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炭素税廃止で 国民負担減少

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炭素税廃止で 国民負担減少
2014年8月20日
情報提供資料
8
炭素税廃止で
国民負担減少
月号
炭素税廃止法案を可決
7月17日、オーストラリアの上院は炭素税の廃止法案
を、39対32で可決しました。
炭素税は温室効果ガスの排出削減を目的として、前
政権与党であった労働党によって2012年7月に導入
されました。しかし、温室効果ガスの排出1トン当たり
23豪ドルと他国に比べて割高で、国民に与える負担
が大きかったことから、導入当初から批判が大きく、
その後の政権交代のきっかけともなりました。
廃止法案可決により、2014年度の開始日の7月1日に
遡って炭素税の課税が廃止されることになり、17日ま
でに課税された分は返還されます。
炭素税廃止によるメリット
炭素税廃止は経済にプラス効果
これまでの負担が大きかった分、炭素税廃止によるメ
リットは大きくなります。電力やガス価格が引き下がる
ことにより、家計は年間550豪ドルの削減が見込まれ
ます。また、エネルギーコストの負担増が製品価格へ
転嫁されていたものがなくなることによって、物価の下
落が見込まれることも、家計にとってはプラスになりま
す。
企業にとっても、炭素税のための管理、法令順守コス
トが削減できるメリットがあります。炭素税の負担がな
くなることにより、競争力向上や雇用創出が見込めま
す。また、政府が進める規制緩和と合わせて海外企
業の投資誘致が加速すると見込まれます。
今後は「直接行動計画」で排出削減
オーストラリアの1人あたり二酸化炭素排出量は、日
本の約2倍、先進国で最も多い米国と同水準となって
います。炭素税廃止の決定により、オーストラリアの
温室効果ガスの排出削減が滞るとの見方もあります
が、政府は代替案である「直接行動計画」を策定済み
です。
「直接行動計画」では、 3年間で25.5億豪ドル規模の
「排出削減基金」を設立し、植林や住宅の省エネ化な
ど直接的に温室効果ガス削減を実行するプロジェクト
に出資していく計画です。これにより、5%削減という
目標を堅持できるとオーストラリア政府は見込んでい
ます。
• 家計は年間550豪ドルの節約
電力価格は約9%下がる
ガス価格は約7%下がる
• 消費者物価指数は0.7%下落
• 年間約8,500万豪ドルかかっていた炭素税
関連の管理コストが削減
出所:オーストラリア政府による試算
1人あたり二酸化炭素排出量
(トン)
(2002年~2010年)
25
20
米国
オーストラリア
15
10
5
日本
中国
インド
0
2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
(年)
出所:世界銀行
〈ひとつぶ豆知識〉世界最大の甲羅を持つカニ「オーストラリアンキ
ングクラブ」。水深30~200メートルの冷たい海に生息し、最大で甲
羅の幅が60センチ、重さは20キロ近くになります。
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