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社団法人 日本茶業中央会

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社団法人 日本茶業中央会
平成19年度
平成19年度
みなぎる輸出活力誘発委託事業
みなぎる輸出活力誘発委託事業
(茶の輸出促進)
(茶の輸出促進)
第2回 輸出検討委員会 会議資料
第2回 輸出検討委員会 会議資料
日時:2007年11月26日 13:30∼16:30
会場:茶業会館 8階会議室
社団法人 日本茶業中央会
1.本日のプログラム
1.開会挨拶
2.農林水産省からご挨拶
3.輸出戦略策定
(1)各委員からの情報提供
(2)質疑応答
(3)意見交換
4.日本茶輸出戦略の提案
(1)事務局提案
(2)意見交換
(3)日本茶輸出戦略案の確定
5.今後の予定
6.その他
−1−
2.委員名簿
50音順
委員氏名
板倉 小右衛門
☆ 大森 正司
委員の所属・役職
静岡県経済農業協同組合連合会 茶業副委員長
大妻女子大学 理事 家政学部長 教授
岡 秀実
㈱下堂園 常務取締役
金子 孝弘
㈱ファネックス 代表取締役社長
桐島 俊昭
宇治の露製茶㈱ 海外事業部 事業部長 白井 満
(財)世界緑茶協会 企画部長
杉本 充俊
(特非)日本茶インストラクター協会 専務理事
高橋 徹
(独)日本貿易振興機構 産業技術・農林水産部 農水産課長
瀧 昇悟
静岡県 産業部 お茶室長
藤井 孝夫
京都府 農林水産部 農産流通部 主幹
森田 明雄
静岡大学 農学部 教授
矢部 正行
全国菓子工業会連合会 専務理事
吉冨 均
(独)農業・食品産業技術総合研究機構
野菜茶業研究所 茶業研究監
☆:委員会 委員長
−2−
■ 京都府 農林水産部 農産流通部 主幹 藤井 孝夫 委員
京都府の取組(⑲政策ベンチャー事業)
「宇治茶(玉露)をアイテムとした京都の魅力づくり」
∼観光や伝統産業とのコラボレーションによる飲用スタイルの再発見∼
1 玉露をめぐる情勢
2 政策研究の実施
3 政策提案まとめ
1
1 玉露をめぐる情勢
【強 み】
■ 独特の豊かな香味
京都の
プレミアム
【弱 み】
ブランド
■ 京都生まれ・京都育ち
■ 高級イメージが先行して一般消費者に
なじみが薄い(需要の低迷)。
■ 伝統・実績
(大臣賞多数受賞・生産量全国1位)
■ 本来の独特の香味や価値が認知され
ていない(まちがった認識)。
【脅 威】
【チャンス】
■ 他産地の躍進
■ 世界的な日本食ブームの広がり
■ 府内の玉露産地は崩壊の危機にある。 ■ アジア諸国の富裕層の増加
■ 京都観光やメイドイン京都の積極的な
情報発信や施策展開の動き
2
−4−
2 政策研究の実施
【課題】玉露の喫茶方法普及と需要拡大のための情報発信
【対策】玉露をアイテムとした京都の魅力づくりと世界発信
Ⅰ 宇治茶スタイルの普及
① おいしい玉露の普及活動
② 新たな飲用スタイルの提案(オリジナル急須の試作・提案)
③ 宇治茶オプショナルツアーの企画
Ⅱ プレミアムブランド玉露の世界発信!
① 中国の茶生産・販売に関する調査
② 中国における玉露のPRと嗜好・需要調査
【政策実施の効果】 玉露の需要拡大による経済波及効果
京都の魅力を世界に発信
担い手の経営安定
産業基盤の強化
■ 生産拡大・所得向上
■ 後継者不足の解消
■ 京都への観光誘致
■ 地域産業の活性化
■ 輸出促進(京都舞鶴港 活用) ■ 観光消費単価の向上
3
Ⅰ 宇治茶スタイルの普及(実施と結果)
① おいしい玉露の普及活動
■ 玉露 本来の おいし さや価 値を伝 える( 顧客開 拓)目 的で、 京都府 庁と京 都銀行 本 店で実 施。
◎ 参加者の約70%は、玉露(250円/5g袋)が初体験であった。
◎ 玉露がおいしいと感じた:京都府庁(98%)・京都銀行本店(44%)
◎ 好き嫌いの判断がつかない:京都銀行( 43%:若い女性層と思われる)
◎ 参加者の50%以上で、少量パック(20g)なら玉露の購入意欲があった。
② 新たな飲用スタイルの提案 ■ 玉露 の喫茶 には「 きゅう す」が 不可欠 。ケー タイ電 話のよ うに「 自分専 用」と して愛 用され る
「 ケー タイ玉 露器」 をプロ デュー スした 。
③ 宇治茶オプショナルツアーの企画
■ 京都 の趣あ ふれる モノ・ 場所・ 伝統文 化を取 り合わ せた「 京づく し」の サービ スを企 画し、 その
中 で玉露 の飲用 スタイ ルの提 案を行 っ た。
◎ ツアー参加者から「ケータイ玉露器」の購入希望があった。
◎ ツアー協力店で「玉露の茶漬け」や「ケータイ玉露器」の取扱いを検討中
◎ 外国人ツアー参加者から、「玉露の手揉み体験」や「玉露の喫茶」は京文化
の魅力ある体験として友人や同郷会で紹介したい意向があった。
『玉露は茶小売市場のフロンティア』・ 喫茶スタイルの普及で顧客開拓が可能!
4
玉露+異業種連携 → 新商品・サービス(京づくし)で京都の魅力を世界に発信!
−5−
Ⅱ 世界発信(実施と結果)
① 中国の茶生産・販売に関する調査
■ 中国 茶葉博 物館で の中国 緑茶と 玉露の 喫茶交 流と普 及に係 る意見 交換
■ 中国 茶葉市 場、中 国茶( 龍井茶 )主産 地の視 察
■ 中国の「喫茶」は、トータルコーディネート
お いしく飲むだけでなく、淹れ方から時間・空間の演出まで。
■ 中国では、ライフスタイルとして定着している模様。
旅 行茶具等が市中で売られており、日本よりも気軽に茶具とリーフ(茶葉)を使用
■ 玉露等の本格的な栽培は見当たらなかった。
② 中国における玉露のPRと嗜好・需要調査
■ 「 玉露の 喫茶デ モ」に よる玉 露の紹 介と嗜 好・需 要調査
調査先 : 京 都銀行 (上海 )、コ ンサル (杭州 )、中 国茶博 物館、 茶芸館 等
中国の参加者の約70%が「玉露を初めて飲んでおいしい」と感じた。
◎ 中国高級評茶師等3人に専門家の立場から玉露の香味評価と中国における普
及の可能性についての意見を得た。
■ 玉露は中国茶にはない独特の味わいがある(中国では生産されていない)。
■ 中国茗茶(高級茶)のクラスで受け入れられる可能性は十分にある。
※ 喫茶方法やプロフィール(歴史・背景・物語)も一緒に伝えることが肝要。
中国は玉露の普及にとって好環境!(リーフで喫茶・玉露の生産がない。)
中国での玉露の需要開拓の可能性・「京づくし」を活用した情報発信(国内共通)
5
3 政策提案まとめ
プレミアムブランド「京づくし」の世界発信!
「京づくし」コラボレーション(異業種連携のモノ・サービス・広報資料づくり)
伝統工芸産業
農林水産業
■ 清水焼き・京指物等
の伝統工芸品の供給
■ 宇治茶・京野菜等の
ブランド品の供給
観光産業
■ 京都への誘客
■ 京づくしの活用
「京づくし」戦略会議
情報産業
■ 情報戦略の
コーディネート
と情報発信
貿易・通関業
■ 海外調査支援
■ 海外PR支援
■ 輸出支援
■ 関係団体等
■ 京都府農林水産部/商工部
「京づくし」発信戦略の策定
①「京づくし」基本設計
②「京づくし」情報発信方針の設計
NPO等の民間活力
③「京づくし」世界発信の調査・PR活動
■ 京づくしの普及
(日本茶インストラク
ター・観光NPO)
連携(人)
「京づくし」で、おいしい京都の景気循環♪
−6−
6
■ (独)日本貿易振興機構 産業技術・農林水産部 農水産課長 高橋 徹 委員
HOFEX2007概要
1. HOFEX2007開催概要
(1) 名称:HOFEX 2007
(2) 会期:平成19年5月13日(日)∼16日(水)
(3) 開催地:中国(香港)
(4) 会場:Hong Kong Convention & Exhibition Centre
(5) 主催者:Hong Kong Exhibition Services Ltd.
(6) 展示面積:30,000㎡
(7) 出品者数:1,800社 (HOFEX2005実績)
(8) 出品国数:87カ国(HOFEX2005実績)
(9) 主な参加国:アルゼンチン、オーストラリア、ドイツ、カナダ、チリ、フランス、ドイツ、
ギリシャ、インド、イタリア、韓国、マレーシア、オランダ、フィリピン、アメリカ、ベトナ
ム、日本
(10)来場者数:28,604人(HOFEX2005実績)
(11)入場対象:小売、フードサービス、ホテル、卸、流通など関連業界関係者
(12)特徴:FHA(シンガポール)と隔年で開催されるアジア最大級の見本市
(13)開催頻度:隔年
(14)ウェブサイト:http://www.hofex.com/
2. ジャパンブース概要
(1) ジャパンブース規模: 28小間(252㎡)
内訳:政府ブース 7小間(63㎡)
出品者ブース21小間(189㎡)
(2) 出品物: 米、水産物加工食品、生鮮果実、菓子、日本酒、日本茶 など
(3) 政府ブース内容:広報ブース及び料理デモンストレーション・コーナー等を設置
−7−
FHC CHINA 2007
開催概要
1.開催目的
近年、高品質で健康的な日本食が海外で人気を集めていることから、これまで専ら国内
市場重視であった日本の農林水産物・食品の輸出を促進し、国際競争力を高めること
で、農林水産物等の生産力を維持・発展しようとする動きが高まってきています。
特に、これまで日本の農林水産物等の購買対象となり得なかった近隣アジア諸国が経
済発展を遂げたことにより、日本産品の購買対象としての市場を形成しつつあることは、
我が国の農林水産物等の輸出にとってひとつの好機となっていることは明らかです。
このような状況を鑑み、ジェトロは、農林水産省の事業の一環として、立地からも市場と
して最も魅力のある地域の一つである中華人民共和国(以下、中国)の上海市で開催さ
れる、FHC CHINA 2007に「日本パビリオン」を設置します。
2.見本市概要
1)展示会名称: FHC CHINA 2007
2)会期: 2007年11月14日(水)∼16日(金)9:30-17:00 (最終日16:00)
設営期間−11/12-13 8:30-17:30、撤去期間−11/16 16:00-17:30
11/17 8:30-17:00
3)開催地: 中国 上海
4)会場: 上海新国際博覧中心 (Shanghai New International Expo Centre (SNIEC))
5)主 催: 華漢国際会議展覧(上海)有限公司 (CHINA INTERNATIONAL EXHIBITONS Ltd)
6)対象出品物: 食品
7)実績(’06):
①会場面積−30,000㎡
②来場者数−16,532人
③出品者数−737社
④参加国数−38カ国
2. 日本パビリオン出品概要
1)規模: 32小間(288㎡)
※うち、出品企業ブース 25小間(9㎡/小間)
2)出品者数: 25社・団体
3)出品内容: 出品企業ブース−日本食品全般
広報ブース−受付、商談コーナー、事務局他
−8−
International Restaurant & Foodservice Show of NY見本市概要
1.見本市概要
(1)見本市名:International Restaurant & Foodservice Show of New York 2008
(2)会期:2008年3月9日(日)∼ 11日(火) 10:00∼17:00(最終日は16時まで)
(3)会場:米国ニューヨーク市 Jacob K Javits Convention Center
(4)主催者:Reed Exhibitions (5)会場面積:21,368㎡ (展示面積:10,655㎡予定)
(6)出品者数:696社 (前回実績)
(7)海外出品国数:6ヵ国 (カナダ、イタリア、ドイツ、タイ、グアテマラ、日本(前回実績)
(8)来場者数:18,000人 (前回実績)
(9)ウェブサイト:http://www.internationalrestaurantny.com/
(10)見本市の特徴:
①食品・飲料、ホテル・レストランサービスおよび食周り産業を対象とした、国際食品・ 飲料展
②ハイエンドユーザーを対象にしており、又レストラン関係者・卸関係者等の来場が多
い。
2. 日本パビリオン出品概要(予定)
(1)参加規模: 「日本パビリオン」 25小間 (232㎡)
*商業ブース(企業出品ブース) 16小間(149㎡)
*デモンストレーションブース 6小間(56㎡)
*商談ブース 1.5小間(14㎡)
*ジェトロ広報ブース 1.5小間(14㎡)
(2) 出品対象品目:
①日本産農林水産物・および加工食品・飲料、または日本産農林水産物を主原料とし
た加工食品・飲料
②米国で販売可能な食品・飲料
3. 関連事業(予定)
(1)ニューヨーク海外市場開拓ミッション
2008年3月 見本市の開催に併せて日本からミッションを派遣
(2)日本酒・焼酎セミナー
2008年3月 マンハッタン内のレストランやホテルでの開催
−9−
■ (財)世界緑茶協会 白井 満 委員 −10−
−11−
−12−
−13−
■ ㈱下堂園 常務取締役 岡 秀実 委員
現在、当社のアメリカ及びカナダへの輸出は、ドイツのShimodozonインターナショナルを経
由して行っている為、販売金額等の詳しい内容は、把握していません。
おおよそ、オーガニックのお茶、オーガニックのチョコレート類を合わせて、今年の5月から
10月までの販売実績で末端小売金額日本円の約2,000万円前後と思われます。
販売価格帯は、ドイツ側が輸入した際の関税とドイツからアメリカへ輸出した時点でのアメリ
カ側の関税の二重関税等も関係して、かなり高めになっています。
もともと、ヨーロッパ内での価格設定もかなり高い単価で販売させていますが、アメリカ、カ
ナダではユーロ高もありかなり高価な商品になっています。
50g入りの緑茶で日本円の500円ぐらいから50g入り5,000円ぐらいの設定になっていま
す。
商品は、全てオーガニックでアメリカのオーガニックNOP認証も取得しています。
今後、ドイツを経由しないで直接、アメリカへ輸送する手段も検討中ですが、ブランド
(KEIKO)戦略の観点で今のところドイツ側が日本発ではなくヨーロッパ発の姿勢を崩してい
ません。
アメリカにおける当社代理店から見た現状を簡単にお知らせします。
この現状把握は、日本人または、アジア系の人種ではなく、あくまでもアメリカ及びカナダ在
住の欧米系の人種を対象にしたものです。
①ほとんどの日本の緑茶は芳香されている。(香をつける原料として使用)
緑茶単体ではなく何か別の物と混合された物が好まれている。
②女性購入者の約60% 以上が緑茶単体を好まない。
③緑茶を原材料に使用した
飲み物だとジンジャー、ミント等と緑茶をブレンドした物
菓子類だと緑茶をブレンドした緑茶味のチョコレート、ケーキ、クッキー等に
関心を持っている。
④購買動機の大きな要因のひとつは、パッケージのデザインにある。
デザインのよしあしで購買動機が増える。中身は二の次である事が多い。
⑤最近ではリキッドタイプの緑茶が大きなコーヒーチェーンショップへの参入をはたしている。
ミルクと混ぜて抹茶ラテ等で提供されている。
⑥最近では、ベビーブームの世代が新たな購買者になり高品質のお茶を探し始めているこ
とも事実である。
−14−
住所等は、
TOP TASTE INTERNATIONAL
2710 North Street
62864
Mount Vernon
1(618) 242-5711
1(618) 242-5755
write to: P.O. Box 488, Mt. Vernon, IL 2864.For Canada,adress is: Top Taste Imports ulc. 3090
Boul. Le Carrefour - Suite 304 Laval.QC. Canada. H7T 2J7Tel: 450-682-3232 Fax: 450-682-7555
−15−
■ 宇治の露製茶㈱ 海外事業部 事業部長 桐島 俊昭 委員
中国上海での日本茶販売状況
販売開始時期 2007年3月頃より
販売先 百貨店内の直営スーパー(元日系 現香港資本)
日本食品中心の小型スーパーのチェーンストア
ローカルのスーパーのチェーンストア(主として百貨店内に展開)
ローカルの旧来型の食品店
販売品 リーフ(煎茶、抹茶入り煎茶、抹茶入り玄米茶、玉露)
ティーバッグ(煎茶、玄米茶、ほうじ茶)
抹茶(スティック)、麦茶(徳用ティーバッグ)
売れ筋 ティーバッグ
抹茶入り煎茶、抹茶入り玄米茶
価格帯 日本の標準小売価格
250円∼1500円
売れ筋 ティーバッグ250円
リーフ 500円
現地の販売価格 日本の標準小売価格の180∼200%
ポイント
(1)香港経由等ではなく、直接上海への正式ルートでの輸出
(2)上海側でのパートナーの選定が重要
①緑茶の輸入ライセンス ②輸入通関手続きに慣れている
③表記している全ての日本語の中国訳
*通関時に必要
*販売時にステッカーを貼付
④現地の必要な表示事項を盛り込んだステッカーの準備
⑤茶の知識がある
(3)試飲等プロモーションの継続
上海側パートナーへの支援
今後の目標
①カルフール等大型スーパーマーケットでの販売 −16−
■ 静岡大学 農学部 教授 森田 明雄 委員
1.現地調査について
「平成18年度農林水産物貿易円滑化推進事業(日本茶世界進出事業)」での取組み
を本事業で生かすため、輸出茶生産のための産地づくりをテーマに、以下の現地検討
委員会を実施した。
岡部町・・・10月2日 10月24日
京都府・・・10月26日
その結果を以下にまとめた。
①輸出先国のポジティブリストへの対応
一番茶(玉露とてん茶)について農薬残留分析を行い、現状把握する。
(既に、岡部町では一部分析結果が出始めている。)
二番茶についても検討中。
②輸出茶生産のための栽培方法の提案と普及
農薬残留分析結果から、使用する薬剤や散布時期の適否を検討し、輸出茶の防除方
法を提案する。
岡部町においては、展示圃の設置について検討中。
2.取組み方向
上記で述べた現地調査結果を取りまとめ、今後、輸出向け産地形成のための条件につ
いて整理し、実行プランをまとめていく予定である。
具体的には、輸出国のポジティブリスト等をクリアできる栽培方法を提案し、これによ
り国内の安全な茶づくりを推進していく。
そのためには、輸出先国のポジティブリストや有機栽培の認証基準などを整理する必
要があり、現在情報集中である。
−17−
■ 静岡県経済農業協同組合連合会 茶業副委員長 板倉 小右衛門 委員
•海外旅行の時、ホテルに宿泊し食事を取りますが、その時の飲物として、日本緑茶が
ありません。
•是非、日本を代表する飲物でありますから、海外で簡単に飲むことができる場を望む。
•リーフ茶、粉茶
•健康、美容に有効である旨にアピールする。
•上記の使用茶を製造し販路を要望致していますが、取り扱い商人、残留農薬基準等
が不明です。また、取引条件、代金支払い等の商業上での規約も不明であります。
•また、取引上のリスクには、どの様なものがあるのか、それを保護するまたは守る保
険的機能等も教えて頂きたい。
•契約栽培的に生産しても天然自然の変化で無作法(ドリフト等)の不慮の出来事が生
じた場合の処置等も心配です。
•商品の内容(見本違い)違いが指摘されるとか、苦情が生じた場合
•輸送途中で変質した場合
•輸送途中で紛失した場合
•誰が何処で検査し、また、証明等として取引出来るのか、との費用にはどの様なもの
があり、誰が支払いをするのか
•事前検査等の措置があるならば、その体制と組織を知りたい
•栽培上でも加工過程でもどこまでトレースするのか又報告が必要なのか
−18−
■ (特非)日本茶インストラクター協会 専務理事 杉本 充俊 委員
中国(上海)現地調査仕様
1.背 景
中国における在住日本人の人口は、約50,000人であるといわれている。日本茶を輸出
する場合、日本茶文化とのセット化による訴求が有効であることが、さまざまな調査か
ら報告されている中、現地に日本茶文化を広める者を育てることが効果な手法の1つ
と考えられる。中国には茶の文化があり、味覚、嗜好については日本茶を受け入れる
風土はあるものの、日本茶文化に対する知識を持って日本茶を飲む段階までには至っ
ていないのが実情である。そこで、まさに「日本茶を飲んでいる在中国日本人」に対し
て、一定のステータスを付与することで、広く現地の中国人との接点の中で日本茶に
親しんでもらうことが効果的である。
特に、昨今、中国では、上海を中心とした地域が経済活動の中心となりつつある点か
ら上海をターゲットエリアに設定し調査を実施する。
2.目 的
(1)中国(上海)在住日本人に対する日本茶文化普及手法の実現可能性調査
上海に在住する日本人の日本茶に関する意識と、日本茶の中国人への普及意欲に関
する調査を実施し、日本文化とのセット化販売の実現可能性を検証する。
(2)中国(上海)の日本茶販売店、来店中国人顧客の意識調査
上海に出店している日系茶販売店に来店する顧客を対象に日本茶文化セミナーを開
催しセット化された販売施策の有効性を調査し、実現可能性を検証する。
3.調査フロー
日本茶に関心を持つ現地在住の日本人層調査
日本茶に関心を持つ現地在住の日本人層調査
・現地に在住する日本人をとりまとているコミュニティーの実態調査
・現地に在住する日本人をとりまとているコミュニティーの実態調査
(○○日本人会等)
(○○日本人会等)
・現地在住日本人の日本食に関する意識及び日本茶に関する意識調査
・現地在住日本人の日本食に関する意識及び日本茶に関する意識調査
日本茶文化紹介セミナーによる
日本茶文化紹介セミナーによる
日本茶訴求実験
日本茶訴求実験
・日本茶紹介セミナーによる淹れ方の教育と
・日本茶紹介セミナーによる淹れ方の教育と
日本茶の訴求方法を検証
日本茶の訴求方法を検証
・日本茶紹介セミナーの体験受講による関心
・日本茶紹介セミナーの体験受講による関心
度調査
度調査
・受講可能性及び日本茶購入可能性の検証
・受講可能性及び日本茶購入可能性の検証
現地日本茶販売店調査
現地日本茶販売店調査
・来店顧客属性調査
・来店顧客属性調査
・日本茶アドバイザー資格取得と日本茶販売
・日本茶アドバイザー資格取得と日本茶販売
促進との関係性分析
促進との関係性分析
(講座を実施し、販売先を紹介すると同時 (講座を実施し、販売先を紹介すると同時 に、販売員としての実践が可能かを調査)
に、販売員としての実践が可能かを調査)
※講座の参加者にサービス券を配布し口 ※講座の参加者にサービス券を配布し口 コミの範囲を調査
コミの範囲を調査
調査報告書のまとめ
調査報告書のまとめ
・中国に転勤にて居住している日本人として、日本茶を購入する可能性及び
・中国に転勤にて居住している日本人として、日本茶を購入する可能性及び
頻度を確認すると同時に、中国人への有効な紹介方法についてのモデル 頻度を確認すると同時に、中国人への有効な紹介方法についてのモデル を検討する。
を検討する。
・中国人の日本茶購入者に対して、セミナー等の教育活動が有効かを確認 ・中国人の日本茶購入者に対して、セミナー等の教育活動が有効かを確認 する。
する。
−19−
■ 全国菓子工業会連合会 専務理事 矢部 正行 委員
【虎屋文庫】
•虎屋では、国際交流の一環で、日本に住んでいる外国人の方に和菓子つくりを体験
する機会を提供する
•ブルガリアでは現地の新聞にも取り上げられた。
•イタリアやギリシャでは和菓子を紹介するパンフレットを作成してくれて、手作りのおも
しろさが紹介された。
•大豆はフランス語でアリコルージュ「赤い豆」になるが、飼料のような響きもあって、食
べ物として魅力がないようにとられてしまう。それで、今は「小豆(AZUKI)」という日本
語をそのまま使用している。現在ではスローフーズの動きもあって、食材の見直しがさ
れており、和菓子の材料に注目が集まっている。
•ヨーロッパでは、先ずは生菓子から入って頂き、除々に日本古来のお菓子に親しんで
もらうという段階が必要である。
•虎屋パリ店25周年記念事業で、和菓子を紹介するフランス語の絵本を作成。
•「和菓子その美と心」(ビデオ)を英語、フランス語、イタリア語で開発した。
【松江市商工会議所の取組】
•平成16年度 中小企業庁採択事業「松江・和菓子モダンプロジェクト」にて、和菓子の
新でデザート」を開発。
•「松江・和菓子モダンプロジェクト」事業の試食パーティーでは、今回特別に開発した
•NEW和菓子に合った「日本茶」や島根県産品の「あご(飛魚)野焼宮かまぼこ」や「奥
出雲産チーズ」「松江の日本酒」「奥出雲ワイン」などが振舞われる中、菓子オーナーと
現地の方が商談する光景があちこちに見られた。
•アメリカでは、インターネットの普及と物流システムの進歩が著しく、当社のニューヨー
クのロサンゼルスでもインターネットで注文を受け、全米各地に商品を届ける。
参考【茶席の菓子の流れ】・・・和菓子歳時記 千澄子(武者小路千家・十世家元夫人
•茶席の主役は茶
•菓子の歴史
•干菓子の発達
•茶席の菓子の流れ
−20−
■ (独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所 茶業研究監 吉冨均 委員
−21−
海外需要に対応した茶の無農薬栽培法と
香気安定発揚技術の確立
日本食の海外進出
海外での日本茶ブーム
追い風に乗って輸出を拡大したいが・・・
日本茶の輸出拡大への壁
欧米では茶栽培がない
→日本で使用されている農薬の
登録無し
→ポジティブリスト制度をクリアす
るには 実質的 に無農薬 栽培
が必要
• 食文化を背景とする嗜好の違い
• 緑茶の香りが敬遠される
「魚臭い」「青臭い」
→海外の消費者が好む香気が必要
烏龍茶のような「萎凋香」は好まれる。
しかし、従来の製茶法は香気の発揚が不安定。
品種の香りを活かしていない!!
フェロモン剤、顆粒病ウィルス、送風式捕虫機等の
防除法により 減 農薬は可能。
しかし、病虫害抵抗性品種を活用していない!!
無農薬栽培の試験ほ場
品種
栽培法
製茶法
• クワシロカイガラムシ
抵抗性DNAマーカー
• 有機JAS認定、EU有機認
• 多様な香気を持つ新品種
• 人工萎凋機を利用した低
野菜茶業研究所
鹿児島県
(株)下堂園
鹿児島県立短大
定を受けた環境保全型茶
栽培技術
(株)下堂園
鹿児島県
温除湿萎凋法
新香味品種と
香味安定発揚技術を
利用した製茶法の開発
病虫害抵抗性品種を
活用した
無農薬栽培体系の確立
輸出拡大への壁を
ぶちこわす!!
•安心・安全で高品質な Premium Japanese Tea
•国内の茶業が国際競争力の高い「日本茶ビジネス」へ
•茶とともに日本の文化を輸出
野菜茶業研究所一般公開での アン ケート調査
急須なしでも本格的な日本緑茶が味わえるドリップ式緑茶の開発
日本食ブームとともに緑茶人気 → 日本緑茶輸出促進の好機
課題背景
海外では紅茶や緑茶は手軽なティーバッグが主流
大紀商事株式会社
ドリップコーヒー用フィルター
特許第3674486号
短時間で浸出する
粉末緑茶
多くの人が好む味を
作る火入れ技術
しかし、日本の緑茶は、
湯温や浸出時間など微妙な調節、コツが必要
おいしい緑茶の淹れ方をコツなしに簡便な方法で再現
急須で淹れたお茶の成分濃度,味をつくる
応用する技術
・開発する技術
研究内容
3.ドリップ式緑茶の嗜好調査
3.ドリップ式緑茶の嗜好調査
1.一定時間で適度な濃度に
1.一定時間で適度な濃度に
成分を浸出できる粉末緑茶の開発
成分を浸出できる粉末緑茶の開発
ドリップ式に適した粉末緑茶
2.透水速度を調節したドリップ式
2.透水速度を調節したドリップ式
緑茶用不織布フィルターの開発
緑茶用不織布フィルターの開発
外国人の嗜好に合う日本緑茶,
海外でのマーケッティング
1分浸出のドリップ式緑茶用フィルター
これまでにはない
本格的なドリップ式緑茶
期待される成果
いつ、誰が淹れても同じ味で、尚かつ1分程度で
本格的な日本緑茶をカップで味わえるドリップ式緑茶を実用化 !!
期待される波及効果
ドリップ式緑茶の実用化により、急須のない海外へ日本緑茶の輸出促進が図られる
ドリップ式緑茶の実用化により、急須のない海外へ日本緑茶の輸出促進が図られる
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4.日本茶輸出戦略案の提案・・・・・事務局提案
輸出向けの茶生産体系を確立する必要がある
(森田委員)
対内戦略
輸出に当たって安心できる流通体制の確立
(板倉委員)
輸出に意欲ある産地への
積極的支援
安全性を基本とした
生産体系による産地づくり
宇治茶をアイテムとした京都の魅力づくり
(藤井委員)
中国における日本茶の販売実態
(桐島委員)
中国(上海)の日本茶普及伝道師の普及可能
性検討(杉本委員)
和菓子とのセット化による日本茶普及の有効性
(矢部委員)
高付加価値商品の
積極的な情報発信
中国(上海)の茶販売店来店客が好む茶の調査
(杉本委員)
海外バイヤーが購入したい高付加価値商品
(日本茶業中央会調査)
海外在住日系人を入口とした
市場開拓拠点づくり
日本茶文化との連動化による
積極的な展開
各種日本食フェア、出展、セミナー実施
(瀧委員)
海外イベント情報(高橋委員)
世界各国での各種日本食イベントの展開
(高橋委員)
日本茶輸出戦略
対内戦略
対外戦略
日本茶輸出実行プラン設計の視点
輸出向け碾茶炉の設備投資の推進
輸出向け茶を扱う地域の商社機能をもった業者の育成
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輸出に意欲ある産地への
積極的支援
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輸出向けや茶の残留農薬基準専門調査機関の育成
安全性を基本とした
生産体系による産地づくり
世界に通用する茶生産体系の設計
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オールジャパン日本茶ブランドのマーク等を設定
高付加価値商品の
積極的な情報発信 産地ブランドを生かした付加価値商品の育成と情報発信
(宇治茶、静岡茶、鹿児島茶・・・)
茶種特性を生かした付加価値商品の育成と情報発信
(玉露、上級煎茶、べにふうき・・・・)
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輸出先の市場開拓拠点づくり 日本茶文化との連動化による
積極的な展開
対外戦略
海外に在住する日本人を入口とした市場開拓拠点づくり
上海日本人会への定期的な茶関連セミナーの実施による
意味ある商品の訴求
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上海に拠点をもつ和菓子店での日本茶セミナーの実施
日本茶アドバイザー資格取得者への日本茶ディストリビューター
機能の定着
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5.今後の予定
(1)次回委員会までに実施する事務局による調査内容
・中国、アメリカにおける統計公開情報等のとりまとめ
・在日アメリカ系各種機関へのヒアリング
・在日中国系各種機関へのヒアリング
・茶の輸出業者へのヒアリング
(日本茶輸出組合)
(2)第3回委員会へに向けて
・本日の検討結果を踏まえ、各委員による実行プラン作成
に向けたアイディアの収集
・委員から提出された輸出実行プランのアイディアのとりま
とめ
(3)第4回委員会
・最終報告書の検討
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