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ピクテ・ユーロ・フラッシュ・ニュース
ピクテ・ユーロ・フラッシュ・ニュース
ピクテ投信投資顧問
2010年5月21日
ユーロ急落とその後の回復の背景について
¾ユーロは一時的に急落するも、その後為替介入観測などにより回復
5月20日のニューヨーク外為市場でユーロは一時、対ドルで4年ぶり安値付近まで下落し、対円では2001年
11月以来の安値となる109円台まで下落しました。ギリシャ問題に端を発した南欧諸国の債務危機が引き
続き不透明な中、逃避先として円に買いが集まったことが背景と考えられます。しかし、その後ユーロは買
い戻され、翌21日の東京時間(正午)においてユーロは対円で113円50銭近辺での取引となっています。
¾依然ユーロには懸念材料があるものの、サポート要因も
昨晩のニューヨーク市場では米国株式が下落する中、リスク回避志向を反映して、ユーロ安が進行する局
面もありました。しかしながら、東京時間にかけユーロが回復する展開となっています。この背景には主に
以下の要因が考えられます。
①スイス国立銀行がスイス・フランの売り介入(他の通貨、ユーロなどの買い)を実施したとの観測から、欧
州中央銀行(ECB)もユーロ介入に動く可能性があるとの見方につながったこと。
②米国のガイトナー財務長官が、来週ドイツと英国を訪問し、欧州の債務危機について協議することが財務
省より公表されるなど、当局からユーロ安などについて対策が出されるとの観測が高まったこと。
¾短期的にはユーロ安は依然懸念されるものの、中期的には輸出などプラス要因も
ユーロの値動きは短期的には、依然、財政問題解決の糸口が見えないなど不透明なことを背景に不安定な
動きが続く可能性があると思われます。一方で、先の欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)の協調融資のス
キームにより、懸念されていたギリシャ国債の5月償還が混乱なく終わるなど、国債の利回りも、一時に比べ
て落ち着きが見られます(図2参照)。当局の対応についても、ECBが国債の買い入れを実施するなど市場の
安定化を目指した政策の評価が高まる可能性もあります。また、ユーロ安は中期的にはユーロ圏諸国の輸
出にプラスといった面も考えられることから、ユーロ市場が落ち着きを取り戻す可能性も考えられます。
図1:円/ユーロ相場の推移
(期間:2010年1月1日∼2010年5月21日)
図2 :各国の10年国債の利回り
(期間:2010年1月1日∼2010年5月21日)
(%)
(円)
140
14
ギリシャ
ポルトガル
スペイン
イタリア
英国
カナダ
ドイツ
12
130
10
8
120
6
4
110
2
100
2010/1/1
2010/2/1 2010/3/1
2010/4/1
2010/5/1
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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