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数学演習 1 (第 1 回)
数学演習 1 (第 1 回) 担当者: 原瀬 晋 答えだけでなく計算過程も書くこと. [1] 三角不等式 |x + y| ≤ |x| + |y| を証明せよ. [2] 数列 ( )n 1 an = 1 + n は,n → ∞ のとき収束することを (1) 単調性 (2) 有界性 の 2 つを証明することにより示せ.この式で与えられた極限を e と書く. [3] 次の極限値を求めよ. ( lim x→∞ a )x 1+ . (a > 0) x [4] 次の極限値は存在するか?存在すれば,その極限値を求め,存在しないならば,その理由を述 べよ. 1 x→+0 x 1 (2) lim x sin x→0 x 2x2 + 3 (3) lim 2 x→∞ 5x √ +x+7 √ (4) lim { x2 + 4x − x2 + x} (1) lim sin x→∞ a0 xm + a1 xm−1 + · · · + am−1 x + am x→∞ b0 xn + b1 xn−1 + · · · + bn−1 x + bn (5) lim (a0 b0 ̸= 0, m, n = 1, 2, . . .) 数学演習 1(第 2 回) 担当者: 原瀬 晋 答えだけでなく計算過程も書くこと. [1] 次の行列のうち,積が定義される組合せをすべて求め,その積を計算せよ. [ ] 2 3 2 [ ] 2 3 A = 1 , B = 4 1 , C = 2 0 1 , D = −1 4 −1 0 1 [2]A = [ a b c d ] について,A2 − (a + d)A + (ad − bc)E = O が成り立つことを示せ.これをケイ リー・ハミルトンの定理という. [3] A = [ cos θ − sin θ sin θ cos θ ] とする.任意の自然数 n に対し, [ cos nθ A = sin nθ n − sin nθ cos nθ ] であることを数学的帰納法を用いて証明せよ. [4] 2 つの n 次正方行列 A と B の積の結果は積を取る順番に依り,一般に AB ̸= BA である.積 AB と積 BA の食い違いの目安を与える操作として行列の交換子積というものを考える.交換子 積は [A, B] と表され, [A, B] = AB − BA によって定義される.このとき,以下の問に答えよ. [ 3 0 ] [ ] 1 −1 ,B = について,[A, B] を計算せよ. 2 1 4 2 a 0 0 0 0 1 , B = 0 1 0 について,[A, B] = O が成立するための必要十分条件 (2) A = 0 b 0 0 0 c 1 0 0 (1) A = を求めよ. (3) 一般の n 次正方行列 A, B, C について,交換子積の性質 [A, [B, C]] + [B, [C, A]] + [C, [A, B]] = O を示せ.これはヤコビ恒等式と呼ばれる. 数学演習 1 (第 3 回) 担当者: 原瀬 晋 答えだけでなく計算過程も書くこと. [1] 次の関数の連続性を調べよ. (1) f (x) = cos x x sin 1 x (2) f (x) = 0 (x ̸= 0) (x = 0 で連続かどうか調べよ.) (x = 0) [2] 自然対数の底 e は ( )x 1 e = lim 1 + x→∞ x と定義しても良い (荒井先生の教科書 p.37 の例題 1.3.2).そこで,(1)–(4) の順番に次の式を証明 せよ.これらの証明は技巧的なので,図書館で,いくつかの教科書を調べると良い. ( )x 1 (1) lim 1+ =e x→−∞ x (2) lim (1 + x)1/x = e x→0 log(1 + x) =1 x→0 x ex − 1 (4) lim =1 x→0 x (3) lim [3] 次の関数を微分せよ.(高校の復習) 2 (1) y = (2x √ − 1)(x − x + 3) (2) y = x2 + 3 ex + e−x (3) y = x e − e−x (4) y = tan(sin √ x) 1 − cos x (5) y = log 1 + cos x 数学演習 1 (第 4 回) 担当者: 原瀬 晋 答えだけでなく計算過程も書くこと. [1] 正方行列 A に対し,AX = XA = E(E は A と同じ型の単位行列) をみたす正方行列 Xが [ ] a b 存在するならば,X を A の逆行列といい,A−1 と表す.2 次正方行列 A = において, c d ∆ = ad − bc とするとき, [ ] d −b 1 • ∆ ̸= 0 ならば,A 逆行列が存在し,A−1 = . ad − bc −c a • ∆ = 0 のとき,逆行列は存在しない. そこで,∆ ̸= 0 のとき,2 次正方行列 A について,AA−1 = E と A−1 A = E が成立することを 確かめよ. [2] A = (1) (2) (3) (4) [ ] 10 −18 3 −5 ,P = [ 2 3 1 1 ] とおく.以下の誘導に沿って,An を求めよ. P −1 を求めよ. P −1 AP を求めよ. (P −1 AP )n を求めよ. An を求めよ.(ヒント:(3) の P −1 AP の n 乗で打ち消し合うところはどこか?) [3] 次の問に答えよ. (1) n を 2 以上の自然数とする.xn を 2 次式 x2 −5x+6 で割るときの余りの 1 次式を rn x+sn とおく.このとき, rn , sn を n を用いて表せ. [ ] 2 0 (2) A = とする.自然数 n に対して,(1) およびケイリー・ハミルトンの定理を利用し 1 3 て,An を n を用いて表せ. [4] 次の連立一次方程式を拡大係数行列の (行) 基本変形を用いて解け. 1 −1 −2 x1 1 2 1 −1 x1 −2 2 5 x2 = −2 1 −1 2 x2 = 5 (1) −1 (2) 3 −2 1 x3 −2 −1 0 2 x3 6 数学演習 1 (第 5 回) 担当者: 原瀬 晋 答えだけでなく計算過程も書くこと. [1] 逆三角関数について次の問に答えよ. (1) sin−1 12 の値を求めよ. (2) 方程式 sin−1 x = cos−1 x をみたす x を求めよ. (3) π sin−1 x + cos−1 x = 2 (−1 ≤ x ≤ 1) が成り立つことを示せ. [2] 導関数の商の公式 ( f (x) g(x) )′ = f ′ (x)g(x) − f (x)g ′ (x) g(x)2 (ただし,g(x) ̸= 0) を証明せよ. [3] 次の関数を微分せよ. (1) xx (x > 0) (2) ax (a > 0) x (3) log | tan | 2 1 x−a (4) log | | (a > 0) 2a x√+ a 2 (5) log √|x + x + A| (Ax̸= 0) (6) x a2 − x2 + a2 sin−1 (a > 0) a [4] y, z がともに n 回微分可能ならば,その積 yz も n 回微分可能で, (n) (yz) = n ∑ i=0 n Ci y (n−i) (i) z = n ∑ n Ci y (i) (n−i) z i=0 が成り立つ.これをライプニッツの公式という.この公式を証明せよ.ここで,0 階導関数 y (0) とは y 自身であると約束する. 数学演習 1 (第 6 回) 担当者: 原瀬 晋 答えだけでなく計算過程も書くこと. 線形代数の教科書:三宅敏恒著「入門線形代数」(培風館) • p.22 問題 2.1 の大問 2 の (3) と (4) • p.33 問題 2.3 の大問 1 の (1)–(7) を解いてくる. 数学演習 1 (第 7 回) 担当者: 原瀬 晋 答えだけでなく計算過程も書くこと. [1] 次の関数の増減,凹凸,極値,変曲点を調べ,グラフの概形を書け. (1) y = x4 + 2x3 + 2 (2) y = xex 4x (3) y = 2 x +√1 (4) y = x − x (x ≥ 0) [2] 標準正規分布 N (0, 1) の確率密度関数 x2 1 f (x) = √ e− 2 2π の増減,凹凸,極値,変曲点を調べ,グラフの概形を書け. [3] パラメータ λ > 0 について,ポアソン分布 P o(λ) の確率関数は f (k) = e−λ λk /k! (k = 0, 1, 2, . . .) と定義される.ポアソン分布は 1 回1回の試行は起きる確率は小さいが,試行回数が多いので,全 体としてはかなり起こりうる現象によくあてはまる分布である.ここで,ex のマクローリン展開 ex = ∞ ∑ xn x x2 x3 =1+ + + + ··· n! 1! 2! 3! n=0 を利用して,以下の問に答えよ.ただし,0! = 1 とする. (1) (2) ∞ ∑ k=0 ∞ ∑ f (k) = 1 となることを示せ. kf (k) = λ となることを示せ.(これは平均が λ であることを意味する.) k=0 (3) シャーレ (ペトリ皿) 上のバクテリアの繁殖を調べる.シャーレを顕微鏡で拡大すると,バ クテリアは黒点に見える.シャーレを 118 個の小正方形に分割し,k 個 (k = 0, 1, 2, · · · ) の 黒点をもつ小正方形の個数を度数分布にまとめたのが表 1 である.そこで,平均 λ = 2.962 として,ポアソン理論値 118 · f (k) を求め,空欄を埋めよ (小数第 1 位までで良い). 表1 バクテリアの数 (出典:フェラー) k 0 1 2 3 4 5 6 以上 観測度数 5 19 26 26 21 13 8 ポアソン理論値 (118 · f (k)) 9.5 数学演習 1 (第 8 回) 担当者: 原瀬 晋 答えだけでなく計算過程も書くこと. [1] 次の連立一次方程式を拡大係数行列の簡約化を用いて解け.解が一意的に定まらない場合は主 成分に対応しない変数を任意定数としておき,ベクトルの一次結合を用いて解を書き表せ.解が 存在しない場合は理由を書け. 1 (1) 3 −1 (3) 2 5 x1 9 −1 8 x2 = −1 3 0 x3 11 [ 1 −2 1 4 2 −4 3 1 x1 1 1 −1 4 x2 1 −2 1 = 2 x3 −1 4 5 −3 x4 1 (2) 0 2 x1 ] x2 [ ] −2 1 x3 = −8 0 x 4 x5 1 (4) 3 −1 2 5 x1 0 −1 8 x2 = 0 3 0 x3 0 [2] 次の行列の階数を求めよ.(ヒント:隣り合う行同士の引き算を考えると・・・) 3 4 5 6 7 4 5 6 7 8 5 6 7 . 8 9 1 −1 0 0 1 2 A= 3 4 5 [3] 次の行列の逆行列を求めよ. (1) A = [ cos θ − sin θ sin θ cos θ ] . 2 3 4 5 6 0 (2) B = 0 1 −1 0 1 0 0 0 0 . −1 1 [4] A は正方行列とする.次を示せ. (1) A が正則ならば,A−1 も正則で (A−1 )−1 = A. (2) A が正則ならば,(t A)−1 = t (A−1 ).ただし,t A は A の転置を表す. (3) A, B が正則ならば,(AB)−1 = B −1 A−1 . 数学演習 1 (第 9 回) 担当者: 原瀬 晋 答えだけでなく計算過程も書くこと. [1] 以下の関数のマクローリン展開 (x = 0 の周りでのテイラー展開) を x3 の項まで求めよ.答え は f (x) = a0 + a1 x + a2 x2 + a3 x3 + · · · という形で書け (剰余項は計算しなくても良い). √ (1) f (x) = 1 + x 1 (2) f (x) = 1−x (3) f (x) = ex sin x (4) f (x) = sin−1 x [2] 次の極限値を求めよ. 1 − cos 3x x→0 x2 log(cos 3x) (2) lim x→0 log(cos 2x) ax − bx (3) lim (a, b > 0) x→0 x x x a +b 1 (a, b > 0) (4) lim ( )x x→0 2 (1) lim [3] 次の問に答えよ. (1) a > 1 とする.自然数 n = 1, 2, . . . について, an lim =0 n→∞ n! となることを示せ.(ヒント:(1) は (2) で用いる.(1) は教科書 p.13 の (v) の逆数を取 ると・・・) (2) ex のマクローリンの定理 ex = 1 + x x2 xn−1 + + ··· + + Rn 1! 2! (n − 1)! eθx n x (0 < θ < 1) が,n → ∞ のとき,Rn → 0 となることを n! 示せ.(ここで,−∞ < x < ∞ とする.) において,剰余項 Rn = 数学演習 1 (第 10 回) 担当者: 原瀬 晋 答えだけでなく計算過程も書くこと. [1] 次の行列式を計算せよ. 2 cos θ − sin θ (1) (2) 0 . sin θ cos θ 0 (5) 99 100 101 (4) 100 99 100 . 101 101 99 −1 5 4 3 3 . −6 3 1 3 5 6 2 2 6 −3 1 0 1 1 6 3 1 . 2 (3) 1 5 3 2 (6) 0 0 0 −6 3 . −15 14 −7 5 5 1 2 6 0 9 0 7 1 0 3 2 0 0 0 −1 1 2 . 5 −6 [2](離散フーリエ変換) 指数部が虚数の指数関数 eiθ を eiθ = cos θ + i sin θ と定義する.これはオ イラーの公式と呼ばれている.そこで,以下の問に答えよ. (1) eiθ eiϕ = ei(θ+ϕ) と (eiθ )n = einθ を示せ.(前者は三角関数の加法定理を用いるとよい.) eiθ + e−iθ eiθ − e−iθ (2) cos θ = と sin θ = を示せ. 2 2i (3) 次の関係が成り立つことを示せ.(以下,m, n は整数,N は自然数とする.) N −1 1 ∑ i2π(m−n)k/N e = N k=0 { 1 (m ≡ n mod N ) 0 (m ̸≡ n mod N ) . ただし,m ≡ n mod N は m − n が N の倍数であることを表す (N を法として合同であ ると読む). (4) ωN を ωN = ei2π/N と定義する.これは N 次方程式 z N − 1 = 0 の解であり,次の関係を 満たす. N k ωN = 1, ωN ̸= 1, k = 1, 2, . . . , N − 1. 上記を満たす ωN を 1 の原始 N 乗根と呼ぶ.すなわち,ωN は N 乗して初めて 1 になる 数であることを意味する.このとき,次の関係を示せ. 1 1 1 . .. 1 1 ωN 2 ωN . .. N −1 ωN 1 2 ωN 4 ωN . .. 2(N −1) ωN ··· ··· ··· 1 N −1 ωN 2(N −1) ωN . .. ··· (N −1)(N −1) ωN −1 1 = N 1 1 1 . .. 1 1 1 −1 ωN −2 ωN −2 ωN −4 ωN .. . .. . −(N −1) ωN −2(N −1) ωN この行列は信号処理や画像圧縮 (JPEG ファイル) などに応用されている. ··· ··· ··· 1 −(N −1) ωN −2(N −1) ωN .. . ··· −(N −1)(N −1) ωN 数学演習 1 (第 11 回) 担当者: 原瀬 晋 答えだけでなく計算過程も書くこと. [1] 次の関数 f (x, y) は (x, y) → (0, 0) のとき,極限値をもつか.もつならばその極限値を求めよ. xy (1) f (x, y) = √ x2 + y 2 2 x − y2 (2) f (x, y) = 2 x + y2 [2] 次の関数について fx , fy を求めよ (定義域は深入りせず,機械的に計算せよ). (1) f (x, y) = x5 y 2 + 3x3 y + y 3 x (2) f (x, y) = x−y y (3) f (x, y) = tan−1 √ x − x2 +y 2 (4) f (x, y) = e [3] 曲面 z = x2 − 2xy + 3y 3 の点 (2, 1, 3) における接平面を求めよ. [4] 次の関数の 2 階偏導関数をすべて求めよ. (1) f (x, y) = exy (2) f (x, y) = log(x2 + y 2 ) [5] 教科書の定理 3.3.1 と定理 3.3.2(連鎖律) を用いて,次の偏微分を求めよ. y dz dz , x = cos t, y = sin t について, を求めよ ( を t の関数として書け). x dt dt ∂z ∂z ∂z ∂z (2) z = log(x2 + y 2 ), x = u − v, y = u + v について, , を求めよ ( , を u, v ∂u ∂v ∂u ∂v の関数として書け). y ∂z ∂z ∂z ∂z (3) z = tan−1 , x = u2 − v 2 , y = 2uv について , を求めよ ( , を u, v の関 x ∂u ∂v ∂u ∂v 数として書け). (1) z = tan−1 数学演習 1 (第 12 回) 担当者: 原瀬 晋 答えだけでなく計算過程も書くこと. [1] 次の行列式を計算せよ. 1 2 3 −1 −3 2 7 11 . (1) 0 5 9 16 −2 0 1 6 [2] 次の行列式を計算せよ. 2 1 a a − bc (1) 1 b b2 − ca . 1 c c2 − ab (2) (2) 0 0 1 3 1 . −1 4 2 1 3 1 0 −7 1 x 1 1 x 1 1 1 1 2 1 (3) 1 2 −1 1 2 . −1 1 2 1 2 1 1 1 1 −1 1 1 1 (因数分解した形で答えよ). x 1 1 x 1 [3] 与えられた行の余因子展開を用いて次の行列式を計算せよ. 3 1 −1 3 2 0 1 0 0 3 0 . (第 2 行) (1) 1 −3 2 . (第 3 行) (2) 0 5 4 0 0 0 4 2 1 3 −2 [4] 次の行列の余因子行列を求めよ.また,それを利用して逆行列を求めよ. 1 −2 2 A = 4 1 −1 2 −1 3 [5] 次の行列 a a+6 9 a a+6 a2 −1 1 2a + 9 が逆行列を持つための a の必要十分条件を求めよ. 2 数学演習 1 (第 13 回) 担当者: 原瀬 晋 答えだけでなく計算過程も書くこと. [1] z = log √ x2 + y 2 について, zxx + zyy = 0 が成り立つことを示せ. [2] z = z(x, y) を C 1 級関数とする.極座標変換 x = r cos θ, y = r sin θ により, (zx )2 + (zy )2 = (zr )2 + 1 (zθ )2 r2 となることを示せ. [3] 次の関数の (0, 0) におけるテイラー展開 (マクローリン展開) を 3 次の項まで求めよ.剰余項 R4 は計算しなくて良い. (1) f (x, y) = ex cos y (2) f (x, y) = eax+by [4] 次の関数の極値を求めよ.(教科書 p.125 の定理 3.4.4 を用いて判定すること.H をヘッシア ンという.) 極値をとらない場合もある. (1) (2) (3) (4) x2 y2 f (x, y) = + 9 4 2 y2 x f (x, y) = − − 9 4 x2 y2 f (x, y) = − 9 4 f (x, y) = x3 − 3xy + y 3