 分野長：中山 正与 ●地域資源活用による自然環境と調和した まちづくり研究 ［研究チーム］ ●地域の水循環に関する研究 土木 工学 専攻 高 度 な 教 育・研 究 により、グロー バ ル な 視 点 を 持って 活 躍できるエキス パ ートを 育てます。 土木工学は我々の暮らしを支える最も重要で基本となる工学です。その内容は自然から人間活動まで多岐に渡って おり、人類の歴史とともに対象や領域を拡げながら発展してきました。具体的には海・川・森林等国土の保全や管理、 そして人間活動の主な舞台となる都市を中心とする交通・物流など人・物の移動、また「ライフライン」と言われる水 の循環やエネルギー供給等、種々の社会資本関連のシステムの計画・建設・維持・管理などが対象になります。さら 土木工学 専攻長 中山 正与 教授 Nakayama Masatomo に地震や台風等による災害から命や財産を守る事も極めて大切な使命であることは言を俟ちません。 本専攻では上述のテーマに関する諸問題についてその根本的な理解と解決を目指し、人材を育成しています。その 為に「地圏環境・防災」「水圏環境・防災」「材料及び構造」「社会基盤計画」等に関する高度な教育プログラムと各 種の研究分野が設置されています。大学で学んだことをさらに発展させるチャンスを活かしてみませんか。 23 Tohoku Institute of Technology Graduate School Interview 環境情報工学専攻 Graduate Department of Civil Engineering 修了生インタビュー 国際経験と土木の知識を土台に、 社会に出てさらなる飛躍を。 千葉 祐太朗さん 修士（工学） 土木工学専攻 指導教員／今西 肇 2014年3月修了 大学院に進学を決めた理由のひとつが、土木と いう専門知識を学ぶチャンスは「今だ！」と感じたか で行うという贅沢なものでした。さらにこの土木工 など多くの人たちと交流することができたことは、私 学は、世界で通用する幅広い学問でもあります。 にとって貴重な経験となりました。 らです。なぜなら、経験豊富な教員、大学という 大学院では、地盤の盛土材などに用いる「混 充実した施設、学ぶ時間など、これだけの要素が 合土」 の粒度評価に関する研究を行っていました。 会人（エンジニア）としてスキルアップしていきたい これまで得た知識や経験という土台をもとに、社 揃うことは、まず社会人になってからでは難しいと思 研究を通して、韓国やタイなど海外の人や、学会 と思います。 います。ちなみに、私の大学院での講義は 1 対 1 に参加する他大学の学生や教員、また企業の方々 Tohoku Institute of Technology Graduate School 24 電子工学専攻 教授 工学博士 教授 博士（工学） 准教授 博士（工学） 今西 肇 今野 弘 山田 真幸 Konno Hiroshi 中山 正与 Imanishi Hajime Nakayama Masatomo Yamada Masaki 地盤工学分野、土木計画学分野 水圏の利用と防災分野、地域の水循環分野 地域の水循環分野、水圏の利用と防災分野 土木材料・構造工学分野 【主な研究テーマ】 【主な研究テーマ】 【主な研究テーマ】 【主な研究テーマ】 鋼コンクリート界面の力学的性質の評価、耐荷力と保全に関する研究 世界中の人が、安全な水を飲めることに繋がる研究 水環境保全に関する研究 「計測施工管理技術研究」、 「衛星活用技術研究」、 「数値解析技術研究」、 「建設事故・失敗研究」および 専門は水道工学。水源管理および水質評価など水源の課題と、浄水処理プロセス、特に藻類の各種障害 雨水や、森林域から流出している自然界の水の水質を測定しています。人間活動による直接的な排水の 鋼とコンクリートとの接合面で設計上無視されている付着、摩擦等による結合の力学的性質を明らかに 「地盤にかかわるリスクマネジメント研究」。 について研究しています。 影響を評価するためにも必要とされる研究です。 して、既設構造物のより良い使用方法や新設構造物のより良い設計等に生かすことを考えています。 地盤工学の理論と実際：地盤の挙動を「予測する」 【先生からメッセージ】 地盤の構造を直接目にすることはほとんどありません。 しかし、我々はその地盤の上に住んでいます。地 【先生からメッセージ】 「21世紀は水の世紀」と言われています。 【先生からメッセージ】 人間活動によって排出される汚濁物質は、比較的コントロールが可能です。 しかし、自然界から流出する 国連によると世界で12億人以上が衛生的な水を飲めないでいます。アジアやアフリカなど途上国での 汚濁物質については把握することもコントロールすることも難しくなります。今後の水環境保全のために 動きを感じると同時に、PCの中にある地域地盤環境シミュレータをあやつり、理論と実際を理解して未来 水道プロジェクトに参画したキャリアで、世界中の人が安心できる安全な水道水の供給を目指し、そのた は、これらを把握し、可能な限り制御することが重要となります。 を予測することができれば、環境・防災・建設の各分野で人間と地球の関係が、もっとやさしくなると思い めのエンジニア育成に熱意をもっています。 盤の特性を知ることは、我々の生活にかかわる自然を知ることでもあります。現場を歩き、実肌で地盤の 通信工学専攻 土木工学専攻 ｜ 教員紹介 教授 博士（工学） 【先生からメッセージ】 土、コンクリートに加えて「鋼」は土木分野で外せない材料です。主に橋梁等で長い実績があり、育まれ てきた知識と技術を基に、日々新しいアイデアが創造されると同時に既設物の問題も明らかになってゆ きます。土木技術者の使命はこれらと向き合い、人々のより良い暮らしに貢献する事です。この事はコス トやその規模、特性ゆえに簡単なことではありませんが、逆に面白いところでもあります。鋼構造物の歴 史と今とに向き合い、これからのことを考えませんか。 ませんか。国内と海外の事例を参考にしながら「予測する」が変わらぬテーマです。 建築学専攻 教授 博士（工学） 教授 工学博士 菊池 輝 高橋 敏彦 村井 貞規 Kikuchi Akira 土木計画学分野 【主な研究テーマ】 水圏の利用と防災分野、地域の水循環分野 【主な研究テーマ】 参加型シミュレーション実験による交通行動分析 ●海岸護岸の水理特性に関する研究 計算機実験や被験者室内実験を通して、 ドライバーの経路選択・出発時刻選択といった交通行動選択に ●サーファーによる海岸利用に関する研究 【先生からメッセージ】 高度情報化技術の進展により、交通情報掲示板やカーナビゲーションシステムを通して、多様な交通情 海岸護岸の水深の違いによる波の打ち上げ高さの研究や越波防止に関する研究およびサーファーに Murai Sadanori 土木計画学分野、土木材料・構造工学分野 【主な研究テーマ】 災害が道路ネットワークに及ぼす影響の評価、アスファルト混合物の再生に関する研究 災害特に地震災害が道路ネットワークに及ぼすグローバルな影響の分析や、道路舗装に用いられるアス ファルト混合物の再生などについて研究しています。 よる海岸利用に関する研究を行っています。 【先生からメッセージ】 【先生からメッセージ】 報がドライバーに提供されています。 しかしドライバーは、交通情報だけでなく各自の経験や周辺環境に 地球温暖化による海面上昇や台風の強大化が報じられています。これらに起因する海岸の災害が、今後 日本は交通に関する社会資本整備の最も進んだ国の一つであると同時に世界一の災害大国でもありま 応じて経路選択をしています。果たしてドライバーは交通情報をどのように意思決定に取り込んでいるの 多く発生すると思われます。海岸の防災、そしてレジャ－や憩いの場としての海岸利用など、よりよい海 す。研究室では道路網への災害の影響を、グラフ理論を適用して評価しています。また「資源循環社会」 でしょうか。このようなドライバーの意思決定を解明することを通して、より良い交通情報の提供方法 岸環境の保全のために研究しています。研究手法は、室内実験、数値計算、現地調査と幅広く行っていま 実現のため、道路工学からのアプローチとして、舗装に用いられるアスファルト混合物の再生に関する研 とは何か、を研究しています。 す。一緒に社会へ研究成果を発信していきませんか。 究を行っています。さらに街路を中心とする都市における景観問題についての研究も行っています。 教授 工学博士 教授 工学士 教授 博士（工学） 小出 英夫 千葉 則行 森田 哲夫 土木材料・構造工学分野、地盤工学分野 地盤工学分野 土木計画学分野 Koide Hideo 【主な研究テーマ】 Chiba Noriyuki 【主な研究テーマ】 硬化コンクリートの直接引張試験に関する研究 地震・豪雨等による土砂災害に関する研究 コンクリートの「ひび割れ」には引張強度が大きく影響していますが、その正確な強度を知ることは実は 山地・丘陵地における地すべり、斜面崩壊といった土砂災害について、地域特性（地形、地質） との関係を 大変困難です。そのための試験方法についての研究などを行っています。 明らかにし、発生要因を追及しています。 【先生からメッセージ】 【先生からメッセージ】 Morita Tetsuo 【主な研究テーマ】 都市と交通に関する研究 「定量的な予測・評価に基づく都市・交通計画」 「調査データを用いた生活・行動分析」 「総合的な都市環境 評価」 「市民参加による都市計画策定プロセス」など、都市と交通に関するいろいろな研究をしています。 【先生からメッセージ】 これからの日本では、古くなったコンクリート構造物などが今以上に解体・廃棄されることが予想されてい 日本列島は毎年豪雨時の土砂災害に見舞われています。さらに最近では地震時による災害も目立ってき 「社会に対する愛情－これを都市計画という」これは、都市計画の大先輩達の言葉です。安心して暮ら ます。それらを破砕し、砂利などの代替として有効利用した再生骨材コンクリートの活用が必須となるで ています。災害を引き起こす斜面変動現象（地すべり、斜面崩壊、土石流等）は自然現象でもあり、地形・ す、安全・快適に移動する、高齢者が元気に働く、環境に負荷を与えない生活をする･･･都市計画は人の しょう。そのような各種のコンクリートの引張特性を知るための試験方法として、とてもユニークな「直接 地質的な面からみると規則性があります。例えば、分布、規模、崩壊形態などで、その地域特有のものが 生活をマネジメントする分野です。そのためには、都市の成り立ちや人の行動・意識を把握し、問題点を 引張試験」を行っています。自由な雰囲気の研究室で、是非一緒に研究しましょう。 見出されます。これは防災・減災においてとても重要なことであり、東北地方を対象に、より詳細な法則の 分析し、計画案を市民に説明し理解を得る必要があります。市民の生活に直結するとても難しく責任もあ 把握に取り組んでいます。 る、そしてやりがいのある研究テーマです。 Tohoku Institute of Technology Graduate School 環境情報工学専攻 おける意思決定メカニズムの解明を目指しています。 25 Takahashi Toshihiko 土木工学専攻 教授 博士（工学） Tohoku Institute of Technology Graduate School 26 検証し、その問題点と解決策について 研究します。 カリキュラム 研修科目 専門科目 環境情報工学専攻前期課程研修 化学反応速度論 環境生態工学 環境情報処理特論 光センシング技術特論 水質環境保全工学 錯体化学工学特論 環境物質分配論 太陽光・電気変換技術特論 生物電気化学特論 バッテリー工学特論 環境材料化学特論 環境マネジメント特論 多孔材料吸着工学特論 生化学特論 共通科目Ⅰ 関連科目 インターンシップ 研究科における他専攻の授業科目 電子工学専攻 現代社会が直面するさまざまな環境問題を 他大学院の授業科目 共通科目Ⅱ 大学院教授会において関連科目と 認めたもの 大学院の英語Ⅰ 大学院の英語Ⅱ 環境微生物学 環境保全フィールドワーク 通信工学専攻 環境応用化学分野 エネルギー工学分野 分野長：葛西 重信 分野長：宮本 裕一 ［研究チーム］ ［研究チーム］ ●環境エネルギー分野でのインテリジェント制御 の研究 ●化学物質の環境を介した人への暴露評価 及びリスク評価研究 ●電気二重層キャパシタを組み合わせた 蓄電システムの研究 ●環境モニタリングを目的としたバイオセンサーに 関する研究 建築学専攻 ●人工光合成及び藻類を用いた 二酸化炭素リサイクルシステムに関する研究 ●環境材料の研究 環境マネジメント分野 水環境・生態系保全分野 分野長：小祝 慶紀 分野長：山田 一裕 ［研究チーム］ ［研究チーム］ ●環境政策に関する制度分析 ●地域・環境学習支援 ●植生浄化法、人工湿地法による汚水の浄化に 関する研究 ●生態学及び生態系保全の数理的研究 土木工学専攻 環境光エネルギー分野 分野長：齋藤 輝文 ［研究チーム］ ●環境計測用レーザに関する研究 ●太陽電池の特性評価と電気二重層キャパシタを 組み合わせた蓄電システムの研究 環境 情報 工学専攻 より専 門 的 な 知 識 体 系 を 学 び 、それらを 展 開・統 合 する能 力 を 習 得 。 環 境 問 題 解 決 の た め の 知 識 を 有 する優 秀 な 人 材 を 育 成します。 今日の社会においては、環境、エネルギー、資源の問題が多岐に渡っており、その原因も極めて複雑です。よって、 多角的なものの見方、知識、正確な判断力と創造豊かな発想力を持って臨んでいかなければなりません。 本専攻は、エネルギー工学分野、環境応用化学分野、環境マネジメント分野、水環境・生態系保全分野、環境光 エネルギー分野の 5 分野構成となっています。我々は、これらの様々な学問分野の知識や技術に対して、柔軟な幅 環境情報工学 専攻長 葛西 重信 教授 Kasai Shigenobu 27 広い考え方を持ち、専門的知識を養うことができる教育を工夫しています。 研究室においては、自分が興味を持った研究テーマを担当教員と相談しながら決定し、研究をする過程において、 Interview 環境情報工学専攻 Graduate Department of Environmental Information Engineering 修了生インタビュー 教授や仲間たちと協力し 何かを成し遂げる大切さを学んだ。 庄司 和広さん 修士（工学） 環境情報工学専攻 指導教員／葛西 重信 2012年3月修了 株式会社クライム 大学院では、学術的、技術的な知識を得られた ました。また、コミュニケーション能力も大学院で養 そのスキルが活かされているように思います。 のはもちろんですが、協力することの大切さを学ん われた能力の一つです。内容を分かりやすく、簡潔 大学院での研究活動は、時に壁にぶつかり悩む 環境工学と情報工学を有機的に結びつけ、最先端の実験方法を修得していきます。さらに、大学院生自身がその研究 だように思います。研究というと一人で研究室にこ に伝える“説明力”は、学会発表などで四苦八苦 こともありますが、教授や仲間たちの支えで乗り越 成果を学会発表や論文発表を行うことによって、研究者として得られる醍醐味を十分味わえると思います。是非、大学 もって黙々と作業するイメージがありますが、教授を した経験を通して鍛えられたように思います。私は えることができるものです。より深い知識を得たいと 院に入学して将来の夢に向かって前進してください。 はじめ、研究室の仲間や業者の協力があってはじめ 今、システムエンジニアとして働いていますが、クラ 考えている人は、ぜひチャレンジしてみてください。 て成果を上げられるのだと身をもって知ることができ イアントにシステムの内容を説明したりする場面で、 Tohoku Institute of Technology Graduate School Tohoku Institute of Technology Graduate School 28 教授 博士（工学） 准教授 博士（工学） 准教授 博士（工学） 穴澤 正宏 丸尾 容子 加藤 善大 Kato Zenta 多田 美香 Maruo Yasuko 環境応用化学分野 環境応用化学分野 環境応用化学分野 Anazawa Masahiro 水環境・生態系保全分野 【主な研究テーマ】 【先生からメッセージ】 生態系の保全及びダイナミクスに ついての数理的研究 るメカニズムや逆に生態系の異常が生じ るメカニズムなどについて数理的に研究 しています。 に関係し合っています。このため、生物群集は直感からは予 想のつかない反応をしばしば示します。生態系を保全してい くためには、種の多様性が維持されるメカニズムなどにつ いて深い理解が必要ですが、現在の我々の理解はまだまだ 不十分です。本研究室で取り組んでいる数理生態学は、今 後更なる発展が必要とされる研究分野です。 【主な研究テーマ】 【先生からメッセージ】 ナノ材料を用いた人工光合成 及び予防医学センサの研究 ナノテクノロジーはいろいろな技術分野を横断・包括する 21世紀の新しい技術です。この技術と化学的手法を用い 自然と人間が共生する安全で持続可能 な社会を創っていくために、ナノ材料光 触媒を用いたCO2化学変換及び化学セ ンサの研究を行っています。 学変換し再生可能エネルギーを生み出す方法を研究して います。またナノ材料の表面化学に着目することで、高感 度・高選択性のある化学センサを開発し、予防医学の分野 に適応させ、安心な社会の実現に寄与する研究開発も行っ 【先生からメッセージ】 「グローバル二酸化炭素 リサイクル」のための 海水電解電極の創製 加藤研究室は環境・エネルギー分野の材料開発を行なって います。ある環境に適した機能を備えた材料を開発するた めには、さまざまな金属を組み合わせることでの合金化、 海水電解の際、塩素を全く生成させず酸 素のみを生成する陽極の創製を行なっ ています。 金属の表面処理をすることが必要です。金属の種類、熱処 理方法および電気化学的手法を駆使してさまざまな機能を もった新規材料を共に開発しましょう。 教授 博士（工学） 准教授 博士（学術） 葛西 重信 宮本 裕一 近藤 祐一郎 エネルギー工学分野 環境マネジメント分野 【主な研究テーマ】 【先生からメッセージ】 細胞の環境情報をモニタリングする システム及びデバイスの開発 細胞の情報を検出するためにマイクロ・ ナノ技術を使った電気化学センサー用 Miyamoto Yuichi り、増殖したりする際の微細挙動を検出 可能なセンシングシステム及びデバイス そのため、これらの化学物質が我々人に対してどのような 影響を及ぼすかは重要な課題であります。我々は生命の最 小単位である細胞を用いて、細胞に対する環境情報を電流 や、光など定量的な計測技術の研究やセンシングデバイス の開発を行い、環境、医療、食品、薬剤の分野に応用可能な センサーの研究開発を目指しています。 【主な研究テーマ】 【先生からメッセージ】 環境エネルギー分野での インテリジェント制御の研究 私は産業界で新製品・新技術の研究開発に取組んできまし たが、そこで学んだアイデア発想→実験による立証→実用 分散型エネルギーや熱プラントの燃焼制 御などにAI手法・シミュレーションを活用し て、さらなる省エネ、創エネを実現し、 トラ ンスポーターシステム計画などでのバッテ リー用途開発を通じて蓄エネにも取り組 みます。 開発を行っています。 んでおります。私の転機となった人工知能（AI）技術への関 わりは、環境プラントのあいまいさを乗り越えようとした挑 戦がキッカケでした。今、社会はWater＋Energy＋Bread の3課題で閉塞感にありますが、それを打ち破るのは若い 【主な研究テーマ】 民が主体となって初めて可能となりま す。そのための支援方法論について実 践を通して研究しています。 ん。このような考え方に基づき、本研究室では実際に地域 に出て地域の人々といっしょに研究を行っています。外に 出て体を動かしながら作業をするのが好きな人にお勧めの 研究室です。 皆さん一人ひとりの思い切った飛躍であると思います。 Sato Atsushi 水環境・生態系保全分野 環境光エネルギー分野 環境保全や環境法制度を施行、実行す る行政や企業、住民の役割と協働を考 察する上で重要な「環境政策」 「環境経 済学」 「法と経済学」 「環境マネジメント」 などの分野を、経済学のツールに基づ き、実証的に研究します。 システムの分析が必要です。今までの環境政策は、 「規制」 が中心でしたが、最近は、行動の変革を誘導する「経済的手 法」が注目されています。環境保全技術の開発を進め、持続 可能な社会を形成するには、環境に対する行動のマネジメ ントが必要です。社会システムを理解することで、技術を活 かしたよりよい環境政策が実現できるのです。 【先生からメッセージ】 環境情報の整備による 水環境保全の最適化と 生態工学に基づく 水環境修復技術の開発 水生植物による水質浄化等、環境生態工学に基づく水環境 修復技術の実用化を目指しています。この技術が適用でき る経済指標や環境容量などの情報を整備します。また、この 技術から派生するバイオマスの有効利用をエネルギーや土 「水環境に優しい」を定量化して、市民 活動や生態系修復に役立てると共に、要 素技術として水生植物などを活用した水 質浄化技術の開発をしています。 壌改良などの視点で検討します。さらに、この技術を受け入 れたり利用したりする地域住民への意識啓発のための環境 教育手法を考案し、持続可能な社会の構築に寄与する仕組 【主な研究テーマ】 【先生からメッセージ】 環境情報計測用固体レーザの 研究 レーザレーダは、レーザ光を用いた遠隔計測装置で、これを 用いることにより地球温暖化対策に不可欠な広域にわたる レーザレーダにより二酸化炭素濃度や植 生活性度などの環境情報を観測するた めに必要な可視及び赤外固体レーザの 研究に取り組んでいます。 環境情報をリアルタイムに観測することができます。佐藤研 究室では、レーザレーダ用の光源として二酸化炭素やクロ ロフィルなどの観測に必要な特殊な波長の固体レーザの研 究を行っています。研修では、コンピュータによる動作解析 や光学設計を行うと共に、レーザの試作とその動作実験ま でを行います。 み作りを目指します。 教授 博士（工学） 准教授 博士（工学） 准教授 博士（環境学） 齋藤 輝文 内田 美穂 佐野 哲也 Uchida Miho Sano Tetsuya 環境光エネルギー分野 エネルギー工学分野 環境応用化学分野 水環境・生態系保全分野 Saito Terubumi 【主な研究テーマ】 太陽エネルギーの総合的な利用に 関する研究 太陽電池のエネルギー変換効率・量子効 率とそれらの波長依存性、入射角依存性 等の研究を行っています。さらに、外部 機関と共同で発電に加え熱利用を図る 【先生からメッセージ】 太陽は地球に対し気象現象や潮の満ち引き、生命活動など を引き起こすエネルギーの源となっています。人間活動の エネルギー源としても、太陽温水器や太陽光発電として一 部利用されてはいますが、全体に占める割合はまだきわめ てわずかに留まっています。永続的な地球環境を築く上で 重要な太陽エネルギー利用を普及させるための技術開発に チャレンジしてみませんか？ Tohoku Institute of Technology Graduate School 【主な研究テーマ】 環境を介した化学物質の 暴露評価・リスク評価 環境中に放出された高リスク化学物質 の包括的化学分析と、検出された物質の 性質と環境運命（環境中での消長）の関 連性について解析を行っています。 【先生からメッセージ】 化学物質の健康影響や環境影響を低減するために、化学 物質のリスク評価手法の確立が急務となっています。本研 究室ではリスク評価で重要となる化学物質の暴露評価を 行う時に必要な、高リスク物質の環境化学分析及び、物質 の物理化学的性質からさまざまな環境条件下での物質の 環境運命を予測するための手法の研究を行っています。 環境情報工学専攻 佐藤 篤 【主な研究テーマ】 初期治療の発展につながるような研究を心がけています。 も、実は我々の身近な生活に潜んでいるのかもしれませ Yamada Kazuhiro 複雑な環境問題を理解し、政策を実現するためには、社会 立し、新たな手法を既知の手法と統合することで予防医学や フレイレの言葉です。環境問題の原因も、環境保全の方法 山田 一裕 【先生からメッセージ】 正しく評価するためのレドックス状態の定量化・可視化法を確 現実であり世界である」とはブラジルの教育学者パウロ・ 地域における継続可能な環境保全は住 小祝 慶紀 環境政策に関する制度分析 では酸化ストレスで制御される生体レドッ 断できない生体の酸化的損傷の程度や抗酸化機能の変化を 「我われに全てのことを教えてくれる最も偉大な書物は、 准教授 博士（工学） 【主な研究テーマ】 生体の抗酸化機能に影響します。本研究 市販の分析キットや侵襲的な計測法のみではデリケートなス トレス応答をモニターすることは難しい。そこで、肉眼では判 【先生からメッセージ】 地域における継続可能な 環境保全に向けた支援方法 教授 博士（工学） 環境マネジメント分野 スは生活習慣や環境因子が原因であり、 酸化ストレス・抗酸化の定義に含まれる生体反応は複雑で、 Kondo Yuichiro 教授 博士（経済学） Koiwai Hironori ための開発研究も実施しています。 レベルでの実証→商品化の流れを教育へも展開したいと望 老化や種々の疾病に関与する酸化ストレ 【先生からメッセージ】 土木工学専攻 電極作製方法の検討や細胞が分化した 人を取り巻く環境は、様々な化学物質が関わっています。 生活環境と酸化ストレス・ 抗酸化の研究 建築学専攻 教授 博士（工学） 環境応用化学分野 【主な研究テーマ】 クス反応や抗酸化に注目しています。 ています。 Kasai Shigenobu 29 新たな光触媒を設計・合成することで、効率よくCO 2を化 【主な研究テーマ】 Tada Mika 通信工学専攻 生態系において種の多様性が維持され 生物群集ではさまざまな生物種が食物網などを通して複雑 電子工学専攻 環境情報工学専攻 ｜ 教員紹介 教授 博士（理学） 【主な研究テーマ】 東北地方の緑地環境の評価と 森林バイオマスの利用 東北地方太平洋沿岸低地部に存在する 常緑・落葉広葉樹混交林の生態学的研 究および木質バイオマス燃焼灰の土壌 還元技術開発と生態リスク評価 【先生からメッセージ】 森林だけでなく都市部の公園や社寺林など様々な東北地方 の緑地環境について生態学的な観点から研究を進めます。 また、生態学と工学の融合領域として、持続的な森林バイオ マスのエネルギー・マテリアル利用をテーマとする研究にも 取り組んでいます。論文作成を通じて、野外での調査技術と 採集試料の化学分析技術の習得を目指します。 Tohoku Institute of Technology Graduate School 30 Graduate School of Life Design 専門分野によって独立した10棟の校舎と附属図書館、その他複数の研究施設で構成されています。 充実した研究機関や実験施設がそろっており、理論と実践の両面から専門的な研究を深めることができます。 B ● 組込みシステム開発研修センター C ● ITメディアラボラトリー 組込みソフトウェアとハードウェアの研修・実習や、組 ITシステムを支えるネットワーク技術の研究・実験施設 図形・画像・音声などさまざまな情報処理技術の研究・ 込みシステム関連研究（ロボット、音声・画像メディア処 です。光ファイバの原理からインターネットの仕組みや 実験を行う施設です。3DCG表示用の120インチ 理、ネットワーク対応など） を進めています。実践実習を セキュリティ問題まで、第一線で使われている最新機 立体スクリーンシステム、3次元スキャナ、衛星画像 ライフデザイン学研究科は、平成 24 年度に開設 可能とする「ネットワークコントロールラボラトリ （NWC 器を使って学ぶことができます。 解析システム、声紋描画装置などの設備が充実して されたばかりの新しい大学院です。中身は、今の います。 ところ、1 専攻（デザイン工学専攻）だけですが、 D ● E ● F ● G ● 本専攻は、生活をより豊かにする表現・伝達手法や道具・空 間環境を、生産、流通、使用、保全の各観点から調査・計画し、 具体化できる人材育成を目指しています。そのために、これ まで以上に各領域で得られた知見を尊重しつつ統合できる力 博士 （前期） 課程 / 博士 （後期） 課程 産業デザイン計画分野 環境造形計画分野 福祉デザイン計画分野 生活デザイン科学分野 33 を高める必要があります。そうした社会の要請に応えるため に、4 分野による教育・研究を行っています。 産業デザイン計画分野 環境造形計画分野 福祉デザイン計画分野 生活デザイン科学分野 大学院で自分の やりたい研究テーマを 思う存分追求してほしい ITシステムラボラトリー ラボ）」を整備しています。 デザイン工学専攻 ページ A ● ライフ デザイン学 研究科 デザイン工学専攻 八木山キャンパス 施設紹介 今後、ライフデザイン学部における各学科の教育研究 の充実により、複数の専攻に増えていくことが期待 されています。 本大学院の特徴は、デザイン学の中でも興味深い 最先端の内容が、インダストリアルデザインから生活 デザイン科学までそろっていることです。学部よりも 構造実験室 SEM(走査電子顕微鏡) 女子学生ラウンジ tohtech LOUNGE 専門的で高度な知識と技術を、第一線で活躍してい 橋梁の模型（トラス橋、 吊橋）や模 肉眼では見えない小さなものを非常に 5号館1階に設けられた女子学生専用の 1 号 館 の 1 階にある、 「tohtech る多くの教員の個別指導のもとで学修することがで 型製作施設、 試験装置があり、 構造 高い倍率で立体的に観察できます。 休憩室。室内にはパウダールームや LOUNGE」は学生たちの情報交換 きますし、経済面でも、本学独自の RA（リサーチ・ 力学に関連したテーマを実験的に研 ミニキッチンが充実。入口のカードリー の場。PCも完備され、学生サポートオ 究、 検証できる設備があります。 ダーなど、セキュリティ面にも配慮さ フィスに隣接しています。 アシスタント）制度により、大学院生全員が奨学金の れています。 東門 7号館 H ● 6号館 B H F 5号館 附属図書館本館 3号館 4号館 （体育館） 学生食堂 10号館 G 9号館 ＡＴＭ 正門 北門 ース バスコ ャトル ス間シ ャンパ キ 町 長 学部学生の諸君には、是非、この新しい大学院で、 東北工大八木山 キャンパスバス停 と願っています。 A C 循環技術 研究施設 1号館 のための教育研究環境が一層充実しました。 自分のやりたい研究テーマを思う存分追求してほしい 2号館 パス⇔ キャン 八木山 は、長町キャンパスに新 4 号館が完成し、大学院 D E 支援を受けることができます。加えて、平成 25 年に I 8号館 附属図書館本館 主に理工学の専門教育書などが充実した学習・研究 図書館として機能し、 運営されています。蔵書数は 本館と長町キャンパスの分館合わせて 23 万冊以上。 I地域連携センター ● 本学の研究資源を社会に対して組織的に貢献するこ とを目的とし、 地域産業と連携して新しい技術を創 大学院 ライフデザイン学研究科長 石川 善美 Ishikawa Yoshimi 造する研究を推進する場です。 東北の企業を中心 に数々の企業との連携を図り、 技術開発支援を行っ ています。 31 Tohoku Institute of Technology Graduate School Tohoku Institute of Technology Graduate School 32 研修科目 専門科目 デザイン工学専攻前期課程研修 インダストリアルデザイン論 エルゴデザイン計画Ⅰ 地域産業デザイン論Ⅰ エルゴデザイン計画Ⅱ 地域産業デザイン論Ⅱ 看護支援デザイン論 インタラクションデザイン計画Ⅰ 生活環境学 インタラクションデザイン計画Ⅱ 生活エネルギー論 情報メディア論 住居史論 環境造形計画 集住計画 共通科目Ⅰ 関連科目 インターンシップ 研究科における他専攻の授業科目 デザイン工学専攻 カリキュラム 他大学院の授業科目 共通科目Ⅱ 大学院の英語Ⅰ 大学院の英語Ⅱ 大学院教授会において関連科目と 認めたもの 災害技術国際センター 造形構成論Ⅰ 造形構成論Ⅱ 色彩調和論 福祉デザイン計画 産業デザイン計画分野 環境造形計画分野 分野長:両角 清隆 分野長: 荒井 俊也 ［研究チーム］ ［研究チーム］ ●地域の暮らしと生産を高めるための 実践的デザイン研究 ●蝋型鋳造によるブロンズ彫刻作品の 制作と研究 ●人々の活動に適合した道具・システム を生み出すデザインプロセスの 研究開発 ●環境造形計画及びデザインの 実践的研究 ●天然染料による染織表現の 可能性についての研究及び 作品制作と新たな染織製品開発 ●デザインによる地域産業の振興 ●デザインマーケティングによる産学連 携の実践とプロセスの研究 ●アプリケーションソフトウェアの デザイン開発プロセス研究 福祉デザイン計画分野 生活デザイン科学分野 分野長:原田 一 ［研究チーム］ ●人間の潜在的能力をモノづくりへ 応用するための研究 デザイン工学は、生活と深く関わり合う学問の ●生活者の意欲向上/QOL向上の ための研究 ひとつ。本専攻では、身の回りにあるすべての ためのデザインについて学びます。 デザイン工学専攻 東 北という地 域 を 背 景 に 、高 度 な 思 考 力と実 践 力 を 持ち、 国 際 化 時 代 に 対 応できる創 造 的 なデ ザイナー 、技 術 者 、研 究 者 を 養 成します。 現代社会における真にゆたかな生活の創造は、人間の感性を含む生活文化、地域社会、福祉環境などのあり方と科学 技術、工学技術との密接な関係の上に成り立っています。 ライフデザイン学の一領域であるデザイン工学は、モノと人間とのインタラクション、自然との共生、地域における産業 経済問題などの諸科学の上に論じる統合科学です。この視点に立ち、本専攻では「産業デザイン計画」 「環境造形計画」 デザイン工学 専攻長 荒井 俊也 教授 Arai Toshiya 「福祉デザイン計画」「生活デザイン科学」の 4 つの研究分野において、創造性豊かな優れた研究活動を行うために 必要な学識を養うと共に、 知識基盤社会を多様に支える、 高度で知的な業務に携わっていくために必要な学識を養います。 本専攻には博士（前期）課程と博士（後期）課程があり、「産業デザイン計画」分野ではモノと人間との調和を実現し、 地域の生活文化・暮らしを創る研究を、 「環境造形計画」分野ではデザイン対象と周辺環境との調和を創る研究を、 「福祉デザイン計画」分野ではすべての人の心身の健康と安全をとらえた研究を、「生活デザイン科学」分野では 現代の良好な生活環境と生活像を作り上げるための研究をそれぞれ行っています。 33 Tohoku Institute of Technology Graduate School ●室内熱空気環境の計画と評価 ●日本における空間造形とそれに 関わる生産組織 、生産技術に ついての研究 ●住民参加型集合住宅計画と コミュニティデザインに関する 実践的研究 デザインに焦点をあて、より快適な生活を送る Graduate Department of Industrial Design 分野長: 石川 善美 ［研究チーム］ Interview 大 学 院 生インタビュー 大学院で専門的な研究を積み 技術と知識を兼ね備えた建具師に 尾形 章 さん 博士(前期)課程1年 デザイン工学専攻 指導教員／大沼 正寛 学部生の時から古建築やまちなみの風情に興味 います。しかし、その製作技術は徐々に失われてき への進学を決めました。 がありました。そこで、仙台市内の味わい深い建物 ています。日本の建具が持つ文化や在来工法を継 昨年は、日本建築学会での発表も経験し、学外 や風景の保全を考えるまちづくり市民グループに所属 承することは、将来的にも重要であると考え、建具 の研究者から鋭いご指摘をいただき、とても刺激にな し、機会を見つけては、市内各地を歩いています。 製作をしている木工所に出入りし、学部卒業後はそ りました。自分の考えを外に発表するスキルも身に付 なかでも、最も興味を持ったのが、障子戸やふすま、 こに就職することも考えていました。ただ、大沼研究 いてきましたし、研究に対して、今までより幅広い視 ガラス戸など、建物を構成する「木製建具」です。 室で歴史的建造物の調査や保全プロジェクトに触れ、 野で取り組むことができるようになりました。残りの在 特に、古い建具は、細部にわたって秀逸な技が見 建具の研究をより深めることで、頭と身体の両方が 籍期間で、建具の歴史や東北のさまざまな建物と向 られ、日本の文化や地域性を表す貴重なものだと思 動くハイブリットな建具師になりたいと考え、大学院 き合い、研究をまとめていきたいと考えています。 Tohoku Institute of Technology Graduate School 34 教授 工学修士 准教授 修士（看護学） 准教授 博士（情報科学） 荒井 俊也 小山 祐司 伊藤 美由紀 堀江 政広 環境造形計画分野 生活デザイン科学分野 福祉デザイン計画分野 Arai Toshiya 【主な研究テーマ】 Koyama Yuji 【先生からメッセージ】 蝋型鋳造による ブロンズ彫刻作品の制作と研究 【主な研究テーマ】 本研究室では、表現すべき内容に適した材料の加工と空間 構成の組み立て方を作品の制作を通して学びます。立体・平 面といったジャンル、加工する材料や方法によるジャンルに 縛られず、新たな表現のあり方を模索します。 【先生からメッセージ】 私たちの周りの生活空間は、道具に占拠され、人間が振り回 日本における空間造形と それに関わる生産組織、 生産技術についての研究 されている状況と思われます。さらに、住宅空間にとどまら ないで、都市・地域空間にまで及んでいると思われます。改 東北地方の建造物とそれを造り上げた 建築生産組織の研究と、古民家や社寺 建築などの文化遺産建築の復原修復な めて、国内外の様々な空間と道具と人間の関係を、原典・実 物を観察・体験しながら、歴史的・理論的に現象を分析考察 し、生活文化・生活様式などを通して考えていきましょう。 【主な研究テーマ】 【先生からメッセージ】 デザインという言葉を聞くと、アート的なことを連想するか 生活者の意識や自己決定に 関する研究 もしれませんが、大切なのは誰かのために「モノ・コト・ヒト・ 子どもから高齢者、疾患を抱える人や支 援する人等を対象に、健康維持やQOL （quality of life:生活の質・人生の質） の向上を目指した研究を行っています。 ども手がけています。また、集落調査な 石川 善美 Ishikawa Yoshimi 生活デザイン科学分野 【主な研究テーマ】 【先生からメッセージ】 室内環境を人間にとって適切なものに整えてやることは、安 室内熱空気環境の計画と評価 人間生活を取りまく熱と空気の環境の実 態と問題点をとらえ、それを改善するた めの方法を明らかにしながら、その計画 と評価に関して省エネルギーの立場か ら研究しています。 全で安心な生活環境計画の基本です。また、地球環境保全 の立場から生活エネルギーの低減を図ることも重要です。 本研究室では、室内熱空気環境の形成機構を理論的に考察 してシミュレーションによる分析を行う一方、赤外線熱画像 装置など最新の測定器を駆使して、実際の居住空間の調査 や人工気象室を用いた実験を行い、快適で省エネルギーな け自立（自律） した生活を目指したデザインが必要だと考えま す。デザインするときに一方的な思い込みではなく、実際に 人とやり取りをしながら相手の求めていることを一緒に考え 教授 工学士 （意匠工芸） 准教授 博士（工学） 坂手 勇次 大沼 正寛 デザイン分野 環境造形計画分野 【主な研究テーマ】 【先生からメッセージ】 デザインマーケティングの 実践的研究 デザインの価値は、 「姿カタチ」ではなく、 「課題に対してど んなビジョンを示せるか」だとよく言われます。 「デザイン＝ 人に正しい、社会に正しい、市場に正し い、未来に正しいモノづくりを目指して、 モノの正しいあり方を探求し、それに相応 しいモノやサービスの形を研究します。 消費喚起」の時代は終わりました。可視化し、概念化するこ とで、課題を共有し、解決の方向性を指し示すこと。これは デザインが持つ根源的な力です。 「姿カタチ」に留まらず、 生活と社会と経済の結び付きを設計し、実際性のある新し い豊かさと正しさを創造することが、デザインの社会的役割 【主な研究テーマ】 それはかけがえのない地域文化に他なり ません。建築設計や造園、まちづくりの立 場で、地域文化の評価とそれを活かす造 形・造景手法を実践的に探求しています。 討、提案、検証していきます。 小杉 学 Kosugi Manabu 産業デザイン計画分野 福祉デザイン計画分野 生活デザイン科学分野 方を提示し、デザインの有効性、伝統技 法の今日的意義、国際市場展開の可能 性、といったことを社会に向けてアピー ルする方法を模索します。 品デザインの究極の目的だと思います。そのために、現代 社会の実情を分析し、未来をリアルに思い描く “構想力”、そ れを目に見えるかたちにする “造形力”が必要です。本研究 室では、こうしたデザインの「意義」とその［実現」に対する 思索を、具体的な実践活動を通して、経済・文化の両側面か ら深めていきます。 【先生からメッセージ】 人間は様々な能力を発揮する可能性を 秘めていますが、発揮されないままの能 力もあります。特に成人の潜在能力に注 目したモノづくりを目指しています。 地球上の生物の中でも、人類は700万年の歴史を経て、最 も高等な頭脳を獲得することに成功しました。 しかし、常に 快適さや便利さを追求してきた結果、人間が備えた様々な 能力は便利さゆえに発揮する機会が少なくなっています。人 工物でアシストされた生活はエネルギーが枯渇すれば、永 遠に続くことは困難です。人間が本来備えている潜在能力 を活用できるモノづくりのための筋活動や脳活動を調べる 研究を行っています。 【主な研究テーマ】 【先生からメッセージ】 低成長社会、少子高齢化、人口減少、地方都市の疲弊、農 集合住宅計画とコミュニティ デザインの実践的研究 村の過疎化、人間関係の希薄化、東日本大震災による打 ハードとしての集合住宅計画とソフトとし てのコミュニティ活動を、住民と共に実践 する「アクションリサーチ（実践型研究）」 を通して、これからの日本における「集 まって住む」ことの可能性と魅力を探求し 撃。私たちを待ち受けている社会はかつて無いほど厳し く、人間らしく豊かに暮らしてくためには、他人との協力を 基盤とした創意工夫が不可欠です。本研究室は、これらを 「集まって住む」という観点から支援していく方法を模索 しています。 ます。 教授 工学士 教授 博士（学術） 准教授 博士（芸術） 菊地 良覺 両角 清隆 盧 慶美 産業デザイン計画分野 産業デザイン計画分野 環境造形計画分野 Kikuchi Ryogaku 【主な研究テーマ】 地域の暮らしと生産を高める ための実践的デザイン研究 〜地域の産品開発・地域の 拠点施設計画・施策立案等〜 現代の日本では、地域の自律が今後ます 【先生からメッセージ】 具体的な研究内容は、 「食材―器―家具―住宅―屋並み― 風景」までとしています。地域企業（産地組合等も含む）や自 治体との協働で「地域の暮らしと生産」の質を如何に高めら れるかを主課題として取り組んでいますので、皆さんの故郷 をもっと魅力ある姿にしたいと思われる方は大歓迎です。 No Kyoungmi Morozumi Kiyotaka 【主な研究テーマ】 人々の活動に適合した道具・ システムを生み出す デザインプロセスの研究開発 地域や様々な組織で活動する人々と共 に、生活や活動を豊かにする物事のあり 【先生からメッセージ】 Information&Communication Technologyを使用して 豊かな生活を支援するデザインをしていくためには、生活 者の要求するものを抽出する技術を身につけ、デザインに 変換するスキルを学び、実際に稼働するシステム作りがで きるようにならなければなりません。実際のデザイン活動を 通じて、より良いデザインプロセスを開発していきましょう。 【主な研究テーマ】 天然染料による染織表現の 可能性についての研究及び 作品制作と新たな染織製品開発 日本国内の様々な染織技法と技術をは じめ、宮城の特産物を生かして、植物染 料による染織実験などの天然染料研究 ます求められています。工業化社会で喪 方を探り、それを適切な道具やシステム 失した有形無形の地域資源を発見し、そ へ変換するデザインプロセスの研究開 も行い、絞り染と型染をあわせた技法、 の活用方法を探究します。 発をしています。 製品開発にも取り組んでいきます。 Tohoku Institute of Technology Graduate School いきます。 域文化を深める環境造形のあり方について実践的に検 Harada Hajime 地域産業とデザインの関係の新しいあり めに、ニーズの変化に対応しながらデザイン開発を進めて 的に明らかにし、地域の 現実の要求を整理した上で、地 原田 一 人間の潜在能力をモノづくりへ 応用するための研究 て、楽しい・豊かなユーザーエクスペリエンスを提供するた し、まず地域資源としての建築や町並みを3次元的・歴史 Umeda Hiroki 【主な研究テーマ】 ロセスを研究しています。 の制作、プロトタイプを用いた実践ワークショップを積極的 に行いながら、ユーザーのニーズを抽出していきます。そし 評価はしばしば不十分で、地域はむしろ、経済発展のため 梅田 弘樹 「人間とモノの幸福な関係」のモデルを提示することが、製 ウェア開発をしながら、デザイン開発のプ 人々のコミュニケーションやコミュニティ活動の支援のため のアプリを、デザイン開発しています。プロトタイプアプリ に変革を求めてきました。本研究室では、その実情を直視 准教授 博士（学術） 【先生からメッセージ】 モバイルアプリのユーザーエクスペリエ ンスのデザインのために、実践的なソフト 【先生からメッセージ】 は、その場所らしさを決定づけています。しかしそれらの 教授 医学博士・芸術工学修士 デザインによる地域産業の振興 アプリケーションソフトウェアの デザイン開発プロセス研究 都 市 部から農 山 漁 村まで 、各 地に残る多くの 文 化 資 産 まちやむらには有形無形の特徴があり、 教授 工学修士 【主な研究テーマ】 【主な研究テーマ】 【先生からメッセージ】 地域文化を育む環境デザイン なのだと考えます。 室内環境のデザイン手法の確立を目指しています。 産業デザイン計画分野 Ohnuma Masahiro Sakate Yuji 換気によって壁上部から入った冷たい外気 が天井から出て行く様子 場」を考えるということ。便利なだけでは十分ではありませ ん。使用者の身体的能力を衰えさせるのではなく、できるだ Horie Masahiro ていきましょう。 どのフィールドワークに関わっています。 教授 工学博士 35 Ito Miyuki デザイン工学専攻 デ ザイ ン工 学 専 攻 ｜ 教 員 紹 介 教授 芸術学修士 【先生からメッセージ】 現代では、単なるモノづくりではなくモノが使われる社会 全体との関連から、総合的な価値を生み出すことが求めら れています。生活に彩りを与える、繊維ならではの表現と は何なのか、染織と向き合いながら素材をどのように生か して表現できるのかを作品制作を通して学びます。また、 東北の伝統染織に関わる技法、歴史背景について調査研 究および多様な技法と素材の併用による技法と紋様を開 発していきましょう。 Tohoku Institute of Technology Graduate School 36 長町キャンパス 施設紹介 Interview 自然溢れる環境の中でモノづくりへの情熱を深められる、専門性の高い設備が整っています。 平成25年3月に完成した新4号館には談話スペースや大講堂などが設置され、学びの環境が更に充実。 A ● B ● 留 学 生インタビュー 災害時にもスムーズにつながる 通信ネットワークを開発したい ジェラー・ジミー・ パライゾンさん C ● 博士(後期)課程3年 通信工学専攻 指導教員／工藤 栄亮 2015年3月修了 撮影スタジオ 共通製図室 附属図書館分館 写真作品やモデル撮影を中心としたスタジオワーク スケッチや製図などを行う施設。その他、模型制作な 教養教育ならびにデザイン・生活・経営などの専門 （撮影・現像・プリント）に使用され、スタジオ内には どにも対応できる機材や設備が充実しており、多く 教育書などが充実した学習・研究図書館。ビデオや の講義や研究で利用されます。 DVDなどのAV資料も数多く備えています。 各種撮影機材、モノクロ暗室があります。またスタジ オをギャラリーとしても利用することができます。 D ● E ● F ● ハイチの大学で電気工学を学んだ後、東北工業 時、皆が最も困ったことのひとつは、スムーズに通 大学の大学院に進学しました。以前から日本文化に 信できなかったことでした。どんな時でも、必ずつな たネットワークを作りたいと思っています。 東北工業大学の魅力は、研究室が少人数制のこ 興味があったことと、この大学の先生の研究に興味 がる携帯電話の通信技術を開発したいと思ったんで とですね。先生とじっくり話しながら研究に取り組めま をもっていたので進学しました。現在の研究テーマを す。私が今取り組んでいるのは、現在よりも小さな すし、仲間とも仲良くなれます。やりたいことに一生 強く意識したきっかけは、2010 年に起こったハイチ 送信電力で、高速な通信ができるネットワークを構築 懸命取り組める今の環境に、とても満足しています。 地震と、2011 年に起きた東日本大震災です。あの する研究です。より多くの人が利用可能で、安定し 高齢者福祉建築の専門家のもとで 実践的な計画手法を研究 G ● ヴァナヌポン・ パッチャラ さん 博士(前期)課程1年 建築学専攻 指導教員／石井 敏 木工房 金工房 版画工房 売店（大学生協） 卓上ドリル、ベルトサンダー、糸鋸盤 プラズマ溶断機、コークス炉、コンプ 銅版画やシルクスクリーンを制作す 平成25年リニューアルオープン。日 等の木工機械があり、課題や作品制 レッサー等の機械があり、課題や作品 る工房です。 作等で学生が使えます。 制作等で学生が使えます。 二ツ沢 工大公園 弓道場 D E F C G B A 陶芸 工房 1号館 H 4号館 3号館 2号館 祉は、私の出身のタイと比べてとても進んでいます。 たよりも詳しく、深い研究ができるので、毎日がとて 係で、とても親近感があり、家族のように感じていま 用品から軽食･文具と、幅広い品揃え も充実しています。実際に、福祉施設などの現場を す。先生としっかり向き合って研究できますし、多く で大学生活をサポート。また、学生生 あまり多くは建てられていません。自分の祖母が段差 訪れて経験が積めることも大きな魅力ですね。ボラ の親友をつくることもできました。もっと多くのことを 活に適した住まい情報も提供してくれ や階段で苦労しているのを見て、歳をとっても安心し ンティアやフィールドワークを通して、高齢者が実際 学んで、身に付けた知識や技術を将来、タイでの建 て、快適に暮らせる居住環境を計画したいと思いま にどんな暮らし方をしているのか、身を持って感じて、 築設計やまちづくりに活かしたいと思っています。 した。東北工業大学には、高齢者の福祉施設や住 知ることが出来ます。 周辺MAP テニスコート 第2 クラブ棟 楽天Kobo スタジアム宮城 体育館 東北工大長町 キャンパス 学生ホール バス停 学生食堂 地 域と大 学の知 的 交 流の場、 サテライトキャンパス 東北工業大学 一番町ロビー 新4号館 野球場 東屋 東北工業大学は、とてもいい規模の大学です。 学生や大学院生同士、また先生方とは顔が見える関 H ● 東北工大長町 キャンパス入口バス停 バレーコート 第1 クラブ棟 宅の計画について研究している先生がいらっしゃいま す。全国の大学を調べた中で選びました。思ってい タイには、高齢者の暮らしやすさを大切にした建物は、 ます。 至 286号線 私が取り組んでいるのは、高齢者福祉施設・住 宅の建築計画に関する研究です。日本の高齢者福 平成25年3月、長町キャンパスに完成。シンポ ジウムなどに活用できる大講堂や、大学の事 務機能が集積するほか、平成24年度より誕生 した大学院ライフデザイン学研究科（デザイン アーチェリー場 工学専攻）の関連施設を設置。 茂ヶ崎バス停 至 八木山 キャンパス 至 野草園 37 Tohoku Institute of Technology Graduate School 長町キャ ンパス⇔ ン 八 木 山 キャ ス ー コ ス バ ル ト ャ シ 間 ス パ １階はギャラリースペースとして、学生や教職員、関係者の作品や研究成果 の展示、ワークショップ等を開催。ラウンジは談話室として利用されています。 至 向山四丁目 八木山キャンパス⇔長町キャンパス間 〈1階 学生談話室〉 〈2階 R421教室〉 シャトルバス運行 八木山キャンパスと長町キャンパスの間は、授業や ４階ホールは、オープンカレッジとして、市民向けの公開講座、同窓会・講 課外授業で移動するためのシャトルバスを運行しております。 演会、会議・会合等に利用されています。 Tohoku Institute of Technology Graduate School 38