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式と計算

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式と計算
式と計算
式と計算
剰余の定理
剰余
恒等式
方程式
₂次方程式
₂次不等式
数学の基礎。
しっかり学習
しましょう。
過去5年間の出題傾向
式と計算
剰余の定理
恒等式
方程式
2次方程式
2次不等式
2003
2004
2005
2006
2007
国家Ⅰ種 国家Ⅱ種 地方上級 国税・労基
裁事・家裁 東京都Ⅰ類
特別区Ⅰ類
数学は計算力が重要な要素となることはいうまでもありません。公務
員試験のように短時間で問題を解かなければならない試験ではなおさら
計算力が求められます。計算は一朝一夕で身につくものではありません
から,常日頃から鍛錬しておく必要があります。この単元でのポイント
は,
①整式の乗法・除法,因数分解ができるようになる
②剰余定理,因数定理を理解する
③ 2 次方程式における解と係数の関係,判別式を理解する
の 3 点です。
出題傾向としては,裁判所事務官を除いてあまり出題されない分野で
すが,前述のように数学の基礎となる単元ですので,しっかり学習する
ことが大切です。
第1章
式と計算
式と計算
1 整式の乗法と因数分解
(1)整式
数,文字またはそれらの積で表された式を単項
式,いくつかの単項式の和で表された式を多項式
といいます。単項式と多項式をまとめて整式とい
います。 1 つの整式の中で各項の次数のうち最高
のものを,その整式の次数といいます。
4 x 3+2 x +₁
の場合には,x 3 が最も
次数が高いので,この整
式は₃次式です。
(2)整式の乗法と因数分解
下の式で,左辺から右辺の計算を展開,右辺か
ら左辺の計算を因数分解といいます。以下の10
個の公式は覚えておくといいでしょう。
① m
( a + b )= ma+ mb
2
② (a+b)
= a 2+2 ab + b 2
2
③ ( a - b )= a 2-2 ab + b 2
④ (a+b)
( a - b )= a 2- b 2
⑤ (x+a)
(x+b)
= x 2+( a + b )x + ab
⑥ ( ax + b )
( cx + d )
= acx 2+( ad + bc )
x + bd
3
⑦ (a+b)
= a 3+3 a 2 b +3 ab 2+ b 3
3
⑧ (a-b)
= a 3-3 a 2 b +3 ab 2- b 3
⑨ (a+b)
( a 2- ab + b 2)= a 3+ b 3
⑩ (a-b)
( a 2+ ab + b 2)= a 3- b 3
2 整式の除法
(1)整式の除法
整式A( x )を整式B
( x )で割ったときの商を
Q( x ),余りをR( x )とすると
A
(x)
=B( x )Q( x )+R( x )
(ただし,Rの次数はBの次数より低い)
となります。特に,R= 0 のとき,A( x )はB( x )
で割り切れるといいます。
(2)剰余の定理
x の整式を (
f x ),g
( x )などの記号で表し,
x =αのときの (
f x )の値を (α)で表します。
f
このとき,x の整式 (
f x )を x -αで割ったとき
の余りは (α)に等しくなります。
f
たとえば,(
f x )= x 2+2 x + 3 のとき, (
f 1)
= 6 となり, (
f x )=
(x-1)
(x+3)
+ 6 とな
ります。
(3)因数定理
x の整式 (
f x )において,f
(α)= 0 ならば,
(
f x )は x -αで割り切れ,その逆も成り立ちま
す。このとき,x -αを (
f x )の因数といます。
たとえば,(
f x )= x 2-2 x - 3 のとき,(
f 3)
= 0 となるので (
f x )=( x - 3 )
( x + 1 )とな
ります。すなわち x 2-2 x - 3 を因数分解したこ
とになります。
3 ₂次方程式
(1)解の公式
2 次方程式 ax 2+ bx + c = 0( a ≠ 0 )におい
て,
これを満たす x は,
x =
- b ±√ ̄
b 2-4 ac
2a
となります。
また,b =2 b′のときには,
x =
- b′±√ ̄
b′2- ac
a
となります。この値を 2 次方程式の解といいます。
(2)判別式による解の判別
2 次方程式 ax 2+ bx + c = 0( a ≠ 0 )の解の
種類は,解の公式中の根号の値で分かれます。こ
のため根号内を判別式といっています。判別式は
D= b 2-4 ac で表され,
次のことが成り立ちます。
D> 0 のとき 異なる 2 実数解を持つ
︱
D=
0 のとき 重解を持つ
︱
D<
0 のとき 実数解を持たない
第1章
(異なる 2 虚数解を持つ)
式と計算
(3) 2 次方程式の解と係数の関係
2 次方程式 ax 2+ bx + c = 0( a ≠ 0 )の 2 つ
の解をα,βとするとき,次の関係式が成り立ち
ます。
b
c
α+β=- ,αβ=
a
a
() 2 次方程式と虚数解
x 2 = −₁を 満 た す x を 2 次方程式 ax 2+ bx + c = 0( a ≠ 0 )の判別
式 が D < 0 の と き, 2 つ の 解 は 共 役 な 複 素 数
( x = a + bi , a - bi )となります。
れを虚数単位といいま
す。虚数単位は文字 i を
x =±√ ̄
−₁と表し,こ
使うことが多いので
i =√ ̄
−₁(i 2=−₁)
となります。
このとき a + bi( a ,b は実数)を複素数といい
ます。
第1章
式と計算
Q1 x 2+ x + 1 も
1
+ x + 1 もともに多項式である。
x+1
2
Q2( x + 4 )
= x 2+4 x +16である。
Q3(2 x + 3 (
)4 x − 5 )
=8 x 2+2 x −15である。
Q4 6 x 2−11 x + 4 を因数分解すると,
(2 x + 1 (
)3 x − 4 )となる。
Q5 8 x 3−18 x を因数分解すると,2 x
(2 x + 3 (
)2 x − 3 )となる。
Q6 x 3+2 x 2−3 x + 4 を x − 1 で割った余りは,10である。
Q7
x 3−8 x − 8 は x =− 2 を代入すると 0 となるので,x 3−8 x + 8 は x
+ 2 という因数をもつ。
Q8 2 次方程式 ax 2+ bx + c = 0 の解は,x =
− b ±√ ̄
b 2−4 ac
である。
2a
Q9
2 次方程式 ax 2+ bx + c = 0 の判別式をDとしたとき,D> 0 のとき,
重解をもつ。
Q10
2 次方程式 x 2+18 x +81= 0 の解は x =− 9 となるので,判別式Dを
求めるとD= 0 となる。
b
2 次方程式 ax 2+ bx + c = 0 の 2 解をα,βとすると,α+β= ,
a
Q11
c
αβ= が成り立つ。
a
Q12
2 次方程式 ax 2+ bx + c = 0 の 1 つの解を 2 +3 i とすると,他の解は
2 −3 i となる。
A1 × x 2+ x + 1 は多項式だが,
1
+ x + 1 は多項式ではない。
x+1
2
A2 ×( x + 4 )
= x 2+8 x +16となる。
A3 〇
( ax + b (
) cx + d )= acx 2+
( ad + bc )
x + bd の公式を利用す
る。
A4 × 6 x 2−11 x + 4 を因数分解すると(2 x − 1 (
)3 x − 4 )となる。
A5 〇 まず共通因数2 x をくくりだしてから,公式を利用する。
A6 × (
f 1)
=13+ 2 ×12− 3 × 1 + 4 = 4 となり,余りは 4 である。
A7 〇
3
(−
f
2 )=
(− 2 )
−8×
(− 2 )− 8 = 0 となるので,x + 2 とい
う因数をもつ。
A8 〇 解の公式は,すべての 2 次方程式に利用できる。
A9 × 判別式D= b 2−4 ac > 0 のときは,異なる 2 実数解をもつ。
A10 〇
判別式D= 0 となるとき, 2 次方程式は重解をもち,解は 1 つとな
る。
b
c
α+β=− ,αβ= が成り立つ。この関係を解と係数の関係と
a
a
A11 ×
いう。
A12 〇
10
2 +3 i と 2 −3 i の関係を共役な複素数といい,一方が解ならば他
方も解となる。
1
チェック度
重要度
第1章
過去問・問題
B
式と計算
x + y = 1 ,x 3+ y 3= 2 のとき x y + xy の値はいくらか。 (国Ⅰ200)
1 -
31
27
2 -
29
27
3 -
5
27
4 5
27
5 29
27
11
正解 2
〈式と計算〉
x + y = 1 ……①
x 3+ y 3= 2 ……②
x + y = 1 の両辺を 3 乗すると,
( x + y )3= 1
x 3+3 x 2 y +3 xy 2+ y 3= 1
x 3+ y 3+3 xy( x + y )= 1
①,②を代入して,
xy =-
1
……③
3
を得る。つぎに, x + y = 1 の両辺を 2 乗して,
( x + y )2= 1
x 2+2 xy + y 2= 1
③を代入して,
x 2+ y 2=
5
……④
3
を得る。つぎに,
( x 2+ y 2)
( x 3+ y 3)=
5
10
×2=
3
3
2
x 5+ y 5+ x 2 y(
x+y)
=
10
3
( 13 )× 1 = 103
2
x 5+ y 5+ -
x 5+ y 5=
29
9
ここで,
x 6 y + xy 6= xy
( x 5+ y 5)
( 13 )× 299
= -
=-
29
27
よって,正解は肢 2 である。
12
2
チェック度
重要度
第1章
過去問・問題
A
式と計算
あ る 次 式 は,x の 係 数 が 2 で あ り,x 2 - 1 で 割 る と x - 余 り,x 2
- で割ると,x - 1 余るという。この 次式として妥当なのは次のうちどれ
か。
(国税13)
1 2 x 4-5 x 2+ x - 3
2 2 x 4-7 x 2+ x + 5
3 2 x 4-7 x 2+ x +11
4 2 x 4-7 x 2+ x - 3
5 2 x 4-9 x 2+ x + 3
13
正解 5
〈剰余の定理〉
求める 4 次式を, (
f x)
=2 x 4+ ax 3+ bx 2+ cx + d とおく。 ……①
x 2- 1 =
(x-1)
(x+1)
,x 2- 4 =
(x-2)
( x + 2 )と因数分解できる
2
2
ので,(
f x )を x - 1 ,x - 4 で割ったときの商をそれぞれ P
( x ),Q
( x )とす
ると,
f( x )=
(x-1)
( x + 1 )P
( x )+ x - 4 ……②
f( x )=
(x-2)
( x + 2 )Q
( x )+ x - 1 ……③
と表せる。剰余の定理より,
①,②に x =± 1 を代入すると,
(
f 1 ) = 2 + a + b + c + d =- 3
(-
f
1)
= 2 - a + b - c + d =- 5
①,③に x =± 2 を代入すると,
(
f 2 ) =32+8 a +4 b +2 c + d = 1
(-
f
2)
=32-8 a +4 b -2 c + d =- 3
したがって,次の連立方程式を解けばよい。
a + b + c + d =- 5
︱
︱ a + b - c + d =- 7
-
8
︱ a +4 b +2 c + d =-31
︱
-8
a +4 b -2 c + d =-35
これより,a = 0 ,b =- 9 ,c = 1 ,d = 3 と求まる。
∴ (
f x)
=2 x 4-9 x 2+ x + 3
よって,正解は肢 5 である。
14
3
チェック度
重要度
第1章
過去問・問題
C
式と計算
一般に( a + b )n の展開式は次のようになる。
n
( a + b )n= Σ nCk a k b n - k= a n+ nC1 a n - 1 b 1+ nC2 a n - 2 b 2+……+ b n
k=0
これを利用して80を で割ったときの余りとして正しいのは次のうちどれ
か。
(地上2003)
1 1
2 2
3 3
4 4
5 5
15
正解 1
〈剰余〉
与式に a = 7 ,b = 1 ,n =50を代入して,
50
50
( 7 + 1 )
= Σ 50Ck・7 k・150- k
k=0
=750+50C1・749・11+50C2・748・12+……+50C49・71・149+150
∴ 850=750+50C1・749・11+50C2・748・12+……+50C49・71・149+150
ここで,右辺の各項を見ると,第 1 項は 7 の倍数で,第 2 項以降も 7 の倍
数であり,最後の項(150= 1 )だけ 7 の倍数でないことがわかる。
したがって,
850= 7 ×
(ある数)+ 1
となり,850を 7 で割ったときの余りは 1 となる。
よって,正解は肢 1 である。
16
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