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東京会場第1回テクニカルフォーラム 議事録

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東京会場第1回テクニカルフォーラム 議事録
東京会場第1回テクニカルフォーラム
議事録
■テーマ名:
シックハウス規制の課題と展望
■講
師:
坊垣和明氏(独立行政法人建築研究所
■日
時:
2003 年 8 月 4 日(月)17:30∼19:30
■場
所:
トリトンスクエア Z 棟
■参 加 者:
資料
研究総括監)
4階フォーラム
36名+事務局
「シックハウス規制の課題と展望」
1.はじめに
2.シックハウスの実態
3.室内空気室問題の原因と対策
4.シックハウス規制の概要
5.規制の課題と空気質対策の動向
講演
17:30∼18:30
参加者がシックハウス問題に対する知見があるので、直接建築基準法のシックハウス
規制の内容をその設定された裏話を含め、パワーポイントで興味深く話された。
自由討議
18:30∼19:30
Q.規制がホルムアルデヒドのみとなっているがなぜか。
A.ホルムアルデヒド以外は科学的知見がなくまだ研究途上であり、国交省としては規制
の対象をホルムアルデヒドのみとした。他のVOCについても近い将来規制の対象と
なろう。
Q.濃度の指針を見直す予定はあるか。
A.国交省が濃度の指針を作る気持ちはない。厚生労働省の濃度指針に準拠して行う。
Q.厚生労働省で濃度の基準値とその測定法が確立されているが、接着剤や塗料の業界が
その方法に今までついていけなかったのでは。業界からの圧力があったのでは。
A.あったかもしれないがそれだけではないでしょう。
Q.海外でも住宅に対する内装規制があるのか。また、規制内の材料を使っても接着剤な
どから発生することも考えられる。次の規制はあるのか。
A.制定する前に国交省でも調査したがここまで厳しい規制をしているのはない模様。世
界で一番厳しい規制と言って良いであろう。
家具の問題がある。家具は床面積の3倍あると想定できる。建築側で家具が置かれる
のを想定しても規制以内となるよう設定した。家具等を建築基準法で規制するわけに
は行かないが今後は関係省庁で対象になるでしょう。
Q.見つけ面積が 1/10 を超えると規制対象となる。この根拠は。またクローゼット等棚板
や張っているものは規制対象を受けない。何故か。
A.1/10の値は忘れました。表面積の小さい線材(柱や鴨居等)は規制しない。どう
決まったのかは知らない。棚板等作り付けでないものは古材を持ってくる等取替え等
により対応が出来るから対象外となったのでは、詳しくは知らない。
Q.厚生労働省から出てきた指針値が随時建築基準法で規制を受けると、アセトアルデヒ
ドは木材の樹脂から結構放出されるので、これも規制の対象になるのか。
A.難しい問題である。アセトアルデヒドは厳しい規制値で天然にあるものを規制するの
が本当に良いのか疑問である。二日酔いになれないということですね。いい答えが今
出来ない。
Q.規制が居室になっている。廊下が何故はずされたのか。
A.建築基準法では居室と限定している。廊下や玄関は広い空間だし、居室として使われ
る可能性が高い。ただ線引きが難しく取り敢えず居室としたのが正直なところ。
ホールや浴室等長時間いることはないということだが、使い方によっては滞在するこ
ともある。残された問題の一つである。
今のところこの規制は建築指導課が作ったのであるが出来上がってみれば良い規制が
出来たかなと思っている。
坊垣:実際に現場をもたれている方で現場での困った問題があれば紹介してほしい。
C.住宅で個別の一種換気扇はショートカットがあるからなじめないと都内の主事が話し
ている。また、基準法では読めないところを主事なりに判断しているようである。ど
こかではっきりさせて欲しい。
A.難しい問題で、個人的にはこのような規制は基準法ですべきでないと思っている。当
事者の自主的努力に任せるべきところである。規制が出来ると主事も厳しい側に、安
全側に判断する。国交省へのコンタクトポイントとして本コンソーシアムが役割を負
っている。
C.吹き抜けの取り扱いが難しい。リビングルームの吹き抜けが廊下でつながっている場
合どこまでを居室としたら良いのか換気計算で困っている。
玄関、2階の廊下、リビングすべてを含んで現在計算しているが良いか。
A.それで良いのかな。
C.マニュアル関係で「望ましい」と書かれているのは「ねばならない」と捉えられる。
例えば吹き抜けの上部には開口を設けるが義務になっている。
A.面白い問題が出てきている。
Q.施行令の20条に大臣認定の項目があるが、認定を受けた吉野石膏さんのサイクリン
ボードはホルムアルデヒドを0.1mg以下という規定に対応する吸収能力があるの
か教えていただきたい。
A.認定されている。換気量換算という考え方で算定している。性能は1.3∼1.8㎥
が出た。表面仕上げの方法により変化する。壁、天井にも使うと床面積の3倍程度と
なり相当の換気量効果が期待できる。
坊垣講師
今までの議論を踏まえ、規制の課題を整理してパワーポイントを用いて示した。
規制の課題
(1)残された問題
・吸着・分解・空気清浄等の効果をどう活かすか
・居室以外の部分の規制は本当に必要か
・濃度を保証するものではないか
(2)次のステップは
・新たな規制対象物質は
・それはどのような規制体制で行われるのか
・シックスクールの問題(指針値のない物質)
国土交通省建築指導課も吸着分解材や清浄機の能力について評価出来る評価システムを作
る必要があると認識しており、総プロおよび建材試験センターの中でも試験方法、評価方
法を技術化するという方向で進んでいる。吸着効果についてはどの期間持つのか等データ
がまだ無い。
Q.居室以外の空間をどう評価するか。
0.08 を超えないということを保証するものではない。超えてしまった場合はどうする
か。
A.難しい問題である。
トルエンやキシレンが次の新しい物質となるであろう。
学校におけるシックスクールの問題が学会でも問題になった。大学で想定すれば基準
値以内だが何人かが気持ちが悪くなる人が出る。建築基準法は建材の規定や換気の規
定をしているだけだが、この物を使ってはいけないとかこれを使うとこれぐらいの濃
度になるというレシピを作るのが求められているのではとの話もある。現実的には安
全な仕様を示すのが求められていると思う。
C.国交省営繕、住宅局も濃度を測定しなさいと指導している。測定がリスク回避の面か
ら自分たちの責任範囲であり、家具を入れないで測定しているのが実情である。シッ
クハウス問題は建築の話と医学の話の両方があると思う。厚生労働省の指針値で建築
が悪者になっているが、医学界の方もシックハウスを救う手立て、過敏と鈍感それぞ
れレベルがあり、敏感な人への治療方法等医学界も頑張って欲しいと思う。
A.まったく同感である。
Q.国交省や東京都から濃度測定が示されているが、トリエン、キシレンで具体的方策が
見えてない。これは一企業ではなく国レベルで総合的に示して欲しい。どれぐらい進
んでいるのか示して欲しい。
A.総プロの中で今年度末に3年間の研究が終わる。その中で対処技術についてまとめて
いる。見通しが立つのではと期待している。室内対策研究会が3年間行われ作業が終
了するが、国交省としては引き続き3年間続ける方針である。次の3年間で新たな規
制が出てくると思う。トルエン、キシレンの具体的対応方法が次の3年で示されると
思う。
Q.リフォームで実質的には確認申請をしていない。全面改修でリフォームしても確認申
請を出さなければ適用外となる。これで良いのか。マンションの改修でも構造躯体を
触らなければまず申請はしていない。これに対する規制の動きはないのか。
A.改修の場合も確認申請が必要であり、申請すれば適用されることになる。
A.申請が必要かどうかではなく、供給者側が社会的責任を果たしているかが問われる。
トラブルがあれば施主と工事者の問題となる。
Q.そこまで工事者がやって問題が生じれば何らかの話し合いが出来るという安心感があ
る。やってなければ話にならないというこだわりですね。
換気の問題で計算上は 0.5 回、0.7 回と確保できるが、本当に確保されているのか自信
がない時がある。実測事例を含めて供給側としてデータを蓄積する必要がある。
想定の換気量が確保できていない場合が何割かある。
A.個別の換気量測定は道具さえあれば難しいことではない。道具を持つのに多少にお金
はかかる。
C.誰が持つか。誰が測定するか。1 ヶ月に 100 件の測定となると誰がやるのかを考える必
要がある。
Q.品確法の住宅性能表示の中で換気設備のチェック項目がある。建築基準法で全ての住宅
の換気が義務化されたと考えると、性能表示のように換気設備のランク分け、最上級、
中級、という考え方があるのか。
A.建築基準法が上位になったとは言え性能表示を尊重してランク分けを推奨するという
考え方はある。この意見は伺っておく。
Q.接着剤は使用禁止とは出来ないのか。
A.接着剤でもウレタン系やポリエステル系はホルムアルデヒドを含んでいないが、問題
はイリア系の接着剤でこれは合板材で多く用いられているが、アセトアルデヒドキャ
ッチャーを用いて 4 星をとっていると聞いている。接着剤は家具等多くのところで用
いられており、必要悪だけど避けられないのかなと思う。
Q.ホルムアルデヒドは禁止されるがアセトアルデヒドは使われると実しやかに言われて
いる。実際はホルムアルデヒドに変わるものとして使われているのか。
A.メーカーの人はそんなことは無いと言っていた。
Q.接着剤を置き換えていくとかキャッチャーなどを咬ませるとかで元々要求されていた
性能例えば耐摩耗性が損なわれているのではないかと疑問を持つ。
A.聞いたことはないが性能が犠牲になっているのは無きにしもあらずでしょう。
Q.換気量は簡単に測れるとの話があったが、化学物質の濃度の測定は費用、時間を考え
ると無理があり、やりきれないと思える。簡便に手軽に測れる測定器があれば良いの
だが推薦のものがあるか。
A.ホルムアルデヒドの測定器については色々と出てきている。リトマス試験紙のような
ものも出た。簡易な測定法については私自身も関心を持っている。もう少し確度の高
い簡易なものを 3 社の共同研究で開発中である。より正確に測定しようとすると装置
も高価になる。初期投資は必要だが現場でも使える装置の開発を行っている。数種類
の簡易な測定法の告示が出ていると思う。まだ難しいところがあり今後研究開発を続
けていただきたいし、我々も支援したいと思っている。
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