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ジョルジュ・サンドとフランツ・リスト: 2 通の 「旅人

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ジョルジュ・サンドとフランツ・リスト: 2 通の 「旅人
Kobe University Repository : Kernel
Title
ジョルジュ・サンドとフランツ・リスト : 2通の「旅人
の手紙」をめぐって
Author(s)
坂本, 千代
Citation
近代,102:1*-13*
Issue date
2009-12
Resource Type
Departmental Bulletin Paper / 紀要論文
Resource Version
publisher
DOI
URL
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/handle_kernel/81002134
Create Date: 2017-03-29
ジョル ジュ ・サ ン ドとフランツ ・リス ト
-
2通 の 『旅 人 の手 紙』 を め ぐって -
坂
本
千
代
は じめに
ジ ョル ジュ ・サ ン ド (
Ge
or
geSand) とフラ ンツ ・リス ト (
Fr
anzLi
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)
は1
8
3
4年 に知 り合 ったO マ リー ・ダグー (
Mar
i
ed'
Agoul
t
) と恋 愛 中 の この
音楽家 とサ ン ドは友情 と恋 の中間 の よ うな交 際 1を続 けなが ら、相 互 に刺 激 と
影響 を与えあ って いた。
1
83
5年 9月サ ン ドは 『旅人 の手紙 一第 5信 一 ラヴ ァクー と無人 の家 につ い
Le
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を発表す るO これは r
両世界評論 』(
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)誌 に 1
8
3
4年 5
月か ら連載中の公開書簡形式 の エ ッセイで、 の ちに単行本 にま とめ られた さい
にこの手紙 は第 7信 とされ、題名 は 「ラヴァクーと無人の家 について フランツ ・
A Fr
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,
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s
on d6
s
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e
) と変
リス トへ」(
え られた。 サ ン ド作品中の音楽家像 に関す る研究 の一環 をなす本稿 で は、 この
フランツ ・リス トあての公開書簡 (
単行本版) を とりあげ る。最 初 に、 この手
紙 に現れ る音楽観 と音楽家像 を分析 したあ と、 そ こに描 かれて い る リス トの イ
メー ジを検討す る.次 に、一見 リス トや音楽 と全 く無関係 な ラヴ ァタ-
2や無
1 たとえば以下参照oGe
or
geSand,
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9
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6,
pp.
8
1
38
1
4.
1
) はチュー リヒの思想 家 で人相学者。
2 JohannKas
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1
7
4
11
8
0
- 1-
人 の家 (
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) が どの よ うに それ らと結 びっ け られ て い るか を考
察す る。 そのあ とサ ン ドの この公開書簡 に対 す る リス トの返信 『旅人の手紙 ジ ョル ジュ ・サ ン ド氏へ』(
Le
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t
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Ge
or
geSand
)を と
りあげて、 これ ら 2通 の手紙 の共通点 と相違点 に注 目し、最終的にはフランス ・
830年代 の精神風土 の一端 を 明 らか にす るのが本稿 の 目的
ロマ ン主義最盛期 1
で あ る。
それで は ここで 『旅人 の手紙』第 7信 の内容 を簡 単に見てお く。 これはプ レ
イヤー ド版 で 3
4ペ ー ジにわた る長 い手紙 3であ る。書 き手 はジュネ-ヴ滞在 中
の リス トへ の呼 びか けか ら始 め、音楽 の起源 について考 えたあ と、 自分が今 こ
の手紙 を したためて い る荒れ た無人 の家 を描写 す る。 そ して、 この家で見つ け
た ラヴ ァタ-著 の古 い人相学 の本 の紹介 が始 ま り、多 くの引用 とそれ らの解説
が続 く。最後 に、 この家 を出な くて ほな らな くな ったい きさつが語 られ、旅人
が出発 しよ うとす るところで手紙 は終 わ って い る。
『旅人 の手紙』 の全書簡 の書 き手 は同 じ人物、 ジ ョル ジュ ・サ ン ドという名
の中年男性 4で あ る。 だ が ジ ョル ジュ ・サ ン ドが オ ー ロール ・デ ュ ドヴ ァン
(
Aur
or
eDude
vant
) とい う女性 のペ ンネームで あることを当時 の読者 がみな
知 って いたよ うに、語 り手 の この仮装 はたいへん薄 い ものにす ぎず、あちこち
で作者 サ ン ドが顔 を出 してい る 5。
1. サ ン ドの音楽観
3 Geor
geSand,Le
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9
7
8,pp.
8
1
78
5
1.
本稿の引用文
のあとの数字はすべてこの版のページを示す。
4 旅人は自分について次のように語 る。「
私はあまりにも長いあいだ農民、ボヘミアン、
」(
8
4
3
)
兵士として暮 らしたのです。
5 たとえば、旅人の子ども時代の回想は作者自身のそれである。なお、 オーロール ・
デュドヴァン (
女性)
、作家ジョルジュ ・サンド (
両性 ?)
、この手紙の書き手 (
男性)
という三者の微妙な重なりと絡み合いが、公開書簡形式の 『
旅人の手紙』全体の読解
をスリリングで複雑なものにしているのは確かであろう。
- 2-
f
サ ン ドの作品 には苦楽家が l
J
.
て くる もの、 洋楽 を扱 った ものが少 な くないが、
r旅 人の手紙」第 7信 はそれ らの中 で も比較 的初 期 の もので あ り、 リス トか ら
叫 こ取 り
大 きな刺激 を受 けた彼 女が r
q分 の音 楽観 や芸術観 を再 確認 して作 品 の l
込んで いる。手紙 の点 初 の ほ うで旅 人 (この手 紙 の書 き手) は、 イエ スの弟子
たちが布教 の旅 の途 卜で再 会 した時 に聖歌 が生 まれ たのだ と言 う。
全員が自分の話を したあと、おそらく皆がいっしょに最愛の方の霊を呼び寄せ る必
要から、歌 うということをJ
i
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t
いっいたのだろう。そ しておそらく、炎の言糞 と して
降 り来たり未知のことがらを彼 らに朽示 した精霊 もまた、選ばれた者に しか属 さぬ
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angues
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6
e
)を彼 らに贈 っていたのだったO(
8
1
8
)
この聖なる言語 (
これ は音楽 の誕生 にまつ わ るひ とつ の神話 で あ る。 また、 『旅 人 の 手紙 』 第
7信 で、音楽 は神 の言語 (
l
anguedi
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ne
) と呼 ばれ て い る。 た とえ ば、 手 紙
の終 わ り近 くで旅 人 は フラ ンツに向か って次 の よ うに書 いて い る。
そうです、若き友よ、霊感を受 けた芸術家よ。私はあの神の言語を解 しますが、話
すことはできないのです。(
8
4
5
)
音楽が言語、 それ も我 々が 日常 使 用す るそれ よ り ももっと優れた 語 であ る、
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とい うの はサ ン ドの持 論 で あ る。 これ は後 の 作 品 『リラの七 弦 』 (
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8
4
0)
、『コ ンスエ ロJ
)(
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8
421
8
43
) とその続 編
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8
4
4) な ど に
『ル ドル ンユタッ ト伯爵夫 人 』 (
も現 れて くるので あ るが、 ここで は 『コ ンスエ ロ』 で アルベ ールが歌姫 コ ンス
エロに向か って言 う言葉 だ けを引用 してお こ う。
君は神の言葉 (
l
angagedi
v
i
n)を話すね。君 は最 も崇高な感情を表現 し、霊感 を
受けた魂の大きな感動を伝えることができるんだ。 [・・・] 音楽 は魂が夢み予感
-3-
す るとても神秘的でとて も高尚なすへての ことを語る9それは人I
i
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.
】
の言柴が表現で
きるのよりももっと優れた考えや感情の領域の表明なんだ。6
音 楽 を この よ うに と らえ た と き、音 楽家 (
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n) とい うの はどの よ うな
人物 とな るの だ ろ うかo サ ン ドが この語 で さす の は、作 曲家 だ けで な く、歌手
や演 奏 家 も含 ん で い るO 神 の言 語 を坪 解 し、 それ をJ
T.
経 に表現 す る ことがで き
る者 で な けれ ば、作 曲 は もち ろん、 優 れ た歌 手 や演 奏家 にな ることは無坪 だか
らで あ る。
『旅 人 の手 紙 』 第 7信 で は、 冒 朝
7に現 れ
る芸 術 家 の コ ロニ ー (
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i
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) とい う言 葉 に注 目 して お きた い。 音 楽 はそ の木 質 か ら言 って仲 間
を必 要 とす る もの だ とい うの は、 先 に見 た音 楽誕 生 の神話 か らもわか るが、 こ
こで旅 人 は音 楽 が志 を同 じ くす る人 たちを結 びあわせ、 秩序 を生 み出 し、 ひ と
つ の整 然 と した集 団 を形成 させ る もの だ と して い るので あ る。
さて、 この手 紙 の別 の箇所 で旅 人 は 「あ なたが たの芸術 はあなたに我 々の芸
82
4) と書 いて い る。 こ こでい う 「我 々
術 を見下 す よ う しむ け るに遵 い な い」(
の芸術 」 とは文 学 で あ り8、手 紙 の中 で旅 人 は音 楽 家 フ ラ ンツとそ の仲 間 た ち
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8
3,p.
3
糾.
7 「会いにいけな くて私がどれほど残念に思 っているかをあなたに言 う必要 はないで
しょう。あなたの母上 とプッツイが家族 とともに出発するのが見えます。 あなたがた
が麗 しの-ルヴェチアか緑のボヘ ミアJ
こ芸術家のコロ=
一-を作 りに行 くのだろうと推
測 しています。 [・・・]音楽 というのは教え られ、示 され、広が り、伝わるものです。
-ーモニーというのは意志や感情の調和を要求するのではないで しょうか。 巨匠のシ
ンフォニーを演奏す るため、秩序 と愛に対す る同 じ気性で結 ばれた 1
0
0人の演奏家た
ちはなん とすげ らしい共和国を実現 しているので しょう !ベー トーヴェ ンの魂が この
聖歌隊の上を飛ぶ とき、なん という熱烈な祈 りが神のもとに昇 っていくので しょう。」
(
81
781
8
)
8 無人の家の持 ち主である友人が旅人に向か って 「君は詩人だ」(
8
2
1
)と言 っているの
で、 この手紙の書き手 は詩人 もしくは (
作者 と同 じく)作家 と設定 されていると考え
るべきであろう。 ただ し、他の箇所では詩 (
v
e
r
s
)について、「ああ、私にも聞こえるけ
れど話す ことはできない神々の吉事だ !
」(
8
4
5
8
4
6
)と嘆いているOついで(
.
i
が ら、伝
記的に見れば、F
旅人の手紙』や 「リラの七弦』のころがサ ンドの文学人生において秦
も詩人に近か った時期 と言えよう。
- 4-
に対 して次 のよ うに呼 びか ける こととl
J
:
る.
幸せな友人たちよ !あなたがたが打ち込んでいるのはなんて気高 く甘美な仕事I
j
:
の
だろう !そして私の仕事はそれと比べるとなんて不毛でやっかいなのだろう !私 は
沈黙と孤独の中で働かなくてはならない。音楽家は弟子たちや演奏者たちとの和合
81
8
)
と共感 と団結によって生 きているというのに。(
ここには仲間 たち と ともに調和 と共感 の中で働 く音楽家 と、 た った ひ と りひ
きこもって創作す る詩 人 ・作家 の対比 が描 かれ て お り、 これが第 7信 の舞台 で
ある荒れ た無人 の家 と結 びっ いて い くことにな るので あ る。 この点 につ いて は
後 に考察す ることに したい。
2.リス ト俊
次 に、 サ ン ドの描 く リス ト像 を検討 しよ う。 まず は 1
835年 4月 に サ ン ドが
彼 に書 き送 った手紙 を読 ん でみ る。
私はあなたの音楽をあまりにまざまざと感 じるので、どこかで同 じものをあなたと
いっしょに、生まれる前に聞いたに違いありません。おそらくあなたはそれをよ く
覚えているのです。なぜなら、あなたは天使たちのメロディをそのまま保ち持 って
いるので。私のはうはと言えば、そのぼんや りとした記憶だけを持 っていて、 あな
たの音楽を聞 くとそれを思い出 し感動するのです。9
リス トの音楽が、生 まれ る前 に天 国 で聞 いた音 楽 の再現 で あ り、彼 はそれを
伝 えて くれ るのだ とい うこの考 え は r旅 人 の手紙』 で も繰 り返 されて い るo
9 Sand,Co
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8
7
1
-5-
フランツ、天上のコンサー トを遠 くか ら聞 き、不具で見捨て られた者である我々に
それを伝えることができるようにと、精霊によって耳を開かれたあなたよO[- ・]
さあ、神の言語で祈 って くださいO天上の息吹が震わせるあなたの楽器で神の讃歌
8
2
0
)
を歌 って ください。(
天 の メ ッセ ー ジを伝 え る選 ばれ し者、 預 言者 の よ うな天才音楽家 とい う リス
ト像 は、実 は次 のふ たつ の イ メ- ジと密接 に結 びつ け られて い る。 ひ とつめは
手 紙 の書 き手 と同 じ 「
旅 人J で あ るO 先 に見 たよ うに、手紙 の冒頭 で スイスか
ボヘ ミア に コロニーを築 くため に出発 す る音 楽家 た ちの イメー ジが喚起 されて
い るが、 当時 の リス トはま さに旅 の途上 にあ った川。 また、手紙 の書 き手 と彼
に はひ とっ の太 い秤 が あ るOそれ は社 会改革 を め ざす
「ブル ターニュの聖者」
l
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(
8
4
6
)の弟子 と して、民衆 の 自由 のために戦 う同志 と して の緋 で あ るO こめ
手紙 の最 後 に は フ イエ スキ事 件 12の影響 で 当局 によ る共和主義者 の弾圧 の始 ま
りが予想 され、 自分 た ち は大 西洋 の向 こ うの亡 命先 か死刑 台 の下で再会す るか
も しれ な い と書 か れて い る。 そ して手紙 は旅 人 の 出発 (ここにはもちろん イエ
スの弟子 た ちの伝道 の旅 へ の ほのめか しが あ る) と と もに締 め くくられ ること
にな る。
以 上 の よ うに、 この手 紙 の中で喚起 され る天 才 音 楽 家 リス トは 「預言者 」
」「同志」 の姿 で描 か れて い るので あ るが、 これ は何を意味 しているのだ
「旅 人
ろ うか。 サ ン ドと リス トの大 きな共 通点 と して サ ン ・シモ ン主義への共感 とそ
れ に続 くフェ リシテ ・ド・ラムネへ の心酔 が あ る。 サ ン ・シモ ン主義者 の描 く
システ ムにお いて芸術家 の地位 は高 く、新 しい社会 に向か って進 む人類 の導 き
手 た ちの一翼 に属 して いた。 当時、音 楽家 をは じめ芸術家たちの社会的 ステー
1
0 紋はマ リー ・ダグーと各
区け落ち してジュネーヴに滞在中であり、その後 フランスに
戻 った後、ふたりは再びイタリアへと長い旅に出ることになるo
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)をさす。
1
21
8
3
5年 7月に起 きたコルシカ人フイエスキによる王の燥殺未遂事件。
一 6-
タスはまだまだ低 く、貴族 らの上流 サ ロンで客を楽 しませ る役割 を持つ人 々 と
考え られているところがあ った。才能 とプライ ドのある芸術家 たちは当然 それ
を屈辱 に感 じていたため、 サ ン ・シモ ン主義 の示す未来像 は彼 らの多 くを惹 き
つけたのであ った。 ただ、 プロスペル ・ア ンファンタ ン (
Pl
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OS
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rEnf
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n)
を中心 とす るサ ン ・シモ ン主義者 たちの、いささか奇矯 な宗教 色に違和感 を覚
える人々 (リス トとサ ン ドもそ うであ った) も少 な くなか ったのである。 この
ような人々が、1
9世紀 フランスにおける最 も重 要 な宗教 家 の ひ と りで社会 運
動家の ラムネに強 く惹かれたのだ った。名高 いカ トリックの論客 の地位か ら一
転 して破門 となり、波乱の生涯の終 わ りには一種 の民衆教 とで もい うべ きもの
にまで進んだ この元司祭 は、音楽 などの芸術 に深 い理解 を示 した。彼によれば、
優れた芸術家 は未来 の宗教 の預言者 なのである。
旅す る同志であ って預言者的側面 を持っ天才音楽家 と しての リス トは、作者
サ ン ドか思 い描 く理想 の音楽家その ものだ ったのだ。
3.ラヴ ァターと無人の家
F
旅人の手紙J第 7信 の題名であるラヴァタ- と無人の家 について少 し考 え
てみたい。各 トピックにあまり関連がな く、作者 サ ン ドが気 ま ぐれに筆 を進 め
ているように見えるこの手紙であるが、注意深 く読む とかな り手 の込んだ仕掛
けの もと、 さまざまな要素 が緊密 に結 びつけ られてい ることに気づ く。
まず荒れた無人の家 とい う舞台 について。 この手紙 の中では相手 (フランツ)
と書 き手 (
旅人) にい くつかの語 が振 り分 け られている。前者 には 「
音楽家」
「
苦楽」「
結 びつ き」(
as
s
oc
i
at
i
on)が、後者 には 「詩人」「本 」「孤独」 が あて
られている。そ して、旅人の想像の中でフランツたちが異国に芸術家のコロニー
を建設 しに出かけるのに対 して、 自分 は仮の宿である荒れた無人の家 にとどま
るのである。
この家の中で フランツの音楽 と対称 に置かれた 「本」 (あるいはエク リチュー
- 7-
ル) の力が 手紙 に描 か れて い る。 1
.
n
代人 の家 の多 くの古い本 が旅人 に自分の子 ど
も喝代 (
す なわ ちサ ン ドのチ ビ も時 代 )13を思 い出 させ るので あ る。 そ して そ
れ らの書輔 の中 に子 ど もの ころ感銘 を受 けた、組版 の多 い ラヴ /タ-の人相学
に関 す る本 が見 つか るo この木 が きっか け とな って、 荒れ た無 人の家 は 「不思
議f
d
.
幻」 (
845) 出現 の舞 台 とな るのだ。 この魔法 の仕 掛 人で あ る ラヴァタ-に
よれば、肉体 的 な美 は魂 の美 の反映 で あ り、経験 をっんだ注意深 い人相学者 は
容 貌、体 っ き、 仕草 な どか らその人 の性僻 や能 力 を言 い当て ることがで きるは
ずであ るO 旅 人 は フラ ンツ (お よび この公開書簡の読者 たち)に向けて、ラヴァ
クーの著 作 の興 味深 い部 分 (ヴ ォルテ ール、友情 、放蕩者 に関す る箇所 など)
を引用 した り、骨 相学 省 の ガル (
Ga一
l
)博士 の メ ソー ドと比較 したりしたあと、
次 の よ うに書 いて い る。
このI
r
P
.
れ家に閉 じこもって以来、私の親 しい人たらすへての,
削 、
出は、ラヴTター
8
4
38
4
4
)
の魔法の鏡を通 して しか現れてこないのですo(
この魔法 の鏡 を通 して旅 人 は ラムネ とエ ヴ ラール 1
4の容貌 を分析 し、 現 代 の
巨人で新 しい聖者 で あ るこのふ た りを賛美 す る。 ラヴ ァクーの本の影響の もと、
ひ とけのな い家 の中で数 々の優美 で魅惑 的 な幻 が出現 す るのたが、 その筆頭 が
フラ ンツだ と旅人 は書 くので あ る。
光にあふれたタブローの中に私が置 くのは、親愛なるフランツ、誰よりもまずあな
たなのだ、わが瞑想の枚の闇に現れる不思議な幻よ。ろうそくの光のもと、あなた
をっっみこむ賞賛の後光を通 して、その指がウェーバーの傑作に新 しい驚異をまき
]
3 .
17レ・/ワールの優 しい祖母、位相人たち、犬、F
ェステルとネそう /J
l打ロビン
82
582
6)
ソン・クルーソー.
af
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:どが挙げられている。(
1
4Loul
S
Chrysos
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DmeMi
che】(
1
7
97-1
8
5
3)のあだ名。筋金入 りの共和派の弁護士
で、当時サ ントの恋人でもあった。
-8-
散 らしているとき、私の もとに降 りて きて こうLT
'
うかのよ うな、あなたの優 しい視
線 とL
L
J
.
会 うのが好 きだ。「兄さん、は くの .
ううことがわか りますかO は くはあなた
」(
8
4
5
)
の魂 に話 しかけているんですよ。
以t の よ うに、巧 み な卯 台 装 I
r
t
3
'
と して の荒 れ た知 人 の家 と ラ ヴ ァ クーが フ ラ
ンツの魅惑 的 な幻 の .
出現 を 可能 な ら しめ て い るの で あ る。 な お、 この あ と旅 人
は ステ ー ジ トの フ ラ ンツ と少 咋 プ ッツ イ15を ラ フ ァエ ロ と若 い 友 テ パ ル テ オ 16
の ペ ア と比 べ、 プ ッツ イの 才 能 と拭 細 な美 しきを賞 賛 して い るが 、 この筒 所 に
つ いて は後 で も うい ち ど触 れ る こ と に した
い
。
4. リス トからの返信
1
8
3
5年 1
2月 6日の
rガゼ ッ ト ・ミュ ジカ ル』(
Gaz
e
t
t
emus
t
c
al
e
)誌 に フ ラ
ンツ ・リス トの公 開 書 簡 が掲 載 され た。 『旅 人 の手 紙 - ジ ョル ジ ュ ・サ ン ド氏
へ』 と題 され た手 紙 に は
「
1
8
3
5咋 11月 2
3円 ジ ュ ネ - ヴ」 と記
され て い る。 リ
ス トはサ ン ドの 『旅 人 の手 紙 』 に、 作 者 の仮 装 を受 け入 れ つ つ 返 事 を した の で
あ った 17。
サ ン ドの 『旅 人 の手 紙 』 と比 べ る とか な り短い この手 紙 18の 構 成 は次 の通 り
で あ る。 まず簡 単 な 前 置 きの あ と、 サ ン ドの 『旅 人 の手 紙 』 に書 か れ て い た こ
とが らに対 す る リス トの反 応 か示 され て い る。 そ の あ と リス トは、 掲 載 誌 が政
1
5 リス トの愛弟子 He
r
mannCohe
n(
1
8
2
01
8
71
) のあだ名C
1
6 プレイヤー ド版の8
4
5ページO彼については詳細不明oGeor
ge
sLubl
nの注を参鼎
のこと0
1
7 この書簡を執筆 したのは誰かにつ いては議論の余地がある。 とい うの も当昭 の リス
トはマ リー ・ダグーと/
_
I
.
活 をともに していて、 リス トの名で.
L
hSれた記事 で も、実 際
は リス トがアイデアだけを出 して彼女が文章にす るとい うこともあ ったよ うだ。 この
手紙の筆跡を確認す ることはで きない し、 リス ト本人の考え と著 しく異 な る意 見 を彼
の名で発表することはあ りえないので、本稿では リス ト自身の書いた文章 と して1
f
kり
扱 うことに したい。
1
8 のちに単行本 Le
t
t
r
e
sd'
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nb
a
c
he
E
i
e
rさ
smus
l
qz
L
eの第 1信 と して収録 され た こ
の手紙 はL
e Cas
t
orAs
t
r
al版で約 8ページ0
- 9-
治 や形 而上 学 の話 を嫌 が るので、現在 自分 が滞在 して い る ジュネー ヴの音 発情
報 を書 くことにす る と告 げ る。 この町 の カル ヴ ァ ン宗教 改革 記念 祭 の よ うす、
カテ ドラル につ いて、 そ こで の聖 歌 の合 唱 につ いて語 られ るO そのあ と、 リス
トが ベル ジ ョジ ョー ゾ大 公 (
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o) ら と と もに行 な った慈 善 コ
ンサ ー トの内容 や その聴 衆 に関 す る ことが続 き、 また、 こち らで知 り合 った有
名 人 の名 を挙 げた り した あ と、 サ ン ドにで きるだ け 早 く会 い に来て は しい と讐
けて手 紙 は終 わ って い るO 多 少 良 くな るが、 この手紙 1
11
でサ ン ドの r旅 人の手
紙』 に関係 す る箇所 を引 用 して み よ う。
あなたの若々 しいイマジネーションの飛躍の巾ですでに作 り上げられている音楽共
和国 (
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)は、ぼ くにとってはまだ願 い ・希望で しかあ りま
せん。今までのところ威嚇的で情け深い法律はそれを牢獄や流刑で帝迫することを
考えてはいません。 そして、自分 自身をかえ りみると、あなたの夢想とぼくの現実
を対比 して困惑 と意恥で赤 くなって しまうのです。 - あなたの詩人 と しての ファ
ンタジーがぼ くの額にまとわせた天上の炎と、ぼ くが進んで行 く散文的な道でまい
あがる土ぽこりO - ぼ くが一生を捧げる芸術の社会的働 きについてのあなたの気
高い予感や美 しい幻想 と、ぼ くの暗 い失望。「
欲求」の貴欲 さと 「
努力」の無力 さ、
「
思想」の無限性 と 「作品」の無価値 さを比べるぼ くをその失望が しば しは舞 うの
です。 - その昔、今よりず っと聖なるものであった竪琴 によ って引 き起 こされた
共感 と新生三
の奇跡を、今 E
]それが押 し込められているように見える不毛で惨めな役
割に比べて しまいます。】9
ここに は は っき り した対照 が示 され て い る。 「あ なたの夢想 」 と 「ぼ くの現
実」、 「天J の炎 」 と 「土 ぽ こ り」、「高貴 な予 感」 と 「暗 い失 望 」、 苦 の 音 楽 の
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共感 と新生 の奇跡」 と現在 のそれの 「
不毛で 惨めな役割」 が対 応 し、 サ ン ド
の旅人が描 いた理想 の音楽共和国が まだ夢 にす ぎない と述べ られてい る。 しか
し、だか らこそサ ン ドの旅人が恐 れていた当局 によ る弾圧 や抑圧の気配 もない
のである。 また、 サ ン ドの旅 人が滞在 して いた 「
無人 の家」 のかわ りに、 こち
」
2
らでは 「白い家 0に リス トたちは暮 らしている。 白はあ る意味 も っ と も新 鮮
で目立つ色であ り、荒廃 した古 い家 の対極 にあ る住処 といえ るか もしれないO
次 に、 サ ン ドと リス トの手紙 の共通す る部 分 とそ うで ない部分 について考 え
てみたい。 まず、 リス トの q
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旅人の手紙」 において は書 き手の仮装 は見 られず、
彼 と リス トをほとん ど完全 に同一視 す ることが可能 であ る。 若 き手 は自分 を旅
人および音楽家 と位置づ けて いるO また、 自分 の苦楽 の社会的使命について も、
理想 と現実のギ ャップに意気阻喪 す ることはあ って も、使 命その ものを否定 し
てはいないo彼 はサ ン ドの旅 人の同志 であ り続 けて いると言 え よ う。 もうひ と
っの注 目すべ きものはこの手紙 におけるプ ッツ イの姿 であ る。 サ ン ドの 『
旅人
の手紙』 ではステ-ジ上 の リス ト (
彼の美 しい金髪 は有名だ った)と黒髪のプ ッ
ツイが画家 ラファエロと若 きテパ ルデオに比 べ られて いたが、 リス トの この手
紙 ではその同 じプ ッツ ィを金髪の歌手 ベル ジョジ ョー ゾ大 公のそばに並 べて い
る。繊細で才能 あふれ る少年 への慈 しみの情 とその未来 に対す る大 きな期待が、
魅惑的なひとつの タブローと して描 かれてい る点 が共通 して いる2㌧
ところで、 リス トが共演者 ベル ジ ョジ ョー ゾ大公 につ いて書 いてい る箇所 に
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目を向けると、彼 はこの 「大貴族 の アーテ ィス ト」(
を賞賛 し、大公が血筋 による貴族であ ると同時 に、「
知性 と才 能 に よ る貴 族 」
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) で もあ ることを弓
瑚 している220
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1 プッツイことヘルマン・コーエンはその後 リストやサンドをおおいに失望させた。
だが、神童、放蕩者、聖者の生活を次々に突き進んでいった彼 もまた非常 にロマ ン主
義的な人物であり、その意味では少年時代の彼に平凡ならざる素質を見抜いた リス ト
やサンドの判断がすべて間違 っていたわけではないと言えよう。
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また、 自分 たちの コ ンサ ー トに、元 ウェス トファ リア王 とそのJ
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女など、革命
で国を追われた ヨー ロ ッパ各地 の王族、政府 や軍 の要人 らが来ていた ことを述
べている箇所 などは、『ガゼ ッ ト・ミュジカル』 の読者 の興味 を引 くことを意
図 してい るに して も、 いささか ゴシップ記事的であ る23. このあ た りはサ ン ド
の F
旅 人 の手紙』 中で喚起 され る、預言者 的風貌を持っ神秘的 な天才音楽家の
イメー ジとはか な り違 ってい ると言 えよ う。荒れ た無人 の家で、 一時的 とはい
え、世間か らまった く離 れて暮 らして いる詩 人の思 い描 くフラノツと、現実 の
フランツの違 いであ る。 ピアニス トと しての彼 は世間の人 々、 とりわけ貴族や
富裕 な上流階級 と直接 的な交流 を持 たざるをえないか らであ るO
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フランス1
91
現 己は旅行記が文学 ジャンル と して確立 し花盛 りを迎 え た時代
であ ったO ス タンダール、 メ リメ、 ネル ヴァルなど旅す る作家の作品 リス トの
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中 にサ ン ドの r
旅人の手紙』や rマ ヨル カの冬 』(
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などを入れ ることがで きよ う0-万、ハ ンガ リーに生 まれ フランス、 スイス、
イ タ リア、 ドイツな どで暮 らした リス トにつ いて は、 コンサー ト旅行 に明 け暮
れた若 い時代 はもちろんの こと、 その一生 は旅 の連続であ った と言えよ う。
旅 人のイ メージはロマ ン主義時代の読者 にな じみ深 く歓迎 され るものであ っ
た。 サ ン ドと リス トの公開書簡 はその潮流 にの った ものである。 サ ン ドの r
旅
人 の手紙』 で は旅人 の イメー ジに イェスの弟子 たちや秘密結社 のメ ンバーの イ
笛
メ- ジを結 びつ けてい る。 これ はやがて rル ドルシ.
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)や『
師のむれ』(
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) で も展開 され ることになろう。
ところで、1
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4年生 まれのサ ン ドと 1
811年生 まれ の リス トは、若い時代 に
七月革命 を体験 しその影響 を受 けた世代 であ る。 サ ン ドと リス トはまずサ ン ・
シモ ン主義者 たちの ドク トリンにひかれ、やがて ラムネを師 とあお ぐよ うにな
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る。本稿で扱 った 2適の 『旅人の手紙』 は この時代 の ものであ ったo 新 しい増!
想社会建設 のために戦 う同志 と しての共感 を これ らの手紙 か ら読 み取 ることが
で きる。 また、彼 らが思 い描 く未来 の共同体 において は苦楽が大 きなt
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を占
めていることを、本稿で はサ ン ドの 『旅人 の手紙』 に焦点 をあてて検証 した。
日常使用す る言語 よ りもっと優れ た 「
神 の言語」 と しての古楽、 そ してそれを
人 々に伝え る預 言者 あ るいは司祭 と しての音楽家 の イメー ジは、 サ ン ・シモ ン
主義 の影響 を受 けた ころか らサ ン ドの意識 の中 に深 く根付 いて いたのであ ろ う
が、 これが作品 と して大 き く結実 す るのはや はり 『コンスエロ』と 『ル ドル シュ
タッ ト伯爵夫人」 であ る。
最後 に r
旅人の手紙』後 のサ ン ドと リス トの関係 につ いて触 れてお きたい。
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6年 9月サ ン ドとその子 ど もたちはスイ スに リス トとマ リー ・ダグーをや っ
と訪 ね ることがで きたO彼 らの シャモニ-旅行 はサ ン ドの F
旅 人 の手紙J
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信 に詳 しく描かれて いる。 また、 リス トの ほ うは 1
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7年 1月 の r旅 す る詩 人
へ - ジ ョル ジュ ・サ ン ド氏 に』(
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とい う公開書簡 を発表 してい る。
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6年秋、 リス トが フ レデ リック ・シ ョパ ン (
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)を サ ン ド
にひ きあわせた。 その後 1
0年 にわ た るシ ョパ ンとの親 しい交 流 を通 じて、 サ
ン ド作品 における音楽論 は深 みを増 し、そこに登場す る音楽家たちのヴァリエー
ションもさらに豊か にな ってい ったのであ る。
(さか もと ・ちよ
神戸大学大学 院国際文化学 研究科 ・教授
フランス文化学 ・文学)
一一1
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Fly UP